日テレHD、映像クリエイター向けプラットフォーム「Vook」に4億円出資——日本初の事業会社によるインパクト投資

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Image credit: NTV HD

日本テレビホールディングス(東証:9404、以下、日テレ HD と略す)は27日、映像クリエイター向けプラットフォーム「Vook」を運営する Vook に出資したことを明らかにした。出資額は4億円とみられる。Vook にとっては、2022年3月に実施した2億円の調達に続くものだ。Vook の累積調達額は、開示されているものだけで、デットを含め6億円以上に達した。

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なお、日テレ HD は、社会的インパクトマネジメントやインパクト投資、成果連動型民間委託(PFS)などを専門とするコンサルティング会社ケイスリーと契約しており、今回の案件が(財団などを除く)日本の事業会社による日本のスタートアップへの初のインパクト投資だとしている(GSG 資料に前例が無いため)。日テレ HD のインパクト投資では、「クリエイター支援」「環境支援」「D&I(多様性と受容性)」を主要テーマに設定している。

Vook への出資検討時のインパクトデューデリジェンスにおいて、日テレ HD とケイスリーの支援のもとで Vook 経営陣が検討した結果、「映像の力で社会を変える」を長期的に目指す社会的インパクトに設定した。Vook では今回の出資を受けて、「映像の力で個人の楽しい時間や体験、企業の成長や社会問題の解決が加速する世の中」を目指すとしている。

日テレ HD の事業会社である日本テレビ放送網は今年2月、開局70周年を記念して、スタートアップらとの共創を目指す取り組み「日テレ 共創ラボ」をローンチした。この際には、共創ラボの活動で、経済性と社会性に加え、戦略性も考慮したいとし、まだ耳慣れないインパクト投資や共創を「自ら実践し、誰もがわかりやすく伝えるのもテレビ局の使命だ」と意気込みを示していた。

また、同社が昨年5月に発表した「中期経営計画2022-2024」では、メディアコンテンツ事業、新規事業、生活・健康関連事業、サステナブル投資の領域で1,000億円の投資枠継続を明らかにしている。また先週には、以前出資した、農業法人「いかす」のソーシャルインパクト宣言を公開した。いかすについては、出資に先立ちインパクト投資の計測対象になっていなかったため、サステナブル投資の位置付けだとしている。

via PR TIMES

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