
Image credit: 未序網絡
本稿は、Technode(動点科技)が、9月18日~9月22日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。
Zhipu AI(智譜 AI)、AIスタートアップの Ling Xin Intelligence(聆心智能)を買収【報道】(9月22日)
36Kr(36氪)が22日に報じたところによると、清華大学の教授が設立した中国のAIスタートアップ Ling Xin Intelligence(聆心智能)が、テクノロジー企業 Zhipu AI(智譜 AI)に完全買収された。Zhipu AI は清華大学の卒業生が2019年に設立した企業で、大規模言語モデル(LLM)の開発に注力している。この動きに先立ち、Zhipu AI は Ling Xin Intelligence の2021年のエンジェル調達ラウンドと2023年のプレシリーズ A ラウンドにそれぞれ参加していた。業界関係者によると、買収が決定した時点での Ling Xin Intelligence の評価額は数億人民元(数十億円)だったという。
Ling Xin Intelligence は、清華大学コンピューター科学技術学部の准教授 Minlie Huang(黄民烈)氏によって2021年後半に設立された。Huang 氏の主な研究分野は自然言語処理、対話システム、自然言語生成、感情分析など。今年8月、Ling Xin Intelligence は、Tsinghua CoAI Lab(清華大学交互式人工智能課題組)と共同開発した LLM「Echo」の招待テストを開始した。このモデルは、ユーザに共感と交わりを提供するように設計されている、と同社は当時述べている。(36氪)
中国版NetFlix「iQiyi(愛奇芸)」創業者、「ジェネレーティブ AI がエンタメ分野のあらゆる側面をひっくり返す」と発言(9月22日)
中国の長編動画サイト「iQiyi(愛奇芸)」の創業者で最高経営責任者(CEO)Gong Yu(龔宇)氏は、ジェネレーティブ AI が制作方法、コスト構造、人員配置に大きな変化をもたらしており、こうした変化は今後3〜5年間で展開される見込みだと強調した。1日に開催された同社の年次会議「iJOY Conference(愛奇芸悦享会)」でのスピーチで彼はこのような洞察を披露し、282本の新作映画、ドラマシリーズ、バラエティ番組のリリース計画が発表された。
「AIGC(AI 生成コンテンツ)の核となる能力は、言語表現、芸術的な映像制作、クリエイティブな拡散に集約されると考えており、事前計画、脚本評価、制作、プロモーションの4つの主要段階にわたってクリエイターに力を与える」と Gong 氏は述べた。また、現在の仕事は人間中心のままであるため、AI が人間に取って代わることはないと強調した。(毎日経済新聞)
「Miaoya Camera(妙鴨相機)」、AI を活用した写真生成機能の無料トライアルを提供 (9月21日)
AI を搭載したデジタルアバター生成アプリ「Miaoya Camera(妙鴨相機)」は21日、より幅広いユーザ層にサービスを拡大するため、ヘッドショット1枚と最近の写真7枚をアップロードするだけで、パーソナライズされたポートレートを作成できる無料体験を消費者に提供すると発表した。このアプリは7月にローンチされると瞬く間に広まり、中国で最も広く利用されているジェネレーティブ AI アプリとなった。
アプリのローンチ当初、ユーザは標準的なスタイルのデジタルアバターを生成するために最低9.9人民元(約200円)を課金された。Miaoya Camera の開発元は、無料モードは有料版に比べて「生成効果に若干の制限がある」可能性があることを認めつつ、この無料体験を通じてより多くのユーザに AI ポートレート作成の楽しさを味わってもらいたいと、WeChat(微信)の公式アカウントに投稿した記事で付け加えた。(妙鴨)
中国の EV メーカーZeekr(極氪汽車)、アメリカでの IPO 前に180億米ドルの市場評価を目指す(9月20日)
中国の電気自動車メーカー Zeekr(極氪汽車)は、 アメリカで10億米ドルのIPOを目指す前に、180億ドルの市場評価を目指すと、19日付の Jiemian(界面)の報道が伝えた。この報道によると、今年2月、Zeekrはプレシリーズ A ラウンドの後、130億米ドルの評価を受けた。8月、中国証券監督管理委員会の Web サイトで公開された情報によると、Zeekr はニューヨーク証券取引所での IPO 計画について政府認可を申請していたことが明らかになった。直近の3週間、Zeekr はロードショーを行っている。
Zeekr のロードショーに詳しい内部関係者が Jiemian に語ったところによると、同社はシンガポールとヨーロッパで投資家とのミーティングを行っており、海外投資家に主眼を置いている。資金調達が順調に進めば、Zeekr の10億米ドルの IPO は、2021年に Didi(滴滴出行)が44億ドルを調達して以来、中国企業によるアメリカでの IPO としては最大規模になる可能性があるという。しかし、コンサルティング会社 Kearney のディレクターである Gui Lingfeng 氏は、中国のコンセプト株や Zeekr のような電気自動車のみを提供するスタートアップに対して、アメリカの資本市場は慎重であると Jiemian に語った。(界面)
Alibaba(阿里巴巴)の技術部門、ホームオートメーションブランド「Tmall Genie」を LLM 連携でリブランド(9月20日)
Alibaba(阿里巴巴)の AI 技術子会社が、ホームオートメーション機器ブランド「Tmall Genie(天猫精灵)」を「XGenie(未来精灵)」に刷新したと、中国のテック系ニュースサイト「IThome(IT 之家)」が19日に報じた。刷新された XGenie は、Alibaba の大規模言語モデル(LLM)「Tongyi Qianwen(通義千問)」がサポートするサービスを連携し、AIGC(AI 生成コンテンツ)作成、オープンドメイン対話、TTS(テキスト読み上げ)における感情表現などの機能を提供する。
Alibaba は同日、XGenie AR グラス、XGenie Sound スマートアシスタント、子供向けスマートタブレットの3つの AI 対応端末製品を発表した。Alibaba は2017年、スマートスピーカー「Tmall Genie X1」で、混雑するデジタル音声アシスタント市場に参入した。今年7月、Tmall Genie は LLM をサポートする端末OSの内部テストを実施した。(IT 之家)(未来精灵)
Anhui Gujing(安徽古井貢酒)が Baxy(八喜)と提携、白酒入りアイスクリームを発売へ(9月19日)
中国の老舗白酒ブランド Anhui Gujing(安徽古井貢酒)は、アイスクリームメーカー Baxy(八喜)と共同ブランドのアイスクリームを9月19日に発売する予定だ。Anhui Gujingによると、共同開発されたアイスクリームは主に牛乳と軽いクリームでできており、1カップに Anhui Gujing のプレミアム白酒「Gu20(古20年)」が1.12グラム以上含まれている。
度数42%の Gu20の500ml ボトルの小売価格は799人民元(約16,000円)、度数52%の Gu20の価格は899人民元(約18,000円)だが、アイスクリームの価格はまだ正式に明らかにされていない。証券時報によると、2023年上半期、Anhui Gujing の純利益は27.8億人民元(約560億円)で、前年同期比44.85%増となり、中国の上場酒類企業の中で最も急成長した。(証券時報)
中国政府、メタバース業界標準の確立を模索 (9月19日)
ロイター通信によると、中国工業情報化部(工業和信息化部=MIIT、日本の経済産業省に相当)は18日、メタバース分野の業界標準を確立する計画を発表した。18日に発表された草案の中で、同部はメタバース専門のワーキンググループを設立する意向を概説した。同案では、メタバースが中国が包括的な標準の策定を目指す9つの新興技術分野のひとつであることが強調されている。同部は、メタバースが数々の革新的なビジネスモデルを刺激し、新たなビジネスチャンスを生み出し、デジタル経済の成長に貢献することを期待している。
2021年以降、メタバースは著名な技術トレンドとして注目を集めているが、メタバースを構成する正確な要素についてのコンセンサスは今のところ得られていない、と MIIT は提案の中で強調している。メタバース業界には明確な定義がないため、特定の個人や企業が憶測を呼び起こすことを許している、と MIIT は述べている。業界はいくつかの課題に直面しており、標準化とガイダンスを通じて健全かつ秩序ある成長を促進する必要がある、と MIIT は付け加えた。(ロイター)
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