ソフトウェアテスト自動化のAutifyが日米で新プロダクト公開、リブランディングと1,300万米ドルの調達も

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Image credit: Autify

東京に本社を構えるソフトウェアテスト自動化ソリューションを提供する Autify は18日、シリーズ B ラウンドで1,300万米ドルの調達を発表した。このラウンドは、Globis Capital Partners と LG Technology Ventures が共同でリードし、WiL、Salesforce Ventures、Archetype Ventures、Uncorrelated Ventures が参加した。

これは Autify にとって、2021年10月に発表したシリーズ A ラウンドに続くものだ。WiL、Salesforce Ventures、Archetype Ventures、Uncorrelated Ventures は以前のラウンドに続くフォローオン。今回の調達を受けて、Autify の累積調達額は3,000万米ドルに達した。

Autifyは2019年の設立以来、AIを活用したソフトウェアのテスト自動化ツールの開発・提供を主力事業としてきた。同社の SaaS ツールは多くのユーザ企業から高い評価を受けてきたが、創業者で代表取締役の近澤良氏によれば、ツールの提供だけでは解決できない課題が存在することを認識していたという。

Autify 創業者兼代表取締役の近澤良氏
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何をテストすべきか、どのようにテストを自動化すべきかといった上流工程で課題を抱える企業も多くいました。(近澤氏)

そこで Autify は今回、AI を活用してソフトウェア品質保証の全工程を包括的に自動化・効率化するソリューションベンダへと事業転換する方針を打ち出した。リブランディングを機に同社は、「人と AI の最適な組み合わせによる品質保証ソリューション」を新たなビジョンとして掲げた。従来の SaaS ツールからの脱却を目指す狙いがある。

中核となる製品が、これまでのノーコードによるテスト自動化ツール「Autify NoCode」に加え、「Autify Genesis」「Autify Pro Service」という2つの新サービスだ。

「Autify Genesis」
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「Autify Genesis」は、AI を活用して仕様書やヘルプドキュメント、過去のテストケースなど様々なソースからテストケースを自動生成する機能を備えている。さらに生成したテストケースを Autify ツール上の自動化シナリオに変換する機能も搭載されている。これにより、従来の手動によるテスト設計工程を自動化できるため、Autify は内部実証で作業時間の55%削減に成功したという。

Genesis の生成ロジックは高度なもので、たとえば既存のヘルプドキュメントとスクリーンショットを組み合わせ、どんな UI コンポーネントがあり、どのような操作が必要かを認識し、テストケースを作成できる。web アプリに加え、モバイルアプリや WebAPI などもテスト対象に含まれ、エンドツーエンドのテストを生成することも可能だ。

「Autify Pro Service」はテストや品質保証のエキスパートをユーザ企業にアサインし、AI ツールの実装からプロセス改善、品質保証体制の立て直しまでをサポートするものだ。Autify は「AI だけでなく人の力も必要不可欠」との考えから、ツールとサービスを組み合わせた包括的なソリューションを提供する方針だ。

同社は声明で「人と AI を組み合わせた品質保証ソリューションにより、ソフトウェア開発の品質と生産性を飛躍的に向上させる」と強調している。

一方、Autify は日本とアメリカで展開する中心となるプロダクトをわける戦略も打ち出した。アメリカでは新ブランド「Zenes」をローンチし、Genesis と同じ技術をベースにしたコード生成 AI アシスタントを投入する。その背景には、アメリカのエンジニア層の裾野が広く、ノーコードよりも、コード生成補助へのニーズが高いという判断がある。

今回の資金調達を受け、Autify は製品開発、人材採用、海外展開などに注力し、今後も積極的な製品開発や人材投資、グローバル展開を行う。ソフトウェア業界において AI 活用が加速する中、品質保証工程への AI 導入は大きな可能性を秘めている。従来の手動によるテスト設計でボトルネックとなりがちだった工程を自動化できれば、開発の生産性と品質を大幅に改善できる可能性がある。

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