AI活用で社内情報の高速検索を実現する「NapAnt」/KDDI ∞ Labo6月全体会レポ

立野温さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

Onikleは、大企業で急速に普及しているSaaSアプリケーションに分散した情報を一元的に検索できるプラットフォーム「NapAnt」を提供しています。日本企業では平均7つ以上のSaaSアプリを使用しており、今後その数は海外と同水準まで増加すると予測されています。情報が複数のアプリに分散していることに加え、一つのアプリ内でも数万人の社員がいる場合、必要な情報を探すのに多くの時間が取られています。

例えば、Teamsのどのチャンネルでファイルをやり取りしたのか、行ったり来たりしながら探したり、人に聞いてその返答を待ったりすることに、業務時間全体の20%もの時間が費やされているというデータがあります。Onikleはこの問題を解決するために、〝社内情報用のGoogle〟のようなプロダクトを開発しました。

NapAntは、SaaSアプリケーションやオンプレミスのサーバーと連携し、ユーザーが検索ワードを入力すると、全てのアプリから一括で情報を検索します。各アプリから取得した権限情報に基づいて、各ユーザーが見られる情報だけが検索結果に表示されるという設計になっています。つまり、同じ検索ワードでも、ユーザーごとに異なる検索結果が表示されます。(立野さん)

もう一つの大きな特徴は、データ量に関係なく1秒以下で検索結果を返す高速な検索です。どれだけ大規模なデータと連携しても、ストレスなく必要な情報にアクセスできます。

立野さんはまた、今年8月から提供予定の新機能として、自由質問型のボット機能を紹介しました。SlackやTeamsの中にボットを設置し、自然言語で質問をすると、該当する回答を返してくれます。例えば、長大な規定やPDFから必要な情報を引き出し、どのページに記載されているかを即座に回答できます。コントロールFを使ってPDF内を検索する手間が省けるだけでなく、目的の情報を的確に提示してくれるのです。

Onikleは機密情報を扱うため、セキュリティ対策には万全を期しています。すでにISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得済みで、IP制限や暗号化などの技術的な対策も講じています。価格体系は、トライアル段階で50名程度の利用を想定した固定価格と、データ量に応じた従量課金型のモデルを用意しています。まずは特定の部門で使ってみて、ROIを計算しながら段階的に導入を拡大していくことが可能です。(立野さん)

現在、複数の上場企業が導入するなど、大企業を中心に引き合いが増えているとのことです。情報の量が多い大企業ほど、Onikleのプラットフォームによる業務効率化の効果が高いと期待されます。

Onikleは筑波大学発のベンチャー企業で、CTOは睡眠医学統合研究機構で優秀な研究実績を持つエンジニアです。在学中にはネズミの行動トラッキングAIを開発し、その技術力の高さが注目されました。社内情報の分散や検索に課題を抱える現代企業にとって、優秀な人材を擁するOnikleの今後の展開は目が離せないものになるでしょう。

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