沖縄「コザスタートアップ商店街」の豊里氏ら、アジアのスタートアップ展開を中継・支援する「津梁ファンド」設立へ

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「KOZAROCKS2024」で開会挨拶をする豊里健一郎氏
Image credit: KOZAROCKS2024

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

沖縄市コザにあるスタートアップ支援施設「コザスタートアップ商店街」や STARTUP Lab Lagoon の創業者である豊里健一郎氏らが、スタートアップ支援を目的とした新ファンドを組成することが分かった。これは6日、コザスタートアップ商店街などが中心となった開催されたスタートアップ年次イベント「KOZAROCKS2024」の開会挨拶で豊里氏が明らかにしたものだ。ファンドの通称は「津梁(しんりょう)ファンド」で、組成規模は10億円を目指す。

津梁(万国津梁)とは、「港と港を結ぶ架け橋」を意味し、古来からアジア各国や日本との貿易の中継地としての役割を果たしてきた、沖縄を象徴する言葉の一つだ。豊里氏はファンドの目的として、沖縄から域外の日本各地へ、日本から沖縄を中継してのアジア、台湾などアジアから沖縄を中継して日本への展開を狙うスタートアップに投資・支援を提供したいと語った。最終的にはクロスボーダーファンドを目指し、チケットサイズは2,000万円から5,000万円を想定。事業領域は問わない。LP には、麻生要一氏(アルファドライブ CEO)や地元企業複数が参加する。

これまで、沖縄にはインパクトファンドを運営するうむさんラボなどを除き、スタートアップ向けの地元独立系ファンドが存在しなかった。地元金融機関のファンドは存在するが、人事異動でスタートアップ投資における知見やネットワークが踏襲されづらい、などの課題もある。ドーガン、GXPartners といった地元独立系ファンドの誕生が、スタートアップエコシステムとしての福岡がにぎわいを集めるきっかけとなったように、沖縄にも地元独立系ファンドが必要だった、と豊里氏は語った。

スタートアップは、(沖縄の)域外にも羽ばたいていってほしい。でも、投資を受け成長した後に、(地元の独立系のファンドからの出資がないと)地元にリターンをどうやって作るの? ということになります。

地方のファンドがトラックレコードを出せないと、地方にエコシステムは無くなってしまう。一緒に独立系のファンドを作ってくれる人、すでにトラックレコードを持っていて、一緒にやってくれるキャピタリストも募っていきます。(豊里氏)

6日に沖縄市コザで開催された「KOZAROCKS2024」
Image credit: KOZAROCKS2024

新ファンドを運営するのは、豊里氏が代表を務める FOURSEAS で、以前メルカリなどでリーガル分野の支援を担当した弁護士の齊藤友紀氏らが支援する。今後、公的金融機関出身のメンバーなども運営に関わる見込みだ。FOURSEAS は、内閣府が主導する、沖縄県の金融機関(5行)のスタートアップ支援の目利き力向上を目的とした出向事業で事務局を務めるほか、内部にシステム開発を行う機能も持っているため、スタートアップスタジオ的な活動も強化していきたいとしている。

豊里氏は1988年生まれで地元・沖縄市出身。留学と海外勤務により15年間中国広州・深圳などで過ごした後、2017年に FOURSEAS の前身となるリンクアンドビジブルを2017年に設立した。また、2019年~2022年3月まで Startup Lab Lagoon の代表を務めた(現在は、スタートアップ HelloWorld の Co-CEO 野中光氏が代表継承)。現在、おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム経済資本部会の部会長などを務める。

沖縄では南部の那覇、中部のコザなどにスタートアップハブが存在する。コザからは、残渣を原料とした土壌の保水力と保肥力を向上させる高分子ポリマーを開発した EF Polymer をアクセラレータプログラムから輩出した沖縄科学技術大学院大学(OIST)も近い。先週には、前出の麻生氏が率いるアルファドライブが、名護のコワーキングスペース「coconova」を事業承継し「琉球アルファドライブ」を開設するなど、北部にも新たなスタートアップハブが生まれる兆しが見られる。

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