ステルス・スタートアップのCFOが、小規模ビジネス向けの会計クラウドを発表

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【原文】

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東京に拠点を置くスタートアップ CFO は今日、中小企業のオーナーをルーティン・タスクから開放してくれる、クラウドベースの会計ソリューション Freee を発表した。税務署に受け入れてもらう書類を作成するため、ビジネスオーナーは商業簿記について知る必要がある。この作業は時間がとられ、便利なタブレットや Macintosh のラップトップからは利用できないことが多い [1]

このクラウドシステムのアカウントを銀行やクレジットカード会社のウェブサービスと同期することで [2]、支払内容がウェブスクレイピングにより情報転送され、支払をした内容に応じて適切な勘定項目に整理される。日本の税務署の仕様にあった確定申告書を出力する機能も備えている。このスタートアップは今後さらに開発を進め、サードパーティー・サービスとの接続APIや、請求書発行、複数のデバイスでの閲覧最適化などを実装する予定だ。

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CFO は2012年7月、Google元社員の佐々木大輔氏と、ソニーの元エンジニア横路隆氏によって設立された。彼らは自宅でステルス・プロジェクトとして開発を続け、12月にアメリカの有名VCであるDCMから5,000万円(約52.3万ドル)を調達した。CEO の佐々木氏は以前、あるウェブ会社でCFOとして働いていて、そこで会計担当の同僚が時間のとられる作業に疲れているのを目撃していた。このことが、中小企業が抱える大問題のソリューションを生み出すきっかけとなった。

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CFO の CEO 佐々木大輔氏

Freee はフリーミアムサービスで、自社の会計記録を自分以外の2人の同僚と共有したり管理したりすることができる。CFO は向こう1年の間に、少なくとも1万件の中小企業ユーザの獲得を目論んでおり、有料プランも6月までは無料で利用できる。中小企業、フリーランサー、消費者に会計サービスを提供するこの分野では、12件以上の傑出したプレーヤーがいると考えられる。激しい競争が繰り広げられ、そう遠くない将来に、彼ら同士の吸収や合併などもあり得るだろう。


  1. 多くの日本の会計ソフトウェア・パッケージは、Windows PC 上での利用を前提としている。 ↩
  2. アカウント・アグリゲーションに関しては、Freee は本リリース発表段階で、15の金融機関から入出金記録や支払記録を引き抜くことが出来る。 ↩

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