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Asia Hardware Battle、上海決勝を開催——インドの新生児モニタリングNemoCareが優勝、日本のスマートアパレル開発Xenomaが準優勝

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発展途上国における新生児や妊婦の死亡を防ぐことを目的とした、インドのウェアラブルスタートアップ NemoCare は、Asia Hardware Battle(AHB) 2019 で最優秀賞を受賞した。楊浦区人民政府の支援を得て TechNode(動点科技)が主催した Asia Hardware Battle 2019 では1ヶ月にわたりコンペティションが開かれ、中国、日本、韓国、シンガポール、タ…

Image credit: TechNode(動点科技)

発展途上国における新生児や妊婦の死亡を防ぐことを目的とした、インドのウェアラブルスタートアップ NemoCare は、Asia Hardware Battle(AHB) 2019 で最優秀賞を受賞した。楊浦区人民政府の支援を得て TechNode(動点科技)が主催した Asia Hardware Battle 2019 では1ヶ月にわたりコンペティションが開かれ、中国、日本、韓国、シンガポール、タイ、インドから300以上のスタートアップが集まった。

その中から選ばれたファイナリスト15チームが、プロフェッショナルの審査員の前でピッチを披露した。審査員を務めたのは次の方々(一部)。

  • Peter Riedl 氏 – BMW Group Technology Office China ヴァイスプレジデント兼責任者
  • Zhang Peng(張鵬)氏 – UCommune(優客工場)CSO 兼エグゼクティブパートナー
  • Qin Gang 氏 – Lighthouse Capital(光源資本)パートナー
  • Ray Tsang(曾浩燊)氏 -(晨暉創投)共同創業者兼マネージングパートナー

2年連続でインドのチームが優勝したことは、インドのハードウェア業界の加勢を示唆している。

ハードウェアは、それをやること自体がハードだ」という有名な言葉がある。ハードウェア業界に関わるのが難しいのは、ハードウェアスタートアップが設計、プロトタイピング、製造、マーケティング、販売まで、長きにわたる産業チェーンを管理しなければならないからだ。

AHB はイノベーティブなハードウェアスタートアップが、自社製品を披露し、グローバルなテックイノベーティブエコシステムで事業拡大する上で良いプラットフォームだ(Ray Tsang 氏)

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【Gold Award】NemoCare Wellness(インド)

NemoCare 共同創業者 Manoj Sanker 氏
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インドの NemoCare は、必要な重要パラメータを継続的に監視できる新生児の足に装着可能なウエアラブルデバイスで最優秀賞を受賞した。このデータは、無呼吸、低体温、その他の苦痛状態を検出するために使用される。デバイスはアラートを介護者に送信し、タイムリーな介入を提供可能にする。

今後、ハードウェアを介して収集されるデータで動作する AI 対応プラットフォームを構築する。(NemoCare 共同創業者 Manoj Sanker 氏)

CEO によれば、NemoCare の差別化要因は、赤ちゃんに優しいデザインと手頃な価格だ。来年初めに発売されるこの製品の予定価格は、同社の B2B プラットフォームで2万インドルピー(約3万円)。 NemoCare はハードウェアを無料で提供し、消耗品の使用料で回収するビジネスモデルも検討している。

ハイデラバードを拠点とする NemoCare は、IoT エンジニア、データサイエンティスト、生物学エンジニア、工業デザイナーのチームで構成。インドのハードウェアアクセラレータ Revvx と共催したバンガロール予選で優勝した。

【Silver Award】Xenoma

高齢者向けのパジャマの形をした e-skin をデモ披露するモデル
Image credit: TechNode(動点科技)

準優勝は、さまざまなセンサーやデバイスを備えた、洗濯・伸縮可能な素材でできたスマートアパレル「e-skin」を開発する Xenoma にもたらされた。e-skin は、姿勢補正、危険予防、アスリートのパフォーマンス、動作効率の改善のために、人間の動きをトラッキングするのに利用できる。

この技術には、高齢者の健康状況の監視、赤ちゃんの睡眠状況のトラッキング、工場労働者の疲労度んお監視など、さまざまな用途シナリオが存在する、と CEO の網盛一郎氏は語った。

Xenoma は今年これまでに、100万米ドル以上の売上を計上しており、その多くは赤ちゃん向けのサービスからだ。「我々は、毎日1,000人超の赤ちゃんをモニタリングしている」と、網盛氏は語った。同社は世界市場に照準を合わせており、アメリカ、ドイツ、中国に進出しようとしている。

【Bronze Award】Aiello(犀動智能)

Aiello 共同創業者兼 CEO の Vic Shen(沈書緯)氏
Image credit: TechNode(動点科技)

Aiello(犀動智能)の「SPOT」は、家庭やホテル向けにデザインされた音声アシスタントスピーカーだ。部屋内の機器(照明、テレビ、エアコン、カーテンなど)の制御、ホテル設備サービスに関する問い合わせ、ルームサービス、苦情、音楽ストリーミング、VoIP 音声通話、目覚まし時計、Bluetooth オーディオ、レストランやおすすめのアクティビティなどを提供する。

他の消費者向け音声アシスタントと異なり、Aiello のボイスコマンドモデルは、ホスピタリティ業界特有の要望や特性に対応するようトレーニングされている。多くのスピーカーの場合のように、一度に1つのコマンドしか処理できない多くのスマートスピーカーと異なり、Aieillo のシステムでは一つの文章に含まれる複数の意図を同時に取り扱うことができる。

Aiello はこのプロダクトを10月から展開しており、6つのホテルと提携関係を締結した。数年後には、合計部屋数3万〜5万でサービスを提供すべく業務を拡大する計画だ。現在は中国と英語でのボイスコントロールが可能で、主に中国や東南アジア市場を対象としている。

他のファイナリスト12チームは次の通り。

  • Baymax(中国・深圳)……Baymax の Pinpoint は、外科用縫合針の正確な位置決めを支援するナビゲーションデバイス。
  • LuxCreo(清鋒、中国・杭州)……LuxCreoが特許を保有する LEAP(光を使った添加剤)技術は、3D 印刷の速度を従来の100倍に当たる1時間あたり120センチメートルにまで高速化。素材特性により従来の大量生産のも高速化可能。
  • Mamorio(日本)……スマートフォンと接続し貴重品の紛失を防ぐスマート IoT デバイス。
  • SystemStone(タイ)……Vibro は、超高感度の振動センサーと AI 機能を備えた SystemStone の IoT イノベーション。 機械の故障が発生する前に予測し、メンテナンスエンジニアのスマートフォンに通知を送信する。
  • AC Biode(日本)……正極と負極の間に中間電極を設けることで交流バッテリを構築。これにより安全性が向上し、そのサイズは直流タイプよりも30%小さくなり、ライフサイクルも2倍になる。
  • Vicara Tech(インド)……Vicaraの「KAI」は、ユーザがジェスチャによりコンピュータ、ハードウェア、ソフトウェアアプリケーションなどと対話できるウェアラブルジェスチャー認識プラットフォーム。
  • Lazy Co (インド)……AI を使ったスマートリング「Aina」を開発。スマートフォンと Bluetooth 5 で接続し、スマートフォンのリモコンとして機能する。
  • Kinexcs(シンガポール)……整形外科の監視や患者の回復など一連の医療ケアの管理のためのウェアラブル医療機器および分析プラットフォーム。
  • Ancsonic(安声、中国・北京)……空間アクティブノイズコントロール技術と製品開発に特化。
  • Skinrun(肌皮管家、中国・杭州)……同社の V3 インテリジェントスキンデコーダーは、3スペクトラム画像取得システム(可視光、偏光、UV光)で、顔を正確に分析し包括的なレポートを生成する。
  • Tsing Micro(清微智能、中国・北京)……Tsing Micro の TX210 は、オフラインの状態で音声による起動と名詞の認識を実現するチップ。再構成可能なコンピューティングアーキテクチャを使用して、柔軟で豊富な音声処理アルゴリズム、豊富なインターフェイス、電源管理をサポートする。
  • Deocean(徳能森、中国・成都)……システムインテグレーションへのワイヤレスパッシブテクノロジーの適用に取り組む。

最後になるが、パートナーの Tsinghua SEM X-elerator(清華経管創業者加速器)とサムライインキュベートが、各都市予選の開催をサポートしてくれたことに謝意を表する。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

中国政府、ブロックチェーンベースのID認証システムを確立へ

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世界中の政府がブロックチェーンで公共サービスを向上させる方法を模索している。Deloitte の報告(技術の進歩速度を考えればすでに古いと言えるかも知れないが)によると、世界中で12を超える国が試験的に実施している。 中国もそれらの国々の1つである。新興技術の中で地位を掴もうとする同国の取り組みは実行中のプロジェクトであり、ブロックチェーンは2016年の第13次五カ年計画の中に記されている。この取…

Image credit: bakhtiarzein / 123RF

世界中の政府がブロックチェーンで公共サービスを向上させる方法を模索している。Deloitte の報告(技術の進歩速度を考えればすでに古いと言えるかも知れないが)によると、世界中で12を超える国が試験的に実施している。

中国もそれらの国々の1つである。新興技術の中で地位を掴もうとする同国の取り組みは実行中のプロジェクトであり、ブロックチェーンは2016年の第13次五カ年計画の中に記されている。この取り組みはどうやら報われつつあるようだ。IPRdaily と incoPat によると、2017年には、中国はブロックチェーンの特許数で世界一であり、中国の中央銀行である中国人民銀行がリストのトップだった。市民のバーチャルなIDを作ることは、他の多くの応用を作る土台であり、最も焦点を当てることとなっている。

(クリックして拡大)
Image credit: Deloitte

社会保険をブロックチェーンに

E-BaoNet(易保)という企業の下で政府のデータを商業化することを専門に扱うブロックチェーンスタートアップ THEKEY は、社会保険をブロックチェーン上に置こうとしている。それを達成するための第一歩は強固な ID 認証システムを確保することであるが、健康に関する情報という繊細なものを含んでいることを考えれば、そのタスクはより重要なものとなる。

政府のデータはあらゆるブロックチェーン ID アプリケーションにとって基礎、もしくはキーとなるものである。それがないアプリケーションは役立たずだ。だが、このデータを集めるのは簡単なことではない。同社の会長兼 CEO の Catherine Li(李雪莉)氏によれば、中心的なデータベースがないことが問題だという。中華人民共和国人力資源・社会保障部(MOHRSS)だけが、全国に200のデータベースを持っている。

またこのデータは厳格な規則の下で使われなければならない。第三者の手に渡すことも、政府の目の届かないところに行くことも許されない。THEKEY によれば、権限のない人間の目に触れたりダウンロードされたりすることもあってはならない。

Li 氏は TechNode(動点科技)に語った。

複数の国を訪ねてみて分かったのですが、データを喜んで開放する政府はありません。自分が持ち主なのですから。

ですが今は中国政府はもっとオープンです。政府がデータを開放することでもっと市民の日常生活の役に立つということを、弊社は政府に知ってもらおうとしています。当然、データのセキュリティは万全にしなければなりません。

THEKEY の核心技術は Blockchain-based Dynamic Multidimensional Identification(BDMI)であり、生体データを基礎として使用している。これも中国政府が大きく投資している分野だ。中国で医者に診てもらうには順番待ちや無駄に多い事務手続きが必要だが、BDMI はこういった面倒を簡略化するためのものである。患者はアプリケーションをダウンロードして病院で使用できる機械で顔をスキャンするか、もしくは携帯電話のアプリを使う。

間違いなく個人のIDを認証するアプリケーションを作るのは複雑だ。通信会社のような別の情報源からのデータや位置データといったものを含む複数のステップによって、システムはユーザを認証する。個人ユーザ、病院や保険会社のようたサービスプロバイダ、そして THEKEY のようなバリデータ、これらはすべてスマートコントラクトと TKY トークンを通じてつながり合っている。

弊社は様々な業界向けの法律や規制、標準的な方針をスマートコントラクトに設定しています。この構造は政府の規制を厳密に遵守し、政府データのプライバシーを保護することを確実にするものです。(Li 氏)

THEKEY チェアウーマン 兼 CEO Catherine Li(李雪莉)氏
Image credit: TechNode/Masha Borak

このプロジェクトはまだ進行中だが、THEKEY のプロジェクトチームは既に、ブロックチェーンをベースとしない初期の ID 認証システムを中国の66の都市で実行しており、2億1,000万人をカバーしている。同社は東南アジアの海外市場にも目を向けている。

中国で増加中のブロックチェーンプロジェクト

中国政府が模索しているブロックチェーンの使用例は社会保険だけではない。3月には、中国人民銀行の下で運営している Zhongchao Blockchain Research Institute(中鈔区塊鏈技術研究院)が、中央銀行が支援するブロックチェーンプラットフォームとしては中国初の Blockchain Registry Open Platform(BROP)をローンチした。このプラットフォームもまた中国の煩雑なお役所仕事を短縮するためのもので、地方と外国の企業の両者に脅威となっている。企業向けのデジタル信任状や所有者登録、公共サービス上の情報を提供するブロックチェーンに基づいて、独立した知的財産権を開発するためのオープンプラットフォームだ。THEKEY のケースのように、信頼できるユーザの身元確認が重要となるだろう。

ブロックチェーンベースのIDはモバイルにも進出している。Tencent(騰訊)と国有の通信企業 China Unicom(中国連通)は、モノのインターネット(IoT)業界向けの新たな ID 認証基準と共に、TUSI SIMカードをローンチした。これは他の何にも増してスマートシティのアプリケーションに使われるようになるものである。

中国で試されているその他のブロックチェーン使用例には、南部の都市広州市でローンチされたブロックチェーンベースのタックスインボイスがある。また、出所した受刑者や仮釈放された者、執行猶予中の者の監視システムも、同市で5月にロールアウトした。このプロジェクトはウェアラブルデバイスを使い元犯罪者の居場所を追跡し、信用評価システムを開発するものだ。

住宅会社が Alibaba(阿里巴巴)やその他のパートナーと手を結んでいる北京近郊の雄安新区のように、地方行政府もまた不動産賃貸向けのブロックチェーンによるソリューションを試している。中小企業が抱える大きな悩みの種を解決すべく、Tencent は中国物流与采購連合会と共にブロックチェーンベースのロジスティクスプラットフォームを構築している。

注目すべき疑問は、中国がいつの日か独自のデジタル通過を発行するのかどうかということだ。政府が仮想通貨を嫌悪しているのはこれまでによく知られている。ICO は2017年9月から禁止されており、仮想通貨を人民元に換えることは違法だ。しかし、中国人民銀行の Digital Currency Research Institute(数字貨幣研究院)はブロックチェーンとデジタル通貨決済の商業への適用に関する41の特許申請を提出している。中国人民銀行前総裁の Zhou Xiaochuan(周小川)氏によると、「技術の発展の結果、デジタル通貨は不可避であると言って良い」とのことだ。

中国政府はブロックチェーンを規制する動きをさらに強めており、工業情報化部が出した「2018年中国ブロックチェーン業界白書」でブロックチェーンに関する法的保護と国の基準を2019年末までに定める取り組みを検討している。

未来のブロックチェーン政府

政府がブロックチェーンの波に飛び乗ることは理に適っている。政府はデータで満ちており、それはつまり模索されるべき多くのブロックチェーンの応用があるということである。デジタル化された電子的なデータベースは取引、売上げ、手数料、証明書、承認やその他多くのことに関する情報で絶えず更新されている。

スイスの認証会社 Wisekey の設立者兼 CEO の Creus Moreira 氏によれば、将来的には、中国が自身を他のプラットフォームと競合しているプラットフォームであると考えなければならなくなるという。プラットフォームは市民がアクセスできる商品を幅広く揃えるべきである。

Moreira 氏は今年の GMIC 北京でこう述べた

中国では強力なデジタルID戦略を持たなければなりません。

生産や輸入するものにはデジタルIDが必要です。分散型のブロックチェーンプラットフォームはIDを保存し、人々はそこにアクセスできます。(中略)これにより膨大な量のデータが形成され、AIがマイニングを行いシステムを向上させるでしょう。

ブロックチェーンベースのバーチャルなIDは国家の未来にとって非常に重大だとまで考える者もいる。TaiCloud(太一雲)の会長 Danny Deng(鄧迪)氏が TechNode の以前のインタビューで述べたように、デジタルIDは世界中の国々に立ち位置を変える機会を与えるかもしれない。市民は物理的なものとデジタルなものの2つのIDを持つようになり、後者はより柔軟な市民権の概念を可能にするだろう。エストニアは進行中の実例である。ブロックチェーンベースの e-Residency プログラムをローンチしたのだ。

すべての国々は、才能ある人や素晴らしい技術、そして聡明な資本を引きつけるべく、互いに競い合うようになるでしょう。もしこの機会を逃せば、100年間を逃すのと同じです。(Deng 氏)

【原文】

【via Technode】

世界最大のスタートアップ・カンファレンス「Web Summit」が開幕——今年の参加者はのべ6万人超、AI・ロボティクス・シンギュラリティなど各分野のリーダーがリスボンに集結

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本稿は、WebSummit 2017 の取材の一部である。 WebSummit 2017 がリスボンで開幕した。今年もここに来られたことをうれしく思う。今年の来場者は昨年の5.1万人を上回り、6万人を超えるそうだ。文字通り世界最大のスタートアップ・カンファレンスとなった WebSummit はこの3日間、市内に4本しか走っていないリスボンの地下鉄に普段は起きないラッシュアワーを引き起こし、地元市民…

Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、WebSummit 2017 の取材の一部である。

WebSummit 2017 がリスボンで開幕した。今年もここに来られたことをうれしく思う。今年の来場者は昨年の5.1万人を上回り、6万人を超えるそうだ。文字通り世界最大のスタートアップ・カンファレンスとなった WebSummit はこの3日間、市内に4本しか走っていないリスボンの地下鉄に普段は起きないラッシュアワーを引き起こし、地元市民に不便を強いているかもしれない。

2010年にローンチした WebSummit は2015年までの5年間をダブリンで、そして、ポルトガル政府が毎年130万ユーロ(1.7億円相当)を WebSummit に支払う3年間の契約で、昨年からリスボンで開催されている。ニューオーリンズの Collision、バンガロールの Surge、香港の RISE など姉妹イベントの成長も好調で、このイベントを切り盛りする WebSummit のチームメンバーは160人にまで増え、今年にはリスボンにオフィスも開設した。

ちなみに、ポルトガルで買い物をしてレシートを見てみると、何を買っても軽減税率で13%か通常税率で23%が課税されている(生鮮食料品や日用必需品は8%)。WebSummit の参加者数6万人はのべ人数なので、3日間にわけて1日あたり平均2万人。この2万人が1日平均100ユーロを消費したとしたら、3日間で少なく見積もっても約78万ユーロ(約1億円)の税収入があることになり、単純計算でも出費した額の半分を政府はすでに回収できたことになる。

リスボンの起業家のグローバルコネクション率比較
Image credit: Startup Genome

WebSummit の一連のイベントを見てみると、スタートアップの活動がさほど盛んでない場所に、新たなエコシステムを作るという戦略が功を奏しているようだ。リスボンにしても、他のヨーロッパの都市に比べ、スタートアップの数が突出しているというわけではないし、香港も東京やシンガポールに比べ極めてスタートアップが多いわけでもない。

しかし、今年からリスボンをモニタリングし始めた Startup Genome によれば、リスボンの起業家がグローバルなコネクションを持っている比率は、ヨーロッパの平均に比べて約2倍、世界平均に比べ約3.5倍になっており、少なからず WebSummit はこのトレンドに大きく貢献しているようだ。2011〜2012年のヨーロッパ経済危機で高い失業率を経験した若者の中には、就職を嫌って起業家を目指す人が増えつつもある。

Ecosystem Summit で。James Stafford 氏(Event & Project Manager, WebSummit)と Anne Driscoll 氏(Collision)
Image credit: Masaru Ikeda

今回は WebSummit に先立ち、Ecosystem Summit、Corporate Summit、Innovation Summit など、ラウンドテーブルを中心とした3つのサブカンファレンスが開催された。Ecosystem Summit は文字通り世界中のエコシステムリーダーやコミュニティビルダーが集まり、Corporate Summit はオープンイノベーションをはじめとしたスタートアップと付き合いたい大企業の水先案内、イノベーションサミットはテックに近いアカデミアの人々が顔を揃える、といった具合だ。

筆者はしばしば、WebSummit や RISE にスピーカーとして参加しているのだが、今回は Ecosystem Summit でいくつかのラウンドテーブルのモデレータを担当させてもらった。昨年の WebSummit でも、前日に世界中から20人ほどのエコシステムリーダーが集まり、「WebSummit Global Rising Startup Ecosystem Roundtable」という集まりで、世界がつながることの意義と今後の課題について議論したのだが、Ecosystem Summit はそれがバージョンアップしたもので、世界中から約100人ほどのスピーカーが参加した。

偶然にも Ecosystem Summit で Startup Genome の CEO と会話する機会を得られたのだが、Startup Compass として生まれ、Startup Genome に名を変え、現在に至るまでの過程でピボットし、最近では地元のスタートアップ・エコシステムを成長させたい地域政府などと提携することで、起業やスタートアップに関わるベンチマークのためのメトリクスを提供する形をとっている模様。Startup Genome が毎年発表するエコシステム・ランキングに東京が含まれないのは、言語障壁が理由というわけではないようだ。

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Image credit: Masaru Ikeda

WebSummit 2017 Day 0 の夜には Opening Night イベントが開催された。初めて、奥さんと生まれたばかりの息子を連れて訪れたという WebSummit CEO Paddy Cosgrave 氏の開会の辞に続き、ポルトガルの詐欺防止 AI スタートアップ Feedzai の創業者 Nuno Sebastião 氏に紹介される形で、スペシャルゲストとして物理学者スティーブン・ホーキング氏のスピーチビデオが上映された。ホーキング氏は4月に北京で開かれた GMIC のキーノートにもビデオ出演したが、スタートアップ界隈でも AI にフォーカスした文脈が増えると、彼の言葉に耳を傾けようとする人が増えるようだ。

AI は人類最高の発明になるかもしれないし、最悪の脅威にもなるかもしれない。我々は AI の危険を認識し、それを特定し、ベストプラクティスと管理する方法を取り入れ、AI がもたらす結果に対して、十分な進歩でもって準備をする必要がある。(中略)

AI をもってすれば、ついに病気や貧困の根絶も期待できる。生活のあらゆる側面は変容するだろう。これからの世代は AI がもたらす機会だけでなく、その可能性を広げ、全人類にとってよりよい世界を創造できるレベルに達するべく、科学研究にコミットするという決意を持つべきだ。

ホーキング氏の言葉に、会場は大きな拍手で包まれた。

Opening Night 2017 は、ポルトガル首相の António Costa 氏、前国連事務総長の António Guterres 氏、リスボン市長の Fernando Medina 氏によって、開会の宣言がなされ終了した。Web Summit 2017 は10日(金)までリスボンで開催される。THE BRIDGE では Day 1 以降の情報も追ってお伝えする。

EU コミッショナー Margrethe Vestager 氏(右)にインタビューする、Recode の共同創業者兼編集長 Kara Swisher 氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda
中央に開会宣言をする Paddy Cosgrave 氏(WebSummit 創業者兼 CEO)、そこから左へ António Costa 氏(ポルトガル首相)、Fernando Medina 氏(リスボン市長)
Image credit: Masaru Ikeda

北京で開催されたGMICのテーマはAI一色——中国インターネットのレジェンド・李開復氏も登壇し、AIスタートアップへの支援を猛アピール

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4月27日〜28日の2日間、回を重ね、もはや北京の風物詩となった感さえある中国最大のテックイベント GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)が開催された。ケンブリッジ大学で撮影されたスティーブン・ホーキング氏のインタビュービデオに始まり、キーノートスピーチには中国のインターネット・レジェンド Kaifu Lee(李開復)氏が久々に元気な姿を…

4月27日〜28日の2日間、回を重ね、もはや北京の風物詩となった感さえある中国最大のテックイベント GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)が開催された。ケンブリッジ大学で撮影されたスティーブン・ホーキング氏のインタビュービデオに始まり、キーノートスピーチには中国のインターネット・レジェンド Kaifu Lee(李開復)氏が久々に元気な姿を見せた。

Lee 氏と言えば、もともとは Google China(谷歌)の代表を務めた人物で、その後は Innovation Works(創新工場)という名のインキュベーションを開始。近年はリンパ癌に冒され病魔と闘っていたとされるが、劇的な回復を見せ、昨年には Innovation Works の名を Sinovation Ventures と改め、積極的な投資活動を開始していた。

ブース展示会場を見てみると、例年なら色とりどりの装いに身を包んだコンパニオンがそこらじゅうにいるのだが、彼女たちの姿があまり目立たない。代わりに活躍していたのが、話しかけると目的なブースや会場まで案内してくれるロボットである。近い将来には、このような展示会でのロボットとコンパニオンの役割は、もっと分業化・細分化されていくのかもしれない。

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さて、GMIC の中でも最もスタートアップが活躍の場を見せるピッチ・コンペティション G-Startup だが、今回は中国内外の540チームからの応募があり、そこから選ばれた15チームが予選を通過。最終決勝には3チームが姿を見せた。G-Startup 北京の優勝者には、GMIC を運営する GWC のファンド GWC Innovator Fund と 500 Startups から合計10万ドルの出資が約束されるほか、G-Startup シリコンバレー本戰への無料渡航権、Facebook のスタートアップ育成プログラム FBStart から5,000ドル分の Facebook 広告出稿権が進呈される。

G-Startup 北京の決勝の審査員を務めたのは、

  • Jenny Lee(李宏瑋) – Managing Partner, GGV Capital(紀源資本)
  • Dave McClure – Founding Partner, 500 Startups
  • Barrett Parkman – Co-Founder & VP, GWC
  • Alex Yeung(楊政龍)- Corporate Executive, Emperor Group(英皇集団)
  • Ya-Qin Zhang(張亜勤)- Chairman of GMIC, President of Baidu(百度)
  • Shoucheng Zhang(張首晟)- Professor of Physics at Stanford University, Danhua Capital(丹華資本)
  • Kui Zhou(周逵)- Partner, Sequoia Capital China(紅杉資本)

…以上の7名の方々だ。

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【1位】医随訪 by ZionChina/健安華夏

中国には1.14億人の糖尿病患者がいて、世界の糖尿病患者人口の3分の1を占めている。糖尿病の管理には長期的なモニタリングが必須だが、中国の医療はファミリードクター(家庭医生)によるものが多く、糖尿病の専門医による診療管理が困難だ。「医随訪」は、機械学習と深層学習により、正確な糖尿病の経過観察を可能にするアプリだ。

このアプリでは、継続的な血糖値のモニタリングに加え、食事、運動量、血糖値の正確なデータを収集し、患者に対してライフスタイルや治療の改善をガイダンスする。得られた情報はアルゴリズムで血糖値の予測などに活用され、より個人に応じたダイエット、運動、食事制限を可能にする。

医随訪はかかりつけの医者に対し補助情報を与えるので、患者は必要な糖分の摂取制限を明確に理解することができるようになる。医随訪が何より強みとするのは糖代謝の予測技術で、糖尿病を糖代謝の異常症状として捉えるだけでなく、全体的な健康管理のもとでの栄養バランスの必要性を促す。

【2位】Gago/佳格

Gago(佳格)は人工衛星を使って収集した情報を活用する、農業向けビッグデータ・スタートアップだ。これまでに100万エーカー(約40.5万ヘクタール)の農地の情報を人工衛星を通じて収集、気象データなどと融合し農業企業、環境事業、食品メーカー、保険会社、農業向けの金融事業などに提供している。人工衛星だけでなく、気象情報、過去の収穫データ、ドローンによるリモートセンシングデータなどはクラウド上に集められ、ディープラーニングと独自アルゴリズムを使って解析された後、将来の予測に利用される。

Gago の創業者兼 CEO の Gong Zhang(張弓)氏は元 NASA のサイエンティストであり、共同創業者の Yungang Wang(王蕴剛)氏は、アメリカ・エネルギー省研究所出身。他にも NASA 研究者や化学メーカーのモンサントの元中国マーケティングディレクターらが社員に名を連ねる。

各社からの報道によれば、Gogo は今年4月、DCM のリードによりシリーズAラウンドで6,000万人民元(約9.8億円)を調達した。このラウンドには、Matrix Partners(経緯中国)、Grains valley Venture Capital(磐谷創投)などが参加している。

【3位】賽科/Hesai

Hesai(賽科)は、自動走行車向けの 3D レーダーセンサーを開発している。従来のレーダーと異なり高精細かつ高角度におよぶ画像解析ができるのが特徴だ。従来のように 2D のレーダーセンサーを回転させて用いる場合、回転のスピードによっては、死角が生じたり、瞬間的に本来認識すべき障害物を見落としたりということがあり得るが、3D レーダーセンサーでは、回転しなくても全角度を見渡せるため、そのリスクを極小化することができる。

2013年にサンノゼで設立された Hesai は、もともとは天然ガスを使ったドローンを開発し、欧米を中心に数千万人民元(数億円相当)を売り上げたが、市場規模が限定的と判断してピボットし、3D レーダーセンサーの開発に着手することとなった。2016年10月には、3D レーダーセンサーの最終形のプロトタイプを完成させている。3D レーダーセンサーであるため回転する必要がなく、回転で生じる熱問題を考慮する必要がなくなる。また、回転しない分、電源消費の点からいっても効率的だ。

Hesai の CEO である Yifan Li(李一帆)氏は、将来的には、このレーダーをロボットを含む、自動走行が求められるさまざまなデバイスに導入していきたいと語った。既に 2D レーダーセンサーを導入している自動走行車には、その機能を補完するセンサーとして普及を図りたいとしている。現在、2,000万ドル強を資金調達中とのことだ。


北京のアクセラレータ「Day Day Up」が主催した分科会には Hover Camera の Zero Zero Robotics(零零無限)、話せるヘッドフォン Vinci の CEO らが登壇し、AI スタートアップの将来について意見を論じ合った。最後に Hover Camera で登壇者が記念撮影。

Cheetah Mobile(猟豹移動)、サードパーティー向けにコンテンツシェアリングプラットフォーム「Cheetah Open Feed」をローンチ

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Cheetah Mobile(猟豹移動、NYSE:CMCM)は本日(原文掲載日:2月28日)、自社のニュースアグリゲーションアプリ「News Republic」からもたらされるコンテンツをシェアできるプラットフォーム「Cheetah Open Feed」をローンチすると発表した。 中国でモバイルアプリとユーティリティを扱う同社が今回の発表をしたのは、Mobile World Congress イベ…

Cheetah Mobile(猟豹移動、NYSE:CMCM)は本日(原文掲載日:2月28日)、自社のニュースアグリゲーションアプリ「News Republic」からもたらされるコンテンツをシェアできるプラットフォーム「Cheetah Open Feed」をローンチすると発表した。

中国でモバイルアプリとユーティリティを扱う同社が今回の発表をしたのは、Mobile World Congress イベントの最中だった。このプラットフォームを活用すれば、アプリのパブリッシャーやオリジナル機器のメーカーは、News Republic 由来のニュースコンテンツフィードをアプリやモバイルオペレーティングシステムに取り込むことができる。

この無料サービスは、サードパーティーのデベロッパーに対し、世界で有数のコンテンツプロバイダーからもたらされるコンテンツが特徴のライセンス付きコンテンツフィード、Cheetah Mobile の最新 AI テクノロジーをベースとするパーソナライゼーションツール、シームレスにインテグレートされたマネタイズチャネルへのオープンアクセスを提供する。

Cheetah Open Feed を使えば携帯電話メーカーは自社の電話を差別化することができ、アプリのデベロッパーに関しては新たなプレミアムトラフィック、追加収入、新規エンゲージメントをもたらすことができる。

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Cheetah Mobile の国外事業開発部門 VP の Johnny Li 氏は声明でこのように述べた。

Cheetah Open Feed は、当社パートナーが高品質のコンテンツフィードを自社製品に取り込むことによって、マネタイズの目標を達成するのに最適なソリューションです。

当社では Cheetah Open Feed を設計するにあたり、オープンであることにこだわりました。デベロッパーに対しては新たなマネタイズの機会として、高品質なライセンス付きコンテンツや強力なAI機能への無制限のアクセスなど Cheetah Mobile のコアとなるサービスに無料かつオープンにアクセスしてもらいたいと思います。

Cheetah Open Feed は、コンテンツ主導のビジネスモデルに向けた変革で成功した自社の体験もベースとしているという。

Cheetah Open Feed を通してパートナーが最初に利用できる製品は、Cheetah Mobile の専用 News Locker SDK である。これはデベロッパーに対し、ライセンス付きのニュースフィードをユーザの携帯電話のロック画面に取り込める機能を提供するものだ。News Locker は、Cheetah Mobile の業界をリードしているコンテンツレコメンデーションテクノロジーを活用しており、ユーザが電話を見るときにはいつでも関連性のあるニュースや情報コンテンツを表示できるようになっている。

Cheetah Open Feed は、Cheetah Mobile のビッグデータに基づくレコメンデーションテクノロジーやライセンス付きコンテンツリソースを最大限活用しており、これによりユーザトラフィックや閲覧時間が増加する。Cheetah Lab(Cheetah Mobile のモバイルインターネットに特化した研究所)が最近発表したレポートによると、コンテンツフィードをユーティリティアプリに統合すると利用が増えるという。例えば、Cheetah Mobile の Clean Master ユーティリティアプリを使う時間の長さは、結果のページにコンテンツを追加した後に700%も伸びた。

当初 Cheetah Open Feed のコンテンツは、Cheetah Mobile のグローバルニュースアグリゲーションアプリ News Republic によって提供されていた。News Republic のフィードを自社製品に取り込むことによって、Cheetah Open Feed パートナーは、記事や動画など News Republic の過去のコンテンツ全てにアクセスできるようになった。すなわち1日あたり47か国、43言語、2,300のメディアパートナーによる10万の記事、4万の画像、2,500の動画だ。

2016年9月時点で Cheetah Mobile には世界で6億1,200万の月間アクティブユーザがおり、その8割は中国以外にいる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Tencent(騰訊)のライブストリーミング・ドローン「Ying(空影)」開発のZeroTech(零度智控)が大量レイオフ——開発スケジュールに影響か

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中国のテック巨人 Tencent(騰訊)初のライブストリーミング・ドローン「Ying(空影)」を作るパートナー企業が、トラブルに見舞われているかもしれない。先週金曜日(12月30日)、北京を拠点とする ZeroTech(零度智控)は全従業員の4分の1にあたる134人をレイオフした。同社はレイオフの主な理由として、高い営業費と過剰雇用、コアメンバーや中間管理職の不足を挙げている。 ZeroTech …

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ライブストリーミング・ドローン「Ying(空影)」で撮影を楽しむ人々
Image credit: Tencent(騰訊)

中国のテック巨人 Tencent(騰訊)初のライブストリーミング・ドローン「Ying(空影)」を作るパートナー企業が、トラブルに見舞われているかもしれない。先週金曜日(12月30日)、北京を拠点とする ZeroTech(零度智控)は全従業員の4分の1にあたる134人をレイオフした。同社はレイオフの主な理由として、高い営業費と過剰雇用、コアメンバーや中間管理職の不足を挙げている。

ZeroTech の創業者で CEO の Yang Jianjun(楊建軍)氏は、中国版 Quora にあたる「Zhihu(知乎)」に次のようにコメントを記した。

2016年において私が恥を詫びなければいけない人々は、同僚、サプライヤー、パートナー、投資家、家族、そして、私自身だ。今日のところは失敗、でもいつか実現したい。

彼は2017年には、レイオフしないことを約束した。

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Tencent(騰訊)と ZeroTech(零度智控)が共同開発したライブストリーミング・ドローン「Ying(空影)」
Image credit: Tencent(騰訊)

ZeroTech のレイオフは、中国の消費者向けドローン業界の競争が激化した結果かもしれない。昨年、Hover Camera や DJI の Mavic Pro などの、写真や動画撮影を目的とした小型で折り畳みできるドローンが人気を博した。

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テスト飛行中の Dobby
Image credit: Tencent(騰訊)

Ying とは別に、ZeroTech は Dobby という iPhone 7 PLus と同じ重さの折り畳み可能なポケットドローンで競争に参入している。South China Morning Post(南華早報)に語ったアナリストによれば、DJI は消費者向けドローン市場の70%を掌握している。

2007年に固定翼のドローン会社としてスタートした ZeroTech だが、ビジネスを消費者向けドローンやクアッドコプター(四翼式ドローン)への移行させる中で、同社のレイオフは事業を Dobby に絞り込むことを意味するのかもしれない。同社は9月に、シリーズBラウンドで Qualcomm Ventures などから2,160万米ドルを資金調達している。

昨年の CES でベールを脱いだ Tencent のライブストリーミング・ドローン Ying は、出荷が延期されたことで、その将来がやや不確実になったように見える。Ying の予約注文販売は10月末にローンチし、ユーザが WeChat(微信)や QQ に直接ライブストリーミングをアップロードできるスマートフォンアプリも付属していた。しかし、ZeroTech のレイオフのニュースにより、Ying の追加開発は遅延する可能性がある。

ZeroTech の共同創業者で CFO の Shi Shengqīng(史圣卿)氏によれば、同社と Tencent は2015年に Ying の開発をはじmた。Tencent は Ying のソフトウェアつまりアプリを担当し、ZeroTech はハードウェアを担当している。

Shengqīng 氏は昨年10月、Tech in Asia に次のように語った。

ドローンに関心を持つ大企業は非常に多いが、この市場に参入する術を持っていない。

仮に、Tencent の全チームが、ソフトウェアのバックグラウンドしか無かったとしよう。

ハードウェアに対する彼らの理解は、少し理想が過ぎるところがある。インターネット企業がハードウェア企業と提携したとき、その種の問題が生じるものだ。

本件については ZeroTech と Tencent の両社に連絡を取っており、回答があれば本稿を更新したい。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

AnyPay木村新司氏、個人間の支払をスマートにするモバイルアプリ「paymo」を発表——12月のローンチに向け、ティザーを公開

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本稿は TechCrunch 2016 Tokyo の取材の一部である。 <11月21日更新> 記事中「Paymo」の表記を「paymo」に修正。 投資家兼連続起業家で、8月に AnyPay をローンチした木村新司氏は17日、都内で開催された TechCrunch Tokyo 2016 に登壇し、新たに個人間の支払をスマートにするモバイルアプリ「paymo」をローンチすると発表した。12月に日本国…

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本稿は TechCrunch 2016 Tokyo の取材の一部である。

<11月21日更新> 記事中「Paymo」の表記を「paymo」に修正。

投資家兼連続起業家で、8月に AnyPay をローンチした木村新司氏は17日、都内で開催された TechCrunch Tokyo 2016 に登壇し、新たに個人間の支払をスマートにするモバイルアプリ「paymo」をローンチすると発表した。12月に日本国内でローンチされるが、将来的には木村氏は現在の居住地であるシンガポールでのローンチも検討したいとしている。

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木村新司氏

AnyPay はウェブベースであり、個人間の金銭授受に関わるコミュニケーションは別の手段(例えば、メッセンジャーやメールなど)でとってもらうことを前提としているが、paymo はユーザ間のコミュニケーション機能を有するモバイルアプリで、支払の対象とする領域を限定し、LINE Pay などとは差別化を図るとのこと。詳細については明らかになっていないが、しいて言えば、Wechat Payment(微信支付)や、PayPal 傘下の Venmo に似たユーザエクスペリエンスを標榜しているようだ。

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木村氏は、AnyPay や paymo を立ち上げる理由として、自身が在住するシンガポールで、日常のさまざまな支払を PayPal や Apple Pay で済ませられている体験から、この利便性を日本市場にももたらしたの思いが根底にあるとした。

今日から paymo のティザーサイトがローンチしており、自身の登録に加え、友人を招待することで(おそらく、将来的に現金に変換が可能と推測される)ペイモポイントが付与されるキャンペーンを実施している。

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paymo のティザーサイト

GMICのピッチ・コンペティション「G-Startup Worldwide」で、イスラエル発のソーシャルメディアを使った商品レビューサービス「Feelter」が優勝

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GMIC(Global Mobile Internet Conference)は、中国・北京を本拠とする、アジア最大規模のテック・カンファレンスだ。その全容については何度か取り上げているが、世界各国から集まったスタートアップがしのぎを削るピッチ・コンペティション「G-Startup」は、GMIC の中でも一番の人気コンテンツである。 今年の G-Startup からは趣向を変え、テルアビブ・北京・…

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GMIC(Global Mobile Internet Conference)は、中国・北京を本拠とする、アジア最大規模のテック・カンファレンスだ。その全容については何度か取り上げているが、世界各国から集まったスタートアップがしのぎを削るピッチ・コンペティション「G-Startup」は、GMIC の中でも一番の人気コンテンツである。

今年の G-Startup からは趣向を変え、テルアビブ・北京・東京・サンパウロなどで開催された各地域予選選出のスタートアップをシリコンバレーに集め、10月上旬に世界本戦を開催。イスラエル・テルアビブを拠点とする「Feelter」が優勝した。Feelter は、3日間の Google 本社でのブートキャンプに参加できるほか、GMIC が持つファンドから、最大で25万ドルの投資を受けられる権利を与えられた。

Feelter は、Eコマース向けにソーシャルメディアを活用して商品のレビュー評価をウィジェット形式で提供するサービスだ。スポンサーの影響を受けない、真のユーザの意見をソーシャルメディア上の投稿から収集、レーティングを行ない評価を数値で表示する。Eコマースサイトを訪れたユーザは、商品横に表示されたウィジェットにマウスオーバーするだけで、商品購入者がどのような評価をしているか、簡単に流し読みすることができる。

2位の座に着いたのは、G-Startups サンパウロ予選から選出された「Easy Carros」で、アプリを使って修理やメンテナンス業者を探すことができる。Easy Carros には GMIC が持つファンドから最大で12万ドルの投資を受けられる権利が与えられた。また、あわせて開催された G-Startups シリコンバレー予選からは、1位にゲームの要素を取り入れた求人プラットフォーム「Scoutable」、2位に直販型のベビーウェアブランド「MORI」、3位に超音波と人工知能を使った乳がんモニタリングソリューション「iSono Health」が選ばれ、それぞれ5万ドル、3万ドル、2万ドルまでの投資を GMIC のファンドから受けられることになる。

8月末に実施された G-Startup 東京予選 からは、この東京予選で優勝したアメリカの「Pulzze Systems」が G-Startup 世界本戦に出場した。政府機関や企業などでも、IoT を作ったり、IoT のインフラを作る動きが加速しているが、IoT と作るにはコーディングの知識、あるいは、仮にフルスクラッチでコーディングしなくてもミドルウェアの知識が必要になる。

Pulzze Interactor は、インターネットにおけるルーターのように機能し、コーディングをしなくても設定をするだけで、デバイスのベンダーやプロトコルに依存せず、IoT を開発することができる。IoT の開発者は、Pulzze Interactor の導入により、IoT のラピッドプロトライピングが可能になる。Pulzze Systems は、G-Startup 東京予選での優勝により、最大5万ドルの投資を GMIC のファンドから受けられる権利を獲得している。

中国のインターネットビジネス新興大手LeEco/LeTV(楽視)の記事まとめ

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中国のインターネットビジネス新興勢力大手LeEco/LeTV(楽視)の記事をまとめました。 LeTV または LeEco(楽視)って? LeTV または LeEco(楽視)は、中国人起業家 Jia Yueting(賈躍亭)氏が2004年に北京で設立したインターネット企業。もともとは、インターネット・テレビ事業(セットトップボックスなどのハードウェア供給および番組供給の両方)を手がけていたため Le…

中国のインターネットビジネス新興勢力大手LeEco/LeTV(楽視)の記事をまとめました。

LeTV または LeEco(楽視)って?

LeTV または LeEco(楽視)は、中国人起業家 Jia Yueting(賈躍亭)氏が2004年に北京で設立したインターネット企業。もともとは、インターネット・テレビ事業(セットトップボックスなどのハードウェア供給および番組供給の両方)を手がけていたため LeTV と名乗っていたが、最近では、テレビ以外のスマートガジェットやスマートカーなど多岐にわたる事業に進出し始めたため、LeEco (ecosystem に由来)とリブランドした。なお、リブランドしたのは英語名のみで、中国語表記は楽視のまま(楽視の「視」は、中国語で動画を意味する「視頻」に由来)。

2010年8月に深圳証券取引所に上場。持ち株会社の Le Holdings(楽視控股)傘下には、映画製作の Le Vision Pictures(楽視影業)、音楽ポータルの LeMusic(楽視音楽)、クラウドの LeCloud(楽視雲)、オンラインスポーツメディアの Le Sports(楽視体育)、モバイル端末を手がける Le Mobile(楽視移動)など各種事業会社が存在する。中国の三大インターネット企業 BAT(Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)には含まれないが、取扱商品やビジネスモデルなどから、中国版 Apple の異名を持つ Xiaomi(小米)と比較して取り上げられることが多い。2015年8月には、Le Mobile のスマートフォン「Le Max」が、Apple iPhone の販売台数を超えたとされている。

インドでの大量解雇が報道される中、中国テック大手のLeEco(楽視)が22億米ドルを資金調達【報道】

LeEco(楽視)が新たに24億ドルを調達、資金繰りにあえぐ同社が立ち直るに足る金額か?

アメリカ市場にエコシステムを確立させるLeEco(楽視)の試み

中国のインターネット大手LeEco(楽視)、約3,000億円を投じ自動運転EVの工場を伴ったテーマパーク建設を発表

中国のインターネットサービス大手LeEco(楽視)、動画配信で業界最大手のNetflixとの協業に合意か

4GBのRAMを搭載したLeEcoのスマートバイク「Le Syvrac」

Le Sports(楽視体育)がシリーズBラウンドで10.7億ドルを資金調達——時価総額は31.5億ドル

中国のクラウドサービス新旗手「LeCloud(楽視雲)」、シリーズAで10億人民元(約170億円)を調達

中国で音楽ライブのストリーミング・サービスが人気沸騰中

中国のオンラインビデオ配信Letv Sports(楽視体育)が1億2,800万米ドルを調達

Xiaomi(小米)のSTBがIPTV大手のLeTV(楽視)との裁判に敗訴、検閲を徹底したい中国政府の意向が影響か?

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LeTV(楽視)が2億6000万米ドルでテレビ製作スタジオを買収、オリジナル動画コンテンツを強化

GMIC Day2: 北京の熱い2日間が閉幕、各種受賞スタートアップを一挙紹介

SLUSH ASIA 2016 Day 1から、注目のスタートアップ・サービス・セッションをチェック #slushasia16

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本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。 日本内外のスタートアップや起業家が一堂に会する SLUSH ASIA 2016 が、千葉・幕張メッセで始まった。フィンランド・ヘルシンキでスタートした SLUSH が、SLUSH として日本で開催されるのは2回目。Pioneers Asia、GMIC Tokyo など、海外発のカンファレンスが続々と東京版を仕掛ける中、SLUSH は今秋…

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本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。

日本内外のスタートアップや起業家が一堂に会する SLUSH ASIA 2016 が、千葉・幕張メッセで始まった。フィンランド・ヘルシンキでスタートした SLUSH が、SLUSH として日本で開催されるのは2回目。Pioneers AsiaGMIC Tokyo など、海外発のカンファレンスが続々と東京版を仕掛ける中、SLUSH は今秋にも SLUSH CHINA として上海にも進出することが明らかになるなど、今、アジアの最も勢いのあるスタートアップ・カンファレンスの一つと言っていいだろう。

イベント終了後の公式発表ではないので正確な数字ではないが、関係者の話によれば、2,000名前後の参加者がエントリされているとのことで、朝から多くのスタートアップ関係者が会場の随所でピッチやデモを繰り広げていた。目を引いたサービスやブースの模様をいくつか取り上げてみたい。

Taiwan Startup Stadium(台湾新創競技場)のブース群

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台湾のスタートアップを支援する組織「Taiwan Startup Stadium(台湾新創競技場)」は、TechCrunch Disrupt(サンフランシスコ)、ECHELON(シンガポール)、Tech in Asia Singapore(シンガポール)などのスタートアップ・カンファレンスに、積極的に台湾のスタートアップを連れてきている。以前は韓国のスタートアップ支援組織が積極的にこのような動きをしていたが、台湾政府の支援を受けて2015年に Taiwan Startup Stadium が生まれてからは、台湾のスタートアップ支援が活発化しているようだ。

今回、Taiwan Startup Stadium は、海外進出を目指すスタートアップ8社を連れてきている。SLUSH ASIA にもブースを出しているほか、5月15日には、Infinity Venture Partners と Wantedly の協賛で、東京・渋谷のコミュニティ・スペース .dots でミートアップを開催する予定。幕張まで足を伸ばせない人は、こちらをチェックしてみるとよいだろう。

Nokia の 360度ビデオカメラ「OZO」

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SLUSH がフィンランド発のカンファレンスということもあり、この機会に、Nokia が開発した360度ビデオカメラ「OZO」が初めて公開されていた。8つのカメラで 2K 映像を同時撮影し、ケーブル経由で画像を転送。専用ソフトで合成することで、バーチャルリアリティ(VR)に利用可能な360度動画を制作できる。マイクも内蔵しており、ヘッドマウントディスプレイで再生すれば、撮影した空間の疑似体験が可能だ。

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重さは4キロ程度で、価格は約6万ドル。現在は北米でしか販売されていないが、近い将来、アジア市場にも投入される予定。データ容量が大きくなるため、現時点でモバイルの実用レベルで最速の LTE では、360度に相当する 2K 映像をリアルタイム転送することはできない。開発元が Nokia ということもあり、将来的には、このような動画をリアルタイム転送できる 5G 技術の開発も念頭に入れているとのことだ。

福岡スタートアップのブースエリア

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スタートアップ支援を打ち出している福岡市のバックアップを得て、YAMAP や Doreming Asia など、福岡で活きのいいスタートアップが数社出展。彼らのピッチのほか、SLUSH ASIA に来訪している海外スタートアップの福岡市への誘致活動なども積極的に行われていた。

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APA の名物社長がフロント業務を行うボットに

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東京・高知・インドのプネを拠点に、人工知能を用いた対話エンジンを開発する Nextremer は、アパホテルの元谷芙美子社長を模した人工知能ボットのデモンストレーションを公開していた。元谷氏曰く、彼女が30代の頃のイメージをモチーフにしているのだそうだ。このボットは日本語と英語に対応しており、宿泊客との対話を通じて、チェックインやチェックアウトなどのフロント受付対応業務を行う。フェイルセーフとして、人工知能と宿泊客間の対話が破綻したときは、そのやりとりをそのまま人間の担当者に引き継げるようになっている。

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フロント業務へのボットの導入は長崎ハウステンボスにある「変なホテル」が有名だが、「変なホテル」を牽引する澤田秀雄氏や APA の元谷氏といった業界リーターがこぞってボットを導入していることを見る限り、どうやらこの分野の業務が人間からロボットへリプレイスされていくのは避けられない時代の流れのようだ。

イグジットを経て、再び、スタートアップに戻った Joel Neoh 氏

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今、東南アジアに行くと最もよく耳にするスタートアップの名前の一つが KFit だろう。アジア発のユニコーン候補と目されている。日本のクラスフィット(2016年初頭、@nifty スポーツクラブの TSU-DO に統合)やレスパス、アメリカの ClassPass と同じく、月に一定額を支払うと、フランチャイズブランドや店舗に関係なく、ジムやスポーツクラブが利用できるサービスだ。

Joel Neoh 氏は2008年にマレーシアで共同購入サイト「Groupmore」をローンチし。2年後に Groupon に買収されてイグジットを果たすも(Groupmore は Groupon Malaysia と改称)、その後、2015年5月に KFit を創業。スタートアップ界で成功を果たし投資家としての注目されながらも、敢えて、スクラッチからスタートアップを始める考えに至った経緯を話していた。

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明日2日目には、SLUSH ASIA の見どころの一つでもある、スタートアップピッチのファイナルが開催される予定だ。それらの模様についても現地からお伝えする予定なのでお楽しみに。

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