BRIDGE

Search Vinnie Lauria

Golden Gate Ventures、マレーシアのスタートアップに1,800万米ドルを投資へ

SHARE:

東南アジアに拠点を置くベンチャーキャピタル Golden Gate Ventures は、マレーシアのスタートアップに1,800万米ドル(7,500万リンギット)を投資することを発表した。マレーシアのスタートアップに対する同社の投資は今回で3回目となり、国内にオフィスも開設するという。 同社のマネージングパートナーである Vinnie Lauria 氏によると、今回の取り組みによって「マレーシアで…

Golden Gate Ventures のメンバー
Image credit: Golden Gate Ventures

東南アジアに拠点を置くベンチャーキャピタル Golden Gate Ventures は、マレーシアのスタートアップに1,800万米ドル(7,500万リンギット)を投資することを発表した。マレーシアのスタートアップに対する同社の投資は今回で3回目となり、国内にオフィスも開設するという。

同社のマネージングパートナーである Vinnie Lauria 氏によると、今回の取り組みによって「マレーシアでの地盤作りが強化される」という。

Golden Gate Ventures は過去に、GoQuo、ServisHero、Codapay、Funding Societies など、マレーシア育ちのスタートアップ数社に投資を行っている。

同社は、シンガポールでピアツーピア(P2P)マーケットプレイスを運営する Carousell など、マレーシアに国外から進出してきた企業にも投資している。さらに、同社の投資先企業である Homage に関しては、オンデマンドの介護サービスをマレーシア国内で提供するためのサポートを行っている。

Lauria 氏は以下のように話した。

マレーシアでの投資額はすでにかなりの額になっており、東南アジア地域でビジネスを拡大するための拠点にもなっています。また、マレーシアは ASEAN を代表する国であると私たちは考えています。様々な文化が混ざり合い、他では見ることのできない多様性があり、まさに ASEAN 全体の縮図のようです。

Golden Gate Ventures のもう1人のパートナーである Justin Hall 氏によると、マレーシアの多様性あふれる経済と人口構成によって、同国の市場向けに開発された製品やサービスには最初から高い拡張可能性が備わっているとのことである。

スタートアップにしてみれば、マレーシアで成功すれば、東南アジアのどこでも成功することができるということです。(Hall 氏)

Lauria 氏は、マハティール・ビン・モハマド首相が率いるマレーシア新政権によって同国の市場に楽観主義が広がっていると考えている。マハティール首相は1981年から2003年にも首相を務めており、マレーシアを東南アジア地域の経済の中心に変革させたことで広く知られている。

マレーシアの新政権は今年の選挙で歴史的な勝利を収め、支持率も高くなっています。国民の間には楽観的な考えが広がり、そのムードがビジネスの世界にまで及んできていると感じています。

また、マレーシアの急速に発展するエコシステムについても次のように指摘した。

マレーシアでコワーキングスペースビジネスが見られるようになったのはつい1年前のことです。しかし、この分野は猛烈なスピードで成長しています。これまでの経過を見る限り、マレーシアの多くの起業家がすでに規模拡大に向けた具体的なプランを持っています。それこそが、私たちがマレーシアにオフィスを開いてビジネスを強化しようとしている理由なのです。

Golden Gate Ventures は今回、マレーシアのスタートアップ何社に投資するかを公開していない。しかし、Lauria 氏によると、同社の包括的な投資哲学でもある、消費者目線でビジネスを行う企業に注目しているという。

シリーズ A ステージにあり、シードファンディングを完了していることが今回投資を受けるスタートアップの条件となっている。

モバイルソリューションやオンラインソリューションを使ってユーザにアプローチしているスタートアップが特に有力です。例えば、インシュアテック、エドテック、メドテック、e コマース、B2B SaaS を行っているスタートアップがこれにあてはまります。しかし、最終的に一番大事なのは顧客であり、私たちも消費者のインターネット上の動向に気を配っています。(Lauria 氏)

Golden Gate Ventures は中小企業向けソリューションを開発しているマレーシアのスタートアップにも注目している。

中小企業は消費者でもあります。マレーシア国内の中小企業はデジタル化に向けた初期段階にあります。中小企業からのビジネスニーズは高まりを見せており、こうしたニーズに応えようとするスタートアップの成長を支援する機会にも事欠きません。

Golden Gate Ventures は同社の3回目となる1億米ドル規模の投資を9月にクローズしたが、定員を超える申し込みがあった。この投資の支援企業には Temasek、Hanwha、Naver、EE Capital、孫泰蔵氏の Mistletoe、三井不動産、IDO Investments、CTBC Group、Korea Venture Investment Corporation(KVIC)、Ion Pacific などが名を連ねている。

同社はすでに新しいファンドを使って数社のスタートアップを支援している。その中には、バングラデシュでライドシェアとオンラインチケット販売を手掛ける Shohoz も含まれている。

また、ブロックチェーンテクノロジーと仮想通貨関連のスタートアップへの特別ファンドもスタートさせた。

2011年に設立された Golden Gate Ventures はこれまで7ヶ国で40以上の企業に投資を行っている。新たに設立されたマレーシアオフィスに加え、シンガポールとインドネシアにもオフィスを開設している。

【via e27】 @E27co

【原文】

Golden Gate Ventures、1億米ドル規模となる3号ファンドの調達をクローズ——ミスルトウや三井不動産らが出資

SHARE:

シンガポールの Golden Gate Ventures(GGV)は、1億米ドル規模となる3号ファンドの調達をクローズし、日本の孫泰蔵氏のミスルトウや韓国ベンチャー投資(한국벤처투자)など新たな投資家を魅了した。 (当初の調達予定額を上回る)オーバーサブスクライブで調達を終えた新ファンドは、GGV が2011年の創業以来フォーカスとしている東南アジアのコンシューマインターネットやモバイルスタートア…

golden-gate-ventures-team
Golden Gate Ventures のメンバー
Image credit: Golden Gate Ventures

シンガポールの Golden Gate Ventures(GGV)は、1億米ドル規模となる3号ファンドの調達をクローズし、日本の孫泰蔵氏のミスルトウや韓国ベンチャー投資(한국벤처투자)など新たな投資家を魅了した。

(当初の調達予定額を上回る)オーバーサブスクライブで調達を終えた新ファンドは、GGV が2011年の創業以来フォーカスとしている東南アジアのコンシューマインターネットやモバイルスタートアップに出資する予定。

GGV の共同創業者 Vinnie Lauria 氏は、次のように語っている。

東南アジアのテックエコシステムは分岐点を迎えたと言える。年間投資額は、数十億米ドル単位で数えられるようになった。アメリカ、中国、インドとともに、東南アジアがグローバルステージに仲間入りしたことになる。

それはまるで、ソーシャルメディアや iPhone が生まれる直前の2005年のシリコンバレーのような、まだ手付かずだった頃を彷彿させる。

GGV は、シリーズ A ステージに出資する東南アジアで最初期から存在する VC だ。同社のポートフォリオには、シンガポールでは売買アプリの「Carousell」や自動車マーケットプレイスの「Carro」、インドネシアではヘルスケアプラットフォームの「Alodokter」などがある。

<関連記事>

GGV によれば、同社の1号ファンドと2号ファンドの内部収益率はそれぞれ、49%と29%だった、IRR は、そのファンド資産に対する評価の目安となる。同社の投資倍率(DPI=LP への還元率)は1号と2号のそれぞれで、1.56倍と0.13倍だった。GGV の1号ファンドは、Cambridge Associates が出している、2012年のアメリカにおける上位4分の1のファンドの DPI ベンチーマーク0.36倍を上回っている。

3号ファンドのアンカーインベスターは、従来からの GGV 出資者であるシンガポール政府系 Temasek、韓国財閥のハンファグループ、NAVER、EE Capital が務めた。今回新たに投資家として、三井不動産(日本)、IDO Investments(オマーン)、CTBC(台湾の中国信託金融)、Ion Pacific(香港)が加わった。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

ウィーンから初上陸するスタートアップ・カンファレンス「Pioneers Asia」の見どころ

SHARE:

昨年から今年にかけて、ヨーロッパ発のいくつかのスタートアップ・カンファレンスがアジアに拡大し始めている。昨年はフィンランドの Slush が Slush Asia を初開催し3,000人以上の参加者を集めた。また、アイルランドのダブリン(今年からはポルトガルのリスボン)で開催されている WebSummit は初のアジアイベントとして、昨年、RISE を香港で開催した。そして、オーストリアを起点とす…

announcing-pioneers-asia-2016_featuredimage
Pioneers Festival 2015 の模様(撮影:池田将〜2015年5月・ウィーン)

昨年から今年にかけて、ヨーロッパ発のいくつかのスタートアップ・カンファレンスがアジアに拡大し始めている。昨年はフィンランドの Slush が Slush Asia を初開催し3,000人以上の参加者を集めた。また、アイルランドのダブリン(今年からはポルトガルのリスボン)で開催されている WebSummit は初のアジアイベントとして、昨年、RISE を香港で開催した。そして、オーストリアを起点とするカンファレンス Pioneers Asia が23日、東京で開催される予定だ。

ヨーロッパのカンファレンスの中には、趣向を凝らして現地の古城や宮殿で開催されるものが少なくない。Pioneers は本家ウィーンでは、オーストリア建国の祖・ハプスブルク家が誇るホーフブルク宮殿を会場にして開催されているが、それにならって、東京では日本古来の情緒が体験できる場所として八芳園を会場に選び開催することにしたのだそうだ。

announcing-pioneers-asia-2016_broaderview
ウィーン本家のイベント会場はホーフブルク宮殿(撮影:池田将〜2015年5月・ウィーン)

Pioneers は昨年から、東京で Pioneers 本戦のピッチ・コンペティションに参戦できる予選を開催していたが、それが今回の Pioneers Asia の開催につながったと言える。Pioneers Asia には、オーストリアの科学研究経済担当長官 Harald Mahrer 氏や、ウィーン市長市議会上級議員の Renate Brauner 氏も来訪し講演する予定だ。昨年来、ロンドンパリなど、ヨーロッパの主要都市の市長の来日が相次いでいるが、今回の Pioneers Asia の開催もヨーロッパ諸国で日本のスタートアップ・シーンへの期待が高まっていることの表れと考えてよいだろう。

announcing-pioneers-asia-2016_harald mahrer
オーストリアの科学研究経済担当長官 Harald Mahrer 氏 (撮影:池田将〜2015年5月・ウィーン)
announcing-pioneers-asia-2016_renate-brauner
ウィーン市議会上級議員の Renate Brauner 氏 (撮影:池田将〜2015年5月・ウィーン)

Pioneers Asia での講演者の一例を挙げておくと、THE BRIDGE でもおなじみの豪華な顔ぶれだ。

  • Matt Mullenweg 氏(Wordpress) ・・・ 関連記事
  • Dirk Ahlborn 氏(Hyperloop) ・・・ 関連記事
  • Laurens Rutten 氏(Coolgames) ・・・ 関連記事
  • Brian Wong 氏(Kiip) ・・・ 関連記事
  • Jung-Hee Ryu(류중희)氏(Futureplay) ・・・ 関連記事
  • Cyril Ebersweiler 氏(Hax) ・・・ 関連記事
  • Vinnie Lauria 氏(Golden Gate Ventures) ・・・ 関連記事

THE BRIDGE でも現地レポートをお届けする予定なので乞うご期待。

<関連記事>

Golden Gate Venturesがタイとインドネシアのスタートアップ6社に、総額400万ドルの投資を実施

SHARE:

Golden Gate Ventures は今日(原文掲載日:11月11日)、インドネシアからタイまでスタートアップ6社に400万ドル以上の投資を実施していることを発表した。今回の出資では、Golden Gate Ventures は特にインドネシアにフォーカスし、Eコマース、マーケットプレイス、モバイルサービスへの同社の投資を記録づけるものとなっている。 タイミングは今だ。(インドネシアには)新…

Golden Gate Venturesの設立パートナー、左からJeffrey Paine氏、Paul Bragiel氏、Vinnie Lauria氏
Golden Gate Venturesの設立パートナー、左からJeffrey Paine氏、Paul Bragiel氏、Vinnie Lauria氏

Golden Gate Ventures は今日(原文掲載日:11月11日)、インドネシアからタイまでスタートアップ6社に400万ドル以上の投資を実施していることを発表した。今回の出資では、Golden Gate Ventures は特にインドネシアにフォーカスし、Eコマース、マーケットプレイス、モバイルサービスへの同社の投資を記録づけるものとなっている。

タイミングは今だ。(インドネシアには)新しい政府が備わり、GDP 成長はしばらくは止まるところを知らない。インドネシアは、スマートかつハングリーに期待であふれており、ジャカルタのみならず、インドネシア全国でチェンジメーカーが求められている。(Golden Gate Ventures 設立パートナーの Jeffrey Paine 氏)

2011年に設立された、アーリーステージ向け投資会社の Golden Gate Ventures は、アジアの7カ国以上に30社を超えるスタートアップに投資をしている。これまでに、彼らのポートフォリオ企業は総額1.5億ドル以上を調達している。Golden Gate Ventures は、Eコマース、マーケットプレイス、モバイルアプリ、SaaS プラットフォームを含む、多くの分野のインターネットやモバイル・スタートアップに投資している。最近では、HipVan、Omise、Laku6 に投資を実施した。

Golden Gate Ventures のポーフォリオに加わったスタートアップ6社を見てみよう。

<関連記事>

Claim Di(タイ)

claimdi

Claim Di は、自動車のドライバーと保険会社間で連絡をつけられるようにするアプリだ。テック・スタートアップ、モバイルアプリ、保険業界で20年の経験がある CEO Kittian Anupha 氏が設立、同社はこれまでに 500 Startups、Golden Gate Ventures、他のエンジェル投資家から資金調達している。

<関連記事>

Stamp(タイ)

stamp

2012年の設立。Stamp は、Apple Touch ID に似たデジタル指紋センサー「Secure Touch」により、モバイルデバイス上で第三者認証ができるしくみを提供する。CEO Opas Lopansri 氏が設立し、これまでに Golden Gate Ventures や Altpoint Ventures らから資金調達している。

<関連記事>

GoQuo(タイ)

goquo

2012年に CEO の Ron Ramanan 氏が設立。Gokuo は、主要エアラインやオンライン旅行代理店向けにEコマース・ソリューションを提供している。消費者ユーザ向けの商品オススメ機能を最適化など、機械学習や予測分析によりエアラインや旅行代理店が追加的に収益が上げられるよう支援する。顧客には、Tigerair、Malaysian Airlines、Bangkok Airways など。

Alodokter(インドネシア)

alodokter

2014年7月、Lazada や Rocket Internet に勤務経験のある Nathanael Faibis 氏 が設立した Alodokter は、インドネシア人ユーザを医者とつなぐ、オンライン健康情報ポータルだ。同社によれば、毎月100万人以上のユニークユーザが利用しているとのこと。これまでに Fenox Venture Capital、500 Sartups、Lim Der Shing 氏、Golden Gate Ventures などグローバルな投資家から資金調達している。

Ruma(インドネシア)

ruma-team

Ruma は非営利組織ではないソーシャル企業で、持続可能な自活可能なコミュニティを形成しようとしている。1日2ドル50セントの最低貧困ライン以下で生活するインドネシア人を支援し、彼らを起業家へと育て上げる。2015年にスタートした Ruma は、Golden Gate Ventures、Unitus Impact、Omidyar Network から資金調達している。

Indotrading​(インドネシア)

infotrading

2012年に CEO の Handy Chang 氏が設立した Infotrading は、インドネシアの主要オンラインB2Bマーケットプレイスだ。販売事業者は Infotrading 上でプロモーションすることにより、オンライン上に存在を作ることができ、独自ドメインで自社のEコマースポータルを設置できる。シードラウンドでの調達額は開示されていないが、シリーズAラウンドでは、OPT SEA、Golden Gate Ventures、GMO Venture Partners、Convergence Ventures、オークファン、リブライトパートナーズから総額150万ドルを調達している。

【via e27】 @E27sg

【原文】

シンガポール拠点の個人金融ポータルMoneySmart、GGVやOPT SEAらからシリーズAで200万米ドルを調達

SHARE:

シンガポールを拠点とする個人金融ポータルMoneySmart.sgは、SPH Media Fund主導のシリーズAラウンドで280万シンガポールドル(200万米ドル)を調達したと発表した(編集部注:原文掲載10月6日)。 ベンチャー投資会社Convergence Ventures、OPT SEA、Golden Gate Venturesも同ラウンドに参加した。 Alfred Chia氏(SingC…

Vinod Nair, Founder and CEO of MoneySmart.sg
MoneySmart.sgのファウンダー/CEO、Vinod Nair

シンガポールを拠点とする個人金融ポータルMoneySmart.sgは、SPH Media Fund主導のシリーズAラウンドで280万シンガポールドル(200万米ドル)を調達したと発表した(編集部注:原文掲載10月6日)。

ベンチャー投資会社Convergence Ventures、OPT SEA、Golden Gate Venturesも同ラウンドに参加した。

Alfred Chia氏(SingCapitalのCEO)、Mohammad Ismail氏(PropnexのCEO)、Alan Lim氏(Propnex取締役)、Day Lynn氏(バケーションレンタルポータルサイトHomeawayのアジア太平洋統括)やZopim の創業者 Roystan Tay氏とKwok Yang Bin氏(シンガポールベースのライブチャットアプリ設立者)など数々の会社のトップや著名な起業家も参加している。

MoneySmartの計画としては、調達した資金をコンテンツ強化のためのチーム編成と共に、核となるデベロッパーのチームを設立していく方針である。

また、インドネシアやシンガポールへのマーケティング強化や新たなマーケットへの進出にもつながる。それ以上に、将来的にはアプリのローンチにもつながっていくだろう。

MoneySmart.sgの設立者兼CEOのVinod Nair氏は、次のように述べた。

私たちは、来年半ばまでにフィリピンやタイ、香港への進出を検討しています。

フィリピンにおけるインターネット普及率は香港と比べるとまだかなり未成熟で、タイは中間にあると同氏は強調した。

資金は12~18ヶ月にわたってもたらされる見通しである。その後、同社はシリーズBラウンドの資金調達を行う計画だ。

SmartLoans.sg は2009年9月に設立したサイトで、シンガポールのユーザは住宅ローンの比較や申し込みができる。Nair氏はその後、クレジットカードや保険パッケージ商品の比較ができる独立したニッチなサイトをいくつかローンチした。

彼は、2012年8月にMoneySmart.sgをパーソナルファイナンスブログとしてローンチし、2014年5月には、すべてのサイトを1つのポータルに統合した。

銀行や保険会社との連携を通じて、MoneySmart.sgもまた、全領域をカバーする個人金融サービスを提供している。つまりユーザが保険プランだけでなく異なるクレジットカードや個人ローン、住宅ローンを比較して申し込めるのだ。

Nair氏によれば、年間100万シンガポールドル(70万米ドル)を超える収益の70~80%は個人金融サービスから、そして20~30%はPR記事のような広告からもたらされているという。

公式発表によると、MoneySmartは月間150万ページビュー数および50万人のユニークビジター数を誇る。

そのコンテンツのシンジケーションパートナーは、AsiaOne.com(SPH Media所有)、MSN.comまたYahoo!などのデジタルニュースサイトが含まれる。昨年、同社はインドネシアの同業ポータルを買収した。現在DuitPintarとして知られ、毎月50万ページビュー数閲覧されている。

幾多の難局を乗り切る

かつてe27の共同設立者であったNair氏は、午後の記者会見で過去の失敗と挑戦から学んだことを詳細に話した。

「単一の垂直型製品にだけ頼ることはできません」と初めてのスタートアップとなった不動産検索エンジンの失敗談を詳しく解説しながら同氏は述べた。「持続可能な(ビジネスモデル)でありたければ、多角化を図り、1つの製品に頼るべきではありません」

最初のベンチャーの失敗に動じないNair氏は、5000シンガポールドル(3500米ドル)の貯金全てを6年前にSmartLoans.sgの設立のために注ぎ込んだ。約1年半の間に、サイトを介して住宅ローンを始めるユーザで順調な売り上げの伸びを見せていたが、その後、不動産の売上げを著しく落とすきっかけとなった不動産の冷却化措置という障害にぶつかった。

私たちはもはやプラスのキャッシュフローではなくなっており、拡張の資金に当てようと数ヶ月にわたり築き上げてきたわずかな蓄えは、どんどん絞り取られていきました。ありがたいことに、NUS Enterpriseの全面的に支援してくれる人たちが私たちに、5万5000シンガポールドル(3万5800米ドル)の融資を提供してくれました。そのおかげで私たちは非常に厳しい苦難を乗り切ることができたのです。(Nair氏)

Nair氏はそれからより多くの収益の流れを生み出すためにサービスのポートフォリオを多様化しようと努め、MoneySmart.sgを始める前に、個人ローン、クレジットカードや自動車保険市場をターゲットにしたSmartCredit.sg、SmartInsurance.sgをローンチした。

私たちがブログを始めたのは、読者に情報を伝え、もっと頻繁に関わってもらいたいと思ったからです。結局のところ、彼らが決心した後には、誰も私たちのサイトに戻ってくる必要はありません。ですから、サイトの内容は新たな読者に接触するための素晴らしい方法になるだろうと考えたのです(Nair氏)

すべてが順風満帆というわけではなく、彼らがシードファンディングを獲得するのは大変だったことを彼は認めた。

私たちは非常に強い波に向かって泳いでいました。私たちのブログへのアクセスはほとんどありませんでしたから、ローンチした新たな商品のための営利的なパートナーシップを確保することができませんでした。金融機関は完全にオンラインではありませんでしたし、彼らはそれを強力なルートだとも考えていませんでした。(Nair氏)

50の投資家たちに売り込んだ後、Nair氏はGolden Gate Venturesという金脈を掘り当てた。

Golden Gate VenturesのVinnie Lauria氏は金融の先を思い描いていました。彼らは私の過去の失敗、そして私が3年間でなんとか乗り切り、良い点として実際にはいくらか利益を出したという事実を認識した唯一のベンチャーキャピタルでした。(Nair氏)

シードファンディングとしてGold Gate VenturesおよびNational Research Foundation(NRF)から58万9000シンガポールドル(41万3000米ドル)を調達すると、Nair氏は全サイトを統合し、それを個人金融ポータルMoneySmart.sgとしてブランド再構築を行った。

2014年にはシンガポールで成立したPDPA(個人情報保護法)の法律を最大限に活用することもできた。シンガポールは当時、銀行が顧客獲得の主な供給源を失い、やむなくオンラインで紹介を得ることに切り替えたのを目の当たりにしていた。Nair氏は言う。

スタートアップを経営することはサーフィンをするようなもので、海に出て、流れや向かって来る波に逆らって狂ったようにこいで、乗るに最高の大波を待つようなものです。

Nair氏はまたしっかりしたチームを持つ大切さも強調した。

結局のところうまく波に乗るには、ちゃんとしたサーフボードが必要です。それが私のチームです。私自身の力でここまで来ることはできませんでした。

【via e27】 @E27sg

【原文】

Jeffrey Paine氏とWillson Cuaca氏、アジアを代表する2人のベンチャーキャピタリストが語る起業家の心得【ゲスト寄稿】

本稿は、Choon Yan (CY) Tan 氏による寄稿である。なお、英語のオリジナル記事は Startup Blueprint Bulletin で発表された。 Choon Yan (CY) Tan 氏は、PayPal および Braintree のアジア太平洋におけるスタートアップ・アクセラレータ、インキュベータ活動を牽引している。銀行テクノロジーの経験を持つほか、Google では、And…

cycircl-150x150本稿は、Choon Yan (CY) Tan 氏による寄稿である。なお、英語のオリジナル記事は Startup Blueprint Bulletin で発表された。

Choon Yan (CY) Tan 氏は、PayPal および Braintree のアジア太平洋におけるスタートアップ・アクセラレータ、インキュベータ活動を牽引している。銀行テクノロジーの経験を持つほか、Google では、Android および Chrome 製品のデータ分析の専門知識をもとに、カリフォルニアで Google のサプライチェーン・インテグレーション・チームを牽引していた。

日本の Open Network Lab、マレーシアの MaGIC、シンガポールの Startup Bootcamp などの主要アクセラレータで決済最適化のメンター、Echelon や TechCrunch などのアジアのスタートアップ・カンファレンスでスピーカーを務めている。


jeffrey-paine-willson-cuaca

Golden Gate Ventures (GGV)East Ventures (EV) は共にシンガポールを拠点とするVCであり、起業家らがメンターシップ、人材獲得、世界ネットワークを通じて買収される機会を模索する点で、頼りにしている存在だ。GGV と EV の両者とは、1年前にアジア太平洋地域で Startup BluePrint プログラムがローンチされて以来、協力関係にある。

私は GGV の創業パートナー Jeffrey Paine 氏と、EV の共同創業マネージングパートナー Willson Cuaca 氏と、スタートアップ・コミュニティの支援方法について、それぞれ話をする機会を持った。

Golden Gate Ventures

Jeffrey はシンガポールで Founder Institute (FI) がローンチした2010年のことを振り返り、当時はスタートアップ・シーンにメンターがほとんどいなかったと語った。東南アジアの FI に参画するスタートアップ向けにメンターとして Vinnie Lauria の支援が得られるようになってからは、アメリカで資金調達する方法を教えてもらおうと、多くの起業家が Jeffrey や Vinnie に連絡してくるようになった。

East Ventures

EV は Willson Cuaca 氏、衛藤バタラ氏、松山太河氏、Chandra Tjan 氏の4人によって2010年に共同設立された。衛藤氏は Willson の高校時代の同級生であり、松山氏は衛藤氏が共同設立したミクシィに投資家として参加したのを機につながった。

5年前、2,200万人ものアクティブなインターネット・ユーザがいながら、電子サービスの普及率の低いインドネシアに、手のつけられていない分野の可能性が非常に大きなものであることに気づいた。同社は迅速に投資ファンドを組成し、あらゆる分野に50万ドル未満を投資、後続ラウンドにも参加する。主には、Eコマースやその周辺サービスに投資してきた。

起業家への命題

Jeffrey や Willson にとって、毎年数千件にもおよぶ投資の打診や推薦を受けるのは、ごく当然なことだ。未踏の Next Big Thing を求めて、彼らは実に多くの起業家と対話している。荒削りの素材からより高い位置へとビジネスを築き上げる起業家の特性について、Jeffrey と Willson はそれぞれ命題を持っている。

1. 自分らしくあるべき

起業家にとっても、ベンチャーキャピタリストにとっても、最初のミーティングは、次の対話につながるような雰囲気で行うべきだ。Willson は、起業家と投資家のミーティングについて、次のような期待を述べている。

起業家は起業家らしくあってほしい。起業に至った話、ユーザの獲得について話してほしい。プロダクトはあまり重要ではないし、多くの場合、初期段階は、スタートアップはプロダクトを持っていない。最も重要なのは、正直さ、粘り強さ、ビジョンを持っているかなど、起業家の特徴だ。騙したり、嘘をついたり、デタラメを言ったりしてはいけない。簡単にバレてしまうのだから。

2. 形のあるものに着目

Willson とは対照的に、Jeffrey は最初のミーティングで、形のあるものにフォーカスすると語っている。

プライベート・ベータ版であれ、一般公開されているものであれ、最初の関門となるのはプロトタイプだ。それを見れば、起業チームがエグゼキュートしようとしているものがわかる。私のファンドの調査では、東南アジアのスタートアップのトップ35社の97%は、既に存在するサービスのクローンだ。したがって、プレゼン資料やナプキンに描かれたアイデアよりも、エグゼキューションこそが重要、ということになる。

3. リソースが豊かであることを見せるべき

Jeffrey も Willson も、リソースが豊かな起業家に関心を持っていると述べた。

起業家には、やろうとする事業分野の知識において、他の人が知らないくらいのアドバンテージが必要だ。その事業分野の出身であるか、調査を深めて、その分野のプレーヤー、困難さ、現在の状況、変化させられるものを知っている必要がある。リソースが豊かな起業家は、自らの仮説を実証しようと、一般人が尋ねもしないような変わった質問を投げかけてくるものだ。(Jeffrey)

偉大な起業家は、大きな問題を解決できるスキルに転じるような、極めて高いリソースを持っている。彼らは遠慮したりせず、知識が得られればすぐに前へ進んで行く。(Willson)

4. 失敗を恐れるな

成功していない起業家はそのことを隠したがる。失敗を失敗だと認識していないから、隠そうとするんだ。これでは起業家を支援するのは難しいし、起業家が正直ではないという点で、私が最初に言った話にもつながる。問題を置き去りにしてビジネスの決断が優柔不断になり、成果が出せていない起業家は実に多い。(Willson)

Jeffrey は、一つのことに集中しないことが致命的な間違いだと指摘する。

起業家は新しいことを始めるときにはコミットするべきで、100%それに集中するべきだ。リスクを回避しようと、主ではないことを複数同時に手掛けようとする人がほとんとだ。(Jeffrey)

5. 小さく考え、大きく目指す

Willson は、十分に大きな市場に集中すべきこと、また、起業家のビジネスをスケールさせる能力が重要だと語った。

地域拡大よりも前に、まず寡占できる単一の大きな市場をターゲットにするべきだ。Rocket Internet のように、初期段階で複数市場にローンチするのは得策ではない。非常に大きな資金が必要になるからだ。そして第二に、知識を急速に増やすことは、起業家にとって、過去の経験よりも重要だ。(Willson)

起業家やチームは、プロダクトの数値、マーケティング、ディストリビューションについて、知識が豊富で抜きん出ているべきだ。分析ツールも理解している必要がある。(Jeffrey)

Jeffrey や Willson、彼らのチームにビジネスアイデアをピッチしたいなら、次のことに注意してほしい。

  • 投資家があなたのプランにさらなる努力を求めても、自信を失わないでほしい。定期的な投資家との連絡を通じて、ベンチャーキャピタリストとの関係継続を求めよう。
  • 自分の発した言葉には正直かつ忠実であれ。
  • Jeffrey や GGV のチームにとって、ウイスキーは大好きな飲み物である。

ggv-team-at-office

Golden Gate Venturesが東南アジアのスタートアップ向けに5,000万米ドル規模のファンドを設立

SHARE:

Golden Gate Venturesは本日、東南アジアのスタートアップに投資するための5000万米ドルのファンドを設立すると発表した(編集部注:原文掲載7月29日)。TemasekやEduardo Saverin氏(Facebookの共同創立者)、ヨーロッパの共同企業であるMonitor Capital Partnersなど各国の投資会社や顧問会社からすでに3500万米ドルの投資を受けている。…

Golden Gate Venturesの設立パートナー、左からJeffrey Paine氏、Paul Bragiel氏、Vinnie Lauria氏
Golden Gate Venturesの設立パートナー、左からJeffrey Paine氏、Paul Bragiel氏、Vinnie Lauria氏

Golden Gate Venturesは本日、東南アジアのスタートアップに投資するための5000万米ドルのファンドを設立すると発表した(編集部注:原文掲載7月29日)。TemasekやEduardo Saverin氏(Facebookの共同創立者)、ヨーロッパの共同企業であるMonitor Capital Partnersなど各国の投資会社や顧問会社からすでに3500万米ドルの投資を受けている。

新たな提携先として参画したのがシンガポールのNational Research Foundation、NAVER(LINEメッセンジャーの親会社)、東南アジアの大規模な不動産開発企業Far East Organizationのベンチャーキャピタル事業であるFar East Venturesなどだ。

このファンドの設立によって、Golden Gate Venturesは東南アジア市場における成長著しい中流階級層、政府の強力な景気刺激策、高いテクノロジー利用率を活用できるようになる。公式発表によれば、アジア太平洋地域では毎月100万人以上、インターネット利用者が増えているとのことだ。

成長する東南アジアのスタートアップ

このファンドは引き続き、東南アジアの消費者と中小企業をターゲットにするインターネット・モバイルスタートアップ、Eコマース、決済、マーケットプレイス、SaaSアプリなどの分野にフォーカスしていく予定だ。

また、Golden Gate Venturesは「コミュニティファースト」である姿勢を維持し、シンガポール証券取引所と共同主催で運営しているシンガポールのトップスタートアップを展示するオープンハウスWalkaboutSGのようなコミュニティづくりの取り組み、イベント、メンタリングを通じて、かつてない勢いを見せるエコシステムの支援を継続していく予定である。

Golden Gate Venturesの設立パートナーJeffrey Paine氏は言う。「今まで私たちの会社はかなり恵まれていました。途中で退散したスタートアップはありません。逆に、急成長する企業のすばらしい起業家たちに資金を投資してくることができました。例えば、赤ちゃん関連用品のインターネット通信販売会社Bilna、社会信用調査会社のLenndoなどです。そして、Jungle Venturesといったすばらしい地元の共同投資家たちと共に仕事をしてきました。」

2011年に設立されたGolden Gate Venturesは、これまで東南アジアの7ヶ国以上の25社に投資してきた。最近の投資には、シンガポール拠点のオンラインスーパーRedMartやインドネシア拠点の健康情報ポータルAlodokterなどがある。

同社は今回のファンドをいつ最終的にクローズするか明らかにしていない。進展があり次第すぐにお伝えする予定だ。

【via e27】 @E27sg

【原文】

VentureCon Japan 2015〜シンガポール、マレーシア、タイのVCが語る東南アジア市場の可能性と難しさ

SHARE:

(午前に行われたセッションの模様はこちらから) 東南アジアの投資機会は絶大だ。Innosight Ventures の Pete Bonee 氏がモデレートしたパネルには、Golden Gate Ventures の Vinnie Lauria 氏、Ardent Capital の Tee Plern Suraphongchai、500 Startups の Khailee Ng 氏、MaGIC …

SEA

(午前に行われたセッションの模様はこちらから)

東南アジアの投資機会は絶大だ。Innosight Ventures の Pete Bonee 氏がモデレートしたパネルには、Golden Gate Ventures の Vinnie Lauria 氏、Ardent Capital の Tee Plern Suraphongchai、500 Startups の Khailee Ng 氏、MaGIC の Cheryl Yeoh 氏が参加し、東南アジアが高いリターンをもたらし続けることができるのかどうかを議論した。

Bonee にとって、東南アジアはバリュエーションが高くなかった頃のシリコンバレーを彷彿させる。彼は、投資家の目から見て、東南アジアの時期はまだ早いものの、スタートアップ・シーンは急速に成長しており、東南アジアに多くの金が流入していると語った。

分散しているアジアのスタートアップ・シーンで生き残る難しさにもかかわらず、東南アジアのスタートアップは、多くの近接市場で同時にサービスをローンチしている。

多くのスタートアップが複数の市場で同時にローンチしているのは面白い。彼らのバリュエーションは、すぐに3倍にも4倍にもなる。東南アジアでは異なる人種、異なる言語に市場は分かれており、東南アジア全体をカバーすることが最大のバリュエーションをにつながる。(Cheryl Yeoh 氏)

西洋と東洋を比較したときに、果たして、東南アジアはシリコンバレーのライバルに、そして、数十億ドルのイグジットを可能にするような資金供給が可能になるのだろうか。

Yeoh は、東南アジアとシリコンバレーを比較することも、対抗することも不可能と考えているようだ。

シリコンバレーをコピーしたり、競争したりすることはできない。彼らは40〜50年かけてここまで来ているのに対し、東南アジアはこの10年ほどのことだ。テック企業の新しい波さえ、サーバが安くなりセットアップしやすくなった、せいぜいこの10年間以下のことだ。東南アジアにはユニークなことが起こっており、多くの機会がある。難しい市場だから、一生懸命やらなければならない。時間もかかるし、(シリコンバレーとは)違った発展が必要になるだろう。(Cheryl Yeoh 氏)

東南アジアで投資家がよいディールを見つけるには、あちらこちらに出かけていく必要があるが、それだけの苦労を尽くせば利益を得られる、と Ng 氏は語る。

もし新しい市場でタフな市場なら、その分仕事を頑張ればよいだけ。投資家はまずは現地へ出向き、ディールを探すべき。TechCrunch を読まず、カンファレンスに出かけない人はたくさんいる。でも、彼らは会社を築く、れっきとした起業家なのだから。

例えば、123RF という会社がある。5,000万ドルを資金調達中で、そこまでブートストラップでやってきた。本線を一本外れれば、光り輝く将来の巨人となる企業を見つけることができる。(Ng 氏)

Ardent Capital CEO の Adrian Vanzyl 氏による基調講演では、彼はさまざまな VC のモデルを解説した。Rocket Internet が採用する「Operator VC model」には多くの利点がある。投資家が会社の所有権や経営権を持つだけでなく、このモデルは明確に IP ではなくビジネスのエグゼキューションにフォーカスしている。このモデルのデメリットとして、Vanzyl 氏は、内部で人を雇うことについて警告を唱えた。

このモデルは社内の人材に依存する限りスケールしない。とにかく Rocket Internet がうまくやってきたのは、MBA 出の若くて優秀な人物を雇い、彼らを飛行に乗せて、新興市場に送り込んできたということ。そうやって、このモデルがスケールしてきた。(Vanzyl 氏)

CVC やファミリー企業による投資のトレンドには、他のモデルも散見される。複数のモデルを組み合わせていることが多く、東南アジアでは一般的だ。そして、巨額のファミリー企業の資産とコングロマリットが支援していることが多い。Vanzyl 氏は、インドネシアでは Lippo Group や Matahari Mall などがこのトレンドを牽引していると語る。

東南アジアの分散する市場でうまくやるのは困難だが、Vanzyl 氏は VC がモデルを選ぶとき各市場の違いを考慮すべきだと語った。

投資家から見て難しいと感じるのは、市場をまたいでの一貫性が無いということ。国によって、人々は違う言葉を話し、違うルールがあり、外国人がビジネスの所有権を握ることを許していない国も多い。(Vanzyl 氏)

この日最後のパネルでは、VC の人たちがコインベストメントで、〝やるべきこと〟と〝やるべきでないこと〟を語った。このセッションはサンブリッジ グローバルベンチャーズの代表取締役社長である平石郁生氏がモデレートし、Fidelity Growth Partners Japan 代表の David Milstein 氏、インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナーの田中章雄氏、August Capital Partners のマネージング・ディレクター Sameer Narula 氏、GREE Ventures のプリンシパル Kuan Hsu 氏が参加した。

August Capital Partners は、シンガポール政府と多数の案件にコインベストしている。これは単に資金面からそのようにしているのではないということだ。

コインベストするときは、共にコインベストするパートナーも見るようにしている。お金を求めているわけではない。SAP と組んだときは、彼らは技術や市場展開の経験に提供してくれた。ファミリー企業と組めば、彼らは我々の会社では参入しづらい市場の門戸を開けてくれる。(Narula 氏)

Narula 氏によれば、政府とのコインベストによって、政府からデューデリの支援を得たり、規制に対する交渉が可能になり、August Capital が投資する企業の中には、政府に対して税率0%を交渉することに前向きなケースもある。

逆にコインベストのデメリットで言えば、Milstein 氏が素晴らしいアドバイスをくれた。

起業家にとって最大のリスクの一つは、自分とは異なる投資時間軸にいる投資家だ。起業家がそのような投資家と付き合うのは難しい。(例えば)資金が欲しいと思ったときに、資金が無いかもしれない。投資人生に身を置く投資家と相談すべきだ。長期にわたるパートナーと組みたいなら、それが一つの方法だ。(Milstein 氏)

東京で VentureCon をサポートしてくれたすべての人々に謝意を表したい。また来年。

【情報開示】THE BRIDGE は VentureCon Japan 2015 のメディアスポンサーとして協力関係にあります。

【via e27】 @E27sg

【原文】

【#StartupAsia Tokyo 2014予告】幕を開けた東南アジアへのスタートアップ投資、でもまだ前哨戦に過ぎない

SHARE:

THE BRIDGE のメディア・パートナーである Tech in Asia では、2014年9月3日〜4日、東京で初開催となるスタートアップ・カンファレンス「Startup Asia Tokyo 2014」を開催する。 この予告シリーズでは、開催日当日に向け、登壇者やイベント内アトラクションの紹介を中心に、イベントの全容をお伝えする。これまでシンガポールおよびジャカルタで、通算5回にわたって開催…

startupasia_tkyTHE BRIDGE のメディア・パートナーである Tech in Asia では、2014年9月3日〜4日、東京で初開催となるスタートアップ・カンファレンス「Startup Asia Tokyo 2014」を開催する。

この予告シリーズでは、開催日当日に向け、登壇者やイベント内アトラクションの紹介を中心に、イベントの全容をお伝えする。これまでシンガポールおよびジャカルタで、通算5回にわたって開催された Startup Asia については、ここから関連記事を閲覧できる。


写真出典:WorldIslandInfo.com
写真出典:WorldIslandInfo.com

3年前、私が大学を出てスタートアップを取材し始めたころ、東南アジアでEコマースと言えば、それはブログショップ(ブログを使った商品販売サイト)か、Amazon か、eBay のことだった。彼らは今日も存在するものの、以前よりもオンライン・ショッピングの世界はより多様化している。

Rocket Internet は多額を軍資金に注ぎ込み、Alibaba(阿里巴巴)はその市場の一端を牛耳りたいと考え、スタートアップは挑戦を重ね、資金力のあるウェブサイトに対抗した。

しかし、私は、このカンブリア爆発の、ほんの表面を見てきたに過ぎない。

はっきりとした原因を捉えるのは難しいが、多くの人々、とりわけ起業家が東南アジアに生活を賭け、その困難にもかかわらず、東南アジアが巨大で儲かる市場になると確信したことと、大きく関係している。

何事も黎明期について考えるには、目の前で起こっている現在を見てみればよい。2014年はスタートアップ投資が大ブームとなった。私たちは、RedMartGrabTaxiLuxolaaCommerce など、1,000万ドルのハードルを超える投資を多く目の当たりにしている。そして、さらなる高額に及ぶシードラウンドも起こっている。特筆すべきは、Fastacash の800万ドルの資金調達だ。

しかし、これらもまだ前哨戦に過ぎない。これらのラウンドは、一連の新手の投資ファンドが形成される前から、行われていたものだからだ。Golden Gate Ventures のアソシエイトである Justin Hall は、向こう2年間、10億ドルが東南アジアのスタートアップに投資されると考えており、彼はこれを「rise of holy shit money(仮訳:どうしようもないお金の隆盛)」と呼んでいる。インドが3年間で30億ドルを投資したと言っても、それは小さいことだが、まだ始まりに過ぎない。

VC 以外にも資金調達の方法はある。クラウドファンディングで数十万ドル、なかには、100万ドルを超える金額を調達するスタートアップも現れた。オーストラリア証取への上場も人気のある方法になりつつあるし、この点において、マレーシアの Catcha Group はパイオニアだ。

それはお金のためだけではない。エコシステムと人材もそこにあるからだ。成功した起業家の最初のグループは、エコシステムに再投資し、さらにベンチャーを始める。タイの Paul Srivorakul(関連記事)、シンガポールの Darius CheungChong 兄弟らの名が頭に浮かぶ。

自らのスタートアップに忙しく時間の無い創業者たちは、他のスタートアップに投資をする。タイの Ookbee は最近、Edutech スタートアップの Taamkru に投資し、RedMart の創業者らは、男性向けEコマースブランド Edit Suits Co. を支援した

東南アジアへの Rocket Internet の進出によって、Eコマースを成功させる方法を知る人材が東南アジアにもたらされた。彼らは概してオンライン小売の世界で注目を集めるが、あらゆる人々にメリットをもたらした。

シンガポールの Block 71 やフィリピンの Area 55 のような、スタートアップの集まる梁山泊が、どのようにして、恊働創造のクリティカル・マスを創り出しているのか、とか、他にも話したいことは尽きない。しかし、より詳しい議論は、Tech in Asia の Startup Asia Tokyo のパネリストに委ねたいと思う。

次のパネリスト達が、スタートアップ・エコシステムの真実を掘り下げてくれるだろう。

  • Jungle Ventures 創業者兼マネージング・ディレクター Amit Anand
  • Monk’s Hill Ventures パートナー Kuo-Yi Lim
  • 楽天ベンチャーズ マネージング・パートナー Saemin Ahn

モデレータを務めるのは、Golden Gate Ventures 創業パートナー Vinnie Lauriaだ(関連記事)。カンファレンスの1日目に行われる。彼らは、現金の山の上に座る人物だ。Jungle Ventures、Monk’s Hill Ventures、Golden Gate Ventures は自らの調達に加え、シンガポール政府からもそれぞれ790万ドルずつを得ており、他方、楽天ベンチャーズは1億ドルを最近調達した。彼らは共に、東南アジアのスタートアップ投資状況を語ってくれる。

東南アジアで何が賑わっているかに興味のある投資家や、パネリストの投資家達が何を考えているかを知りたい起業家には、ぜひチェックしておきたいパネル・セッションになるだろう。

Startup Asia Tokyo 2014 の入場チケットはここから購入可能。
THE BRIDGE 読者向けの割引コード「readthebridge」の入力で入場料が25%割引になります。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

シリコンバレーとは、イノベーションではなく繰り返しの歴史である(後編)【ゲスト寄稿】

本稿は、シンガポールとサンフランシスコに拠点を置き、シード・スタートアップ向けファンドを手がける Golden Gate Ventures のパートナー Vinnie Lauria による Forbes への寄稿の翻訳である。彼の同僚でもある、Jeffrey Paine は、THE BRIDGE のアドバイザーを務めている。本稿の翻訳掲載にあたっては、原著者である Vinnie Lauria の許…

vinnie-lauria_portrait本稿は、シンガポールとサンフランシスコに拠点を置き、シード・スタートアップ向けファンドを手がける Golden Gate Ventures のパートナー Vinnie Lauria による Forbes への寄稿の翻訳である。彼の同僚でもある、Jeffrey Paine は、THE BRIDGE のアドバイザーを務めている。本稿の翻訳掲載にあたっては、原著者である Vinnie Lauria の許諾を得た。

The Bridge has reproduced this under the approval from the story’s author Vinnie Lauria.

前編からの続き)

AirBnB を成功させたのは、プロダクト開発の繰り返し

多くのスタートアップでは、プロダクト開発の繰り返しと、堅実な実行力を兼ね備えることが、成功へと繋がる。つまり、最初のアイデアだけではだめなのだ。 Hot or Not の共同設立者でありエンジェル投資家でもある James Hong は次のように語っている。

シリコンバレーでの勝者が、誰しも人よりイノベイティブというわけではありませんが、実行力は備えています。

例えば AirBnB は、最初のオンライン短期自宅レンタルサービス会社ではなかった。この業界ではVRBOが1996年にローンチ(2006年に Homeaway が買収)したほか、Couchsurfing.org が1999年にローンチ、そして Craigslist がアパートの借り手と貸し手をマッチングさせるサービスで長い歴史を有していた。

にもかかわらず AirBnB は成功した。その理由は些細なアイデア(朝食付き宿泊、B&Bネットワーク)ではない。小さな繰り返しの賜物だ。美しくデザインされたインターフェース、〝受け身の〟マーケットプレイスに対して開かれた入りやすい入口、Craigslistなどのサイトの悩みの種となっていた非対称性の問題(宿の需給バランスの不整合)を迅速に解決すべく、説明責任制度などを設けた。

ユーザレビューやプロフィール、システム内に個人メッセージシステムを取り込むことにより、潜在的な顧客とアパートのオーナーについて、広範に渡って下調べや努力をしなくても、借り手と貸し手をより効率的にマッチングすることができる。このため、AirBnB の成功はソーシャルネットワーキングと密接に関わっており、Facebookのような個人プロフィールと、eBay のようなレーティングの影響を受けている。こうした意味で、AirBnB にはビジネスモデルだけでなく、実践面においても繰り返す力があったと言える。

redrock-coffee
Mountain View の Red Rock Coffee、コーディングに没頭するプログラマが集まることで知られる。WhatsApp もここで生まれた。

Facebookの成長を後押ししたシリコンバレー

シリコンバレーはイノベーターとまではいかなくても、リスクに挑む人にはちゃんと報いることでもその独自性を発揮してきた。その結果、シリコンバレーはトップクラスの才能と独自性に溢れた人材を惹きつけてやまない。シリコンバレーの存在がなければ、そうした人材は他の業界に集中してしまうだろう。

Facebook がハーバード大学の寮で誕生したのは有名な話だ。Facebook自体はもちろん世界で最初のソーシャルネットワーキングサービスではなく、それ以前にも2002年に Friendster、2003年に MySpace といった同様のサービスが存在していた。ただし、Facebook は既にあるサービスを元に、大学のキャンパスという小さなターゲットに対象を絞り込みプライバシー設定も向上させた。Facebookが立ち上がると、Zuckerberg は活動の場をシリコンバレーへと移したが、これにより、優秀なプログラマーはもとより、開発資金を活用することが可能となった。

シリコンバレーに集中する VC は資金の確保を容易にするだけでなく、「8人の反逆者(前編に詳述)」と呼ばれる先人の例のように、先端技術の恩恵とプロダクト開発の繰り返しが容易に行えるネットワークを提供している。

Facebookはその草創期の資金提供者としてPeter Thiel を選んだが、Thiel の持つ影響力と知名度は Facebook の可能性を広げ、資金の獲得をさらに容易にした。Facebook 初期におけるもう1人の資金提供者 Accel Ventures は、FacebookのCOOの Sheryl Sandberg を雇うのに大きな役割を果たした

facebook-hq
かつて Palo Alto にあった Facebook 本社オフィス(2008年9月撮影)

こうした企業間における人材の交流は、シリコンバレーが自己再帰を図る上で重要な原動力となる。少なくとも、VC のネットワーク作りにも寄与することになる。

最近では、Bill Gates の名言がRolling Stoneに引用された

カリフォルニアのイノベーションは今、絶対的なピークに達しています。確かに企業の半数は愚かです。その3分の2が破産しようとしているということは周知の事実です。しかし、そこから生み出される多くのアイデアが、本当に重要になります。イノベーションにより、真の進歩を遂げることができるのです。

他の多くの人と同じように、Gates は「イノベーション」の重要性を強調しているが、シリコンバレーの長期的な成功における重要な要因である、「粘り強い繰り返し」については言及していない。繰り返しのビジネスモデル、実践、地理的なネットワーク効果という3つの組み合わせは、起業家がお互いの成功と失敗の上に構築していけるダイナミックな環境を作り出してきた。

むろん、進歩における重要な「真の要因」として、以前からある科学的なイノベーションや、基本的な研究開発の価値を軽視しているわけではない。しかし、シリコンバレーの競争優位は、イノベーションにあるのではない。むしろ、企業が継続した繰り返しによって、プロダクトや技術を商品化するために必要とされる、環境的かつ文化的なインセンティブを提供することにある。

これらの環境的なインセンティブは、時に自己実現を予期させる力を発揮する。例えば、VC の集中がネットワーク効果とテクノロジーの波及を引き起こしたのだろうか、もしくは VC は波及効果に便乗するためにシリコンバレーへと移転してきたのだろうか?

おそらくこれら自己強化型の過程こそがシリコンバレーの反復型発展の真の推進力であり、前の世代の成功と失敗を引き合いに出すことで、アイデアの起因と実行が互いに補い合えるフレームワークを提供しているのだろう。

本稿の執筆には、Hippo Reads の Jeff Putnam が協力した。文中写真は、いずれも池田将による撮影。

mountainview-station
VTA Mountain View 駅