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Podcastはなぜマネタイズが難しいのかーー業界の変遷を紐解く

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、STRIVEのパートナー根岸奈津美氏によるもの。原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@negishinatsumi。 Radiotalkに投資しているSTRIVEの根岸です。前回音楽ストリーミング業界に関して書いたのですが、その続きで音楽以外の音声コンテンツが今後どうなっていくかを考えるときの、前段の今までの業界の流れ…

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、STRIVEのパートナー根岸奈津美氏によるもの。原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@negishinatsumi

Radiotalkに投資しているSTRIVEの根岸です。前回音楽ストリーミング業界に関して書いたのですが、その続きで音楽以外の音声コンテンツが今後どうなっていくかを考えるときの、前段の今までの業界の流れについて書きました。

プラットフォームは細分化し、新しいコンテンツや課金方法が出現

オーディオコンテンツを届けるチャネルはラジオから、インターネットラジオ(懐かしい‥)が出てきて、その後、音楽、Audiobook、Podcastそれぞれに強みを持ったオーディオプラットフォームが出てきました。プラットフォームの進化に伴い、コンテンツもPodcast、LIVE配信など新しいものが出てきており、課金方法も、広告や番組内ショッピングから、サブスクや投げ銭などに広がってきています。

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音声市場で最もホットな領域はPodcast市場

オーディオコンテンツ市場で、最も大きいのは音楽市場で128億ドル、次いでオーディオブックが35億ドル。Podcastは色々調べたのですがグローバルでたったの11億ドルでした。利用者数は一定数いるもののマネタイズに課題があり現時点での市場規模は大きくないです(後述)。

別のデータで、中国のPodcast市場(オーディオブック含む)を73億ドルとしているものもあります。中国ではXimalaya(未上場)やLihzi(2019年通期売上高$169M)等のオーディオプラットフォームが存在し、早くからサブスク課金があったり、足元ではライブ配信などへのギフティングなど、課金手段が色々とあるため、USなどよりも課金規模では大きい可能性があると考えています。

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Podcastをはじめとする音楽外の音声コンテンツ市場は、足元急拡大しています。ライブ配信などの新しいコンテンツや、Clubhouse、Twitterなどの新規参入者の存在、それらのサービスが収益化を強化する方針を打ち出していることから、今後加速度的に大きな市場になると期待しています。

Podcastの変遷

Podcastの全体感を知るために変遷を書きます。

2003年(Podcast登場)

2003年にPodcastという単語が初めて登場。2005年にAppleがApple Podcastを正式サポートし、圧倒的なプラットフォームになります。当時はスマホアプリを使った手軽なホスティングサービスは当然なく、自身でサーバーを立て、録音した音源をPCソフトで編集するなど、個人が番組制作・配信するにはハードルが高いものだったようです。

2008年(iPhone3Gとブロードバンド)

音楽ストリーミング同様、2008年のiPhone3Gとブロードバンド環境が転機になりました。元々Apple Podcastという圧倒的なプラットフォームがあったUSでは、2013年頃からですがSimplecastやAnchorFMなどスマートフォンアプリで録音編集できるホスティングサービスが新しく出てきて、個人でも手軽に配信できる環境が整っていきました。

大きなプラットフォームがまだなかった中国では、ホスティングサービス単体というよりは、前述のLizhiやXimalayaなど、録音編集から配信まで一元的にできるプラットフォーム(日本でいうRadiotalkやstand.fmさんのようなサービス)が2010年頃から登場しました。

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2015年(スマートスピーカーとAirpods)

次の転換点がAirpodsやスマートスピーカーの発売です。そもそも本来音声コンテンツは画面をみなくても楽しめることが利点なのに、PCやスマホの画面に縛られてるという矛盾がありました。

Airpods等の登場で、ハンズフリーで話したり、ながらで発信やコミュニケーションができるようになり、コンテンツもPodcastのような発信者ベースのものから、ライブ、そしてClubhouseなどよりインタラクティブなコンテンツやサービスが出てきています。

2015年から6年かかって音声サービスが拡大しているのは、コロナの巣ごもりなどの影響もありますが、マネタイズもセットで展開するサービスが増えてきたからではないか、と思っています。プラットフォームに儲かる仕組みがあったほうがコンテンツが増えますが(YouTuberなど)、これまで、限られた人気者しかマネタイズできないような状況でした。そしてそんな状況は変わってきています。

Podcastの構造の話

マネタイズの課題について触れる前に、一度、USのPodcastの構造について見ます。2005年以降、下図の赤枠で囲った無料のPodcast配信プラットフォームは大手のAppleなどが牛耳っています。なので、USで、音声関連で立ち上がったスタートアップは、既述の2008年のスマホ化とブロードバンド対応以降、青枠で囲った配信系SaaSや制作会社などになります。

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最近のプラットフォームは、TikTokのように制作から配信までプラットフォームが一元的に提供するものだと思いますが、Podcast市場の場合、配信プラットフォームであるAppleが強すぎるゆえにUSでは分断した構造になったのだと考えています。ホスティング系のSaaS(Anchorなど)が立ち上がったことで、サーバーの準備や特別なPCソフトなど必要とせず、個人が手軽に配信できるようになりました。

Podcastのマネタイズの課題

そして、なぜ既存のPodcastプラットフォームではマネタイズがしにくいのかというと、Appleが無料コンテンツとして配信して普及させてきたこと(これが大きそう)や、コンテンツ制作と配信が別々なのでマネタイズポイントを作りにくいなどが考えられます。

Appleが無料コンテンツとして配信させてきたのは、Appleの意向なのかもしれませんが(ポリシーありそうな気も)、Podcastの仕組みにおいては、コンテンツを大手プラットフォーム外のサーバーにおいてあるため、プラットフォーム側としてはYoutubeのような完全自動広告など入れにくいという事情もあるようです。

USのPodcasterの場合は、一部の売れているPodcasterは広告案件をとってきて番組内で紹介したり、スポンサーをつけるなど、アナログ且つ限定的な方法でマネタイズをしています。Ancarなどのホスティングサービスは自動広告を入れられるサポートなどをしていますが、収益化という意味ではインパクトはまだ小さいようです。

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マネタイズの課題感は当然大きいのでUSではPatreonがPodcasterの収益化ニーズをとり、グロースしてきました。また、2019年にはPodcast版Netflixと言われた完全サブスク型のプラットフォームLuminaryも出てきました(が、Luminaryはあまり立上ってないようです)。

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一方、中国では、制作ホスティングから配信まで一元的に提供するプラットフォームが主流(下図赤枠)で、早くからサブスク課金や、ギフティングなどのマネタイズが始まり、Podcastだけでなくライブ配信など、多くのコンテンツが生まれているようです。日本でもRadiotalkやstand.fm、Voicyなどは一元プラットフォームで足元様々なタイプのマネタイズ手法を提供しています。

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プラットフォーム側もマネタイズを強化しています。Podcastで2021年にも最大手になると言われているSpotifyは、ホスティングSaaSのAnchorを買収し、プラットフォーマーとしてのマネタイズポイントを取りに行っています。また、Adやサブスクなど、マネタイズ手段も強化する方針を示しており、このあたりは今後本格的に変わってくると思われます。以下の岡さんの記事がわかりやすかったです(勝手に引用すみませんmm)。

今後の展望

さて、今後の展望ですが、「より多様なコンテンツ」と「マネタイズもセットにしたプラットフォーム」がグローバルで出てくると思っています。Podcastの変遷の2015年~の部分に書いた通り、従来のPodcastという形だけではなく、ライブ配信やインタラクティブな形式の新しいコンテンツが出てきています。ただし、広がるポイントとなるのがマネタイズで、まさにClubhouseやTwitterがサービスローンチと共にクリエイター収益化の支援を掲げているのは上記のマネタイズの課題を念頭に置いてだと考えています。

アイキャッチクレジット:Photo by Tommy Lopez from Pexels

SPAC経由上場も多数「空飛ぶクルマ」5社・最新動向

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本稿は独立系ベンチャーキャピタル、STRIVEのインベストメントマネージャー古城巧氏とインターン鶴原啓氏がまとめたものを転載させていただいた。原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@kojotaku29。 こんにちは、STRIVEの古城です。2020年頃から、空飛ぶクルマのニュースを見かける機会が増えたと思います。実際、世界各国のスタートアップが空飛ぶク…

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、STRIVEのインベストメントマネージャー古城巧氏とインターン鶴原啓氏がまとめたものを転載させていただいた原文はこちらから、また、その他の記事はこちらから読める。Twitterアカウントは@kojotaku29

こんにちは、STRIVEの古城です。2020年頃から、空飛ぶクルマのニュースを見かける機会が増えたと思います。実際、世界各国のスタートアップが空飛ぶクルマの社会実装・サービスローンチに向けて機体開発を加速させたり、事業構想を打ち出したり、大規模な資金調達を実施したりしております。今回、インターンの鶴原啓君に、空飛ぶクルマを開発する海外メジャープレイヤーの概要と最新動向を纏めてもらいました!

こんにちは、インターンの鶴原です。空飛ぶクルマには電動駆動(主に電動垂直離陸機(eVTOL))とガソリンエンジン駆動、ハイブリッドがありますが、今回はeVTOL(電動垂直離着陸機)を開発していて、直近で大型調達を実施・検討している海外のメジャープレイヤー5社を取り上げていきます。よろしくお願いします!

Lilium GmbH(ドイツ)

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まず1社目はドイツのLilium GmbHです。2015年にミュンヘン工科大学で勉強していたDaniel Wiegandら4人によって設立されました。”Revolutionizing the way we travel”(旅行の仕方に革命を起こす)というビジョンの元、7人乗りeVTOL(電動垂直離着陸機)であるLilium Jetの開発を進めており、2024年から複数の都市でエアタクシーサービスを開始する計画です。

当初は5人乗りの機体を開発していましたが、7人乗りの機体を優先させるようです。先日(3月30日)、SPAC(特別買収目的会社)※であるQell Acquisition Corp.との合併を発表しており、評価額33億ドルでナスダックに上場する予定です。

Archer Aviation(アメリカ)

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2社目はアメリカのArcher Aviationです。2018年に就職斡旋サイトVetteryをAdecco Groupに1億ドル超で売却した起業家コンビであるBrett AdcockとAdam Goldsteinによって設立され、2020年からメディアへの露出を増やしております。”To advance the benefits of sustainable air mobility”(持続可能なエアモビリティの便益を世に拡げる)をミッションに掲げ、Makerという2人乗りeVTOLを開発しています。

2024年までにロサンゼルスとマイアミでUAM(アーバンエアモビリティー)ネットワークを立ち上げ、サービスを開始させる計画です。2021年2月10日にSPACであるAtlas Crest Investment Corp.との合併を発表しており、評価額38億ドルでニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する予定です。この際、ユナイテッド航空が出資および10億ドル分の航空機の発注(5億ドル分追加オプション付)に合意していることも注目を集めています。

Joby Aviation(アメリカ)

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3社目はアメリカのJoby Aviationです。カメラやモバイルアクセサリーを生産するJOBY社の創設者でもあるJoeBen Bevirtによって2009年に設立されました。”To build a global passenger service that saves a billion people an hour every day, while helping to protect our precious planet”(大切な地球環境を守りつつ、10億人の人々が毎日1時間を節約できる旅客サービスをつくる)を長期的なビジョンに掲げています。

2024年までにアメリカの複数都市でサービスを開始することを目指しており、2020年にはUberの空飛ぶタクシー事業部門「Elevate」を買収することで、事業化を加速させております。また2020年の年始にはトヨタが約400億円出資し、eVTOLの開発・生産で協業すると発表し、話題になりました。2021年2月24日にSPACであるReinvent Technology Partnersとの合併を発表しており、評価額66億ドルでNYSEに上場する予定です。

Volocopter GmbH(ドイツ)

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4社目はドイツのVolocopter GmbHです。2011年に土木工学をバックグラウンドに持つAlexander Zoselとソフトウェア開発者のStephan Wolfによって設立されました。” To become the leading Urban Air Mobility service provider worldwide”(世界をリードするアーバンエアモビリティサービスプロバイダーとなる)を目標に掲げ、2人乗りのeVTOL(VoloCity)を開発しています。

2023年までにシンガポール、2024年の五輪までにパリでそれぞれエアタクシーサービス提供を目指しています。またJALと業務提携を結んでいることで注目されており、日本でも2023年ごろまでのサービス提供を目指しています。直近のシリーズC・Dの資金調達ラウンドでは、日本から三井住友海上MS&AD、NTT、東京センチュリーが新たに加わりました。VolocopterはSPAC経由での上場はあくまでオプションの1つとしているようです。

Ehang Holdings Limited(中国)

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最後に紹介するのは中国のEhang Holdings Limitedです。2014年ヘリコプターのパイロットであったHuazhi Huと起業家のDerrick Xiongによって設立されました。”To make safe, autonomous and eco-friendly air mobility accessible to everyone”(安全で自律的で環境にやさしいエアモビリティを誰もが利用できるようにする)を使命に掲げていて、2人乗りのeVTOLを開発しております。

2020年7月にパイロットなし(リモート操作)での有人飛行に成功しており、一部で空中観光サービスを展開し始めております。また現在、新たに開発している長距離eVTOLについても近々情報が公開される予定で、デザインは明かされていないものの、固定翼機ではないかという噂があります

Ehangは世界初の空飛ぶクルマ上場企業(2019年12月にナスダック市場に上場)であり、現在は世界各国で実証フライトを行うなど活動を活発化させています。※補足:2021年2月16日に米投資会社WOLFPACK RESEARCHによるショートレポートで売上水増しなどの粉飾疑惑が浮上。会社側は反論レポ―トなどを出しており、今後の真相解明が期待される。

サマリー

いかがだったでしょうか?実は空飛ぶクルマが飛び回る社会はそこまで遠くないのかもしれません。空飛ぶクルマの社会実装には、法改正を含めた制度整備が必須で、各国対応を進めております。

  • 空飛ぶクルマの早期社会実装に向けて、大規模な資金調達や大手企業との提携などの動きが活発化している
  • 機体サイズや形状は各社各様で、2023年〜2025年ごろのサービス開始が予定されている
  • 既に上場しているEhangを除いた4社のうち3社がSPAC経由での上場を予定しており、2021年中に多数の空飛ぶクルマ企業が上場する見込み

FAA(アメリカ連邦航空局)は航空法改正、EASA(欧州航空安全機関)は新たなeVTOLの型式証明のルール策定を進めております。日本でも、政府が2023年の空飛ぶクルマの社会実装に向けて2021年度中に試験飛行に必要な手続きをまとめた手引書の公表を目指すなど、制度整備が進んでおります。

空飛ぶクルマの市場は2040年に1兆5000億ドル規模になるとも予想されています。実用化に向けた課題はまだまだあるものの、今後も目が離せない業界です。

「瓢箪から駒」ならぬ、マスクスプレーからVTuberの香り——コロナ禍で成功した、CODE Meee×ホロライブ×電通の取り組み

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コロナ禍における人々の行動変容は、スタートアップの事業計画にもさまざまな影響を及ぼしている。ピボットを余儀なくされることもあれば、既存事業の追い風となるケースもある。今日紹介するのは、そのどちらでもないかもしれないが、パンデミックを端緒にしたアイデアが期せずして新たなプロダクトを生み出し、異業種のスタートアップとの協業で大きな商機に結びついた事例だ。 香りのスタートアップ CODE Meee につ…

左から:CODE Meee 代表取締役の太田賢司氏、電通第3ビジネスプロデュース局の野上賢悟氏
Image credit: Dentsu

コロナ禍における人々の行動変容は、スタートアップの事業計画にもさまざまな影響を及ぼしている。ピボットを余儀なくされることもあれば、既存事業の追い風となるケースもある。今日紹介するのは、そのどちらでもないかもしれないが、パンデミックを端緒にしたアイデアが期せずして新たなプロダクトを生み出し、異業種のスタートアップとの協業で大きな商機に結びついた事例だ。

香りのスタートアップ CODE Meee については、BRIDGE でも何度か伝えてきた。ここ数年、彼らは C 向けのアロマサービスだけでなく、香りをエンターテイメントビジネスや環境改善に役立てる B 向けのサービスにも注力してきた。気分を変えるという香り本来の効能に加え、香りで課題や問題を解決する「ソリューション・フレグランス」というコンセプトに言及したのも興味深かった。

パンデミックの第一波が到来し最初の緊急事態宣言が発令された昨年4月、CODE Meee はマスク専用のプレミアムアロマスプレーを発売した。外出時にマスクの常態的な装着が求められるようになる中で、このスプレーをマスクに吹き付けると、ウイルス予防、抗菌、消臭の効能が認められるというものだ。

CODE Meee は自社サイトでこのスプレーを販売しつつ、同社の創業者で代表取締役の太田賢司氏は、さらなる事業拡大を目指し、以前採択された「GRASSHOPPER」での繋がりを頼りに、電通にこの商品の展開について相談した。当初は電通社内や取引先に販売してもらうことを目論んだようだが、電通第3ビジネスプロデュース局の野上賢悟氏は事業にする観点から可能性を模索した。

プロモーションの予算は無いという。広告代理店である電通が、そんなプロジェクトにどう取り組めるか意義を見出すのは正直難しかった。マーケティングの 4P(Product、Place、Pricing、Promotion)から見るといい商品だが、マスク用のスプレーは競合も結構多くレッドオーシャン。1,700円という価格はハイエンドだし、そのまま展開しても難しいかもしれないと感じた。

どう売るべきか、野上氏は電通のチームメンバーや太田氏と検討を重ねる中で、あるスタートアップと組むことでアロマスプレーの価値を最大化できないか、との仮説にたどりつく。VTuber プロダクション「ホロライブ」の成長が著しいカバーとの協業だ。CODE Meee が VTuber 5人の香りをカスタマイズして制作、マスクスプレー「HOLO AROMA!」として発売する企画だった。

香りという商品で差別化を図るには、熱狂度の高いコアなファンに楽しんでもらう必要があると考えた。実在しない2.5次元のキャラクタにちなんで、香りというリアルな要素を届けることができれば、ユーザにはリモート環境では難しいキャラクタの存在感を身近に感じてもらえるのではないか。(野上氏)

このアイデアは見事に的中し、昨年6月に公開された HOLO AROMA! の発売事前告知動画は再生数30万回を超え、公開日には「ホロアロマ」が Twitter のトレンドワードで4位にランクインした。同製品の購入予約を受け付ける CodeMee の Web サイトには開設以来最大人数が訪問し、初回ロットの受付では1時間に2,000個以上の HOLO AROMA! が完売したという。

「HOLO AROMA!」のパッケージ。夏色まつりさん、百鬼あやめさん、癒月ちょこさん、潤羽るしあさん、白銀ノエルさん、5人の香りが発売された。
Ⓒ2016-2021 COVER Corp.

科学に裏打ちされたプロダクトを持つスタートアップ(CodeMeee)と、没入感や熱狂度の高い IP を持つスタートアップ(カバー)、そして、彼らを引き合わせたのが普段はナショナルクライアントを相手にしているが多い電通だった、という点で面白い事案ではないだろうか。実験的な要素が大きかったこともまた、プロジェクトを成功に導いた大きな要因の一つと言える。

当初のマスク用アロマスプレーは、電通サイエンスジャムとの連携でプレ実証していた、脳波による感性把握技術にもとづく「ソリューション・フレグランス」の知見を活用して開発したもの。もともとは機能に寄せていたものだったが、思いっきりブランディング、つまり情緒側に振った。ブランディングに寄せたことで、商品の何を誰に売りたいかが明確になり刺さりやすくなったと思う。(太田氏)

電通としては VTuber の新しいグッズを作り出すという立場だった。タレントを起用して、その方の香りを作るといった企画だったとしたら、条件的に実現することは難しかったかもしれない。今回は VTuber というのが非常に親和性があった。彼らは必然的に画面の向こう側にいて、一方、香りは画面を越えていける。カバーもまた、面白い企画だと快諾し楽しんでやってくれたのは大きい。(野上氏)

起業家はアイデアの事業化に力を注ぐあまり、視野が狭くなってしまうこともある。それゆえ、事業に深くコミットしていないステイクホルダー以外の話に耳を傾けたり、異文化・異業種の企業やスタートアップとからんだりすることが肝要だ。コロナ禍でセレンディピティがもたらす化学反応は生じにくくなっている。電通のみならず、さまざまな大企業が触媒の機能を果たすことに期待したい。

沖縄を代表する大企業8社、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——県内外や台湾から11スタートアップが参加

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琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空、大同火災、JTB 沖縄、琉球放送(RBC)の8社は15日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは4年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが、4…

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空、大同火災、JTB 沖縄、琉球放送(RBC)の8社は15日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは4年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが、4回目から、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA が、そして5回目となる今回から大同火災、JTB 沖縄、RBC が加わった

このプログラムには例年、沖縄県内外はもとより、近接する韓国や台湾から日本市場進出を試みるスタートアップが参加してきた。参加スタートアップのソーシングにあたっては、STARTUP Lab LagoonFROGSアントレプレナーシップラボ沖縄の各起業家支援機関に加え、韓国チェジュ革新成長センター、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織「Taiwan Tech Arena(TTA)」が協力している。

冒頭挨拶する琉球銀行頭取の川上康氏
Image credit: Masaru Ikeda

今回の5回目のバッチには合計11チームが参加。内訳を見てみると、沖縄県内から9チーム、東京から1チーム、TTA の推薦で台湾スタートアップ1社と、例年に比べ、地元スタートアップが多くなっている。

Okinawa Startup Program の過去のプログラムに参加したスタートアップ35社(前バッチまで)のうち、人材管理クラウド開発のサイダス、ソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN、貨物車両と荷主をつなぐマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を運営する CBcloud、沖縄発の運転代行マッチングプラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を運営する Alpaca.Lab は、琉球銀行の「BOR ベンチャーファンド」から、それぞれ資金調達したことが明らかになっている。

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以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

リゾートワークス(日本・沖縄)

リゾートワークスは、リクルート出身のシリアルアントレプレナーらにより設立されたスタートアップ。テレワークに適したリゾートエリアの上質な施設を特別価格で提供する会員制サービスを提供する。現在、沖縄県内だけで60施設が利用できる。これまでに YJ Capital、デジタルガレージ、Genesia Ventures から資金調達し、KDDI ∞ LABO や Open Network Lab に採択された。

今回のプログラム参加では、宿泊施設への集客支援と環境支援で大企業と協業した。JTB 沖縄とは ワーケーションアンバサダー(IT ビジネス系インフルエンサー)の募集で協業。沖縄セルラー電話とは宿泊施設における容量無制限のネットワーク環境、大同火災とは宿泊客の無断キャンセル(NoShow)保険でそれぞれ協業、沖縄タイムスのコワーキングスペース「howlive」とも連携する。

フードリボン(日本・沖縄)

フードリボンは、パイナップルの収穫時に畑に捨てられる葉(残渣)を使ったサステナブルなブランド「KISEKI」を提案。パイナップルの残渣からは、ファッションに利用可能な繊維を開発したり、パイオブラスチックからストローを生産したりできる。自然由来の有機物であることから、使用後はコムポストを通じて土に返すことが可能で、これを肥料として有機野菜を栽培できる。

初年度は沖縄の他、台湾、中国、インド、フィリピンから70万トン相当の残渣を調達予定。この残渣からシャツを作ると7,000万枚相当、ストローにすると5,600億本相当になるという。世界中では2,000万トンのパイナップルが生産されていることから、4,000万〜6,000万トンに上る残渣が捨てられていると推定され、フードリボンでは大きな市場が開拓できると見ている。

OTS MICE MANAGEMENT(日本・沖縄)

沖縄ツーリスト(OTS)グループの新規事業会社として2014年に設立された OTS MICE MANAGEMENT は、公共施設運営の効率化を支援する「SPM CLOUD」を開発。利用者には WEB での空き紹介・予約、WEB 抽選、キャンセル処理、キャッシュレス決済などの利便性、管理者には年次・月次・日次管理など、施設管理に必要なさまざまな機能を提供する。

これまでに沖縄県で2施設、鹿児島県で2施設が利用を始めており、次年度には広島県で2施設、沖縄県で1施設が利用を始める予定。全国には同様の施設が8万の公共施設があるため市場は非常に大きい。今後5年で市場の1%を顧客に獲得することを目標に掲げる。SPM CLOUD の姉妹プロダクトとして、イベント運営者向けにはチェックイン管理ができる「パッスル」を提供している。

あしびかんぱにー(日本・沖縄)

バーチャル YouTuber「根間うい」の開発元あしびかんぱにーは、VRChat を使ったユーザが参加できるソーシャルな VR サービス「バーチャル OKINAWA」を開発予定。その足掛かりとなる「バーチャル国際通り」を、4月後半にローンチする予定だ。Cluster が開発した「バーチャル渋谷」、HIKKY の「バーチャルマーケット」などをヒントに、VR による事業開発を模索する。

この VR スペース上では、実際の国際通りでの買い物体験のように、e コマースによって商品も購入できるようにする計画。エイサー祭り、三線島唄ライブといったオンラインエンターテイメントも提供できるため、チケット販売も行いマネタイズに繋げる。国際通りに続き、バーチャル国際劇場、バーチャル観光地、バーチャルビーチなど、さまざまな VR スペースを拡大する計画。

lab(日本・沖縄)

lab は、昨年の春まで警察官だった創業者が設立したスタートアップ。沖縄では観光客の増加に伴い、警察に届けられる落とし物は増加しているが、落とし物したことを警察に届ける人は増えていない。その背景には、飛行機の出発時間が迫っていて警察に行く時間がない、落とし物が見つかっても本人が取りにいけない(送ってもらうことはできず警察署に取りに行く必要がある)といった理由が考えられる。

そこで lab が提供するのは、遺失拾得物総合代理サービスだ。落とし物をした人(依頼者)は Web アプリで委任状を作成、lab が警察への届け出を代行し、該当する遺失拾得物が発見されれば、依頼者の代理人として警察から受け取り、それを依頼者に郵送してくれる。遺失拾得物の保管期間は3ヶ月と短く、代わりに警察署に取りに行ってくれる沖縄の知人がいる人も少ないことから需要が見込める。

Solafune(日本・沖縄)

Solafune は、衛星データをはじめとする地球観測データを活用したアルゴリズムのマーケットプレイスだ。SAR データ、GPS データ、地表面の温度データなどのデータセットをオンラインで公開、世界中から AI エンジニアにアルゴリズムを応募してもらい、その中で課題を解決できる優秀なアルゴリズムを Solafune が買い取り、企業に権利をライセンスする。

従来方法では、企業はアルゴリズム開発に時間・コストが必要で、人材を集めるのも難しい。Solafune では応募されたアルゴリズムが自動評価・スコアリングされるため、エンジニアは互いにスキルを切磋琢磨することになる。あるコンテストではを2週間で300人以上のエンジニアが参加し、2,500件以上の解析結果の応募があった。これまでに ANRI と East Ventures から資金調達している。

lollol(日本・沖縄)

lollol(ロルロル)は、沖縄の放送作家キャンヒロユキ氏によるスタートアップだ。2018年のライブエンタテイメント市場は1,987億円だったが(ぴあ総研発表、ステージ市場規模)、2020年にはコロナ禍で3分の1にまで縮小した。お笑い芸人のうち、芸のみで生活できるのは1割程度で、舞台やライブが中止になるなどして生活が困窮する人も少なくない。

lollol は、テレビや舞台以外の芸人の活躍の場として、芸人と消費者を繋ぐマーケットプレイス「UNIQUE」を開設。芸人34人に参加してもらったところ、夫の還暦祝のお笑い、テーマソングの作曲などの依頼があった。オンラインライブだと演者は観客の反応がわからないことから、観客の PC 越しの表情から笑い声を挿入する技術を開発中だ。観客反応に応じて広告料を徴収するモデルも開発する。

JGB Smart Poperty/金箍棒智慧物業管理(台湾)

JGB Smart Poperty は、不動産オーナーや管理人が貸借人の募集、内見、契約、設備不具合の修理、家賃督促などをモバイルで管理できるワンストップ賃貸管理システムを開発。これまで、主に電話で行われてきたこれらの業務をデジタル化することで、オーナーや管理人を煩雑な作業から解放する。

締め日を決めておけば家賃を自動的に督促する機能、テナントごとに電気メーターが分かれている場合にも、それらを集積して情報管理し家賃と合わせて請求できる機能、ディポジットやリファンドを管理できる機能などが備わっている。このプラットフォーム上に搭載された賃貸契約に関わる電子契約は、最新の借地借家特別法(台湾の法律のことを指しているかどうかは不明)にも対応している。

Endemic Garden H(日本・沖縄)

Endemic Garden H は、やんばる地域3村(国頭村、大宜味村、東村)で過疎問題に取り組む地域のよろづや(まちやー)だ。この地域では、行事の人手が不足したり、代々の家や土地の維持管理が難しいなど、過疎を原因とした社会課題がある。同社は、宿泊業、旅行業、ネイチャーガイド、環境プログラム受託のコンサル業、生き物調査受託の調査業をなどを通して地域課題に取り組む。

同社では、古民家をリノベーションした宿泊施設「奥やんばるの里」6棟を運営。地元の農家や漁師から食材を調達し、家主に賃料を支払、地域住民を雇用し、経常利益の一部を再投資することで地域経済のサイクル創出を目指す。分散型ホテルの運営を強化し、ワーケーションやデュアラー需要を理解した施設や観光コンテンツを充実させたいという。

イノベスタ(日本・沖縄)

楽天やアマゾンでの勤務を経て、現在は地域 EC コンサルタントの創業者が設立したイノベスタは、沖縄ならではの地〝販〟地消を目指すスタートアップだ。全商取引に占める EC の割合は、アメリカ11%、中国36.6%に対して、日本は6.76%と先進国で最も低いが、沖縄はさらに低く1%程度と推定される。沖縄で EC が普及しないのは、送料が高く、注文したものがすぐに届かないことが大きな理由だ。

そこでイノベスタが提案するのは、沖縄県内事業者が沖縄県民に商品販売する「TODOQ(トドキュー)」だ。JTA とは、離島メーカーや生産者との連携、商品開発やマーケティングで協業する。那覇市内のショッピングモール「パレットくもじ」やデパートリウボウの樂園百貨店で POP UP イベントを開催予定。今年6月にサービス開始し、2023年に沖縄本島内送料無料、当日配送を目指す。

RelyonTrip(日本・東京)

RelyonTrip は、10〜20代の女性が食事やお茶に出かける際、気軽にお店を探せるアプリ「Sassy(サッシー)」を開発している。このような用途には Instagram を使うユーザが多いが、Instagram には詳細情報が無い、地図が無い、不必要な情報が多いなどから、お店を知るには複数のアプリを操作する必要がある。Sassy では、全ての情報検索・取得がアプリ内でワンタップ完結する。

人気 YouTuber やインフルエンサーが作成したスポットまとめ集が人気を博し、Sassy のユーザ獲得に貢献している。二人で会う際には、ユーザ同士が互いの行きたいスポットリストをマッチングさせ、会う場所を決めることも可能だ。沖縄セルラーと協業し、「沖縄CLIP」の地元在住フォトライターとコラボしたスポットまとめ集を3月下旬にリリース予定。

エンターテインメント領域で新たな産業創出をーーテレビ東京コミュニケーションズの投資活動

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 企業の共創活動をリレー的に繋ぐコーナー、前回お届けしたヤマトHDのスタートアップ投資に続いてお届けするのは、テレビ東京コミュニケーションズのスタートアップ投資活動です。 テレビ東京のグループはテレビ東京ホールディングスをトップに、中核となる地上波とBS放送のテレビ東京とBSテレビ東京、テレビ通販やEC…

テレビ東京コミュニケーションズ メディア事業開発本部 ビジネスデザイン部 遠藤哲也氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

企業の共創活動をリレー的に繋ぐコーナー、前回お届けしたヤマトHDのスタートアップ投資に続いてお届けするのは、テレビ東京コミュニケーションズのスタートアップ投資活動です。

テレビ東京のグループはテレビ東京ホールディングスをトップに、中核となる地上波とBS放送のテレビ東京とBSテレビ東京、テレビ通販やEC、コンテンツなどの周辺事業を手がける連結子会社12社、そしてコミュニケーション領域として動画配信事業などを手がけるテレビ東京コミュニケーションズが集まって構成されています。

テレビ東京ホールディングスが昨年に公表した中期経営計画では、コロナ禍における厳しい広告収入を前提としており、放送収益の落ち込みを最小限に抑えつつ、アニメ・コンテンツ事業やイベント、通販といった放送外・周辺領域の事業展開を強化するとしています。

本記事ではその中にあってクロスメディアや動画配信、IP事業などを手がけるテレビ東京コミュニケーションズが窓口となって推進する、スタートアップ投資の活動についてお伺いしました。(太字の質問は MUGENLABO Magazine編集部、回答はテレビ東京コミュニケーションズBusiness Producerの遠藤哲也さん)

事業本体からの投資活動ということですが、どのようなフォーカスで出資されていますか
遠藤:スタートアップとの事業シナジーを目的に出資をはじめました。投資領域は日本国内オンリーで、エンターテインメント領域に出資をしております。CVC形態ではなくプリンシパル投資のみです。出資した企業との事業連携により、実益をスタートアップと創出できるよう意識しております。出資後、すぐに現場に実装できるよう、密なコミュニケーションを取らせて頂き、各部署にスタートアップサービスの紹介、連携推進をしております。またメディア戦略や事業戦略のアドバイスも行っており、積極的な企業グロースのバックアップをさせて頂いております。

かなり明確な投資方針でわかりやすいですね。具体的なケーススタディはどのようなものがありますか
遠藤:出資先のZeppyとはデジタル経済番組の共同制作を実施しています。Zeppyは投資領域に特化したYouTubeコンテンツ制作を手がけていて、「投資をもっと普通のことに」をミッションに、投資の大衆化を目指し活動している企業です。株式投資専門チャンネルとしては国内最大級で、このZeppyに所属するYouTuberと連携することで、幅広い属性の個人投資家やYouTubeを日常的に視聴する一般層へのリーチを目的とした取り組みをしています。

また、同様に出資先のSEPALとは保有IPを活用したグッズ販売を実施しています。LINEと連動したECシステムで、若年層へシームレスなグッズセールスを目的とした取り組みです。彼らのECサービス「Live self order」はイベント事業者を中心に一気に活用が広がっています。

マーケットを変革するためにも、スタートアップは文字通りスタートしたら「アップ」し続けるべきだと思っています。世の中のニーズを捉え、経済の牽引役となる新たな産業を創出するべきです。私自身、スタートアップでマーケットへチャレンジしてきた経験もあり、現職でもそういった果敢にチャレンジするスタートアップを本気でバックアップしたいと思っています。

具体的な出資のポリシーや意思決定のフローはどのようになっていますか
遠藤:マイノリティ出資、リードを取ってのマジョリティ出資など、出資先企業毎に違います。出資時の重要な判断軸は、(1)経営者、(2)事業シナジー含めてのマーケットの成長性、(3)優位性です。

初面談から出資までのスケジュールとして、おおよそ3〜4カ月は頂いております。現場担当がスタートアップと面談し、その後、私に案件の報告があります。マーケットとビジネスモデルが弊社の事業拡張領域とフィットするのであれば、私の方で改めて面談のお時間を頂いております。更にビジネスゲインやキャピタルゲイン、共に見込めるようであればDD(デューデリジェンス)に進んで出資計画書を作成します。その後、役員に提案して細かい部分でのフィードバック、最終チェックを経て出資委員会での決議、出資という流れになります。

新たなアイデアや技術、ビジネスモデルに挑戦する方々と一緒に共創し、新たな産業創出にチャレンジしていきたいですね。

ありがとうございました。
ということでテレビ東京コミュニケーションズのスタートアップ投資活動についてお届けしました。次回もお楽しみに。

激動の松竹と共創:問われる「松竹ID」の可能性 Vol.2

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 前半では感染症拡大で歌舞伎が受けた影響と、そこから大きく開いたデジタル化への扉について松竹取締役、船越直人さんにお話を伺いました。後半はさらに具体的なアクションについて同じく取締役兼松竹芸能会長の井上貴弘さんにお話しいただきます。 松竹には歌舞伎の他にも映画や、テレビタレントなどを擁する松竹芸能といっ…

松竹 取締役 事業開発副本部長 イノベーション推進部門担当・井上貴弘氏(松竹芸能 会長)

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

前半では感染症拡大で歌舞伎が受けた影響と、そこから大きく開いたデジタル化への扉について松竹取締役、船越直人さんにお話を伺いました。後半はさらに具体的なアクションについて同じく取締役兼松竹芸能会長の井上貴弘さんにお話しいただきます。

松竹には歌舞伎の他にも映画や、テレビタレントなどを擁する松竹芸能といったグループ企業が存在しています。特にタレントマネジメントについては2017年にUUUMと提携するなど、デジタル化を見据えた新たな人材育成にも力を入れています。また、これまでの資産として松竹を取り巻くファンの存在も重要です。昨年LINEとの提携発表では巨大なユーザーベースをID化して活用する「松竹ID」の構想にも触れられていました。具体的な松竹のデジタル化はどのように進むのでしょうか(文中の質問者はMUGENLABO Magazine編集部、文中敬称略) 。

配信の力学がタレントビジネスを変える

ここからは井上さんにお聞きします。エンターテインメントを考える上で、タレントの存在は言わずもがな重要ですが、ここ最近はYouTuberに代表される新たな「アマ以上のプロ」の存在が目立ってきています。改めてプロダクションとしてのポジションはどのように変化するとお考えでしょうか

井上:これからは芸能プロダクションという存在は、クリエイターたちにきちんと価値を提供していかないと存在意義が問われると思います。

私たちのグループに松竹芸能というプロダクションがあります。そこのケースで言えば、松竹芸能にとって、主戦場はやはり地上波のゴールデン番組だったのです。極端な例では、少し前の「放送局によって優劣が顕著だった時代」に、どのような番組に出演することがタレントの現在と将来にとってベストかの判断の前に、とにかく影響力のある放送局のゴールデン番組の方が、力の無い放送局の深夜番組よりも良い、みたいな感覚があったと思います。本来は、そのタレントが深夜番組で司会をやった方が将来につながるにも関わらず、とにかくゴールデン番組でひな壇に座らせた方が良いということです。

昭和から平成にかけての黄金期ですね

井上:今の芸能プロダクションの幹部の方々はこういった「テレビ中心」に育ってきた人が多いです。意識を変えようとしているけど、まだ「地上波全盛時代」の感覚が残っている。その中でも、この時代に、どうすれば自分達のタレントを発信できるかに気付いた人達が、「地上波だけじゃないんだ」という結論にたどり着き、新しいメディアに積極的に取り組みながら、地上波とのバランスを取り、素晴らしいタレント育成をされています。

他の事務所の芸人さんや、過去にゴールデンで活躍したタレント、引退したスポーツ選手などオンライン配信で活躍する「プロ」が一気に増えました

井上:YouTube等の新しいメディアで自分を発信し始めていますよね。プロダクションとしてはこういった個人の潜在的な価値を見極めて、この人の場合はYouTubeを上手く使っていこうとか、本当の意味でプロデュースする力がないとダメになってくると思います。

これまでも地上波を中心に「どうやってこの人を売り出していこうか」ということをやってきているので、YouTube等の新しいメディアにおいても、人を育てるという点においては同じです。ただ、過去の地上波の成功体験に縛られてしまうと、新しいメディアの可能性への切り替えが上手くいかない。ここの切り替えのスピードをどうやって上げるかというのが重要ですね。

問われる「松竹ID」の可能性

舞台やテレビ・映画といった媒体を通じて関わってきた顧客との接点が変わる

井上:お客さんが求めている情報を届けることをやりたいと思っています。そして、集まったデータからどういう映画や舞台を作るべきかを、逆算で導き出すこともやってみたいですね。映画と伝統芸能である歌舞伎を持っている会社は他にはありません。データ数は多くないかもしれませんが、価値のあるデータが取れると考えています。

なるほど、顧客との関わりだけでなく、作るものにも確かに影響が与えられそうですね

井上:現在、MR(複合現実:Mixed Reality)を活用した歌舞伎を作っています。今後、技術が進化してデバイスが軽量化すると、例えば地方の巡業の際、低コストで、舞台に仮想的な演出をすることが可能になると思います。また、単純に360°カメラで映像を撮るということだけではなく身体データも取って、デバイス上で舞台の興奮を伝えるようなこともできると思っています。

去年の中頃から、事業共創については積極的に取組んでいます。コロナ禍で当社の業績は大きな打撃を受けており、そのスピードがやや遅くなっていることは事実ですが、しっかりと取り組みたいと考えています。特に、オープンイノベーションに関わる若手社員を育てることは、今後のパートナーシップの戦略を考える上でも、最も重要であり、全力で取り組んでいきます。

スタートアップやベンチャーキャピタルの方々で、「松竹とはこういうことができないのか」という話があれば聞かせていただきたいと考えています。

ありがとうございました

台湾のAppWorks(之初創投)、シリーズA/B特化で1.5億米ドル規模の第3号ファンドを組成

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台北を拠点とするアーリーステージ VC で、Carousell や ShopBack などの投資家でもある AppWorks(之初創投)は、3つ目のファンドとして1億1,400万米ドルを調達したと DealStreetAsia が報じた。 1億5,000万米ドルの調達を目標ととする新ファンドは、AI、IoT 、ブロックチェーン、分散型金融(DeFi)分野のスタートアップへの投資を目指すと、同ファン…

Image credit: AppWorks(之初創投)

台北を拠点とするアーリーステージ VC で、Carousell や ShopBack などの投資家でもある AppWorks(之初創投)は、3つ目のファンドとして1億1,400万米ドルを調達したと DealStreetAsia が報じた。

1億5,000万米ドルの調達を目標ととする新ファンドは、AI、IoT 、ブロックチェーン、分散型金融(DeFi)分野のスタートアップへの投資を目指すと、同ファンドの会長兼パートナー Jamie Lin(林之晨)氏はレポートで述べている。

当初の計画では、第3号ファンドを1億米ドルでクローズする予定だったが、東南アジアと台湾のシリーズ A と B のスタートアップの資金調達の需給ギャップを目の当たりにし、目標規模を1億5,000万米ドルに引き上げることにした。

AppWorks の以前のファンドはエンジェル投資やシード投資に重点を置いていたが、今回の1億5,000万米ドルのファンドは、急成長中のシリーズ A や B のスタートアップに投資するために使用される。

2010年に設立された AppWorks は、東南アジア最大級のスタートアップアクセラレータと VC であり、そのエコシステム内で合計395社のスタートアップと1,331人のファウンダーに投資し、彼らを合算した総売上高は80.5億米ドルに達している

AppWorks が投資したスタートアップのうち4社——Uber、NetPublishing(隆中網络)、KuoBrothers(創業家兄弟)、MobiX(松果購物)——が、これまでに IPO を果たした。

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AppWorks は、シードステージの企業に20万〜40万米ドル、シリーズ A では最大300万米ドル、シリーズ B では1,000万米ドルを投資する

AppWorks は2020年11月、大東南アジア圏(台湾+東南アジア)のアーリーステージスタートアップ20社をフィーチャーしたバーチャルスタートアップショーケースを開始した。

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【via e27】 @E27co

【原文】

配送・物流プロセスを自動化するSlync.io:各社が力を入れる物流自動化分野(2/2)

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(前回からのつづき)Slyncは、経営資源管理システム、顧客関係管理システム、輸送管理システム、可視化サービスプロバイダ、eメール、PDF、スプレッドシートなど、システム全体にわたってデータを調和させる。役割ベースのワークフローによって、内部チーム、外部パートナー、顧客が単一のソースから情報を伝達したり共有したりでき、意思決定が容易になる。 CEO兼設立者のChris Kirchner氏は、これら…

(前回からのつづき)Slyncは、経営資源管理システム、顧客関係管理システム、輸送管理システム、可視化サービスプロバイダ、eメール、PDF、スプレッドシートなど、システム全体にわたってデータを調和させる。役割ベースのワークフローによって、内部チーム、外部パートナー、顧客が単一のソースから情報を伝達したり共有したりでき、意思決定が容易になる。

CEO兼設立者のChris Kirchner氏は、これらの機能により、Slyncは物流自動化分野の競合他社から一歩抜きん出ているとしている。Uberは「Uber Freight」というサービスを提供しているが、最近、大規模な拡大の一環としてさらに2億ドルを投じた。サンフランシスコを拠点とするKeepTruckinは、最近、出荷市場をより発展させるために1億4,900万ドルを確保した。Next Truckingは9,700万ドルの調達ラウンドを完了している。一方、Convoyは評価額27億5,000万ドルで4億ドルを調達し、貨物輸送のさらなる効率化に取り組む。

Kirchner氏は声明文で次のように述べた。

「Slyncにとって、これは素晴らしいマイルストーンです。設立当初から私たちのチームが我が社の構築のために懸命に努力してくれた証です。私たちにとって、すべてのスタートはお客様です。グローバルチームに投資し、製品開発を加速させ、サービスを拡大する資金を得られたことはすべてお客様のための勝利だと思います」。

投資家であるGoldman Sachs GrowthのJohn Giannuzzi氏はこう述べた。

「Slyncは、グローバルロジスティクスサービスプロバイダおよびに荷送人が最も重要な課題を解決するのを支援するという使命において、驚異的な進歩を実現しました。Slyncは長期的な成功を狙えるポジションにいると信じています。引き続きサポートしリソースを提供することで、Slyncの製品ロードマップが前進し、グローバルな成長が加速することを期待しています」。

SlyncのシリーズBラウンドはGoldman Sachs Growthが主導し、ACME Ventures、235 Capital Partners、Correlation Venturesおよびその他の既存投資家が参加した。Slyncの総調達額は7,000万ドル以上となった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

コロナ禍でデジタル化の先頭を走るエストニアから、日本のDXを考える〜福岡「ASCENSION 2020」から

福岡市は、2020年11月27日にスタートアップに特化した国際交流オンラインイベント「ASCENSION 2020」をオンライン開催した。 本稿は、ASCENSION 2020 で行われた、「GLOBAL STAGE」のエストニアセッションについてまとめた。GLOBAL STAGE では、福岡市がパートナーシップを結ぶ世界各地域の最新のスタートアップやテクノロジーの情報や海外展開に関する最新動向が…

左上から時計回り: Ait Oliver 氏(駐日エストニア大使館)、宗原智策氏(NordicNinja)、日下光氏(xID)、斎藤アレックス剛太氏(SetGo)

福岡市は、2020年11月27日にスタートアップに特化した国際交流オンラインイベント「ASCENSION 2020」をオンライン開催した。

本稿は、ASCENSION 2020 で行われた、「GLOBAL STAGE」のエストニアセッションについてまとめた。GLOBAL STAGE では、福岡市がパートナーシップを結ぶ世界各地域の最新のスタートアップやテクノロジーの情報や海外展開に関する最新動向が語られた。

本セッションは、駐日エストニア大使館商務官の Ait Oliver 氏、行政の DX(デジタルトランスフォーメーション)支援を行う xID(クロスアイディ) CEO の日下光氏、NordicNinja のベンチャーキャピタリスト宗原智策氏をパネリストに迎え、xID や日本企業のエストニア進出支援を行う SetGo の斎藤アレックス剛太氏がモデレーターを務めた。

(文:馬本寛子、編集:池田将)

繋がりの強い小さなコミュニティの「強み」

エストニア・タリンの街並み
Image credit: scanrail / 123RF

エストニアで xID を創業した日下氏は、「コミュニティは小規模だが、中の人同士の繋がりが強い」と話す。

国内市場が小さく、多くのスタートアップは海外展開を前提に事業を立ち上げるため、様々な国の市場について情報を共有する環境があるのではないか。(日下氏)

また、エストニア政府の一員でもある Ait 氏は、政府と民間の距離が近く、包括的なスタートアップエコシステムがつくられていると特徴を述べた。ICT 教育を強化し、小学校教育から、プログラミングを教えるなどの取り組みが行われていることからも、政府の熱量がうかがえる。それらの特徴に加え、資金調達やメンタリングシステム、ネットワーキングを行う環境は、比較的整備されていると話した。

宗原氏は、エストニアスタートアップエコシステムの雰囲気について触れた。

日本人である私はエストニアでは「外国人」という立場だが、スタートアップシーンをつくりあげていく一員として、(エコシステムに)所属していると実感できる。国外からも参加しやすい、居心地の良いコミュニティだ。(宗原氏)

パネリストの全員が、官民連携の強さやコミュニティが小規模ながら繋がりの強さを指摘した。2011年にマイクロソフトに買収された「Skype」の創業や経営に携わっていたメンバー(Skype マフィア)や、ユニコーンをつくりあげた起業家が身近にいることから、良いメンターに巡り合える可能性も高いと言える。

コロナ禍で浸透が進んだデジタル化

Image credit: Government of Estonia

「コロナ禍における、エストニアのビジネスシーンが受けた影響」について、Ait 氏は、行政面とスタートアップ面のそれぞれの変化について話した。

エストニアでは、2001年頃から政府のデジタル改革が進められており、コロナ禍において、これらの取り組みは功を奏した。国民一人ひとりにデジタル ID が与えられ、インターネット投票なども行われている。デジタル化に伴う、法的整備も進んでいたことから、法的文書のデジタル署名なども問題なく進められた。

コロナ禍以前にもデジタル署名は使用できたが、コロナ時代に突入してから、デジタル署名の使用率は5割上昇した。また、サイバーセキュリティや IT サービスを取り扱ったスタートアップなどが多いことから、多くの企業が売上も良好で、コロナ禍でも資金調達のニュースが多かったという。

さまざまなエストニアスタートアップの投資に関わる宗原氏は、コロナ禍で成長した投資先企業として AI を利用したオンライン ID 認証システムを提供する Veriff、配車サービスの Bolt、オンデマンドデリバリの ZITICITY の3社を挙げた。

例えば、これまで配車サービスに注力していた Bolt は、コロナ禍で電動スクーターや電動バイクなどのマイクロモビリティ事業が成長し、公共交通システムに変わるサービスになりつつあるという。乗降車のオペレーションシステムが評価され成長が加速しているそうだ。

DX の鍵を握る「データマネジメント」

DX の局面で発生するトラブルやそれらの解決方法については、データマネジメントが DX の鍵を握る。アナログデータからデジタルデータに移行することをデジタル化の定義とし、データ活用事例とデータを取り巻く現在の課題についても議論がなされた。

デジタルデータは収集が容易であり、集めたデータを分析することでユーザー理解を深め、マーケティング戦略の構築に活用できるが、課題もある。UberEats やDoordash などのフードデリバリサービスのようなプラットフォーマーに顧客データの詳細が集中するため、実際に食べ物を提供する飲食店などのサプライヤーに情報が届かなくなり、商品開発にデータを活かせないという課題が浮上する。

近年、欧米では Cookie でのデータ取得が難しくなりつつある状況も踏まえ、今後はデータをどのように収集し、取り扱っていくかというデータマネジメント上の課題の解決方法が鍵となるだろう。

政府のデジタル化を進めた3つのポイント

エストニアの電子 ID システム
Photo credit: e-Estonia Showroom / CC BY 2.0

2001年からデジタル化に乗り出したエストニアが、政府の電子化を実現した背景について Ait 氏は、3つのポイントを挙げた。

1. デジタル化を進めるために、政府は具体的な目標を掲げた。

エストニアの政府戦略は、明確な目標が設定されており、具体的な目標数値、KPI、目標のために実行されることが国民に対しても明示されている。

2. デジタル化を進めるためのツールがしっかりと用意された。

デジタルIDの取得はエストニア国民の義務とされているため、全ての国民がデジタルIDやIDカードなどを保有している。これらの「義務化」は重要な役割を果たした。

3. 導入されることによって、政府・企業・国民のそれぞれが便利になり、国民の理解が進みやすいサービスからデジタル化が進められた。

一番はじめに、税金関連の仕組みからデジタル化が進められた。もし、投票システムを足掛かりにはじめていたら、デジタル化はここまでスムーズに進まなかっただろう。

モデレータの斎藤氏は Ait 氏が挙げたこれらのポイントに加え、、エストニア政府の透明性について触れ、「政府も、スタートアップ的な視点で行政を執り行っていると感じる」と話した。

日本のスタートアップに必要な視点「BLT」

加賀市とxID(当時、blockhive)が連携協定を締結(2019年12月)
Image credit: xID

石川県加賀市や茨城県つくば市と行政のデジタル化に取り組む日下氏は、日本国内におけるデジタル化を取り巻く課題について話した。

日本国内のスタートアップの多くは、法的な課題にぶつかる。日本でスタートアップとして新しい事業を行っていくには、BLT(ビジネス・リーガル・テクノロジー)の3つの全てをバランスよく理解せねばならない。

そのような問題を解決する方法のひとつとして、大企業との協業という選択肢を挙げた(編注:xID は加賀市のプロジェクトで、トラストバンクと連携)。協業先と共に法務的な面からサービスを考えたり、力を借りたrしながら法規制に働きかけるなどして、問題解決に取り組める可能性を示唆した。

また、国と地方自治体では、規制や法律が大きく異なることについても指摘した。実際に xID では加賀市で、デジタルIDアプリとマイナンバーカードの連携を行い、行政のデジタル化を進めているが、これらの導入においては、日下氏らが加賀市に1ヶ月間滞在し、ワークショップなどを行ったという。

パネリストは日本の行政などの DX 化に向けて必要なことを挙げ、本セッションは締めくくられた。

このチャンスを活用することで、誰もが便利で意味のある仕組みが作れるのではないか。コロナ禍の今こそ、大きく前進するチャンスだ。(Ait 氏)

若い世代に対してデジタル化による恩恵について伝え、エンパワーメントしていくことが必要だ。(宗原氏)

デジタルIDは、行政のデジタル化において重要な役割を果たすと思う。デジタルIDを浸透させるためには、国民を安心させるほどの透明性の確保が重要だ。(日下氏)

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無人配達ロボ「Starship Technologies」100万回の配達マイルストーンを達成(2/2)

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(前回からのつづき)Starshipによると、UCLAではBlazeピザ、Bruin Buzz、Lu Valle、Southern Lightsなどレストランの一覧の中から配達を行っている。ブリッジウォーター州立大学では、StarbucksのカフェやBears Denなどキャンパス内に多数あるレストランからの配達サービスを提供している。 StarshipとSodexoのような食品や施設の管理プロバ…

Starship Technologies

(前回からのつづき)Starshipによると、UCLAではBlazeピザ、Bruin Buzz、Lu Valle、Southern Lightsなどレストランの一覧の中から配達を行っている。ブリッジウォーター州立大学では、StarbucksのカフェやBears Denなどキャンパス内に多数あるレストランからの配達サービスを提供している。

StarshipとSodexoのような食品や施設の管理プロバイダーとの継続的なコラボレーションのおかげで、Starshipは2018年にノーザンアリゾナ大学のフラッグスタッフキャンパスジョージメイソン大学のフェアファックスキャンパスに無人配達ロボットを配置した。これはドイツのドミノ社、ロンドンの食品配送会社Just Eat、米国のDoorDashとのパートナーシップに続くものだ。9月と10月にはオレゴン州立大学とアリゾナ州立大学がStarshipの配達ロボットの利用を開始し、食料品チェーンのセーブマートもカリフォルニア州モデストにある店舗での利用を始めた。そして4月、Starshipは2年間パイロットテストを実施していた英国の町ミルトンケインズで商業展開を開始した。

Starshipだけが自動運転ロボット市場のシェアを狙っている、というようなことは全くなく、MarbleStarship TechnologiesNuro、Robomart、Boxbot、FedEx、Yandex、Refraction AI、Dispatch、 Robbyなどが資金の豊富なスタートアップとして挙げられる。ちょうど今月、Amazonはワシントン州スノホーミッシュ郡で行っていた自動配達ロボット「Scout」のパイロットプログラムの範囲を拡大し南カリフォルニアの一部で展開する。TechCrunchによれば、このセグメントの競争力が高まっている兆候として、自動運転配達ロボットを開発しているUberが所有するPostmates Xという部門が、別会社化を目指して投資家を募っている件を伝えている。

Starshipは、米国とその他世界20か国以上で数百件の試験を完了した。同社によれば、ロボットは数百万マイルを移動し、毎日5万個を超える横断歩道を渡っており、今後2年間で100を超えるキャンパスへとサービスを拡大する予定だ。Heinla氏はeメールでVentureBeatにこう伝えている。

「100万回の配達を完了したことは、Starshipの全員で祝うべきマイルストーンの達成です。私たちは24時間年中無休で完全な商用サービスを5か国で提供しており、現在1日に数千回の配達を行っています。昨年の走行マイル数に関して言えば、Starshipのこの規模は自動運転車市場の最大手企業と肩を並べることになります。何百万人もの人々の日常生活の一部になりつつある重要なサービスを提供できることを誇りに思います」。

TDK Ventures、Goodyear Ventures、Ambient Sound Investmentsは、本日発表されたStarshipの資金調達ラウンドに参加した。これにより、同社の資金調達総額は1億200万ドルとなる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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