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Dean Takahashi

Dean Takahashi

GamesBeat のリードライター。テックジャーナリストを25年、ゲームの取材を18年続ける。2008年に VentureBeat に参画。以前は、San Jose Mercury News、Red Herring、Wall Street Journal、Los Angeles Times、Dallas Times-Herald などに執筆。著書に「Opening the Xbox」「The Xbox 360 Uncloaked」。GamesBeat の年次カンファレンスと GamesBeat Summit を主催。サンフランシスコ・ベイエリア在住。

執筆記事

Apple vs Epic:Appleプラットフォームにおける決済論争(2/6)

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Epic側が主張するAppleの「独占」 (前回からのつづき)Epicは以下2点でAppleが独占的性質を帯びていると主張する。 アプリ配信コントロールをしている点 ユーザーがApple独自の決済システムを介して支払いをしなければならない点 Appleが持つ独占力を考慮すれば、独占禁止法により競合他社をマーケットから取り除くような行為は禁止されているはずだという主張だ。しかし、それと同時に同社はA…

Epic Gamesはオープンプラットフォームを望む。Image Credit: Epic Games

Epic側が主張するAppleの「独占」

(前回からのつづき)Epicは以下2点でAppleが独占的性質を帯びていると主張する。

  • アプリ配信コントロールをしている点
  • ユーザーがApple独自の決済システムを介して支払いをしなければならない点

Appleが持つ独占力を考慮すれば、独占禁止法により競合他社をマーケットから取り除くような行為は禁止されているはずだという主張だ。しかし、それと同時に同社はAppleがApple Storeを通して成し遂げた新しい価値提供について認めている点は触れておくべきだろう。

「明確にしておくと、弊社はAppleに対して全ての無償提供を求めているわけではありません。私たちが求めているのは、App StoreやIAP(アプリ内課金)を利用することなく、他のサービスを選択可能とすることです」。

Epicはアプリ配信自体そのものが、スマートフォンプラットフォーム市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。これは、全てを同一マーケットであると捉えるAppleとは正反対の見解だ。そのためEpicは裁判所に対し、諸問題が単一製品の話でなく、独自性を持ち合わせたアフターマーケットとして考慮すべきだとの考えを示している。

つまりEpicは、スマートフォンプラットフォーム上における権利主張をしているのではなく、アフターマーケットにおいてAppleが独占禁止法に触れていると主張しているのだ。具体的には、同社はAppleがウェブサイトなどからアプリをダウンロードすることを禁止しているように、市場に制限を意図的に持たしていると主張。こうした主張の前例には、Apple vs Pepperのようなものがある。

一方、GoogleがAndroidを展開していることを考えれば、Appleが完全な独占をしているとは言えない。しかし、Epicは二重独占も市場に悪影響を与えており、AndroidよりAppleの方が比較的良質なユーザー層を抱えていると主張している。加えて、AppleにはAndroidより課金を拒まない10億人のユーザーが存在しており、彼らを市場的性質により仮想的に移動不可な状態にしていると指摘する。これは、iOSからAndroidへの移行コストが非常に高いという点が経済学者のDavid Evans氏によって提唱されているからだ。

2016年Q1から2020年Q1におけるスマートフォン販売シェアを見ると、Appleは全体の40%を占めていることが分かる。Epicは同期間のiPhone販売価格が最低でも300ドル以上、平均では790ドルであることに言及している。スマートフォン市場全体では、300ドル以上の価格で販売されたデバイスの内、Appleは57%の売り上げシェア、49%の販売台数シェアを獲得していた。同数字のみでは、同社が独占市場を得ているとは言えないが、本質的な問題はデバイス移行に伴うコストが非常に高い点であろう。

Epicは現時点でAppleより同社サービスへのアクセスを切断されているため、iOSにおけるDAUは60%ほど減少している。これらユーザーが以後復活しない可能性は大いにあり、それを考慮し同社は裁判所に対し一時的な制限緩和をAppleに対して求めている。

Appleプラットフォームにおける決済論争

Above: Tim Sweeney氏は歯に絹着せないCEOだ
Image Credit: Epic Games

決済に関しても両社が独占禁止法を巡り争う大きな論点になっている。現在Appleは開発者に対し、デジタルコンテンツを配信し決済システムを導入する際は同社独自の決済サービス利用を求めている。ただし、一部のケースにのみ同社は他の決済手段を認めている。

例えば、ライドシェアのような現実世界でのやり取りが存在するようなサービスにおいて、Appleは外部決済サービスの利用を認めている。確かに、Lyftのアプリ内決済ではStripeがサービス提供を実施している。また、UberはBraintreeの決済サービスを利用しており、これは即時決済が求められる背景が大きく関与していると思われる。加えてPrime VideoやAltice One、Canal+などプレミアムデジタルビデオコンテンツを提供する場合も、同社は他決済サービスの利用を許容している。

Epicは、Amazon Pay、Authorize.net、Braintree、Chase Merchant Services、PayPal、Square、Stripe、Xsollaなどは、Appleと比較してはるかに低価格な手数料でサービス提供をしており、開発者がこうしたサービスへ需要を示すことは当然であると主張する。

しかしAppleは、決済は独立したビジネスではなく「より大きな」ビジネスの一部であるとし、こう主張する。

「Epicの主張は、IAPを独立した一つの市場であると裏付けしているものではありません。ユーザーへサービス提供するにあたり、必要不可欠な要素である場合、通常裁判所は全てのサービスを包括的に1つのものとみなします」。

また、Appleは現在、決済システムやアプリ配信ポリシーに違反しているFacebook、Microsoft、Google、Nvidiaなどのクラウドゲームアプリを禁止しており、結果的に独占市場を作り上げているとEpicは主張している。これは、別観点での独占禁止法違反問題かもしれないが、未だ法的問題には発展していない。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple vs Epic:独占禁止法の議論と浮かび上がる興味深い事実(1/6)

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Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。 対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内…

Travis ScottのFortnite内コンサートは2770万人の視聴者を集めた。iOSでは200万人が視聴している/Image Credit: Epic Games

Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。

対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内で発表した、割引ポリシーと直接課金の仕組みだ。

これはAppleとGoogleがそれぞれの利用規約に違反していると指摘している。EpicのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、大手企業がゲームに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicがアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきだと長年主張している。これはすなわち、AppleのiOSプラットフォーム上でのアプリ配信と内部課金がパソコン上と同じようにオープンになるべきという主張にほかならない。

AppleとGoogleはFortniteを禁止した。

そしてAppleはEpicが他の開発者が得られなかった「有利な取引」を自分たちで得ようとしたという主張で反撃することになった(ちなみにこれは下記の通り簡単に反論されている)。

Appleは大きな財政的リスクを負ってiOSモバイルプラットフォーム上にApp Storeを構築したにも関わらず、Epicはもう十分にいろいろ支払ったが故に、これからはタダ乗りさせろと主張しているにすぎないと指摘している。

EpicはAppleとGoogleの両方を独占禁止法違反で訴え、かつて画期的な広告と評価された「1984」のパロディ動画を投稿することで、自由を求めるAppleの姿勢をあざ笑ったのだ。その後Appleは、1,100万人の開発者が使用しているEpicのゲームエンジン「Unreal」の開発者ツール・サポートを取り下げようとしたが、連邦判事はこれを阻止するためにEpic側の一時的な差し止め要求を認めている。UnrealのユーザーであるMicrosoftは、Unreal EngineのTRO問題でEpicを支援することにしている。

1週間前、EpicはなぜAppleが異議を取り下げ、App StoreへFortniteの復帰を認めるべきだという主張を展開している。9月8日、Appleはカリフォルニア州オークランドの米国連邦地方裁判所で反論し、Epicに損害賠償の義務があると主張して提訴した。本誌ではすべての文書を確認し、双方の主張を要約している。水曜日、EpicはAppleが9月11日から、ユーザーが「Sign In With Apple」を利用してEpic Gamesのアカウントにサインインすることを許可しないようにしたと公表している(太平洋時間午前10時47分更新:Appleはこの決定を覆している)。

一方、GoogleはAppleの紛争から距離を置く回答を提出している。

Epicはすべての開発者のために主導的な役割を果たしていると主張しているが、それが可能なのはテック大手に屈していないからに他ならない。Fortniteの収益により、同社の評価額は173億ドルとなり、最近ではソニーからさらに2億5000万ドル、他の投資家から17億8000万ドルを調達している。株式市場における評価額が2兆ドルを超えるAppleは、被害者意識とイノベーションのレトリックで身を守っているのに対し、Epicは自由、開放性、公平性、革命を理由に攻撃しているのだ。

では、提出された訴状では何が語られているのか。本誌が興味深いと思った項目をこれから整理していこう。

そもそも何が問題なのか

Fortniteは第二世代のリアルタイムレイトレーシングを採用している/Image Credit: Nvidia/Epic

実はEpic Gamesはいかなる損害賠償も求めていない。Appleが「Fortnite」の直接課金を理由に、Epic Gamesを罰することを禁止することを要求しているに過ぎない。一方のAppleは、補償的損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、利息のほか、Appleの利用規約に違反した結果、Epicが得たとされるすべての収益、利益、補償金、利益、その他の不正な利益の返還と差押えを求めている。

EpicがAppleにFortniteの課金決済システムを受け入れさせようとしたことから紛争は勃発したが、現在はゲームやアプリのパブリッシャーとプラットフォームを支配する大企業との対立についての話題に発展している。独立系の開発会社は本件の成り行きを見守ることで、企業がプラットフォーム上で公開する権利に対し、どのような内容で料金を請求できるようになるか、やがて判明することになるだろう。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

12億ドル収益のゆくえ、Appleは独禁法違反なのか【Fortnite(フォートナイト)戦争】(2/2)

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かつてを彷彿とさせる出来事 (前回からの続き)GamesBeatのインタビューにて、独占禁止法の専門家であるHolland & Hart所属の弁護士Paul Swanson氏は、今回の事件は1990年代に生じた連邦政府とMicrosoftとの間での独占禁止法訴訟を彷彿させると述べた。 というのも当時、MicrosoftがWindowsにおいてあるアプリケーションを意図的に遮断した際、同社はその競合…

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EpicがAppleを非難する動画の一場面
Image Credit: Epic Games

かつてを彷彿とさせる出来事

(前回からの続き)GamesBeatのインタビューにて、独占禁止法の専門家であるHolland & Hart所属の弁護士Paul Swanson氏は、今回の事件は1990年代に生じた連邦政府とMicrosoftとの間での独占禁止法訴訟を彷彿させると述べた。

というのも当時、MicrosoftがWindowsにおいてあるアプリケーションを意図的に遮断した際、同社はその競合となるアプリケーションを開発し、所有していた。しかし今回のAppleのケースでは、Epic Gamesの競合となるアプリは所有しておらず、その面で異なっているとPaul氏は指摘する。

「Appleは競合のアプリケーションを所有していないため、1990年代にみられたマイクロソフトと独占禁止法のケースとは大幅に違ったストーリー展開をみせることになるでしょう。だからこそ、今回のケースはEpic Gamesにとって苦戦を強いられるかもしれません」。

つまり、Appleは競合他社を陥れようとしているのではなく自社の運営ポリシーを守ろうとしていると捉えることができる、ということだ。Epic Gamesは同社の主張としては、Appleが持つ15億人のユーザーにリーチする現実的な代替手段はなく、最終的に消費者へしわ寄せがくるといったものだ。Appleは同社ストアが独占しているわけでなく、実際GoogleのAndroidの方がマーケットシェアが高いと主張できるが、Epic Gamesは両社ともに訴訟している状況となっている。

Paul氏はAppleとGoogleの「なれ合い」が証明できれば勝てる可能性があるとしている。

しかし、そうした根拠を得るのは簡単ではないだろう。同氏は、高い価格設定(手数料30%)は市場独占の兆候であるとしつつも、必ずしも法的な独占禁止法違反とはならないと述べる。

Appleは今まで、あらゆる競合他社との闘いを勝ち抜きiPhoneやそれに準ずるApp Storeを成功に導いた。Consumer Intelligence Research Partnersの調査によれば、米国市場においてiOSは44%のマーケットシェアを有しているが、Googleのアンドロイドは56%という状況だ。また、世界をみればiOSはたった14.6%のシェアで、アンドロイドは85.4%となっている。

デベロッパーツールに関わる争いについて、Paul氏は以下のように述べる。

「ただ果たしてAppleは『Epic Gamesが私たちのポリシーに従わない?なら、追い出せばいいじゃないか』、と発言する権利を持っているのでしょうか?また、独占禁止法は法的にそうした行為を違法と判断することができるのでしょうか?私の意見ですが、おそらく法的にAppleは違法な行為をしていないと判断されるでしょう。それは、実際にAppleがEpic Gamesの競合と判断されることはないからです」。

しかし、いかにAppleが法に触れていないと判断されたとしても、同社の判断が開発者コミュニティーにとって賢明だったかどうかは別の問題だと言えるだろう。Epic GamesのCEO Tim Sweeney氏は今年2月のスピーチにて、同社は他者が30%の手数料を強いられている中、自社だけが得をするような取引はしないとの見解を示していた。

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Epic GamesはAppleが描いた「1984」を風刺した
Image Credit: Epic Games

Paul氏は「両者の争いは早々に決着がつく」と述べ、今後の独占禁止法の扱いについて重要なターニングポイントとなるとの見解を示した。

多岐にわたる問題点

両者の間には様々な問題が複雑に絡んでいる。Fortnite(フォートナイト)はSeosor Towerの調べによれば、App Storeのみで12億ドルの取引量を誇っていることが明らかとなっている。つまりAppleは、そこから約3億6000万ドル近くの収益を生み出していることとなる。反してGoogleのPlay Storeでは、1000万ドル程度の取引量のため、Google自体には300万ドルほどしか手数料が収益として発生していないことになる。

Fortniteは今までにApp Storeで合計約1億3320万インストール、Play Storeで約1100万インストールを記録している。大きな差が開いているのには、Googleはストア外からのアプリインストールを認めており、Epic公式サイトからのダウンロードが多くを占めていることが想定されるからだ。それでも、やはりEpic GamesにとってAppleのプラットフォームの重要度が高いことに変わりないだろう。

同社は金曜日に、現在実施されているトーナメント #FreeFortnite カップに関して、以下のような声明を出している。

「ユーザーの皆さんへ。Fortniteのコミュニティーが一つとなって一緒に遊べる最後のトーナメントになるかもしれません。#FreeFortnite への参加をお待ちしています」。

Appleは既にFortniteをストアからブロックしているため、Chapter2・Season4が27日に始まれば、iOSユーザーは一時的に置いていかれる形となる。Epic Gamesはもちろん、法廷での勝利を目指しているが、それと同時に独占禁止法のあり方について世論へ問いかけているようにも思える。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Microsoft支持で戦局は大きく変わるか【Fortnite(フォートナイト)戦争】(1/2)

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Microsoftは現地時間23日、AppleによるEpic Gamesのグラフィックエンジン「Unreal Engine」のサポート打ち切りを阻止するため、同社を支持する形で法的裏付けと共に意見書を提出した。 10日前、Epic GamesはiOSのApp Storeを介さずにFortnite(フォートナイト)アプリ内における決済を可能にするなど、本来Appleに支払うべき30%の手数料を回避す…

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Epic Gamesは「Free Fortnite Cup」を開催。誰が悪者?Image Credit:Epic Games

Microsoftは現地時間23日、AppleによるEpic Gamesのグラフィックエンジン「Unreal Engine」のサポート打ち切りを阻止するため、同社を支持する形で法的裏付けと共に意見書を提出した。

10日前、Epic GamesはiOSのApp Storeを介さずにFortnite(フォートナイト)アプリ内における決済を可能にするなど、本来Appleに支払うべき30%の手数料を回避する施策を講じた。同社はGoogle Play上でも同じ手法を用いており、両プラットフォームはFortniteをストアからダウンロード不可とする報復措置に出ている。こうした中、Epic Gamesは両社に対し独占禁止法の観点から訴訟を起こす流れとなっていた。

さらに先週にAppleはダウンロード不可の措置に加え、Epic GamesのDeveloper support toolsに対するアクセス制限をかけると警告した。仮に実施された場合、1,100万人ものユーザーが利用する同社のUnreal Engineをベースとするアプリケーションが、iOSやMacのデバイス上で作動しなくなる可能性があると言われている。そのため同社は、AppleがSDKへのアクセス制限を実施しないよう、一時的な猶予措置を求めている段階であった。Microsoftは、この禁止措置に対して支持の姿勢を見せたことになる。

MicrosoftがEpic Games側に回ったことはデカい。同社にとって非常に有利になる大きな動きであると言えるだろう。ただし、MicrosoftはEpic Gamesが指摘するAppleの独占禁止法を支持するとは表明していない。

XboxのトップであるPhil Spencer氏はMicrosoftの意見書を引用し「ゲーム開発社やゲーマーのことを考えると、EpicがAppleの提供する最新技術を享受する権利を有するのは当然のことだろう」との見解を示している。

また、Microsoftにおいてゲーム開発エクスペリエンスのGMを務めるKevin Gammil氏は今回提出された意見書において以下のような見解を示している。

「(Epic GamesのUnreal Engineは)Microsoftを含み、多くのゲーム開発者にとって重要なテクノロジーだ。Appleが同社SDKやその他開発ツールへEpicのアクセスを拒否することは、Epic GamesのみでなくUnreal Engineを用いているゲーム開発者を貶める危険性に繋がる」。

Microsoftは以前、同社のクラウドゲームサービス「Project xCloud」をiOSアプリ上で提供しようと試みたが、Appleから拒否された過去を持っている。また、今回の意見書で触れてはいないものの、今までも独占禁止法の監査を受け続けてきたMicrosoftがEpic Gamesを支持しているのは皮肉であると言える。(後半へ続く)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Fortnite(フォートナイト)はAppleに勝てるのか(2/2)

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前回からの続き Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。 この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。 Appleと…

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Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は「Dice Summit 2020」にて今後10年でゲーム業界をよりオープンにすることを主張した。
画像クレジット:Dean Takahashi

前回からの続き

Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。

この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。

AppleとGoogleーーそして彼らこそ、まさにモバイルデバイス上のアプリストアで巨大なモバイルゲーム業界を作り上げた張本人なのだがーーもはや彼らは30%の手数料を取ることはできないと考えている(ちなみに通信キャリアが70%の手数料を取っていた時に、Appleは30%しか請求しないという、かつてのヒーローだった)。

Sweeney氏はこの「30%の手数料」に挑戦するため、Epic Games Storeを開設して開発者との取引を開始し、今のところ12%の手数料のみで運営を続けている。

これまでEpicはハイエンドPCとコンソールゲームに注力してきたため、同様に30%の手数料を取っているValveが運営するゲームプラットフォーム「Steam」にダメージを与えている。いつかはEpic Games StoreがiOSストアとAndroidストアの両方を直接手に入れたいと考えているのかもしれない。

この聖戦で金銭的な利益は期待できない。

実際、Epic Gamesは2019年ーーそしてその年に彼らはEpic Games Storeを構築していたのだが、ーー2018年より収益を減らしている。Epic Gamesが収益より業界での地位を優先させているのは明らかなことだ。これは、よりオープンで公正なゲーム業界を構築するという、Epicの活動の中で最も称賛に値する部分であるとも言える。

そして当然、リスクもある。

独占禁止法の強敵「複占(duopoly)」とは

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Appleが1984年に発表したMacintoshの伝説の広告「1984」

Epic Gamesは訴訟の中で、Appleが10億人のiPhoneユーザーを独り占めしていると主張した。Consumer Intelligence Research Partners によると、GoogleがAndroidで56%のシェアを持っているのに対し、Appleは米国ではiOSで44%の市場シェアしか持っていない。世界的に見ると、Appleの市場シェアは14.6%であるのに対し、Androidは85.4%だ。

Epic Gamesは、GoogleもGoogle PlayからFortnite(フォートナイト)を削除すると発表した後、午後遅くにGoogleを訴えている。これによってAppleは、関連市場で圧倒的なシェアを持っていないことを主張することが可能になるので、独占禁止法違反の疑惑から逃れようとするだろう。一方のEpic GamesはAppleがモバイルゲームの利益の3分の2を確保していることを持ち出すことで、この訴訟に勝ち筋を見出そうとするかもしれない。

しかし、消費者に選択の余地がないという議論に本当に勝つためには、Epic Games は、消費者により高い価格を支払わせ、かつ、開発者を悪い取引に導くという「複占(※duopoly:2社による寡占状態)」が問題であると示さなければならない。

これは、AppleとGoogleが熾烈な競争相手というよりも、寡占主義者のように振る舞わなければならないことを意味しており、それを証明するのは実は難しい。Epic Gamesは、AppleとGoogleが同じ日にアプリストアからFortniteを削除するように行動したことや、スマートフォンの黎明期から続く30%の手数料を維持し続けていることを指摘して、AppleとGoogleの癒着を告発する可能性がある。

一方、その告発は実際に何か証拠があって初めて成立するものであり、このような独占禁止法に精通した企業がそのような証拠を転がったままにしておくとは思えないのだ。

ーーということで結局のところEpic Gamesは勝てない、これが私の見立てだ。両社は価格設定の面で似たような振る舞いをしているので、勝つことは不可能ではない。その一方で、AppleとGoogleが「猛烈な競争相手である」という、本件における強力な防衛策を打ち出すのではと考えている。取材に応じてくれたReback氏は考察の最後にこう付け加えてくれた。

「米国の独占禁止法の要件のほとんどは「独占力」に基づいている。今回のように独占権の問題を提起する経済モデルもあるが、私の知る限りではそのような事例はない。彼らは「独占の陰謀」理論で訴えるかもしれないし、それは有効かもしれないが、私の研究対象外だ」。

アップルとグーグルは非常に慎重に踏まなければならない

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Appleは世界で14.6%の市場シェアを持っているに過ぎないが、派手な店舗を持っている(Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

Epic Games の訴訟は微妙な時期に勃発した。

最近では Facebook, Apple, Google, Amazon の CEO が証言したことで、停滞気味だった 議会がテック系巨人に目を向ける事態が起きている 。議員の質問内容を考えると、民主党と共和党の両方共にあまりにも大きくなりすぎた企業を分割することが、消費者のためになると考えているように感じられる。

また、Epic Games にはMicrosoftとFacebookという、訴訟に同情的な仲間が存在している。そう、これらの企業にも独占禁止法上の問題があったのだ。ビル・ゲイツ氏はAppleを笑い飛ばして形成逆転(※)と思ってるかもしれない。というのも数十年の時を経て、MicrosoftはiOSでXBOXのゲームプロジェクト cloud gaming app Project xCloud on iOS を立ち上げようとしたのだが、Appleの反応は冷ややかなものだったのだ。

※注釈:Microsoftはかつて独占禁止法の脅威に晒された際、競合であるAppleを支援して独占状態を回避しようとした過去がある

一方のFacebookも自分たちの Facebookのゲームアプリ にインスタントゲームが楽しめるストアを開設しようとした一社だ。このストアはただ本当に友達が一緒に遊ぶためだけのものだったのかもしれないが、Appleはこれを一部拒否したため、Facebookはこの機能を使わずに立ち上げることを余儀なくされた。ちなみにGoogle Playでは問題なかったので、そちらでは利用できた機能だ。

これらのケースでAppleは、ユーザーのための安全なアプリストアを作っているという主張を首尾一貫している。しかし、Apple がこの主張を続けることは難しくなっているかもしれない。なぜならEpic はGoogle Play上において、アプリストアの何かを毀損するわけでも安全性を損なうわけでもなく、独自の活動を許可されてきたからだ。

Appleはまた、モバイルゲームのマーケティング担当者が自社広告がゲームの新規ユーザーを獲得する際にどれだけ効果を発揮したかを追跡することを非常に困難にしようとしている。これはIDFA(モバイル端末の広告識別子)の廃止を示唆したものでもある。つまり、Appleはプライバシーの名の下に、アプリをダウンロードしたり購入したりする際のユーザーの行動をサードパーティ企業が追跡することを難しくしているのではないか、ということだ。

モバイルゲームとプラットフォーム企業「N3twork」の最高執行責任者であるDan Barnes氏はこの件を気にしていて、先週開催されたGame Developers Conferenceの夏のイベントでIDFAの変更についての講演を実施したほどだ。プライバシーを守ることは良いことのように聞こえるかもしれない。だが、おそらく20%かそれ以下の人しか第三者とデータを共有することをオプトイン(能動的に承諾)しないだろう。このことが意味するのはつまり、広告のデータが効かなくなる、ということだ。

多くのゲーム開発者やパブリッシャーを傷つける可能性があり、反Appleの声に多くの共感を生む可能性を孕んでいる。

Appleがルールをすべての開発者のために公平に保ち、プライバシーを保護するために独自の方法でそれを前進させることは正しい。一方、こういった行動がSweeny氏のような経営幹部やゲーム開発者たちを不幸に陥れるリスクもあり、かつ、政府の目を引くことにも繋がってしまう。

Epic Gamesが勝利したら

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画像クレジット:Epic Games

では、ここで一つ疑問が残る。小さな開発者にとってこれは信頼に関わる問題だ。

果たしてEpicは自身がテック巨人たちに望むような行動を取れるのか、という点だ。

一部のゲーマーは、Epic GamesがEpic Games Storeで市場シェアを獲得するため、多数のタイトルを無料で提供していることに批判的だ。もちろん恩恵を受けているゲーマーもいるが、これによって一部のゲームをSteamプラットフォームでプレイできなくなったことを気に入らないという声もある。彼らは開発者のためにSteam に料金を引き下げてもらう よう反競争的な活動をしていると指摘している。

Epic Gamesは、Epic Games Storeに利益をもたらす独占契約のために開発者にいくら支払っているのかは明らかにしていない。筆者はたまたまセガの『Total War Saga: Troy』をプレイしていたのだが、これはEpic Games Storeの独占タイトルで、最初の24時間は無料になっている。Epic Gamesはユーザーのロイヤリティを期待してゲームにいわば補助を出しているのだ。もちろんそれはよいディールになるに違いない。

またEpic Gamesの他の事業であるUnreal Engineは、別の業界の複占の一部であることも忘れてはならない。Epic Gamesのゲームエンジン(開発者がゲームを作るために使用するツール)の主な競合相手はUnity Technologiesだ。UnityのCEOであるJohn Riccitiello氏は「 不愉快 」と苦言を呈している。Epic Games がUnreal Engineの開発者に多くの資金提供していることについてSweeney氏はこの手法を肯定した上で、資金を受けた開発者に Unreal Engine の使用を強制しているわけではないと主張している。

このような戦略が成功し、Epic がさらに強力になればAppleやGoogleに対して提訴しているのと同じように、独占禁止法に対する批判の対象となる可能性がある。このような戦術はかつて大企業がライバルをビジネスから追い出すために用いてきたものだ。Epicが「1984」を引き合いにAppleを非難したように、Epic 社も同じ罠に陥る可能性がある。これは残念な話だ。

しかし一番最悪なのは、Epic Gamesのゲーマー代理戦争とも言うべきこの聖戦が聞き流されてしまうかもしれない、ということだ。筆者の友人の一人はこう指摘していた。

「払うカネを大きくカットしてくれるなら、どっちの大企業が勝っても関係なくね?」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はAppleに勝てるのか(1/2)

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Epic Gamesが発表したFortnite(フォートナイト)の割引ポリシーと直接課金の仕組みについて、AppleとGoogleが利用規約に違反していると指摘したことから、Epic Gamesはこの木曜日、AppleとGoogleとの間で独占禁止法違反の争いをおっぱじめることになってしまった。 AppleはFortniteをiOS App Storeから追放し、Epic Gamesは独占禁止法違…

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Google CEO Sundar Pichai, Apple CEO Tim Cook, Facebook CEO Mark Zuckerberg, and Amazon CEO Jeff Bezos (clockwise from top left) speak before a July 29, 2020 House Judiciary committee meeting.

Epic Gamesが発表したFortnite(フォートナイト)の割引ポリシーと直接課金の仕組みについて、AppleとGoogleが利用規約に違反していると指摘したことから、Epic Gamesはこの木曜日、AppleとGoogleとの間で独占禁止法違反の争いをおっぱじめることになってしまった。

AppleはFortniteをiOS App Storeから追放し、Epic Gamesは独占禁止法違反の訴訟を起こした。その後、GoogleもGoogle PlayからFortniteを削除しEpic Gamesもこれに応戦。Googleを同じく提訴した。

私はこの論争について、ソーシャルメディア上でゲーム開発者や他の友人に質問し、彼らの主張を私自身の考えと合わせてまとめてみることにした。

Epic Gamesはゲーマーとゲーム開発者を代表し、崇高な大義を掲げて戦っているようだが、その策略はある意味、必要悪とも言えるプラットフォーム・パートナーを孤立化させるリスクを抱えることになるかもしれない。また、訴訟に気を取られてる間にライバルゲームが猛追してFortniteの収益を圧迫するリスクもあるし、モバイルデバイスで気軽にFortniteをプレイできなくなったことにイラついてゲーム自体辞めてしまう可能性もある。

用心深く準備したEpic GamesのCEO

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上の写真。Epic Gamesが『Fortnite』でApple自身の1984年の広告を風刺した。
画像クレジット: Epic Games

Epic Gamesは、AppleとGoogleにアプリストアから追放されるにあたって準備をしていた。ノースカロライナ州ケーリーに拠点を置くFortniteの開発会社は訴訟の準備をしており、巨大企業のIBMが消費者の敵であることを非難した有名なAppleの広告「1984」をオマージュした陽気なビデオも用意していた。Macintoshを蹴散らした動画はFortniteの中で再生されたが、アプリがバンされていたのでファンはiOSで見ることは叶わなかった。

Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は、ゲーム業界ではオープンソースと自由な競争が、開発者や消費者の利益を考えていない独占的なプラットフォームに有利に働くようになってきている、と何年も前から指摘している。彼は過去、MicrosoftがPCをAppleのようなストア戦略へと移行させようとした際にも批判を強めていた。彼はその後に関係を修復している。

Sweeney氏はGoogleについても「偽のオープンシステム」と非難している。というのも、FortniteをGoogle Playストアではなく、Epicのサイトから直接ダウンロードしようとするプレーヤーにセキュリティリスクの恐怖を煽るからだ。

そして最近では、議会で行われた独占禁止法の公聴会でテック大手を批判した。Sweeney氏は、政府が技術独占の危険性に注目しているという「鉄が熱い」内に打って出たのだ。投資家との取引を終え、より多くの資金を調達した直後に物議を醸すようなことをやっていることからも、彼のタイミングの良さを示している。

そもそもSweeney氏がこれら一連の発言をできるのは、Epic Gamesがテック企業に屈していないからだ。Fortniteのおかげで同社の評価額は173億ドルに到達し、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利払い税引・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7.3億ドルと報告されている。

また、2020年の収益は50億ドル、EBITDAは10億ドルと予想される。そしてSweeney氏は最近、ソニーからの2億5000万ドルを含む、さらに多くの資金を調達しているのだ。確かにAppleの評価額は2兆ドル、Googleの評価額は1兆ドルあるが、弁護士費用に溺れさせてEpic Gamesを廃業に追い込むのは簡単なことではないだろう。

崇高な高みを目指すEpic Games

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上の写真。Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は「Dice Summit 2020」にて今後10年でゲーム業界をよりオープンにすることを主張した。
画像クレジット:Dean Takahashi

本誌GamesBeatでは、Carr & Ferrellに所属する独占禁止法関連の弁護士で、1990年代にMicrosoftを相手取ったこともあるGary Reback氏にメールで本件について聞いてみた。その中で同氏は当初、AppleがEpic Gamesとの訴訟処理に時間をかけることで弁護士費用を重くし、苦しめるんじゃないかと想像していたそうだ。

しかし、彼はEpic Gamesが多くのキャッシュを持っていることを認識すると、Appleとの訴訟を避けることより「意中の」ディールを獲得するためにその影響力を使う方が賢明だと指摘した。

「そもそもApple は受け入れてくれただろうか?法的な観点から見て、どのような取引が可能だっただろうか?現時点で意中のディールを想像することは難しい。果たしてEpicは、Appleが収益モデル全体を変えると本気で考えているのだろうか?Epicは訴訟に対してどのような見通しを持っているのか、もしくは勝てると思って勝負をしているのか。おそらく今の議会の圧力が助けになると考えているのかもしれないが」(Gary Reback氏)。

(後半へつづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

Fortnite(フォートナイト)戦争勃発、AppleとGoogleがAppStoreから削除ーーEpicは「手数料引き下げ分をプレイヤーに還元」と言及

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ヤバいぐらいデカいApp Store戦争が勃発してしまった。 Appleは今日、Epic Gamesが人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」にAppleを経由せず直接課金できる仕組みを作り、利用規約に違反したかどでこれを削除した。そして今日の午後には、Googleもまた、同社のPlayストアからFortniteを禁止にしてしまった。 Epic GamesはFortniteの「mega d…

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Epic takes a swing at Apple.Image Credit: Epic Games

ヤバいぐらいデカいApp Store戦争が勃発してしまった。

Appleは今日、Epic Gamesが人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」にAppleを経由せず直接課金できる仕組みを作り、利用規約に違反したかどでこれを削除した。そして今日の午後には、Googleもまた、同社のPlayストアからFortniteを禁止にしてしまった。

Epic GamesはFortniteの「mega drop(メガドロップ)」がそれだ。これは、Vバックス(Fortniteのゲーム内通貨)やゲーム内でのその他の購入を最大2割まで永久に割引するもので、新たな直接課金オプションも導入された。一方、iOS App StoreやGoogle Playでゲーム内のVバックスを購入した場合、費用はこれまでと同じになる。新しい直接課金オプションでは割引される仕組みになっている。

この戦いには多くの利害が絡む。調査会社Sensor Towerによると、Fortniteは過去30日間で約240万件のインストールを記録し、App Storeで世界的に4,340万ドルの経済効果を生み出したという。現在までに、同ゲームのインストール数は1億3320万件に達し、App Storeだけで全世界で12億ドルの売上を記録している。

Epic Gamesは、AppleとGoogleが「すべての支払いに対して法外な30%の手数料を徴収し続けている」とコメント。AppleとGoogleが手数料を引き下げれば、Epicはその分をプレイヤーに還元するとしている。Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は、彼らの手数料がすべての開発者に対する不公平な税金であると指摘し、数カ月前からAppleとAndroidに対して「独占的な慣行」を終わらせるよう求めてきた。

Appleはアプリを引っこ抜き、Epic Gamesは現在Appleを訴える事態となった。Epic Gamesは、AppleがiOSアプリの配信市場を独占していることや、iOSのアプリ内課金処理市場を独占していることなどの弊害があるとして、差止命令による救済を求める訴状を提出している。

Epic GamesはAppleに対する訴訟の中で、同社の行動が反競争的であったと述べている。そうなると、最近ワシントンD.C.で大手テック企業の独占禁止法違反を視野に入れた公聴会を開催した議員や規制当局の関心が高まるのは間違いない。本誌はAppleとGoogleに追加コメントを求めている。

声明の中で、Appleは次のように述べている。

本日、Epic Gamesは、すべての開発者に平等に適用され、ユーザーのためにStoreを安全に保つために設計されたApp Storeのガイドラインに違反するという不幸な一歩を踏み出しました。その結果、同社の Fortnite アプリはストアから削除されています。またEpicは、Appleの審査や承認を受けていないアプリ内の機能を有効にしており、デジタルアイテムやサービスを販売する、すべての開発者に適用されるアプリ内課金に関するApp Storeのガイドラインに明確な意図を持って違反しています。

Epicは10年前からApp Storeでアプリを提供しており、Apple がすべての開発者に提供するツール、テスト、配布など、App Storeのエコシステムの恩恵を受けてきました。EpicはApp Storeの規約とガイドラインに同意しており、彼らがApp Storeでこのようなビジネス的な成功を収めたことを嬉しく思っています。彼らのビジネス上の利益のために特別な取り決めを求めるようになったという事実は、これらのガイドラインがすべての開発者にとって公平な競争の場を作り、すべてのユーザーにとって安全なストアを作るという事実を変えるものではありません。私たちは、Epicと協力してこれらの違反を解決し、FortniteをApp Storeに戻すことができるよう、全力を尽くします。

その2時間弱後、GoogleはFortniteをPlayストアから追放している。同社もまたこのような声明を発表した。

オープンなAndroidエコシステムにより、開発者は複数のアプリストアを通じてアプリを配布することができます。Playストアを利用するゲーム開発者に対して公平であり、ユーザーにとって安全なストアを維持すべく、一貫したポリシーを持っています。FortniteはAndroidにおいては利用可能なままですが、当社のポリシーに違反するためPlayでの利用はできなくなりました。しかし、Epicとの話し合いを継続し、FortniteをGoogle Playに復活させるよう努力いたします。

またSweeney氏は、Epic GamesのプレイヤーがGoogle Playストア経由ではなく、Epic Gamesのサイトから直接Fortniteをサイドロード(※正規のプレイストア以外で入手すること)できるようにした際、ユーザーにある障壁を設けたことについて、GoogleのAndroidを “偽のオープンシステム “と呼んでいた。

Sweeney氏は、Epicのために特別な取引をするつもりはなく、代わりにすべての開発者が同じように高額な料金から解放されることを望んでいると発言している。Epic自身は、Epic Games Storeでの売上に対して12%の手数料を徴収している。

2月に行われたゲーム業界のDice Summitでのスピーチで、Sweeney氏は「ゲームのオープン化やクロスプラットフォーム化のためには、私たち全員が不動の姿勢で闘わなければなりません。そして、その未来を実現するためには、必要なだけの不快な会話をする準備をしておく必要があります」と述べている。

しかし会話の時間はどうやら終わってしまったようだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)開発のEpic Gamesが17億8,000万ドルの資金調達を発表ーー評価額は173億ドルに

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「Fortnite(フォートナイト)」を販売するEpic Gamesは8月6日、評価額173億米ドルで17億,8000万米ドルの資金調達ラウンドを発表した。同社によると、この資金にはソニーが先月発表した2億5,000万米ドルの投資や、従業員株主からの二次購入などが含まれているという。 Epic Gamesは3億5,000万人の登録プレイヤーを擁するFortniteの開発・販売元だ。また、ゲームエン…

Image Credit: Epic Games

Fortnite(フォートナイト)」を販売するEpic Gamesは8月6日、評価額173億米ドルで17億,8000万米ドルの資金調達ラウンドを発表した。同社によると、この資金にはソニーが先月発表した2億5,000万米ドルの投資や、従業員株主からの二次購入などが含まれているという。

Epic Gamesは3億5,000万人の登録プレイヤーを擁するFortniteの開発・販売元だ。また、ゲームエンジン(最近では映画やテレビ番組の制作に使われることが多くなっている)「Unreal Engine」も開発している。

その他の投資家には、Baillie Gifford、Black Rockが管理・運用するファンド、Fidelity Management & Research Company、Lightspeed Venture Partners、Ontario Teachers’ Pension Plan Board、T. Rowe Price Associatesが管理・運用するファンド、David Tepper氏が含まれている。

既存投資家のKKRとSmash Venturesは2018年にも投資している。Endeavor(米国のタレントエージェンシー)は保有株式の一部を売却する予定だと報じられたが、Epic Gamesはこれについてコメントを控えている。

7月、Epic Gamesはソニーが170億米ドルのポストマネー評価で1.4%の株式を購入したと述べた。同社は8月6日、CEOのTim Sweeney氏が引き続き株式を管理すること、普通株式のみ保有することを発表している。

Dice Summit 2020にて、今後10年間でゲーム業界をよりオープンにしたいと語るEpic GamesのCEO、Tim Sweeney氏
Image Credit: Dean Takahashi

Sweeney氏は声明で次のように述べた。

金融界のリーダーたちのサポートを得ることで、リアルタイム3Dテクノロジー、数億人をつなぐサービス、および公正なビジネスモデルを提供するデジタルストアフロントを活用した新たなエコシステムを構築する取り組みを加速させることができます。 Epicファミリーの一員として迎えられたことを嬉しく思います。

2019年、Epic Gamesは収益が42億米ドル、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)が7億3,000万米ドルと報告した。 2020年の収益は50億米ドル、EBITDAは10億米ドルになると予測されている。

情報筋によると、パンデミックによって4月だけでもFortniteの収益は4億米ドルあったそうだ。Fortnite Battle Royaleは4月だけで32億時間プレイされたと同社は述べている。また、FortniteではTravis Scott氏のバーチャルライブに2,700万人もの人々が参加し、大きな注目を集めた。

同社の2018年の収益は56億米ドルだった。同社はその大部分をEpic Games Storeへ投資し、FortniteとUnreal Engineのスタッフの拡大といくつかの買収を行った。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

CES 2021は完全オンライン化へ

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CES 2021は完全デジタル化される見込みだ。参加者をパンデミックから守る唯一の方法はそれしかないと判断された。 全米民生技術協会(Consumer Technology Association:CTA)が主催するCESは世界最大のテクノロジーショーであり、毎年1月に約18万人をラスベガスに動員する。しかし、CTAのCEOであるGary Shapiro氏はVentureBeatのインタビューに対…

CES 2020
Image Credit: Dean Takahashi

CES 2021は完全デジタル化される見込みだ。参加者をパンデミックから守る唯一の方法はそれしかないと判断された。

全米民生技術協会(Consumer Technology Association:CTA)が主催するCESは世界最大のテクノロジーショーであり、毎年1月に約18万人をラスベガスに動員する。しかし、CTAのCEOであるGary Shapiro氏はVentureBeatのインタビューに対し、2021年のCESは物理的なイベントを行わない予定だと述べた。CESで大量のプレス、技術愛好家、バイヤーらに次期製品を紹介するマーケティング担当者にとって大打撃となりそうだ。

Shapiro氏によると、出展者、参加者、プレス、技術リーダーがオンライントークやバーチャルミーティングを通じて互いに交流できる予定だという。CTAは1万人以上との話し合いを経てこの決定を下した。Shapiro氏は多くのCEOがパンデミックへの対応を理解したと語っている。

なんとかして1月までに事態が収束しないかと願っていました。しかし、安全なワクチンが1月までに広く入手可能になることはないだろうと予想されます。理事会で焦点となったのは「すべきことは何か?」ということです。私たちは財政的なベストではなく、今すべき正しい行いに基づいて決定を下しました(Shapiro氏)。

Shapiro氏の妻は医師であり、新型コロナウイルスに感染したという。Shapiro氏自身は感染していないが、440万人以上が感染し15万人以上が亡くなった米国の厳しい状況を理解しているという。

ワクチンなしにCESを物理的に開催することは不可能です。CESは主に屋内で行われます。財政的に決断するのなら開催したでしょう。(しかし物理的イベントの中止によって)出展者も参加者も独自に計画を立て、CESと自らのデジタルプレゼンスについて考え直す機会を得ることができます(Shapiro氏)。

何千人もの出展者がすでに登録を済ませており、おそらく数万人の人々で賑わうと予想される。CTAはパンデミックをさらに拡大させる原因を作ることを避けたいとしている。

また、CTAは早期にピボットすべきだと考えた。Shapiro氏はGoogleが従業員の在宅勤務を2021年夏まで続けることを発表したことを挙げた。今夏のウイルスの第二波により、企業や組織らはまだ当面は集まりをもつことは安全ではないと慎重さを強めている。

デジタル化計画

CTAのCEO、Gary Shapiro氏(CES 2020にて)
Image Credit: Dean Takahashi

オンライン化されてもCESの基調講演は行われ、自宅やオフィスなど安全な場所で視聴することができる。50年以上に渡るCESの歴史の中で完全オンライン化されるのは初めてであり、大きな変化となる。CES 2021は2021年1月第1週に開催され、CES 2022は物理・デジタルのハイブリッドイベントとなる予定。

2021の経験を踏まえ、2022はさらに強化したデジタルイベントとラスベガスとのハイブリッドイベントにする計画です(Shapiro氏)。

チームは消毒剤、マスク着用の義務化、検査、物理的なバリアなど感染予防策について多くの時間を費やして検討したそうだ。だが多くの企業が従業員を職場に戻す準備をしているため、検査キットが不足しているとShapiro氏は指摘した。3月に積極的なデジタル拡張に取り組み始めたが、物理的な要素の取りやめにはさらに時間がかかったという(VentureBeatはCESのメディアパートナーであり、筆者はCESに対して物理的イベントの中止を助言した)。

私たちはデジタルイベントの可能性に非常に興奮しています。誰でも参加することができます。テック業界では5G、AI、自動運転車、ドローン、医療テックなど、多くのことが起こっています(Shapiro氏)。

一方でCTAは7月27日、多くの医療・テック企業を招き、テクノロジー開発によって今後のパンデミックに対処することを目的とする「Public Health Tech Initiative」を立ち上げた。

ヘルスケアテクノロジーは多くの成功を収めてきました。このイニシアチブの焦点は、新型コロナウイルス後の世界的な医療危機にどんな計画を立てられるだろうか、ということです(Shapiro氏)。

CES 2020はパンデミックを拡大したのか?

CES 2020への入場を待つ群衆
Image Credit: Jeremy Horwitz/VentureBeat

世界中から18万2,000人以上もの人々が集まったことから、CES 2020が米国での新型コロナウイルス感染拡大の一因になったのではという意見がSNSに上がっているが、CTAの調査によると、ラスベガスで最初に確認された感染例はCESのずっと後、3月だった。

誰も感染源にはなりたくないですから、心配していたことは確かです(Shapiro氏)。

彼は航空会社やホテルは言うまでもなく、CESから収益を得ている多くのベンダーに今回の決定が与える影響について「胸が痛みます」と述べた。彼はCTAと市やベンダーとの間に契約上の問題が発生するかどうかについては明らかにしなかったが、ほとんどの契約には「不可抗力」条項があり、パンデミックのような異常事態のために契約を破ることは可能だとしている。CTAは来週あたりにフォローアップ会見を開く予定だが、結論は明らかだろう。

この場合、安全なイベントを開くことは不可能です(Shapiro氏)。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Pokémon GO Fest 2020閉幕ーー数百万プレイヤーたちが10億匹のポケモンをゲット

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Nianticは7月27日、Pokémon GO Fest 2020に数百万人のプレイヤーが参加し、およそ10億匹のポケモンを捕まえたことを発表した。 毎年恒例のこのイベントは、新型コロナ以前にはさまざまな地域の大きな公園などで開催されていたが、今年は完全オンラインイベントとして7月25日(土)と26日(日)に行われた。筆者は26日に少しだけ参加し、モンジャラ、マッギョ、ハリーセンなどのポケモンを…

バーチャルイベント「Pokémon GO Fest 2020」
Image Credit: Niantic

Nianticは7月27日、Pokémon GO Fest 2020に数百万人のプレイヤーが参加し、およそ10億匹のポケモンを捕まえたことを発表した

毎年恒例のこのイベントは、新型コロナ以前にはさまざまな地域の大きな公園などで開催されていたが、今年は完全オンラインイベントとして7月25日(土)と26日(日)に行われた。筆者は26日に少しだけ参加し、モンジャラ、マッギョ、ハリーセンなどのポケモンをゲットした。

サンフランシスコに拠点を置くNianticは、124の国と地域から数百万人がオンラインで参加したと語った。スペシャルイベントのひとつとしてGOロケット団があちこちで占拠活動を行い、プレイヤーは5,800万人もの団員を撃退した。合計5,500万個のギフトがやり取りされ、プレイヤーの平均歩行距離は約15キロだった。

Nianticはパンデミックの打撃を受けたコミュニティの立て直しを支援する米国の非営利団体に1,000万米ドル以上を寄付する予定だ。さらに、黒人のゲーム・ARクリエイターによるNianticプラットフォーム向けの新たなプロジェクトにも出資している。

Nianticは、プレイヤーがどこからでも安全にやり取りできるように、イベント全体をデジタル化することを考える必要があると述べた。パンデミックの初期にも同社は遠く離れた場所からでもポケモンを簡単にゲットできるようにし、ジムなどのようにプレイヤーが物理的に協力してバトルに参加するような場所でもソーシャルディスタンスを確保できるようにした。

同社はまた、プレイヤーらによるコンテストでこれまでに3万3,000社以上に上る中小企業がノミネートされたと述べている。このリストを元にNianticが1,000社に絞り込み、ポケモンGoのロケーションとして登場させる予定。お気に入りの地元企業を推したい方は、太平洋時間7月31日午後11時59分までに投票を(対象となる国は米国、日本、メキシコ、カナダ、イギリス)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】