THE BRIDGE

Dylan Tweney

Dylan Tweney

VentureBeat の編集長。十数名からなるニュースチームを俯瞰する役目。彼が VentureBeat に加わった2011年から、VentureBeat のビジター数は3倍の650万人になった。週間で「Dylan's Desk」というコラムを連載、シリコンバレー、テック業界、ビジネス戦略に与えるインパクトなどを伝える。 以前は、Wired でシニアエディターをしていた。Wired の前は3つのコンテンツ系スタートアップに勤務し、Business 2.0 や InfoWorld に広く読まれるコラムを連載していた。

執筆記事

Jack Dorsey氏、ブロックチェーン、金融サービスの未来〜ラスベガスで開催されたフィンテックイベント「Money 20/20」から

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金融サービス産業において、巨大だが遠い存在でどこか神秘的な存在としてブロックチェーンは不気味に出現した。一部の先進的な銀行マンはそれを真摯に受け止め、自分たちの利益にするにはどうすればいいか解き明かそうとしている。誰もがブロックチェーンについて聞いたことはあるがほとんど何も知らず、静観を決め込んでいる。 ブロックチェーンでは10年前に PayPal で犯したミスと同じ轍を踏みたくない、ということに…

Bitcoin: Crypto Imperator via Flickr by Microsiervos
Bitcoin: Crypto Imperator via Flickr by Microsiervos

金融サービス産業において、巨大だが遠い存在でどこか神秘的な存在としてブロックチェーンは不気味に出現した。一部の先進的な銀行マンはそれを真摯に受け止め、自分たちの利益にするにはどうすればいいか解き明かそうとしている。誰もがブロックチェーンについて聞いたことはあるがほとんど何も知らず、静観を決め込んでいる。

ブロックチェーンでは10年前に PayPal で犯したミスと同じ轍を踏みたくない、ということにはおそらく誰もが同意するだろう。PayPal のことは当初完全に無視され、消えるのをただ待っていたのが、成長して脅威になって驚かされたからだ。

ブロックチェーンは一企業というわけではなくテクノロジーの分野全体を指し、何千もの人々、そして何百の企業から受け入れられる活動である。その脅威は、新手の銀行となったに過ぎない PayPal がもたらしたものよりはるかに大きい。金融サービス産業に従事している者でもどう対処すればいいか理解している人はほとんどいない。

これが、今週(10月第5週)ラスベガスで開かれた金融テクノロジーに焦点を当てたカンファレンス Money 20/20で私が持ち帰ったメッセージである。私がそのカンファレンスに参加したのはこれが初めてであったが、Money 20/20は設立されて4年で巨大に成長した。1万1,000人の参加者と400以上の出展者が Venetian および併設される Sands コンベンションセンターを埋め尽くした。チケットは一枚およそ3,000米ドルで、スポンサーがつかなくても膨大な利益が得られる。設立者が1年前にこのイベントを i2i に売ることができ、その価格が1億米ドルと報じられているのも驚きではない。

イベントの大半はブロックチェーンには焦点を当てていない。ほとんどの銀行員にとっては、EMT(チップカード)やモバイルアプリへの移行の方がずっと想像しやすいだろう。しかし、ブロックチェーン企業を呼んだセッションやブロックチェーンの技術、将来についての議論もたくさんあった。

Bitcoin の背景にある技術的コンセプトであるブロックチェーンは夢物語ではない。いろんな意味で、たくさんのパソコンに分散している取引データベースにデータを保存するという手法は、クラウド技術の手法によく似ている。Money 20/20の基調講演でそう語るのは Square の CEO、Jack Dorsey 氏だ。どちらも「分散型であり、冗長性があり、安全であり、遍在している」という。

誰もが「ブロックチェーン」について話しているが、Bitcoin のブロックチェーンについて言っているのでない限り、単一のブロックチェーンのことではない。暗号通貨やスマートコントラクトのプラットフォームもそれぞれ独自のブロックチェーンを利用している。端的に言うと、「ブロックチェーン」とは公に分散している取引台帳である。公になっているため取引を拒否することはできず、同じ値は二度と使用することができない。公開台帳が記録し、誰でもそれをチェックできる。分散しているため(コピーはインターネットのあらゆる場所で保持されている)、どこか一点だけ操作することはできず、障害も起こらない。

そして、理論上では非常に堅牢である。Money 20/20でも複数の登壇者が指摘していたように、Bitcoin のブロックチェーンは設立後のおよそ8年間で一度も不正アクセスを受けたことがないということを述べておく。Bitcoin を利用したアプリケーションや取引がセキュリティ侵害を受けたことはあるが(その際数百万米ドルの損害があった)、基盤となるブロックチェーンは途絶えることなく無傷でオンラインだった。素人には専門的すぎると思えるかもしれないが、重要なことだ。

Above: Bitcoin prices in U.S. dollars over the past year.
過去1年間のBitcoinの価格推移(米ドル)

実際のところ、Bitcoin 自体はある程度成熟してきた。Bitcoin はかなり変動の激しい通貨であり、リスクは承知の上で保有しなければならない。しかし、両替の手段としてはかなりうまくいっているようだ。世界中の Bitcoin による支払いのかなりの部分を担っている BitPay の Sonny Singh 氏は、別の通貨が出てきているにも関わらず、Bitcoin はブロックチェーン取引市場のおよそ99%を占めている、と私に教えてくれた。そして、BitPay の顧客の多くは Bitcoin に全く触れてすらおらず、Visa のように BitPay を支払手段として利用しているだけだという。Bitcoin で支払いを行うと、BitPay は取引を精算し、お金を顧客のアカウントに振り込むのである。Singh 氏は、BitPay の商業取引量は去年の3倍にまでなり、15秒毎に1回の取引がある、と述べた。

では将来何が待ち受けているのだろうか?

私たちが目にするだろうことは、Bitcoin およびブロックチェーンに基づいた証券取引である。規制により正確には「取引所」とは呼べないかもしれないが、T0のように株式の売買ができる場所を指すのに他にどんな単語を使えばいいのかわからない。初期から Bitcoin を採用し T0の生みの親でもある Overstock.com は今週(10月第5週)、T0のプラットフォームで一部の株式の売買を開始することを発表した(Overstock の計画については昨日=10月24日の記事を参照のこと)。長所として、これまでの株式市場では決済まで通常3日かかっていたが、それが10分で完了することが挙げられる。

これは従来の株式市場にとって脅威となるだろうか?その通りだ。

私たちは従来の株式市場を焼き払ってそこに再建しているんです。(Overstock.com の Judd Bagley 氏)

大手銀行はブロックチェーンを国際送金用として考えている。Visa は Money 20/20で Visa B2B Connect と呼ばれる新サービスを発表した。このサービスではブロックチェーン技術を持つ Chain のシステムを利用している。その詳細な機能はよくわかっていないが、法人顧客が国境を超えて B2B 取引をするためのカスタムブロックチェーンネットワークで、Visa が運営するものだ。

Visa だけではない。主だった金融機関の少なくとも3分の2は、今後3年以内にブロックチェーンを利用したサービスを展開できるよう取り組んでいる。

当然コスト削減できる可能性が考えられる。多くの国際銀行では総取引額の数%が振替手数料として課される。Western Union を利用したら8%支払わなければならない。PayPal の場合は3.5%だ。ブロックチェーンを利用した取引システムだとはるかに安くなるはずだ(例えば BitPay は世界中のどこで利用してもたった1%しか課さない)。

企業は異なるブロックチェーンをつなぎ合わせようとしている。すでに書いた通り、Bitcoin は唯一のブロックチェーンというわけではない。Ethereum は有力な代替企業として急成長しているが、通貨取引としてだけでなくスマートコントラクトを可能にするツールとしても有力視されている。また、暗号通貨も他にたくさん出てきている。別々のブロックチェーン間での取引を促進するにはどうすればいいだろうか?現時点では、何らかの媒介通貨や貯蓄を使った手形交換所である取引所を利用する必要がある。ブロックチェーン同士で直接やり取りできるようにする何らかのプロトコルを作った方が良いだろう。こういったプロトコルを Ripple が開発した。今やオープンソースとなった Interledger Protocol である。しかし他にも開発中のものが確実にある。この相互接続問題をきちんど解決すれば、TCP/IP の発明、すなわちインターネットの誕生に匹敵する成果になるだろう。

Above: Ethereum founder Vitalik Buterin on stage with author Don Tapscott at Money 20/20.
Money 20/20に登壇したEthereum設立者のVitalik Buterin氏(左)と作家のDon Tapscott氏

Ethereum はまだ進行中のプロジェクトだが、設立者である Vitalik Buterin 氏は明らかに天才である。また非常に若く、野暮ったい男でもある。彼は野心があるにも関わらず、Ethereum の成功に驕るようなところはない。作家の Don Tapscott 氏とステージ上で行った会話で Buterin 氏は、DAO と呼ばれる分散化した1億6,000万米ドルの投資資金から5,000万米ドルを奪い取ることが可能になるような弱点を覆すよう彼が Ethereum に当てたパッチについて、物議を醸してはいるものの楽観的であった。批評家はこれについて、ブロックチェーンの不変性への挑戦であり、Ethereum のシステムの信頼性を落とすとみている。しかし Buterin 氏は「不変性は絶対的なものではなく」、社会的な目的を果たす必要がある、と考えている。現在のところ、Ethereum を展開するという需要はブロックチェーンの不変性を遵守するという需要より大義である、と彼は述べた。Ethereum はゆくゆくは成熟するだろうが、「それまでは、不変の芸術品ではなく進化していくエコシステムと考えるべきだ」と彼は述べた。

ガバナンスはグレーゾーンだ。Buterin 氏は、いかなるシステムにおいても協働する人のグループによる何らかのガバナンスが必要である、という考えに同調するようだ。完璧なプロトコルをつくり、それ以降は全てを処理できるようにする、と言うのは無茶だろう。政治が必要でありまた避けられないことは彼も承知している。ブロックチェーン空間にいる他の人と同じく彼も現実世界に直面しており、そこではいずれ監視者が何が起こっているのかを理解し、制限を課すようになるだろう。

加えて、匿名性はブロックチェーン取引に必須の特性というわけではないことにも言及しておこう。実際、Silk Road を運営していた Ross Ulbricht 被告が数年前に後悔の念を示したように、ブロックチェーンでの取引の不変性は匿名性とは反対に働く。ブロックチェーンは個人の過去がわかる記録である。BitFury Group の Jamie Smith 氏がパネルで指摘したように、多方面から切り出すことができる。「不変の記録を持っているなら、独裁政権もそれに非常に興味を持つでしょう。」

いまだに世界中の監視者は一般的にブロックチェーンに対して、初期の仮想通貨(E-Gold のような)よりもはるかに熱狂的であるが、世界の金融規制がブロックチェーンの世界を制限するときがくるだろう。例えば、国境を超えた取引プラットフォームの運営者は、薬物取引やマネーロンダリングなどに利用されていないかなど、銀行と同等の保証をすることが必要になるだろう。少なくとも法の範囲内で運営したければそうしなければならない。

チャンスは大きい。「20年毎に本当にすごいものが現れるんです。これがそうです」BitFury の Smith 氏はそう述べた。今後数年で、地球上の誰もが何らかの携帯デバイスを持つようになる。そして何らかのユビキタスな、地球のどこからでもアクセスできるインターネットが可能になるだろう。これら2つを結びつけると、速い・便利・取引手数料が安い、という方向に世界が傾かない訳がない、と彼女は述べた。

Above: Bobby Lee of BTCC wears a hat that says “Make Bitcoin Great Again.” Image Credit: Dylan Tweney
BTCCのCEO、Bobby Lee氏の帽子には「偉大なBitcoinを再び」と書かれている.Image Credit: Dylan Tweney

Bitcoin 自体についてはどうなるかというと……どうなることやら。パネリストの一人、Blockstream の Eric Martindale 氏は、Bitcoin の価値は今後12ヶ月で10倍、6,000米ドル以上になると予測した(現在の Bitcoin の価格はおよそ653米ドル)。彼が冗談を言っているのか、自分の保有している Bitcoin の資産価値を上げようと大げさに言っているのか、あるいは本当にそう信じているのか、私にはわからない。そこまで相場は上がらないと思われる。実際のところ、Bitcoin 自体はもっと柔軟で拡張可能なブロックチェーンに追い越されて終わってしまうかもしれない。基幹となるテクノロジーは、詳しい人に言わせると理にかなったものであり、Bitcoin を事業計画に組み込むか否かは別として、将来的にはブロックチェーンを基にした企業がさらにたくさん出てくることに疑いの余地はないだろう。

最大の障害はユーザビリティである。Bitcoin やブロックチェーンは、消費者はもちろん大多数の銀行員が充分理解できるようになるまで前途遼遠である。しかし、現在の金融システムと結びつけられるよう多くの人が取り組んでおり、そちらの方向に進んでいくように思われる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Netflixが明らかにする、クラウドが台頭するエンタープライズテクノロジーの未来

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長らくクラウドによって提唱されていた世代交代がようやく不可逆的に進行したと私が実感したのは、エンタープライズインフラストラクチャの会議に出席していた今週のことだった。 この世代交代とは、x86サーバ、VMWareによるハイパーバイザ、OracleのSQLデータベース、EMCから提供されたハードウェアストレージ、これらによって構築されたデータセンタという「遺物」からの脱却である。すべてをウェブスケー…

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “ChrisDag“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

長らくクラウドによって提唱されていた世代交代がようやく不可逆的に進行したと私が実感したのは、エンタープライズインフラストラクチャの会議に出席していた今週のことだった。

この世代交代とは、x86サーバ、VMWareによるハイパーバイザ、OracleのSQLデータベース、EMCから提供されたハードウェアストレージ、これらによって構築されたデータセンタという「遺物」からの脱却である。すべてをウェブスケール(あるいは少なくとも、ウェブスケールを目指した)技術にリプレースするが、これはコンテナ、コモディティ化されたハードウェア、何種類かのNoSQLデータベース、フラッシュストレージをベースにしている。新たなインフラストラクチャは、より安く、大容量なデータとそれを扱う演算に対応する拡張がより簡単で、より柔軟性・機敏性がある。

しかし、市場における評価において大きな打撃に見舞われようとしている十億ドル規模のインフラ企業以外のだれがそのアーキテクチャを気にするというのか?その企業とは、Dell、HP、IBM、Cisco、Oracleそして、もちろん、EMC(Dellは買収のプロセスを進めている)のことだ。今週Wiredはこうした企業を歩く屍と呼んだが、まだそこまでにはなっていないとしても、確かに苦痛の世界に向って進んでいる。だからこそDellはEMCを買収しようとしている。つまり、Dellはレガシー事業を強化する必要があるのだ。

株主以外に誰が彼らのことを気にかけるだろうか? なぜなら、今やデータセンタに足を踏み入れることなく、十億ドル規模の企業を作ることができるようになったからである。データセンタがHPやDELLのハードウェアなのか、それとも最低価格で製造可能なメーカの安いコモディティCPUをいくつか組み合わせて設計したものかは気にする必要がない。即座にスピンアップできる仮想サーバだけあれば、コンテナ化されたアプリケーションを環境に展開し、大量に流入するビットを扱うのに必要な非構造化データベースをサポートしてくれるので、あっという間にデータ収集を開始し、分析に着手することになるだろう。

Netflixはそれがどのようなものなのか、そして今のところ、なぜAmazonがその大きな将来の展望を保有しているのかを示している。

NetflixのCPO(最高プロダクト責任者)でありエンジニアリング部門VPのNeil Hunt氏は、小企業に焦点を当てたVC基金であるEngineering Capitalが主催したインフラに関するEnineering Summitにて語っている。Hunt氏は、Netflixの長期にわたるAmazon Web Servicesの利用について、クラウドサービスにおける市場および技術リーダーについて語った。しかしそれはNetflixだけに留まらず、Hunt氏曰く、誰しもAWSに移行しているという。

AWSは今やコンピュートサービスの基本的なレイヤーです。(Hunt氏)

Netflixは単に大きくAWSに依存しているのではない。完全に依存しかかっているのだ。Hunt氏は、同社の最後のデータセンタを今年で閉める計画でいる。その時点でNetflixは、ほとんど全てをアウトソースのクラウドインフラストラクチャで稼動することになる。そしてそのほとんどはAmazonによって運営されている。(同社は今後も同社のコンテンツデリバリネットワークCDNを稼動させるだろう)

このタイムラインは新しいということに留意して頂きたい。Netflixは当初、最後のデータセンタを2014年に閉めると言い、その後再びこの夏になると言っていたが、先行きは時に思ったほど早くは来ない。それが、おそらく決して変わることがないだろう、企業のインフラストラクチャの一面だ。

とはいえ、1つのベンダーへの依存が少ない方が、Hunt氏も嬉しいだろう。「それはいささか居心地の悪い場所になっています。競合のビジネスパートナーに依存しているのですから」とHunt氏は述べ、Amazonもまたストリーミングビデオサービスの販売をしている事実に言及した。

しかしこれまでのところ、Hunt氏は、機能とサービス提供範囲においてAmazonに匹敵するプロバイダを1社も見つけていない。

Amazonが提供する機能や抽象化のレベルにおいて、AWSはAzureの数年先を行き、Googleの1~2年先を行っています。その差は小さくなってきていますが、AmazonもまたAWS機能に関してレベルを上げ続けているのです。(Hunt氏)

AWSと競合するストレージサービスの提供を最近始めたBlackblazeのCEO、Gleb Budman氏は、断片的にでも他のクラウドプロバイダを使うことを見当するかどうかHunt氏に尋ねた。だいたいにおいて、Hunt氏はその答えはノーですと答えた。いくつかのテストをあちらこちらで行っているのを別とすれば(例えば、NetflixはGoogleへデータをバックアップしている)、同社はほとんど完全にAWSをベースとしている。

それでは、次世代の戦いは終わっただろうか?そんなことはない。AWSは非常に有利なスタートを切ったが、クラウドサービスの標準化がまだなされていない。それはHunt氏が必要であると信じているものだ。

Hunt氏は、コンピューティングコンポネントがさらに標準化される日を待ち望んでいる。そして、延長線上で考えると、AWSをめぐるさらなる競争を待ち望んでいる。

きちんとやっていきましょう。ソフトウェアを構築する時にソフトウェアのエンジニアが使える標準ツールキットを作りましょう。それはブリッジを構築する時にハードウェアのエンジニアが使う標準ツールキットのようなものです。そうすれば、信じられないほどの生産性の向上が見られるでしょう。(Hunt氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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嫌われ者のEメール、それでも存続し続けるのはなぜだろう?

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Eメールは嫌われている。無駄な時間を使うし、スパムメールは多すぎる。知らない人が書き込める「やるべきことリスト」のようなものだ。見苦しいし、遅いし、当てにならない。スパムメールも多い…これは言及済みか。 Eメールについて最悪な点は、おそらくEメールのせいで嫌な人間になってしまうということだ。私はほどほどにいい人間だ。直接私に会った人なら誰でもそう言ってくれるだろう。しかしその私がEメールを送り始め…

Image Credit: Kevin Fitz
Image Credit: Kevin Fitz

Eメールは嫌われている。無駄な時間を使うし、スパムメールは多すぎる。知らない人が書き込める「やるべきことリスト」のようなものだ。見苦しいし、遅いし、当てにならない。スパムメールも多い…これは言及済みか。

Eメールについて最悪な点は、おそらくEメールのせいで嫌な人間になってしまうということだ。私はほどほどにいい人間だ。直接私に会った人なら誰でもそう言ってくれるだろう。しかしその私がEメールを送り始めると、要注意だ。私が思うに、完全に普通で冷静なメールでも、他の人に渡ったときには厳しく無神経なものになってしまうことが多いのだ。(私の自動返信も同様だ。それを受け取ると私の同僚たちはカンカンになる。)

これは私だけではない。一見当たり障りのないオフィス間のEメールスレッドがいきなり国境紛争かのごとくエスカレートし、お互いに激高している人たちを見たことがある。しかし、その人たちもお互い顔を合わせれば怒りと緊張はすぐに消えるのである。こういったシチュエーションでの問題は明らかだ。それは、Eメールが持つ正式な感じとニュアンスだ。この組み合わせは有毒になり得る。

人が WhatsApp、Facebook Messenger、Snapchat、Kik 等々のメッセージングアプリに逃げていっているのは無理もないことである。企業ユーザー間でも Slack が成長著しいのも当然のことである。社内コミュニケーションにEメールを使うのをやめ、楽しいプラットフォームで生産性があがり、情報共有しやすくなり、検索性が上がるのであれば、そしてGIFファイルと絵文字がサポートされるのであれば、誰にとっても良いことだからである。

これは疑いようのないことである。Eメールはひどいツールであり、壊れて散らかっているも同然であり、大きくなり続けるゴミの島であり、海の忘れられた場所でぐるぐる回る死んだ魚のようなものである。Eメールはなくなるべきだし、それは早ければ早いほど良い。

とは言いながらも次のようなことが起こる。

Eメールのない未来を想像してみよう。ほんの数年先には、メッセージングアプリが十分に浸透し、堂々と「Eメールのアカウントを削除しました」と言って、それがおかしいとも実験的とも思われないようになっているかもしれない。そしてさらに重要なことは、それができるようになっている暁には、Twitter の DM にせよ Facebook や Slack にせよ、あなたにとって必要な人々があなたに連絡を取れると確信しているということなのだ。

まず第一に、 Radicati Group によれば、メッセージングアプリの市場浸透度はユーザ数が25億人に到達したEメールとは比べものにならないほど少ないということである。従って、おそらくメッセージングアプリをいくつか持つ必要があるだろう。Facebook Messenger を使っている人もいれば、Snapchat を使っている人もいるだろうし、職場では Slack といった具合である。

次に、これらのメッセージングアプリにはそれぞれの流儀があって、それぞれのルールや独自のインターフェースがあるということだ。問題を過小評価しないよう、プライベートなダイレクトメッセージが全Twitterのフォロワーに間違って送られることがいかに頻繁に起きているか見てみよう。Twitter のCFOでさえその間違いを犯しており、そして誰が彼を責めることができようか。あまりに簡単に起こってしまうのである。ということで、Twitter、WhatsApp、Snapchat、そしてあなたがどんなアプリを使っていようとも、それぞれを正しい使い方で使っているか、そしてひどく恥ずかしい(またはビジネスに脅威を呼ぶような)間違いを犯さないよう、よくよく注意を払わなければならない。

第三に、これらのアプリはインターオペラビリティ(相互運用性)がないということである。それぞれのメッセージングアプリは独自のプラットフォームを持っており、モバイルデバイス上でも独自の通知があり、友達リストも独自のリストになっている。メッセージを Messenger から Kakao Talk 上の友達に送ることはできないし、決してできるようにならないだろう。これらのアプリの会社にとってメッセージプラットフォームを全面的に開放するインセンティブがないのである。

四つ目に、これらのプラットフォームは非常に使い勝手の良い基本的な機能を持っていないことが良くあるということだ。たとえば Slack を例にとると、いまだにスレッド別でメッセージを整理できない。誰かのポストに瞬時に返信できないのであれば、そのポストは忘れた方が良い。なぜなら他の誰かが別の会話を始めてしまい、皆、あなたが何に対して返信しているのかがわからなくなってしまうからである。(ワークアラウンドがあるのを知っているが、その場しのぎでしかない)フィルタやフォルダはどうだろうか。特定人物(たとえば上司)からのメッセージをフィルタし、高優先度の特別フォルダに分類しておくことは非常に役に立つことが多い。特に注意しておくことができるし、その人物からの他のメッセージ全てと一緒にセーブしておくことなどができる。

五つ目はスパムである。気付いていないかもしれないが、Gmail のユーザであれば、あからさまなスパムが受信箱に届くことはどんどん少なくなっているだろう。これは非常に洗練されたスパムフィルタリングのおかげである。Google は10年以上をかけてスパムのアルゴリズムを磨き上げてきており、非常に良く機能している。正反対なのが Twitter である。昔のX10カメラスパムやグリーンカード(訳者注:米国永住権)弁護士スパムを知らないのであれば、フォローしていないアカウントを含め誰でもあなたにダイレクトメッセージを送れるように設定してみるといい。Google のスパムのメカニズムが博士号レベルとすれば、Twitter のメカニズムはまだ幼稚園レベルである。

最後に、もう一つ別の角度から考慮することがある。マーケターの視点ではEメールは実際機能しており、ある推定(pdf)によればROIは38対1ということである。TwitterやSlackは自分自身がメッセージングプラットフォームであるにも関わらず、いまだに人々に毎日Eメールを送っているのには訳があるのだ。インターネットユーザの多くはいまだにEメールを企業からコンタクトされる手段として好んでおり、他のメディアに比べてエンゲージメントが断然高いため、企業も喜んで対応している。

そして、Eメールマーケティング企業は好調である。一例として Campaign Monitor を見てみると、昨年2億5,000万米ドルを調達している。

さて、次の点こそ真の問題だと議論することができるだろう。溢れかえるEメールマーケティングはEメールをマーケティングにしか役に立たないものにしているという点だ。しかし、私が考えるにEメールマーケティングが非常に効果的なのは、結局のところ人々がいまだにEメールの受信箱をとても気にしているからである。

Eメールについて文句を言うことはできる。ちゃちなEメールクライアントソフトや終わることのない会社のEメールスレッドに悩まされてもいる。決してEメールの受信箱の未読メール数がゼロに近づくこともない。

しかし、もし流行のメッセージングアプリが本当にEメールを葬り去ることができたとしても、皆あっという間にEメールが恋しくなるのではないかと思う。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Nest、Misfit、IFTTTなどとつながるスマート空気品質モニタ「Awair」が注文予約を受付開始

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カリフォルニア州 Rancho Plos Verdes 発——Bitfinder の代表兼共同創業者の Ronald Ro 氏は、スマート空気品質モニタ「Awair」を作るにあたって、自分の娘からヒントを得た。 Ro 氏によれば、彼女は生まれながら皮膚に疾患があり、空気乾燥、日光、温度に敏感だった。保育所に通うにあたって状態を保てるよう、Ro 氏は電子回路上の複数のセンサーをハックした。一日を通し…

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Image Credit: Bitfinder

カリフォルニア州 Rancho Plos Verdes 発——Bitfinder の代表兼共同創業者の Ronald Ro 氏は、スマート空気品質モニタ「Awair」を作るにあたって、自分の娘からヒントを得た。

Ro 氏によれば、彼女は生まれながら皮膚に疾患があり、空気乾燥、日光、温度に敏感だった。保育所に通うにあたって状態を保てるよう、Ro 氏は電子回路上の複数のセンサーをハックした。一日を通して、湿度、温度、紫外線を計測すべく、彼はそれらのセンサーを娘の背負いカバンにつけた。毎日の終わり、彼はセンサーを Bluetooth 経由で PC と同期させ、娘が一日でどの程度の刺激を受け、彼女の皮膚にどんな影響を与えたか思慮を深めていった。例えば、ある日保育園がすごく乾燥していたことがわかれば、Ro 氏は娘に、スキン・ローションを多めに塗り、加湿器のスイッチを入れなさい、ということができるようになった。

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Awair 共同創業者 Ronald Ro 氏と Kevin Cho 氏
Image Credit: Awair

このセンサーが娘にとって、どれほど役に立つかを見ているうちに、Ro 氏は現在の共同創業者兼 CTO の Kevio Cho 氏と、商品として空気品質モニターを作ろうと考えるようになった。そのデバイス Awair が今日(原文掲載日:5月27日)、ロサンゼルスの南にある海沿いの街 Rancho Palos Verdes で開催された Code Conference でローンチした。価格は149ドルだ。

Awair はテーブルの上に置くラジオのような見栄えをしており、屋内の温度、湿度、二酸化炭素濃度、細かいチリ、揮発性有機化合物を計測する。Android または iOS のスマートフォン・アプリと接続し、データを分析し、身の回りの空気品質についての洞察を提供する。時間の経過と共に環境を学習し、ユーザにアドバイスを提供する機能も持っている。

興味深いことに、Awair は加湿器など他の家電とも接続でき、必要に応じて自動で電源をオンオフすることも可能だ。Misfit Shine やフィリップスのスマート電球 Hue、Google の煙感知器 Nest などとも接続できる。Awair の計測データに応じて警報やアクションを制御したいなら、IFTTT.com を使うことも可能だ。

Awair は今秋にも発売される予定で、今日から販売予約が可能になった。同社は売上の1%を、発展途上国向けの Awair 簡易版の開発に充てたいとしている。

サンフランシスコに拠点を置く Bitfinder は2013年の設立、これまでにエンジェルラウンドで138万ドルを資金調達している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

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TwilioがシリーズEラウンドで1億ドルを調達——市場価値は10億ドルを超え、ユニコーン入り

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電話サービス・イネーブラーの Twilio がシリーズEラウンドで1億ドルを調達し、政府の資料によれば、企業価値が10億ドルを超えたことが明らかになった。 この報道は、調査会社 VC Experts を引用する形で Forbes が伝えたもので、デラウェア州登記の企業が大きな投資ラウンドを行う、というものだった。VC Experts はこれを確認し、シリーズEラウンドで1株あたり11.31ドルであ…

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Above: Jeff Lawson, chief executive, Twilio
Image Credit: Michael O’Donnell/VentureBeat

電話サービス・イネーブラーの Twilio がシリーズEラウンドで1億ドルを調達し、政府の資料によれば、企業価値が10億ドルを超えたことが明らかになった。

この報道は、調査会社 VC Experts を引用する形で Forbes が伝えたもので、デラウェア州登記の企業が大きな投資ラウンドを行う、というものだった。VC Experts はこれを確認し、シリーズEラウンドで1株あたり11.31ドルである、とする情報を提供した。このラウンドで880万株が承認されれば、Twilio は1億ドルの一部を既に調達したか、まもなく調達する見込みだ。

<関連記事>

Forbes の報告によれば、Twilio は過去4回のラウンドで1億300万ドルを調達し、なかでも直近の2013年6月のシリーズDラウンドでは7,000万ドルを調達しているが、今回の調達で Twilio の調達累計額が倍になる計算だ。今回のラウンドのリード・インベスターは Bessemer Venture Partners、Draper Fisher Jurvetson、Redpoint Ventures が務めた。報道によれば、今回のラウンドで Twilio のバリュエーションは5億ドルから倍になるとされており、いわゆるユニコーン(市場価値10億ドルを超える、投資を受けた企業のこと)の仲間入りをすることになる。

以前 VentureBeat が Twilio の CEO Jeff Larwson にインタビューしたとき、彼は Twilio がランレートベースで2014年に年間売上1億ドルを突破し、7日間おきに年間売上換算で100万ドルずつ増えていると語っていた。ランレートは現在の売上がその後の12ヶ月にわたって続くことを仮定したものであるため巧妙な数字と言えるが、その時点の経営状態を示す上で民間企業が頻繁に引用する数字である。

Twilio は、電話発呼やテキスト・メッセージの送信など、デベロッパがアプリに電話の機能を組み込みのに使う複数のサービスを構築している。その一部として、顧客のアプリを世界中の電話ネットワークにつなぐため、自前の拡張電話ネットワークをも運営している。3月には、この一連のサービスにビデオ通話サービスが追加された

(デラウェア州の開示情報に基づき、5月5日に情報を更新)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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114社が参加した過去最大のYコンビネータのバッチ、参加チームの傾向は?

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世界で最も影響力を持つインキュベータであるYコンビネータ(YC)は、年に2度、最新の企業が参加するバッチによるデモデイを開催している。 今年は、過去最大規模のバッチとなる114社が参加し、各社がエンジェル投資家、VC、法人ビジネス開発者、そして起業家たちとのビジネス機会を得るためにそれぞれ数分間ピッチを行った。 それはまるで世界有数のエリート大学の卒業式のようだ。今年、YCパートナーで卒業生でもあ…

Above: GiveMeTap founder Edwin Broni-Mensah pitches the crowd at YC Demo Day, March 2015. Image Credit: Dylan Tweney/VentureBeat
上:2015年3月のYCデモデイにてピッチをするGiveMeTapの設立者Edwin Broni-Mensah
Image Credit: Dylan Tweney/VentureBeat

世界で最も影響力を持つインキュベータであるYコンビネータ(YC)は、年に2度、最新の企業が参加するバッチによるデモデイを開催している。

今年は、過去最大規模のバッチとなる114社が参加し、各社がエンジェル投資家、VC、法人ビジネス開発者、そして起業家たちとのビジネス機会を得るためにそれぞれ数分間ピッチを行った。

それはまるで世界有数のエリート大学の卒業式のようだ。今年、YCパートナーで卒業生でもあるSam Altman氏がオーディエンスに語ったところによると、同社が出資したのは全応募企業のうち2%未満だったという。

また、全ての企業は長い期間を要する法的文書作成に際し、最重要事項を決める前に設立者と投資家の間で迅速な合意がなされるよう、「Handshakeディール(握手契約締結)プロトコル」スタイルが用いられている。

しかし114社の企業というのは、巨大なプログラムだ(1年前のYCの約2倍の規模だ)。今回のバッチは、これまでにYCに参加した企業842社のかなりの割合を占めている。

今年はあまりにも参加者が多かったので、「デモデイ」は実質2日間開催された。

YCに受け入れられる割合がわずか2%とあって、入れるだけでもすごいことである。起業家たちは厳しい審査プロセスを通過したことを認識しているが、今回参加した470人の多くは間違いなく今をときめく起業家たちと出会えることになる。YCプログラムの期間中に何を学び、何をしたかはあまり関係がない。実際、YCは他のインキュベータと比較して放任主義のアプローチを採用しているのは明らかなようだ。つまり、著名な起業家や投資家から毎週レクチャーを催すなど多くのリソースは提供しているが、最終的には、いかに自社を動機付け、製品を開発し、次のラウンドに向けて魅力を高めるかは多かれ少なかれ各社に任せている。

それでも、YCがピッチの成功に向けてこうした企業を上手く指導してきたことは明らかだろう。多くの企業は、驚異的な予測年間成長率(もちろん、当月の収入ベース)、4倍増という成長率(たとえ実際のユーザ数が今は数千であっても)を、そして中には収益性についてまで大きく宣伝をして、そのトラクションについて言及している。

もしバブルが起きているのであれば、これらの企業は少なくとも避け難い結末に向けて、自社をどのように位置づけるか理解しているはずだ。

今回のバッチについての追加情報は以下の通り:

  • 参加国は18ヶ国
  • 25社は共同設立者に女性を含む
  • 9社は共同設立者に黒人を含む
  • 6社は共同設立者にヒスパニックを含む
  • 設立者の平均年齢は30.27歳
  • 20社は消費者向けビジネス中心
  • 20社は法人向けビジネス中心
  • 18社はバイオ産業
  • 14社は電子市場
  • 13社はベンチャー系テック企業
Above: Y Combinator Winter 2015 stats Image Credit: Y Combinator
上:2015年冬バッチのYコンビネータ統計情報
Image Credit: Y Combinator

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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