SasakiShun

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起業準備中。元ソフトバンクのエンジニア。学生時代に鳥人間コンテスト入賞経験あり。ディープテックや社会実装をテーマ>にしたスタートアップが好き。執筆分野は医療/不動産/VR/AR/AI。Twitterアカウント@sanyama1

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VRゲームは脳波で操作するーーValveとOpenBCIがパートナシップを公表

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ピックアップ:Gabe Newell says brain-computer interface tech will allow video games far beyond what human ‘meat peripherals’ can comprehend ニュースサマリ:ゲーム会社であるValve CorporationのGabe Newell氏は1月25日、1N…

Image Credit:OpenBCI

ピックアップ:Gabe Newell says brain-computer interface tech will allow video games far beyond what human ‘meat peripherals’ can comprehend

ニュースサマリ:ゲーム会社であるValve CorporationのGabe Newell氏は1月25日、1Newsのインタビューに対してBrain Computer Interface(BCI)の将来について話し、OpenBCIとパートナーシップを結んだことを明らかにしている。

話題のポイント:OpenBCIは、BCI用の低コストで高品質のバイオセンシングハードウェアであるブレインコンピューターインターフェイス(BCI)の作成をするオープンソースプロジェクトです。

開発されているarduino互換バイオセンシングボードはEMG、ECG、およびEEG信号の高解像度イメージングを記録することで脳の活動をマッピングします。これらはオープンソースで開発されているため脳の信号をモダリティで利用することが可能です。

Image Credit:OpenBCI

簡単なデモンストレーションを紹介します。上図はフォーカスウィジェットのアルファとベータの脳波を利用して風船で飛んでいるサメを誘導している様子です。脳波はUltracortexMark IVヘッドセット で取得し、OpenBCI CytonBoardを使用してOpenBCIGUIにストリーミングされています。フォーカスウィジェットはアルファ、ベータ波の視覚化された波形を表示しどこを見ているかをフィードバックします。集中するだけでサメの進路を制御できます。

昨年の11月には「Galea」と呼ばれるVR / ARヘッドセット専用のBCIの製作を発表しました。Galeaが今回のValveとのパートナーシップに含まれるかは明らかではありませんが、GeleaにはEEGだけでなく、EOG、EMG、EDAおよびPPGが可能なセンサーも含まれており、幸福、不安、うつ病、注意力、関心などの「人間の感情や表情」を測定する方法を提供できるため関わっている可能性は大きいでしょう。

プレーヤーが興奮している、驚いている、退屈している、面白がっている、恐れているなどの感情を非侵襲的に読み取れれば、よりパーソナルな体験がVRで味わえるはずです。

筋肉観察でジェスチャー認識ーー産業作業員向けxR入力を開発する台湾「CoolSo」

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CoolSoは筋肉の振動信号のバイオセンサーと信号処理にコアテクノロジーを持つ台湾のスタートアップです。Arm Cortex Mプロセッサと高感度モーションセンサーに基づいて、ジェスチャーと筋力レベルの両方を認識するために個々の筋肉活動を測定する技術の特許を取得しています。 装着デバイスがリストバンドで、ジェスチャー認識に専用グローブ、画像処理を要しないため産業用ユースケースで課題となっている環境…

Image Credit:CoolSo

CoolSoは筋肉の振動信号のバイオセンサーと信号処理にコアテクノロジーを持つ台湾のスタートアップです。Arm Cortex Mプロセッサと高感度モーションセンサーに基づいて、ジェスチャーと筋力レベルの両方を認識するために個々の筋肉活動を測定する技術の特許を取得しています。

装着デバイスがリストバンドで、ジェスチャー認識に専用グローブ、画像処理を要しないため産業用ユースケースで課題となっている環境干渉の影響を受けない入力方法として期待されています。

同様の課題を解決するアプローチとして、Wearable DevicesのMudraバンドがあります。こちらはバンドに搭載されているSNC(Surface Nervous Conductance)センサーが、末梢神経系の運動ニューロンを介して指に送る電気インパルスを検出し、AIアルゴリズムで相関する指の動き、指圧を判断しています。細かいハンドトラッキングを実現できていますが、ニューロ信号を検出できる部位でしか使用できないため、アプリケーションは限定されます。

Image Credit:CoolSo

その点、皮膚付近に筋肉がある腕、足、首などの部位も含めたジェスチャー認識ができるため筋肉信号バイオセンサーは多様性を維持します。CoolSoは将来のユースケースとして産業作業員のオペレーションを明示していますが、バーチャル空間への入力としても有用だと考えられます。

現状の課題は微小な筋肉信号を受信出来ていないことです。果たして単一デバイスでさりげないジェスチャーまで認識できるようになるのか、信号処理の技術開発が急がれます。

CES 2021で評価、スポーツ専用スマートグラス「EVAD-1(Julbo社製)」

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ピックアップ:Prestigious ISPO Award for the Julbo EVAD-1, the first sport glasses to embed the ActiveLook® technology. ニュースサマリ:1月28日、ActiveLookテクノロジーを展開する「MICROOLED」がISPO Award 2021を受賞した。同社技術を搭載したアイウェアEVAD-…

ピックアップ:Prestigious ISPO Award for the Julbo EVAD-1, the first sport glasses to embed the ActiveLook® technology.

ニュースサマリ:1月28日、ActiveLookテクノロジーを展開する「MICROOLED」がISPO Award 2021を受賞した。同社技術を搭載したアイウェアEVAD-1(Julbo社製)が評価された。

話題のポイント:MICROOLEDは、ヘッドマウントスポーツデバイス、カメラファインダー、医療アプリケーションなどにニアアイディスプレイ(NED)を提供するフランスのスタートアップです。

MICROOLEDの特徴は、有機EL(OLED)を用いたマイクロディスプレイ開発能力にあります。OLED自体は電流を流すと発光する有機材料をベースにした薄膜半導体デバイスです。液晶の後発として登場し、薄く、コントラスントがはっきりとしていて、応答速度が速いことからスマートフォンにも採用されています。

Image Credit:ActiveLook

有機材料のいくつかの層で構成されていて、それぞれが特定の機能を持っているため、デバイスのアーキテクチャと材料を適切に選択することで様々な色の光を優れたエネルギー効率で表現できます。MICROOLEDはここに強みがあり、同等の画像サイズと解像度のモニターと比較して、数百分の1のエネルギーで十分に稼働します。

この技術を取り入れた例がアイウェア企業Julboが製品化したEVAD-1です。主にスポーツアスリート向けにスポーツ中のリアルタイム・パフォーマンスメトリックを表示できるディスプレイ付きアイウェアで、軽量かつ小型化のフォームファクター、頑丈なデザインで要求の厳しいアスリートを満足させています。()

これが評価され、EVAD-1は革新的なスマートグラステクノロジーを備えた組み込みテクノロジーとしてCES 2021 Innovation Award Honoree、ISPO Awardを受賞し、スポーツ活動に革命をもたらすスポーツメガネに認定されました。

VRでどこでも眼科検診、CES 2021受賞の韓国「VROR」がスゴイ

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ピックアップ:CES 2021 INNOVATION AWARD PRODUCT ニュースサマリ:韓国のヘルスケアスタートアップ「M2S」は、CES 2021で目の健康ヘルスケアソリューション「VROR Eye Dr.」を披露し、Best of Innovationsを受賞した。世界中の消費者技術製品の中で最も優れた技術と革新を遂げた製品に授与される賞である。 話題のポイント:M2Sはヘルスケア製…

ピックアップ:CES 2021 INNOVATION AWARD PRODUCT

ニュースサマリ:韓国のヘルスケアスタートアップ「M2S」は、CES 2021で目の健康ヘルスケアソリューション「VROR Eye Dr.」を披露し、Best of Innovationsを受賞した。世界中の消費者技術製品の中で最も優れた技術と革新を遂げた製品に授与される賞である。

話題のポイント:M2Sはヘルスケア製品「VROR Eye Dr.」と医療機器「VROR 7IN1」を提供する、目の検査を得意とするxRのデジタルコンテンツ製作企業です。ジェームズ・キャメロン監督が設立した「デジタルドメイン」から事業提案を受け、「VROR」のようにメディアと医療を結合してこの世に存在しなかった製品開発を目指しているそうです。韓国国内特許を含む、眼科検査関連12個の特許を保有しています。

視力の変化は他の病気ほど目立ちません。悪化に気付いたときには手遅れになることもあるため、定期検診による予防が治療法として効果的です。しかし、既存の眼科検査は高価な上に暗室で広いスペースが必要でした。健常だと思いこんでいる人にとっては眼科でしか定期検査を実施できない環境では予防の難易度は高いと言えます。

この眼科検診に必要な暗室という空間を、VRであれば物理的スペースを必要とせずに容易に用意することができます。その強みを活かすため、アイトラッキングと組み合わせて、これまで存在しなかった検査アルゴリズムとAI分析を用いた目の健康状態の良し悪しを判断できる解析アルゴリズムの開発を行ったのがM2Sです。既存の眼科検査の欠点を補完しながら、正確な検査を実現したことが評価されたブレイクスルーポイントです。

Image Credit:VROR Eye Dr.が検査できる10項目

従来の検査よりも30%程度安くしつつ、一般的なパーソナルエリア程度の広さで10つの検査を一度に行うことが可能になったため定期検査できる環境は大きく変わります。待つことを求められる状況であれば導入条件に一致します。

例えば、運転免許センターや病院の待合室、携帯電話会社の店舗なんかも良いかもしれません。よく施設にある血圧測定器のような感覚で設置することができるようになるでしょう。さらにゲーム会社と協力できればプレイ中に副次的に測定することだってできるかもしれません。日常的な行動が測定対象になれば、手遅れを防ぐ大きな安心となり得ます。

市場が大きくなるxR領域において、普及期を牽引するデバイスがどんな形をしているかは分かりません。ただし、身体の何を拡張しようとしているのかはすでに誰もが分かっています。ビッグウェーブを乗りこなすためのアルゴリズムを仕込む時期はまさに今なのでしょう。

フレキシブルフィルムで理想のARディスプレイを開発する台湾「KDH Design」

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KDH Designは昨年のCES2020に出展したARスマートヘルメット「JARVISH」で、Innovation Awardを受賞した台湾を拠点とするスタートアップです。2014年設立で、優れたデザイン、高品質、アクセス可能なARおよびAI製品を市場に投入するというビジョンを持つ企業です。 製品はJARVISHの他にも、ARスマートコンバットヘルメットシステムがあります。このヘルメットは台湾国…

Image Credit:KDH Design

KDH Designは昨年のCES2020に出展したARスマートヘルメット「JARVISH」で、Innovation Awardを受賞した台湾を拠点とするスタートアップです。2014年設立で、優れたデザイン、高品質、アクセス可能なARおよびAI製品を市場に投入するというビジョンを持つ企業です。

製品はJARVISHの他にも、ARスマートコンバットヘルメットシステムがあります。このヘルメットは台湾国防省のデジタル戦術ARプロジェクトでNCSIST(国家中山科学技術研究所)に認定されており、透明なヘッドアップディスプレイ、AI支援の脅威検出と状況認識、4k暗視カメラ、特許出願中の「超光学」性能、長距離ブロードバンドアドホック通信で構成されています。

理想的なARディスプレイの実現に向けて、求められる要求は低くありません。堅牢性があってスタイリッシュな眼鏡にすべてがパッケージされており、使用可能時間が長く低コストで大量生産ができる必要があります。それと同時に光学設計はFOV 60°以上の広い視野角、広いアイボックスを実現しなければなりません。

Image Credit:KDH Design

要件を満たすために様々な光源、様々なレンズが今も盛んに研究開発が進んでいます。その中の一つに「光導波路」があります。光導波路とは屈折率の高い材料で「路」を作り、周りを屈折率の低い材料で囲んでおくと、光は屈折率の高い路に閉じ込められるようになります。

この”全反射”を利用して光を運ぶ手段のことです。同じ原理を用いた例として光ファイバーがあります。この光導波路を用いたARディスプレイ開発技術がKDH Designのコアテクノロジーです。フォームの美しさの要素を向上させるフレキシブルな曲がり導波路のアプローチで次世代の標準となることを目標としています。

今は視野角が低い小型のディスプレイしか製品として発表されていませんが、開発タイムラインには顔全体を覆うフィルムディスプレイが公開されています。これまで導波路で難しかったFOVの確保、大量生産、十分美しい色彩の実現に向けて確実に駒を進めている状況です。柔軟性、薄型、電力効率、超軽量、高透明性、これらはディスプレイ業界に根本的な変化をもたらす可能性があります。

xR時代に必要な“アイトラッキング”問題を解決する台湾スタートアップ「Ganzin Technology」

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国立台湾大学(NTU)の教授であったShao-Yi Chien氏が始めたGanzin TechnologyはxRデバイスに搭載する視線追跡モジュールAuroraを開発した台湾のスタートアップです。 ARディスプレイによる目の動きの記録は、現実世界に対して有用な情報を適切に表示するのに欠かせない要素です。というのも、その人が何をどのような意図で見ているのか分からなければ情報過多で体験が損なわれてしま…

Image Credit:Ganzin Technology

国立台湾大学(NTU)の教授であったShao-Yi Chien氏が始めたGanzin TechnologyはxRデバイスに搭載する視線追跡モジュールAuroraを開発した台湾のスタートアップです。

ARディスプレイによる目の動きの記録は、現実世界に対して有用な情報を適切に表示するのに欠かせない要素です。というのも、その人が何をどのような意図で見ているのか分からなければ情報過多で体験が損なわれてしまうからです。ユーザーが見るものを理解するように、ユーザーの状態も抽出しなければいけません。

しかもこれはARグラスに求められる要求の一つです。目の状態を把握するためとはいえ、限られたスペースを圧迫し、演算量と電力消費が多いハードウェア・ソフトウェアを採用することはできません。ここに課題があります。

Image Credit:Ganzin Technology

市場に出回っている他の視線追跡ソリューションとは異なり、軽量で小型、デバイス統合が簡単であることがAuroraの特徴です。Auroraは4つのユニットで構成されています。ユーザーの目の動きを追跡する2つのアイカメラと目が見ている景色を撮影するカメラ。そして視線座標を処理する中央のアイトラッキングICです。

構成要素だけを見れば他社のソリューションと大差はありませんが、Auroraのコアは画像処理アルゴリズムです。よりスペックの低いチップで動作できるからこそフォームファクタの小型化と省電力化に成功しました。1回の充電で終日動作できるということなので、ハードウェア・ソフトウェアの両面から最適化が図れるのは強力な武器と言えます。これらの性能と使いやすさが評価され、昨年の2020年CESではCES2020 InnovationAwardを受賞しています。

バーチャル世界の”触覚”を流体で変えるーーVRトレーニングに特化したHaptX Gloves DK2

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ピックアップ:HaptX launches HaptX Gloves DK2 to bring true-contact haptics to VR and robotics ニュースサマリ:HaptXは1月19日、触覚フィードバックグローブ「HaptX Gloves DK2」を発表している。HaptXはAdvancedInput Systemsと提携して、HaptXグローブの生産を拡大し、製品を…

HaptX

ピックアップ:HaptX launches HaptX Gloves DK2 to bring true-contact haptics to VR and robotics

ニュースサマリ:HaptXは1月19日、触覚フィードバックグローブ「HaptX Gloves DK2」を発表している。HaptXはAdvancedInput Systemsと提携して、HaptXグローブの生産を拡大し、製品を世界中で販売およびサービスの開始をする。Advanced Input Systemsは、40年以上にわたり、医療、産業、商業、軍事、およびゲーム市場におけるヒューマンマシンインターフェイス(HMI)を開発する企業。 

話題のポイント: 手や身体にバーチャルの視覚体験と一致するように刺激を与えるハプティクス。ゲーム用途を中心に盛んに研究開発されていますが、その渦中にいて、ひときわ大掛かりでゴテゴテとした印象の触覚フィードバック製品を専門とするのがHaptXです。超人ハルクのようなグローブに、デスクトップPCほどの大きさのコントロール&エアコンプレッサーボックス。2017年のモデルに比べると徐々に小さくなっているものの、重厚感は健在です。

Image Credit:Smarter Every Day

他社のハプティクスグローブと比べると使い勝手が悪いのは否めません。しかし、HaptXはエンタープライズファーストで製品作りをしており、トレーニングとシミュレーション、工業デザイン、およびロボット工学の専門家向けに特別に設計されています。現段階では多くの人のデファクトスタダードではなく、トレーニングのベストプラクティスになるべく強みを磨き続けているわけです。その甲斐あって、昨年の「Best Of Show Award for CES 2020」の受賞に至っています。

HaptXのケーススタディとしては、没入型医療トレーニングソリューションのプロバイダーであるFundamentalVRと協力して、HaptXグローブを忠実度の高い整形外科手術シミュレーターに統合した例や、カリフォルニアの消防署と協力して、ポンプパネルトレーニングシミュレーターを構築するという事例があります。

HaptXが採用しているアプローチはマイクロ流体スキンです。手あたり130個の小さな膨張式ブラダーを触覚アクチュエータとして用い、皮膚を最大2mm変位させる物理的な圧力を加えて現実世界の物体の感覚を再現しています。

さらに軽量のフォースフィードバック外骨格では皮膚と同じ作動技術を実現します。高出力密度の空気圧アクチュエータでグローブのエキソテンドンを最大8ポンドまで適用。この抵抗力はマイクロ流体スキンによって生み出される触覚を補完し、仮想オブジェクトのサイズ、形状、および重量の知覚を強化することができます。

2020年9月からはバージニア工科大学、フロリダ大学、HaptXを含む研究チームで全身触覚フィードバックのプラットフォーム開発も始まっています。全身を使ったVRトレーニングとしてスポーツ分野に進出する目論見です。こちらも楽しみな挑戦です。

AppleWatchでジェスチャー操作、xR時代の入力デバイス「Mudra Band」

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ピックアップ:Mudra Band Wins CES 2021 Best Wearable Category ニュースサマリ:1月13日、CES 2021でWearable Devicesが「Best of CES Awards」のベストウェアラブル部門を受賞した。デザイン、使いやすさ、価格、機能セット、市場での実行可能性などで評価された。Wearable Devicesは微妙な指の動きと指先の圧…

ピックアップ:Mudra Band Wins CES 2021 Best Wearable Category

ニュースサマリ:1月13日、CES 2021でWearable Devicesが「Best of CES Awards」のベストウェアラブル部門を受賞した。デザイン、使いやすさ、価格、機能セット、市場での実行可能性などで評価された。Wearable Devicesは微妙な指の動きと指先の圧力を使用してデジタルデバイスの操作と制御を可能にする非侵襲的なBCI(Brain-computer Interface)技術を開発している。

Wearable DevicesのMudraバンドは、AppleWatchにジェスチャーコントロールを提供する。他のAppleWatchストラップと同じように取り付けられ、ディスプレイを表示したまま同じ手のタッチレス指ジェスチャーで時計を制御するため、AppleWatchによりアクセスしやすくなる。

Image Credit:Wearable Devices

話題のポイント:単純なハンドトラッキングであればWearable Devicesの「Mudra」は現状最も魅力的な手法の一つです。今回はウェラブルデバイスとして表彰されましたが、もちろんxRのインターフェイスとしても有用で、MudraXRリストバンドとして発売をしています。

Mudraの動作システムを紹介します。バンドに搭載されているセンサーはSNC(Surface Nervous Conductance)といい、脳が末梢神経系の運動ニューロンを介して指に送る電気インパルスを検出します。検出したニューロン信号をエッジで処理し、AIアルゴリズムで相関する指の動きに関してニューロンコードパターンを解読。指の動き、指圧を判断します。つまり、Wearable Devicesの技術的強みはSNCセンサーの精度と信号処理の部分と言うことです。これに関して米国と中国で特許を取得しています。

xR領域では現在様々な入力インターフェイスが検討されています。Quest2等が採用しているコントローラ、Facebook Reality Labsが発表した「PinchType」、Manus VRのグローブ型VRデバイス「Prime II」、Appleが2020年の年末に特許を取得した「IMU-Based Glove」などです。PCのハードウェアのルール通りに「人間が動いて」入力する方法から、人間の自然な動きを入力とするという転換期に突入し、その次となる「xR時代のタッチパネル」の発見が急がれています。

グローブタイプはハプティクス(力、振動、熱)の役割もあるため、一概に良し悪しを比較できませんが、ジェスチャーを認識したいのであればグローブを装着する煩わしさやカメラの画角内で手を動かす必要がないMudraは相対的なストレスが低い最良の選択肢と言えます。特にxRの主なユースケースである産業用途である場合、安全上手袋をしながらハンズフリー操作が求められます。作業環境まで考慮すると、音声コマンドを含めた代替入力インターフェイスでは対応できません。ストレスが低いことは対応できる産業、環境が多いことを意味しているのです。

もはやゲームだけのものではないーー70億ドル評価の「Discord」が得た新たな価値

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ピックアップ:Discord is close to closing a round that would value the company at up to $7B ニュースサマリ:オンラインチャットプラットフォームの「Discord」は新たな資金調達ラウンドを間もなく終了する。TechCrunchが関係者の話として報じているもので、今回の調達での価値は最大70億ドルとみられる。6月に行った1…

Image Credit:Discord

ピックアップ:Discord is close to closing a round that would value the company at up to $7B

ニュースサマリ:オンラインチャットプラットフォームの「Discord」は新たな資金調達ラウンドを間もなく終了する。TechCrunchが関係者の話として報じているもので、今回の調達での価値は最大70億ドルとみられる。6月に行った1億ドルでは35億ドルの価値であったため、5ヶ月で2倍の評価を得る。

話題のポイント:2015年5月、Discordはゲーマー向けの音声通話・メッセージングアプリとしてローンチされました。今ではマルチプレーをする際の必需品としてゲーム好きなら知らない人はいない存在となり、コロナの影響もあって2020年の月間アクティブユーザー数は1億2000万人に到達しているそうです。

そんな急成長を遂げるDiscordですが、愛好している筆者自身その役割の変化を感じています。それは、単なるコミュニケーションツールから懐かしく心地よいオンラインのたまり場のような場所になってきているのです。

元々サーバーに招待することでコミュニケーションが始まるDiscordでは、始めるきっかけのほとんどが顔見知りの友人とゲームをするときの通話機能が目当てです。役割として求めるものもSkypeやHangoutと変わりはありません。

それがオンラインでしか知らない友人との待ち合わせ場所になり、同じゲームが好きという共通点しかない人との情報交換の場になり、業界単位で良質で早い情報を交換する場に変わってきています。それまでTwitterでたくさんの人をフォローすることで必死に集めていた業界の流れはもはやなんの苦労もなくDiscordで集められるようになりました。Twitterで発信を繰り返し、影響力がなんとなく強まっているように見える「まやかし」のような数字はそこにはありません。

アニメの聖地である秋葉原に赴くような、中国テクノロジーの聖地深センに赴くような、そんな気持ちにさせてくれるコミュニティがDiscordにはあります。Discordを使わない人の最大の誤解は間違いなく「ゲーム向け」というターゲット設定でしょう。

今年のはじめに35億ドルの評価で1億ドルを調達してから数カ月。今回の調達でさらにコミュニティ向けに洗練されていくDiscordがメンタルを落ち着かせられるオンライン空間を作り上げることに疑いの余地はありません。

教育系ARをリードするMergeの戦略を紐解くーーFacebook SparkARへの拡張を発表

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ピックアップ:Merge Brings Hands-on Digital Teaching Aids to Instagram with Merge Cube ニュースサマリ:幼稚園から高校までの教育向けARソリューションを提供する「Merge」は11月20日、FacebookのSparkARプラットフォームに機能拡張したことを発表した。これによりMergeCubeがInstagramカメラ内で利…

Image Credit:Merge

ピックアップ:Merge Brings Hands-on Digital Teaching Aids to Instagram with Merge Cube

ニュースサマリ:幼稚園から高校までの教育向けARソリューションを提供する「Merge」は11月20日、FacebookのSparkARプラットフォームに機能拡張したことを発表した。これによりMergeCubeがInstagramカメラ内で利用可能となる。Instagramで使えるようになった機能は次の4つ。

  • 人体ー鼓動する心臓、頭蓋骨、脳、肺
  • 細胞ー微細な植物細胞、動物細胞、真菌細胞、ニューロン
  • ウイルスー風邪やCOVID-19などのウイルス
  • 太陽系ー太陽系全体の軸方向の傾き、回転や地球と月の公転

話題のポイント:AR / VRのSTEM(科学、技術、工学、数学)プラットフォームとして、米国学校図書館協議会やTech&Learning ISTE 2019などで受賞歴がある同社の特徴は「マーカー」を使ったMerge Cubeにあります。19.99ドルで販売するMerge Cubeは正六面体のそれぞれの面をデバイスに認識させ、デジタルオブジェクトの向きと位置を一致させるためのマーカーの役割を持ちます。真新しい技術ではなく、正六面体の回転情報のやり取りが主となるシンプルな仕組みで動作します。

Image Credit:Merge

今、ARに関わる多くのチームは空中にマーカーなしでデジタルオブジェクトを配置し、様々な入力インターフェイスで操作するようなシステムを開発しようとしています。素直に考えれば、何か基準となる固有のものがないと使用できないシステムは不便そうです。そこでMergeはプラットフォームの中心となる、汎用性の高い皆が持っているハードウェアを売る存在となる戦略を取ります。AlexaやGoogle Home、スマホやPCが分かりやすい例でしょう。

Video Credit:Merge

だからこそコンテンツはMerge Cubeが売れるような、手首をひねって見たくなるような、普段見てるものでも違う側面を覗き込むような感覚が芽生えるものが充実しています。ビジネスモデルのシンプルさが手数を生み、シミュレートされたデジタルオブジェクトを見るというアイディアがウケたのだと思います。さらに言えば、この状態を作れる内容として教育系STEMは相性が良かったと言えます。

さらにこの戦略はMergeにサードパーティを呼び込むきっかけを与えます。

趣味や目的を持ったクリエーターが自己表現の一環として行う二次創作には爆発力があります。コミックマーケットやエンターテイメントの切り抜き動画などは導入として大きな役割を持つ良い例です。なので、今回のSpark ARへの拡張によるInstagram、Facebookでのエフェクト利用は、学生の学習体験を魅力的で有意義なものにするというよりは、クリエーターの自己表現欲を満たしてサードパーティとして参加させる役割の方が大きように思います。

AR/VRが日常生活に普及するキラーハードウェアの登場が待たれる現在において、教育というアプローチで事業を成立させているMerge。たしかにスマホのような革命が起きたときには淘汰される存在になるかもしれません。しかしこういった取り組みを通じてデジタルアセットに慣れ親しんだデジタルネイティブな世代が社会でAR/VRの価値を真に解き放つことを考えれば、彼らの功績はすでに偉大なものと言えます。