THE BRIDGE

Yukiko Matsuoka

Yukiko Matsuoka

1973年生まれ。米国MBA(経営学修士号)取得。起業支援や経営戦略の立案など、約10年にわたる実務経験を経て物書きに転身。スタートアップや技術イノベーションの動向をグローバルな視点から追う。

執筆記事

ヒト・カネ・場所が整いはじめた、韓国のスタートアップシーンの今を探る

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近年、韓国では、政府、大手企業、ベンチャーキャピタル、インキュベーターらのサポートのもと、起業家が増え、スタートアップ企業が次々と誕生し、スタートアップのエコシステム(生態系)が形成されつつあります。 とりわけ、韓国人起業家の台頭は、韓国のスタートアップコミュニティにとって大きな刺激となっています。化粧品に特化したオンラインショッピングサイトを運営する「MEMEBOX」の共同創設者で、最高経営責任…

2015年5月、ソウルで正式にオープンするコワーキングスペース「Google Campus Seoul」
2015年5月、ソウルで正式にオープンするコワーキングスペース「Google Campus Seoul」

近年、韓国では、政府、大手企業、ベンチャーキャピタル、インキュベーターらのサポートのもと、起業家が増え、スタートアップ企業が次々と誕生し、スタートアップのエコシステム(生態系)が形成されつつあります。

とりわけ、韓国人起業家の台頭は、韓国のスタートアップコミュニティにとって大きな刺激となっています。化粧品に特化したオンラインショッピングサイトを運営する「MEMEBOX」の共同創設者で、最高経営責任者を務めるハ・ヒョンソク(Hyungseok Dino Ha)氏もその一人。

2012年2月にMEMEBOXを創業して以来、ソウル・サンフランシスコ・上海の3都市にオフィスを構え、グローバル規模で事業を展開してきました。ハ・ヒョンソク氏は、自らの起業経験をふまえ、韓国のスタートアップ市場について、次のような見解を示しています。

MEMEBOXの共同創設者でCEOのハ・ヒョンソク氏
MEMEBOXの共同創設者でCEOのハ・ヒョンソク氏

「私は、韓国のスタートアップ市場を楽観的にみています。政府はスタートアップ企業を積極的に支援していますし、韓国には、優秀な人材が多くいます。また、ITC(情報通信技術)の発展により、高速の情報通信インフラが比較的安価なのも、利点だと思います。」

起業家やスタートアップ企業を資金面からサポートする動きも、より多様化してきました。「未来グローバルセンター(Born2Global)」をはじめとする韓国政府の起業支援プログラムのほか、2015年2月には、シリコンバレーの「500 Startups」が、韓国のモバイル系スタートアップを対象とする投資ファンド「500 Kimchi」を創設するなど、海外のエンジェル投資家やベンチャーキャピタルも進出。また、「Mashup Angels」や「K Cube Ventures」といった韓国発のベンチャーキャピタルも誕生し、スタートアップ企業の支援に取り組んでいます。

K Cube Venturesの創業者であるイム・ジフン(Jimmy-Jihoon Rim)氏は、韓国の起業家に対して、次のようなアドバイスを送っています。

K Cube Venturesの創業者でCEOのイム・ジフン氏
K Cube Venturesの創業者でCEOのイム・ジフン氏

「世界中の起業家がシリコンバレーに注目していますが、その分、競争が激しいのも事実。一方で、韓国には、まだ、ビジネス機会や市場が多くあります。国外にばかり目を向けるのではなく、韓国内で起業するという選択肢も、十分に検討する価値があるでしょう。」

また、最近、起業家やスタートアップ企業のためのリアルな場として話題になっているのが、Googleが運営するコワーキングスペース「Google Campus Seoul」です。2015年5月の正式オープンに先立ち、2015年4月16日には、テック系メディア「Techcrunch」との共同イベント「Meetup + Pitch-off: Seoul 2015」をソウルで開催。1000人以上が集まり、会場は大いに盛り上がりました。

Meetup + Pitch-off: Seoul 2015の会場の様子。ビールなどの飲み物を片手に、カジュアルなネットワーキングが行われていた
Meetup + Pitch-off: Seoul 2015の会場の様子。ビールなどの飲み物を片手に、カジュアルなネットワーキングが行われていた

Google Campus Seoulの代表を務めるイム・ジョンミン(Jeffrey Lim)氏は、リアルな場が果たすべき役割について、次のように述べています。

「韓国にスタートアップのためのエコシステムを根付かせるためには、互いに助け合い、支え合い、人と人とがどんどんつながっていくことが不可欠。Google Campus Seoulでは、コワーキングスペースやカフェ、イベントスペースといったリアルな場を通じて、フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションしたり、同じ時間や空間を共有できる環境を提供したいと考えています。」

2015年3月、Google Campus Seoulの代表に就任したイム・ジョンミン氏
2015年3月、Google Campus Seoulの代表に就任したイム・ジョンミン氏

このようにスタートアップ企業のための“ヒト・カネ・場所”が徐々に整いはじめた韓国。今後は、「資産や環境をどのように活かし、事業の創出や成長につなげていくのか」が、より重要なポイントとなっていきそうです。

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クリエイティブ・コモンズがオープンソースと事業収益性を融合させるビジネスモデルを開発中

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クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)は、2001年の設立以来、文書・画像・動画・音楽などの創作物について、その権利を保護しながら、複製や再配布、改変などの様々な利用形態を「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license)」として定め、オープンでフェアな創作活動を後押ししてきました。 では、クリエティブ・コモンズ・ライセンスを製品・サー…

Building an open source business by Libby Levi licensed CC BY-SA
Building an open source business by Libby Levi licensed CC BY-SA

クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)は、2001年の設立以来、文書・画像・動画・音楽などの創作物について、その権利を保護しながら、複製や再配布、改変などの様々な利用形態を「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license)」として定め、オープンでフェアな創作活動を後押ししてきました。

では、クリエティブ・コモンズ・ライセンスを製品・サービスに取り入れながら、収益を継続的に得るためには、どうすればよいのでしょうか。この問いに答えるべく創設されたのが「Open Business Models Initiative(オープン・ビジネス・モデルズ・イニシアチブ)」です。

ヒューレット財団(Hewlett Foundation)の助成により、クリエイティブ・コモンズのポール・ステイシー(Paul Stacey)氏とサラ・パーソン(Sarah Pearson)氏が中心となって、2015年3月から本格的に活動をスタートさせました。

開発したフレームワークをCCライセンスで公開

このイニシアチブでは、45カ国470名の共著者が9年の歳月をかけて開発したフレームワーク「business model canvas(ビジネスモデル・キャンバス)」をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で公開。

事業活動、差別化要因、収益モデルなど、9項目を網羅した一覧表にまとめられ、設問に答えながら空欄を埋めていくことで、独自のビジネスモデルを設計できる仕組みとなっています。

Open Business Models Initiativesは、このフレームワークをスタートアップ企業はもとより、既存企業、非営利団体、政府機関など、様々な事業主体に開放し、実際のビジネスに活用した成果や課題をフィードバックさせることで、改善をはかろうとしています。

具体的には、business model canvasのさらなる開発協力や導入成果の共有、改善点の提案など、7つのアプローチを提示し、このイニシアチブに参加するよう、広く呼びかけています。

オープンソース型ビジネスの収益化

オープンソース型ビジネスの収益化については、Linux やNetscape Navigatorらが台頭した1990年代半ば以降、主にソフトウェアの分野でたびたび議論されてきましたが、Open Business Models Initiativesは、画像や動画となどのデジタルコンテンツもその対象として焦点をあて、新たなビジネスモデルを形づくろうという試み。

また、形成プロセスそのものをオープン化し、誰もがこれに参加できる仕組みを整えているのも、オープンなコミュニティによって支えられてきたクリエイティブ・コモンズらしい取り組みといえるでしょう。

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企業の設備投資のあり方を変える、B2Bに特化した資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」

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個人の空き部屋を有料で貸し借りする「Airbnb」に代表されるように、使わずにあまっているモノやサービス、スキルなどをユーザー間で交換したり、共有し合う“シェアリング・エコノミー(共有型経済)”は、近年、一般消費者を中心に、様々な分野で広がってきました。 では、この新しい経済モデルを企業に取り入れると、既存の経営マネジメントや事業活動に、どのような影響を及ぼすでしょうか。 「Floow2」は、20…

B2B特化型の資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」
B2B特化型の資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」

個人の空き部屋を有料で貸し借りする「Airbnb」に代表されるように、使わずにあまっているモノやサービス、スキルなどをユーザー間で交換したり、共有し合う“シェアリング・エコノミー(共有型経済)”は、近年、一般消費者を中心に、様々な分野で広がってきました。

では、この新しい経済モデルを企業に取り入れると、既存の経営マネジメントや事業活動に、どのような影響を及ぼすでしょうか。

Floow2」は、2012年にオランダで開設された、世界初のB2B特化型貸し借りプラットフォームです。ユーザーは企業のみに限定され、一時的に余剰となったスペースや設備、機械などを融通し合うことができます。

具体的な仕組みは、一般の貸し借りプラットフォームとほぼ同じ。オフィススペースや会議室、倉庫、トラックや重機、農機など、貸手が貸し出したいモノを登録する一方、借手はFloow2に登録されているデータの中から借りたいものを探し、貸手と借手が合意に至ったら、貸し出しが実行されます。

なお、貸手と借手の成約時に取引額の一部を手数料として課金する他のプラットフォームと異なり、Floow2の課金モデルでは、貸し借りのために登録されるデータ件数に応じて利用料を支払う形式となっています。


FLOOW2 | How does it work? (UK) from FLOOW2 on Vimeo.
 

Floow2は、事業活動に必要な資産へのアクセシビリティを向上させ、資産の有効利用を促しているのが特徴です。借手にとっては、所有せずとも、使いたいときに使えることで、設備投資や事業コストを軽減できる一方、貸手にとっては、余剰資産を貸し出すことによって収益を得ることができます。

資産へのアクセシビリティが向上し、多様化することによって、従来の設備投資の判断基準や調達活動、資産マネジメントにも影響をおよぼすと考えられます。

たとえば、調達手段を決める際には、購入・レンタル・リースといった既存の手法に加え、「余剰資産を他社から直接借りる」という選択肢も含めた上で、それぞれのメリット・デメリットを比較することが望まれるでしょう。

また、設備投資での投資対効果のシミュレーションでは、余剰時の貸し出しによって得られる収益も考慮される必要があるかもしれません。

Floow2は、今後、シェアリング・エコノミーが企業活動にどのようにとりいれられていくのかを知るための試金石としても、注目されます。

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欧州のスタートアップコミュニティが一堂に会する「Startup Europe Summit」がベルリンで開催

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昨今、欧州の代表的なスタートアップ拠点として注目を集めている独ベルリンで、2015年2月12日、13日の2日間、欧州のスタートアップコミュニティが一堂に会するカンファレンス「Startup Europe Summit(スタートアップ・ヨーロッパ・サミット)」が初めて開催されました。 このカンファレンスは、“欧州におけるアントレプレナーシップの未来”をテーマに、欧州委員会(European Comm…

2015年2月12日、13日にベルリンで開催されたStartup Europe Summit
2015年2月12日、13日にベルリンで開催されたStartup Europe Summit

昨今、欧州の代表的なスタートアップ拠点として注目を集めている独ベルリンで、2015年2月12日、13日の2日間、欧州のスタートアップコミュニティが一堂に会するカンファレンス「Startup Europe Summit(スタートアップ・ヨーロッパ・サミット)」が初めて開催されました。

このカンファレンスは、“欧州におけるアントレプレナーシップの未来”をテーマに、欧州委員会(European Commission)のテクノロジー系スタートアップ推進イニシアチブ「Startup Europe Initiative」、地元ベルリンのテクノロジーハブ「Factory」、グーグルの起業支援プログラム「Google For Entrepreneurs」らが共催。

欧州委員会のアンドルス・アンシプ副委員長をはじめ、政府関係者、学識経験者のほか、マイクロソフト、アウディ、コカ・コーラ、ルフトハンザなどの大手企業、ツイッター、SoundCloud、Stripeらスタートアップ企業、インデックス・ベンチャーズやアクセル・パートナーズといったベンチャーキャピタルを含め、およそ80の企業・団体から600名以上が参加しました。

Startup Europe Summitの特徴は、将来にわたるテクノロジーの進化と、これによってもたらされる、モビリティ・ヘルスケア・トラベル・コミュニケーションなど幅広い領域でのイノベーションを見通した上で、起業家を中心とする“ヒト”、ベンチャーキャピタルや投資家らの“カネ”、テクノロジーハブやコワーキングスペースといった“場所”の観点から、欧州のスタートアップにおける課題を、多角的に議論している点です。

また、これら3つの要素をつなぐためのプラットフォームやコミュニティの重要性が、様々な立場から指摘されていたのも、印象に残りました。

欧州各国のテクノロジーハブの代表者たちが未来のオフィスのあり方を議論し合うパネルディスカッションの様子
欧州各国のテクノロジーハブの代表者たちが未来のオフィスのあり方を議論し合うパネルディスカッションの様子

Startup Europe Summitでは、各国の独自性を尊重しながら、EU全体をひとつの市場のように見立て、国境をこえてスタートアップをサポートするための包括的なフレームワークについても提案されています。ベルリン芸術大学の研究機関「デザインリサーチラボ」のGesche Joost教授は、この点について、次のように提唱しています。

Startup Europe Summitで講演するベルリン芸術大学の研究機関「デザインリサーチラボ」のGesche Joost教授
Startup Europe Summitで講演するベルリン芸術大学の研究機関「デザインリサーチラボ」のGesche Joost教授

「インターネットの普及に伴って、情報やコンテンツが自由にやりとりされるこの時代、国境を越えたコンテンツの共有を推進するためには、著作権の見直しが必要です。また、個人データの取扱いなど、一般ユーザーや消費者の権利を保護するための法整備も、今後の課題となるでしょう」

近年、欧州のスタートアップへの投資額は増加傾向にあり、2014年に欧州のスタートアップ企業が調達した資金額は79億ユーロと、前年から25.4%も増加しています(ダウ・ジョーンズのレポートによる)。

このように投資市場からの資金流入が増える一方で、欧州のスタートアップは、シリコンバレーやニューヨークといった他の地域に比べて歴史が浅く、独自の“DNA”をまだ模索している段階でもあります。

このような現状を鑑みると、Startup Europe Summitのように、官民学が集まり、忌憚なく意見やアイデアを共有し合う場と機会を定期的に持つことこそ、欧州のスタートアップらしいコミュニティやエコシステムを醸成していくための第一歩ではないかと感じました。

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ミラノ国際博覧会で実施されるフードテック系スタートアップを育てる起業支援プログラム「Feeding the Accelerator」に注目

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イタリアのミラノでは、2015年5月1日から10月31日までの6ヶ月間、「Feeding the Planet, Energy for Life(地球に食料を、生命にエネルギーを)」をテーマに、148の国・地域・国際機関が参加する「EXPO Milano 2015(2015年ミラノ国際博覧会)」が開催され、世界から2000万人を超える来場が見込まれています。 中でも、食にまつわるスタートアップコミ…

2015年5月1日から6ヶ月間、ミラノで開催される「EXPO Milano 2015」
2015年5月1日から6ヶ月間、ミラノで開催される「EXPO Milano 2015」

イタリアのミラノでは、2015年5月1日から10月31日までの6ヶ月間、「Feeding the Planet, Energy for Life(地球に食料を、生命にエネルギーを)」をテーマに、148の国・地域・国際機関が参加する「EXPO Milano 2015(2015年ミラノ国際博覧会)」が開催され、世界から2000万人を超える来場が見込まれています。

中でも、食にまつわるスタートアップコミュニティを盛り上げる試みとして注目されているのが、アメリカ館(USA Pavilion 2015)の起業支援プログラム「Feeding the Accelerator(フィーディング・ザ・アクセラレーター)」です。

USA Pavilion 2015の事務総長(Commissioner General)を務めるDoug Hickey氏
USA Pavilion 2015の事務総長(Commissioner General)を務めるDoug Hickey氏

Feeding the Acceleratorは、公募を通じて、食とテクノロジーのイノベーションに取り組むスタートアップ企業を8〜12社選出。

このプログラムは、オンラインとリアルの場を組み合わせた構成が特徴で、2015年7月から2ヶ月間、オンラインによるメンタリングやレクチャーを実施した後、2015年9月には、参加企業の主要メンバーをミラノに招き、世界中からEXPO 2015に訪れる投資家や学識経験者、デザイナー、シェフ、アーティストらとのコラボレーションやネットワーキングを行う流れとなっています。

Feeding the Acceleratorの公募がスタートした2015年3月28日には、第一次審査を兼ねて、ミラノの国際カンファレンス「Seeds & Chips」で、ピッチ・コンペティションを実施。

米国、イタリア、イスラエルなど8カ国からスタートアップ企業17社が、2分間のプレゼンテーションで競い合いました。健康的な食生活をサポートするスマートフォンアプリ「Um.ai」と食料廃棄量をデータで可視化する「MintScraps」が優秀プロジェクトとして表彰されています。

MintScrapsの最高経営責任者Tony Vu氏(中)、USA Pavilion 2015事務総長Doug Hickey氏(左)、Seeds & Chipsの創業者Marco Gualtieri氏(右)
MintScrapsの最高経営責任者Tony Vu氏(中)、USA Pavilion 2015事務総長Doug Hickey氏(左)、Seeds & Chipsの創業者Marco Gualtieri氏(右)

Feeding the Acceleratorは、1990年代のインターネット黎明期から世界の起業文化を牽引してきた米国らしい取り組み。シリコンバレーを中心に、世界のスタートアップ拠点としての役割を果たしてきた経験と実績を活用し、 EXPO2015がテーマとして掲げる“Feeding the Planet(地球に食料を供給する)”を将来にわたってどのように実現していくのか、今後の動向に注目したいと思います。

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イタリアの共同購入型サービス「Groupon Viaggi」からみる、オンライン旅行サービスの可能性

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グルーポン(Groupon)は、2008年、米シカゴで創設され、2010年に米国外へ進出して以降、世界48カ国で展開する代表的な共同購入型クーポンサービス。購入希望者が一定数以上にまとまることで、グルメ・ショッピング・旅行など、様々な商品・サービスを格安で購入できるというものです。 観光立国イタリアでは、2010年の参入と同時に、観光・旅行向けのクーポンサービス「Groupon Viaggi」が開…

観光業界の国際見本市「Bit.2015」に出展したGroupon Viaggi
観光業界の国際見本市「Bit.2015」に出展したGroupon Viaggi

グルーポン(Groupon)は、2008年、米シカゴで創設され、2010年に米国外へ進出して以降、世界48カ国で展開する代表的な共同購入型クーポンサービス。購入希望者が一定数以上にまとまることで、グルメ・ショッピング・旅行など、様々な商品・サービスを格安で購入できるというものです。

観光立国イタリアでは、2010年の参入と同時に、観光・旅行向けのクーポンサービス「Groupon Viaggi」が開設され、初年度だけで9億枚のクーポンを販売しました。その後も、大手旅行予約サイト「Expedia.it」との提携により1000社以上のデータから検索できる「Groupon Marketplace」や、申込時点で予約を確定する「Booking Calendar」など、新たな機能を随時追加し、より多くのユーザーの獲得に努めています。

2015年2月、伊ミラノの観光業界向け国際見本市「Bit.2015」で講演したGroupon ViaggiのAngela Avino(アンジェラ・アヴィーノ)氏によると、2014年第四四半期時点で、Groupon Viaggiのユーザーは、35歳以上が全体の9割を占め、男女比率はおよそ2:3。カテゴリ別にみると、宿泊施設の予約が94%で最も多く、次いで航空券予約が59%で、ユーザーの平均支出額は2,650ユーロ(約34万6000円)となっています。

観光業界の国際見本市「Bit.2015」で講演するGroupon ViaggiのAngela Avino氏
観光業界の国際見本市「Bit.2015」で講演するGroupon ViaggiのAngela Avino氏

Groupon Viaggiに限らず、オンライン旅行サービスを通じたホテルの予約や航空券の手配は、広く普及してきました。Groupon Viaggiのユーザー層よりも若い18歳から34歳までの米国人750名を対象とする、旅行情報メディア「Skift」の調査によると、「昨年、従来型の旅行代理店を利用した」と回答したのはわずか1割にとどまっています。

また、旅行業界に特化したデータ解析企業「Boxever」とSkiftの共同調査では、対象者の40.1%が「実際に予約する前に、3〜5種類のオンライン旅行サービスを利用する」とし、24.5%が「2種類のサービスを利用する」と回答。つまり、オンライン旅行サービスの利用者の約3分の2が、複数のオンラインプラットフォームを利用し、価格やアメニティなどを比較した上で、購入するものを選択していることがわかります。

イタリアは、観光産業が盛んな国のひとつ。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、イタリアの観光・旅行業界が国内総生産(GDP)に占める割合は2013年時点で10.2%となっており、今後10年間、年平均成長率2.2%のペースで拡大していく見込みです。

共同購入型モデルを観光・旅行分野に応用し、比較的高い年齢層のユーザーを獲得しているGroupon Viaggiのように、様々なオンライン旅行サービスが生まれ、販売チャネルやプロモーションチャネルが増えることは、イタリアの観光・旅行業界全体の拡大や発展にもつながることでしょう。

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起業のプロとのWin-Winを目指すコカ・コーラの起業支援プログラム「Coca Cola Founders」

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「ザ コカ・コーラ カンパニー(The Coca-Cola Company)」は、2013年12月末時点で130,600名の従業員を擁し、世界200カ国以上で2400万の小売店と取引する世界最大の飲料メーカー。フェイスブックを通じて9000万人を超えるファンとつながり、世界に影響力のある国際的リーダーやNGO、セレブリティなどとも、幅広いネットワークを持っています。 そこで、コカ・コーラでは、その…

コカ・コーラの起業支援プログラム「Coca Cola Founders」の公式ウェブサイト
コカ・コーラの起業支援プログラム「Coca Cola Founders」の公式ウェブサイト

「ザ コカ・コーラ カンパニー(The Coca-Cola Company)」は、2013年12月末時点で130,600名の従業員を擁し、世界200カ国以上で2400万の小売店と取引する世界最大の飲料メーカー。フェイスブックを通じて9000万人を超えるファンとつながり、世界に影響力のある国際的リーダーやNGO、セレブリティなどとも、幅広いネットワークを持っています。

そこで、コカ・コーラでは、その潤沢な人的・物的リソース、多種多様なネットワーク、世界各地の幅広い層へのリーチを持つ強みを活かして、2013年以降、独自の起業支援プログラム「Coca Cola Founders(コカ・コーラファウンダーズ)」を通じ、起業家やスタートアップ企業をサポートしてきました。



このプログラムが支援対象としているのは、すでに起業経験を持つ“起業のプロ”。一般的な起業支援プログラムのような公募制を採らず、世界の主要なスタートアップコミュニティから有望な人材をコカ・コーラが抜擢する仕組みです。現在、サンフランシスコ、ベルリン、シンガポール、リオデジャネイロなど、世界9都市から選抜された18名の起業家が、このプログラムに参加しています。

また、3ヶ月から6ヶ月程度の限られた期間で実施される一般的な起業支援プログラムと異なり、Coca Cola Foundersでは、時間的な制約を設けず、事業の立ち上げをアイデア段階から十分にサポート。出資やメンタリングにとどまらず、設備、販売チャネル、メディアとのコネクション、マーケティングや税務などの専門知識といったコカ・コーラのリソースとネットワークが開放されていることで、事業創出の質とスピードを高める効果が期待されます。

Coca Cola Foundersは、起業家の事業創出をサポートしながら自社の成長も促すことも狙いとしています。大企業ゆえに不足しがちな機敏性を補い、支援先のスタートアップ企業を通じて、より短時間で効率的に、新しい技術や市場にアクセスしたり、新たな顧客ニーズに応えていこうとしているのです。

大企業によるスタートアップ企業への事業化支援において、両者の“Win-Win”な関係が理想であることは言うまでもありませんが、Coca Cola Foundersは、そのアプローチとして、アイデアやプラン、プロトタイプではなく “人”に着目している点が特徴といえるでしょう。

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ドローンやウェアラブル端末が貸し借りできる、クリエイターのためのプラットフォーム「KitSplit」

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使わずにあまっているモノをユーザー間で貸し借りし合うオンラインプラットフォームは、その代表格である「Airbnb」にちなんで“Airbnb for X”と呼ばれ、多種多様な分野に活用されてきました。 とりわけ、常時利用するケースは少なく、購入するとなると高額になりがちな耐久消費財は、この仕組みになじみやすく、3Dプリンターを貸し借りできる「makexyz」やカメラ機材のための「Camera Len…

ハイテクガジェットを貸し借りできるオンラインプラットフォーム「KitSplit」
ハイテクガジェットを貸し借りできるオンラインプラットフォーム「KitSplit」

使わずにあまっているモノをユーザー間で貸し借りし合うオンラインプラットフォームは、その代表格である「Airbnb」にちなんで“Airbnb for X”と呼ばれ、多種多様な分野に活用されてきました。

とりわけ、常時利用するケースは少なく、購入するとなると高額になりがちな耐久消費財は、この仕組みになじみやすく、3Dプリンターを貸し借りできる「makexyz」やカメラ機材のための「Camera Lends」、建設機械に特化した「EquipmentShare」などが、すでに開設されています。

そして、これを、ドローン(無人航空機)やウェアラブル端末「グーグル・グラス」といったハイテクガジェットに導入したのが、「KitSplit」です。独立系の製作会社やスタジオ、個人で活動するアーティストやクリエイターらを主なユーザー層とし、撮影やコンテンツ製作などに必要なガジェットや機材を短期間で貸し借りするためのプラットフォーム。

会員登録したユーザーであれば、貸し出したいガジェット・機材の情報を公開したり、借りたいものを検索することが可能。貸手と借手がマッチングしたら、価格、期間、盗難・紛失・破損時の補償といった貸出にあたっての諸条件の交渉や、貸出・返却のスケジュール調整を、両者の責任のもとで、直接やりとりする流れとなっています。

KitSplitは、最先端テクノロジーをより多くの創作者が利用できるようにすることで、新たなビジュアル表現やコミュニケーション手法を生み出しやすくするのみならず、モノの貸し借りを通じて、アーティスト、フォトグラファー、映像作家、クリエイターら、多様な才能・スキルを持つプロフェッショナル同士をつなごうと考えています。

単なるモノの貸し借りのみならず、ハイテクガジェットを介したクリエイティブコミュニティの形成を目指している点が、他のプラットフォームとは異なる点といえるでしょう。

現時点において、KitSplitは、ニューヨーク市に限定し、招待制のベータ版を公開中。2015年内には、正式版としてリリースされる予定です。

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街の受け取りスポットで手軽にピックアップできる、都市型レシピ付き食材サービス「Home eat Home」

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あらかじめ下ごしらえされた食材を使い、レシピに従って簡単に調理するだけで、作りたての料理をすぐ食べられる“レシピ付き食材宅配サービス”は、手間をかけずに手づくりの料理を楽しみたい消費者から人気を集め、米国では、「Blue Apron」、「Plated」、「HelloFresh」など、この分野のサービスが次々と誕生しています。 このトレンドは、欧州にも広がりはじめました。そのひとつが、2014年11…

ベルリン発のレシピ付き食材サービス「Home eat Home」の専用ベンディングマシン
ベルリン発のレシピ付き食材サービス「Home eat Home」の専用ベンディングマシン

あらかじめ下ごしらえされた食材を使い、レシピに従って簡単に調理するだけで、作りたての料理をすぐ食べられる“レシピ付き食材宅配サービス”は、手間をかけずに手づくりの料理を楽しみたい消費者から人気を集め、米国では、「Blue Apron」、「Plated」、「HelloFresh」など、この分野のサービスが次々と誕生しています。

このトレンドは、欧州にも広がりはじめました。そのひとつが、2014年11月、独ベルリンでスタートした「Home eat Home(ホーム・イート・ホーム)」。

home eat home

エビとほうれん草のパスタ、豚肉のクリームソース添えなど、3〜4種類の週替わりメニューから選び、1〜2人分の食材とレシピをセットで購入できるサービスです。

Home eat Homeでは、多くの競合サービスが定期購入型モデルを導入するなか、購入ごとに課金するスタイルを採用しており、メニューあたりの価格は4.50ユーロ(約585円)から8ユーロ(約1,040円)となっています。

シンプルな紙袋で包装されたHome eat Homeのレシピ付き食材
シンプルな紙袋で包装されたHome eat Homeのレシピ付き食材

Home eat Homeは、カフェやコワーキングスペースなど、ベルリン市内15カ所に設置された受け取りスポットに商品をまとめて配送することで、宅配よりもシンプルで効率的、かつ、利用者にとってもフレキシブルな物流を実現しています。

具体的には、利用者が発注時に商品の受け取り場所を指定。オンラインで決済すると、パスワードが発行され、利用者は、これを使って、受け取り場所に設置されているベンディングマシンを解錠し、商品を受け取る流れとなっています。



また、Home eat Homeでは、受け取りスポットの拡充に向けて、クラウドソーシングの手法を応用。ウェブサイトを通じて、受け取りスポットの候補地を公募し、一般ユーザーからのオンライン投票で100以上の賛同を得られた場所から、順次、新たな受け取りスポットを増設していく方針です。

Home eat Homeは、利用のタイミングや頻度、受け取り場所を、利用者がフレキシブルに決められるのが利点。必要なときに必要な分だけ利用し、食事のバリエーションを増やすことができる点において、スーパーへ買い出しにいく時間のない“自炊派”から、ときには手づくり料理を食べたい“外食派”や“テイクアウト派”まで、多様なライフスタイルを持つ都市生活者のニーズに応えるサービスといえるでしょう。

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オープンデータを活用して飲食店の衛生レベルを公開する「Yelp」の取り組み

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2004年7月に米サンフランシスコで開設された「Yelp(イェルプ)」は、2014年第四四半期時点で月間ユニークユーザー数1億3500万人、ユーザー投稿数7100万件を擁する、世界最大級の口コミサイト。 数多くの消費者からのリアルな評価や感想が蓄積されたこのオンラインプラットフォームは、いまや、カフェやレストランなどのお店選びに欠かせない情報源のひとつとなっています。 Yelpでは、このプラットフ…

サンフランシスコの飲食店「The Cheese Steak Shop」のYelp情報。右下に衛生レベルを示す「Health Scores」が掲載されている
サンフランシスコの飲食店「The Cheese Steak Shop」のYelp情報。右下に衛生レベルを示す「Health Scores」が掲載されている

2004年7月に米サンフランシスコで開設された「Yelp(イェルプ)」は、2014年第四四半期時点で月間ユニークユーザー数1億3500万人、ユーザー投稿数7100万件を擁する、世界最大級の口コミサイト。

数多くの消費者からのリアルな評価や感想が蓄積されたこのオンラインプラットフォームは、いまや、カフェやレストランなどのお店選びに欠かせない情報源のひとつとなっています。

Yelpでは、このプラットフォームに登録されている飲食店を、ユーザーがより安全、安心に利用できるよう、一般ユーザーからの口コミと合わせ、各飲食店の衛生状態に関する情報を掲載しようと注力してきました。

2013年には、サンフランシスコ市、ニューヨーク市と提携し、行政機関が有する飲食店の衛生検査データをYelpなどのグルメ情報サイトに統合するためのオープンデータ標準「LIVES(Local Inspector Value-entry Specification)」を開発。

サンフランシスコ市が、2013年1月、LIVESに準拠したデータをYelpで公開しはじめたことを皮切りに、ニューヨーク市、ロサンゼルス市といった大都市から、イリノイ州エバンストン市、ノースカロライナ州ローリー市などの地方都市まで、この取り組みが全米に広がりつつあります。

とはいえ、実際、行政機関のデータベースから飲食店の衛生検査データを抽出するのは、けして簡単ではありません。ほとんどのデータは、Yelpのようなオンラインプラットフォームに対応しておらず、データ形式はもちろん、衛生検査の項目や基準も、地方自治体ごとにばらつきがあります。

そこで、Yelpは、2015年1月、オープンデータ専用クラウドサービスプロバイダー「Socrata(ソクラタ)」との提携を発表。サンフランシスコ市やダラス市など、米国の地方自治体も参加するSocrataのオンラインコミュニティ「Open Data Network(オープンデータ・ネットワーク)」にYelpもメンバーとして加わり、LIVESをより広く普及させるのが狙いです。Socrataは、自社の顧客である行政機関に必要な技術サポートを無償で提供し、この取り組みを後押ししています。

一般消費者にとっては、利用しようとする飲食店の料理の味や店内の雰囲気、サービスの質のみならず、衛生レベルも、気になるところ。Yelpは、ユーザーからの投稿だけでなく、行政機関からの公的データをも集約することで、利便性を高め、ユーザーのより適切な意思決定をサポートし、ひいては、人々の生命と健康の保護に寄与しようとしています。

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