THE BRIDGE

ゲストライター

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「The Bridge」はアジア圏の起業家と投資家をつなぐプラットフォームです。スタートアップに関するニュースサイトとデータベースを融合して、Bridgeスコアによってスタートアップへの注目度を数値化します。

執筆記事

AIは人類の「わかりあい」に寄与できるのか

世界には戦争や孤独死、自殺といった大きなイシューがあります。人々は人種や国、社会、格差、さまざまな「違い」に直面し、どこかに答えを見つけようともがき、苦しむ。その一端がこのような問題として現れているのかもしれません。 わかりあいーーこの大きな問題に立ち向かう時、私たちの味方になってくれるのはお互いを思いやる心です。しかし、これは「誰もがわかりあえる」という考えではなく、わかりあえる人同士がちゃんと…

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世界には戦争や孤独死、自殺といった大きなイシューがあります。人々は人種や国、社会、格差、さまざまな「違い」に直面し、どこかに答えを見つけようともがき、苦しむ。その一端がこのような問題として現れているのかもしれません。

わかりあいーーこの大きな問題に立ち向かう時、私たちの味方になってくれるのはお互いを思いやる心です。しかし、これは「誰もがわかりあえる」という考えではなく、わかりあえる人同士がちゃんと出会えることで、みんなの願いがつながる世の中を目指す、ということにほかなりません。

そしてこのプロセスに、私たちはテクノロジーで挑戦したいと考えています。

AIでわかりあう人と人

今、世の中の流れとしてTikTokのように、機械学習を駆使した独自のアルゴリズムによって極めて精緻なコンテンツ・レコメンドを実現し、ユーザーがアクティブにサービスを利用できる環境を提供している例が出てきています。つまり、マッチングへの利活用です。

実は今、私が開発に携わっているライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」でも、AI(機械学習)を活用したコミュニケーション強化検証の一環として「ゲーム画面の推定」という施策を実行したことがありました。

これは配信画面から何のゲームをしているのかを推定し、タグを自動設定するもので、配信時に設定を忘れた(間違った)ユーザーさんのゲームタイトルが自動設定されることにより同じゲームを好きな視聴者さんに見つけてもらいやすくなる、というシンプルな検証例です。

小さな一歩ですが、この延長上に人と人がつながるメカニズムの「答え」があると感じています。

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Mirrativが保有する1000万人規模のコミュニケーションデータに眠る「わかりあい」解明の鍵

わかりあうための実現に必要なもの

では、もっと多くの人たちを繋ぐためには何が必要なのでしょうか。その一つにやはりデータがあります。Mirrativは現在1000万人規模のユーザーIDを保有しており、極めてユニークなコミュニティとそのコミュニケーション履歴が蓄積されています。

例えばMirrativでは視聴者10人以下の配信が8割を占めており、双方向性や熱量の高い、小さなコミュニティが無数に存在しています。また、配信者160万人、ゲームの画面、配信中の音声、視聴者や履歴、コメントなどなど、ずっとつながり続けたことで蓄積されたこれらのデータは「わかりあい」の解明を助けてくれることになるでしょう。

一方、ナマモノかつ変化が多いゲーム映像配信とコミュニケーションには、膨大なデータ転送及び解析の高速化とコストの削減、そして、学習を最小限に抑えた柔軟な運用体制の構築という難題もあり、技術的にも非常にチャレンジングかつ、エキサイティングな領域であることも事実です。

さいごに

人と人とのつながりは奥深いものです。私が新卒で入社したミクシィのSNSやゲームもしかり、最近の短尺動画、位置情報をオープンにしてどこかにきっかけを見つけようとするサービスなど断片的な情報で人はコミュニケーションをとるようになってきました。Mirrativは逆に配信を通して「ずっとつながっている状況」を作り出して、新たなコミュニケーションのあり方を見つけようとしています。

つながりはどこかで必ず、人と人との間に「わかりあい」を作ってくれます。このお互いを思いやる気持ちが世の中に溢れることで、世界が少しでもよくなってくれればと思っています。

<参考情報>

本稿はライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」に新設されたAI技術部のAIアドバイザーに就任した長谷直達氏によるもの。チームに参加したい方はこちらからコンタクトされたい

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優秀な高度外国人材を日本企業が獲得する方法、あるいはその理解について

出生数90万人割れのニュースが話題になっています。 少子高齢化が加速する日本において、企業経営する私たちが注目すべきポイントはやはり労働人口の変化でしょう。実際、2030年には大きな労働人口の減少が予想されており、その対策は急務になっています。 このレポートにもある通り、解決策のひとつが「日本で働く外国人材を増やす」ことです。総務省の2019年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人は19…

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出生数90万人割れのニュースが話題になっています。

少子高齢化が加速する日本において、企業経営する私たちが注目すべきポイントはやはり労働人口の変化でしょう。実際、2030年には大きな労働人口の減少が予想されており、その対策は急務になっています。

このレポートにもある通り、解決策のひとつが「日本で働く外国人材を増やす」ことです。総務省の2019年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人は1968年に調査を始めて以来最大の減少幅を記録し、対照的に在日外国人過去最多の266.7万人まで増えています。

そして、日本総合研究所によると2018年時点で146万人だった外国人労働者は2030年までに最大で400万人弱まで増える可能性があるという調査結果も公表されています。外国人材の受け入れはもはや特別な選択ではなくなりつつあるのです。

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(出所:図:日経ビジネス、人口は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」、外国人労働者は厚生労働省、2030年の外国人労働者の予測は日本総研による)

では、労働力として優秀な外国人材を受け入れる企業側にはどのような視点が必要になるのでしょうか。

今の日本にとって必要な外国人材とは

私自身これまで留学生として日本の大学で学び、働き、その生活の過程で外国人材にとって日本の素晴らしい部分と「負」の部分の両方を身をもって体験しました。

日本は今、国策として単純労働者を2025年までに介護、外食、建設といった14の業種において最大で35万人の外国人単純労働者を受け入れる「特定技能」という新しい在留資格を新設しています。

しかし正直、イチ外国人として私は日本の単純労働環境及び労働条件には魅力を感じません。同じく出稼ぎに行くのであれば経済成長著しい中国やシンガポールといった国の方が断然コスパがよいと思います。

そんな私から見て、少子化による人手不足が深刻化する昨今の日本に必要となってくるのは一人当たりの生産性が高く、社会のコア人材として今後、長期にわたって活躍できる高度外国人材やその候補者なのです。私たちはそんな人材を「インバウンド・タレント」と呼んでいます。

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左:最高技術責任者(CTO)胡 華、中:代表取締役社長(CEO)仲 思遥、右:最高戦略責任者(CSO)娄 飛。Lincでもメタップスやメルカリで活躍してきた高度外国人材を採用して経営体制を強化中

働き先として日本が魅力的になるためには

企業経営者として彼らを受け入れることができれば、組織の可能性は飛躍的に広がります。留意すべきポイントは大きく分けて二つです。まず、働き手のリテンション(働きやすさ)を大事にすること、そして彼らに日本における「信用」を提供することです。

インバウンド・タレントが日本で働く上で直面する最大の問題の一つに、企業文化に対する順応や企業の期待値と個人の成長のギャップといった働き手との「ミスマッチ」があります。異なる社会で生まれ育った背景がそれをより大きな問題にしてしまうのです。

結果、私は今までたくさんの優秀なインバウンド・タレントがミスマッチにより一年未満で退職するケースを目の当たりにしてきました。

今のHR市場では「如何に採用まで結びつけるか」というリクルーティングの部分ばかりに焦点が当たっている印象が強いですが、より優秀なインバウンドタレントに来てもらうためには、採用した後「如何に定着し、長期的に良好な関係性を築き、気持ち良く働いてもらえるか」というリテンションの部分の方が圧倒的に大切になります。

また、高めないといけないのは企業におけるリテンションだけではありません。日本社会全体でも同じことが言えます。

どんなに優秀なインバウンド・タレントでも来日直後は社会的な「信用」がありません。そして「信用」がないため家を借りることすら困難で、生活がとても不便になるのです。

つまり、今後の日本に必要なのはインバウンド・タレントの「信用」をスコアリングできる仕組みなのだと思います。日本での「信用」が定量的に可視化されれば、彼らは日常生活がスムーズになり、結果、長期的な戦力として活躍してくれることになる、というわけです。

一方、社会としてこれに取り組むにはもう少し時間が必要でしょうから、こういったインバウンド・タレントを迎えたい企業は、積極的に彼らの「信用」を担保する仕組みを提供すべきです。

これら「リテンション」と「信用」をスコアリングする仕組み、これこそ外国人材にとって30年後も日本を魅力的にするために一番必要なことではないでしょうか。

なお、私たちは来るべく「大労働力不足時代」を見据え、圧倒的に増えるであろう外国人材の日本における留学、就職、生活を支えるライフイベント支援プラットフォームになることを目指しています。

<参考情報>

本稿は高度外国人材向け日本留学サポートプラットフォームLincStudyを提供するLinc代表取締役、仲思遥氏によるもの。Twitterアカウントは@shiyo_naka。Lincの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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第4次産業革命の今、私たちはどこに人生をかけるべきか

デジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを耳にする機会が増えてきました。経済産業省も昨年あたりから特設のページを用意するなど、企業啓蒙に力を入れているテーマです。非常にざっくりと説明すると情報化技術を活用したイノベーションのことなのですが、大きく分けて2つの取り組みに分類できます。 1:非効率な業務オぺレーションのデジタル化 2:自社のアセットやサービスのデジタル対応 前者について…

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デジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを耳にする機会が増えてきました。経済産業省も昨年あたりから特設のページを用意するなど、企業啓蒙に力を入れているテーマです。非常にざっくりと説明すると情報化技術を活用したイノベーションのことなのですが、大きく分けて2つの取り組みに分類できます。

  • 1:非効率な業務オぺレーションのデジタル化
  • 2:自社のアセットやサービスのデジタル対応

前者については日増しにその必要性を感じるシーンが増えているのではないでしょうか。紙や手書きでデータも資産として蓄積されない、そんな非効率の先に待っているのは競争力の低下だけではありません。例えばパーソル総合研究所が今年3月に出したレポートによれば、2030年の日本には650万人近くの人手が足りなくなるそうです。人材の採用がままならない状態で業務だけが残る、そんな状況がもう目の前に迫っているのです。

生き残りをかけた「攻めのDX」

守りのDXに対して攻めのDXが後者の考え方です。単なる業務効率化には留まらず、産業そのものを持続可能な形にトランスフォームし、全く新しい世界観を実現することが、DXの本質だと考えます。

例えば私たちの支援先に助太刀というスタートアップがあります。建設業で働く親方や工務店を現場とマッチングするアプリで、建設現場の人手不足の問題をオンデマンドの考え方で解決しよう、という試みです。働く人たちの不便をうまく解決したことで、創業から2年弱ながら9万人以上の方々が利用するまでに拡大しています。

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ここに注目したのが彼らと資本業務提携を結んだ工機ホールディングスさんやJA三井リースさんです。工事現場で必要な工具や建機がもし手元になかった場合、取り寄せるのにはそれなりの時間が必要になります。しかし、日々、現場仕事と親方たちをマッチングする流通網があれば、その時間が随分と短縮できるかもしれません。

「助太刀」というDXが生まれたことで、仕事が貰えて応援も呼べる、材料や工具、建機リースもその日のうちに現場に届く。このような新しい世界観でビジネスが可能になったのです。

DXを推進するべきかどうか、ではなく、どうやって最高のDXを自社のものとするか。この視点が差を生み出すのはもう間違いありません。実現に向けて自社での新規事業開発やM&Aだけでなく、助太刀のようなスタートアップとの協業によるオープンイノベーション戦略も積極的に検討すべきでしょう。

第4次産業革命の今、私たちはどこに人生をかけるべきか

私たちは今、第4次産業革命と言われる、大きなデジタル化の波の中に生きています。本稿で書いた通り、企業や産業のDXは上滑りの言葉だけでなく、生き残りに必須のテーマになっています。その一方、DXが業界として進んでいるのは小売と広告だけで、産業全体の10%程度とも言われています。

つまり、伸び代しかない。

また、DXは効率化や新しい価値創造を通して既存事業を大きく前進させ、人々の生活をより便利で豊かに進化させていくための取り組みでもあります。

DX領域を攻めることのできる人材や起業家というのは限られています。産業に対して深い知見と情報技術に対する造詣があり、かつ、常に疑問を持ち、それを解決しようという姿勢がなければ立ち向かえないからです。しかし、だからこそそれが真に必要とされた時、社会全体を、世界を変えることにも繋がるのです。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズ代表取締役で、ジェネラル・パートナーの田島聡一氏によるもの。Twitterアカウントは@soichi_tajima。11月2日にDXをテーマにした採用・転職イベント「Meet by Genesia」を開催予定。くわしくはこちらから。

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フードテック分野でも先進国、イスラエルで開催された「FoodTech IL 2019」に潜入——世界30ヶ国から1,200名超が集結 【ゲスト寄稿】

本稿は、イスラエル・テルアビブを拠点に事業展開している、Aniwo で事業開発を担当する Tomoko Sugiyama 氏による寄稿。 2019年5月に Aniwo に参画し、9月よりイスラエル駐在。 以前は、Amazon Japan で事業開発、ソフトバンクモバイルで事業開発を担当していた。 イスラエルは国土の60%が砂漠地帯であり、決して肥沃な農業地帯とは言えない国だ。そんな国土でも、土に頼…

Tomoko Sugiyama本稿は、イスラエル・テルアビブを拠点に事業展開している、Aniwo で事業開発を担当する Tomoko Sugiyama 氏による寄稿。

2019年5月に Aniwo に参画し、9月よりイスラエル駐在。

以前は、Amazon Japan で事業開発、ソフトバンクモバイルで事業開発を担当していた。


イスラエルは国土の60%が砂漠地帯であり、決して肥沃な農業地帯とは言えない国だ。そんな国土でも、土に頼らない灌漑農業やその他の農業技術を駆使することで、90%以上の食料自給率を誇り、アグリテックが非常に盛んである。

農業にとどまらず、フードテックにおいてもイスラエルは先進国だ。PepsiCo がイスラエルの SodaStream を買収したように、国内外の大手食品メーカーがイスラエルスタートアップを買収し、その R&D をイスラエルで行うというモデルが出来上がりつつある。近年では政府がフードテック特化インキュベータ The Kitchen FoodTech Hub に出資、国としてもフードテックを重要カテゴリと位置付けていることの現れだ。

テルアビブ市内の FoodTechIL 2019 会場
Image credit: Tomoko Sugiyama / Aniwo

そんなアグリテック、フードテックが盛り上がりを見せるイスラエルの都市テルアビブで、2019年9月22日から26日までの5日間、食に関するカンファレンスやさまざまなイベントからなる催し「AgriFood Week」から開かれた。中でも、23日に開催された「FoodTech IL」は、世界中30ヶ国からフードテック関連の大企業・スタートアップ関係者1,200名以上が一堂に会する一大イベントだ。

<情報開示> Aniwo は、AgriFood Week の一部として開催されたオープンイノベーションプログラム「Global Ag&FoodTech TLV ’19」のパートナーを務めた

食品業界は横の繋がりが強く、10時のオープニングを前に早くも多くのゲストが集まり、コーヒーを片手にお互いに再会の挨拶を交わしている姿が目立った。イスラエルの食品メーカー大手 Strauss Group がカンファレンスのスポンサーを務めており、朝のコーヒータイムで提供されているフードは、Strauss 製品のオンパレードだった。

会場で提供された Strauss 製品
Image credit: Tomoko Sugiyama / Aniwo

午前中のセッションでは、食とテクノロジーに関わる6名が登壇した。オープニングスピーカーは Strauss Group 会長 Ofra Strauss 氏。「食は自分自身を位置付ける上で重要な要素」と、食の大切さを伝え、同時に持続可能な食の生産環境を維持することの大切さについても触れていた。

また、変わり種のスピーカーとしては、月面探査機の月面着陸プロジェクトを進めるイスラエルの民間宇宙団体 Space IL の共同創業者 Yariv Bash 氏が登壇。フードテックとは異なるものの、チャレンジすることの大切さを述べていた。

別会場では並行して終日 Startup Exhibition が開催されており、フード関連のスタートアップ40社が出展していた。にぎわいを見せていたのは、大豆から作った肉などの代替プロテインや、海藻・藻類を利用した食品や牛乳の代替食品など健康関連企業のブースだ。

代替ミートの開発を行う Rilbite はミートボールの試食を行なっていて、私も試食させてもらった。食感はやや硬めのミートボール。味はやや大豆の風味が感じられるが、癖はなく食べやすい。

Rilbite のミートボール
Image credit: Tomoko Sugiyama / Aniwo

やはり皆が注目している分野のようで、既に日本の大手企業からも商談が舞い込んでいるそう。3Dプリントしたステーキにお金を払う時代がもうすぐ来るのだろうか。

午後のプログラムはスモールセッションとスタートアップのコンペティッション。スモールセッションでは、食と健康、未来のプロテイン、プラスチック問題など食に関する様々な課題に関するディスカッションが行われた。いずれのセッションも大手食品メーカーがリードして行われており、セッションで議論されていた内容は、まさしく食品メーカー各社が取り組むべき課題でもあるということが感じ取れた。

クロージングを飾るコンペティッションでは、キノコの菌を利用した代替ミートの開発を手がける Kinoko-Tech や、既にサービスローンチ済みの、食品ロスの削減を目指す SpareEat などがピッチを行なっていた。優勝したのは、特別な孵化装置を利用して鶏卵の性別を変えることで屠殺されるオスの鶏の削減に取り組んでいる SooS Technology。この結果に関しては賛否両論あるようだった。

SooS のチーム
Image credit: SooS CEO Yael Alter

フードテックと一口に言っても領域と可能性は幅広く、皆が注目している理由が納得できた。イスラエルが持つ技術が今後食にどう活かされていくのか、改めて考える良いきっかけとなるイベントだった。

<参考文献>

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コーチングが必要な4つの理由、あるいは成長のための灯火を見つける方法

「コーチング型マネジメント」という言葉をご存知でしょうか。 コーチングとはそもそも、「人の意見を引き出し、相手の成長を促すコミュニケーションスキル」です。 相手が何らかの課題や目標を抱えて行き詰まっているとき、コーチングの手法を使って話しかけることで、相手に「どうすればそれを解決できるのか」を自分の力で考えさせ、課題克服や目標達成に向けて前向きに行動するように導くことができます。 この「質問力」と…

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「コーチング型マネジメント」という言葉をご存知でしょうか。

コーチングとはそもそも、「人の意見を引き出し、相手の成長を促すコミュニケーションスキル」です。

相手が何らかの課題や目標を抱えて行き詰まっているとき、コーチングの手法を使って話しかけることで、相手に「どうすればそれを解決できるのか」を自分の力で考えさせ、課題克服や目標達成に向けて前向きに行動するように導くことができます。

この「質問力」と「聞く力」を応用しメンバー対し「自分の強みはなにか」「自分がどうしたいか」に自分で気づかせることで、自主的に行動する人材へと育てるマネジメント方法を「コーチング型マネジメント」と言います。

しかし、コーチングはこのようにメンバーの育成に有効なだけではなく、起業家・マネージャー自身こそが、コーチングセッションを受けることでより高いリーダシップを発揮できるようになると考えています。

そこで本稿ではコーチングをうけるべき理由について整理してみたいと思います。

理由1:課題・目的の言語化ができることで発信力があがる

伝えたいことやビジョンはあるのに、どうも周りにうまく伝わっていないように感じるということも少なくないのではないでしょうか。それらの原因の一つとして「自分の考えをはっきりとした言葉に落とし込めていない」ということがあります。この問題を解決するのが「言語化」です。

業務に追われて考えを固めきれていない「もやもや」を、コーチの質問によって言語化することでより明確に、かつ伝わりやすい発信ができるようになるのです。

理由2:精神的に安定する

起業家・マネージャーというのは一般的に心労が耐えないものです。先行きが不透明な中で結果がでなければ次第にモチベーションは下がっていきますし、事業の成長に伴って、社員や幹部との軋轢が生まれたり、成長痛とも言えるようなトラブルが多発すると思います。

一方で、責任が重くなるほどに相談相手も少なくなっていくというのが現状です。

そんな時、正直に弱音を吐き、愚痴を言い、虚勢を張ることなく話ができる利害関係のない第三者がいることは、心の重荷をずいぶんと軽くしてくれるものです。

またコーチングセッションによって普段考えないところまで深く内省し、自分の内発的な理想「本当はどうしたいのか」について答えを見つけられることによって、外的なトラブルでブレることのないメンタルを作ることもできます。

理由3:怒ってくれる人がいなくなることによる成長の鈍化を止められる

ある程度キャリアを積むと直面するのが「怒ってくれる人」の存在です。

責任範囲が大きいほど自分に対し率直なフィードバックをくれる人が少なくなり、成長が鈍化するという課題もあります。また、自分自身のキャリアや育成にコミットしてくれる存在も年を追うごとに減っていくのです。だからこそ、コーチと一緒に自分自身の現状について客観的に振り返っていくことで、今まで認識していなかった課題を明確化し、改善に向けたプロセスをつくることができます。

理由4:悩む時間を圧縮し行動が早くなる

ずっと同じことで悩んでいる、という経験はないでしょうか。人間には思考の癖というものがあり、どれだけ真剣に考えていても同じことをぐるぐると考えているだけで解決に向かった思考ではない時間に陥ることは誰でもあると思います。

また、断片的に考えては他のことに取り組み、悩みを繰り返していて長い間同じことが頭にもたげて気が重いなんてこともあるあるです。そんなときコーチングの時間はテーマと強制的に向き合う時間を取ることができ、短時間で「悩み切る」ことができるので、結果的に同じ結論を早く導いて行動に移すことができます。

いかがだったでしょうか。終身雇用や年功序列といった組織モデルが機能していた時代、こういった役割は会社や社会が自然と担ってくれていたかもしれません。しかし、労働力のバランスが変化する中、人生の大部分を占める働き方は流動的になっています。社会がスキームを提供しづらい今、より個人の意識が重要視されているのではないでしょうか。

人生の目標という大きなテーマに対して、コーチングという「How」がひとつの灯火となれば幸いです。

<参考記事>

本稿はコーチングマッチング「mento」を提供するウゴク代表取締役、木村憲仁氏によるもの。Twitterアカウントは@norikmr。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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行動原理は「尊敬、突撃、優勝」。いつ死んでも後悔のない成果を出すために、ペイミーがやってるカルチャーづくりについて

サービスが市場に受け入れられたスタートアップに待ち構えるハードルのひとつに「組織づくり」があります。世の中にはいろいろなメソッドがあるようですが、実際、どのようにしてクリアしているのでしょうか? こんにちは。給与を即日に支払える「Payme」を開発・運営しているペイミー代表の後藤道輝です。ペイミーは現在20名ほどの体制でまさにその壁を楽しみながら乗り越えようとしている最中です。 少しだけ私たちのこ…

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20名ほどのスタートアップが拡大に向けて取り組むカルチャーづくり(Paymeメンバー)

サービスが市場に受け入れられたスタートアップに待ち構えるハードルのひとつに「組織づくり」があります。世の中にはいろいろなメソッドがあるようですが、実際、どのようにしてクリアしているのでしょうか?

こんにちは。給与を即日に支払える「Payme」を開発・運営しているペイミー代表の後藤道輝です。ペイミーは現在20名ほどの体制でまさにその壁を楽しみながら乗り越えようとしている最中です。

少しだけ私たちのことをお話すると、人手不足などで困っているレストランなどの事業者の方が、多種多様な人たちに働いてもらえるよう「給与日払い」という選択肢を提供できるお手伝いをしております。現在、300以上の企業に導入していただき、流通している金額もこの半年で倍増しています。

私たちがサービスを開始した2017年の夏頃に比べると、ニュースなどで「給与即日払い」という文字を見かけることも多くなりました。こういった世の中のモメンタムを感じられる状態になると、参入してくる事業者も増えてきます。例えば1990年代〜2000年代初頭には消費者金融が全盛になった時期がありまして、グレーゾーン金利などの問題から激しいブームアンドバーストを起こしたことはご存知の通りです。

こういった激しいアップダウンがある場所には野心的な人が集まりますし、採用や組織づくりは経営陣にとっての腕の見せ所でもあります。私たちがこの課題に対して取り組んだのは次のようなことです。

  • 目指す世界の言語化
  • 迷った時のルール「行動規範(バリュー)」づくり
  • カルチャーを定着させるための「仕組み化」

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まず、そもそも私たちが強く願っている理想があります。それは想いや才能ある若者たちが公平に夢をつかみ取れる、そんな世界のことです。もちろんビジネスなので継続的な仕組みにするためのビジネスモデルは必要ですが、それ以上に作りたい世界の方が大切です。これを言語化し、チームの日々の行動やプロダクトにそのエッセンスが反映されていないとその他多数のサービスと根本的な差別化は不可能です。

例えばAmazonには「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」というカルチャー・メッセージがあり、これがすぐに届くプライム、いつでも読めるkindle、すぐに使えるAWSといったサービス群を生み出す自律的な組織づくりに貢献したのは有名な話です。結果、どのコマースとも違う独自の世界を作り出しました。

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カルチャーの明文化ができたら次はルールです。人は迷います。判断に迷った時、誰かに聞くのではなく、自分自身で判断できる基準があれば組織は自律的に活動することができます。私たちはこの行動のためのバリューを一つの行動規範、三つの行動原理として表現しました。それが「いつ死んでも後悔のない成果を出す」の一文と、「尊敬、突撃、優勝」という三つの行動原理です。チームはみな、迷った時にこのバリューに照らし合わせて意思決定をします。

最後に。いくら解像度高く言語化しても、それぞれの体内にこの考え方がインストールされていなければ自律的な組織にはなりません。そこで様々なシチュエーションでこれらに触れる機会を作るのですが、大切なポイントに「仕組み化」の考え方があります。

例えば私たちは毎週全員で集まって定例をするのですが、ここで週次のMVPを選出します。パフォーマンスももちろんですが、同様にバリューを体現できているかも重要なポイントになります。こういったアワーディングをシステムとして組み込むことで自然とカルチャーが定着するような工夫を取り入れています。

いかがだったでしょうか。このカルチャーの取り組みは各社多種多様で、個人のファッションスタイル同様、どれも正解はありません。同じぐらいのステージにいる組織の方の参考になれば幸いです。

本稿は給与日払いシステム「Payme」を提供するペイミー代表取締役、後藤道輝氏によるもの。Twitterアカウントは@MichiteruGoto。チームに興味がある方や、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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テスト不足でサービス公開を失敗しないためにーー経営者が知るべきソフトウェアテスト自動化、三つの視点

今、世の中の大きな関心事に働き方改革や雇用・就活など、労働市場に関する話題があります。特に人材の不足については問題になっており、例えばパーソル総合研究所が今年3月に出したレポートによれば、10年後、2030年の日本には650万人近くの人手が足りなくなるそうです。 対策としてはこのレポートにもある通り、女性やシニア、海外の方など、これまで潜在的だった労働力を顕在化させる、というのが最もわかりやすい例…

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今、世の中の大きな関心事に働き方改革や雇用・就活など、労働市場に関する話題があります。特に人材の不足については問題になっており、例えばパーソル総合研究所が今年3月に出したレポートによれば、10年後、2030年の日本には650万人近くの人手が足りなくなるそうです。

対策としてはこのレポートにもある通り、女性やシニア、海外の方など、これまで潜在的だった労働力を顕在化させる、というのが最もわかりやすい例ですが、もう一つ、そのオルタナティブとして「業務効率化」も重要な施策として挙げられています。つまり、1人あたりの生産性をあげることで、労働力需要を下げる、という方法です。

私たちが提供しているAutifyもそのひとつです。来るべく「大労働力不足時代」に備え、ソフトウェアテストの自動化に取り組んでいます。

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労働市場の未来推計 2030・出典:パーソル総合研究所

一方、ソフトウェアテストは事業者にとってその重要性や、推進の方法などに温度差があるのも事実です。実際、ここ最近もキャッシュレス推進の波から大きなインフラの開発が話題になっていましたが、十分なテストが実行できなかったのではないかな、と見受けられる事例もありました。

万が一大きな問題を抱えたままサービスを公開してしまえば経営に与える影響は甚大です。しかしそれらを検証する専門の人材を採用し、組織を自社で構築するというのはそう簡単なことではありません。多くは開発を手がけるエンジニアの方が、その延長でテストまで手がけているのではないでしょうか。

ではこういった現実的な開発の現場で、経営者としてテストを効率的かつ効果的に進めるにはどのようなポイントを押さえることが必要なのでしょうか? テストの効率化を進めるに当たって、自動化は非常に効果的な手法ですが、正しく進めないと効果があげられなかったり、形骸化することが非常に多いです。

そこで次の3つをまず検証することをお勧めします。

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ソフトウェアテストを成功に導くのは入念なシナリオづくり

テスト自動化、必要な3つのステップ

1. 自動テストと手動テストを切り分ける

まず、理解しなければならないのは「全てのソフトウェアテストが自動化できるわけではない」ということです。人がやった方が効率的なものもあります。例えば、動画サイトの映像や音声の確認といったテストは自動化の難易度が非常に高いため、人が確認した方が早いし手間がかかりません。

テストにはまず、実際に使われるケースを想定したシナリオを作成するのですが、自動化を始める前にまず現状のテストケースを見直して、どこまで自動化するのか切り分ける作業をしっかりと計画することが大切です。ここが曖昧だと手戻りが多く、結果的にミスや工数の膨張に繋がります。

2. 自動化の担当者を決める

テスト自動化は一度設定すればおしまい、というものではありません。例えば効果測定など別の検証に合わせて機能の修正をする場合、それに応じて都度修正やメンテナンスが必要な可能性がでてきます。この時に大切なのが「誰が自動化の責務を担うのか」という担当の明確化です。担当が自動化の取り組みを管理することで作業の形骸化を防ぎ、テスト自動化のプロジェクトそのものを効率化することが可能になります。

3. 開発のワークフローに組み込む

自動化を行っても気が向いたときに実行するだけだと、機能変更が起きた際に動かなくなり、そのまま放置して自動化が形骸化するケースが非常に多いです。これでは意味がないので、例えばリリースの前に自動的にテストが回るようにCIを組んでおいたり、毎朝や毎晩、定期実行を行うなどして日々の開発業務フローの中に組み込むことが大切です。

今、全てのサービスはソフトウェア化が進んでおり、多くの経営者にとってシステムの開発は他人事ではありません。開発競争は激化し、特にエンジニアの需給バランスは大きく崩れている状況です。このような市場環境において、少ないリソースで最大限の効果をあげることは経営者として求められる力なのではないでしょうか。

本稿は人工知能でソフトウェアテストを自動化するプラットフォーム「Autify」創業者の近澤良氏による寄稿。Twitterアカウントは@chikathreesix、自動化のコストメリットなど興味ある方はデモリクエストされたい

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プロフェッショナルは世界を変えることができる

こんにちは。グローバル・ブレインの百合本安彦です。 グローバル・ブレインでは投資したスタートアップを徹底的に支援するため、30名のキャピタリストを含む多様な人材を採用し、50名以上の体制で現在も組織を拡大中です。そして私はこのチームが国内VCとして、最も手厚くハンズオン支援できる体制であると自負しております。 結果として、私たちはメルカリやラクスル、ギフティ、BASE等、日本を代表するスタートアッ…

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こんにちは。グローバル・ブレインの百合本安彦です。 グローバル・ブレインでは投資したスタートアップを徹底的に支援するため、30名のキャピタリストを含む多様な人材を採用し、50名以上の体制で現在も組織を拡大中です。そして私はこのチームが国内VCとして、最も手厚くハンズオン支援できる体制であると自負しております。

結果として、私たちはメルカリやラクスル、ギフティ、BASE等、日本を代表するスタートアップへの投資、及び育成を通じて彼らと共にIPOにまでこぎつけることができました。しかしその一方で、グローバルに活躍できるスタートアップを十分に輩出できているかと問えば、まだまだ十分とは言えません。

この使命を果たすためには、弊社として再度支援体制を見直す必要があると考えています。

例えば、私がベンチマークしているUSのVC、Andreessen Horowitzは、事業を成長させる上でのペインポイントだった採用、マーケティング、事業開発等に特化した人材を揃えています。

ハンズオンで投資先に関わるスタイルを確立し、15人のGPと32人の投資プロフェショナルに加えて、Market Development, Executive Talent, People Practices & Technical Talent, Marketing, Corporate Development, Operationsにおいて110人以上のプロフェッショナルが投資先企業を支援しています。

Andreessen Horowitzのこの支援体制は大きな金額を投資し、ハンズオフで短期間に売り抜けることでキャピタルゲインを稼ぐ、現在のシリコンバレーの潮流のアンチテーゼとして提唱されていると思います。

私もまた、彼らのような中長期的な視点でスタートアップの事業創出・成長に徹底的にコミットしていく新しいVCの在り方・チャレンジに大きな共感を感じています。また、このスタイルは結果的に大きなリターンを得ることができるとも考えています。

ではこのようなスタイルを国内でも実現し、グローバルで真に成功するスタートアップを支援するためにはどのような「How」が必要なのでしょうか?

グローバル・ブレインはそのひとつの答えに「プロフェッショナル」の存在があると考えています。ご存知の通り、スタートアップを成功たらしめる大きな要因に市場の選択があります。このモメンタムとの出会いはある意味「運」であり、その時、その場所で、そのチャンスを掴んだ起業家にのみ手渡されるチケットのような存在です。

一方、この幸運のチケットを手にした起業家を待っているのが「壁」です

ビジネスモデルの検証、プロダクトの磨き込み、組織のスケール、資金調達のノウハウ。国内でスタートアップという起業のモデルが生まれてから約10年。競争の激化はこれらの壁をより高く、より険しいものにしてしまいました。運に恵まれても、実力がなければ壁は超えられないのです。

しかしプロは違います。それぞれの立場で、その壁をクリアする術を知っているのです。

メルカリは競合に大手オークションサービスがありながら「スマホアプリの体験」で一気に新たな市場を顕在化させました。ラクスルはアナログだったスモールビジネス向けのマーケティングをインターネットの力でより身近な、誰もが使いやすい「クラウドサービス」にして成長しています。これらは全て、起業家の下に集まった「プロ」の積み上げの結果なのです。

私たちはこの成長の方程式を、できるだけ多くの可能性に提供したい。

しかしその一方、超級のプロフェッショナルな人材はどこにでもいるわけではありません。全ての企業にあらゆるプロを配置することは現実的ではないのです。であれば、こういったスペシャリストたちをグローバル・ブレインという仕組みの中に集め、その知見をチームとして組織すれば各社にノウハウが提供できる。その力をそれぞれが血肉とし、次の大きな成長に向かう力に変えることができるかもしれない。

グローバル・ブレインではこの構想に賛同し、集まってくれるプロフェッショナルを探しています。この10年、メルカリやラクスルはゼロから世の中を変える事業を作り上げました。そして今、私たちの支援先にはその可能性を秘めたスタートアップたちが「次の世界」を見据えてしのぎを削っています。

オールドエコノミーの改善だけでは決して生み出せない、革新的な新規事業の創出と、未知の社会の創造を目指して。ぜひ彼らにみなさんの知見を共有し、共に「世の中を変える側」となっていただければ幸いです。ご興味ある方はこちらのコンタクト情報をご覧ください。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル「グローバル・ブレイン」代表取締役の百合本安彦氏による寄稿転載。同氏のTwitterアカウントは@YYurimoto

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ライドシェア・ドライバーの収入源を増やす米スタートアップ3選

本稿は米国のスタートアップを紹介するメルマガ「From the Alley」編集部による寄稿。主要メディアではカバーされにくいアメリカの注目すべきスタートアップを紹介中 UberやLyftのライドシェア・サービスは2012年に導入され、2017年には約513憶ドルの市場規模に達した。この成長は留まることを知らず、2025年には約2兆5千ドルに成長することが見込まれている。 一方で、ライドシェアのド…

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本稿は米国のスタートアップを紹介するメルマガ「From the Alley」編集部による寄稿。主要メディアではカバーされにくいアメリカの注目すべきスタートアップを紹介中

UberやLyftのライドシェア・サービスは2012年に導入され、2017年には約513憶ドルの市場規模に達した。この成長は留まることを知らず、2025年には約2兆5千ドルに成長することが見込まれている。 一方で、ライドシェアのドライバーに対する報酬は減少し続けている。

ドライバー収入減少の傾向

JP Morgan Chase Instituteの調査によると、ドライバーの平均月収は2013年に1,469ドルだったものが、2017年には783ドルまで減少し、実に約53%の減少になっているという。このドライバーの収入減少の主な原因は、ライドシェア市場の動きと共に急激に増加したドライバーの数である。例えば、全世界のUberのドライバーは、2013年から2017年の間で16万人から2,000万人まで急増している。ドライバーが急増する反面、UberやLyftの複雑で理解しにくい価格の算出方法によりライドシェアの価格が大幅に低下する結果となった。

ドライバーに対する規定も年々厳しくなっている。ニューヨークやシカゴなどの大都市では交通渋滞を緩和するため、追加料金を課するようになった。この追加料金はライドシェアの乗客が支払うが、総料金が高くなったためライドシェアの需要は減少している。

ドライバー収入低下問題は悪化する

アメリカのライドシェア市場はUber、Lyftの2社が占めている。両社ともブランド力と資金力を支配しており、競合他社は参入しにくい市場環境になっている。このダイナミクスが続く中、両社のビジネスモデルが大きく変革することは考えにくいため、ドライバーの収入減少は今後も続くことが見込まれている。

又、UberとLyftは2019年に上場し、上場会社として投資家から採算性のプレッシャーが強くなる傾向にある。既に、Uberは第二四半期決算で52億ドルの損失を計上し、7月にマーケティング部門で400人の人員削減が行われた。

この様な状況が続く中、ドライバーに対する新たな収入源のニーズは高まり、今後も新たなスタートアップが組成されることが見込まれる。

ドライバーを支援するスタートアップ3選

ドライバーにとってグッドニュースもある。それはドライバーを支援するスタートアップが数々とあらわれていることである。今回は注目すべきスタートアップを以下に紹介する。

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Cargo: ライドシェアのスナック販売

ウェブサイト:https://drivecargo.com

Cargoはスナック販売をライドシェア中に提供するニューヨーク発スタートアップ。同サービスを利用するドライバーはCargoが準備するキャンディー、お菓子、飲み物などの商品が入っている箱を車の中に置き、スナック販売の売上の一部を得ることができる。

乗客はライドシェア中にCargoの箱の中に欲しいものがあればCargoのアプリを使い購入する事ができる。ドライバーは売上の25%をコミッションと、各商品につき1ドルを得られる仕組みになっている。箱の中には無料のアイテムもあり、当アイテムに対してもコミッションを得られる。このサービスを利用する事でドライバーは月300ドルのコミッションを稼ぐこともできる。

注目すべき点はCargo の主な収入源は商品販売ではなく、食品ブランド等との広告収入である。そのため、ドライバーの売上による取り分は希釈化されない。

同社についての紹介記事はこちら

Vugo:車内のディスプレイ広告

ウェブサイト:https://govugo.com

Vugoはライドシェア車内でディスプレイ広告を配信するサービスである。ドライバーはタブレットを車中に設置し、Vugoのアプリを起動するだけで収入を得られる。

Vugoの広告収入モデルは簡単。Vugoは広告主と提携し、広告内容や条件を決め、広告の表示回数を基に広告収入を得る。ドライバーはVugoが得る広告収入の6割を受け取る事ができる。ドライバーの収入は広告の表示回数1千回に対して平均25ドルであり、月100ドル~300ドルを稼ぐ事ができる。

当サービスはただ広告を掲載するサービスではなく、乗客に対してもバリューを提供している。乗客は広告を挟んだミュージックビデオ、コメディー、スポーツ等あらゆるチャンネルを移動中に楽しむことができる。

同社のビジョンはライドシェアの料金が全て広告主にスポンサーされ、乗客が無料でライドシェアを利用できる環境を作る事である。

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Uzurv: 患者向けのライドシェア

ウェブサイト:https://uzurv.com/

ヘルスケア市場でもライドシェアのドライバーにとって収入を得るチャンスがある。Uzurvはハンディキャップのある人や病人などの乗客とドライバーを繋げるライドシェアサービスを提供する。

乗客はUzurvのアプリでドライバーを選び、必要に応じて配車の予約ができる。ドライバーは乗客の車の乗り降りなど、様々なニーズに対応する特別なライドシェアサービスを行う。このようなサービスは特殊であり、ドライバーは通常のライドシェアよりも高い料金を得る事ができる。

同サービスはドライバーに対して他の面でも有益である。それは乗客がドライバーを選べる事である。そのため、ドライバーはリピーターのお客を得る事も可能になる。このリピーターの乗客によりドライバーは安定したキャッシュフローを得ることができ、スケジュールも管理しやすくなる。また、Uzurvで働きながらUberやLyftなどのドライバーとして働くこともでき、更なる福収入源になる。

同社についての紹介記事はこちら

まとめ

ライドシェアの市場が成熟化する中、ドライバー収入減少の問題は悪化することが見込まれている。このような状況に直面するライドシェア会社もドライバー収入を増やす方法を検討せざる得ない(Cargoは既に2018年にUberと提携している)。この問題を解決しようとするアーリーステージのスタートアップは今後も増えると考えられるので、引き続き注目すべきだろう。

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イスラエルで開催された医療大麻カンファレンス「CannX Tel Aviv」に潜入——市場はお祭り騒ぎから事業性追求のフェーズに 【ゲスト寄稿】

本稿は、イスラエル・テルアビブを拠点に事業展開している、Aniwo で事業開発を担当する Tomoko Sugiyama 氏による寄稿。 2019年5月に Aniwo に参画し、9月よりイスラエル駐在。 以前は、Amazon Japan で事業開発、ソフトバンクモバイルで事業開発を担当していた。 2019年9月9日〜10日の2日間、イスラエルのテルアビブで開催された「CannX 2019 Medi…

本稿は、イスラエル・テルアビブを拠点に事業展開している、Aniwo で事業開発を担当する Tomoko Sugiyama 氏による寄稿。

2019年5月に Aniwo に参画し、9月よりイスラエル駐在。

以前は、Amazon Japan で事業開発、ソフトバンクモバイルで事業開発を担当していた。


Image credit: Aniwo

2019年9月9日〜10日の2日間、イスラエルのテルアビブで開催された「CannX 2019 Medical Cannabis Conference」に参加してきた。医療用カナビス(医療大麻)のエコシステム活性化を目的としたカンファレンスで、今年で4度目の開催となる。

カナビスと聞くと、日本ではまだまだ危険なドラッグのイメージが強いが、世界では既に41カ国が医療用としての使用を認めており、大麻の抽出物である CBD(カンナビジオール)に関しては、51カ国が使用を認めている。

ラテンアメリカでは、カナビスによる国内外への経済効果が期待されており、現在はパナマを除く全ての国で、カナビスに関して医療利用、娯楽向け利用、栽培の全て、もしくはいずれかが合法化されている。

各国における大麻の取扱。青色は合法、黄色は非合法ながら犯罪とはみなされない、
ピンクは非合法ながら取締は頻繁ではない、赤は非合法(2018年8月現在)
Wikipedia: Legality of cannabis. CC BY-SA 4.0

今回のカンファレンスのプログラムを見てみると、医療用カナビスの効果に関する報告と、輸出入などの法規制やビジネス面に関するトピックが多かった。イスラエルではまだ輸出が認められていないので、輸出解禁に期待している人が多いようだった。

医療用カナビスの効能については、パネル展示でも成されており、日本からも一件、報告が上がっていた。CBD が引きこもりの改善に効果的であるという報告で、運よく会場でパネル出展者である京都大学霊長類研究所の正高信男教授ご本人にもお会いすることができた。

正高信男教授出展のパネル
Image credit: Aniwo

引きこもりの子はそもそも病院に行かないので、薬局で手に入る CBD の効果がきちんと認められれば、社会的なインパクトも大きい。CBD の取扱が認可されていない日本では、実証実験の実施も困難なので、今後、日本でも利用が認可されることに期待しているとのことだった。

教授は、CBD の自閉症への効果はさまざまなところで取り上げられているが、『引きこもり』は病名ではないので、海外では注目されにくいテーマだとも語っていたが、現地イスラエルのカンファレンス参加者も、興味深そうにパネルを見ていたのが印象的だった。

Cann10 の製品「Cannareet」
Image credit: Aniwo

一方、出展ブースはというと、医療用と、レクリエーション目的での CBD やテルペン [1] 利用製品の出展企業が半々という印象。その他、栽培関連で農業関連の企業からの出展もあった。

CBD オイルを扱っているイスラエルの Cann10 に製品について話を聞いたところ、最近は純度よりも、CBD の配合量を競っている感があるとのこと。また、CBD 市場においては品質管理が今後の課題の一つで、高い配合量をうたっていても、実際に効果が見られない粗悪品も増えているという。高品質のカナビスの安定供給を目指して、農業関係企業がカナビス栽培に乗り出す理由に納得だ。

出展ブースで目を引いたのは、CBD 入りのスキンケア用品と、見た目は電子タバコのような CBD 吸引機器だ。イスラエル国内では医療用以外の使用はまだ認可されていないため、いずれもレクリエーション用としては販売されていないが、EU 諸国では既に販売が開始されていて、かなり人気のようだ。

世界で初めて医療機器として登録されたという、CiiTECH の CBD 吸引デバイス「VapePod」。
吸引量を計測できる。
Image credit: Aniwo
イスラエルに本社を置くライフサイエンス企業 eSense-Lab のブース。
100%天然のテルペンを使用した製品を取り扱う。CBD 入りのクリームも展示していた。
Image credit: Aniwo

CBD を一切含まないテルペンの出展も見られた。

既に日本でも流通しているイスラエルの Eybna Technologies のテルペン。
ラベンダーなどのアロマ製品に使われる材料から、いちごやマンゴーなどフルーツから抽出したものまで、さまざまなテルペンが並んでいた。
Image credit: Aniwo

午後には会場が打ち合わせスペースも混雑しカンファレンスは盛り上がっていたが、2018年にも参加したという出展者によると参加者数はやや減った印象で、カナビス市場自体も、一時期のお祭り騒ぎから落ち着いてきているとのこと。スタートアップ、関連企業、投資家等のステークホルダーは、ビジネスとしてよりシビアに方向性を見出そうとしているようだ。

医療用、レクリエーション用、いずれのカナビス市場についても今後の展開に引き続き注目していきたい。

Image credit: CannX

  1. テルペンは、植物、昆虫、菌類などに含まれる脂溶性の有機化合物。人には森林浴効果をもたらし、植物にとっては外敵を防ぎ自身の体を守る物質の一つとされる。テルペンの多くがさまざまな味・香り・色を持っているため、大麻の香りや風味にも影響を与えている。 ↩
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