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西アフリカのGrab・Gojekを目指すGozem

ピックアップ:How Gozem transitioned from a motorcycle-hailing platform into a super app in two years ニュースサマリー:西アフリカ・トーゴ発のスタートアップGozemは今年3月、プレシードラウンドにてPlug and Playより資金調達を実施したと発表している。2018年11月にトーゴで配車サービスを提供する…

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ピックアップ:How Gozem transitioned from a motorcycle-hailing platform into a super app in two years

ニュースサマリー:西アフリカ・トーゴ発のスタートアップGozemは今年3月、プレシードラウンドにてPlug and Playより資金調達を実施したと発表している。2018年11月にトーゴで配車サービスを提供する会社として始まったGozemは徐々に提供エリアとサービスを増やし、当初からモデルとしているGrabやGojekのようなSuper Appへと徐々に成長を重ねている。

将来は西アフリカ版のGrabやGojekとなることを目指し、提供国や提供サービスを徐々に追加している。同社によれば、Gozemのアプリは既にサービス開始以来50万以上のユーザーに利用されている。

詳細な情報:今年7月にeコマースサービスと配送サービスを開始するタイミングでアプリインターフェースを刷新、これまでの配車サービスがメインだったアプリから、統一されたプラットフォーム上で複数のサービスが利用できるSuper Appへと生まれ変わった。

  • 同社によれば、10年前の東南アジアと現在の旧フランス領西アフリカ地域の交通機関網にはバイクタクシーの多さや組織化されていない交通機関網など共通点が多いことに気づいたという。また創業者の1人であるRaphael Dana氏は実際に東南アジアで配車サービスを体験していたこともあったため、当初からGrabとGojekをモデルとして事業を開始した。
  • 2019年に新たにベナンでもサービスの提供を開始、当初はバイクだけだった配車サービスにはトゥクトゥクとタクシーが加わる。
  • 今年5月には、当該地域でサービスを提供するモバイル通信会社Etisalatグループと提携。Gozemのユーザーはアプリ内ウォレットから同社のモバイルマネーMoov Moneyを使用したキャッシュレス決済が可能に。
  • さらに7月には、トーゴのロメとベナンのコトヌーでeコマースと配送サービスを開始。本来、eコマースサービスの開始はもう少し先を予定していたが、新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングの需要が増大したため時期を早めてのリリースとなった。
  • 現在までにサービス提供エリアはトーゴとベナンの首都を含む両国7つの都市に拡大。次はカメルーンとガボンへの参入を予定し、既に両国でドライバー志望者を募り6,000人以上がウェイティングリストに入っている。
  • 今後はコンゴ民主共和国、マリ、ブルキナファソ、セネガル、コートジボワールへでの事業展開も計画しているという。また、配車サービスの乗車記録数は2019年の第4四半期は35万回、2020年第一四半期は50万回と今年に入り利用が増加している。

背景:2017年の時点でアフリカ大陸には21の国に60を超える配車サービスが存在していた。しかし、旧フランス領西アフリカ地域には同様のサービスがなく、当地でのビジネスを始める機会を模索しながらシンガポールなどの東南アジアに滞在していたRaphael Dana氏と、以前にナイジェリアのUberで働いていた経歴を持つEmeka Ajene氏が出会いGozemが創設された。

旧フランス領西アフリカ地域はかつてフランス領だったモーリタニア、セネガル、フランス領スーダン(現在のマリ共和国)、フランス領ギニア(現在のギニア)、コートジボワール、ニジェール、オートボルタ(上ボルタ、現在のブルキナファソ)とフランス領ダホメ(現在のベナン)の8地域を指す。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

医師不足の南アフリカで医療ネットワークを構築する「Vula Mobile」

重要なポイント:アフリカの多くの国と同じく医師不足が深刻な南アフリカでは、周囲に専門的な知識を持つ医師のいない状態でコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人達が病人のケアや簡単な治療を行なうケースが多くある。医療従事者向けアプリVula Mobileはこういった人達の抱える問題を解決し、南アフリカ全体での効率的な医療ネットワークを構築、同国の医療問題解決に貢献している。 詳細な情報:2019年度に南…

Image Credit : Vula Mobile

重要なポイント:アフリカの多くの国と同じく医師不足が深刻な南アフリカでは、周囲に専門的な知識を持つ医師のいない状態でコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人達が病人のケアや簡単な治療を行なうケースが多くある。医療従事者向けアプリVula Mobileはこういった人達の抱える問題を解決し、南アフリカ全体での効率的な医療ネットワークを構築、同国の医療問題解決に貢献している。

詳細な情報:2019年度に南アフリカのアプリアワード MTN Business App of the Year Awards のベストヘルスアプリ賞を受賞した医療従事者向けアプリVula Mobileは今年、新型コロナウィルスの感染の広がる南アフリカで全国的な「Doctors-on-call hotline」として治療にあたる医療従事者を支援、改めてその価値を証明した。

  • 医師不足の南アフリカでは、人口10万人あたりの医師の数が都市部で53.3人、それ以外では39.8人程度となっている。日本は206.3人
  • 都市部以外に住む多くの人は簡単にアクセス出来る場所に病院が存在せず、代わりにトレーニングなどを経て、限られた医療行為のみ許可されたコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人々が中心となって各地での病人のケアや薬の処方などにあたる。そのほか、地方の病院には医師であっても経験の浅い医師が1人だけで診療・治療の対応にあたっている施設もある。
  • Vula Mobileは主にこのような医療従事者を対象としたアプリで、53以上の診療科目で必要とする時に医師の専門的な意見やアドバイスをもらうことができる。医療従事者が症状などを元に照会をかけると、条件に合致した症状のある患者の匿名化された診療記録や当時の診断画像を含むフィードバックが15分以内に受け取れる。必要に応じて専用のチャットラインを使用した1対1の相談も可能。
  • 対象となる分野には、眼科、心臓、耳鼻咽喉、やけど、常備薬、HIV/エイズ、整形外科などが含まれ、現在4,000人を超える医師が月に1万9,000人を超える患者のサポートにあたっている。
  • また、これまで医療施設間で重病患者の他院への紹介はそれぞれの判断によって行われていたため、数の少ない高度な設備を持つ医療施設に他の医療施設でも治療可能だった患者が集中してしまい、診療までの待ち時間が長くなってしまうという問題も起こっていたが、Vula Mobileはこの問題も解決する。
  • 2019年のSouth African MedicalJournalの論文 で行われたVula Mobileを利用した本機能の調査によると、約7ヶ月の期間に39の施設238人のユーザーから2,275人の患者の紹介に関しての相談を受け、患者の3分の1はアドバイスを受けて当初の病院で治療が行われた。

背景:Vula Mobile創業者であるWilliam Mapham博士は、エスワティニ(旧スワジランド)の地方にある同国唯一の眼科で働いている時に、地方のコミュニティヘルスワーカーが困難な問題に直面した際に医師からのアドバイスをもらうことの困難さを知り、この問題を解決しようとVula Mobileの開発を始めたバックグラウンドを持つ。

南アフリカ保健省のPillay博士によると、「アプリにより不要な(医療機関から別医療機関への患者の)紹介が最大31%削減されたほか、臨床部門の責任者は同アプリのオンラインダッシュボードを使用して、リアルタイムの臨床ガバナンス、月次レポートの生成、調査などに利用していることが明らかになった」とのことで、効率的な医療ネットワークの構築だけでなく、Vula Mobileを基軸とするデータは副次的にも南アフリカの医療に役立っている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

キャッシュレス経済への移行を進めるカンボジアフィンテック市場

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用…

Image Credit: Cambodia Central Bank

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia

ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用したサービスの利用が期待されている。

重要なポイント:カンボジアでは2018年頃からキャッシュレス決済の利用が増え始め、現在では50社以上の決済会社がキャッシュレスサービスを展開しているといわれているが、未だトッププレーヤーと呼ばれるほどに成長した企業は出てきていない。 そんな中、現在のカンボジア市場に注目し参入に意欲を見せる新興フィンテック企業もあれば、NBCが推進するプロジェクトが前進するなど、今年に入り新たな動きが出てきている。

詳細な情報:カンボジア市場は2019年半ばまでで既に50社以上のキャッシュレス決済サービスが存在しているといわれている。2017年からの約2年で5~10倍に増加した。

  • 代表的なサービスとしては Pi PayTrue MoneySmartLuy Mobile MoneyWing MoneyBongloySabay Wallet などが挙げられるが、ユーザー数やサービス内容で突出した企業はまだ出てきていない。そのためカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目する企業もまだ多い。今年だけを見ても、海外から参入した2社が直近3カ月以内に資金調達を行っている。
  • Fincyシンガポールを拠点とする同社はブロックチェーンを利用した支払い、振替、給与計算などを行える高機能デジタルウォレットの提供を実施する。2020年1月にカンボジア市場へ参入し、直後に新型コロナウイルスの影響を受けることとなったが、既にプノンペンだけでも600以上の加盟店を獲得し同社の予想を上回るペースでの成長を遂げている。現在は同社が「長引くバンデミック下でもビジネスと投資環境は依然として活気がある」と評価するカンボジア南部の都市シアヌークビルでの事業展開に注力している。 2020年6月12日にカンボジアを始めとする東南アジアでの事業拡大のために、親会社であるGBCI Ventures Pte Ltdから1,100万ドルの資金調達を行った。
  • Clikカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目するMatthew Tippetts氏が、他2名と共同創業したスタートアップ。今年8月にシードラウンドで370万ドルの資金調達を行い、2020年末までにカンボジア国内でのサービスローンチを予定。銀行口座と紐付けた決済アプリを利用し、シームレスなタッチ決済サービスの展開を予定している。しかし、カンボジアの銀行ではKYCは対面で行なう事が前提になっているという問題に直面し、サービスローンチに先立ちe-KYCの導入・構築にも力を入れている。
  • 参考記事:東南アジアのモバイル決済新星「Clik」、370万米ドルをシード調達——パイロット運用の地にカンボジアを選んだ理由とは
  • また、NBCもデジタル決済プロジェクトを推進している。Project Bakong:NBCによって2017年に始動したブロックチェーン基盤のP2Pデジタル決済システムProject Bakong。今年6月18日にホワイトペーパーを発行している。CBDC(中央銀行デジタル通貨)の準形式であり、QRコードとモバイルアプリを使用した決済システムによって金融包摂の推進を目指している。また、非効率的な決済システムを改善、銀行サービス利用への道を開くことで貧困を緩和するといった、プロジェクトの目的がホワイトペーパーに記載されている。 ※本プロジェクトの開発には日本のブロックチェーン企業ソラミツが参加している。

背景:カンボジアは人口に対するインターネットカバー率が既に80%近くに達し、データ通信量は10GBで7〜8ドル程度と比較的安価な現状だ。そのため、 スマートフォン所持率は2016年時点で95%と言われている。VISAが公開したデータによれば、国民の約3割がキャッシュレス決済の普及に期待していると回答し、キャッシュレス経済へと移行する環境は既に整いつつあるように思える。また、NBCが6月に発表したデータによると、昨年カンボジア国内でアクティブな電子決済アカウントの数は522万件に達し2018年から64%増加していることが分かる。銀行と決済サービス機関を介したモバイル決済取引額は、2019年のGDPにおける22.9%に相当したとする。

カンボジアでデジタル決済が推進される背景には、他の新興国同様の金融包摂の推進という目的以外にも、長年の米ドル経済から脱却し現地通貨リエルの流通を促進させる狙いもある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカ大陸金融包括、カギは「音声メッセージ」

ピックアップ:Ecobank Fintech Challenge 2020 ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを…

Image Credit:Ecobank Fintech Challenge 2020

ピックアップEcobank Fintech Challenge 2020

ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを軸に事業展開をしている。

詳細な情報:Ecobank Fintech Challengeは、アフリカの金融コングロマリットEcobankが毎年主催するもの。今年は、アフリカ全土600社以上のフィンテックスタートアップから応募があった。

  • Ecobank Fintech Challengeはアフリカ大陸の全てのフィンテック企業に応募資格がある。上位3位に選ばれた企業には5,000ドル〜1万ドルの賞金のほか、Ecobankフェローシップへの参加やグループとの戦略的パートナーシップの検討、Ecobankの展開する33カ国のアフリカ市場参入時のサポートといった権利が与えられる。急成長中の注目企業や有名企業も複数最終選考に残る中、最終的にはまだサービスのローンチにも至っていないほぼ無名のガーナ発Nokwaryが優勝を納めた。
  • 同社のサービスはボットに対して普段通りに自然な要求を伝えるだけで、対話形式でスムーズかつ効率的に送金・決済処理を行う。Whatsappユーザーは既に各金融サービスの提供するボットを利用してWhatsapp上から取引などを行っている。表示されるメニューの中から自分の要望に該当する番号を入力し、1ステップずつ処理を進める形式を取る。
  • 現在はガーナの公用語でもある英語でサービス開発が行われている。今後、ガーナのローカル言語(※ガーナには公用語と別に政府公認言語が9つ存在している)やその他アフリカ各国の諸言語にも対応していく予定。
  • サービスはテキストメッセージだけでなく、音声メッセージにも対応。 全ての国民が水準の高い教育を受けられるわけではないガーナや、その他アフリカ諸国で、文字の読み書きが不得意な人たちも日ごろから音声メッセージを多用し、Whatsappでのコミュニケーションを取っていることに対応したもの。金融包摂やアフリカでの事業展開という点から、音声メッセージにも対応することは非常に重要といえる。
  • サービスローンチ前であるものの、アフリカ全土へのサービス展開が現実的なものとなったNokwaryのサービスはEcobankの支援を受け、今後数カ月以内でのローンチを目指している。

背景:主催するEcobankはサブサハラ以南を中心に、アフリカ33ヵ国で営業するトーゴの首都ロメに本部を置く金融コングロマリット。西アフリカ・中央アフリカでは独立した銀行として確固たる地位を築いている。WhatsAppは180か国15億人のユーザーがいる世界で最もユーザー数の多いメッセージングアプリ。アフリカ・中南米・ヨーロッパの多くの国では最もポピュラーなメッセージングアプリとして使用されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

ブロックチェーンで世界の「偽造医薬品」問題に挑むナイジェリアのChekkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを…

Image Credit:Checkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan

ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを利用した追跡可能なスマートラベルを使用し、新興国で毎年多くの死者を出している「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいるスタートアップ。2018年にナイジェリアで創業した同社は、現在同国ならびに米国にもオフィスを構えている。

重要なポイント:同社の技術は主に、サブサハラ(アフリカ全土のうち北アフリカを除いたサハラ砂漠より南の地域)全域を中心に新興国で毎年多くの死者を出している「偽食料品」・「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいることで知られている。

詳細な情報:新興国では毎年多数の死者が出ている偽造医薬品市場は推定で年間2,000億ドルにもなるといわれている。その多くは中国産とされる偽造医薬品だ。本物と見分けがつかないほど精巧なパッケージのものも多く、医薬品の輸入に関する規定や制度、検閲体制などが整わない国では国内への流入を防ぎきることが難しいため、深刻な被害が出ている国が多くありながらも、現在まで根本的な解決が難しい状態が続いている。

  • Chekkit Technologies はこの問題を解決するために、倉庫から流通業者、最終消費者に至るまで、製品の動きが追跡可能なブロックチェーンベースのプラットフォームを構築した。
  • Checkitが提供するスマートラベルは、パッケージに貼付されたQRコードもしくは数値コードによる一意のIDによって流通の過程を管理・記録していく。輸入されてきた医薬品には、輸入された段階でその情報とともにパッケージにラベルが貼付される
  • 消費者や販売者は、Checkitのアプリからスマートラベル上のQRコードをスキャンもしくはIDを入力することで、パッケージ単位での流通経路や実際に医薬品として認可されている製品であるかどうかの確認が可能。誤って偽造医薬品を販売したり購入・服用したりすることを防止する。
  • ナイジェリアを始め新興国ではスマートフォンの普及率もまだ低いため、フィーチャーフォンからでも当該IDを使用したUSSDコードによる情報取得が可能。
  • 2018年に設立されたChekkitは昨年2つの大きな成果をあげた。2019年11月、アフガニスタン保健省と偽造医薬品問題について既に協議を行っていたFantom Foundationがスポンサーを務めるAfricArena SummitのブロックチェーンピッチコンペティションでChekkitが1位を獲得した。その後、今回発表に至ったアフガニスタン保健省とパートナーシップの締結に至る。
  • 今後アフガニスタン市場において、実際に販売される8万点の医薬品にChekkitのスマートラベルを貼付し3ヶ月のパイロット運用が行なわれる。
  • ナイジェリアとガーナのDeep Tech企業向けアクセラレータープログラム FbStart Accelerator にも参加。CEOのOdumade氏によれば、参加後の同社収益は1200%増加し、10万件を超える製品の認証確認が行われたとのこと。「2025年までに、アフリカと世界の数百万人の人たちを(偽造薬・偽造品などから)守りたい」という同社の信念に向け、精力的に事業を拡大している。

背景:アフリカ大陸の中でも特にサブサハラ以南の地域での偽造医薬品問題は非常に深刻であり、偽の抗マラリア薬により毎年10万人以上の死者が出ているほか、5歳未満の子どもの12万人以上が何らかの偽造医薬品を摂取した事が原因で亡くなっている。WHOによれば2013年から2017年の間に報告された偽造医薬品の42%がアフリカで押収されたものであった。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

AIが「未成年の顔」を検知、デートアプリ大手が顔認証バッジを採用

ピックアップ:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe ニュースサマリ:米国マッチングアプリ大手のMeetGroupは9月、AIを活用し顔認証バッジを展開することを発表している。FaceTecの3Dセルフィーテクノロジー検証バッジにより、ボットの登録を阻止し、何百万ものユーザーの信頼性の保証に動き出した。このバッジは9月後半よりM…

Image credit: Business Wire

ピックアップ:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe

ニュースサマリ:米国マッチングアプリ大手のMeetGroupは9月、AIを活用し顔認証バッジを展開することを発表している。FaceTecの3Dセルフィーテクノロジー検証バッジにより、ボットの登録を阻止し、何百万ものユーザーの信頼性の保証に動き出した。このバッジは9月後半よりMeetMeで公開され、今後数カ月以内にSkoutとTaggedで公開される。

  • 認証バッジは物理的にカメラの前に存在したことを確認した後に有効化され、メンバーのプロフィールに表示される。バッジの採用が増えると、チャットで写真を送る等の制限が解除される仕組み。
  • FaceTecは3D年齢推定を提供しているので、未成年のアカウントにフラグをつけ、未成年の利用を遠ざけることにも繋がる。
  • MeetGroupはより安全なデートへの取り組みの一環として他にも、テキストパターンと年齢検出エンジンを利用し未成年が関与しないようにマイクロソフトと協力をしたり、悪意ある人物のデバイスをブロックするDeviceCheck実装を施策として行っているほか、機械学習アルゴリズム等を利用して、不正な動画・写真・テキストを検出する取り組みを一層強化している。

背景:Meet Groupは、MeetMe、Skout、Tagged、LOVOO、GROWLrを含む5つのアプリにまたがる出会い系コミュニティを運営している。毎日数百万人に対してデートサービスを提供し、1日あたり7,000万件のチャットが送信されている。

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・増渕大志

すぐスワイプ「させない」マッチングアプリSpark、その狙いとは

ピックアップ:Meet the new dating app that actually lets you express yourself 重要なポイント:カナダ発のマッチングアプリSparkは、個性を表現するマッチングプラットフォームの設計概念を持つ。現在世界的にマッチングデーティングアプリの課題として起こっているのが、無意識スワイプの倦怠感である。プロフィールを深く見ずともスワイプしマッチン…

Image credit:Spark

ピックアップ:Meet the new dating app that actually lets you express yourself

重要なポイント:カナダ発のマッチングアプリSparkは、個性を表現するマッチングプラットフォームの設計概念を持つ。現在世界的にマッチングデーティングアプリの課題として起こっているのが、無意識スワイプの倦怠感である。プロフィールを深く見ずともスワイプしマッチングさせることに対し幻滅的感情が生まれているユーザーも増えており、そうしたユーザーの課題解決を目指している。

そこでSparkは通常のマッチングデーティングアプリ慣習の「誰でもスワイプ・定型文章のDM」ではなく、プロフィールをきちんと見た上でしかやりとりできない仕組みを導入している。

詳細な情報:ユーザー独自のクイズ機能では、まずユーザーが趣味を選び、相手は出てきた9つの画像の中から3つを選ぶオプションがある。「どんな共通の趣味があるか」等を潜在的に理解するだけでなく、クイズは他にも、休日に行きたいところ、お気に入りの飲み物、理想の初デートでやること等のテーマが出される。

  • プロフィールはSnapchatやInstagramのようにフレームを追加したり、ゲームを追加することで内面理解の手助けをしている。クイズで相手の特徴を正しく推測出来た場合のみ、自動的にDM画面が開き、メッセージができるようになる。つまり、相手に繋がりたい場合はクイズに正解する必要があり、本当に興味がある人としかやりとりが出来ないのである。
  • また「ChangeMyMind」というTikTokにインスパイアされたビデオチャット機能では、自分を表現する20秒のショートムービーをアップロードし、他の人からの反応を知ることができる。InstagramやSnapchatのフィルターと同様に、Sparkを利用すると、自分がどのような人か、何を考えているかをプロフィールに追加することが可能だ。Sparkのこれらの機能は、個性を強調し、年齢や見た目だけでなく、性格や価値観を重要視したマッチングアプリの設計になっている。

背景:マッチングアプリは同じようなメッセージのやりとりを最初に行うコピーアンドペーストのような慣習があるが、Sparkを使うと相手の個性にすぐ入り込みやりとりができるようになるとしている。Sparkはマッチングを常に魅力的で最新にするために、新しいフレームを追加する予定となっている。現在、カナダのiOSでのみ利用可能で、Android版は今年後半にリリース予定となっているが、日本国内でのダウンロードはまだ予定されていない。

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・増渕大志

コロナ禍で急成長した中国オンラインデート「伊対」、ポイントは仲介人にあり

ピックアップ:伊对荣获2020朝阳高科技高成长企业20强 ニュースサマリ:9月11日に中国北京CBDフォーラムで中国の「ハイテク高成長企業トップ20及び注目株」が発表された。ここで注目を集めているのが仲介人がいるオンラインビデオデーティングプラットフォームの「伊对」だ。伊对は2018年にオンラインへ軸を変え、約1年で登録者数・収益ともに2倍成長。登録者数は4,000万人、2019年度の収益は10億…

credit: 伊对:拉动恋爱社交的第二增长曲线

ピックアップ:伊对荣获2020朝阳高科技高成长企业20强

ニュースサマリ:9月11日に中国北京CBDフォーラムで中国の「ハイテク高成長企業トップ20及び注目株」が発表された。ここで注目を集めているのが仲介人がいるオンラインビデオデーティングプラットフォームの「伊对」だ。伊对は2018年にオンラインへ軸を変え、約1年で登録者数・収益ともに2倍成長。登録者数は4,000万人、2019年度の収益は10億中国元近くとなり、オンラインビデオデートブランドでトップとなっている。

詳細な情報:中国北京CBDフォーラムで中国の「ハイテク高成長企業トップ20及び注目株」の過去3年間のトップ20社の平均成長率は796%であり、大手結婚業界のネット企業がリストに加わったのは初となる。

  • 伊对が急成長をした理由のひとつはライブビデオである。コロナ等でオンラインデートが伸びる前から、ライブビデオでリアルタイムで対話できるようにし、リアルのデートシーンに近くなるような没入型の体験を作ってきた。2020年のコロナの期間には、リアルタイムで毎月1,000万近くのセッションが提供された。
  • また、急成長の2つ目の理由は「エージェント(仲人)の参加」である。オンラインデートに仲人も参加をし、リアルタイムのホストとして会話の仲介に入るだけでなく、通信環境の調整・解決の役割を担っている。西洋人と比べ、東洋人は一般的には内向的で、中国でも仲人の文化が残る。そのため、この仲人の参加はユーザーからポジティブな評価を受け、現在では4万人以上のアクティブ仲人が存在する。伊对は仲人に対し、トレーニングと専門家の評価を行い、仲人のほとんどは現地の平均給与よりも多く稼ぐこともできるという。
  • ユーザーはチャットやゲームにより支払いポイントが減るようになっているが、支払いの感覚を感じないように尽くしていると創設者は語り、有料ユーザーは職業、地域、年齢差、年収等を分類できるようになっている。

背景:伊对はリアルタイムでのインタラクションだけでなく、オンライン仲人という2つの革新を通じて成長をした。また、大手他社が大都市のホワイトカラーを対象としてサービスを展開する中、伊对は小さな都市の独身の若者をターゲットとしたのも大きな成長の理由である。2020年のコロナ期間中でのダウンロード数は、1.5倍に増加し、活動は50%以上増加。収益の90%以上がバラなどの仮想アイテムの購入で、残りは会員収入。2020年の収益目標は2倍になると予想されている。

参考:36氪首发 | 视频恋爱交友平台「伊对」已完成数千万美元B轮融资,小米、云九资本联合领投

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・増渕大志

コロナ禍でEC拡大の中、プラスチックフリーに脚光

ピックアップ:Zero Grocery Raises $3M Seed Round for Plastic-Free Grocery ニュースサマリ:プラスチックフリーの食料品宅配サービスを提供するZero Groceryは9月23日に300万ドルのシード資金を調達したことを報告している。同ラウンドはベンチャーキャピタルの1984がリードし、他にもArlan Hamilton、AVG Baseca…

画像出典:Zero Grocery 公式ホームページ

ピックアップ:Zero Grocery Raises $3M Seed Round for Plastic-Free Grocery

ニュースサマリ:プラスチックフリーの食料品宅配サービスを提供するZero Groceryは9月23日に300万ドルのシード資金を調達したことを報告している。同ラウンドはベンチャーキャピタルの1984がリードし、他にもArlan Hamilton、AVG Basecamp Fun、Bluestein Venturesなどの投資家が参加している。これにより、Zero Groceryが調達した総額は470万ドルとなった。

詳細情報:同社はCEOであるZuleyka Strasner氏が、2019年1月にカリフォルニア州バークレーを拠点に創業。Strasner氏によると、米国初のオンラインのゼロ・ウェイスト食料品店だという。同サービスでは、包装にプラスチックを使わず、リサイクル可能なガラス瓶や箱などの容器に詰められた食品を配達している。月25ドルの会費で会員となれば無料配達を利用できるが、非会員でも1回の注文につき7.99ドルで食料品を配達することができる。

  • 他の多くのネット通販と同様にコロナ禍の影響を受け同社は急激に成長。2020年2月以降、売上高は20倍に増加したという。こうした背景から2020年3月末には収益と会員数が3倍になり、70万ドルの資金調達につながった。ここで調達した資金は、フルフィルメント(受注〜配送までの一連のプロセス)キャパシティや技術の向上、従業員数の拡大に活用された。

背景:Mercatusの調査によると、パンデミックの影響でアメリカでの食料品Eコマースの売上高は2020年6月に72億ドルと過去最高を記録。2020年8月には57億ドルと一旦その数は減少したものの、新しい電子商取引の行動様式が作られたことから、2025年までに2,500億ドルに達すると予測されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

Nurxが「偏頭痛」に特化した遠隔医療プラン、コロナ禍でニーズ急増が背景

ピックアップ:Nurx sets sights on the migraine and headache space ニュースサマリー:女性向けにデジタルヘルスケアを遠隔で提供するNurxは8月11日、シリーズCにて2,250万ドルの資金調達を実施したと発表している。同ラウンドには、Trustbridge, Comcast Ventures, Wittington Venturesが新規で参加し、…

画像出典:Nurx 公式ウェブサイト

ピックアップ:Nurx sets sights on the migraine and headache space

ニュースサマリー:女性向けにデジタルヘルスケアを遠隔で提供するNurxは8月11日、シリーズCにて2,250万ドルの資金調達を実施したと発表している。同ラウンドには、Trustbridge, Comcast Ventures, Wittington Venturesが新規で参加し、既存投資家のUnion Square Ventures、Kleiner Perkins Digital Growth Fundも同ラウンドに参加している。これにより、同社の総資金調達額は1億1,300万ドルとなった。

重要なポイント:Nurxは9月1日、偏頭痛に特化して遠隔で治療できる新プランの提供を開始した。患者は年会費60ドルで、オンラインでの医療相談やビデオ検査、パーソナライズ化された治療計画と毎日のトラッカー、薬の宅配などのサービスを受けることができる。

詳細な情報:Nurxは2015年創業。女性向けにオンラインでのヘルスケアを提供している。2020年上半期には、COVID-19の影響により遠隔医療のニーズが急増し、避妊薬処方の新規リクエストが75%増加するなど、合計25万件以上の新規患者が同社サービスを利用したという。

  • 今回発表された偏頭痛の新プラン提供背景には、女性はホルモンの影響で男性の3倍の確率で偏頭痛を抱え、実際に米国の2,800万人以上の女性が偏頭痛に悩まされている現状などがある。
  • さらに、偏頭痛を抱えるNurxの患者を対象にした調査によると、2人に1人近くが頭痛の症状を医師に見捨てられたことがあると答え、4人に1人が友人や家族からのサポートを受けられなかった経験があるという。
  • Nurxの臨床アドバイザーで、米国頭痛学会の特別研究員でもあるCharisse Litchman博士は「遠隔医療は、頭痛に苦しみながらも物理的にケアを受けることができない人々や、過去に医療提供者から症状を否定されたと感じている人々に手を差し伸べるための解決策となる」と期待を寄せる。

背景:Migraine Buddyによる2020年4月の調査によると、偏頭痛を抱える人のうち84%が、パンデミックが偏頭痛の症状や治療計画に影響したと回答している。COVID-19の流行の中で、対面での受診が困難であること、薬局で薬を受け取る際の感染リスクへの不安、偏頭痛を誘因するストレスや不安のレベルが高くなっていることが背景にあると考えられる。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志・岩切絹代