Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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執筆記事

顧客紹介マッチング「Saleshub」運営、シリーズAで1億円を調達——企業側から紹介者にアプローチできるマッチング機能を正式導入

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顧客紹介マッチング「Saleshub」を運営する Saleshub は14日、シリーズ A ラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドと SMBC ベンチャーキャピタル。これは Saleshub にとって、2017年9月に実施したインキュベイトファンドからの8,000万円の調達に続くものだ。本ラウンドを含めた累積調達額は約2.5億円。 Saleshub…

インキュベイトファンド 代表パートナー 和田圭祐氏、Saleshub 代表取締役 江田学氏、SMBC ベンチャーキャピタル 中野哲治氏
Image credit: Saleshub

顧客紹介マッチング「Saleshub」を運営する Saleshub は14日、シリーズ A ラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドと SMBC ベンチャーキャピタル。これは Saleshub にとって、2017年9月に実施したインキュベイトファンドからの8,000万円の調達に続くものだ。本ラウンドを含めた累積調達額は約2.5億円。

Saleshub は2017年6月、新規の営業リードを求める企業と、企業担当者とのコネクションを持つ個人(サポーター)をつなぐプラットフォームをローンチ。サポーターは、企業側のニーズに応じた企業担当者(営業リードを求める企業にとっての営業先候補)を紹介することで、一定の協力金が得られる。

コロナ禍で新規顧客開拓が厳しさを増し、一方で副業解禁などで、より多くのサポーターが自由にプラットフォームに参加できるようになったことが追い風となり、累計登録企業数は約2,700社、累計サポーター数は約2.5万人に達した。また、累計のつながり数は1万件、累計の紹介提案数は2万件を突破した。

Image credit: Saleshub

同社はまた、「つながりマッチング機能」を正式ローンチした。この機能では、サポーターが友人・知人のデータを「つながり」として登録、企業が自社の顧客候補の「アタックリスト」をアップロードすることで、企業かサポーターのつながりから紹介提案をできる。

これまでの Saleshub は、企業がつながりたい潜在的営業先を提示し、それを見たサポーターが企業に連絡を取る仕組みだったが、対照的につながりマッチングは、企業側から個人にアプローチできる「営業開拓版のビズリーチ」と見ることができるだろう。

Saleshub では今後、サポーター新規登録拡大のためのマーケティング施策に注力し、そのために、エンジニアやカスタマーサクセスのための人材を年内に約20名を採用予定。サポーターを個別に支援するために、「Saleshub コンシェルジュ」チームを構築することで、サポーターの活動の更なる活発化を狙う。

東大医学部発・睡眠テックのACCELStars、個人投資家複数から3.3億円を調達

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東京大学医学部発のスタートアップで、睡眠測定技術により、さまざまな疾病に対する治療方法の創出を目指す ACCELStars は14日、6月末までにエンジェル投資家複数から約3,300万円を調達したことを明らかにした。 このラウンドに参加したのは、 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up 木村真…

東京大学医学部発のスタートアップで、睡眠測定技術により、さまざまな疾病に対する治療方法の創出を目指す ACCELStars は14日、6月末までにエンジェル投資家複数から約3,300万円を調達したことを明らかにした。

このラウンドに参加したのは、

  • 木村真也氏 (JMDC 創業者)
  • 鍵本忠尚氏 (ヘリオス代表取締役社長)
  • 梅田裕真氏 (メディカルノート代表取締役 CEO)
  • 鈴木達哉氏 (ギフティ代表取締役)
  • 見満周宜氏 (Yosemite 合同会社代表社員) ほか、複数の名前非開示の個人投資家
画面左下から時計回りに:代表取締役 CEO 宮原禎氏、取締役 CTO 上田泰己氏、執行役員 緒方貴紀氏、社外取締役 岩佐琢磨氏
Image credit: ACCELStars

画面左下から時計回りに:代表取締役 CEO 宮原禎氏、取締役 CTO 上田泰己氏、執行役員 緒方貴紀氏、社外取締役 岩佐琢磨氏 <br>Image credit:

ACCELStars は2020年8月、東京大学医学部教授の上田泰己氏(現在、創業者兼取締役 CTO)により設立。統合失調症、うつ病、双極性障害、パーキンソン病、認知症、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など精神疾患・神経変性疾患・発達障害は、睡眠障害を併発する疾患であることが知られている。

しかし、現在提供されている睡眠測定サービスは、医療への活用は睡眠と覚醒の検知精度が低いという課題がある。ACCELStars では上田氏らを中心に開発した世界最高精度(93.2%)とされる睡眠測定技術を活用したウェアラブルデバイスを医療業界に提供し、健康診断への睡眠測定の導入や、製薬企業と協業した新たな治療方法の開発を行う。測定技術の詳細は追って上田氏が論文で発表する見込みだ。

ACCELStars の代表取締役 CEO には、リクルートを経て、ヘルスデータプラットフォーム「Pep Up」を立ち上げ(その後、JMDC により統合)、JDBC で新規事業開発、提携、マーケティング戦略責任者を経験した宮原禎氏が就任。また、ウェアラブルデバイスの開発が肝要となるため、Cerevo および Shiftall 創業者の岩佐琢磨氏が社外取締役に就任することも明らかになった。

オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」、シリーズBで1億米ドルを調達——ソフトバンクVF、WiL、Sequoiaらから

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<ピックアップ> A Company Called Mmhmm Just Raised $100 Million 文書管理共有ツール「Evernote」、そして、AI スタートアップスタジオ「All Turtles」などで知られる Phil Libin 氏が開発した​オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」が先週、シリーズ B ラウンドで1億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンド…

<ピックアップ> A Company Called Mmhmm Just Raised $100 Million

文書管理共有ツール「Evernote」、そして、AI スタートアップスタジオ「All Turtles」などで知られる Phil Libin 氏が開発した​オンラインプレゼンテーションアプリ「mmhmm」が先週、シリーズ B ラウンドで1億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドはソフトバンク・ビジョン・ファンドがリードインベスターを務め、Sequoia Capital や WiL(World Innovation Lab)らが参加した。

mmhmm は、パソコンとスマートフォンのカメラ、ビデオサービスをつなぐ仲介役として、仮想のカメラを作り出すというものだ。例えば、プレゼンテーションを画面共有に頼ることなく、ニュースキャスターのようにスライドの前で話したり、アプリ内でテキストを作成したり、録音されたメッセージとライブのディスカッションを組み合わせたりできる。

mmhmm は、前出の All Turtles から生まれたプロジェクトで、昨年5月に開発を開始、6月に460万米ドルを調達した。10月には、Evernote や Zoom を支援したこともある Sequoia のリードで、3,100万米ドルの調達が続いた。今後の mmhmm については、さまざまな機能改善や追加が予定されていることを Libin 氏は5月に公開した mmhmm Summer の中で述べていた。

via Bloomberg

台湾政府と業界団体、世界のスタートアップを招く2週間アクセラレーションプログラム第12期を募集

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台湾政府の国家発展委員会(NDA)とアジア・シリコンバレー計画執行センター(ASVDA)、台湾有数の大企業20社が資金提供する NPO の Epoch Foundation(時代基金会)が運営するスタートアップインキュベータ Garage+ は現在、第12期を迎えるアクセラレーションプログラム「Startup Global Program」の募集中だ。2015年に始まったこのプログラムは年に2回実…

台湾政府の国家発展委員会(NDA)とアジア・シリコンバレー計画執行センター(ASVDA)、台湾有数の大企業20社が資金提供する NPO の Epoch Foundation(時代基金会)が運営するスタートアップインキュベータ Garage+ は現在、第12期を迎えるアクセラレーションプログラム「Startup Global Program」の募集中だ。2015年に始まったこのプログラムは年に2回実施され、これまでに世界中から162チームが採択・参加。その3分の1以上が、台湾企業からの投資や協業を実現している。

このプログラムの特徴は、14日間(以前は10日間だった)という短期間に、Epoch Foundation に加盟する Taiwan Semiconductor Manufacturing (TSMC、台湾積体電路製造、台湾証取:2382)、ノートPC の ODM 世界最大手 Quanta Computer(広達電脳、台湾証取:2382)、Foxconn(鴻海/富士康、台湾証取:2354)、Acer(宏碁、台湾証取:2353)など、台湾を代表する企業に起業家が直接会え、台湾やアジア地域でのビジネス可能性を模索できる点。

募集領域は、AI とデータアナリティクス、IoT とスマートデバイス、デジタルヘルス、5G 技術、ロボティクス、スマートエネルギー、e モビリティなどで、参加にはシードからシリーズ B 資金調達を模索しているスタートアップが適しているとのことだが必須条件ではない(e モビリティスタートアップについては、台湾貿易センターが10月20日から1ヶ月間オンライン開催する e モビリティカンファレンスへの参加チャンスもある)。

プログラムへはここから応募できる。主催が NPO という性格もあり、参加にあたって費用を求められたり、エクイティの拠出を求められたりすることはない。採択された参加者には、前出のような台湾企業への訪問機会のアレンジやマッチングのほか、台湾との往復航空券、14日分の宿泊環境、3ヶ月のワーキングスペース利用権、台湾への起業家ビザが無償支給される(新型コロナウイルス対策で、一部サービスはオンラインで提供される可能性がある)。プログラム開始は10月13日からで、応募締切は7月14日となっている。

実践型入社試験SaaSで選考プロセスを効率化する「Worksamples」運営、HIRAC FUNDからシード資金を調達

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東京に拠点を置く HRport はシードラウンドで HIRAC FUND から資金調達したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。HRport にとっては2019年10月に実施したプレシードラウンドに続くものだ。同社では今回の調達を通じて、HIRAC FUND に出資する企業をはじめ、エンタープライズやミドルベンチャーへの「Worksamples」の導入・拡販の足掛かりとすることを期待し…

HRport の皆さん。前列中央が代表取締役の森海渡氏。
Image credit: HRport

東京に拠点を置く HRport はシードラウンドで HIRAC FUND から資金調達したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。HRport にとっては2019年10月に実施したプレシードラウンドに続くものだ。同社では今回の調達を通じて、HIRAC FUND に出資する企業をはじめ、エンタープライズやミドルベンチャーへの「Worksamples」の導入・拡販の足掛かりとすることを期待している。

HRport は2018年11月に設立(設立当時の社名は tabeco)。2019年8月には、ある会社でアンマッチだった求職者を他社に推薦・紹介できるプラットフォーム「HRport」で、F Ventures のピッチイベント「TORYUMON TOKYO」の最優秀賞を受賞した。HRport 創業者兼代表取締役の森海渡氏によれば、現在、事業の主軸としているのは今年春にβローンチした「Worksamples」だ。

HRport から Worksamples へピボットした理由について、森氏は次のように語ってくれた。

HRport に共感して導入してくれたのは、多くが企業の人事部門。しかし、人事部門は何千人という候補者と面談していて、非常に多忙で、到底、自社でアンマッチだった人材を他社に推薦・紹介する余裕は無いことがわかった。

そこで人事部門の皆さんの選考工数や手間をなんとか削減できないかと考えた。Worksamples は、HRport を提供していた際に発見したユーザのペインから生まれた、選考の仕組みを最大化するプラットフォームだ。

「Worksamples」
Image credit: HRport

入社候補者の選考時の入社試験、とりわけ、実践形式に応じた問答からは、候補者の適性を的確に評価できるため、選考プロセスにおける精度が最も高い。しかし、人数が膨大になる選考の最初の段階で入社試験を受けてもらうのは現実的でないため、多くの企業では、例えば、書類選考 → 一〜○次面談 → 実践型入社試験 → 最終選考など、入社試験は選考プロセス全体の後半以降に来ることが多かった。

Worksamples は、依頼された会社毎に採用要件を言語化、事業内容に即して実践型入社試験の内容をフルカスタマイズで作成する。SaaS にしたことで、候補者がいつどこでも、この試験を受けられるようにした。そして、回答内容について独自アルゴリズムを組み込んだ AI と人が採点する。最も選考精度の高い入社試験を、選考プロセス全体の最初にもってくることで効率化するわけだ。

応募者が多いエンタープライズ、選考工数の削減を考えつつも、実践的な目線で候補者を見極めたいミドルベンチャーなどがターゲットだ。従業員数500名以上の企業で高い効果が得られている。今春のβローンチから今まででも、多い企業だと1,200名の候補者に Worksamples を使ってもらうケースがあった。(森氏)

HRport では今回調達した資金を使って、エンジニア、ビジネスデベロッパ、マーケッタなどの人材確保を強化するとしている。

ノーコードでWebやアプリのテストを自動化「Magic Pod」、シリーズAで3億円を調達——STRIVE、Angel Bridgeから

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AI を使った UI テスト自動化プラットフォーム「Magic Pod」を開発・運営する TRIDENT は7日、シリーズ A ラウンドで3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、STRIVE と Angel Bridge が参加した。同社にとっては、2018年8月に実施したインキュベイトファンドからの1,000万円の調達、2020年4月に実施したインキュベイトファンドと、ソフトウェア…

TRIDENT のメンバー。中央が代表取締役の伊藤望氏。
Image credit: Trident

AI を使った UI テスト自動化プラットフォーム「Magic Pod」を開発・運営する TRIDENT は7日、シリーズ A ラウンドで3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、STRIVE と Angel Bridge が参加した。同社にとっては、2018年8月に実施したインキュベイトファンドからの1,000万円の調達、2020年4月に実施したインキュベイトファンドと、ソフトウェアテスト大手ベリサーブからの5,000万円の調達に続くものだ。

TRIDENT は2012年7月、ワークスアプリケーションズ出身で「日本 Selenium ユーザーコミュニティ」の運営などを行う伊藤望氏により設立。設立当初から、Web アプリケーション UI テストツール「Selenium」を使ったコンサルティングを行ってきた。Selenium の導入により、Web アプリの UI テストに要する稼働や手間はかなり軽減されるが、それでも一定のプログラム作成スキルや環境構築が必要になる。Web サイトの構成が変更されれば、テスト項目の修正も必要になる。

Image credit: Trident

MagicPod は、ノーコード・ローコードで自動テストを実現させるサービスだ。ディープラーニングが採用されており、アプリケーションの画面画像をスキャンし、入力項目の種類やラベルを自動判別、テストスクリプトを自動生成する。Selenium 同様に、Record & Playback 方式(ユーザの操作を記録し、それをそのまま実行)で自動テストができることから、開発者だけでなく非エンジニアでも簡単に利用できるのが特徴で、現在500社以上が利用している。

Magic Pod の特徴として、伊藤氏はデスクトップ用の web アプリのみならず、モバイル向けの web アプリやネイティブアプリのテストにも対応していることを挙げた。長年の UI テストに関わる経験を踏まえ機能も充実させていく考えで、今回調達した資金の使途としては、「現在社内にいるのはエンジニアがほとんどなので、エンジニア以外の人材の採用を進めていきたい(伊藤氏)」とのことだった。

Image credit: Trident

この分野ではアメリカの mabl、SmartBear、Tricentis、Eggplant などが先行していて、TRIDENT に出資するベリサーブも今年2月から mabl の販売やサポートを提供している。シンガポールの UI-licious は今年3月にプレシリーズ A ラウンドで150万米ドルを調達、また、国内スタートアップでは Autify は一昨年250万米ドルを調達し、モバイルアプリのテスト自動化や実機テストに向けたサービスを今秋ローンチすることに言及している。

モノの貸し借りマッチングアプリ「Alice.style」運営、新生銀行やSBIから22億円を調達【日経報道】

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6日の日経報道によると、モノの貸し借りマッチング最適化プラットフォーム「Alice.style(アリススタイル)」を運営するピーステックラボが、新生銀行や SBI グループなど十数社から約22億円を調達した。同社はこれまでに、NN コーポレートキャピタル、加賀電子、 イノベーション・エンジン、HTG、リコーリース、アスクルなどから調達していることが明らかになっている。 同社の累積調達金額は明らかに…

「Alice.style」
Image credit: PeaceTecLab

6日の日経報道によると、モノの貸し借りマッチング最適化プラットフォーム「Alice.style(アリススタイル)」を運営するピーステックラボが、新生銀行や SBI グループなど十数社から約22億円を調達した。同社はこれまでに、NN コーポレートキャピタル、加賀電子、 イノベーション・エンジン、HTG、リコーリース、アスクルなどから調達していることが明らかになっている。

同社の累積調達金額は明らかになっていないが、INITIALSTARTUP DB が集めた情報を総合すると、創業期から2018年7月までに4.1億円を調達、2020年5月期には資本金3.03億円・資本剰余金3億円に達していたが、2021年4月に資本金を11億円から9,550万円に減資、その後、2021年6月時点で資本金を4億8,000万円まで増資している。

ピーステックラボは2016年6月の設立。創業者は、時事通信、専修大学経営学部教授、ネットベンチャーの先駆けと言われたガーラの会長を経て、エイベックスデジタルで動画配信サービス「BeeTV」の立ち上げに関わった村本理恵子氏だ。個人間および企業から個人に商品をレンタルし、独自アルゴリズムでマッチング最適化するプラットフォームを運営している。

同社は今回調達した費用を、人材採用、広告宣伝、システム開発、出品物を保管する倉庫の拡張に充てる模様。現在のユーザ数は50万人で2年後に200万人の達成を目指す。

創業から10年、「バーチャル経理アシスタント」へのピボットで生き残ったメリービズが描く未来

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国税庁のデータによれば、企業が設立されてから10年経過して生き残っている確率は6.3%。もっとも、時代ニーズの変化に迅速に呼応するのがスタートアップの得意技なので、失敗した事業は早々に閉じ、心機一転して新たな事業に臨むというのも賢明な判断だ。しかし、やはり一つの新会社が10年以上続くというのは賞賛に値することである。アメリカの独立記念日に創業したというそのスタートアップは今日から11年目の事業期に…

左から:取締役 太田剛志氏、代表取締役 工藤博樹氏、取締役 山室佑太郎氏
Photo credit: Michael Holmes

国税庁のデータによれば、企業が設立されてから10年経過して生き残っている確率は6.3%。もっとも、時代ニーズの変化に迅速に呼応するのがスタートアップの得意技なので、失敗した事業は早々に閉じ、心機一転して新たな事業に臨むというのも賢明な判断だ。しかし、やはり一つの新会社が10年以上続くというのは賞賛に値することである。アメリカの独立記念日に創業したというそのスタートアップは今日から11年目の事業期に突入した。バーチャル経理アシスタントのメリービズだ。

10年前、経費の記帳代行サービスから始まった同社は、その後、記帳だけではなく経理業務を包括的に請け負うバーチャル経理アシスタントへとピボットを図った。この時ピボットができていなかったら、今のメリービズは存在しなかっただろうと、メリービズの創業者で代表取締役の工藤博樹氏は4年前を振り返る。この頃、ピボットを支援すべく参画したのが太田剛志氏であり、彼はその後、取締役に就任。もう一人の取締役である山室佑太郎氏は、インターンから取締役になったというメリービズの歴史を知る人物である。

ピボットは成功だったと言っていいだろう。大きな投資さえしなければ事業は黒字化しているが、そこはスタートアップなので計画は常に前のめりだ。バーチャル経理アシスタントが軌道に載ったという外部的な評価も得られたのだろう。同社はピボットして約1年後の2018年6月(発表は同年9月)に、みずほフィナンシャルグループ系総合リース大手の芙蓉総合リース(東証:8424)と、芙蓉総合リースの子会社アクリーティブから1億5,000万円を調達。その後、芙蓉総合リースから追加調達し持分法適用会社となっている

記帳代行を事業の柱にしていた頃、サービスをもっとテクノロジー寄りに振ろうとしていた。しかし、ユーザさんから、記帳代行だけでなく経理業務をまるっとやってもらえないか、と言われたのが事業転換のきっかけになった。当初は中小企業をターゲットにしていたが、今では多くの大手企業が経理業務を任せてくれている。経理業務まるごとのところもあれば、経費精算、記帳・仕訳入力、請求書発行だけなど、依頼される範囲はさまざまだ。(工藤氏)

先週オンライン開催された MerryBiz の10周年記念イベントの一コマ。
Photo credit: MerryBiz

大手企業で社内に経理が無いというケースは稀だろうが、働き方改革やコロナ禍のリモートワーク増で、残業を減らしたい、出社しないで経理が回る体制を作りたいなど、時流はメリービズに味方している。成長著しいスタートアップが  WeWork に入居するように、事業成長に経理の要員体制が間に合わない会社がメリービズを使うケースもある。最近では、J-SOX(内部統制報告制度)対応など大規模ユーザならではのニーズも寄せられるようになり、メリービズでは機能整備や追加にも余念がない。

10年前の創業時に、いきなりバーチャル経理アシスタントを始められたか、というと、それは無理だったと思う。一つには、受け入れてくれるユーザ企業側のケイパビリティの課題。そこへ SaaS のカルチャーが浸透してきて、企業経営の核となるデータを外部委託することに、かなり抵抗感は無くなった。現在の我々の立ち位置は、経理業務の外部仮想化みたいなところ。これをバックオフィス業務全般の仮想化にまで広げていけないかと思っている。(工藤氏)

現在は、芙蓉総合リースの持分法適用会社のメリービズだが、無論、これは工藤氏が目指した最終的なイグジットの形ではない。昨年、経費精算ソリューションを開発するクラウドキャストが MTI の傘下に入ったときに、彼らはそこから IPO を目指すことをお伝えした。時代のニーズやトレンドに歩調を合わせる必要があり、B 向けにサービス浸透の時間を要するフィンテックスタートアップにとっては、大企業をタッグを組んでサービスを強化しながら時を待ち、タイミングを見計らって一気に波に乗る手法は良策なのかもしれない。

工藤氏は、メリービズがビジネスのインフラになることをミッションに掲げており、「この仕組みで社会的なインパクトをもたらすことができた」と確信を得るためにも IPO を目指したいと語った。また他方で、さまざまな理由で仕事に出られない人たちに、自宅にいながら専門知識を生かして十分な収入が得られる仕組みを創出できたことも意義深い。前年比75%のスピードで成長する需要に応えるべく、同社では今後、現在1,000人ほどいる在宅プロ人材の拡充をさらに強化する計画だ。

和歌山発glafit(グラフィット)、日本初の法的車両区分を切り替えられるハイブリッドバイクを発表

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和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)は2日、日本初の車両区分を変化させられるハイブリッドバイク「GFR」を発表した。GFR はモビチェン(モビリティカテゴリチェンジャー)機構を搭載しているため、原動機(モーター)作動時は原動機付自転車扱い、ペダル走行時は普通自転車として正式に認められ公道を走行することができる。これまでもハイブリッドバイクは存在したが、原動機を作動させず人力で走行…

左から:萩原成氏(内閣官房 成⻑戦略会議事務局 規制のサンドボックス制度 政府一元窓口 参事官補佐)、鳴海禎造氏(glafit 代表取締役)、尾花正啓氏(和歌山市⻑)
Image credit: Masaru Ikeda

和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)は2日、日本初の車両区分を変化させられるハイブリッドバイク「GFR」を発表した。GFR はモビチェン(モビリティカテゴリチェンジャー)機構を搭載しているため、原動機(モーター)作動時は原動機付自転車扱い、ペダル走行時は普通自転車として正式に認められ公道を走行することができる。これまでもハイブリッドバイクは存在したが、原動機を作動させず人力で走行させる場合であっても原動機付自転車として扱われ、適用される交通法規に従う必要があった。

モビチェン機構を搭載したハイブリッドバイク「GFR」。
Image credit: Masaru Ikeda

ハイブリッド自転車がペダル走行時にも原動機付自転車扱いとなるのは、交通法規上、原動機の作動如何にかかわらず、そのモビリティが持つ最高性能に合わせた法律が適用されるべき、という法的解釈によるためだ。しかし、日本の道路は、車道と自転車および歩行者専用道路にのみ大別されていて、小型モビリティのための道路区分は存在しない。大型自動車が多く走る高い最高速度が設定された道路においても、原動機付の小型モビリティは自転車および歩行者専用道路ではなく、車道を走る必要があった。

glafit は内閣官房日本経済再生総合事務局(現・成長戦略会議事務局)のサポートを受け、和歌山市に規制のサンドボックス制度に共同申請。2019年11月から実施してきた実証実験を経てモビチェン機構を開発し、警察庁での最終確認を経て、1台の車両で電動バイクと自転車の切替を認める通達が出された。この道路交通法上の解釈変更により、モビチェン機構を搭載した GFR は今後日本国内で、運転状態に応じて、原動機付自転車、または、普通自転車として扱われることになる。

Image credit: Masaru Ikeda

glafit が開発したモビチェン機構はハイブリッドバイクの後部に搭載され、原動機が作動している際には自動車ナンバーが、また、原動機が作動していない際には自動車ナンバーがマスクされ自転車のシンボルマークが表示されている。原動機を作動させる電源と連携させているため、運転状態が担保される仕組みだ。glafit ではモビチェン機構が、ドローンと自動車、電動バイクと電動アシスト自転車など、モビリティの運転状態の変化に応じて、柔軟な交通法規を適用させる仕組みとして期待したいとしている。

glafit は2017年9月の設立。代表取締役の鳴海禎造氏は和歌山市内で2003年から FINE TRADING JAPAN (RM Garage という屋号で個人事業として創業)、四輪車や二輪車のドレスアップ・パーツの製造や販売を行ってきたが、代表取締役の鳴海禎造氏が、ベンチャーの先駆け的存在でもあるフォーバル(東証:8275)創業者の大久保秀夫氏に出会い、今必要とされるモノを作るだけでなく、100年のビジョンを持って会社を経営すべきと諭され、モビリティ分野にパラダイムシフトを起こすべく glafit を開発した。

Image credit: Masaru Ikeda

同社はこれまでに、マクアケ、オートバックス、ヤマハ発動機、パナソニックなどと協業、また、立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」、電動ハイブリッドバイク「glafit」などを開発している。モビリティの啓蒙活動にも注力し、日本電動モビリティ推進協会を組織して鳴海氏が代表を務めている。モビチェン機構を装着した GFR-02 の走行が始まるにあたり、同社では警視庁や全国の府県警察本部に試乗キャラバンを伴う普及活動を実施する計画だ。

無人ドローン配送のZipline、時価総額は27.5億米ドルに——日本でも近く医療施設向け配送開始か

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<ピックアップ> US drone operator Zipline doubles valuation to $2.75bn 世界的ドローン配送スタートアップ Zipline はシリーズ E ラウンドで2.5億米ドルを調達した。同社がユニコーン入りした2019年3月のシリーズ D ラウンドの時に比べ、時価総額は2倍以上にあたる27.5億米ドルに達した。新型コロナウイルスが感染拡大する中、医療物資…

発射される Zipline のドローン
Image credit: Roksenhorn – Own work, CC BY-SA 4.0

<ピックアップ> US drone operator Zipline doubles valuation to $2.75bn

世界的ドローン配送スタートアップ Zipline はシリーズ E ラウンドで2.5億米ドルを調達した。同社がユニコーン入りした2019年3月のシリーズ D ラウンドの時に比べ、時価総額は2倍以上にあたる27.5億米ドルに達した。新型コロナウイルスが感染拡大する中、医療物資やワクチンの配送需要が高まり、世界各地での需要増が貢献したと考えられる。

Zipline は、地上の交通網が整備されていないアフリカなどで、病院への血液、医薬品、ワクチンの配送に利用されたことでその名を広め、過去5年間で15万回以上のミッションをこなしている。現在、世界中で1,000機以上のドローンが活動しており、ルワンダ、ガーナ、アメリカの2,500以上の医療施設への配送に利用、近くナイジェリアと日本も追加される予定。

現在、アメリカでは Wallmart、Pfizer、Novant Health などのパートナーと、また、日本では Zipline に出資する豊田通商(東証:8015)の働きかけにより事業を拡大しているところだ。アメリカでの事業展開は、連邦航空局の規制により困難を極めるも、2年間の交渉を経て、長距離無人配送サービスの広域運用を年内には開始する見込みだ。

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via Financial Times