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Taishi Masubuchi

Taishi Masubuchi

1996年東京生まれ。シンガポールでの高校生活、米シアトルでの大学生活を通し、いつの間にかテクノロジーが好きに。現在はブロックチェーンリサーチャーとして活動。個人で、イーサリアム関連のプロジェクトに多く関わる。ブロックチェーン以外でも、東南アジア、北米(シアトル中心)のスタートアップの動きに着目。ジャーナリズムを通した小さなムーブメントを乱発し続けるために記事執筆。旅行をもっとしたくなるような、"位置"に価値を付けていく事業考案中。旅が好きです! Twitter - @taiseaocean

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スタートアップ専用銀行「Mercury」がa16zから2000万ドル調達、その人気の理由とは

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ピックアップ:Mercury banks $20M for its banking service aimed at startups ニュースサマリー:スタートアップ特化のオンライン銀行「Mercury」は26日、シリーズAにて2,000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはCRVが参加し、既存投資家のAndreessen Horowitzも同ラウンドに参加した。また新たにWil…

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ピックアップMercury banks $20M for its banking service aimed at startups

ニュースサマリー:スタートアップ特化のオンライン銀行「Mercury」は26日、シリーズAにて2,000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはCRVが参加し、既存投資家のAndreessen Horowitzも同ラウンドに参加した。また新たにWill Smith’s Dreamers Fundや複数の個人投資家も参加している。

Mercuryはスタートアップに特化したオンライン限定の銀行サービスを展開している。銀行業としての基本的な機能のほかに、スタートアップのニーズに特化したサービス設計やインターフェースの構築を施している。

TechCrunchによれば、同社が創業した2019年4月の初週にて1,500名の事前登録あり、月間40%の増加率を記録しているという。

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話題のポイント:Mercuryのようなオンライン展開の銀行は「チャレンジャーバンク」と呼ばれています。銀行業務ライセンスを取得し、既存銀行と同様のサービスを提供するオンライン銀行を指します。実店舗を持たずオンラインのみで金融業を完結させる近年のフィンテック市場にて急成長を遂げている事業エリアです。

著名なチャレンジャーバンクにはイギリス発の「OakNorth」「Monzo」「Revolt」、ドイツ発の「N26」が挙げられます。大半がヨーロッパを発祥であり、グローバル市場へ進出中だという印象です。

米国発のチャレンジャーバンクではミレニアル世代をターゲットした「Chime」などが台頭しつつありますが、ヨーロッパ市場の盛り上がりには劣る感じがします。

では、米国において需要がないのかというとそんなことはなく、たとえば上述したChimeは2018年時点で開設口座数が100万を突破しており、「チャレンジャーバンク」の概念がユーザーに浸透し始めている過渡期といえます。

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Chimeは完全オンライン型、デビットカードの発行も実施している

ChimeがB2Cモデルなのに対し、今回取り上げたMercuryはB2Bなため、上述したOakNorthと同様のビジネスモデル確立を目指しています。その上でスタートアップ領域に特化していると受け取れます。

スタートアップ向けに法人クレジットカードの提供をおこなう「Brex」は米国でも大変注目されているスタートアップですが、ビジネスモデル的にMercuryはBrexのデビットカード版ということになるでしょう。

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Mercuryの競合として「Silicon Valley Banks」や「Wells Fargo」など、老舗銀行の中でもスタートアップに対しも口座提供を行ってきていた銀行が挙げられるでしょう。ただ、上記2社は決してスタートアップに特化しているわけではありません。そのため、スタートアップのための銀行であるMercuryに創業初期の企業からの問い合わせが集まることが予想されます。

では、実際Mercuryの競合となるのはだれか。同社の競合はどちらかといえばテクノロジーベースで「銀行業」に踏み込む企業が当てはまるでしょう。たとえば「TransferWise」を将来的な競合と考えるべきではないでしょうか。

手数料を極限まで抑え国際送金を可能とするサービスとして著名なTransferWiseですが、新事業として「TransferWise Boarderless」を始めています。同サービスでは、海外にいながらもある特定の通貨を保有可能な銀行口座を開くことができ、現段階で40以上もの通貨を扱っています。

加えて特筆すべきなのは、米国において公共料金の支払いや給料の振り込みなどに必要なACHや銀行間送金に必要なWire Transferの番号が割り振られている点にあります。これは日本の銀行にはなく、米国独自のシステムなため、たとえば米国への留学生が大学側へ授業料支払いをする際などに非常に役立つことが想定されます。

海外にいながらもある特定の通貨を保有可能な銀行口座を開くことができ、現段階で40以上もの通貨を扱っています。TransferWise Boardlessは法人向けに同様サービス「TransferWise Boardless for Business」を提供しています。

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まさに利用面だけをみれば、Mercuryをグローバルな口座へ進化させた形といえるでしょう。しかし、一見「銀行業」的な枠割を果たしているように見えるボーダレスのサービスですが、一般的な「銀行」の定義とは少し違った形態で運営されています。

同社は銀行ライセンスを取得し銀行業を営んでいるのでなく、データ上の資金移動を行う電子マネー事業者として「銀行業」と同等のサービス提供に成功しているのです。

銀行ライセンスの有無では、Mercuryが目指しているスタートアップのための「銀行」とTransferWiseが提供するボーダレス「銀行」は直接競合とまで言い切れないかもしれません。

しかし事業内容で比較すると、現時点でTransferWiseがC向けであるという印象。これからB向けサービスの拡大も同時並行で進めるとなった際は、十分競合となりえると感じますし、既にC領域で地位を獲得しているアドバンテージは多くあることが想定できます。

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オーガニック大麻の「Future State Brands」が2500万ドル調達ーー合法マリファナに与えるブランドの価値

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ピックアップ:Future State Brands: Going Mainstream For High End Cannabis ニュースサマリー:マリファナeCommerse企業の「Future State Brands」は23日、プライベートエクイティーラウンドにて2500万ドルを調達したと発表した。Cresco Capitalがこのラウンドをリードした。 同社は自社にてマリファナ製品のブ…

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ピックアップFuture State Brands: Going Mainstream For High End Cannabis

ニュースサマリー:マリファナeCommerse企業の「Future State Brands」は23日、プライベートエクイティーラウンドにて2500万ドルを調達したと発表した。Cresco Capitalがこのラウンドをリードした。

同社は自社にてマリファナ製品のブランドを立ち上げ、販売するスタートアップ。マリファナを効能によって製品をカテゴライズし、美容特化の「Hempathy」、機能性ドリンク「Ceeby Dee’s」、ウェアラブル型の「The Oatch Co.」などのブランドを抱える。同社は主に、マリファナが法的に認められているカリフォルニアにて販売・研究をしている。

話題のポイントCB Insightの調査によれば、マリファナに関連するスタートアップ・ビジネスの話題は特に2017年終盤から増加傾向にあることがわかります。また、同年5月時点で「マリファナスタートアップ」が総額13億ドルを調達済みということで、昨年の同時期における調達額は5億6900万ドルですから、約2倍もの資金を同領域へ呼び込んだということになります。

今回ご紹介する「Future State Brands」が提供するマリファナ製品は従来のイメージとは程遠い「マリファナ」のブランディングを進めています。上述した「The Oatch Co.」というブランドは、吸引型でも飲食型でもなくシール型。シールのように体に張り付けることでマリファナの成分「CBD(カンナビジオール)」が体内へ吸収されていく仕組みです。

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同社の公式サイトでも述べられていましたが、同製品はデザインにもこだわりをもって作られており、従来の「危険」なイメージからアクセサリーの一部として利用されることも想定しているようです(同社サイトでは “you will not only feel good on the inside, you’ll look great on the outside.”と表現)。

私が住んでいるワシントン州シアトルも、嗜好用マリファナは合法なため町のあらゆるところにマリファナ販売店が見られます。しかし、CNBCの記事にもあるようにマリファナ購入に関わる税金は非常に高く設定してあるため、これを避けたい消費者は非合法な店舗・業者から購入してしまうという問題を抱えることになりました。こういったことが頻繁に起きているため、どうしても「マリファナ=ダークマーケット」という印象がぬぐえない原因にもなっているのかと思います。

Future State Brandsが提供するマリファナがブランドを確立し、パッケージなどのアイキャッチが浸透すれば、こういった違法性のある商品に一定の影響を与えることになるでしょう。この辺りはお酒やタバコといった嗜好品に与えるブランドの効果と同様です。

あと、The Oatch Co.の原料になっている麻のCBDという成分は日本でも合法とされていて、海外のCBD製品を取り扱うブランドが日本にてポップストアを出したりしています。

マリファナや大麻というと違法のイメージが先行しますが、十把一絡げに認識せず、ここにあるニーズを見極めれば日本でもブランドを立ち上げるチャンスはあるのではないでしょうか。

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SEC公認の証券プラットフォーム「Securitize」、グローバル・ブレインなどから1,400万ドル調達

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ピックアップ:Token Tech firm Securitize Raises $14 Million from Santander, MUFG ニュースサマリー:ブロックチェーンスタートアップの「Securitize」は25日、シリーズAにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。主な投資家にはSantrander InnoVentures、MUFG Innovation Partne…

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ピックアップToken Tech firm Securitize Raises $14 Million from Santander, MUFG

ニュースサマリー:ブロックチェーンスタートアップの「Securitize」は25日、シリーズAにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。主な投資家にはSantrander InnoVentures、MUFG Innovation Partners、Nomura Holdings、Coinbase Venturesが参加している。また、既存投資家のBlockchain Capital、 Ripple Ventures、 Global Brains、NXTP、 SPiCE VC、 SeedRocket4Foundersも同ラウンドに参加している。

Securitizeはデジタル資産をブロックチェーン上で発行・管理が可能なセキュリティトークン・プラットフォームを提供。自社開発を進めるDigital Securities Protocol(DS Protocol)では、セキュリティトークン発行者が流通市場での公開取引を可能とし、流動性を保ちながら安全なトークン管理を実行できる機能を提供している。同社によれば、DS Protocol上にて既に11のセキュリティトークンが発行されているとし、そのうち5つは公開市場にて取引されているとしている。

話題のポイント:久々にセキュリティトークンの話題です。ブロックチェーンスタートアップの中で、セキュリティトークンを利用してアセット取引を可能とする世界観は以前から期待されており、Securitizeもその一つです。

ただ、同社は今年8月にSEC(米国証券取引委員会)から公式に「Transfer Agent」として認可を受けています。これによりSECが管理する証券に権利移転や名義変更の申請がなされた際に公的に管理できるようになりました。

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SEC

この認可が下りたことは、Securitizeを含めブロックチェーン市場にとって好材料なことは間違いありません。特にSECがSecuritizeを権利移転サービスの1つの選択肢として提示している点にも注目でしょう。

ICOなどが流行した2017年は「ブロックチェーン」という言葉が独り歩きしてしまい、結果バブルに陥ってしまいました。それに比べ、セキュリティトークン周辺では今回のSECが冷静な動きを見せているように、あくまで「便利な機能」の一つとして提示しているように思えます。

アートや不動産などの資産をトークン化し、ブロックチェーン上で管理することは圧倒的効率性、透明性、流動性を持つことになります。これを「ブロックチェーン」というバズワードを使わずいつのまにか利用している状態を作れる環境構築が重要視されるべきなのでしょう。

日本拠点のVCやCVCも、今回のラウンドで数多く参加しています。「SEC公認」という立場を使い、アジア市場をどのように攻略してくるのか注目です。

 

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米クレカの負債総額は8,700億ドルーーHappy Moneyが取り組む「Sad Money」問題を考察する

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ピックアップ:Happy Money Raises $70 Million At A Valuation Of Nearly $500 Million ニュースサマリー:別記事でもお伝えした通り、アメリカ発のFinTechスタートアップ「Happy Money」は9月5日、シリーズDにて7,000万ドルの資金調達を公表している。 同社は資金を貸したいクレジットユニオン(信用組合)とクレジットカード…

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ピックアップHappy Money Raises $70 Million At A Valuation Of Nearly $500 Million

ニュースサマリー別記事でもお伝えした通り、アメリカ発のFinTechスタートアップ「Happy Money」は9月5日、シリーズDにて7,000万ドルの資金調達を公表している。

同社は資金を貸したいクレジットユニオン(信用組合)とクレジットカードの負債を返済したいユーザーを結びつけるマーケットプレイスを展開。返済したいクレジットカードに紐づけられるユーザーの信用度(クレジットスコア)に応じて融資額が提示される仕組みだ。クレジットユニオンから融資された資金はクレジットカードの負債に対する支払いへ用いられる。

資金調達元のCMFG Venturesは親会社にCUNA Mutual Groupを持ち、同社は米国における95%以上ものクレジットユニオンとビジネス的関係性を持ち合わせているという。そのため、Happy Money社にとっては、今回のラウンドにて資金面に加えパートナーシップ強化にも繋がる。

話題のポイント:Happyの対義語はSad。そこでHappy Moneyはクレジットカードの利用による負債を「Sad Money」として表現しています。クレカ負債の問題は根深く、前回記事とは別の角度でこのサービスについて考察してみたいと思います。

Federal Reserve Bank of New Yorkが今年2月に発表したデータによれば、米国内のクレジットカード負債総額は8,700億ドルにも及ぶとしています。また、CNBCによれば米国民の半数以上を占める55%がクレジットカード負債の返済を余儀なくされている状況であるとしています。

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また、こちらはFederal Reserve Bank of New Yorkが2015年に発表した、クレジットカードの負債をキャッシュで返済できず、家財などの取り立てという結果に至った割合を示しています。

bad debt getting better

グラフは明らかに年々上昇し続けており、2015年には全体の13%ほどが「取り立て」という結果を迎えています。言い換えれば米国におけるクレジットカード保有者の10人に1人は負債に悩まされ最終的には支払いが不可能になっているという状況があるということです。

Happy Moneyが指すSad Moneyが溢れている状況です。なぜこういった市場になってしまっているのでしょうか?

ここで米国市場におけるクレジットカード負債返済の実情を説明するため、日本の状況を挙げてみようと思います。一例としてエポスカードなどを運営する丸井グループの2018年Q4における資料を見てみましょう。

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丸井グループ2018Q4

2018年Q3のデータを見ると、リボ払いや分割払いの総額が5,480億円と上昇傾向にありますが貸倒率は1.60%と米国に比較して低い水準を満たしていることがわかります。

ではなぜ日本市場においてはクレカの貸倒率が低く健全な経済市場が保たれているのでしょうか。経済産業省が公開しているデータによれば、2016年における民間最終消費支出の内、クレジットカード(デビットや電子マネーも含む)による決済は20%のみであり、80%はキャッシュによる取引が行われているということが分かります。

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経済産業省「キャッシュレスビジョン」

次にFederal Reserve Bank of San Franciscoが2016年に発表した消費活動における主要決済手段のグラフを見てみましょう。キャッシュが全体の26%を占め、クレジットやデビットカードが70%近くを占めています。

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Federal Reserve Bank of San Francisco

つまり、逆なんですね。日本においては確かにクレジットカードの負債返済は貸倒率が低く健全なように見えますが、最終支出の内に占める割合が現時点で非常に少ないことが健全な市場を維持している要因と言えます。

逆に米国では、最終支出がクレジットカードで多く占められているため、利用額に比例して貸倒率も高水準を維持していると考えられます。これは金額を考えずクレジットカードを使いすぎている文化というよりも、少額でもキャッシュを日常利用しない文化が引き起こしている問題であると感じます。

日本も今後、キャッシュレスが推進されるわけですが、将来的にこういった「返せない問題」がより顕在化してくるかもしれません。その際にテクノロジーがどのような対策を取るのか、金融ビジネスは多くの事業者が参入してくる激戦区なだけに、負の課題は注目ポイントになると思われます。

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悪化する違法児童労働への一手は「投げ銭珈琲焙煎マシーン」コーヒー農家向け「Bellwether Coffee」が4,000万ドル調達

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ピックアップ:Bellwether Coffee Raises $40M To Sell Its Coffee Roasting Tech Globally  ニュースサマリー:コーヒースタートアップの「Bellwether Coffee」は4日、シリーズBにて4,000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはDBL Partners、Lyndon、Peter Riveが名を連ねる。…

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ピックアップ:Bellwether Coffee Raises $40M To Sell Its Coffee Roasting Tech Globally 

ニュースサマリー:コーヒースタートアップの「Bellwether Coffee」は4日、シリーズBにて4,000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはDBL Partners、Lyndon、Peter Riveが名を連ねる。加えてFusionX、Congruent Ventures、Coffee Bell、Tandem Capital、Spindrift Equities、XN Ventures、Balius Partners、Hardware lubらが同ラウンドに参加している。

Bellwether Coffeeは冷蔵庫型の自動コーヒー焙煎マシーンを開発し、珈琲ショップ向けにリース販売している。同社によれば、米国において大規模なコーヒー焙煎機を取り扱うためには認可を取る必要があり、焙煎のステップは比較的大規模な施設で実施するのが一般的だった。

Bellwether Coffeeは「焙煎」と「販売」が分離されていることで生じる運搬コストなどを課題に設定し、コーヒーの新鮮さに加えコスト面における効率化を同時に目指す。

話題のポイント:2019年はコーヒーとテクノロジーを絡め合わせたスタートアップが数多く誕生しました。以前取り上げたように、2018年における「コーヒースタートアップ」の総調達額は計10億ドルと2017年との比較だけでも4倍にも拡大しています。これは感覚値ですが、2019年も昨年と比較し数倍の調達額になるのではないでしょうか。

<参考記事>

さて、「Bellwether Coffee」の主要サービスは、比較的安価で場所にも困らないコーヒー焙煎機を製造・販売することです。たとえば個人経営の小さなコーヒーショップであっても、焙煎と販売を同時に行い新鮮なコーヒーを提供できる世界を目指しています。また、運搬作業がなくなるため、消費者に届くまでのコスト削減も可能とさせます。

特に着目すべきなのは、焙煎機に付属しているソフトウェアには、販売するコーヒーの生豆を生産・販売しているコーヒー農家にチップを直接送れるシステムが搭載されている点です。

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近年オーガニック食材の販売棚に、生産している方の顔写真が載っているお店が増えていますが、この点を完全にオンライン化。コーヒーを買いに来た人が生豆からその日のコーヒーを選択し投げ銭(チップ)を送ることを実現させました。

コーヒー農家は比較的発展途上国を拠点にしている傾向にあり、賃金を抑えるために未成年の子供や女性が低賃金で労働を強いられる環境にあります。

以下は、アメリカ合衆国労働省が発表した国際規約に違反し労働を強いられている子供が問題となっている地域です。カリビアンや南米、アフリカ大陸などコーヒー豆の生産地として著名な個所が挙げられていることがわかります。

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アメリカ合衆国労働省

この問題を実際に現地に赴いて実情を調べ上げたドキュメンタリーでは、大人の労働者が農家運営者に対し「少しでもお金を得るため子供も働かせて欲しい。でなければ、我々は働かない」と述べています。これにより、運営側も労力として子供を迎え入れなければならない負の連鎖が起きているといえます。

結局元をたどれば「貧困」に行きつくこの問題。これは、今まで生産者のコーヒー農家と消費者の私たちが繋がるきっかけがなかったことも一つの大きな理由かもしれません。

Bellwether Coffeeの焙煎マシーンを利用すれば、インターネットを通し、物理的距離を超えた解決策を提供できる可能性を秘めています。

特に欧米諸国ではチップ文化は一般的。最終消費者と生産者がお互いに支えあうエコノミー形成を、焙煎マシーンを通して提供できるはずです。世界規模の新たな「経済圏」が生まれることになるでしょう。

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ライドシェア次の戦場はどこにーーUber2Q決算から紐解く次の一手は?

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ピックアップ:Uber Reports Second Quarter 2019 Results  ニュースサマリー:Uberは9日、第2四半期の決算報告書を公開した。同資料によれば、Q2における同社純利益は14%(YoY比)増で約31億ドルとなる一方、純損益は52億ドルと前年度の8780万ドルから大きく増加する結果となった。それでも最終的な修正後純利益は28.7億ドルと12% (YoY比)の増加率…

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ピックアップUber Reports Second Quarter 2019 Results 

ニュースサマリー:Uberは9日、第2四半期の決算報告書を公開した。同資料によれば、Q2における同社純利益は14%(YoY比)増で約31億ドルとなる一方、純損益は52億ドルと前年度の8780万ドルから大きく増加する結果となった。それでも最終的な修正後純利益は28.7億ドルと12% (YoY比)の増加率となっている。ニューヨークタイムズによれば純損益の52億ドルの内39億ドルはIPO時における従業員への配当や関連資金としている。

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話題のポイント:先日Pinterestの第2四半期決算報告書の内容をお伝えしましたが、今回はUberの2Qをチェックしてみたいと思います。

上記でも述べた通り損失の内39億ドルはIPO時における株式配当金(RSU:制限付きのストックオプション)、2億9800万ドルは「Driver Appreciation Award」というUberの運転手への報奨金として使われた一時的なものです。IPOに準じて生ずる内部の費用がマイナス全体の約80%を占めていることになるため、実質の損失額は約10億ドルいえるので前年度の8億7800万ドルと比較してもそこまで大きな差がありません。

Uberの決算報告書では、Uber ProやUber Rewardを通した利用者並びにドライバーへの還元姿勢、またUberEatsの海外市場における成長がハイライトとして言及されていました。ただ、ライドシェアリングという市場で見れば、この様な内容は目新しいものでなく、競合のLyftやGrabなども同じ内容を含んでいることが想像つきます。

Uberが先行していると感じたのは「Uber Air」、同社が進める「空飛ぶタクシー」プロジェクトです。ライドシェアが当たり前になった今、Uberは新たに「空」の移動市場に拡大をしようとしています。

<参考資料>

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上資料はUberAirのホワイトペーパーに記載の、同プロジェクトにおける今後のタイムラインです。2025年を目途にオペレーションが開始されることが明記されており、初期デモンストレーションに1000万ドルから2000万ドル、公的な諸手続きや生産に1億5000万ドルから3億ドルのコストがかかると見込んでいます。

同プロジェクトの本格始動は2019年度、つまりまさに今、進行中ということなので、今後の決算資料にUberAirがどういった立ち位置で出てくるのか楽しみです。

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ホームパーティー版 Airbnb「MyScoot」が目指す、新たな出会いの創造ーーYC卒業生、OYO経営陣も注目

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ピックアップ:Y-Combinator Backed MyScoot Reportedly Raises $1.7M For Verified House Party Guests  ニュースサマリー:インドに本拠地を置く「MyScoot」は6月30日、シードラウンドにて170万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はLightspeed India Partners、Venture High…

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ピックアップY-Combinator Backed MyScoot Reportedly Raises $1.7M For Verified House Party Guests 

ニュースサマリー:インドに本拠地を置く「MyScoot」は6月30日、シードラウンドにて170万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はLightspeed India Partners、Venture Highway、Mayfield India。また、エンジェル投資家としてCREDの創業者Kunal Shah氏、OYOにてCSOを務めるManinder Gulati氏も参加している。

同社はホームパーティーやイベントのマーケットプレイスを提供。参加するには個人認証が必要で、同社では5ステップにも及ぶ個人認証で安全性向上に努めている。同社はY Combinatorが実施するアクセラレータープログラムの卒業生でもある。

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話題のポイント:ホームパーティー版「Airbnb」を称するMyScoot。あらゆるイベントをオープンに、参加しやすくなる環境を目指しています。

上図は同社プラットフォーム上にて募集しているチャイティーを飲む会。場所や時間、おすすめの年齢などが情報として提供されています。着目すべきなのは、あくまでこれらのイベントは利益というよりは家という場所を通した「交流」がベースにあるという点です。

確かにホームパーティー文化が根付いている米国などでは、Facebookのイベントページを用いてポットラックパーティー等を開催することはよくあります。

また、これは特にキリスト教に見られますが、家や教会にパーティー的感覚で集まり食事会をしつつ、宗教的交流を図ることなどがあります。もちろん参加費などお金がかかることはほぼありません。「交流」が根本的なベースにあるからです。

日本においても、”ビジネス的”イベントにはFacebookがよく使われているように思えます。ただ、この様に気軽に楽しめるようなイベントを見つけることは難しく、仮にあったとしても自宅で開催するというものはあまり掲載しないかもしれません。日本において「ミートアップ」という言葉はもはやビジネスに通じることを意味しているような雰囲気な気もしていて、閉鎖的なものになっていると感じます。

そういう意味で、コーヒーやお茶のようなビジネスとは離れた趣味をきっかけに、様々な「交流」が生まれる機会を目にすることは日本では案外少ないのかもしれません。

MyScootはインドで同事業を開始し、数か月で2500名ほどが利用したそうです。また、何よりOYOが関わっていることも考えると、OYOやAirbnbのようなホスピタリティースタートアップのバリューを上げていく上で、「新天地での交流」を如何に促進するかというのは同市場にとって重要なポイントなのだと感じます。

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Airbnbが出張滞在特化の「Urbandoor」買収ーー法人需要と不動産事業者でエコシステムづくり狙う

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ピックアップ:How Can Airbnb Guests Live Like Locals if Hosts Are, Well, Corporations? ニュースサマリー:Airbnbは6日、ビジネストラベラー向けに滞在場所を提供する「Urbandoor」を買収したと発表した。金額は公表されていない。同社は2015年創業で、60以上の国、1500以上の街で法人出張者を対象に長期・家具付きのア…

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ピックアップHow Can Airbnb Guests Live Like Locals if Hosts Are, Well, Corporations?

ニュースサマリー:Airbnbは6日、ビジネストラベラー向けに滞在場所を提供する「Urbandoor」を買収したと発表した。金額は公表されていない。同社は2015年創業で、60以上の国、1500以上の街で法人出張者を対象に長期・家具付きのアパートメントを運営するホスピタリティースタートアップ。

Airbnbのプレスリリースによれば、Urbandoorの特徴にはその契約形態にある。同社は部屋の貸主ではなく、それを保有する不動産屋や集合住宅の地主、ビルオーナーと直接交渉し、法人向け長期滞在スペースの魅力や金銭的リターンを伝えていた。

話題のポイント:Urbandoor買収の背景には「Airbnb for Real Estate(Airbnb-friendly building)」というプログラムが大きくかかわっていそうです。同プログラムは、不動産会社や土地所有者と協創を目指すもの。実は2016年から始まっている同社のプログラムの中ではかなり早い段階のものです。

参加する不動産会社や土地所有者、ビルオーナーは住居のマネジメントに関わるサービスを受けることが可能になります。以下はサービスの一例。Airbnbを通して部屋を貸し出すことを許可制にすることで、「いつの間にか貸し出されている」という状況を避けることが可能となります。また、全ての住居の内幾つの部屋が貸し出し中かなどの分析ツールも提供され、リアルタイムで管理することが可能。

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加えて、オーナーには固定のサポートチームが付くことで毎度同じ説明をすることなくハイレベルな援助を受けることができるため、「マネジメント」という観点でコンサルティングサービスに近いともいえるでしょう。今回買収したUrbandoorは、Airbnb Friendly Buildingsがターゲットとしている層とのコミュニケーションに優れている、いわばコネクションが強い企業であるといえます。

民泊と不動産保有者はしばしば対立関係で表されますが、Airbnbは当然仲良くするのが得策です。2者間の関係性に、さらに透明性が増していけば市場として新たな動きが起こっていくのだと思います。

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テナント空間をサービス化「Spaceflow」が提供する「Space as a Serice(SaaS)」とは

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ピックアップ:Spaceflow, the ‘tenant experience platform’, scores $1.8M investment ニュースサマリー:プラハに本拠地を置く「Spaceflow」は6日、180万ドルの資金調達を実施したと発表した。Credo Venturesがリード投資家を務め、Day One CapitalとUP21も同ラウンドに参加して…

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ピックアップSpaceflow, the ‘tenant experience platform’, scores $1.8M investment

ニュースサマリー:プラハに本拠地を置く「Spaceflow」は6日、180万ドルの資金調達を実施したと発表した。Credo Venturesがリード投資家を務め、Day One CapitalとUP21も同ラウンドに参加している。

同社はテナント住居者やシェアハウス住居者向けに、アクティビティーやイベントなどのパッケージをアプリ上で提供。テナントオーナーは、コミュニティー活性化ならびに賃貸契約の継続性を高めることができる。今回調達した資金は、米国並びにイギリスにおける成長戦略に利用される。

話題のポイント:WeWorkの台頭から始まったといえる、サービスとしての空間を意味する「Space as a Serice(SaaS)」。ある空間に対し「その場所である意味を提供する」という考え方で、WeWorkであれば単なるコワーキングスペースでなく様々なメリット・特徴を加えることで「WeWorkらしさ」を作り上げています。

Spaceflowが目指すのはこの考え方の民主化で、一般的なテナント住居のSaaS化です。ここで意味するテナントは、集合住宅から商業施設まですべてを含んでいます。実際にWeWorkを使ったことがある人であれば、提供されているアプリで訪問者の受付登録や会議室の予約、入居者同士のチャットなどができるのをご存知だと思いますが、そのインフラ含めて提供するイメージです。

具体的なサービス内容は、コンシェルジュサービス(掃除以来やフードデリバリーなど)やテナント住居者限定のクーポン、チャットサービスなどです。全てをデジタル化し、透明性を保つことも間接的に一つの利点となっています。

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また、各テナントで利用されていないスペースやアメニティー、車などをシェアエコノミー化できるエコシステムの構築も提供しています。支払いもアプリケーション内に含まれているため、集中管理することで、個別支払いなどの金銭的トラブルが起こるリスクも軽減しています。

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WeWorkアプリにもありますが、テナント入居者間のコミュニケーションをチャットで気軽に取ることも可能になっています。電話やメールよりも気軽ですし、リアルタイムに情報伝達ができるのは大きな利点といえるでしょう。コミュニケーションだけでなく、どのような会社・人物がその場にいて、どんな暮らしをしているのかを知るという意味でも結構大切なサービスだったりします。

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創業1年半で10万鉢以上販売、観葉植物D2C「Bloomscape」がミレニアル世代にウケた理由ーーシリーズAで750万ドルを調達

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ピックアップ:Online Plant Shop Bloomscape Sees Green with Revolution-Led $7.5M Series A  ニュースサマリー:観葉植物のD2Cプラットフォーマー「Bloomscape」は1日、シリーズAにて750万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はRevolution Ventures。また、Endeavorや既存投資家に加…

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ピックアップOnline Plant Shop Bloomscape Sees Green with Revolution-Led $7.5M Series A 

ニュースサマリー:観葉植物のD2Cプラットフォーマー「Bloomscape」は1日、シリーズAにて750万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はRevolution Ventures。また、Endeavorや既存投資家に加えてD2C業界をリードするAllbirdsの共同創業者Joey Zwillinger氏、Awayの共同創業者Jen Rubio氏、Eventbriteの共同創業者Kevin Hartz氏、Harry’sの共同創業者Jeff Raider氏、Quoraの共同創業者Charlie Cheever氏、Warby Parkerの共同創業者Neil Blumenthal氏とDave Gilboa氏が同ラウンドに参加している。

同社創業者Justin Mast氏によれば、創業から16カ月で10万件以上もの観葉植物を販売した実績を持つ。現在、同プラットフォームでは90以上の植物を取り扱い、消費者のニーズや地域特性(気温など)に合わせて販売をしているという。

話題のポイント:アパレルを中心に、特に北米で勢いを増すD2C領域のスタートアップ。先日お伝えした、スーツケースD2C「Away」のようにこの背景にはミレニアル世代のパーソナライズ思考が大きく関係していると感じています。

<参考記事>

さて、今回新たにD2C領域に登場した「Bloomscape」は、同領域には珍しくミレニアル世代よりもファミリーやそれ以上の年齢層を意識したものという印象です。ではなぜ、ここまでの需要とスピード感で成長を遂げているのか。そこには「ウェルネス系スタートアップ」の台頭が大きく関係してそうです。

北米を中心にヨガや瞑想などをテクノロジーと組み合わせるスタートアップが増えつつあり、改めて個人の健康をどう管理するかが注目されていることが読み取れます。観葉植物がもたらす「自然×リラックス」性要素と上手くマッチしたということなのかもしれません。

また、実はミレニアル世代(18歳から34歳)が以外にもガーデニングに興味があるという統計データをNational Grden Associationが発表しています。同調査によれば、ガーデニング市場は2018年において523億ドルの市場規模を突破し、38%のミレニアル世代がガーデニング活動をしているとしています。(全体平均は29%)

これらを踏まえて「Bloomscape」を見ると、見事にウェルネステックとガーデニングへの興味という2つの市場を組み合わせていることが分かります。

もちろん、D2Cの形で観葉植物を販売するという形態自体は真新しいものではありません。過去にもおそらく同様サービスは存在していたと思います。彼らがどのように、テクノロジーを融合させていき次世代のスタンダードを作り上げていくか注目です。

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