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Takuya Tsuchiya

Takuya Tsuchiya

Chanoma共同創業者。これまでに北米スタートアップ5000社以上の調査をした経験からTHE BRIDGEでは海外トレンドコラムを時折執筆。 現在は自らのスタートアップとして、福利厚生としてのオフィスで筋トレサービス、RepFit(レップフィット)をCEOとして運営中。 https://repfit.jp/clients

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国内もLUUPがきたので2200億円評価の電動キックボードシェア「Bird」を調べてみた

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ピックアップ:Scoop: Bird raising $300 million in Fidelity-led round 昨日発表になった国内キックボードシェア「LUUP」に関連して、改めてこの市場のプレーヤーについて調べてみたいと思います。今回取り上げるのは最大手と言っていいでしょう、「Bird」です。調査会社CB Insigthsのユニコーンランキングで20億ドル評価、ライバルのLimeも2…

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ピックアップ:Scoop: Bird raising $300 million in Fidelity-led round

昨日発表になった国内キックボードシェア「LUUP」に関連して、改めてこの市場のプレーヤーについて調べてみたいと思います。今回取り上げるのは最大手と言っていいでしょう、「Bird」です。調査会社CB Insigthsのユニコーンランキングで20億ドル評価、ライバルのLimeも24億ドル評価なのでこの2社がグローバルトップラインといったところでしょうか。

Birdの直近ラウンドはAxiosがスクープした3億ドルの調達です。このタイミングでプレ評価20億ドルに到達しました。米都市部を中心に都市部を中心にラストワンマイルを移動できる電動スクーターシェアリングサービスを提供しており、ユーザーはアプリで利用可能なBirdを検索してバーコードスキャンすれば利用開始になります。初回利用時に1ドルを支払った後、毎分15セントが徴収されるモデルで、現在100以上の都市でサービスを展開中。

いわゆる「ドッグレス(乗り捨てOK)」が特徴で、ある一定のルールに従えば、国内シェアサイクルのように駐輪ポートを探す必要はありません。なお、国内でも今後安全性などの検討議論は出てくると思いますが、Birdもヘルメットの持参が必要で、リクエストすればBirdがユーザーの家まで無料で配送してくれる仕組みになってます。

では、このシェア事業がどうして日本円にして2200億円もの評価を獲得しているのでしょうか?こちらに詳細なレポートがあったので紐解いてみましょう。まずはトランザクションデータを提供するSecond MeasureによるLimeとBirdのセールスグロースから。売上については拮抗しているのが分かります。

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次にトラクションデータ。Limeは2017年のローンチから1年強で1100万回、Birdは約1年で1000万回を達成しています。

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レポートでは成長の要因を3つほど挙げています。

  • GPS対応スマートフォンの普及が過去10年間で2倍以上に増えた
  • 米国のほとんどの都市では交通渋滞が激しさを増しており、自転車やスクーターを使用して3マイル以下の短い距離を走行する方が早い
  • VCによるマイクロモビリティへの投資がこれらのサービスの供給を促進し、より速い普及率に繋がっている

レポートで現在米国での市場規模を調べることは難しいとしていますが、中国で27億ドルでM&AされたMobike、20億ドル評価のOfoなどの自転車シェアのサービスの数字を元に、BirdやLimeのバリュエーションの可能性について考察しています。

中国のシェアバイクの平均利用コストは0.15ドルなのに対し、Birdは2.92ドルであり、19.5倍。米国の人口は中国の24%なので、その分を差し引いて米国での収益機会を計算すると、19.5倍の利用コスト x 24%の人口 = 4.7倍の収益機会があることになります。

なのでもし、中国のMobikeやOfoの同じレートをベースにして算出すると、BirdとLimeの売却やIPOのバリュエーションの可能性は90億ドル〜120億ドルということで、現在の5〜6倍の可能性ということですね。あくまでひとつの考え方で、先日のLUUPのように、シェア経済の移動インフラになるとすれば、また違った考え方ができるようになるかもしれません。

最後は売上です。この記事ではBirdの2018年4月の利用回数の発表データに基づいて、年間の売上高は1400万ドル(日本円で約15億円)と推測しています。ということで、あくまでレポートなどからの推定ですが、売上の規模感や評価の可能性などが見えてきました。

利用シーンは米国とアジアで相当に異なると思いますし、国内はまだ始まってもいませんから、どのような戦略で移動体験が変化するのか大変楽しみです。(共同編集:平野武士)

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給与前払いに「性善説」は成立する?手数料ナシの「Earnin」にみる”給与前払い市場”の行方

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ピックアップ:Earnin Closes $125 Million Series C to Build Next Generation Financial System ニュースサマリ:手数料なし給与支払い前払いサービス「Earnin」が昨年12月にシリーズCラウンドで1億2,500万ドル(日本円で約137億円)を調達。ユーザーはアプリを通して自分の給料を支払い日前に引き出すことができる。低賃金の…

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ピックアップ:Earnin Closes $125 Million Series C to Build Next Generation Financial System

ニュースサマリ:手数料なし給与支払い前払いサービス「Earnin」が昨年12月にシリーズCラウンドで1億2,500万ドル(日本円で約137億円)を調達。ユーザーはアプリを通して自分の給料を支払い日前に引き出すことができる。低賃金の労働者をターゲットにしており、手数料ではなくユーザーから任意で料金を徴収するチップ制のマネタイズ手法を取る。現在米国50州で50,000人以上のユーザーを獲得している。

関連記事:広がる「給与前払い市場」の日米差とはーーPayActivが2000万ドルを調達

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話題のポイント:Earnin(旧ActiveHours)は時間給ベースの従業員が、オンデマンドに給与支払いをしてもらえるアプリを提供しているスタートアップです。国内であればPayme、以前の記事で紹介したPayActivの競合にあたる企業です。いわゆるBtoEのモデルで、コーポレートフィンテックのカテゴリになります。

従業員の使い方としては電子タイムシートの写真をアプリで撮影し、ワンタップで自分の口座に働いた分のお金のうち、1日最大100ドルまで自らの銀行口座に送ることができるという仕組みです。

以前の記事にも書きましたが、米国のこの勢力を考える際には給与前払いによりオーバードラフトフィー(当座貸越)を回避できるという日本にはないニーズが米国にはあることを念頭に置いた方がいいでしょう。

面白いのがビジネスモデルです。

競合のPayActivは引出し時に手数料を徴収していますが、Earninはユーザーの任意の気持ち(チップ)でお金を貰っているところです。手数料や利息などは発生しない仕組みになっていて、ユーザーからの最大14ドルまでの任意のチップが送れる仕組みを提供しています。

Earninはオフィシャルでも「我々のビジネスはコミュニティからのチップによって成り立っている」と宣言していますので、性善説ビジネスモデルですね。成立するのかどうか、ちょっと金利に直して計算してみました。

例えば20ドルの引出しに対して2ドルをチップとして支払った場合、米国の一般的な給与サイクルは2週間に1回ですから、年間金利に直すと260%となる(20ドル分の10% x 2 / 52週)。これは米国のペイデイローンレンダーに匹敵する額になります。もちろん支払うかどうかはユーザー次第です。

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Earninのウェブサイトから。従業員エンゲージメントの実績

アプリからすぐに引出しの手続きができますから、ペイデイローンなどの店舗に直接行って手続きをするというアクションがなくなる分、給与に対してのアクセシビリティが格段に向上します。なんというか、Wikipediaみたいなモデルに思えてきます。

これらのサービスは企業にとっては離職率の低下や採用率の向上などに繋がると言われていますので、中長期でそういった結果についても見てみたいところです。

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女性向け”サブスク”サプリ「Ritual」ビジネスを紐解くーー2年半で約30億円のビタミンボトルを販売

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ピックアップ:Ritual Raises $25 Million in Series B Funding ニュースサマリ:女性向けサプリメント販売の「Ritual」が2月に2500万ドル調達を公表している。女性に必須とされるビタミンを配合したサプリメント、妊娠中に必要な栄養を配合した出産前専用の2種類を提供する。サービス開始時から現在までに100万本以上のサプリメントセットを販売している。 話題の…

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Image Credit : Ritual

ピックアップ:Ritual Raises $25 Million in Series B Funding

ニュースサマリ:女性向けサプリメント販売のRitualが2月に2500万ドル調達を公表している。女性に必須とされるビタミンを配合したサプリメント、妊娠中に必要な栄養を配合した出産前専用の2種類を提供する。サービス開始時から現在までに100万本以上のサプリメントセットを販売している。

話題のポイント:女性に不可欠なビタミンがまとまって入ったビタミン剤の定期購入サービスです。30日分入ったパックで値段は月々30ドル。製品はイタリアで作られるそうで、中身に少しだけ触れると、例えばビタミンCなどは他の食品から日常的に摂取できるという理由で入っていないそうです。あくまでも健康食品に位置するので、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可などは特に必要ありません。

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サイトは医薬品的なイメージだが中身は健康食品

同社は2016年の「TechCrunch Disrupt New York」のピッチ大会のステージにてローンチした企業です。当時からコンセプトや価格が変わらず今のサービスと同様のものを提供しています。約2年半を超えた今、状況はどうなっているのか少し調べてみました。

ファイナンスをチェックしてみると、Disruptでのローンチ後に500万ドルのシードラウンド、その1年後に1050万ドルのシリーズAラウンド、そこから1年半後の2019年2月にシリーズBラウンドで2500万ドルとお手本のような流れ。

Founders FundやNew Enterprise AssociatesなどトップティアのVCや、レディ・ガガの元マネージャーで有名だったトロイカーター氏などもこれまでのラウンドの出資に参加しています。同社の競合優位性として確実に一つ挙げられるとすれば、RitualのCOOのLiz Reifsnyderさんが、ユニリーバに10億ドル程で買収されたひげ剃りサブスクリプション「Dollar Shave Club」にて事業開発者として働いていたことです。サブスクのプロですね。

Ritualのサプリの販売実績としては、ローンチしてからこれまでに100万個のビタミンのボトルを販売してきているとのことで、1本30ドルで単純計算をすると3000万ドル(100円換算で30億円)の累計売上となります。

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競合となるパーソナライズサプリのCare/of

現在の競合としては小売大手のWalgreenが販売している11ドルの製品やその他数多の既存メーカーの製品、そしてスタートアップとしてはカスタマイズサプリを月々25ドルで販売しているCare/ofなどが挙げられます。

同社独自のアンケートによると、Ritual継続利用者の59%がサービス利用前にサプリメントを飲用する習慣がなかったとのデータを公表しています。これはあくまで筆者の想定ですが、同社のInstagram公式アカウントのフォロワーが10万人いることから、ライフスタイルが仕事などで変わりはじめてサプリの必要性を感じ始めているミレニアル世代などにウケているのではないかなと。

Care/ofがユーザーのアンケートベースのカスタマイズサプリなのに対して(Care/ofもFDA認可なし)、Ritualは単一の商品のみ販売しているところが大きく異なるところです。オフィシャルサイトから購入まではスピーディーに完了します。

この領域において新規性があるツリー構造のような「パーソナライズ型」が勝つのか、Ritualのように単一商品のみをビジュアルをうまくみせて販売する「オーソドックス型」が勝つのか、或いは両方共存するのか、どのようになっていくのか気になるところです。

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創業2年で評価は500億円超の「Faire」、年次3000%成長するセレクトショップ向けマーケットプレイス

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ピックアップ:Distinguished VCs back wholesale marketplace Faire with $100M at a $535M valuation ニュースサマリー:セレクトショップ向け仕入れマーケットプレイス「Faire」が昨年12月に1億ドルの資金調達を完了している。評価額は5億3500万ドル。12月時点の利用企業数は1万5000店舗で、前年度比3140%の増加…

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Image Credit : Faire

ピックアップDistinguished VCs back wholesale marketplace Faire with $100M at a $535M valuation

ニュースサマリー:セレクトショップ向け仕入れマーケットプレイス「Faire」が昨年12月に1億ドルの資金調達を完了している。評価額は5億3500万ドル。12月時点の利用企業数は1万5000店舗で、前年度比3140%の増加となったという。

Faireは小売やセレクトショップが商品を仕入れることができるB2Bマーケットプレイス。AIが利用企業のウェブサイトの画像解析をして、各企業のコンセプトに合った最適な商品の提案をしてくれる。販売予測および在庫管理効率から選定する仕組み。

卸商品は石鹸、ベビー用品、文房具まで幅広い。初回仕入れた商品は60日間返品の対象。同社によると、卸売りマーケットプレイスで無料返品に対応しているのは同社サービスのみだとしている。

話題のポイント:2017年にサンフランシスコにて創業したスタートアップです。同プラットフォームは、デザイナーであればピンとくるPinterestとEtsyを掛け合わせたようなデザインを持ち合わせています。販売されている商品は、独立した職人によって手掛けられているため、オリジナルな商品が多いのも特徴です。

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Image Credit : Faire

国内のBaseMinneなどから手作り商品を購入し、それらを店頭に並べているイメージに近いといえるでしょう。Faireは、購入した商品をToB向けに集約しているビジネスモデルです。

昨年末に実施された1億ドルのラウンドは、シリーズBとCを合わせたものでした。シリーズCにおいて6000万ドルはY Combinatorがリードしており、その他にはピーターティール氏のFounders Fundも出資するなど注目度が高いことが伺えます。

それを裏付けるように、同社のランレートにおける売上高は1億ドルを突破(YoYで3140%増)したと同社のMediumにて公表しています。セラーである職人の数も年次で445%の増加と急成長ぶりが数字にもよく出ています。

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Image Credit : Minted

競合にはMintedという結婚式の招待状や文房具など幅広い品揃えを持つマーケットプレイス があります。Faireと同じく昨年12月にシリーズEにて2億800万ドルの調達を完了させています。

Mintedは元々BtoCのマーケットプレイスとして運営していました。しかし、今回の調達を機に卸売り事業を強化していくとしています。基本的にウェディングや若い家族向けにターゲットを絞っているため、Faireのビジネスモデルと大きく被りはしませんが、両者のシェア争いは勃発しそうです。(編集:増渕大志)

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世界で拡大する「ビジネス版Airbnb」を紐解くーー”Corporate Housing”を掲げる2nd Addressの挑戦

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ピックアップ:2nd Address picks up $10M from GV, Foundation to take on Airbnb in business travel ニュースサマリー:ビジネス旅行向けAirbnb「2nd Address」は2月4日、GV(旧名称:Google Ventures)をリードとする1000万ドルの資金調達に成功した。同じく投資ラウンドに参加したのは既存投資…

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Photo by bruce mars on Pexels.com

ピックアップ2nd Address picks up $10M from GV, Foundation to take on Airbnb in business travel

ニュースサマリー:ビジネス旅行向けAirbnb「2nd Address」は2月4日、GV(旧名称:Google Ventures)をリードとする1000万ドルの資金調達に成功した。同じく投資ラウンドに参加したのは既存投資家のFoundation Capital、Amicus Capital、Pierre Lamondなど。

30日以上の長期出張ビジネスパーソンを対象に、ホテルと比較して4割程度安い価格で利用できる物件紹介プラットフォームを運営する。ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDCで3200件以上の宿泊場所を提供し、650人のホストが登録されている。

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話題のポイント:2nd Addressは一言で表すとAirbnb版「ビジネス・ウィークリーマンション」です。コスト面においてもメリットが高く、ホテルなどに長期宿泊した際より4割程安くなるといいます。現在は米国4都市(サンフランシスコ、ロサンジェルス、ワシントンDC、ニューヨーク)で運営しており650人のホストがプラットフォームを通して3200以上もの住居を提供しています。法人向けプランも展開しており、今回投資をリードしたGoogleやSAP、FacebookなどIT企業が中心となって利用を開始しています。

同社は以前、HomeSuiteという新しい都市に引っ越してきた人向けの、短期間の物件賃貸サービスを提供していました。しかしユーザーの伸びが見込めず、現在のビジネストラベル事業へとピボットしたようです。

同市場はグロース段階で今後も大きく成長が見込まれる分野です。Allied Market Researchのレポートによると、2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで膨れ上がると予想しています。特にアジア太平洋地域における2017年から2023年までの年平均成長率は5.5%とエリア別で最も高くなっています。

Business travel market by geography
Credit:Allied Market Report

競合であるAirbnbも同様のターゲットに絞ったサービス「Airbnb for Work」に力を入れ始めています。同社が昨年8月に公開したブログでは、サービス利用者の内15%はビジネス旅行目的の予約で、出張時における民泊利用ニーズが顕在化していることがわかります。

そんな市場の盛り上がりに反して、国や地域によってはAirbnbのような短期民泊プラットフォームを規制管理下に置こうとする動きも強まっています。このような状況を理解した上で同社は支払いや予約など全て賃貸規則に準拠させるなど、法的問題にひっかからない工夫を凝らしているようです。

では、上記で触れたAirbnbのビジネストラベラー向け「Airbnb for Work」と2nd Addressの具体的な違いはあるのでしょうか。2nd Addressの説明では「体験の違い」にポイントがあるようです。

同社のブログによれば、Airbnbは旅行者が旅先を楽しめるローカル体験にフォーカスした物件が多いそうです。確かに国内でも古民家などに人気があると聞くので、現地に実際に住んでいるような体験が重要になるのは理解できます。

一方、同社のサービスは、宿泊者の生産性向上にフォーカスした物件に力を入れています。例えば、2nd Addressはアメニティーに関してはAirbnbの平均的な物件より質の高いものを取り入れているそうです。これにより、ビジネストラベラーが宿泊先で何か作業をする際、効率的に物事が進むことが期待できます。こういった物件を同社は「Corporate Housing」と呼び、これが法人利用における大きな利点となっているのでしょう。

ただ、Airbnbも順調に法人利用やビジネストラベラーの利用が増加傾向にあります。同社が昨年12月に発表したレポートには国別出張利用の増加率が示されています。南米ではアルゼンチン、ブラジル、メキシコが極めて高く、アジアでは韓国が、そしてアフリカ大陸では南アフリカが顕著な増加を見せています。

またAirbnb for Workでは、チームビルディング・エンゲージメント向上のためのグループ参加型の体験を提供することで、ビジネス利用者の満足度向上を目指しています。さらに2017年より始まったコワーキングスペース「WeWork」とのパートナーシップでは、宿泊者には低額で1日利用パスが購入ができるようになりました。

つまりAirbnbは「宿泊場所+αな場所・体験」を提供することで利用満足度に繋げようとする一方、2nd Addressは「宿泊場所で全て完結」を目指していることが伺えます。

2nd Addressのようなサービスは増え始めており、米国では累計で1億3000万ドルを調達しているSonderやDomio、EUではフランスのMagicStay, AtHomeHotelやドイツのHomelikeなどが生まれています。シリコンバレーで挑戦している日本人起業家、内藤聡氏のAnyPlaceも同じ領域になるでしょう。国内ではどのプレーヤーがこの領域に挑戦するのでしょうか。(編集:増渕大志)

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年商は100億円規模?「Asana」にみるタスク管理ツールの可能性

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ピックアップ:Asana Lands $50M Series E ニュースサマリー:チームタスク管理サービス「Asana」が昨年11月末にシリーズEラウンドで5,000万ドルを調達している。各チームに合わせてタスク管理のレイアウトを選べるほか、カレンダーやチャット機能も用意。Chromeとの連携も可能。導入企業に「Uber」「Airbnb」「NASA」が挙げられる。ヨーロッパへの拡大を図るため、E…

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ピックアップ:Asana Lands $50M Series E

ニュースサマリー:チームタスク管理サービス「Asana」が昨年11月末にシリーズEラウンドで5,000万ドルを調達している。各チームに合わせてタスク管理のレイアウトを選べるほか、カレンダーやチャット機能も用意。Chromeとの連携も可能。導入企業に「Uber」「Airbnb」「NASA」が挙げられる。ヨーロッパへの拡大を図るため、EUにデータセンターを開設する。

話題のポイント:チームでプロジェクトやタスクを共有するのにクラウドツールを採用する例が増えてきました。古くはイントラネットなどでセキュリティ重視の傾向が強かったですが、昨今のギグワーカーや副業といった働き方の変化、そもそものクラウドセキュリティの向上などで、こういったオープンなサービスの採用が進んでいる感があります。

中でもAsanaは2008年創設の老舗で、チームタスクの管理SaaSとしては先駆者と言っていいでしょう。Facebookの共同創業者、Dustin Moskovitz氏と、元FacebookのプログラマーJustin Rosenstein氏が共同創業した会社です。

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リスト形式のシンプルなタスク管理ツールで、組織はプロジェクトや事業計画などを入れ込み、進捗管理ができるようになっています。現在はカンバン形式やツリーマップなどのインターフェースも追加されており、各タスクにコメントやファイル添付なども可能です。立ち上げから時間が経っていることもあってこなれたサービスになっています。

2018年時点で6言語、195カ国に展開しており、数百万のMAUがあるそうです。利用している企業にはUber、Airbnb、Disneyなどのリーディングを含む顧客が並びます。

昨年11月に実施した調達ラウンドが6回目で、150億ドルの企業価値で5000万ドルの調達に成功しています。これまでの累計調達額は2億1300万ドルです。

ちなみに2009年に実施したエンジェルラウンドでは伝説の投資家ロン・コンウェイ氏やペイパルマフィアのピーター・ティール氏、Facebook初代CEOのショーン・パーカー氏などを含む多くの著名エンジェルから120万ドルを調達しています。期待値の高さがよくわかるラウンドですね。

ユーザー数の推移も公表していて、キレイなグラフを描いています。このあたりはシリアルアントレプレナーならではといった感じです。

<有料ユーザー数の推移>

  • 2015年9月:1万
  • 2016年3月:1.3万
  • 2017年2月:2万
  • 2018年1月:3.5万
  • 2018年9月:5万(※YoYの成長率は90%)

売上高予測としては2017年度で年間6000万〜9000万ドルという数字が出ていますので、直近の成長率を考えると2018年度では1億ドルを伺う状況かもしれません。

市場としてはレッドオーシャンで、競合としてはWrike、Clarizen、JIRA、Basecamp、その他様々なツールあり、世界2500万ユーザーを抱えるTrelloも競合に入ります。日本国内でもBacklogやJootoなど単一サービスのSaaSは当然ながら、ERPや統合型クラウドサービスの機能も競合に当たることになるでしょう。

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フードスタンプ管理「Propel」にみる、低所得者向け就業支援インフラの可能性

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ピックアップ:Propel raises $12.8M for its free app to manage government benefits ニュースサマリ:低所得者向けフードスタンプ管理アプリ「Propel」がシリーズAラウンドで1280万ドルを調達。ユーザーはアプリ上でフードスタンプの残高を確認することができる。またアプリには求人広告が表示され、2018年度は3万人がアプリを通じて仕事…

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Photo by Juan Pablo Arenas on Pexels.com

ピックアップ:Propel raises $12.8M for its free app to manage government benefits

ニュースサマリ:低所得者向けフードスタンプ管理アプリ「Propel」がシリーズAラウンドで1280万ドルを調達。ユーザーはアプリ上でフードスタンプの残高を確認することができる。またアプリには求人広告が表示され、2018年度は3万人がアプリを通じて仕事に応募したという。低所得者への生活保護として供給されるフードスタンプは現在米国で150万人以上の利用者がいるという。

話題のポイント:日本では聞きなれない「フードスタンプ」ご存知でしょうか?

アメリカ合衆国で低所得者向けに提供されている食料費補助対策のプログラムのことで、日本ではもうちょっと広い適用範囲に生活保護がありますが、これそのものズバリの制度はありません。

正式名称は「補助的栄養支援プログラム = SNAP(Supplemental Nutrition Assistance Program)」で、州ごとに細かく異なりますが、4人家族で月の収入が2500ドルを下回った場合、一人あたり最大100ドルのスタンプが支給されることが多いです。

米国にはフードスタンプ利用者が約4500万人存在するそうで、政府側は彼らに対して700億ドルの予算をプログラムとして提供しています。受給者が一向に減らないことが米国では問題になっていて、トランプ大統領も昨年フードスタンプ受給に就労していることを条件として含むべき、という考えをツイートしたりしてました。

Propel

さておき、今回ご紹介するPropelはこのフードスタンプの残額がEBTカードにどれだけあるか調べることができるアプリを提供するスタートアップです。EBTカードとは、フードスタンプ向けのATMやお店で使えるプラスティック製のカードのことで、利用者は今までは電話を使ってEBTの残額を確認していました。不便ですね。

アプリでは自分の購買履歴やフードスタンプを利用できる店舗などのチェックができるほか、クーポンやジョブボード機能なども提供しています。

このクーポンやジョブボードがポイントで、フードスタンプ利用者(消費者)及び政府側は利用無料なんですが、マーケティングや人材採用などで企業を相手にマネタイズをしているんですね。2017年5月時点でウィークリーユーザーが25万人だったそうですが、その18カ月後には月間ベースで150万人までユーザーを拡大しているようです。仕事は累計で3万件ほど応募を集めています。

フードスタンプのように生活に問題を抱える人を支援する仕組みに利便性を与えつつ、そこから仕事などの別のビジネスチャンスに繋げるというアイデアは国内でも通用するのではないでしょうか。低所得者層の支援インフラはこれからの社会を考える上でひとつテーマになりそうです。

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働く個人の過去を調査「バックグラウンドチェック」サービスとはーー国内での可能性は?

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ピックアップ:Pass Technology Raises £3.25M in Funding ニュースサマリ:英国発、面接候補者のバックグラウンドチェックサービス「 PASS Technology 」が325万ポンドを調達。面接候補者が記載した基本情報をもとに、利用企業は候補者の中から適切なバックグラウンドを持つ人材を容易に探し出すことができる。企業の生産性向上を目的とする。 話題のポイント:国…

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Photo by Paul Efe on Pexels.com

ピックアップ:Pass Technology Raises £3.25M in Funding

ニュースサマリ:英国発、面接候補者のバックグラウンドチェックサービス「 PASS Technology 」が325万ポンドを調達。面接候補者が記載した基本情報をもとに、利用企業は候補者の中から適切なバックグラウンドを持つ人材を容易に探し出すことができる。企業の生産性向上を目的とする。

話題のポイント:国内でバックグラウンドチェック(経歴調査)と言えば、採用候補のパフォーマンスを調べるのが一般的です。一方、海外はちょっと違ってて、犯罪歴・運転歴を調査する目的のものが多いです。今回取り上げる英国拠点のPass Technologyは、そういうバックグラウンドチェックサービスを提供しています。会社の規模を問わず、事業者向けに3つのプランを提供しています。

同社の説明によれば、英国は3200万人の雇用者の内350万人が英国国籍を持たない人たちなのだそうです。不法就労者もいる中で、企業が各所からバックグラウンドチェックのための書類を集める事は時間を要する作業になります。このペインを解決するのが彼ら、というわけです。

ではこのバックグラウンドチェック、どれぐらいのビジネス規模があるのでしょうか?

バックグラウンドチェックの先行プレイヤーとしては2014年設立、Y Combinator卒業生のCheckrが有名です。累計調達額は1億4900万ドルで、2018年4月時点の記事によれば1万社以上の顧客に毎月約100万回のバックグラウンドチェックを提供しているそうです。

主な顧客にはUberやinstacart、GRUBHUB、lyftなど、著名なオンデマンドサービスプロバイダーなどが名を連ねています。シェアやオンデマンド市場が彼らの成長を支えたことが伺えます。

既存のサービスより素早く安く行えることが強みで、ソーシャルセキュリティーナンバーの調査や過去の居住地、犯罪歴、そしてドライブレコードなどを調査してくれます。サービスの利用はCheckrのサイトからか、APIを通して調査することが可能で、WorkableやZenefitsなどのHRシステムに統合することも可能です。

簡単なレポートだと1人につき25ドルから35ドル、国際規模の調査やドラッグレコードなどの調査はそれ以上のコストがかかります。なお米国は連邦制なのでバックグラウンドのチェックコストも各州で異なります。

Checkrは売上高を公表していませんが、トップのオンデマンドカンパニー顧客が売上の大半を占めている可能性があります。例えば月間100万回のチェックという情報がありますので、それに1人40ドルを単純計算してみると月々4000万ドルのグロス売上があることになります。日本円にして年間で500億円規模ですから、話半分とみても規模はそれなりにあります。

日本での可能性ですが、兎にも角にもオンデマンド・シェアエコ市場の動向次第でしょう。国内ではそもそもUberが規制によりそこまで自由に展開できません。逆に言えば個人によるギグ・エコノミーが広がればこういった問題のある個人を特定するようなニーズも出てくるのでそのタイミングを狙うのがよいのではないでしょうか。

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メッセに回答するだけでガソリンを宅配してくれる「Filld」ーールート販売モデルの再発見を考える

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ピックアップ:Filld Raises $15M in Series B Funding ニュースサマリ:給油デリバリーサービス「Filld」がシリーズBラウンドで1,500万ドルを調達している。顧客は「給油をしますか」というテキストメッセージに「はい」と回答するだけで給油サービスを受けられる。従来のガソリン給油チェーンの商圏外をターゲットエリアとし、「ラストマイル給油問題」の解決を目指す。提携企…

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ピックアップ:Filld Raises $15M in Series B Funding

ニュースサマリ:給油デリバリーサービス「Filld」がシリーズBラウンドで1,500万ドルを調達している。顧客は「給油をしますか」というテキストメッセージに「はい」と回答するだけで給油サービスを受けられる。従来のガソリン給油チェーンの商圏外をターゲットエリアとし、「ラストマイル給油問題」の解決を目指す。提携企業にVolvoやDaimlerなどの有名企業の名前が載る。

話題のポイント:車社会ならではのサービスですね。車が停めてある指定の場所までやってきてガソリン給油をしてくれるのがFilldです。類似のスタートアップは結構あって、企業の従業員が働いている間にオンデマンドでガソリンを給油してくれるBooster Fuelsというものや、YoshiやPurple、WeFuleなどの名前も挙がります。

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Image Credit : Filld Web Site

日本はガソリンの宅配が規制されてますので、灯油の巡回販売が近いです。テキストメッセージに回答するだけという今風の体験にしていることや、「ラストマイル給油問題」の解決を目指しているのが注目すべきポイントでしょうね。

消費者とフリート事業者(タクシーやトラックなどの商用車両運用事業者)向けにサービスを提供していて、現在は後者がメインみたいです。料金はローカルの給油プライスに合わせて毎日変化するのですが、デリバリーフィーとして4ドルの固定料金が必要になります。なお、デリバリードライバーはUberなどと異なり、同社が採用している社員が担当します。

サービスとしてはアカウントを登録し、車両、住所、支払いなどの情報を入力すると、同社のデリバリーサービスが週2回、給油のために定期ルートをドライブしてくれるというものになります。混雑をさけるため給油自体は午後10時から午前5時の深夜に実施され、対応エリアは現在サンフランシスコベイエリア、ワシントンDC、ポートランド、シアトル、そしてバンクーバー(カナダ)です。

また、デリバリー車が対応エリアにいる間はユーザーにテキストをくれる仕組みになっているので、一般消費者はオンデマンドで給油デリバリーも利用できます。こちらはサンフランシスコベイエリアのみの限定で2.99ドル〜7.99ドルのデリバリーフィーが徴収されます。

ルート販売自体は古くからあるモデルです。これを今の時代にあったメッセ体験に変えたり、シェアの概念を入れるだけでリニューアルすることも可能ですから、国内でもどこかのバーティカルでチャンスが見つかるかもしれません。

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独「eGym」がフィットネスクラブをアップデートする方法ーー個人とジムを繋ぐ、その仕組みとは

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティ Freaks.iD 編集部との連動記事。いち早くニュースをチェックしたい人は こちらを参照してください。 ピックアップ:eGym raises $20 million to grow its connected fitness platform in the U.S. ニュースサマリ:独発、フィットネスプラットフォーム「 eGym 」がシ…

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティ Freaks.iD 編集部との連動記事。いち早くニュースをチェックしたい人は こちらを参照してください。

ピックアップ:eGym raises $20 million to grow its connected fitness platform in the U.S.

ニュースサマリ:独発、フィットネスプラットフォーム「 eGym 」がシリーズDラウンドで2,000万ドルを調達。1,000を超えるエクササイズメニューを映すモニター付きの運動機器と、運動データを記録・管理できるモバイルアプリを提供する。今後は米国のフィットネス市場に参入予定。

話題のポイント:テック系のビジネスモデルを解説するコラム、今回はドイツのフィットネスプラットフォーム「eGym」を取り上げます。同社は今回の2000万ドルのシリーズDラウンドで累計調達1億1000万ドルを調達済みで、2016年時点で6000あるドイツのジムの内、1000のジムにて導入済みだそうです。

Allied Market Researchによると、IoTフィットネス機器のグローバル市場規模は2023年までに10億4800万ドルに達すると予測されています。2017〜2023年の年平均成長率は30%で、アジア太平洋地域は新たに出現した成長率の高いエリアとされています。ちなみにアジア太平洋で区切ると日本が2016年に33%と最も高いシェア率です。

市場のリーディングカンパニーとしては今回取り上げるeGym(独)やLife Fitness(米:上場企業)、Technogym(伊)などの企業があります。

さて、近年のフィットネスジムの経営課題のひとつに「顧客定着率」があります。例えばフィットネスクラブ会員ソフトウェア企業の「Clubwise」のブログには、メンバーの退会理由として「指導の欠如」を挙げています。簡単に言えばフィットネスマシーンの使い方がわからない、というのが退会理由になってるという話ですね。

そこで登場するのがeGymの製品群になる、というわけです。ユーザーは、スクリーンにタッチするだけでガイドを受けながらエクササイズを楽しむことができます。例えばウェイトであればユーザーに最適な重量でトレーニングできるようオススメしてくれる、といった具合です。

RFID付きのバンドをスクリーンにタッチすることでパーソナライズする仕組みもあり、トレーニング結果も専用アプリで確認することが可能です。またジムに所属しているパーソナルトレーナー向けにも専用のアプリを提供していて、1000を超えるメニューの中から顧客向けにカスタマイズし、進捗管理をしてくれます。

またジムがもうひとつ抱える悩みとしてアプリやウェアラブルデバイスの登場による「そもそもジムに行かなくても良いフリーミアムモデル」の出現があります。ソーシャルやアプリなどに移行しつつある消費者行動への対応は不動産型のジムが個別に対応するのは困難が伴います。

eGymはこの問題にプラットフォームとして旧来のプレイヤーでも対応できるようにしたのが特徴です。つまり、ジム以外に流出してしまった個人のトレーニング・データをeGym上で統合することで、不動産型の旧来モデルのジムと個人をうまく繋いだのですね。

例えばローカルのジムの実施したトレーニング履歴やスマート体重計などのデータ、1人で行うジョギングなどデータをアプリで一元管理し、ジム側にはそれらデータに合わせたパーソナライズ(ゴール設定やリワード)などの機会を提供することで「ジムをアップデート」できる、というわけです。

国内ではライザップを筆頭とするプライベートパーソナルジムが盛り上がりを見せていますが、スタートアップとしては旧来の商用ジムと彼らの会員を支えるeGymのようなテクノロジーに注目しています。

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