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電通、スタートアップのコミュニケーションプロトタイピングを支援する「TANTEKI」を開始——「SMASELL」や「Warrantee Now」らも導入

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電通は先ごろ、スタートアップ、アクセラレータ、VC などを対象に、コミュニケーションデザインやプロトタイピングの支援を提供するサービス「TANTEKI(タンテキ)」を正式にローンチした。これまでにも、同社は多岐にわたる支援の一環として同様のサービスを提供してきたことはあったが、機能を絞り込み明確な一つのサービスメニューとして提供を始めるのはこれからだという。 電通ではこれまでに、企業間ファッション…

電通は先ごろ、スタートアップ、アクセラレータ、VC などを対象に、コミュニケーションデザインやプロトタイピングの支援を提供するサービス「TANTEKI(タンテキ)」を正式にローンチした。これまでにも、同社は多岐にわたる支援の一環として同様のサービスを提供してきたことはあったが、機能を絞り込み明確な一つのサービスメニューとして提供を始めるのはこれからだという。

電通ではこれまでに、企業間ファッション在庫売買の「SMASELL(スマセル)」や、先ごろ本サービスを開始したオンデマンド保険「Warrantee Now」らをはじめ、複数のスタートアップなどにサービスを提供していることを明らかにしている。THE BRIDGE では、TANTEKI のチーフメンターを務める電通のコピーライター鈴木契(すずき・けい)氏と、アートディレクターの佐山太一(さやま・たいち)氏に、TANTEKI が目指すものについて話を聞くことができた。

鈴木氏や佐山氏によれば、スタートアップのプロダクトやサービスは、内容が新し過ぎるがゆえに多くの人にコンセプトをうまく伝えられていなかったり、創業者のパッションが強すぎて空回りし、本来伝えたい想いが伝えられていないケースが少なくないという。また、スタートアップを取り囲む VC やアクセラレータといったキープレイヤーも、基本的には、どの社とてビジネスモデルなどに大きな違いは無いので、明確な差別化は永年の課題だ。

TANTEKI では、CI / Branding プロトタイピング、UI/UX プロトタイピング、デザイン・プロトタイピング、パブリック・リレーション・プロトタイピング、ウェブ・プロトタイピング、広告メディア・プラン・プロトタイピングの6つのプロトタイピングをメニューリストに掲げている。ごく一例としては、スタートアップに対し、シンボリックな UI を提案し、よりユーザに受け入れられやすいアプリづくりをサポートしている。

電通と言えば、大手企業を多数クライアントに抱える広告業界の雄であり、駆け出しのスタートアップや起業家が簡単に仕事を頼めるものか、という想いが頭をよぎるが、TANTEKI についてはクライアントからの料金支払スキームについて、興味深い柔軟な形態が取られている。

例えば、制作も含めて全てをやってしまうと高くなるので、ディレクションだけやったという事例もある。スタートアップのビジネスを加速する、という立場で携わっている案件には、レベニューシェアで仕事を受けているケースもある。しいて言えば、TANTEKI は電通の未来のお客になってもらうために進めている事業。(佐山氏)

コミュニケーションのプロトタイピングを導入することで、そのサービスやプロダクトのユーザへのリーチが改善されるだけでなく、事業そのもののブラッシュアップという二次的効果も期待できる。サービスの便利さは伝わりやすいか、プロダクトの良さは理解されやすいか、熱意と事業のつながりは他人に共感されるか、何が伝わると事業が動くのか。——よいサービスを作る行動と、それを伝える行動というのは全く異なるアプローチだが、この作る行動と伝える行動の行ったり来たりを繰り返すことで、ビジネスの完成度や事業のレベルは、驚くほど早く高くなるのだそうだ。

とりあえずモノができてしまってから、あとでコストをかけて〝化粧〟するよりも、早い段階で熟慮された要素を練り込むことで、いいモノができる。(中略)完成しているものでなく、できたて/できかけの事業にコミュニケーションの視点を入れることで、劇的にいいものに変わっていく。それが影響を与えて、本体である事業が変質することもあるだろう。(佐山氏)

TANTEKI のチーフメンターで、コピーライター鈴木契氏による(半分思いつきの)格言

最近では、Y Combinator や Andreessen Horowitz が、投資先のスタートアップ向けにプロトタイピングやコミュニケーションの専門知識を提供できるインハウスの担当者を置くようになってきた。国内でも Skyland Ventures などでも同じようなサービスを開始しており、端的に言えば、専門家の意見を反映してブランディングや UX を改善するだけで、バリュエーションが何倍にも変わってくる事例は珍しいことではなくなってきている。

その点において蛇の道は蛇、これまでに多くの大企業の成長に携わってきた電通の名コピーライターとアートディレクターがサービスを提供してくれるので、その名にかけて、TANTEKI ではスタートアップに払ったもの以上の効果がもたらされることを期待したい。駆け出しのスタートアップだからタグラインが変とか、ディレクターがいないからアプリの UI/UX がイケてないとか、そんなところから生じる悪循環を断ち切る手がかりになるなら、TANTEKI を試してみるのは良い選択肢と言えるだろう。

(以下は、TANTEKI のディレクションを受けて制作された、SMASELL のコンセプトムービー)

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デザインスタジオのReaktorがダイドードリンコと挑んだ、飲料自販機に革新を起こす挑戦——大手企業の開発現場に、アジャイル手法を持ち込む

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デザインスタジオの Reaktor については、THE BRIDGE で以前この記事で取り上げたことがある。Reaktor はヘルシンキで2000年に設立されたデジタルプロダクトのデザインスタジオで、世界的な有名企業の作品を数多く手掛けたことで知られる。今回、Reaktor が取り組んだのは、時代の移り変わりと共に商流が変化しつつある自動販売機の分野だ。 日本は人口や国土面積を勘案した自動販売機の…

写真左から:Reaktor Japan エンジニア Gabriel Lumbi 氏、ダイドードリンコ 経営戦略部 事業開発グループ アシスタントマネージャー 西佑介氏、Reaktor Japan 代表取締役 Aki Saarinen 氏、Reaktor Japan シニアサービスデザイナー 宮本麻子氏
Image credit: Masaru Ikeda

デザインスタジオの Reaktor については、THE BRIDGE で以前この記事で取り上げたことがある。Reaktor はヘルシンキで2000年に設立されたデジタルプロダクトのデザインスタジオで、世界的な有名企業の作品を数多く手掛けたことで知られる。今回、Reaktor が取り組んだのは、時代の移り変わりと共に商流が変化しつつある自動販売機の分野だ。

日本は人口や国土面積を勘案した自動販売機の普及率で世界トップの座を誇り、その利便性や機能の多さから言っても日本のお家芸と言えるだろう。まさに我々の生活には無くてはならない存在だが、そんな自動販売機にも新たな革新が迫られているという。コンビニエンスストアやスーパーが増え、自動販売機に頼るまでもなく、思い立ったときに安価で飲料を求められるようになったからだ。

飲料大手のダイドードリンコが全国に有する自動販売機の数は28万台で業界3位、実に飲料製品の売上の約8割を自動販売機からの購入に依存しているという。「飲料を売るだけでは、もったいない。何か他のことにも使えないのか」——そんな発想から、既存ビジネスのデジタルトランスフォーメーションを得意とする Reaktor に白羽の矢が立ち、自動販売機に革新をもたらすプロジェクトがスタートしたのだ。

ダイドードリンコ本社内に設けられたプロジェクトチームで、Smile Town Portal の開発に余念の無い、同社経営戦略部と Reaktor の皆さん
Image credit: Dydo Drinco

ダイドードリンコではこのプロジェクトに先立ち、同社の経営戦略部が中心となって、飲料購入後にスマートフォンでポイントが貯められる「Smile STAND」というサービスをリリースしている。しかし、自動販売機は地域に密着していて、さまざまな場所に設置されているという性質をかんがみ、「もっと、情報発信に利用できないか? 技術力が高く、サービスを提供できる会社がないか」とパートナーを探していたところ、Reaktor を紹介してもらったのだという。

Reaktor のチームは、大阪にあるダイドードリンコの本社にあるプロジェクトルームに詰め、ダイドードリンコの経営戦略部のメンバーと共にサービス開発に没頭、そうした苦労の末に生まれたのが、今年9月にローンチした「Smile Town Portal」というサービスだ。Smile Town Portal では、先に書いた Smile STAND に対応した自動販売機(スマートフォンと Bluetooth 通信ができる機能を持った自動販売機)で利用でき、自動販売機の半径1キロ県内にある飲食店や美容院などの店舗情報を、スマートフォン上の専用アプリ「DyDo Smile STAND」に配信する。配信される情報は、リクルートの「ホットペッパーグルメ」や「ホットペッパービューティー」から情報の提供を受けているのだそうだ。

Image credit: Dydo Drinco

(サービス開始の)9月の段階で3万台、来年の1月20日までに5万台、最終的には15万台にもっていくのが目標。将来的には、自動販売機がそこにあるからこそできること、というサービスを追求し実現していきたい。

現在はサービスをリリースし、自動販売機を増やしているという状況。もともとダイドーの客層は40〜50代の方が多いのだが、リリースしたアプリを通じて次第に30代のお客も取れて来ている。どんな商品をどの時間に買ったか、性別や年齢などの情報も蓄積できるようになり、顧客の囲い込みにも使えることがわかってきた。(ダイドードリンコ 経営戦略部 事業開発グループ アシスタントマネージャー 西佑介氏)

Smile Town Portal 対応の自販機
Image credit: Dydo Drinco

東京では山手線の駅などで、前に立ったお客の出で立ちなどから判断して飲料製品をお勧めするインテリジェントな飲料自動販売機を時折見かける。JR 東日本ウォーターサービスが展開している自動販売機で、カメラなども備わっているのでマーケティングデータも取得できるようだが、まさに「時折見かける」という普及程度だ。一方、ダイドードリンコの場合、Reaktor と取り組んだプロジェクトについて、構想から実行、そして導入までのスピードが速く、同社の自動販売機の2台に1台の割合で、数年以内に Smile Town Portal に対応することになる。大手企業のクオリティアシュアランスや、全国展開する手間を考えれば、このタイムラインはなかなか驚異的である。

今回のプロジェクトで Smile STAND のしくみづくりはダイドードリンコが、Smile Town Portal のサービス開発やソフトウェア開発は Reaktor が担当したとのことだ。Smile Town Portal の立ち上げに要した期間は3ヶ月程度で、「自動販売機に対して面白いよねというイメージを持ってもらえば、それが成功になるのではないか(西氏)」と革新的なサービスに対して、社内での KPI の設定についても柔軟なようだ。Reaktor がフィンランド企業であること、また、ダイドードリンコがモスクワ市内に700台程度の自動販売機を展開していることもあり、Smile Town Portal のアイデアが海外進出する可能性についても期待が持てそうだ。

ただ、今回のプロジェクトの成果について、西氏は Smile Town Portal というアウトプットだけでなく、そのプロセスについても大きな学びがあったと、オープンイノベーションの意義について強調する。

ダイドードリンコにとって、今回ほど他社と3ヶ月間ガッツリ一緒にプロジェクトに取り組むということは無かった。ユーザが気に入ってくれそうなものを、アジャイルなやり方でソフトウェア開発し、それを大阪のプロジェクトルームでラピッドサイクルで回すという、当社にとっては極めて新しい方法。

当初、会社としては「どういうことが起こるの?」という不安もあったが、IoT の領域に入っていくと、プロダクトの開発はこういうことになっていく、というのが我々もわかったし、他の社員にもわかってもらえたように思う。

Reaktoro からは、最初に出してもらったもの(プロトタイプ または MVP)が、我々がやりたいことにすごくフィットしたもので出てきた。このアウトプットのおかげで、上職にプロジェクトのことを納得してもらうのも比較的スムーズに進んだ。(西氏)

ダイドードリンコ本社内に設けられたプロジェクトチームで、Smart Town Portal の開発に余念の無い、同社経営戦略部と Reaktor の皆さん
IMage credit: Dydo Drinco

Reaktor の日本法人である Reaktor Japan 代表取締役の Aki Saarinen 氏は、デザインと開発作業を組み合わせながら進める方法、ソフトウェア開発とクオリティアシュアランスをステップバイステップで進めていく方法がとれたからこそ、今回の短期間でのプロジェクトが実現できたと話す。このようなアプローチを通じて、日本の大企業がスタートアップからベネフィットを得られる機会を、他のスタートアップにも体現してほしいと、高まるオープンイノベーションの可能性について期待感を示した。

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建設・不動産テック系サービス読み込み勉強会を11月9日に開催、関連スタートアップ参加者募集

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THE BRIDGEの会員コミュニティ「Lab.」では不定期に世の中の課題をテーマにした勉強会を開催しております。8月に実施した労働問題では、建設業界についてソリューションを共有する勉強会を開催しましたが、その第二弾を実施することになりました。オープンイノベーションプログラム「BlueHub」を運営する日本アイ・ビー・エムさんとの共催になります。 当日はTHE BRIDGEで独自に調べた設計・建設…

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THE BRIDGEの会員コミュニティ「Lab.」では不定期に世の中の課題をテーマにした勉強会を開催しております。8月に実施した労働問題では、建設業界についてソリューションを共有する勉強会を開催しましたが、その第二弾を実施することになりました。オープンイノベーションプログラム「BlueHub」を運営する日本アイ・ビー・エムさんとの共催になります。

当日はTHE BRIDGEで独自に調べた設計・建設・運用・管理の4テーマに関する海外スタートアップの事例を参加者のみなさんに共有するほか、竹中工務店をはじめ、大手ハウスメーカー、住宅設備機器メーカーなどのみなさんと協業の可能性を探る「IBM BlueHub Open Innovation Program for Construction」についてもご紹介をいただきます。実際にプログラムに参加される企業の方もいらっしゃいますので、具体的に建設や不動産運用で連携や新規ビジネスを検討しているスタートアップの方はぜひご参加ください。

開催概要

  • 開催日時:11月9日(木)19時から21時(受付開始は18時30分)
  • 会場:THE BRIDGE(渋谷)
  • 参加人数:30名
  • 参加費:無料

参加対象

建設関連の効率化やVR、測量、不動産管理運用などのソリューションを手がけるスタートアップの方。参加をご希望される方はこちらのフォームからご応募ください。なお、応募多数の場合はLab.会員の方を優先とさせていただきますので予めご了承ください。

プログラム

  • 建設業界の課題と事例について(30分)
  • IBM BlueHub Open Innovation Program for Constructionについて(15分)
  • Programのテーマ詳細について(15分)
  • QA(10分)
  • Meetup(50分)

参加申し込みフォームはこちら

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ニッセイ・キャピタル、参加時に活動資金500万円と卒業時にシード資金4,500万円を出資するアクセラレーションプログラム「50M」を発表

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日本生命の CVC であるニッセイ・キャピタルは先ごろ、最大5ヶ月間におよぶアクセラレーションプログラム「50M(フィフティー・エム)」を開始すると発表した。高いポテンシャルを持つビジネスアイデアや、唯一無二の技術や研究成果の事業化を考えている起業家、すでに起業しているものの資金の不足で開発に専念できなかったり、資本政策上の問題からファイナンス活動の身動きが取れなくなったりしている起業家が対象。 …

ニッセイ・キャピタルのキャピタリストの皆さん。
前列右端がチーフベンチャーキャピタリストの永井研行氏

日本生命の CVC であるニッセイ・キャピタルは先ごろ、最大5ヶ月間におよぶアクセラレーションプログラム「50M(フィフティー・エム)」を開始すると発表した。高いポテンシャルを持つビジネスアイデアや、唯一無二の技術や研究成果の事業化を考えている起業家、すでに起業しているものの資金の不足で開発に専念できなかったり、資本政策上の問題からファイナンス活動の身動きが取れなくなったりしている起業家が対象。

このプログラムで特徴的になのは、プログラム参加時の段階で新株予約権(convertible equity convertible bond)により500万円の活動資金が拠出される点。形式的に出資という形をとっているが、チーム都合によるプログラム途中での離脱の場合を除き返済義務を伴わないそうだ。最大5ヶ月間におよぶプログラム終了時に卒業を迎えたチームには、チームが希望することを前提に4,500万円のシード出資を実施する。

50M を始める背景について、このプログラムのマネージャーで、ニッセイ・キャピタルのチーフベンチャーキャピタリストを務める永井研行氏は、THE BRIDGE のインタビューに次のように答えてくれた。

ニッセイ・キャピタルは、以前はミドルステージ以降のエクスパンション・フェーズでの出資を得意としていて、最近ではポストシードラウンドなどで1億円を張るようなケースが出てきた。今度からはシードラウンドに張っていこうと、このプログラムの開始に至った。

ニッセイ・キャピタルの LP は日本生命なので、(独立系の VC がファンドによって特定のラウンドにフォーカスする必要があるのと異なり)複数のステージをまたいだ投資ができているのが特徴。1年、3年、5年、7年と、必要なタイミングでそのステージでのフォローオン投資も可能だし、投資先が望めば、IPO 後も日本生命本体に株式を持ってもらうことも可能(保有是非は日本生命による判断)。

これらを背景に、ニッセイ・キャピタルはスタートアップに対して、競争力のあるバリュエーションを提供できるのではないか、と思っている。可能性がありつつも、資金不足で living dead になってしまっているスタートアップに力を与えたい。

アクセラレーションプログラムに付き物のハンズオンについては、週一回の頻度で行われる面談が中心になる。永井氏はこれまでに、うるる、Ubiquisys、ワイヤレスゲート、データセクション、リアルワールドなどの IPO をはじめ、数十社程度のスタートアップのスケールをリードしてきた人物だ。事業開発については永井氏が中心となってメンタリングを担当し、専門領域については必要に応じ、IPO 支援した企業やスケールを支援中のスタートアップの人材の協力を得るとしている。

50M の第1回プログラム開始は2017年12月からで、2018年4月までの最大5ヶ月間にわたり運用される予定。締切は11月15日、12月7日、22日の3回にわたって設けられている。どの締切までに申込を間に合わせるかによって取扱や提供内容に差異は無いとのことだが、「しいて言えば、1回のプログラムでせいぜい受け入れられるキャパは10社程度なので、早い段階でいいチームが多く集まってしまえば、2回目以降の締切を待たずに募集を打ち切ってしまう可能性があるのと、早く申し込んで選ばれれば、それだけメンタリングを長期にわたって受けられるというのがメリット(永井氏)」だという。

ニッセイ・キャピタルは CVC ではあるが、投資先には親会社の本業である保険業とのシナジーは考慮せず、投資先の IPO を前提としたキャピタルゲインを狙うので、応募対象となるスタートアップのバーティカルについても制限は無いが、チームのリソース集中という観点から、50M 参加期間中の他アクセラレーションプログラムとの掛け持ち参加は原則 NG としている。

50M の第1回プログラムを経て卒業を迎えたチームは2018年4月に開催されるデモデイで披露される予定で、その後もチームの意向に応じてニッセイ・キャピタルから継続支援が提供される。

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東急電鉄のアクセラレータが第3期デモデイを開催、スタートアップ6チームが東急グループ各社との共創事業を提案ピッチ

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東急電鉄(東証:9005)は16日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム」第3期の最終審査会を開催し、最終プレゼンテーションに残ったファイナリスト6社、ファイナリストには残らなかったものの、サービス内容が秀逸と評価された6社がライトニングトークに登壇した。 東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を…

東急電鉄(東証:9005)は16日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム」第3期の最終審査会を開催し、最終プレゼンテーションに残ったファイナリスト6社、ファイナリストには残らなかったものの、サービス内容が秀逸と評価された6社がライトニングトークに登壇した。

東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を提供するのが特徴。昨年実施された第2期では、東急電鉄、Spiral Ventures(旧 IMJ Investment Partners)、Connected Design 、東急エージェンシーが事務局を運営していたが、第3期から新たに東急メディアコミュニケーションズと、東急レクリエーション、東急スポーツシステム、東急総合研究所が参加。交通/都市開発/生活サービス/広告・プロモーション/IoTスマートホーム/インバウンド・トラベル/エンターテイメント/スポーツ/ヘルスケア/ダイレクトマーケティングの合計10領域で募集された。今回のバッチには、スタートアップ138社からのエントリがあり、うち28社が面談プロセスを通過、最終的に6社がファイナリストに残った。

ファイナリスト6社は、4月の第2期キックオフから約5ヶ月間にわたってプログラムに参加、この日の最終審査会を迎えた。彼らは2016年いっぱいをサービスのブラッシュアップに費やし、2017年の年明けから東急グループの支援を得て、本格的なマーケティング活動を開始する予定だ。

新規性、親和性、成長性、実現可能性の4つの観点で審査される。今回の最終審査会で審査員を務めたのは…

  • 日本ベンチャーキャピタル協会 特別顧問 安達俊久氏
  • トーマツベンチャーサポート 事業統括本部長 斎藤祐馬氏
  • Spiral Ventures 代表取締役 兼 代表パートナー 堀口雄二氏
  • 東急電鉄 取締役執行役員 生活サービス事業部 事業部長 市来利之氏
  • 東急電鉄 取締役専務執行役員 渡邊功氏(審査員長)

…以上の方々。

【東急賞】WAmazing by WAmazing

賞金:109万円

WAmazing は、訪日外国人に無料SIMカードを配布して情報を提供するサービス。B Dash Camp 2017 Spring in Fukuoka で優勝

現在 WAmazing は、新東京国際空港(成田空港)・中部国際空港(セントレア)・関西空港に SIM カードを提供するマシンを設置。来月には、東急グループが運営委託されている仙台空港にも設置される予定。リーチ先の市場としては香港・台湾から着手しており、来年には中国本土に進出する計画だ。この10月に SIM カードは5万インストールを超え、年度末(2018年3月)には15万インストールを超える見込み。

同社は、東急の定期券を持っている利用者を、東急沿線で移動・買い物・住まいで関与している「沿線住民」と定義。この定期券に代えて、東急グループとの提携により、Wamazing の SIM カードを持っている訪日外国人観光客を、空からやってくる「新たな沿線住民」にしたいとした。

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【渋谷賞】みんチャレ by エーテンラボ

賞金:42万8,000円

エーテンラボは、さまざまな活動に参加しながらも脱落する傾向にある人々を動機づけるソフトウェア「みんチャレ」を提供している。ダイエット、早起き、筋トレなど、三日坊主で続かない自己研鑽のための課題を、人が介在するとスケールできないコーチングではなく、同じ課題を持つ人同士が匿名で応援しあえるアプリだ。チームチャット、課題を達成したことを示す証拠写真をシェア、励ましあうことで課題の習慣化を促す。

みんチャレを使った場合の習慣成功率は69%と、一人で課題に挑戦する場合に比べ成功率は約8倍の高さ、また、ユーザのアプリ継続利用率は、アプリ利用開始から半年経っても46%という高い値を示している。送客広告、習慣化支援(公式チャレンジの販売)による B2B 課金、機能開放・プレミアム機能による B2C 課金でマネタイズする。

2017年2月にソニーが運営する「Seed Acceleration Program(SAP)」から輩出され、シードラウンドでソニー、第一勧業信用組合、フューチャーベンチャーキャピタル、グローブアドバイザーズ、吉田行宏氏から6,600万円を調達した。東京都の青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC)のアクセラレーションプログラム第4期、野村ホールディングスのアクセラレータプログラム「VOYAGER」の第1期Incubate Camp 10th に採択されている。

【NewWork 賞】Player! by ookami

副賞:東急のシェアオフィスネットワーク「NewWork」の、1社4名まで使い放題の権利

ookami の「Player!」は、オンライン上にてコミュニティを形成してスポーツエンターテイメントを盛り上げるサービス。本デモデイで披露されたサービス内容詳細については、ステルス指定のため非公開。

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【NewWork 賞】ecbo cloak by ecbo

副賞:東急のシェアオフィスネットワーク「NewWork」の、1社4名まで使い放題の権利

ecbo は第3期には参加しておらず、ライトニングトーク登壇であったため、サービス内容などについては省略。

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Silent Log Analytics by レイ・フロンティア

レイ・フロンティアが提供する Silent Log Analytics は、顧客の位置情報をAIで分析し、今までになかった行動分析を可能にするマーケティングサービスだ。企業は顧客を知りたい、消費者は事業者に自分のことを知ってもらい最適な提案をしてほしい、と思っているが、現実にはオフラインで買い物したのと同じものを、オンラインでレコメンドされるというような問題が生じる。

Silent Log Analytics はこのような問題を解決すべく、ユーザの同意を得た上で1日約37,000人の行動データを取得している。スマートフォンに備わった GPS だけでなくセンサーを活用して、使用者の状態や社会属性を特定。1日3%の電力消費で情報収集を可能にし、レイ・フロンティアでは分析されたナレッジを保有している。これらにより、遊んでいる時には仕事の情報が届かない、仕事しているときには遊びの情報は届かない、など顧客通知やレコメンドの最適化を目指す。

東急カードとの共創では、Silent Log Analytics が持つ自動日記機能を提供することで、行動とカード利用(お金の消費)の関係を分析できるしくみが作れると提案。また、東急電鉄との共創では、利用者の現在位置や行動から推定した行き先の状況を事前通知し、最適な行動を促すことができるとしている。また、東急バスとの共創では、「バスも!」の利用者を共同で分析し、環境が似ている候補者への啓蒙と効果測定を行いたいとしている。

【二子玉川賞】Full Dive Novel by My Dearest

賞金:25万円

Full Dive Novel は、小説を VR 空間内で読むことで、読者が小説の主人公になれる体験を提供するサービス。とかくゲームなどストーリー性の乏しいコンテンツが多い VR のカテゴリにおいて、My Dearest は編集者やクリエイターを多数集めることで、VR 小説や VR 動画といったストーリー性豊かなコンテンツの制作に強みを持つ。当初は自社コンテンツを制作・販売するが、今後、ユーザが VR コンテンツを自ら作れる開発汎用キットを制作し、ユーザがコンテンツを自由に売買できるプラットフォームの構築を目指す。

まだまだ VR ハードウェアの普及率が低い日本において、My Dearest は東急レクリエーションとの共創によりロケーション VR の展開を提案。特に、女性オタク向けのロケーション VR の提供を標榜し、109 シネマズでのテストマーケティングを通じて、女性に喜ばれるコンテンツ内容のや体験可能時間の検討を実施したいとした。東急グループ各社との提携により、東急周辺をテーマにした VR 作品を制作できる可能性もあるとしている。

スイッチオフィス by ヒトカラメディア

ヒトカラメディアがの提供するスイッチオフィスは、、オフィスの「入居者」「退去者」に対して、居抜きオフィス移転をマッチング・サポートするサービスだ。これにより、オフィス入退去時の原状回復費や内装構築費を大幅に削減できる「居抜き」でのオフィス移転サポートを強化する。居抜きでの退去を希望する企業は、現在入居しているオフィスの情報をスイッチオフィスにエントリーする。入居を希望する企業は、審査を経てスイッチオフィスに掲載されたオフィス情報を、閲覧、問合せ、内見が可能になる。

同社が今回提案したのは、東急電鉄との共創による職住近接の実現。都市居住部である三軒茶屋や武蔵小杉にオフィスを設置できれば、企業にとっても従業員にとっても東急電鉄にとってもさまざまなメリットが享受できる。東急沿線沿いの不動産アセットと、ヒトカラメディアが持つスタートアップ向けのオフィスプロデュースリーシング企画を披露した。大学のある駅前物件のリーシングによる、企業にとってインターンが獲得しやすいオフィス環境の提供などが期待できる。

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東京電力グループ、オープンイノベーションに特化した新会社を設立——スマートホームや家庭用IoT分野でのスタートアップ協業を推進へ

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東京電力グループ傘下の電力およびガス小売事業会社である東京電力エナジーパートナー(東電 EP)は9月、コンサルファームの ICMG との合弁(50/50出資)によりオープンイノベーションに特化した専門会社 TEPCO i-フロンティアズを設立した。同社11日、都内で異事業やスタートアップとの連携を模索するためのコネクションイベントを開催した。 コネクションイベントの冒頭に挨拶した、TEPCO i-…

Image credit: Masaru Ikeda

東京電力グループ傘下の電力およびガス小売事業会社である東京電力エナジーパートナー(東電 EP)は9月、コンサルファームの ICMG との合弁(50/50出資)によりオープンイノベーションに特化した専門会社 TEPCO i-フロンティアズを設立した。同社11日、都内で異事業やスタートアップとの連携を模索するためのコネクションイベントを開催した。

コネクションイベントの冒頭に挨拶した、TEPCO i-フロンティアズ代表取締役の田村正氏によれば、同社では電気にかかわるものだけでなく、スマートホームや家庭 IoT など日常生活を便利で効率良くする、あらゆる製品やサービスが協業対象のスコープになるとのこと。将来的にはシンガポール法人を設立し、海外での案件発掘やオープンイノベーション支援、事業展開も手がけていくとした。スタートアップにとっては需要家2,000万軒にリーチできる圧倒的なユーザベースが魅力であり、一方、東京電力は電力自由化の中で複数事業者の中から「自分たちを選んでもらえる」動機付けを作り出すことができればと意気込む。

TEPCO i-フロンティアズ代表取締役の田村正氏
Image credit: Masaru Ikeda

イベント内で持たれたパネルディスカッションでは、早稲田大学名誉教授でウエルインベストメント取締役会長の松田修一氏、TEPCO i-フロンティアズの田村氏、新会社の合弁相手に当たる ICMG 代表取締役社長の船橋仁氏らが登壇。特に松田氏は、長年にわたり事業創生に深く関わる立場から、日本内外でのオープンイノベーションの成功事例や失敗事例を披露し、東京電力のような企業にとってオープンイノベーションがなぜ必要なのかを力説した。

コネクションイベントということで、エネルギー大手との協業を望む起業家の顔ぶれが多いことを期待したのだが、100人程度集まった参加者の多くは、そのいでたちから推測すると大企業や中小企業の人々だったようだ。かくいう筆者も、TEPCO i-フロンティアズなる会社が設立されたことは知らなかったし、オープンイノベーションのプログラムでありがちな「協業スタートアップ募集」といた応募フォームもウェブサイト上に見つからない。向かう先や方向性の見定めも含め、まずは船出というフェーズなのだろう。

パネルディスカッションに登壇した、ウエルインベストメント取締役会長の松田修一氏
Image credit: Masaru Ikeda

国内の電力各社によるオープンイノベーションの現状を見てみると、東京電力は「cuusoo」というサイトでイノベーションアイデアを募集、関西電力は昨年「Dentsune!!」というビジネスアイデアコンテストを開催している。中部電力は「COE – 声- Business factory 2017」というアクセラレータプログラムを立ち上げているほか、九州電力は creww とアクセラレータプログラムを運用している。

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ロボットの社会実装の場を目指し、羽田空港とスタートアップ・大企業がコラボする「Haneda Robotics Lab」——第2期募集の説明会を開催

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羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデングは10日、ロボットの社会実装に向け、今年で2期目となる「Haneda Robotics Lab」の説明会を開催した。Haneda Robotics Lab は企業やスタートアップが空港内での実証実験に参加できるプロジェクトで、羽田空港で行われた説明会には、全国各地の大企業のロボット開発部門、スタートアップ、大学や研究機関など約30の団体の担当者らが出席した…

昨年の「Haneda Robotics Lab」第1期に参加したロボットの皆さん
Image credit: 日本空港ビルデング

羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデングは10日、ロボットの社会実装に向け、今年で2期目となる「Haneda Robotics Lab」の説明会を開催した。Haneda Robotics Lab は企業やスタートアップが空港内での実証実験に参加できるプロジェクトで、羽田空港で行われた説明会には、全国各地の大企業のロボット開発部門、スタートアップ、大学や研究機関など約30の団体の担当者らが出席した。

このプロジェクトでは、空港という交通の要衝で、そこを行き交う人々との接点を通じて、ロボットへの実証実験(PoC)の機会を提供。最終的には、PoC にとどまらず2020年に向けて空港での実用化を狙うものだ。昨年の第1期では清掃・移動支援・案内の3つの機能にフォーカスして17社(17機種のロボット)が採択されたが、うち10機種のロボットについては、羽田空港で実用レベルで実装されつつある。

日本空港ビルデング事業開発推進本部事業開発部次長の志水潤一氏

今年、募集対象となるのは、警備・物流・翻訳の3分野。プロジェクトの名前に Robotics という言葉が冠されているものの、特に駆動体を備えた典型的なロボットの形をしている必要はなく、ドローンのようなものであったり、ソフトウェアで完結するものであったりしても許容される。説明会で登壇した、日本空港ビルデング事業開発推進本部事業開発部次長の志水潤一氏は、採択の対象となる条件として「空港の運用が効率化され、旅客の利便性が高まることが重要」であると指摘した。応募の締切は10月25日まで。

Haneda Robotics Lab に影響を受けてか、このところ、鉄道駅やオフィスビルなどの公共スペースで、スタートアップとの協業によるロボット導入の PoC が相次いでいる。JR 東日本は鉄道駅でのサービスロボット開発・導入を狙った「JRE ロボティクスステーション」なる LLP およびプロジェクトを開設した(7月5日にウェブサイトを開設、ロボット技術や開発パートナーを募集とされているが、本稿執筆時点では未確認)。森ビルは今月に入って、六本木ヒルズを舞台に、ZMP と共同で自動走行する宅配ロボット「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」の PoC を開始している。

羽田空港で10日に開催された、Haneda Robotics Lab 第2期説明会の様子
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リクルート「TECH LAB PAAK」のデモデイが開催、第9期参加チームが半年の成果を披露

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リクルートホールディングス(東証:6098。以下、リクルートと略す)が東京・渋谷で展開するスタートアップアクセラレータ「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」は9月29日、第9期のデモデイを開催した。 14チームがそれぞれ3分間ピッチでプログラム参加からの半年間の成果を披露したほか、審査員による評価対象ではないが、1分間ピッチには10チームが登壇し、総計24チームが登壇する一大ピッチ…

リクルートホールディングス(東証:6098。以下、リクルートと略す)が東京・渋谷で展開するスタートアップアクセラレータ「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」は9月29日、第9期のデモデイを開催した。

14チームがそれぞれ3分間ピッチでプログラム参加からの半年間の成果を披露したほか、審査員による評価対象ではないが、1分間ピッチには10チームが登壇し、総計24チームが登壇する一大ピッチイベントとなった。

入賞したチームの顔ぶれを中心に、TECH LAB PAAK からどのようなサービスが生まれたか、生まれようとしているかをみてみたい。なお、デモデイのピッチにおいて、入賞者の審査を行ったのは次の方々だ。

  • TechCrunch Japan 編集長 西村賢氏
  • 日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤円氏
  • 500 Startups Japan マネージングパートナー 澤山陽平氏
  • リクルートホールディングスR&D本部 Media Technology Lab. 室長 麻生要一氏

【TECH LAB PAAK 賞】JobRainbow / ichoose by JobRainbow

副賞:松阪牛&神戸牛 選べるギフト

13人に1人の割合で存在するという LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)の人々に特化した、就職活動および転職活動支援サイト「JobRainbow」と求人サイト「ichoose」を運営。JobRainbow には LGBT フレンドリーな企業の求人情報はもとより、採用担当者のインタビュー、LGBT を配慮した福利厚生の有無、すでに当該企業で働いている LGBT の人の「社内でカミングアウトしたけれど、問題なく同僚らから受け入れてもらえた」などの生の声が読める口コミ投稿機能を提供する。

JobRainbow には現在300社ほどが求人情報を掲載しており、ユーザ数は1万人ほど。2ヶ月ほど前には、LGBT のための求人機能に特化したサイト「ichoose」をローンチし、こちらは提案した企業のうち約20%の企業で採用されているという。オンラインのみでなく、LGBT フレンドリーな企業と求職者を結ぶオフラインイベント「リアルジョブレインボー」を開催しており、求人・求職だけでなくワークスタイルのあり方にまで踏み込んだ、ユーザ同士が情報交換できるコミュニティを形成している。

【Microsoft 賞】FOLLY by Artrigger

副賞:特選カニセット

ゴッホは生前評価されず、没後に本人の知らないところで作品が取引されるようになったアーティストとして知られる。Artrigger が取り組むのは、アーティストがゴッホのような目に遭わないために、彼らや関係者に市場価値をリアルタイムで把握できる環境を提供することだ。Artrigger では、数あるコンテンツ業界の中で、映像、ゲーム、図書・新聞・画像・テキストの3つの市場をターゲットとしており、作品や作家情報、著作権管理情報などをもとにリアルタイムで市場価値の可視化を実現する。

Artrigger では、芸術系学校法人に向けた校務管理・ポートフォリオツール「FOLLY」を開発。芸術系学校の教師が事務作業に時間をかけず、生徒が持つ才能の原石を育てるのを支援する。信託銀行とは、Atrigger が持つ市場価値可視化の技術と、信託銀行が得意とする資産継承プランニングや相続・贈与・美術品運用・知的財産権の信託などの分野で、共同で実証実験に取り組むことが決まっている。

【TechCrunch Japan 賞】Gitai by MacroSpace

副賞:AppleStore ギフトカード 3万円分

MacroSpace は、テレイグジスタンス(遠隔存在感)のしくみ「GITAI(ギタイ)」を開発するスタートアップ。操作するユーザの身体にセンサーをつけ、獲得したデータをインターネットを経由して遠隔地のロボットに送ることで、ユーザと同じ行動をロボットにさせることができる。

ユーザがヘッドマウントディスプレイを装着することで、ロボット側に装着した360°カメラを映像をリアルタイムで体験できる技術を開発。ただし、360°カメラの映像をリアルタイムで伝送するには大きな帯域が必要となり伝送遅延も発生することから、これを改善するために UDP ベースの P2P ストリーミングプトロコルと、Linux ベースの GITAI OS を開発。通信必要帯域を元データ 330Mbps から 4Mbps 未満までに圧縮、伝送遅延を80ミリ秒(0.08秒)にまで下げることに成功した。

Singularity University の2017年夏の Global Solutions Program に採択され、これを契機に宇宙の地球周回軌道上に カメラを設置し VR 環境を提供するアメリカのスタートアップ SpaceVR と提携が実現した。SpaceVR のカメラデバイスは近く、Space X のロケットで打ち上げられる予定で、SpaceVR が宇宙から届ける地球のライブ映像を GITAI で体感できる日もそう遠くないだろう。MacroSpace は、Singularity University が運営するアクセラレーションプログラム SU Ventures にも採択された。

<参考文献>

【500 Startup 賞】WIM(Worn Influencer of Movement)

副賞:Amazon ギフトカード 3万円分

人がパフォーマンスに使える技術を開発する観点から、駆動体がかさばらない安価な人工筋肉を開発している。WIM を開発する亀井潤氏によれば、これまで空気圧ゴムだった人工筋肉は、合金を使ったものに移行してきており、日本は特にこの分野で先行する市場であるものの、原料となる合金はまだ非常に高価ものなのだという。WIM では、電気で駆動するポリマーを使った人工筋肉(Electroactive Polymer Artificial Muscle=EPAM)を開発し、従来の費用の100分の1程度(材料費ベースで5万円程度→500円程度)での人工筋肉を実現しようとしている。

EPAM については、世界でも他に先行する企業や研究機関は存在する可能性があるが、WIM ではこの技術をパフォーマーの衣装やデザインに取り入れていることが特徴的で、パフォーマンス表現の可能性が広がることなどに期待を寄せているようだ。冒頭には、亀井氏が関わるイギリスの V&A(Victoria and Albert Hall)での事例がビデオで紹介された。

【オーディエンス賞】シェアトレ by シェアトレ

副賞:TECH LAB PAAK Project Member 権利

全国で子供向けにサッカーを教えるアマチュアコーチの多くは、コーチ経験が無いにもかかわらず、練習メニューを作成し実施するというハードなタスクをボランティアでこなしている。そのような問題を解決するため、「シェアトレ」は、全国のアマチュアコーチが練習メニューを共有できるプラットフォームだ。創業者が筑波大学体育専門学群に籍を置いていることもあり、当該学群の教授らの協力を得て、専門的な知識も学べるメニューを提供している。

TECH LAB PAAK 参加後、月間20万PV、会員数2,200人、スポーツ指導者が3万人訪れる大きなサイトにまで成長した。SEO、メディアを使ったコラムの掲載、スポーツ練習の YouTuber を囲えていることが、このアクセス増に貢献しているそうだ。その存在価値が認められ JFCA 日本サッカー指導者協会 と提携、練習メニューの提供を受けたり、共同で物販を行ったりしている。

IT 業界のユーザ体験がビデオからスマートフォン、そして VR へと移行している中、スポーツ分野においては以前、書籍などに添付された DVD に頼っていることが多い。シェアトレでは今後、練習メニューをスマホで手軽に動画閲覧できるようにし、スポーツ教育の機会均等を提供すべくサッカー以外の分野へも進出、どこでもスポーツ指導が受けられる新規サービスを開発中としている。

【オーディエンス賞】フォトビーズ by クイックピジョン

副賞:TECH LAB PAAK Project Member 権利

フォトビーズ」は、言わば〝撮影体験版の〝Pokémon Go〟で、アプリを持ったユーザがあらかじめ定められた地点に行くと、抜群のアングルでセッティングされたカメラの撮影権利を獲得し、リモートでシャッターを切って写真を得られるサービスだ。水槽越し、窓越し、ドローンからなど、セルフィーなどでは実現できないさまざまなアングルでの写真撮影が可能になる。

美しい空間を持っている人、カメラ資産を眠らせている人、抜群の撮影ポイントで写真を撮りたい人をマッチングさせる。すでにプロトタイプを作成し、渋谷のスプランブル交差点で撮影を実施したり、テストユーザを対象に撮影会を開催したりしているそうだ。

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インフルエンサーマーケティングとYouTuberプロダクションのBitStar、TBS IPとABC DVから資金調達——デジタル業界と民放の事業連携に拍車

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インフルエンサー支援プラットフォーム「BitStar(ビットスター)」と、YouTuber プロダクション「E-DGE」を展開する BitStar は2日、東京放送ホールディングス(東証:9401)傘下の CVC である TBS イノベーション・パートナーズと、朝日放送(東証:9405)傘下の CVC である ABC ドリームベンチャーズから、資金調達を実施したと発表した。調達金額は明らかにされて…

インフルエンサー支援プラットフォーム「BitStar(ビットスター)」と、YouTuber プロダクション「E-DGE」を展開する BitStar は2日、東京放送ホールディングス(東証:9401)傘下の CVC である TBS イノベーション・パートナーズと、朝日放送(東証:9405)傘下の CVC である ABC ドリームベンチャーズから、資金調達を実施したと発表した。調達金額は明らかにされていない。

BitStar にとっては、2014年に実施した East Ventures からのシードラウンド調達(調達金額非開示)、2016年8月に実施したコロプラからのシリーズ A ラウンド調達(調達金額非開示、推定数億円程度)、今年6月に実施したグローバル・ブレインからのシリーズ B ラウンド調達(3億円)に続くものだ。

なお、今回の調達とあわせ、BitStar は社名を旧社名の Bizcast から BitStar に変更した。

今回の調達は資金の確保よりも、放送局との協業に狙いを定めたものである可能性が高い。BitStar は先ごろテレビ東京と連携し、10月4日(実際には5日)から E-DGE 所属の YouTuber が出演する地上波レギュラー番組「水曜夜のエンターテイメントバトル エンタX(エックス)」を放映開始することも明らかにしている。これらの展開の背景には、YouTuber が活動できる分野や環境の開拓があるようで、将来的には広告の共同販売なども視野に入れているようだ。

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食品に含まれる肉眼では見えない殺虫剤や農薬を探知するデバイス「Inspecto」

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アメリカ疾病予防管理センターが2015年に発表したところによると、人間の体内には常に平均29種類以上の農薬が存在するのだという。 イスラエルのスタートアップ「Inspecto」は、食材に含まれる目には見えない農薬を探知するポータブルスキャナーを開発している。デバイスで探知してわかった情報は、連携アプリで確認できる仕組みだ。 オーガニックの商品にだけ絞って購入していれば、本来農薬は見つからないはずだ…

アメリカ疾病予防管理センターが2015年に発表したところによると、人間の体内には常に平均29種類以上の農薬が存在するのだという。

イスラエルのスタートアップ「Inspecto」は、食材に含まれる目には見えない農薬を探知するポータブルスキャナーを開発している。デバイスで探知してわかった情報は、連携アプリで確認できる仕組みだ。

オーガニックの商品にだけ絞って購入していれば、本来農薬は見つからないはずだが、Inspectoがあれば本当に無農薬なのかを把握できる。

Inspectoは消費者向けへの販売も予定しているが、食品製造メーカーや小売などに対しても、食品の安全性を高めるために販売していく予定だという。

同スタートアップは、国連欧州経済委員会主催の「Ideas4Change Awards 2017」で勝者に選ばれた。

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