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人工知能

農作物の生育状況はAIで予測、アグリテック「Taranis」に日本企業も注目

ピックアップ:Taranis eyes Asia expansion after raising $30m from Vertex, others ニュースサマリー:アグリテック・スタートアップのTaranisは8月4日、シリーズCラウンドで3,000万米ドルを調達したと発表している。リード投資家はシンガポールのK3 Venturesで、Vertex GrowthやKuokグループのOrion F…

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Taranisウェブサイト

ピックアップ:Taranis eyes Asia expansion after raising $30m from Vertex, others

ニュースサマリー:アグリテック・スタートアップのTaranisは8月4日、シリーズCラウンドで3,000万米ドルを調達したと発表している。リード投資家はシンガポールのK3 Venturesで、Vertex GrowthやKuokグループのOrion Fund、日立製作所のCVC子会社「ヒタチベンチャーズ」や三菱UFJキャピタルなども同ラウンドに参加している。

同社はイスラエルのテルアビブを拠点とし、すでに南北アメリカやオーストラリアなどでサービスを展開している。調達した資金は今アジアでの事業展開などに利用されるという。

重要なポイント:アジアは世界の農地面積において約23%を占めており、食糧生産量の60%を生産している。

詳細情報:Taranisは航空写真とAIを組み合わせ、対象となる農地と作物の高精細画像を元に診断を行うのが特徴。農作物の生育状況や農地の状態などを監視し分析、収穫量に影響が出ないよう農作業についてのアドバイスやトラブルへの対処法などを提供している。

  • Taranisはシードラウンドで200万米ドル、シリーズAラウンドで750万米ドル、シリーズBラウンドで2,000万米ドルの資金を調達しており、今回の調達により資金調達の合計額は6,000万ドル近くとなった。
  • 同社は既に北米・南米アメリカ、ロシア、ウクライナ、オーストラリアでサービスを展開し、約1万9,000人の顧客を抱えている。現在は主要な作物としてトウモロコシ、大豆、サトウキビ、綿花畑へのサービスを提供している。アジア展開に合わせ今後は米、小麦などの作物も積極的に取り扱っていく予定。
  • アジア参入の第一歩として既にインドネシアではサトウキビ畑でのパイロットテストを完了している。また、タイ、フィリピンへの進出も計画しているほか、パプアニューギニアなどオセアニア地域への事業展開の可能性も示唆している。
  • 同社サービスは、UHRとAI2と呼ばれる軍事光学と機械学習を組み合わせた高精細画像に関する独自技術をサービスの核としている。
  • UHR(ULTRA-HIGH RESOLUTION)は、樹木単位で注意が必要な箇所を特定するための8cmサイズのフィールド全体画像。いくつかに分割して撮影された農地の画像をアルゴリズムを使用してつなぎ合わせ、1枚のフィールド画像を生成する。
  • AI2は、1ピクセルあたり0.3〜0.5 mmの画像解像度で、農作物の葉一枚一枚や葉の上にいる虫を識別可能な画像を航空機とドローンを使用して撮影する。モーション補正技術を駆使し、航空機から低高度(約10〜30m)に焦点の合った画像の撮影が可能。100エーカー(約40ヘクタール)分の画像を6分間で撮影する。
  • UHRによるフィールド全体の画像とAI2による細部の画像データを使い、60名以上の農学者が100万例以上の学習データを用いてAIの最適化を図る。作物の生育状態における異常性や害虫の検知、農地の状態把握などを行う。また、気象情報や大気環境状況などのモニタリングデータも活用し、各農作業に最適なタイミングをアドバイスすることが可能。収穫減に繋がる予兆を検知した際には注意や対処法などの情報も提供される。
  • これらの情報は全てウェブ上にあるダッシュボードにまとめられており、ユーザーはいつでも確認することができる。その他、農学者への作物に関する相談やカスタマーサービスへの問い合わせも24時間対応で受け付けている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

九大発・AI病理画像診断「PidPort」開発のメドメイン、病院グループやVC複数などから11億円を調達

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病理 AI ソリューション「PidPort」や医学生向けクラウド「Medteria」を開発・提供するメドメインは24日、戦略的スキーム SPV(Special Purpose Vehicle)を活用し、11億円を調達したと発表した。ラウンドステージは明らかにされていないが、概ね、シリーズ A ラウンドとみられる。同社にとっては、2018年8月に実施した1億円の調達に続くものとなる。累積調達金額は約…

メドメインのチーム。中央が CEO の飯塚統氏。(2019年11月撮影)
Image credit: Medmain

病理 AI ソリューション「PidPort」や医学生向けクラウド「Medteria」を開発・提供するメドメインは24日、戦略的スキーム SPV(Special Purpose Vehicle)を活用し、11億円を調達したと発表した。ラウンドステージは明らかにされていないが、概ね、シリーズ A ラウンドとみられる。同社にとっては、2018年8月に実施した1億円の調達に続くものとなる。累積調達金額は約12億円。

この SPV では、Hike Ventures がメドメインの本ラウンド専用のファンドを組成、福岡和白病院グループ、国際医療福祉大学・高邦会グループ、QTnet、Hike Ventures、みらい創造機構、ディープコア、ドーガン・ベータ、名称非開示の個人投資家が参加した。ディープコアとドーガン・ベータは、前回ラウンドに続く参加。

SPV は、スタートアップにとっては、資金調達に要する期間や労力を下げられるなどのメリットがあり、近年では SmartHR がシリーズ B ラウンド調達時に利用したのが記憶に新しい。メドメインでは今回 SPV を利用した理由として、病院経営者をはじめ複数の投資家から大型の資金調達を迅速に実現するためだったとしている。

福岡和白病院グループは全国に24の医療機関と7つの医療教育機関、国際医療福祉大学・高邦会グループは全国に約60施設を持つ医療・教育・福祉のグループ。両グループの出資参画により、医療現場を巻き込んだプロダクト開発を加速する意図があるとみられる。

「PidPort の機能」
Image credit: Medmain

メドメインは今年1月、九州大学起業部から第1号として生まれたスタートアップ。同社が開発する PidPort は、ディープラーニングとメドメイン独自の画像処理技術により、スピーティーで高精度な病理診断が実現可能だ。これまで、九州大学医学部と九州大学病院の協力のもと開発を進め、スーパーコンピュータを用いて AI への高速学習を行ってきた。2018年冬にはα版、今年2月には正式版をリリースし、全国の医療機関ら50施設以上と共同研究を進めている。

医療とコンピュータビジョン(映像解析)は相性が良いとされる。数ある医療分野への適用(例えば、他には放射線画像や内視鏡画像など)の中で、同社が病理分野にフォーカスしたのは、この分野のデジタル化が特に遅れていると判断したからだ。病理診断は、医師が患者の身体から組織からを採取し、それを病理医が顕微鏡を使って確認し行う。メドメインではこのプロセスを、画像をデジタル取り込みするなどして病理医が遠隔でも診断できる環境を提供、また、取り込まれたデータは蓄積され、学習データが増えれば増えるほど、PidPort はより精緻な診断を支援できるようになる。病理医不足から来る病理診断の遅れの解消に寄与する。

「PidPort」のビューアー画像
Image credit: Medmain

医療に関わる法律の制約上、国内では現時点で研究ベースでの利用に留まっているようだが、海外では医療機器として実際の医療診断行為に活用されている。病理医が少ない国や地域では、PidPort 経由で示された患者の組織の画像をもとに、日本の病理医が現地で診断を担当する医師にコンサルテーションやアドバイスをする、といった事例も生まれているらしい。

また、新型コロナウイルスの感染拡大により、病理医もいかんせん行動が制約を受けるが、PidPort を使うことで、複数の病院を掛け持ちしがちな病理医は、移動せずにオンラインで画面越しで診断が下せるようになるため、デジタル病理が進む上で好機になっているそうだ。

メドメインでは今回調達した資金を使って、AI アルゴリズムの強化、病理組織をスキャンニングする施設の設備費用、海外展開や 国内の PidPort の AI 以外の機能(AI 部分は国内では法律上の制約から現在は研究に用途が限定されるため、特にデジタルスキャンやクラウドストレージの機能など病理診断の遠隔化に寄与する機能)の営業職の採用強化に充てるとしている。

東京大発・生産現場の自動化に挑戦するDeepXが16億円調達

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AI技術開発のDeepXは7月31日、スパークス・グループ(未来創生2号ファンド)、フジタ、SBIインベストメント、経営共創基盤を引受先とする第三者割当増資を公表している。調達した資金は16億円で、出資比率や払込日などの詳細は非公開。 同社は東京大学松尾研究室を出自とするスタートアップで、2016年4月に創業。「あらゆる機械位の自動化」の実現を目標に、各業界ごとに適したソリューションを開発・提供。…

Capture
DeepXウェブサイト

AI技術開発のDeepXは7月31日、スパークス・グループ(未来創生2号ファンド)、フジタ、SBIインベストメント、経営共創基盤を引受先とする第三者割当増資を公表している。調達した資金は16億円で、出資比率や払込日などの詳細は非公開。

同社は東京大学松尾研究室を出自とするスタートアップで、2016年4月に創業。「あらゆる機械位の自動化」の実現を目標に、各業界ごとに適したソリューションを開発・提供。さまざまな機械や現場作業の自動化に向け、汎用的なAI技術の開発を手掛けてきた。具体的な領域テーマとしては土木建設、食品加工、製造、港湾、農業等があり、これら産業の現場課題を個々に分析し産業用ロボットから重機までの自動化に取り組んでいる。

今回調達した資金は、建機自動化や工場内作業自動化、自動化モジュール提供等の事業化加速、エンジニアや計算資源に用いられる。特に、認識技術や制御技術の少数データでの開発可能性や実空間での頑健性、汎用性、説明可能性等を追求していくとしている。

現在進行形のユースケースには、今回出資したゼネコンのフジタと協業する「油圧ショベル自動化AIプロジェクト」や、組み合わせ計量システムの食品生産ライン機械メーカーのイシダと手掛ける「パスタを定量で盛りつけるロボット」などがある

via PR TIMES

クロスリバ、映画・小説・ゲームを世に出す前にヒット解析予測できる「StoryAI」をβローンチ

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コンテキスト解析技術を開発するクロスリバは14日、ストーリー・シナリオ分析 SaaS「StoryAI」をβローンチした。このサービスは映画・ドラマ・ゲームなど、シナリオ形式のストーリーを自然言語解析しストーリーに内在する感情を数値化。得られた数値を時系列に配置することで、ストーリーが持つ感情抑揚をグラフ形式で見える化するものだ。クライマックスにはグラフの波に高まりが見られる。 映画・ドラマ・ゲーム…

Image credit: Xrosriver

コンテキスト解析技術を開発するクロスリバは14日、ストーリー・シナリオ分析 SaaS「StoryAI」をβローンチした。このサービスは映画・ドラマ・ゲームなど、シナリオ形式のストーリーを自然言語解析しストーリーに内在する感情を数値化。得られた数値を時系列に配置することで、ストーリーが持つ感情抑揚をグラフ形式で見える化するものだ。クライマックスにはグラフの波に高まりが見られる。

映画・ドラマ・ゲームなど、創作コンテンツは映像や音楽など多様な要素で構成されているものの、発案者や創作者がプロデューサーや編集者に企画を通す際には、企画書・プロット・シナリオだけで判断されていることが多い。

つまり、ストーリーを見れば、そのコンテンツがヒットするかどうかがわかる。(クロスリバ 代表取締役 川合雅寛氏)

目を見張るような SFX も、ドキドキ感を誘う BGM も、そして、登場する俳優やキャラクタさえ、すベてはメインコンテンツであるストーリーを引き立てる添え物でしかない。ヒット作が素晴らしいシナリオに支えられていることは、近年の有名映画やドラマを見ていても明らかだ。

川合氏は現在、StoryAI がターゲットとできる市場をいくつか捉えている。

一つはシナリオライター養成市場。日本には現役シナリオライターが約4,000人にいて、この職業に憧れてライター養成学校に通ったり講座を受けたりしている生徒が毎年2万人生まれている。彼らは安くない授業料を支払っているが、そこから文章を書くことを生業にできるのはほんの一握りだ。

StoryAI を使って、プロが書いたヒット作のシナリオの感情変移と比べてみれば、自分の書いた作品が人に感動を与えられる可能性があるかどうかは一目瞭然。クロスリバでは脚本家団体などと連携し、シナリオライター候補生向けに、プロのシナリオの感情変移と見比べられるサービスの提供を検討している。シナリオそのものと違い、演算処理されたシナリオの感情変移データにはシナリオライターの著作権は存在しないが、クロスリバではシナリオライターに収益を還元できる仕組みも検討している。

プロが描いた作品(上)と素人が書いた作品(下)で、シナリオが持つ感情抑揚を比較
Image credit: Xrosriver

ビジネスパーソンのスピーチやプレゼンテーションにも応用できるだろう。例えば、孫正義氏をはじめ有名人のプレゼンテーションのストーリーを StoryAI に食わせれば、ビジネスパーソンは自分のプレゼンテーションと比較して、話す内容に緩急をつけたり、感情の抑揚を促す工夫を加えたりすることができるようになる。スピーチや対談の書き起こしサービス「ログミー」などとの連携も考えられる。

またクロスリバが大きな可能性があると考えているのはゲーム市場だ。ストーリー重視型のゲームであれば、ヒット作の如何はシナリオで決まることが多い。当たるか当たらないかの振り幅が大きく業績を大きく左右する要素であるため、ゲームデベロッパからは StoryAI にとって安定的な法人需要を見込めるだろう。クロスリバでは、大手ゲームデベロッパとも交渉を始めているようだ。

StoryAI には、ニューラルネットワークとディープラニングを使った演算処理の技術が用いられている。現在特許を出願中で、技術の詳細についてはまだ明らかにされていない。

クロスリバは2017年、共創型アクセラレータ「Supernova」第2期デモデイで、世の中に受け入れられやすいストーリーを作れるようにしたクリエイティブ・プラットフォーム「ficta」を披露。そこから3年の歳月を経て、今年春には PR TIMES の「April Dream」で StoryAI の構想を明らかにしていた

Tencent(騰訊)の新薬開発AIプラットフォーム「iDrug(雲深智薬)」、新薬発現周期の短縮に成功

ピックアップ:Tencent launches AI-powered drug discovery platform iDrug ニュースサマリー:Tencent(騰訊)は7月9日の世界人工知能会議(WAIC)で、新薬の開発を支援するための AI プラットフォーム「iDrug(雲深智薬)」を発表。製薬会社や研究機関が従来の課題である新薬開発の時間やコストをディープラーニングアルゴリズムで大幅に削減…

Image credit: Tencent AI Lab(騰訊人工智能実験室)

ピックアップ:Tencent launches AI-powered drug discovery platform iDrug

ニュースサマリー:Tencent(騰訊)は7月9日の世界人工知能会議(WAIC)で、新薬の開発を支援するための AI プラットフォーム「iDrug(雲深智薬)」を発表。製薬会社や研究機関が従来の課題である新薬開発の時間やコストをディープラーニングアルゴリズムで大幅に削減することを目的としている。

重要視すべき理由:Tencent は多くの製薬会社と協力して、AI 開発モデルを新薬開発プロセスに適用。新型コロナウイルスの潜在的な治療法を含む10以上のプロジェクトが現在 iDrug 内で実行されている。これにより、新薬発現周期を3〜6年から、6カ月〜1年に短縮することができると Tencent は伝えている。

詳細:製薬会社や研究機関が従来の方法でタンパク質構造の実験を行ってきたが、時間やコストがかかるのが課題。

  • 機械学習で臨床前の新薬研究のプロセス全体をサポート、スピードアップするように設計されている。
  • iDrug プラットフォームは、タンパク質構造予測、仮想スクリーニング、分子設計と最適化、ADMET(薬の吸収、分配、代謝、排泄、毒性等)予測、合成ルート計画の5つのモデルで構成。
  • 新しいアルゴリズムで大幅に改善、業界で認められている「Robetta」の10%の改善よりも優れている。
  • Tencent AI チームは今年、世界で唯一のタンパク質構造予測の自動評価プラットフォーム「CAMEO」にも参画、6ヶ月で5回の月間タイトルを獲得している。
  • すべての製薬会社と研究所に無料で公開されている。

背景:Tencent は2017年に中国政府が発布した「次世代 AI 発展計画(新一代人工智能発展規画)」を支える国家プラットフォーマーに指定。特にヘルスケア領域を Tencent が担っている。

<参考文献>

via cnTechPost

執筆:國本知里/編集:岩切絹代

注目の成長スタートアップ100社から見る中国のAIトレンド

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ピックアップ:《2020中国人工智能商业落地价值潜力100强榜单》发布,合合信息连续三年入榜! ニュースサマリー:7月10日に開催された2020年の世界人工知能会議(WAIC)で、iyiou(億欧智庫)は「2020年中国における人工知能ビジネス実装に関する調査報告書(人工智能商業落地研究報告)」の中で、ポテンシャルの高いトップ100社、成熟した60社を発表した。 重要視すべき理由:報告書は2012…

2020年中国における人工知能ビジネス実装ポテンシャルトップ100社(クリックして拡大)
Image credit: iyiou(億欧智庫)

ピックアップ:《2020中国人工智能商业落地价值潜力100强榜单》发布,合合信息连续三年入榜!

ニュースサマリー:7月10日に開催された2020年の世界人工知能会議(WAIC)で、iyiou(億欧智庫)は「2020年中国における人工知能ビジネス実装に関する調査報告書(人工智能商業落地研究報告)」の中で、ポテンシャルの高いトップ100社、成熟した60社を発表した。

重要視すべき理由:報告書は2012年以降、中国の AI 企業と AI 市場の発展動向を包括的にまとめている。AI 技術に特化したスタートアップは少なくなり、ビジネスドメインでの AI 活用が進んできている。今後中国でのAI 開発は、AI 実装したアプリケーションの価値と業界別のニーズを解決する力に重点を置くようになることを示している。

詳細情報:ポテンシャルのある100社のほとんどは、2014〜2015年に設立され、本社所在地は北京が45社で上海が32社。その多くはリスクに耐える能力を持っているため、70%以上が新型コロナウイルス流行における影響を受けていない。

  • 特に企業向けサービス、産業ソリューション、金融、セキュリティ、ヘルスケアの5種類が重点として多い。
  • また、中国では AI スタートアップは2012年から2016年にかけて急速に発展したが、2016年がピークで、2020年は未だ4社である。AI 企業メインではなくビジネスドメインありきの AI 開発へと変わっていっている。
中国の人工知能関連企業のバーティカル分布トップ10(クリックして拡大)
Image credit: iyiou(億欧智庫) なお、BRIDGE 編集部で項目の邦訳を追加した。
  • AI 開発に関する都市投資評価においては、北京と上海が高い。この地域には、国立の AI 研究所が設立されているだけでなく、高レベルの大学があり、2019年末までに5G基地局が10,000カ所以上設置されている。
  • 中国の AI アプリケーションにおいては、B 向けが急速に発展。企業のデジタル変革を推進していくほうに重点を置いている。業界別ソリューション、企業向けサービス、ロボット、健康、セキュリティ等が重点 AI 分野となっている。今後、AI 開発はインターネット AI から、B 向けで大きく価値を生み出していくことが想定されている。
2012〜2020年4月の中国国内 AI スタートアップ設立数推移。
2020年は、新型コロナウイルスの影響で下降がみられる。
Image credit: iyiou(億欧智庫)

背景:中国のサービスは政府施策「インターネット+(互聯網+)」で発展してきたが、2017年「次世代 AI 発展計画(新一代人工智能発展規画)」の発布により開発が進み、2019年〜2020年にかけては「新インフラストラクチャーイニシアティブ(新基建)」により国家主導で AI 発展が進んでいる。

<参考文献>

via iResearch(艾瑞)

執筆:國本知里/編集:岩切絹代

密を測るAIセンサーでソーシャルディスタンシングを促進するDensity

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サンフランシスコを拠点とし、AIを利用して人数を数える赤外線センサーを開発するスタートアップのDensityは7月28日、5,100万米ドルの資金調達ラウンドを完了した。 新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中の都市が企業、特に飲食店に対して、密を避けるために顧客数を制限している。さらにリモートワークへの移行と不景気から企業が物理的なオフィスを持つ必要性が疑問視されている。 Density…

Image credit: Density

サンフランシスコを拠点とし、AIを利用して人数を数える赤外線センサーを開発するスタートアップのDensityは7月28日、5,100万米ドルの資金調達ラウンドを完了した。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中の都市が企業、特に飲食店に対して、密を避けるために顧客数を制限している。さらにリモートワークへの移行と不景気から企業が物理的なオフィスを持つ必要性が疑問視されている。

Densityは深度測定ハードウェアとAIバックエンドを活用して、廊下、曲がり角、出入り口、会議室といった複雑な場所での群衆分析を提供する。顧客にはPepsi、Delta、Verizon、Uber、Marriot、ExxonMobilが名を連ね、オフィスの中で最もよく使われる場所と最も使われていない場所を明らかにしたり、数百から数千名に及ぶ従業員の人数分布を提供したりする。

Farah氏はシラキュース大学大学院に在籍しモバイルソフトウェア開発企業で働いていた時にDensityのコアテクノロジーを発案した。人気カフェの忙しさを測定するというささやかな目標から模索を経て、Densityの人数計測センサーの基盤を築くに至った。

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Image credit: Density

センサーは137のサプライチェーンから供給される800以上のコンポーネントから成る。その複雑な性能に似合わず、手のひらにすっぽりおさまる小さな長方形のボックスだ。

出入り口などの上に設置されたセンサーは、クラス1(設計上本質的に安全なレーザー光)の赤外線レーザーを2つ使い、床からの反射を利用してフレームごとに動きを追跡する。人が運んでいる箱、ベビーカー、手押し車といったノイズをアルゴリズムによって除去し、人々の歩く方向や速度などを測定する。

データはWi-Fi経由でDensityのクラウドホスト型バックエンドに送られ分析される。リアルタイムの人口密度や時系列的な群衆サイズをウェブダッシュボード、SMSメッセージ、サイネージ、モバイルアプリで提供する。これらのデータをサードパーティのアプリやサービス、ウェブサイトが新しい方法で利用できるようにするためのAPIも用意されている。

Densityのクライアントである大手製薬会社は、トイレの清潔を保つために同社のセンサーを利用し、70回の使用ごとにクリーナーを稼働させている。配車サービス大手のUberはサポートセンターの1つでこのセンサーを活用し、適切な従業員数が配置されていることを確認している。他にも避難訓練中に最も使用されている出入り口を特定したり、火災時にオフィスの最上階にいる人数を推定したりといった応用例がある。

Farah氏によれば、Densityの赤外線追跡方法は他よりも大きなメリットがあるという。それはプライバシーだ。セキュリティカメラとは異なり、同社のセンサーは追跡される人のジェンダーや人種を特定しない。顔認識も行わない。VentureBeatの過去のインタビューで彼は次のように述べている。

カメラを使う方がはるかに簡単です。しかしカメラのデータは一方向に偏りすぎていると思います。

センサーは1台あたり895米ドル。データへのアクセス利用料は月払いまたは年払いとなっている。

パンデミックの当初Densityの売り上げは減少した。というのは多くの潜在的顧客が一時的に営業を停止したからだ。しかし最近では注文が増加し、ニューヨークのシラキュースでの製造を9割拡大している。

Farah氏によると、Densityは現在、「エッセンシャル」と呼ばれながらもソーシャルディスタンシングを遵守しなければならない事業、たとえば食料品店などを対象にマーケティング活動を行っている。販売チームを拡大し、さらなるソフトウェアならびにプラットフォーム開発を計画している。

DensityのシリーズCラウンドはKleiner Perkinsがリードし、01 Advisors、Upfront Ventures、Founders Fund、Ludlow Ventures、Launch、LPC Ventures、個人投資家のAlex Rodriguez氏、Alex Davis氏、Kevin Hartz氏・Julia Hartz氏夫妻、Cyan Banister氏・Scott Banister氏夫妻が参加した。 Densityの設立は2014年で、シラキュースとサンフランシスコのオフィスに50名以上の従業員を抱えている。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

AIスタートアップ、2020年Q2は2017年以来最低のスランプに【CB Insights調べ】

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2020年の第2四半期、ベンチャーキャピタルによるAIスタートアップへの支援は大幅に減少した。AI業界はパンデミックの影響を受けないかのように見えていたが、ついに巻き込まれてしまった。 CB Insightsのレポートによると、4月〜6月におけるAI関連のスタートアップによる資金調達は458件で72億2,000万米ドルだった。2020年第1四半期の506件84億米ドルからの減少となった。 レポート…

Image credit: Pixabay

2020年の第2四半期、ベンチャーキャピタルによるAIスタートアップへの支援は大幅に減少した。AI業界はパンデミックの影響を受けないかのように見えていたが、ついに巻き込まれてしまった。

CB Insightsのレポートによると、4月〜6月におけるAI関連のスタートアップによる資金調達は458件で72億2,000万米ドルだった。2020年第1四半期の506件84億米ドルからの減少となった。

レポートでは、第1四半期にWaymoが22億5,000万米ドルを調達した巨額のラウンドにより調達金額に偏りが生じたとされている。Waymoはラウンドを30億米ドルまで延長したために残りの7億5,000万米ドルは第2四半期に含まれることになった。だが、懸念されるのは取引件数の減少傾向だ。2020年第2四半期のAIスタートアップの取引件数458件というのは、2017年第2四半期の取引件数387件に次ぐ最低記録だ。

取引の減少はシードラウンドの減少によるものと考えられる。ベンチャーキャピタリストは成熟したAI企業へ投資しているようだ。同レポートには第2四半期に行われた1億米ドルを超える「メガ」ラウンドが15件もリストアップされている。

2020年にかけて、AIはベンチャーキャピタルの最もホットなセクターのひとつになった。2019年、全世界のAIスタートアップによる資金調達は、2018年の1,900件221億米ドルから増加し、2,200件266億米ドルの記録を打ち立てた。2020年に入ってから初めの3カ月間はまだ新型コロナウイルスの影響が深刻化しておらず、506件84億米ドルとAI業界は安定していた。

それでも、米国はAIスタートアップの資金調達において優位を保っていた。全取引件数のうち中国のAIスタートアップは15.5%(71件)だったのに対し米国は39.5%(181件)、調達額は中国が13億5,000万米ドルだったのに対し米国は42億2,400万米ドルだった。

今年、世界的なパンデミックにより、AIはヘルスケアの研究や追跡などの分野で好調だ。同レポートによると、ヘルスケア関連で活動するAI企業の取引件数は第2四半期で84件であり、第1四半期の82件から増加している。しかし金融関連のAIなど他の分野では減少している。

IPO市場は閉じたままだが、レポートによると買収は第1四半期の29件から増加し47件行われた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

位置情報をAIで解析、Location AI Platform開発に東京理科大学が2.2億円出資

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位置情報ビッグデータをAIが解析するプラットフォーム「 Location AI Platform(LAP)」を開発・提供するクロスロケーションズは7月14日、東京理科大学ベンチャーファンドを引受先とした第三者割当増資で2億2000万円を調達したことを公表している。調達した資金は位置情報データ解析技術LAPの高度化や、市場投入の資金に充てる。 合わせて、LAPの位置情報ビッグデータ解析機能である「人…

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クロスロケーションズ・ウェブサイト

位置情報ビッグデータをAIが解析するプラットフォーム「 Location AI Platform(LAP)」を開発・提供するクロスロケーションズは7月14日、東京理科大学ベンチャーファンドを引受先とした第三者割当増資で2億2000万円を調達したことを公表している。調達した資金は位置情報データ解析技術LAPの高度化や、市場投入の資金に充てる。

合わせて、LAPの位置情報ビッグデータ解析機能である「人流モニタリング」や「商圏分析」などの各機能のウィジェット化と、それらを自由に組み合わせて1つのユーザーインターフェースとして把握できる「LAP ダッシュボード」機能の公開も伝えている。さらに、LAPの各機能の解析結果をすぐにマーケティング活動にて活用できる「XL ロケーションベースアンケート」やSNS広告も出稿可能な「XL ロケーションベース広告」の提供も開始している。

同社の開発するLAPは、AIが位置情報ビッグデータから消費者行動の分析・見える化を行った上で、エリアマーケティングの実施と効果測定を一気通貫で実行できるプラットフォーム。毎日更新される位置情報ビッグデータから読み取れる市場変化および消費者行動変化を捉え、部門ごと・業務ごとに1つのユーザーインターフェースで把握・確認できる。

via PR TIMES

マンガ専用の多言語翻訳システム「Mantra Engine」正式公開、さらなる精度向上の構想も

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ニュースサマリ:マンガに特化した機械翻訳技術および法人向けサービスを展開するMantraは7月28日、多言語翻訳システム「Mantra Engine」の正式版を公開した。Mantra Engineはマンガの高速な多言語展開を可能にする、出版社およびマンガの制作・配信事業者を対象にした法人向けクラウドサービス。 マンガの翻訳版制作に関わるほぼすべての作業をブラウザ上で可能にすることにより、簡便な操作…

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『Mantra Engine』動作画面 ©️Kuchitaka Mitsuki

ニュースサマリ:マンガに特化した機械翻訳技術および法人向けサービスを展開するMantraは7月28日、多言語翻訳システム「Mantra Engine」の正式版を公開した。Mantra Engineはマンガの高速な多言語展開を可能にする、出版社およびマンガの制作・配信事業者を対象にした法人向けクラウドサービス。

マンガの翻訳版制作に関わるほぼすべての作業をブラウザ上で可能にすることにより、簡便な操作性と、関係者全員で進捗を共有できる利便性を実現している。

同社が開発したマンガ専用の機械翻訳技術とプロの翻訳者による修正・校閲を本システム上で組み合わせることにより、従来の翻訳版制作のワークフローの約半分の時間で翻訳版の制作が可能となる。対応言語は英語・中国語(簡体字)から開始し、順次追加を予定している。

話題のポイント:マンガの海外展開、海賊版による経済的損失問題の解決を目指すMantraが手がける「Mantra Engine」の主な役割は「文字認識」「機械翻訳」「自動写植」の3つを素早く実行することです。電子版の普及を背景にライセンス運用から多言語配信で売り上げを拡大したいマンガ業界にとって、週刊連載にも対応できる仕組みは強力な武器と言えるでしょう。

テクノロジー企業の共通事項ではありますが、特にAI企業にとっては自動処理できる範囲が拡大すればそれだけ付加価値が大きくなります。コアなデータへのアクセス確保ができたら、次はストックし続けるデータを活かす手を考えていく必要があります。

Mantra代表取締役の石渡祥之佑氏は、今回の正式版から追加された「用語集」こそがまさに機械翻訳の一番大きな課題に対する解決策になると期待を寄せていました。

マンガでは作品・作家独特の固有名詞が数多く登場します。一般的にGoogle翻訳を利用する場合は、同じ固有名詞を含む文章を読ませて同じミスを繰り返しても受け取り手で処理できますが、すべて訂正するのは物凄い労力となります。新しく登場するごとに登録できるというのはシンプルですが効果は大きいです。

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Image Credit:Mantra

「用語集」は自動翻訳されたものに対して、翻訳者がどこを訂正しているのかをエラー分析するというアプローチでしたが、今後は動的な方法も検討してるそうです。

すでに学習済みのモデルを関連したタスクに応用する手法である転移学習の一種であるドメイン適応を用いることで、1ページ目の翻訳訂正を2ページ目の自動翻訳に適応することで精度を向上させるアプローチを構想していると言います。

しかし、あくまで「用語集」や「動的アプローチ」は機械翻訳の汎用的な精度向上手段です。セリフが横書き、推理マンガの長文、少女マンガのモノローグなど、マンガの自動翻訳という大きな括りで見ると、作品ごとに「文字認識」「機械翻訳」「自動写植」を適用させるような努力が今後も必要となります。

課題の優先度が横並びな分、相談された作品に必要な要素から取り組んでいくとのことでした。インパクトの大きな課題から取り組む優先順位を決めていくのがセオリーだとは思いますが、目の前の顧客を一人ひとり満足させていく過程が全てMantra Engineの外形を作り上げていく、これもターゲット領域にマッチした正攻法なのだと感じます。