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8億人の老眼を救う、モジュール式眼内レンズ「Atia Vision」の可能性

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Video Credit:Atia Vision ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが…

RPReplay_Final1590531176 2Video Credit:Atia Vision

ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing

ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが主導し、Capital Partnership(TCP)、AMED Ventures、Shangbay Capitalが参加した。

同社は2012年にカリフォルニア州キャンベルで創業。眼科市場の最大セグメントである白内障および老眼の視野回復を目的とした眼内レンズを開発する。

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Image Credit:Atia Vision

話題のポイント:人間であれば避けて通れない道、それが老眼と白内障です。老化と共に水晶体に支障が生じることで視界が霞んだり、近くが見えなくなるこの2つの病気は、世界中で白内障が6,520万人、老眼が8億2,600万人の未治療患者がいると言われています(WHO調べ)。

一度発症すると自己治癒、薬の投与での回復は叶わず、手術による治療以外に治す方法はありません。ただし、白内障の手術は日本で年間140万件、世界中で2,000万回件行われる比較的ポピュラーなものであり、麻酔も目だけの局所麻酔、日帰りの手術が可能であることからも手術件数が多い病気です。

白内障手術では濁った水晶体を取り除いて代わりの眼内レンズ(IOL)を挿入します。眼内レンズは主に単焦点レンズ、多焦点レンズ、非点収差補正レンズの3種類。それぞれ一長一短があって絶対的に良いものがないため生活様式に合わせてレンズを選択する必要があります。言い換えると、術後は多少のデメリットを抱えて元の状態に戻ることはないということです。

40歳の6人に1人、70歳を超えると2人に1人の割合で水晶体に障害を持つ現状を踏まえると、自分が罹らないと考える方が不自然です。人生100年と言われる時代、手術をしても元の状態に戻れずに副作用(ハロー、グレアなど)を抱えて数十年生きていくのは不便すぎますが、これが現在の妥協点です。

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Image Credit:YourSightMatters

今回取り上げたAtia Visionは眼内レンズに新しい選択肢を生み出すスタートアップです。遠くから近くまで、完全な視野の回復を目的としたモジュラー老眼矯正眼内レンズを開発しています。

そもそも水晶体と眼内レンズの決定的な違いは屈折率を柔軟に調整できる点です。物体との距離に応じて厚みを変えることができる水晶体は、近ければ厚くして屈折率を上げ、遠ければ薄くすることで屈折率を下げて焦点を合わせています。

つまり、目が物を見る時に水晶体を操作する筋肉の動きを利用して屈折率を変えられる、そんな便利な眼内レンズがあれば水晶体を代替できるわけです。Atia Visionはこんな机上の空論のようなコンセプトを実現しようとしています。

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Image Credit:Atia Vision

モジュラー老眼矯正眼内レンズはBase LensとFront Opticの2つで構成されています。Base Lensが目の自然な動的調節メカニズムを模倣しているため屈折率調整の役割を持ち、Front Opticは患者ニーズに沿う機能を持たせることが可能な設計です。実際、公表されている実験値からは焦点をシームレスに合わせられる様子が観測されています。

とりわけ、Base Lensの完成はAtia Visionを未解決者が9億人もいる市場で不動のポジションを確立するのに最も重要な成功となるでしょう。いわばBase Lensは「眼のプラットフォーム」です。

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Image Credit:Atia Vision

Base Lensは基本的には一度臨床試験をパスすれば開発する必要はなくなり、患者の数だけ作り続ければよくなります。変数を持つFront Opticの技術開発に集中しつつ、Base LensとFront Opticの標準規格を設けることでサードパーティの参加を促し、トータル販売価格が低い製品を生み出すことが可能です。

実は視力障害の有病率は所得地域で格差があり、低中所得地域の有病率は高所得地域の4倍と推定されています。特にアフリカの近見障害率は80%を超えます。機能面の充実だけでなくAndroidと同様にサードパーティを巻き込むことで廉価版を安く販売する戦略を取れれば、多くの人の課題を解決しつつ、薄利多売を避けて収益構造が強固としていけます。

もちろん、医療品であり保険適用の有無も絡むため従来のデバイスと全く同じやり方が適用できるわけではありませんが、Base Lensはビジネス戦略を強気に攻めれる大きな武器となるでしょう。

現在はヒト初回投与試験(FIH)の生体適合性および前臨床試験に臨んでいる段階だそうです。製品として市場に登場するのはまだ先になる見込みで、今回の資金調達はこの初期試験に使用される予定です。

日本では2007年に多焦点眼内レンズは承認され、2020年4月から眼鏡装用率軽減を目的とした多焦点眼内レンズの使用は厚生労働省が定める選定療養となりました。レンズ代が自己負担で変わりはないのですが、大きな進歩だと言えます。

超高齢化社会を迎え、経済発展が乏しくなった日本はこれ以上の医療費増加は避けなければいけないものの、国民の生産性にも関わる眼の問題をどこまでフォローできるのか。眼内レンズマーケットが2022年までに55億ドルに到達すると言われる中、Atia Visionが両方を一気に解決してくれることを期待して今後も注目していきたいと思います。

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まるでポケモンがそこにいるみたい、NianticがポケモンGOの新機能公開

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ピックアップ:Niantic’s latest AR features add realism to Pokémon Go ニュースサマリ:ポケモンGOを運営するNianticは5月26日、「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つのAR機能を追加することを発表した。Samsung Galaxy S9、Samsung Galaxy S10、Google Pixel 3、Pixel 4で利…

Video Credit:Niantic

ピックアップ:Niantic’s latest AR features add realism to Pokémon Go

ニュースサマリ:ポケモンGOを運営するNianticは5月26日、「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つのAR機能を追加することを発表した。Samsung Galaxy S9、Samsung Galaxy S10、Google Pixel 3、Pixel 4で利用を開始し、今後利用可能デバイスを増やしていく。

「ARブレンディング」はポケモンの手前にオブジェクトが来た時に姿を消す機能で、ポケモンの存在をよりリアルに見えるように演出される機能。

「ポケストップスキャン」は3Dマップ作成用にポケストップやジム周辺を10秒程度のパノラマのような写真を撮影してNianticに投稿できる機能。6月上旬からレベルが40以上のプレイヤーが利用可能となり、徐々に全てのプレイヤーに公開される。

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Image Credit:PokémonGo

話題のポイント:「ポケモンが見える」で始まったポケモンGOは、GOスナップショットで「ポケモンといる」という体験に変わりました。そして実装がすでに発表されている「Buddy Advebture」、今回の「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」でポケモンがパーソナルを象徴するものとして認識され、ポケモンがいる拡張現実と現実の境界線が曖昧で意識させない未来に近づいています。

ARのユースケースとして商業的にリードしてきたポケモンGOですが、ARを主機能とすることを意図的に避けてきました。歩きスマホやプライバシーの観点から指摘もありますが、むしろゲームにとってARがベストプラクティスとなるシチュエーションを見極め続けている印象です。

Niantic CEOのJohn Hanke氏によると、ポケモンGOユーザーのARプレイ時間はおよそ2〜 3分。この時間にプレイヤーは何しているのか調べてみると、ゲットしたポケモンと一緒に写真を撮ることに使われていることが発覚しました。ユーザーが自発的に行っていた行動をゲーム内機能として正式にフォローしたのがGOスナップショットです。

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BuddyChallenge の大賞2作品・Image Credit:PokémonGo

GOスナップショットでは好きな場所にモンスターボールを投げてポケモンを出し、近づいたり、一歩引いたり、回りこんだりしながら数タップでAR写真を撮ることできます。ポケモンが彩る日常の魅力は実際見てもらった方が良いと思うので、是非Twitter、Instagramで #GOsnapshot または #BuddyChallenge と検索して投稿された写真を見てみてください。

写真という形でARのユーザー体験をこじ開けたNianticは、次なる一手として協調的な拡張を狙って「Buddy Adventure」を実装中です。これは一匹のポケモンをバディとして扱える機能をマルチプレイヤー化したもので、最大3人でバディを交えた写真を撮影することが可能になります。機能はとてもシンプルですが、人と場所をこれまで繋いできたポケモンGOが人と人とを繋ぐ大きな役割を持ちます。

TwitterとMastodonの中間のようなオープンとクローズを柔軟に変化させられるソーシャルネットーワークの側面が増すつつあるのが今のゲームです。自分の内面を可視化するようなバディ機能が共有できるとなると、対人関係の中で納得する見られ方をすることに物凄い労力を払う現代人にとって強烈な引力となるでしょう。

現実世界の満足がデジタル空間と現実の間で起こる、このようなUXを組めるところがNianticの最大の強みです。

そして今回、新たに「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つの機能が追加されることが発表されました。コンセプト自体は2018年、技術基盤のオクルージョンの理解と奥行き概念の追加は昨年末から今年の5月までに立て続けに報告されていたものがポケモンIP適用された形です。(6月14日〜19日で開催されるCVPR2020で研究論文発表予定)

 

Video Credit:Niantic

どちらも技術的には機械学習を駆使して如何に2D画像から空間そのものを把握できるのかを追求しているわけですが、AR用途となるとリアルタイム性、座標精度で求められるレベルは非常に高くなります。Facebookもこの分野を盛んに研究していますが、SNS投稿写真やeコマース用途であるため動画適用は示唆する程度に留まっています。

PCで計算されて作り出された2018年のコンセプト動画から早2年。Nianticが運営するテクノロジープラットオーム「Real World Platform」から出てきたこの2つの技術は、スマホでどの程度の精度を実現できているのかは今から楽しみです。

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Facebookの金融戦略:CalibraからNoviへブランド刷新、狙いにはLibraの独立性

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ピックアップ:Welcome to Novi ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。 Noviの具体的なリリース日は明…

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ピックアップ:Welcome to Novi

ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。

Noviの具体的なリリース日は明記されておらず、Libraネットワークのリリースに準ずると示されている。

話題のポイント:Calibraは昨年6月に、グローバル通貨・金融インフラの創造を目指すブロックチェーンプラットフォーム「Libra」におけるデジタルウォレットの役割を目指しプロジェクトが始動していました。

Libra自体は非営利組織の企業連合「Libra Association」として、FacebookやCalibra(現Novi)を含むa16z、TEMASEK、Uberなどが共同運営をしています。反してNoviは、Facebook直属でブロックチェーン事業リードのDavid Marcus氏によってプロジェクトが遂行されています。

 

Noviへのリブランディング背景について同氏は、「confusion」を解消させる目的にあるとしています。まず、上述のようにLibraとCalibraは極端に近似する名前となっていたため、どちらもFacebookによる運営だという誤解が広まっていました。また、CalibraのロゴがモバイルバンクCurrent社の色違いであることなどが指摘されていました。こうした「誤解」を取り除くことき、Libraの独立性を強調していきたい狙いがあるのだと思います。

さて、Libraは4月末にホワイトペーパーをアップデート(Whitepaper v 2.0)し、金融当局からの懸念を回避する方向性を示していました。アップデートされたWhitepaperでは、単一ローカル法廷通貨を担保としたステーブルコインLibra○○(○○ = 各国の法定通貨)の形の採用修正を加えています。これは金融当局に指摘された、複数通貨が入り混じった≋LBRのトランザクション量がスケールした際に、各国金融政策や金融自主権に大きな影響を及ぼすことを考慮した形と言えます(当初の≋LBRも一つの通貨として残り続けます)。

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Libra Whitepaper 2.0

Libraは上述した各国ごとの通貨とペッグしたステーブルコインの例に、米ドル・イギリスポンド・ユーロ( ≋USD, ≋GBP and ≋EUR)を現段階で挙げています。そのため、Noviでは少なくともこれら3通貨は初期リリース時に採用されることになるでしょう。しかし、Noviサイトのアプリインビテーションには、3通貨のみでなく日本円を含む数多くの通貨選択画面があるため、リリース時にはさらに多くの通貨に対応することが見込まれます。

先日リリースした「Facebook Shops」のように、同社はプラットフォーム内におけるペイメントの流動性が活性化される仕組みを着々と作り上げています。Noviは独立アプリとしてリリースされるものの、WhatsAppやMessengerでの利用を想定したインテグレーションが実装される予定です。

加えてNoviは、政府発行IDによるKYC(Know Your Customer)の義務化を徹底することで、AML/CFT対策(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)を講ずることを明示化しています。

Libraが目指すのはセンシティブな金融領域なことに加え、親会社Facebookが社会的に問われるプライバシー問題など、解決しなければならない課題は山積みです。また、KYCフローを導入することによるプライバシー情報の一極集中化など、対策への対策が必要な状況が続いています。ただ着実に、法の整備に沿いつつLibra構想が前進していることは間違いありません。

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短期集中プログラミングスクール「テックキャンプ」運営のdiv、シリーズCラウンドで18.3億円を調達—Eight Roadsや森トラストなどから

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<29日11時更新> 2020年3月の名称変更のため、「TECH::CAMP」を「テックキャンプ」に訂正。 <29日17時更新> 「ウィーンの森-VLI ベンチャー育成(ファンド名)」を、「ベンチャーラボインベストメント(GP 名)」に訂正。 エンジニア養成スクール「テックキャンプ」を運営する div(ディヴ)は29日、シリーズ C ラウンドで18.3億円を調達したと発表した。このラウンドは Ei…

「テックキャンプ」丸の内校
Image credit: div

<29日11時更新> 2020年3月の名称変更のため、「TECH::CAMP」を「テックキャンプ」に訂正。

<29日17時更新> 「ウィーンの森-VLI ベンチャー育成(ファンド名)」を、「ベンチャーラボインベストメント(GP 名)」に訂正。

エンジニア養成スクール「テックキャンプ」を運営する div(ディヴ)は29日、シリーズ C ラウンドで18.3億円を調達したと発表した。このラウンドは Eight Roads Ventures Japan がリードインベスターを務め、森トラスト、NEC キャピタルソリューション、SMBC ベンチャーキャピタル、ドリームインキュベータ、ナント CVC(南都銀行とベンチャーラボインベストメントが運営)、ベンチャーラボインベストメント、森正文氏が参加した。

今回の金額には、商工中金ときらぼし銀行からの借り入れが含まれる。div にとっては、2億円を調達した2017年のシリーズ A ラウンド、10.8億円を調達した昨年のシリーズ B ラウンドに続くものだ。累積調達額は明らかになっているものだけで30.1億円。

div は今回調達した資金を使って、テックキャンプの教室拠点や講師を増やす。同社は現在、東京・大阪・名古屋・福岡でテックキャンプを展開しているが、営業地域を拡大するというよりは、むしろ各拠点の増床を図るようだ。その先駆けとして、今月には、400席を擁する丸の内校を新たにオープンしている。

「テックキャンプ」丸の内校
Image credit: div

エンジニア人材の供給不足が叫ばれる中で、他の職業からエンジニアへの転身を目指してテックキャンプの門を叩く人の数は増えていて、現在までの受講者数は累積2万人以上。その人気の背景には、転職コースを選んだ人のうち、受講後に99.5%(2020年現在)は転職先が決まるという圧倒的な就職率の高さがある。この1年間は特に高い年齢層やパソコンを触ったことが無い人の受講が増えたそうだ。

教室で実践学習するというスタイルをとる以上、新型コロナウイルスの影響は少なからず出ているが、事業内容へのインパクトは限定的のようだ。

オンラインでの講義も実施しているが、オンラインではやりきれない人も多いため、教室に集まり、同じ目標を持った人たちで切磋琢磨してやっていこうというスタイルを維持している。

感染拡大のピーク時は、少し時間を置いてから受講を再開しようとする人も多かったが、少しずつ戻ってきている。テックキャンプは学べる場の提供という価値で成長してきているので、増床ペースが変わることがあっても、完全にオンラインにシフトすることは無いだろう。(取締役 新保麻粋氏)

この分野では、BRIDGE でも取り上げた「TechBowl」や「Graspy」などのほか、DMM が買収した「WEBCAMP」やユナイテッドが買収した「TechAcademy」らがしのぎを削っている。

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トイエイトHD、クオンタムリープVとアルコパートナーズからプレシード調達——東南アジアで子供の才能の見える化サービスを展開

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<29日17時更新> Mahender Singh 氏の MIT における経歴を訂正。 トイエイトホールディングス(以下、トイエイトと略す)は29日、プレシードラウンドでクオンタムリープベンチャーズとアルコパートナーズから資金調達したと発表した。調達金額は非開示だが、数千万円程度と見られる。なお、これは先週組成が発表されたクオンタムリープベンチャーズにとって初号案件となる。 トイエイトは、東南アジ…

左から:CEO 石橋正樹氏、CTO Mahender Singh 氏、CCO 松坂俊氏
Image credit: Toyeight Holdings

<29日17時更新> Mahender Singh 氏の MIT における経歴を訂正。

トイエイトホールディングス(以下、トイエイトと略す)は29日、プレシードラウンドでクオンタムリープベンチャーズとアルコパートナーズから資金調達したと発表した。調達金額は非開示だが、数千万円程度と見られる。なお、これは先週組成が発表されたクオンタムリープベンチャーズにとって初号案件となる。

トイエイトは、東南アジアでビューティービジネスの立ち上げや JETRO の現地コーディネーターを歴任した石橋正樹氏(現在 CEO)、マサチューセッツ工科大学元教授の元プロジェクトディレクターで MISI(Malaysia Institute for Supply Chain Innovation)創立学長の Mahender Singh 氏(現在 CTO)、McCann Erickson 出身の松坂俊氏(現在 CCO)により設立。

東南アジアでは子供に金をかけ良い教育を受けさせようという風潮はあるが、教育環境はそれに追いついていないのが現状。教員の給与がメイドよりも安かったり、教育施設への資金が汚職の温床となっていたりする。学校教育への不満の受け皿として、日本から進出した私塾チェーンなども人気を集めている。

Multiple Intelligences 理論(多重知能理論)
Image credit: Toyeight Holdings

そのような中、どのような教育を施していいかわからない親に向けて、トイエイトは Multiple Intelligences 理論(多重知能理論)に基づいたプロダクトの開発を行っている。人間の能力のうち IQ で測れるものは限定的で、人それぞれにおいて発達度合いが異なり、8つの異なる知性を理解して育てることが必要、というものだ。子供の教育においては、その子の持つ知的能力を親が的確に理解し教育につなげようというアプローチである。

この構想の実現のために、トイエイトでは「TOY8 BOX」と「TOY8」という2つの事業に着手している。TOY8 BOX は独自センシングや AI を用いて子供の才能を分析し、各人に最適化された知育セットが毎月届くサブスクリプションサービス。TOY8 は、ショッピングモール内に開設した遊び場(playground)で、子供を遊ばせながら子供が持つ才能がわかるサービスの提供。

さらに日本では、親が研究員となって子供の才能発見のための遊びを開発するオンラインサロン「こどもの才能発見 LAB」を運営している。

開発中のサービスイメージ
Image credit: Toyeight Holdings

トイエイトでは、これまでに TOY8 の PoC をマレーシアや中国のショッピングモールで複数回にわたり展開。新型コロナウイルス収束を見計らって、年間300万人が訪れるマレーシア・クアラルンプール市内のハイエンド・ショッピングモール「THE GARDEN MALL」内に TOY8 の正式ローンチを予定している。TOY8 BOX は最終的なプロダクトマーケットフィット中で、次なる資金調達を経て、来年初頭の正式リリースを目指す。

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和歌山のglafit(グラフィット)、立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」の国内クラウドファンディングを開始

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和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)が Makuake に登場したのは3年前のこと。同社初となる電動ハイブリッドバイク「GFRー01」は、クラウドファンディングで当初目標の15倍に相当する約4,700万円を集めるほどの人気だった。今年年初の CES(Consumer Electronics Show)では、同社2つ目となる立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」を公開し、…

「X-Scooter LOM」
Image credit: Glafit

和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)が Makuake に登場したのは3年前のこと。同社初となる電動ハイブリッドバイク「GFRー01」は、クラウドファンディングで当初目標の15倍に相当する約4,700万円を集めるほどの人気だった。今年年初の CES(Consumer Electronics Show)では、同社2つ目となる立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」を公開し、アメリカ市場展開を念頭に Kickstarter でクラウドファンディングを始めたが、その後新型コロナウイルスの影響で断念した。

一方、日本は緊急事態宣言も解除され、油断は大敵ながら一時期の感染拡大のピークは乗り越えたように見える。感染予防の観点から満員電車での通勤を避けることが求められるようになる中、今週には LUUP が小型電動アシスト自転車のシェアサイクルを当初予定より前倒しでサービスを始めるなど、モビリティスタートアップの動きが活発化しつつある。そのような状況下で、glafit からも新たなニュースだ。X-SCOOTER LOM を日本先行でクラウドファンディング・販売開始するというのだ。

世界的に見て、ラストワンマイル分野には多くの電動キックボードが参入しているが、環境面、交通安全面、商業採算面から言って課題は少なくない。特に日本国内では「原動機付き自転車」の扱いになるも関わらず、国内で乗られている多くの電動キックボードが保安基準を満たしておらず、原付登録をしていない状態の違法なものが多いという。glafit では X-SCOOTER LOM について、「電動キックボードのように気軽に乗れるモビリティで、環境と安全性への配慮を十分に考慮した」と開発の経緯を説明する。

X-SCOOTER LOM は第一種原動機付自転車(排気量50cc以下)で、ステップに跨り立ち乗りで運転するスクーター。安定性と操作性を追求していて、段差や石畳みなどのデコボコ道にも対応できるという。一回の充電で約40km、最大時速25km以上で走行できる。専用アプリでバッテリ残量や航続可能距離が確認できるほか、キーシェア機能により、家族や友人とのシェア利用も可能だ。制動機能には、誤操作しにくいブレーキレバーとディスクブレーキを採用している。

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東大IPC、カーブアウトやベンチャー共同設立を推進する「AOIファンド」を組成——初号案件として、創薬や中国向け育児動画事業に出資

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東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は28日、オープンイノベーションに特化したファンド「AOI ファンド(AOI は、Accelerating Open Innovation の略)」を組成したと発表した。本日発表時点で規模は27.5億円。最終的な規模は不明だが、今後政府組織や民間企業から出資を募り、最終的には数十億円〜数百億円程度を目指すとみられる。チケットサイズは数億円規模で、東大…

28日に開催されたオンライン記者会見から。

東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は28日、オープンイノベーションに特化したファンド「AOI ファンド(AOI は、Accelerating Open Innovation の略)」を組成したと発表した。本日発表時点で規模は27.5億円。最終的な規模は不明だが、今後政府組織や民間企業から出資を募り、最終的には数十億円〜数百億円程度を目指すとみられる。チケットサイズは数億円規模で、東大のリソースを活用可能な、ベンチャー共同設立やカーブアウト案件を支援する。

AOI ファンドの民間 LP は、現時点で三菱 UFJ 銀行や三井住友銀行。運営面では、ドリームインキュベータ(東証:4310)やアスタミューゼが協力する。

Image credit: UTokyo IPC

東大 IPCは2016年の設立後、他の VC とのコインベスト(協調出資)や FOF(Fund of Funds)を活動の中心とする「協創ファンド」を組成。スマートウェアのゼノマ、宇宙ゴミ除去のアストロスケール、ロボアドバイザーのウェルスナビをはじめ、医療・宇宙・ものづくりなど広範なスタートアップに投資を行ってきた。昨年には、プレシードスタートアップの支援に主眼をおいたプログラム「1st Round」を開始している(これまでに22社を支援)。

スタートアップ育成にはさまざまな方法があるが、スタートアップとして箱(法人格、組織、market-ready など)が完成しているところに出資を受ける資金調達に比べると、ベンチャー共同設立(大学と企業の研究成果事業化)、カーブアウト(既存企業からの法人独立)、プレシード育成などは、一般的な VC が支援するのは難しい側面がある。東大 IPC では、東大という中立的な立場をフル活用し、さまざまな企業や組織からリソースの拠出や協力を募り、オープンイノベーションを加速する。

Image credit: UTokyo IPC

1st Round、AOI ファンド、協創ファンドと3つが揃ったことで、プレシードからポストシードまでの成長ステージに応じた支援体制が整った形だ。

AOI ファンドからはすでに2社に投資が実行されている。1号案件としては、武田薬品工業(東証:4502)からカーブアウトした治療薬創出スタートアップのファイメクス(総額5.5億円調達。共同出資は、京都大学イノベーションキャピタル、ANRI)、2号案件としてはユニ・チャーム(東証:8113)と BCG Digital Ventures からカーブアウトした中国向け育児動画メディアを展開する Onedot/万粒(総額10.5億円調達。共同出資は日本生命、住友商事、みずほキャピタルなど7社)がある。

東大 IPC では今後、年あたり数件のカーブアウト案件への投資を見込んでいる。

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本田圭佑氏、元FiNC溝口勇児氏、元ネスレ高岡浩三氏、「WEIN挑戦者FUND」を設立——ウェルビーイングとオープンイノベーションに特化

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プロサッカー選手で KSK Angel Fund の運営でも知られる本田圭佑氏、FiNC Technologies 創業者で元 CEO の溝口勇児氏、ネスレ日本元 CEO の高岡浩三氏は、「WEIN 挑戦者 FUND」を設立したことを発表した。国内スタートアップ向けに、ウェルビーイングやオープンイノベーションに特化して投資する。設立者でもある3人が代表パートナーを務める。 最初のファンドは「0号フ…

Photo credit: 蜷川実花氏(リモート撮影)

プロサッカー選手で KSK Angel Fund の運営でも知られる本田圭佑氏、FiNC Technologies 創業者で元 CEO の溝口勇児氏、ネスレ日本元 CEO の高岡浩三氏は、「WEIN 挑戦者 FUND」を設立したことを発表した。国内スタートアップ向けに、ウェルビーイングやオープンイノベーションに特化して投資する。設立者でもある3人が代表パートナーを務める。

最初のファンドは「0号ファンド」と位置付け、代表パートナーの3人に加え起業家やエンジェル投資家らから最大20億円程度を集める。投資対象は、「孤独・退屈・不安」といった21世紀の課題を解決するスタートアップや起業家。チケットサイズへの言及はないが、アーリーステージの創業を支援する位置づけから数百万円〜数千万円程度と推定される。

WEIN 挑戦者 FUND は、代表パートナーや彼らのネットワークを通じて起業家(同ファンドでは挑戦者と呼んでいる) への広範な支援に注力するため、スタートアップスタジオやスカウトファンドのような性格を持つのかもしれない。0号ファンド後に組成される「1号ファンド」では、オープンイノベーションを念頭に大企業から出資を募り100億円程度の規模を目指す。

本田氏は、起業家は投資を受けてからの方が大変で、投資だけでなく起業家が直面するリソース不足を支援していきたい、と抱負を語った。また、本田氏はアメリカでの投資は Dreamers Fund、日本での投資は WEIN 挑戦者 FUND を通じて行い、KSK Angel Fund ではそれ以外の地域に投資していくとした。

ファンド創設と同時に、WEIN 挑戦者 FUND では、審査制の創業支援コミュニティの募集を開始した。第0期の募集は、今日5月28日から6月4日まで。

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毎月違う家で生活を、空室と借りたい人をマッチングする「NOW ROOM」運営が2.1億円調達

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空室の住居・ホテルと部屋を借りたい人のマッチングサービス「NOW ROOM(ナウルーム)」を運営するLiving Tech(リビングテック)は5月28日、第三者割当と金融機関による融資を合わせた2億1000万円の資金調達の実施を発表した。 第三者割当増資の引受先となったのはニッセイ・キャピタルと個人投資家1名で総額は1億5000万円。融資は西武信用金庫と日本政策金融公庫より実施している。資金調達ラ…

Living Techのメンバー写真、中央が代表の千葉史生氏/同社提供

空室の住居・ホテルと部屋を借りたい人のマッチングサービス「NOW ROOM(ナウルーム)」を運営するLiving Tech(リビングテック)は5月28日、第三者割当と金融機関による融資を合わせた2億1000万円の資金調達の実施を発表した。

第三者割当増資の引受先となったのはニッセイ・キャピタルと個人投資家1名で総額は1億5000万円。融資は西武信用金庫と日本政策金融公庫より実施している。資金調達ラウンドはシードで株式比率や払込日は非公開。


NOW ROOMは空室の住居・ホテルと住まいを探す人を繋ぐアプリ。フリーランサーや外国人在留者、転職・新卒就職者などの環境変化の多い世帯をユーザーターゲットとしている。

住まいは最短1カ月から契約可能で最長期間は事業者が設定。ユーザー側からアプリで借りたい部屋を見つけ、予約する仕組みだ。現状はホスト側の承認を待つ形となるが、2020年8月頃には空室管理システムと連携し、自動予約ができるようになる。

現時点で登録されている部屋数は都内を中心とした3000室。部屋を提供する事業者はシェアハウス・ゲストハウスが5割、マンスリー賃貸が1割、ホテルなどその他が1割の内訳となっている。事業者側には掲載料はかからず、成約時に成約金額の12%が手数料として同社に支払われるビジネスモデルだ。

2018年1月に設立された同社は、NOW ROOMのリリース以前にクラウドホテルと呼ばれる無人ホテル向けの本人確認システムを提供していた。同社代表の千葉史生氏は、観光アクティビティを企画・提供するFun Groupで海外各地を周り、支社の開拓を担当した経歴を持つ。

ローンチから4日で2500DL、内見希望数は1日数十件程度。「アフターオリンピックを見据えて空室のシェアビジネスを考えていた」と同社代表の千葉氏は話す。1年前から構想したサービスということだが、コロナ禍により事業者ニーズは増えているようだ。

安く売れば赤字になってしまうホテル・旅館ビジネス

OYO LIFEやAny placeなど、これまでにも海外を中心に居住の仕組みを変化させようと挑むスタートアップはあった。これらの既存の予約サイトや空室のシェアサービスでニーズは満たされるのではないか、というのが筆者の気になった部分だ。

取材時に千葉氏に話を聞いたところ、同サービスの特徴は最低1カ月間の契約で双方メリットを生み出せる仕組みにあるという話だ。少し詳しく説明しよう。

ホテル・旅館事業者は部屋を貸し出すことで収益を上げている。空室が出てしまえば、売上が入らないため、事業者にとってもちろん空室は喜ばしいものではない。しかし、千葉氏いわく「宿泊事業は損益分岐点が高く、管理コストとして固定費が発生しやすいため、ある一定価格以下では売る程赤字になってしまう」そうだ。つまり、少し値下げして空室1日分を売っても赤字になってしまう。

同サービスでは、この固定費を1カ月以上と長期で貸し出すことで軽減している。さらに事業者には31泊分の売上が確約されるため収入が安定する。同社は通常より安く居住用物件を提供することを目指しており、この固定費部分の削減でユーザーへ住居の低価格提供を実現する考えだ。

またAirbnbなどでは連泊が180日以内と定められているが、主にマンスリー賃貸やシェアハウスを事業者ターゲットとする同社は契約時に定期借家契約を適用するため、長期居住にも対応しているとの説明だ。

同氏によれば、都内のシェアハウス等を含む賃貸物件の空室は65万室にのぼる。さらに民泊や旅館は年間38%程度、数字にすると2.6億室が空室状態にあるそうだ(コロナ禍以前)。シェアハウスやマンスリー賃貸の空き状況をシステムで見える化し、空室を流通させるのが同社の狙いである。

人の住まいの自由化を目指す

部屋を借りる側のターゲットであるフリーランサーや外国人ターゲットに対しては、審査の通りにくさや勤務地が変わることで課題を抱える部分を解決する。同サービスのリリース背景を千葉氏はこう語る。

「家賃は給料の3分の1と言われるように、不動産は個人が使うお金で最も出費が大きい部分です。この住まいのコストを30%から40%、もしくは初期費用や2年縛りといった制約がなくなれば、人々が自由に生活できる幅が広がります。自分自身も旅をしながら過ごしていた経験もあるので、もっと金銭的にも場所的にも、時代に合った不動産の提供の仕方を開拓したいです」(千葉氏)。

今後は調達資金をプロダクト開発および事業者と部屋を借りるユーザー向けの広告費用に充当し、普通賃貸市場への新たな仕組み提供を目指す。

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30億円調達のLayerX、「経済活動のデジタル化」で世界を変える

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期待のスタートアップ「LayerX」が大型調達だ。 一部で報道されている通り、経済活動のデジタル化を担うLayerXは今日、増資の発表をする。(追記:正式に公表された)第三者割当増資によるもので、引き受けたのはジャフコ、 ANRI、YJキャピタルの3社。出資総額は30億円になる。評価額や出資比率、払込日などの詳細は開示されていない。 LayerXが外部資金を受け入れるのは2019年8月に実施したM…

LayerX
LayerXチーム(提供:LayerX)

期待のスタートアップ「LayerX」が大型調達だ。

一部で報道されている通り、経済活動のデジタル化を担うLayerXは今日、増資の発表をする。(追記:正式に公表された)第三者割当増資によるもので、引き受けたのはジャフコ、 ANRI、YJキャピタルの3社。出資総額は30億円になる。評価額や出資比率、払込日などの詳細は開示されていない。

LayerXが外部資金を受け入れるのは2019年8月に実施したMBO以来初。調達した資金は商用化のための事業会社設立や対応する事業、プロダクト開発、人材採用に投資される。

経済活動のデジタル化とは

LayerXを一言で表すことは難しい。設立当初こそブロックチェーン技術にフォーカスした開発集団、というイメージはあったが、わかりやすいプロダクトは持たず、企業のデジタル化に特化した支援事業を手掛けるとしたからだ。言い換えれば「受託開発企業」とも取れる。

しかし、創業者はあの福島良典氏だ。学生時代に手掛けたニュース・キュレーションサービス「Gunosy」は事業として成長し、2017年には東証一部への鞍替えも果たしている。彼が小さな受託会社を作って引っ込みたいと思う方が間違っている。

では、具体的に何が起こるのか。これまでも本誌では彼の心の内を紐解いてきた。

<参考記事>

彼らのビジョンの中心には主にブロックチェーンによってもたらされる新たな概念、プロセスの自律分散化、資産の証券化、個人がテクノロジーを活用して最大化される、そういった世界観が示されていた。

一方、ここ1年の彼らの活動は極めて現実的だ。特に提携戦略は創業間もないスタートアップの面影は一切ない王道をいくものだった。2019年11月の三菱UFJフィナンシャル・グループとの協業に始まり、今年4月には三井物産らと共同で三井物産デジタル・アセットマネジメント(三井物産 54%、LayerX 36%、SMBC日興証券 5%、三井住友信託銀行 5%)を設立。ここでは実際の資産管理事業に取り組む。

さらにブロックチェーンを活用した世界的な金融パートナーであるR3とも公式な提携を結び、GMOあおぞらネット銀行との提携で次世代金融サービスに乗り出すことも明らかにしている。

以前の取材で夢のように語っていた世界を一歩ずつ現実のもとへ近づけている。しかも世の中は未曾有の感染症拡大の結果、デジタル化をさらに進めたいと求めるようになってしまった。彼らが変えようと思っていた世界の方からもやってくる、そんな事態になってしまったのだ。

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今年3月に改訂したLayerXのミッション

では具体的に歩みを進めたLayerXはどこに向かうのだろうか。福島氏から今回の資金調達について使途や狙いについてメッセージをもらっているので全文を掲載したい。

今までのシステム会社とかコンサル会社っていうものが取れなかったリスクを取りたいと思っています。例えばDXってよく言われるんですが、それはデジタル知識をコンサルすることとか、デジタルなシステムを作ることではないと思ってるんですよね。

会社としての業務フローとかビジネスモデルとかワークフローをデジタル技術を前提に作ることだと思っていて、なので一緒にエグゼキューションしないと理想的なDXにならない気がしているんです。もちろんシステムを作る、コンサルをするっていうのは重要なステップなんですが最終的にビジネスとして、どうデジタルが活用されているのかみたいなところを頑張って作っていくことが必要なのかなと思っています。

それで、その一つの形がLayerXと三井物産さん、SMBC日興証券さん、三井住友信託銀行さんとの合弁会社で、実はLayerXとして億単位の資金を投じて資金リスクを取っているんです。単にシステムを作っていくっていうところだけでもビジネスとして回ってるんですけど、その先のビジネスをエクゼキューションするには、僕らも資金リスクを取らないといけない。

身銭を切って、自分たちのインセンティブを一致させないと本当の改善は生まれないと思っています。そのインセンティブを一致させるためのリスクの取り方として、30億円の資金を使っていこうと、そういう考え方でいます。

そう考えると1社作るのに数億円必要で、10個のソリューションってことになると、数十億円必要。そういう使い方をしていくイメージかなと。

また、LayerXでやりたいことの一つが、ソフトウェア業界の常識をトラディショナルな産業に輸出すること、これもある種のDXだと思っています。横の業界で見たら当たり前のことが、すごいイノベーションになるっていうことは世の中ですごくいっぱいあると思うんですよね。

例えばアメリカのシリコンバレーのリーンスタートアップみたいなやり方って、トヨタのカイゼン方式、かんばん方式ををスタートアップ流にしたものです。トヨタ式マネージメントを研究していた人が、ある種理論的にスタートアップの改善はこうやるべきだ、効率のよいリソース配分はこうやるべきだっていうのを提唱して、皆それに従ってやっている。

例えばデジタルなワークフローを作るという時、僕のキャリアから言うと元々メディア、ニュースアプリをやっていたと、これは違う見方をするとメディアのDXをやっていたと言えます。

僕は逆にメディアに関しては素人でした。

当然業務知識は学んでいったんですけど。その上でソフトウェア的な技術、例えばニュースの推薦はこうやればできる、スパム記事の判定は人手ではこうやっているが、ソフトウェアでやるとこうだよねとか、ニュースのKPIもこうやれば人間が勘で評価しているものをデジタルに評価できるようになるよねとか。

そういうシステムを整えていくことによって今まであり得なかった世界、アナログな世界では絶対あり得なかったようなものを作ったわけです。これは見方を変えるとメディアのDXだなと思っていまして、同じようにソフトウェアの常識を金融業界や物流業界に持ち込むとなった時に、全然違った見方ができるんじゃないかと思っているんです。

なので、すごい業務知識のあるコンサル出身者ですという人を採用したいというよりは、ソフトウェア業界で働いていたけど、こうした世界って面白いなと思ってもらえる人、今まではメディアとかコマースとかゲームとかを作ってたけど、業務のワークフローをデジタル化するとか、銀行の裏側のシステムとか、物流の裏側のシステム、人がカバーしている仕組みも僕らはシステムと呼んでいますが、そう言ったシステムをデジタルに変えて改善できるようにしていく、効率を上げていくって面白いジャンルだと思うような人に参加して欲しいと思ってます。

とはいえ業務知識は必要なので、勉強するのが楽しいという性質がある人と一緒に仕事がしたい。みなさんがイメージするITコンサルやSIerではなくて、普通のスタートアップのソフトウェアエンジニアがそういったところの改善活動に関わっているという、民族大移動を起こしていきたいと思っています。

本誌では、後ほどの正式発表を待って福島氏の手記を公開する。LayerXがはじめる、旅の物語だ。

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