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北九州発、レガシー業界向け現場遠隔支援ツール「SynQ Remote」運営が1.2億円を調達

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福岡・北九州を拠点として、製造業・建設業・設備管理業の現場向け遠隔支援コミュニケーションツール「SynQ Remote(シンク・リモート)」を開発するクアンドは、同社初となるエクイティファイナンスで1.2億円を調達したことを明らかにした。プレシリーズ A ラウンド相当と見られる。このラウンドに参加したのは、BEENEXT の ALL STAR SAAS FUND、UB Ventures、ドーガン・…

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福岡・北九州を拠点として、製造業・建設業・設備管理業の現場向け遠隔支援コミュニケーションツール「SynQ Remote(シンク・リモート)」を開発するクアンドは、同社初となるエクイティファイナンスで1.2億円を調達したことを明らかにした。プレシリーズ A ラウンド相当と見られる。このラウンドに参加したのは、BEENEXT の ALL STAR SAAS FUND、UB Ventures、ドーガン・ベータ、F Ventures に加え、個人投資家として岡野武治氏(岡野バルブ製造 代表取締役社長)、端羽英子氏(ビザスク 代表取締役 CEO)。

クアンドは2017年、北九州市出身で以前は P&G の内外工場で製造管理などに携わっていた下岡純一郎氏(現 代表取締役 CEO)により創業。下岡氏によれば、製造業・建設業・設備管理業といったレガシー業界では、AI や IoT の導入でデジタル化が進んでいる部分もあるものの、技術者がこれまで作業をしてきた多くの部分で依然アナログなままだという。確かに、熟練技術者から新人や若手への技能の承継はフェイストゥフェイスで行われることが一般的だ。創業から3年にわたり、レガシー業界向けのコンサルティングや受託開発に傾倒してきた同社だが、下岡氏は実家の建設業での経験を踏まえて、レガシー業界の非効率を解決するツールの開発に昨年着手した。

クアンド 代表取締役 CEO の下岡純一郎氏
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レガシー業界の現場では多くの技術者が働いているが、現場でトラブルが発生したり、解決策が見出しづらい課題に直面したりすると、彼らは先輩、すなわち、熟練技術者に頼ることになる。しかし、多くの現場では労働人口の高齢化も影響して熟練技術者の数は限られ、彼らは複数の現場からエスカレーションされてきたリクエストに応じるべく東奔西走することを余儀なくされる。かくして現場は課題を解決するまでに時間を要してしまい、熟練技術者は疲弊して、場合によっては辞職していってしまう。技術や技能の承継がうまくいかなければ、その企業の将来も危ういものとなってしまうだろう。

SynQ Remote は、このような〝現場〟に最適化された「レガシー業界向けの Zoom」と言えるだろう。ビデオ通話でも十分に伝わるのではないか、と思う読者もいるかもしれない。例えば、何かの課題があり、バルブを閉めるという作業を熟練が若手に指示する場合、両者が現場に居れば相互のコミュニケーションに問題は生じにくいが、遠隔の場合、果たしてどのバルブを閉めるのか、間違いの無いように明確に伝えることは難しい。想定されていない問題も起こるため、事前にトラブル対処のマニュアルを徹底しても不十分だ。そこで、SynQ Remote では現場で撮影した画面を共有し、そこに熟練が遠隔で図や文字を書いて説明できるようにした。

「SynQ Remote」の利用シーン
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その後、数々のメーカーの協力を得て実証実験を開始。まわりの音がうるさく相手の音声を聞き取りにくい現場のために、技術者が発した音声をテキスト化して表示できるようにしたり、動画を扱えるようにしたりするなど、機能追加にも余念がない。将来は、遠隔制御や操作、設備保全やクラウドデータベース、AI による自動計器読取など複数のツールを追加して、レガシー業界の業務を包括的に支援できる総合プラットフォームを目指す計画だ。コールセンターや BPO がサードパーティーとして業務受託するように、将来はレガシー業界の支援業務を一手にアウトソースで引き受けられる業態に成長するかもしれない。

理論や科学的なアプローチからイノベーションを起こすことを欧米が得意とするなら、日本の企業にとっては、机上のフローからは見えてこない現場とのギャップを埋め、オペレーションがリアルに現場で回る形に落とし込むことが十八番かもしれない。このオペレーションに落とし込むというカルチャーは、なかなかシステム化はしづらく、スケーラビリティに難があるように思えたが、SynQ Remote やその将来像は、このカルチャーを世界展開可能なものにできる可能性がある。同社は先月、パラオに電気自動車を導入する事業に参画し、日本の技術者による遠隔メンテナンスを支援する環境省のプロジェクトに採択された。

米オンデマンドデリバリのGopuff、新たに10億米ドルを調達——時価総額は150億米ドルに

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<ピックアップ> Gopuff scooped up another billion-dollar investment. It’s now valued at $15B アメリカ・フィラデルフィアを拠点とするオンデマンドデリバリ・スタートアップの Gopuff は7月30日、10億米ドルの調達を明らかにした。これは同社にとって、今年3月に実施した11.5億米ドルの調達(シリーズ G ラウンド)に…

2017年3月、SXSW でオースティンの街を歩いていた goPuff 3人娘。
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<ピックアップ> Gopuff scooped up another billion-dollar investment. It’s now valued at $15B

アメリカ・フィラデルフィアを拠点とするオンデマンドデリバリ・スタートアップの Gopuff は7月30日、10億米ドルの調達を明らかにした。これは同社にとって、今年3月に実施した11.5億米ドルの調達(シリーズ G ラウンド)に続くもので、今回の調達を受けて時価総額は150億米ドルに達した模様。フィラデルフィア発の新参ユニコーン3社の中で先頭を走る存在となった。

本ラウンドに参加したのは、Blackstone の新規事業系投資プラットフォーム「Horizon」、Guggenheim Investments、Hedosophia、MSD Partners、Adage Capital らが新規に参加、既存の投資家である Fidelity Management and Research Company、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1、Atreides Management、Eldridge に加わった。

Gopuff は2013年、共に地元ドレクセル大学の卒業生である Rafael Ilishayev 氏と Yakir Gola 氏により創業。昨年、イギリスのラストマイルデリバリ Fancy、企業向け物流ソフトウェア rideOS など複数企業をを戦略的買収し、移動式キッチンで食事を料理・提供する「Gopuff Kitchen」をローンチした。この分野では、日本ではレキピオが累計2億円超を調達している

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via Technical.ly

バーチャル教室「Class for Zoom」開発、ソフトバンクらから1億米ドル超をシリーズB調達——ユニコーン目前、日本などにも事業拡大へ

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<ピックアップ> Class Technologies is eyeing unicorn status with a $105M, SoftBank-backed Series B ワシントン拠点のスタートアップ Class Technologies は、ソフトバンクの支援を受けた1億500万ドルのシリーズ B ラウンドを発表した。昨年の創業以来、同社は1億6,000万米ドルを調達しており、今年…

Image credit: Class Technologies

<ピックアップ> Class Technologies is eyeing unicorn status with a $105M, SoftBank-backed Series B

ワシントン拠点のスタートアップ Class Technologies は、ソフトバンクの支援を受けた1億500万ドルのシリーズ B ラウンドを発表した。昨年の創業以来、同社は1億6,000万米ドルを調達しており、今年に入って、春以降2回目の調達となる。同社は、教師が Zoom を使って出席を取ったり、試験を監督したり、生徒と1対1で話したりする作業を可能にするエドテックプラットフォームだ。

このラウンドは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 がリードインベスターを務め、GSV Ventures、Emergence Capital、Maven Partners、Owl Ventures、Insight Partners、SWAN & Legend Venture Partners、Revolution’s Rise of the Rest Fund、Learn Capital、Reach Capital、Slow Ventures、Sound Ventures、Chimera Investment、Daher Capital、マドンナや U2 の元マネジャーとして知られる Guy Oseary 氏、Zoom の初期投資家として知られるベンチャーキャピタリスト Bill Tai 氏、有名フットボール選手の Tom Brady 氏らが参加した。

CEO の Michael Chasen 氏は、同社が前四半期比で約4倍の成長を遂げ、今回の増資で時価総額は8億4,400万ドルに達し、ユニコーンの地位に近づいていることを確認した。今夏の調達では、ヨーロッパ、中東、ブラジル、カナダ、日本、中国など、拡大したい地域に Class のメンバーを増やすことが第一の目標だとしている。また、将来的には市場や国に特化した製品を提供する可能性もあると Chasen 氏は語っている。

via Technical.ly

ブロックチェーンゲーム開発のAnimoca Brands、豪ゲーム開発のBlowfish Studiosを38億円超で買収

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム企業の Animoca Brands は、オーストラリアのインディーゲーム開発会社 Blowfish Studios を、いくつかの条件を含む現…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム企業の Animoca Brands は、オーストラリアのインディーゲーム開発会社 Blowfish Studios を、いくつかの条件を含む現金と株式による取引で、総額3,500万豪ドル(約38.4億円)で買収した。

Animoca Brands は、契約一時金として900万豪ドル(約10億円)を支払う。400万豪ドル(約4.4億円)が現金で支払われ、残りは相当の株式が提供される。Blowfish Studio の創業者 Benjamin Lee 氏と Aaron Grove 氏が買収後2年間働き続ければ、さらに100万豪ドル(約1.1億円)の現金と500万豪ドル(約5.5億円)相当の株式が提供される。

また、Blowfish Studiosが2022年および2023年までに一定の収益目標を達成した場合、さらに2,000万豪ドル(約21.9億円)が提供される可能性がある。

Blowfish Studios のゲームのひとつ「Siegecraft Commander」
Image credit: Blowfish Studios

2010年に設立された Blowfish Studios は、PC、モバイルデバイス、PlayStation 5、Xbox One、Nintendo Switch などの各種コンソール向けにゲームをリリースしている。現在、「Qbism」、「Siegecraft」、「Morphite」、「Projection: First Light」、「Storm Boy」など33本のゲームをリリースしている。

Animoca Brands の共同創業者兼会長の Yat Siu 氏は、自社と Blowfish Studios が持つような AAA タイトル(大ヒットゲーム)とブロックチェーン技術の組み合わせは稀だと言う。彼は、両スタートアップが多くのプロジェクトに取り組んでいて、近日中に発表される予定だと付け加えた。

この買収後、Blowfish Studios の現在の経営陣は引き続き会社を運営し、Animoca Brands と協力して、ブロックチェーン連携、Play-to-earn 機能、製品の発売、さらには FT(代替性トークン)と NFT(非代替性トークン)に関する取り組みを調整する。

今回の取引に先立ち、Animoca Brandsは最新の資金調達ラウンドで8,880万米ドルを調達し、ユニコーンとなった(編注:その後。さらに5,000万米ドルの調達が報道された)。香港を拠点とする同社は、「The Sandbox」などのオリジナルゲームを制作するほか、Axie Infinity の生みの親である Sky Mavis や、CryptoKitties の生みの親である Dapper Labs など、複数のブロックチェーンゲーム企業に投資・提携している。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

インドの小規模店舗向けQRコード決済スタートアップBharatPe、3.5億米ドル調達へ——まもなくユニコーンに

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<ピックアップ> BharatPe in talks to raise $350 million フィンテックスタートアップ BharatPe がインドの次のユニコーンになる可能性が高い。時価総額20億米ドル以上で約3.5億ドルの投資を行う可能性が高いと、この件を知る2人の人物が語ったと Mint が伝えた。このラウンドには、Tiger Global が1億米ドルを出資するとされ、既存の投資家であ…

<ピックアップ> BharatPe in talks to raise $350 million

フィンテックスタートアップ BharatPe がインドの次のユニコーンになる可能性が高い。時価総額20億米ドル以上で約3.5億ドルの投資を行う可能性が高いと、この件を知る2人の人物が語ったと Mint が伝えた。このラウンドには、Tiger Global が1億米ドルを出資するとされ、既存の投資家である Coatue Management と Ribbit Capital も参加する見込み。同社の既存投資家には、Insight Partners、Steadview Capital、Beenext、Amplo、Sequoia Capital などがいる。

BharatPe は、今回の資金調達のため投資家との交渉を進めている。この資金調達は、Centrum Group と共同で進めている、経営難に陥った Punjab and Maharashtra Cooperative Bank(協同組合銀行)の買収計画に沿ったもので、BharatPe 共同創業者の Ashneer Grover 氏は、BharatPe が今後2年間で、同協同組合銀行に2.5〜3億米ドル相当を出資する予定であると述べていた。

BharatPe は、オフライン店舗がデジタル決済を受け入れ、運転資金を確保できるようにするためのサービスを提供している。インターネットが通じていない小規模店舗は、Paytm をはじめ複数種類のデジタル決済を簡単に受け入れられるようになる。同プラットフォームはインド決済公社が銀行間取引のために開発した決済システム「Unified Payments Interface(UPI)」を使った、QR コードと POS マシンで構成されている。

via Mint

韓国のAI-OCRスタートアップAKUODIGITAL、数年以内の東証マザーズ上場を目指す

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<ピックアップ> 악어디지털, 주간사 다이와증권과 일본 IPO 추진 韓国の AI-OCR スタートアップ AKUODIGITAL(악어디지털)は、日本の大和証券と IPO に関する主幹事契約を締結したことを明らかにした。数年以内の東証マザーズへの上場に向けて準備を始める。AI-OCR をめぐっては、日本では業界1位 AI inside が2019年12月に上場しているが(時価総額は、本稿執筆…

Image credit: Akuodigital

<ピックアップ> 악어디지털, 주간사 다이와증권과 일본 IPO 추진

韓国の AI-OCR スタートアップ AKUODIGITAL(악어디지털)は、日本の大和証券と IPO に関する主幹事契約を締結したことを明らかにした。数年以内の東証マザーズへの上場に向けて準備を始める。AI-OCR をめぐっては、日本では業界1位 AI inside が2019年12月に上場しているが(時価総額は、本稿執筆段階で約433億円)、AKUODIGITAL ではこの上場で AI inside と肩を並べたいと考えているようだ。

AKUODIGITAL は、韓国唯一の AI-OCR スタートアップで、AI-OCR や RPA をベースに、ドキュメント回収、スキャン、電子化、原本保管・破棄までの全過程をワンストップで提供する BPO サービスを展開。社会課題に向き合う ESG 投資への関心の高まりに合わせ、大企業や公共機関でペーパーレス化が加速しており、AKUODIGITAL にとっては事業の持続的な成長が期待できる。

AKUODIGITAL は2014年1月の創業。今年5月に実施したシリーズ B ラウンドでは Capstone Partners、KDB Capital、KB 証券などから資金調達を受け、累積調達金額は約10億円規模に達した。日本の投資家からは、これまでにコロプラネクストからマイナー出資を受けている。日本では、企業向けデータマネジメントサービス大手 AOS データなどと販売代理店契約を結び、OEM 販売などで市場攻勢に拍車をかけている。

via VentureSquare(벤처스퀘어)

韓国のハイブランドECモール「トレンビ」、日本で公式ストアをオープン

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<ピックアップ > 트렌비, 아시아 명품 시장 규모 2위 일본에 첫 발 韓国のハイブランドショッピングプラットフォーム「トレンビ(트렌비)」が、日本の Web サイトを27日に正式オープンし海外進出に本格的に乗り出した。トレンビでは、独自開発の検索エンジン「トレンボット(트렌봇)」が全世界から該当商品の最安値を見つけ、その場で決済することで世界各地から商品をデリバリしてくれるプラットフォーム…

<ピックアップ > 트렌비, 아시아 명품 시장 규모 2위 일본에 첫 발

韓国のハイブランドショッピングプラットフォーム「トレンビ(트렌비)」が、日本の Web サイトを27日に正式オープンし海外進出に本格的に乗り出した。トレンビでは、独自開発の検索エンジン「トレンボット(트렌봇)」が全世界から該当商品の最安値を見つけ、その場で決済することで世界各地から商品をデリバリしてくれるプラットフォームだ。2017年2月のサービスローンちから4年で、MAU は450万人、月間取扱高は約20億円に達している。

今年5月、ユーロモニターが発表した調査によると、日本は、アジア太平洋地域で二番目に大きなハイブランド消費市場で、特に新型コロナウイルス感染拡大以降、デジタル領域での商品購買の成長見通しが明るいと見られている。トレンビでは今回の日本進出を契機に海外事業を開始し、グローバルブランドショッピングプラットフォームとしての地位を確立する計画だ。現状、日本のハイブランド品取引の多くはオンラインでは C2C で行われており、トレンビではここに事業機会があるとみている。

トレンビでは、日本においても韓国でのサービスと同様に、製品の調達から検収、配達までを自社で行い、正式販売店購入の領収書と製品検査を証明する写真を添付する。トレンビは現在、現在、韓国、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、日本に海外支社を持っており、韓国、イギリス、アメリカ、イタリアで物流センターを運営している。全世界の主要ブランドショッピング拠点に海外支社と物流センターを設立し、現地製品の調達能力と価格競争力を一層強化した。

トレンビは昨年9月、日本のハイブランド EC モール「BUYMA」上に公式ストアを開設し、日本事業に着手した。トレンビ直轄の公式ストアが開設された今、本稿執筆段階でも BUYMA 上の公式ストアは運営されており、両ストアの棲み分けが今後どのように行われていくかについては定かではない。トレンビの現在の従業員数は、韓国とヨーロッパを中心に約180人。韓国の IMM Investment、Murex Partners(뮤렉스 파트너스)、韓国投資パートナーズ(한국투자파트너스)などから累計約40億円を調達している。

via Platum(플래텀)

初期コストゼロの店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ「toypo(トイポ)」、5,700万円を調達——福岡から事業拡大へ

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福岡を拠点に、店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ 「toypo(トイポ)」を運営するトイポは、アーリーステージで資金調達を完了したことを明らかにした。前回ラウンド(エンジェルラウンド相当と推定される)には TLM(現在の mint)と田中邦裕氏(さくらインターネット代表取締役社長)、今回ラウンド(シードラウンド相当と推定される)には FGN ABBA Lab ファンド、F Ventures、E…

Image credit: Toypo

福岡を拠点に、店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ 「toypo(トイポ)」を運営するトイポは、アーリーステージで資金調達を完了したことを明らかにした。前回ラウンド(エンジェルラウンド相当と推定される)には TLM(現在の mint)と田中邦裕氏(さくらインターネット代表取締役社長)、今回ラウンド(シードラウンド相当と推定される)には FGN ABBA Lab ファンド、F Ventures、East Ventures が参加し、両ラウンドを合計した累計調達額は5,700万円に達した。

toypo は、2020年1月にβローンチした飲食店やアミューズメント施設向けのエンゲージメント支援アプリだ。店舗単独のアプリではなく、WeChat(微信)のミニアプリ(小程序)のような「アプリの中の(店毎の)アプリ」の形をとる。会員証、スタンプカード、テイクアウト、事前注文、モバイルオーダーなどの機能を店舗は月額利用料だけで利用でき、顧客接点をデジタル化することで、効果的な販売促進や顧客満足度の向上を見込める。アプリのユーザは、お気に入りの店をまとめて管理し、お得な情報やサービスをアプリ1つで受けられる。

店舗用のダッシュボード
Image credit: Toypo

自社アプリを簡単に開発できるノーコードツールも出揃ってきたが、それでも店舗によっては、開発予算を十分にかけられなかったり、作った後の運用コストを捻出できなかったり、運用の中心となるべきマーケティング部門が無かったりする。このような店舗にとっては自社アプリを開発しても十分な効果を出せないし、予算が不十分だとアプリの品質も下がってしまう。一方で、店舗側にはアプリを出す出さないに関わらず効果的なマーケティングの実施ニーズがあり、toypo は彼らをターゲットとすることに成功した。

トイポの創業者で代表取締役の村岡拓也氏は、高校時代から「もっとお店を便利に使えたらいいのに」と、このアプリのアイデアを温めていたという。2019年4月に22歳で起業後は、福岡市内で飲食店を間借りし、自前で黒カレーランチの店を経営することを通じて飲食店のニーズを模索した。toypo では、店は基本無料で利用開始でき、客が2回目以降(すなわちリピーター)アプリを開いたときから店に利用料がカウントされる。この導入ハードルを下げたモデルが功を奏し、数十店舗で合計1万人ほどの客が利用しているという。

toypo のフォーカスは、店舗にとって費用対効果を高める一方、企画や運用のための負荷を下げることにある。飲食店はもとより、最近ではサウナーにとっての聖地の一つである「ウェルビー福岡」も toypo の導入を決めた。toypo のインターフェイスとサービスモデルの受け入れやすさは、同サービスが有料化された昨年10月以降、利用をやめた店舗が存在していない状況からも窺い知ることができる。同社では調達した資金を使って、toypo の開発強化に加え、福岡以外への事業展開を積極化するとしている。

<参考文献>

評価額240億円、スニダンは62億円調達してアジア戦へーーライバル・モノカブも買収

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ニュースサマリ:スニーカー、ストリートウェアに特化したマーケットプレイス「スニーカーダンク」を運営するSODAは7月29日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはNAVER子会社のKREAM、Altos、SoftBank Ventures Asia、JAFCO Group、および既存投資家のbasepartners、コロプラネクスト、THE GUILDなど。ラウンドはシリーズCでリード…

ニュースサマリ:スニーカー、ストリートウェアに特化したマーケットプレイス「スニーカーダンク」を運営するSODAは7月29日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはNAVER子会社のKREAM、Altos、SoftBank Ventures Asia、JAFCO Group、および既存投資家のbasepartners、コロプラネクスト、THE GUILDなど。ラウンドはシリーズCでリードはKREAMが務めた。同社の今回ラウンド評価額は240億円で、調達した額は約62億円。それぞれの出資比率は開示していない。

また、同社はこれにあわせ、同じくスニーカー特化のマーケットプレイス「モノカブ」の買収も公表した。既存投資家に対して発行済みの全株式を現金で買い取る。株価については非公開で、モノカブの経営陣およびチームはそのまま継続してサービス運営にあたる。買収にあたっての詳細な条件や契約内容については公表しない。

モノカブの創業は2018年。創業期にTLM(現・mint)とエンジェルが出資し、2019年に入って引き続きTLMとW venturesから資金調達を実施し(※)、その後の2019年にX Tech Venturesとアドウェイズらから2.2億円、昨年12月にGunosy Capital、ユナイテッド、Heart Driven Fund、YJキャピタルらから4.5億円を調達していた。W venturesは2019年以降のすべてのラウンドに参加している。

買収したSODAの創業は2018年7月。メディアやアプリなどの利用者数は月間(MAUベース)で300万人を超える。調達した資金はインドネシアやフィリピンなどアジアを中心とした海外市場獲得のために投じられる。

話題のポイント:オリンピックで金メダルラッシュの中、また一社、国内から世界戦に挑むスタートアップが出てきました。しかも2社連合です。ということでSODA代表取締役の内山雄太さんとモノカブ代表取締役の濱田航平さんのお二人に話を伺ってきました。

モノカブ代表取締役の濱田航平氏はSODAグループとして世界戦に挑む

お二人の考え方はシンプルです。国内で小さくまとまるのではなくやるなら世界でデカくやってやろう、というものです。株式についてもこのタイミングだと株交換だったり色々な条件を付けたりすることがありそうなのですが、非常にシンプルに既存含めて買取でした。内山さんも濱田さんも共に年齢は30歳前後で近く、今回の買収で濱田さんは新設されるグローバルチームに参加するそうです。お二人が初めてこの話をしたのが1カ月ほど前だそうで、やはり次に登る山がデカイと話がまとまるのも早いですね。

そして気になるのはそう、世界戦で対抗することになるであろう絶対王者「Stock X」にどう対抗するか、です。

38億ドル評価の絶対王者「Stock X」

Stock Xはスニーカー・ウェアだけでなく商品ラインナップが拡大

スニーカーに特化したマーケットプレイスでありながら、同時にコレクションとしての価値・トレードの体験を提供したのがStock Xでした。2015年創業で、今年4月に実施したシリーズEラウンドでの評価額は38億ドル(日本円で約4200億円)のユニコーンです。競合にはStadium GoodsやGoatなどがありますが、この分野の草分けとして常に目標とされる存在です。

このCNBCのインタビューにもある通り、公表されている流通額(GMV)は2020年の実績で18億ドル、取引した商品件数は750万件に上ります。会社設立(2016年)からの総流通額が25億ドルなので、このコロナ禍で一気に爆発している様子がわかります。日本にもブランチはあるようなのですが、まだ市場調査の段階なのかあまり目立った動きはありません。

アジアから攻める

リードで出資した韓国・KREAMもスニーカーマーケットプレイスを展開

では、この世界戦どう戦うか、です。今回、リードで出資した韓国NAVERのKREAMも実は韓国市場におけるスニダンやモノカブのようなスニーカーマーケットプレイスで、実質は3社でアジア圏を獲りに行くという感じらしいです。らしい、と書いたのは、別に3社で合併するとかそもそも国内のモノカブをどのように扱うかについてはこれから協議するという状況だからです。

ただ、内山さんもお話されてましたが、モノカブを例えばゼロにしてなくしてしまう、というような考えはないということでした。

さて、では具体的にどう攻めるのでしょうか。ポイントは「売れ筋」「集客」「物流」の3つです。それぞれお二人のお話踏まえて軽く考察してみます。

まず売れ筋。Stock Xはマーケットプレイスにおける売れ筋を公表しているのですが、トップからジョーダン、ナイキ、アディダス、コンバースと続くようです。またウェアブランドについてはSupremeが人気になっています。実はこの売れ筋、スニダンもモノカブもそう大差ないらしいです。

グローバルで戦う際のポイントにローカライズがあります。文化が違う場合、ここの理解やマーケットフィットに時間がかかるとかなり厄介です。しかしこのスニーカー市場については、この傾向がある程度似通っているという特徴があるのです。しかもこのアジア圏におけるStock Xライクはまだ空白地で、誰が獲るのかといった状況になっています。

であれば、いかにして速く、安く集客できるかが次のポイントになります。スニダンはこれまで公表する指標を流通総額ではなくMAUにしてきました。ここも明確な戦略のひとつで、とにかくまず集客を最大化させることを徹底していたようです。アジアについても同じで、いくつかのターゲットとなる国で集客導線を確かめ、最大化できそうな地域から攻めていくということでした。

最後のポイントが物流です。内山さんは例えばC2Cで即日配達できるような体験が鍵になるとお話されていましたが、この物流網をどうやって各国で構築するかがかなりの勝負どころになります。国内メルカリもヤマト運輸と早い段階から提携し、メルカリらくらく便を作るなど、個人間での売買におけるロジスティクスが体験に占める割合は相当高いと認識されています。

例えばZHDは傘下のアスクル、出前館と連携してデリバリーネットワークを活用した「日用品最短15分」の配達テストを開始しています。デリバリー網が発達するアジアで独自の流通網を構築できれば相当に強い参入障壁になります。

SODAは現在150名、モノカブも95名と両社合わせて250名体制が実現します。今月は教育分野でatama plusが50億円の大型調達と共に世界戦への切符を手にしました。今、グローバルの投資は2021年上半期だけで32兆円近くがスタートアップのイノベーションに流れ込んでいます。

この海外への切符を手にすることができるかどうか、また、手にしたスタートアップがどう戦うのか、引き続き彼らの戦況をお伝えできればと思います。

※モノカブの増資時期表記について詳細を分けました

Kepple Africa Ventures、アフリカのスタートアップ93社に投資し1号ファンドをクローズへ

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Kepple Africa Ventures は29日、同社が2018年12月に開始したアフリカ向けスタートアップ向けの1号ファンドが、アフリカのスタートアップ93社への投資を完了し、まもなくクローズを迎えることを明らかにした。同社は並行して、2号ファンドの組成準備を進めているものと見られる。最終的な1号ファンドの規模は13億円で、東アフリカはケニア、西アフリカはナイジェリアという、サブサハラアフ…

Kepple Africa Ventures のジェネラルパートナー:左から 山脇遼介氏(ケニア)、品田諭志氏(ナイジェリア)、神先孝裕氏(日本)
Image credit: Kepple Africa Ventures

Kepple Africa Ventures は29日、同社が2018年12月に開始したアフリカ向けスタートアップ向けの1号ファンドが、アフリカのスタートアップ93社への投資を完了し、まもなくクローズを迎えることを明らかにした。同社は並行して、2号ファンドの組成準備を進めているものと見られる。最終的な1号ファンドの規模は13億円で、東アフリカはケニア、西アフリカはナイジェリアという、サブサハラアフリカでは最も市場が大きい2カ国を中心に活動し投資先は11カ国に達した。

1号ファンドの LP は明らかになっていないが、日本でスタートアップをイグジットした個人投資家が多いと見られる。日本の起業家がスタートアップの成功を通じた獲得して資金を、アフリカのシードスタートアップや起業家の育成へ還流する、国・大陸を超えた Founders Fund 的な位置付けを持つファンドと定義することができるだろう。ファンドのカテゴリはリープフロッギングにとどまらない、成長著しいアフリカの社会ニーズを取り扱った事業がほとんどだ。

投資先の7割は、ナイジェリアとケニア、そして、その周辺諸国。他には、エジプトが5社、それ以外に南アフリカなどだ。投資したスタートアップの中でも、最も成長が著しいところでは、時価総額がこの2年半で約17倍にまで伸びた。当初は5年ほどかけて投資することを考えていたが2年半で完了した。スタートアップはイグジットを急ぐ必要もなく、セカンダリ取引も増えてきているので、長い目で成長を見守っていける状況が整ってきた。(ジェネラルパートナー 品田諭志氏)

品田氏が最も成長著しいと評したスタートアップは、デジタルバンクの TeamApt のことだろう。ナイジェリアに拠点を置き、1,500万人と10万社を顧客に擁するこのスタートアップは、事業者・消費者を問わず、銀行口座を持たないユーザにその代替手段を提供するのが特徴だ。また、インディペンデントレーベルの多いアフリカで、8万人のアーティストをネットワークすることに成功したアフリカ版 Spotify の「Mdundo」は昨年デンマークで上場、600万米ドルを調達した。

Kepple Africa Ventures が出資した後、オープンイノベーションの可能性の観点から、日本の事業会社が戦略的にフォローオン出資する事例も出始めた。ゲームスタジオからゲーム配信プラットフォームにピボットした Carry1st(南アフリカ)はアカツキが出資、遠隔医療などを提供する Africa Health Holdings(ガーナ)にはエムスリーが、昆虫プロテインの nextProtein(チュニジア)にはオークファンが、エンジニア育成事業等を展開する Decagon(ナイジェリア)にはユナイテッドが出資した。

同社では VC としてリスクをとってシードやアーリーのステージで投資し、その後、投資先が成長し、日本の事業会社への紹介を通じて直接投資する事例を出てきたことで、「アフリカと日本を繋ぎ、日本の事業会社がアフリカのイノベーションを自社に取り込める環境を提供できるようになった」として、1号ファンドの果たした意義を評価している。Kepple Africa Ventures では今後も、アフリカのスタートアップへの投資を拡大する計画だ。

日本からアフリカのスタートアップへ投資を行うファンドは増えつつあり、UNCOVERED FUNDサムライインキュベートDouble Feather PartnersAsia Africa Investment & Consulting(AAIC) などが投資活動を活発化させている。

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