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“ペガサス”企業の見つけ方 ーー 1億ドル事業分析17の黄金律【前半】

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ピックアップ記事: The Pegasus Startup: Flying Over VCs on the Wings of Profits 大型調達を何度繰り返し、10億ドル以上の企業価値にまで成長した後、上場を目指すユニコーン企業。最近ではUber、Lyft、Pinterest、Airbnb(来年上場の噂)や上場に失敗したWeWorkなどがこうした企業の代表格でしょう。しかし彼らは上場に漕ぎ着…

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ピックアップ記事: The Pegasus Startup: Flying Over VCs on the Wings of Profits

大型調達を何度繰り返し、10億ドル以上の企業価値にまで成長した後、上場を目指すユニコーン企業。最近ではUber、Lyft、Pinterest、Airbnb(来年上場の噂)や上場に失敗したWeWorkなどがこうした企業の代表格でしょう。しかし彼らは上場に漕ぎ着けたとしても赤字経営であることが大半です。いかに市場にインパクトを残せても、事業の健全性に対して株主から疑問を持たれてしまいます。そこでいま注目が集まっているのが「ペガサス」企業です。

ペガサスはその名の通り、自ら羽ばたく力を持ちます。言い換えれば十分に“収益化”できる力を上場前から持っている“10億ドル価値”の企業といえます。Uberの初期投資家でもあるJason Calacanis氏によるとペガサスの素質を持つ企業定義は下記4つとなります。

  • 少額資金で並外れたプロダクトを作れる小さなチームを持つ
  • 初日から売上を出して製品開発へ注げる
  • 「チーム」「プロダクト」「カスタマーフィードバック」「グロース」にのみ特化する
  • 年間売上成長率が3倍

資金調達回数を減らすWin-Winな資本戦略

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従来、ユニコーン企業はマーケットプレイス型事業であること多く、こうしたサービスは規模の経済やネットワークエフェクトを構築してからでない限り収益化を見込めませんでした。一方、ペガサス企業はSaaS型事業が多い印象で、収益化が見込めるいわば「ドル箱」を完成させています。

そのため調達資金を収益化が必ずしも見込めるかわからない不透明な未来ではなく、既存収益モデルの着実な拡大に注ぎ、事業拡大スピードを早める時にだけ調達を行います。資金ショートを避けるための調達を繰り返すという理由はペガサス企業には当てはまりません。

また、最大の特徴は資金調達をあまり多くしないことです。そもそも自力での事業継続ができるため、通常のスタートアップが経る、シード、シリーズA、Bの調達ラウンドをスキップします。

高い収益性と事業拡大の見込みから一気に平均的なスタートアップがシリーズCで調達する規模のラウンドを仕掛けることがあるのです。たとえばパスワード管理アプリ「1Password」は創業14年目にして初めて調達を実施。シリーズAにて2億ドルの資金をいきなり獲得しています。

ペガサス企業は初期投資家に対して株式の希釈を遠ぞけ、かつ大型ラウンドにてリターンを作れる魅力的な案件となります。仮に追加投資できるのならば高確率で上場リターンも得ることができるでしょう。先ほど紹介したJason氏によると先行投資しておくことで、各ラウンドにて平均して10〜20%ほど希釈を抑えられるそうです。

また、エグジット時にはオーナーシップが平均比2倍高いとのこと。創業者にとっても不要に多くの株主を持って口を出されないメリットがあり、こうした資本集中戦略を採用するといいます。

17の黄金律

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さて、ペガサス企業はユニコーン企業に往々にして必要とされる、年間売上1億ドルの事業を作り上げることが求められます。事業構築にはBrian Balfour氏が提唱する4つのモデルと17の項目チェックをします。

  1. プロダクト・マーケットフィット: 本当に市場が求めているものか?
  2. プロダクト・チャネルフィット: プロダクト・フィットしたものは事業を十分にスケールできる顧客獲得チャネルを得られるか?
  3. チャネル・モデルフィット: 見つけた顧客獲得チャネルから十分な顧客を獲得して、収益性(ユニットエコノミクス)の観点からもスケールできる事業か?
  4. モデル・マーケットフィット: 市場規模も考えた上で、1億ドルの事業を生み出せるのか?

後半からは以前紹介した出世払い学校「Microverse」を例に取りながら、4つの分析手順を踏みたいと思います。結論から述べるとMicroverseはペガサス企業に最終的に最適ではありませんでしたが、分析手順を説明するには好例であったため紹介しています。

<参考記事>

 

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iPS細胞から“本物のお肉”をつくる「Meatable」の衝撃

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ピックアップ:Dutch startup Meatable is developing lab-grown pork and has $10 million in new financing to do it ニュースサマリ:12月6日、養殖肉スタートアップ「Meatable」がシードラウンドで1,000万ドルの資金調達を発表した。すでに投資していたBlueYard Capital、Transfe…

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Image Credit: Meatable

ピックアップ:Dutch startup Meatable is developing lab-grown pork and has $10 million in new financing to do it

ニュースサマリ:12月6日、養殖肉スタートアップ「Meatable」がシードラウンドで1,000万ドルの資金調達を発表した。すでに投資していたBlueYard Capital、TransferWise社CEOのTaavet HinrikusやAlbert Wengerらエンジェル投資家から700万ドル、欧州委員会から300万ドルである。

同社は2018年にオランダで創業。1つの細胞からと殺(家畜などの獣類を、肉・皮などを取るために殺すこと)を必要としない肉の生産技術を持つ。今回の資金は小規模バイオリアクターの開発と生産コスト削減チームの拡大に使われ、2020年夏に計画される最初のポークチョップの開発を加速させる。

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Image Credit: Meatable

話題のポイント:Meatableが作る肉はいわゆる「人工肉」のくくりです。しかし、最近話題の「Beyond Meat」、「Impossible Foods」が植物由来の加工肉であるのに対して、Meatableは100%本物の人工的な食肉である点が大きく異なります。

一見矛盾してる「本物の人工的な食肉」とは一体なんでしょう。それは牛または豚からサンプルを採取して生み出したマスター細胞を基に、脂肪と筋肉を成長させて作り出す食肉のことです。本物の食肉を作れるため、植物由来の人工肉ようにひき肉メニューに縛られることはありせん。

さらに家畜による環境負担、動物愛護の観点から人工肉を選択したい人には、Meatableの人工肉の生産プロセスに抗生物質が含まれない分、魅力的にみえるでしょう。

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Image Credit: Meatable

ここからは先述した「本物の人工肉」を支える大きな2つの技術を紹介したいと思います。

一つ目は、日本人なら多くの人がご存知の「iPS細胞」です。2012年に京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことは記憶に新しいと思います。

細胞の中には、幹細胞とよばれる様々な部位を作るための大本となる細胞に分化する能力を持つ細胞が存在します。この幹細胞は成熟してしまうと、肺だけを作る、神経だけを作るなど機能が固定される特徴があります。逆に言えば、初期の幹細胞だけがどの部位にでもなる可能性を持つのです。

マスター細胞ともいえる初期の幹細胞に再生医療を実現する可能性があることはよく知られていましが、胚でしか採取できないため入手の困難さが大きな課題だったのです。

2006年、山中教授は成熟した幹細胞を初期の幹細胞に変換できる特定の遺伝子を発見します。これにより、胚ではなく皮膚からでもマスター細胞を作り出せるようになりました。この偉業をたたえてノーベル賞が贈られたのです。

ただ、iPS細胞にも実用化に向けて解決できていない課題があります。それがiPS細胞が成熟した幹細胞に成長するのに時間がかかりすぎる点です。この点を解決したのがMeatableが持つ2つ目の技術です。

2017年、ケンブリッジ大学のMark Kotter博士は「Inducible and deterministic forward programming of human pluripotent stem cells」という論文で、OPTi-OXという技術を発表しました。この手法を用いるとマスター細胞が人間の脳細胞に変化するのに普通なら3カ月以上かかるところを数日に短縮できるようになります。牛であれば、と殺するのに十分なまで成長するのに3年かかるところを3週間で済むそうです。

現在、Kotter博士はMeatableの役員を務め、OPTi-OXの技術はケンブリッジ大学の技術移転部門であるCambridge Enterpriseを通じてMeatableにライセンス提供されています。

上記2つの技術を使うと、食肉を生み出すために必要な物は「へその緒」だけです。これをIPS細胞に変換させて、OPTi-OXで筋肉および脂肪細胞に成長させれば、と殺することなく、一頭から取れる何倍もの安定した食肉を確保できるというわけです。

Meatableは目下、従来の食肉と同等の価格にできるか挑戦中です。今回の調達した資金は主に価格を落とすための製造プロセス開発に使われます。ここが技術的な最後の壁となるでしょう。

地球上の人口が増え続けるのに対応するため、持続可能な食料源を開発することは急務な課題です。意識を高く持ち、合理的な判断で食肉から離れる人だけでなく、多くの人に選ばれる選択肢となるのか、引き続き「人工肉」周辺の動向に注目です。

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大型資本でマネー・ゲーム化する欧州サッカー業界と裏で進む「デジタル化」の今

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ピックアップ:Manchester City Owner Sells $500 Million Stake to U.S. Investor ニュースサマリー:11月末、米国シリコンバレーを拠点とする投資ファンド「Silver Lake Partners」が、世界中で複数の著名サッカー・クラブを所有する「City Football Group」に対し約5億ドル規模の出資を実施し、同社の株式を10%…

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ピックアップManchester City Owner Sells $500 Million Stake to U.S. Investor

ニュースサマリー:11月末、米国シリコンバレーを拠点とする投資ファンド「Silver Lake Partners」が、世界中で複数の著名サッカー・クラブを所有する「City Football Group」に対し約5億ドル規模の出資を実施し、同社の株式を10%取得した。

City Football Groupとは、英国サッカーリーグ(プレミア・リーグ)の強豪「マンチェスター・シティ」を筆頭に、その他複数国において合計5つのサッカー・クラブを所有する持株会社。日本のサッカーリーグ(Jリーグ)の強豪クラブ「横浜・Fマリノス」の株主でもある。

一方、Silver Lake Partnersは古くは米国クーポンサイト「Groupon」や中国Eコマース「Alibaba(阿里巴巴)」、最近では米国フィンテック「SoFi」や中国ライドシェア「DiDi(滴滴)」などの数々の著名テック・スタートアップに対する大型出資実績を持つ投資ファンドでもある。

同ファンドによる投資は、City Football Groupが複数クラブを所有していることもあって、同企業を世界で最も評価額の高いサッカー・クラブ所有企業に押し上げた。ちなみに2番手に着くのがニューヨーク・ヤンキースを所有する「Dallas Cowboys」、3番手はサッカー・クラブ「レアル・マドリード」である。(※参照:Forbes:The World’s 50 Most Valuable Sports Teams 2019

なお両企業共に、本件に関しメディアへのコメントは行っていない。

大型資本によってマネー・ゲーム化する欧州サッカー業界

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Image Credit : Pixabay

話題のポイント:近年、欧州の強豪サッカー・クラブらが、オイル・マネーやチャイナ・マネーと呼ばれるような、アラブ系の実業家(多くは石油王)や中国企業らによって資本バック・アップを受けるケースが増加しています。しかしこのような現象は、サッカーの活性化へ寄与する反面、スポーツを過度にマネー・ゲーム化させる存在としてしばしば批判されています。

クラブのユニフォームの広告欄にアラブ・中国系企業のロゴや社名が載ることも多くなってきてはいますが、それだけでなく、彼らのような大金持ちはクラブの株式自体を所有し、積極的にクラブの経営・運営に大きく参加するケースがあります。City Football Groupの株式の77%はUAEの大統領の兄弟によって保有されていることから、同社はそのようなトレンドの象徴的な具体例とも言えます。

オイル・マネーやチャイナ・マネーの獲得によって、新しい経営陣の無能により失墜するクラブもゼロではありませんが、一般的にそれらの巨大資本をバックにつけたクラブは、有力な選手・監督の獲得に約100〜200億円規模の莫大な投資を行うことで、一層強くなる傾向があります。

したがって、近年の欧州のサッカーリーグでは、どこも毎年大体同じクラブが優勝争いを行い、元々弱いクラブは資金難に喘ぎ一層弱くなるといったような、硬直化現象が生じています。

また、その格差拡大を助長するような酷いケースでは、コンプライアンス意識の低い金持ち達の経営参加により、不正や汚職への関与などの別のリスクも生み出してしまいます。実際に移籍市場(選手を売買する市場)において、規約に反した横暴な選手獲得を行う強豪クラブも多数あります。

例えば先月、欧州サッカー業界のガバナンス機構であるUEFAによって、先ほど紹介したマンチェスター・シティがUEFAチャンピオンズ・リーグに出場する権利を1年間剥奪される可能性があるとの報道がありました。

これは欧州サッカー金融規制当局が、City Football Groupの経営資金の利用方法がUEFAの規約違反に当たり、サッカー界の経済的な安定性・公平性に大きな危害を及ぼすリスクがあると判断したための処置だとされています。

オイル・マネーのような巨大資本が、サッカー界の格差拡大やルール違反を助長する危険性を持つという事実を象徴しているように見て取れる事例です。

このような行き過ぎたマネー・ゲーム化は、サッカーをつまらなくさせているとして、しばしばファンやメディアからの批判の的になっています。

以上のような観点からSilver Lake PartnersによるCity Football Groupへの投資を考えると、“今後のサッカー業界がオイル・マネーやチャイナ・マネーだけでなく、ついにシリコンバレー・マネーすらも吸収し、さらに資本主義化していく”といった悲惨な未来を予想せざるを得ません。

データがもたらすサッカーのデジタル化

ではなぜ、テクノロジーの世界へと資金を投じるはずのシリコン・バレーの投資ファンドが、別世界であるはずのサッカー・クラブへの投資を始めるのでしょうか。

残念ながらSilver Lake Partnersは未だメディアに対しコメントを残してはいないため、同社の意図を知ることはできません。しかし上記の問いへの最も説得力のある解答として、サッカーへのデータ・アルゴリズム活用、すなわちスポーツのテクノロジー化のトレンドがあることは言及しなくてはなりません。

何を隠そう、近年のサッカー・クラブはテクノロジーを重要視する傾向が強まってきており、アルゴリズムやデータを活用した戦術策定や練習マネジメントを行うケースが一般化しつつあるのです。

今やクラブがデータ・アナリストを雇用することは一般的ですし、最近ではIBMのAI「Watson」ですら、サッカー・クラブの成績改善のために利用されています。

本記事で紹介した当のマンチェスター・シティも、SAP社のクラウドベースのデータアナリティクス・ツールをクラブの成績向上のために活用しています。具体的には、同クラブは、SAPの分析ツールを主に相手クラブの戦術・選手の分析に用い、前年と一昨年はプレミア・リーグ連覇を成し遂げています。

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Image Credit : SAP

さらにSAPはシティに対し、経営やファン・コミュニティの活性化を支援するクラウド・ツールも提供しています。

以上を踏まえると、テクノロジーに精通する投資家が興味を示す理由も十分に理解できます。例えばデータ分析系企業をポートフォリオに抱える投資家にとって、サッカー・クラブへの投資先は投資先同士のシナジーを創出し得る合理的な選択肢になるでしょう。

ですが、改めて先ほどの資本主義化による懸念を思い出さずにはいられません。すなわち、「シリコンバレーの資本家・投資家らが欧州サッカー・クラブの爆買いを始めるようなことがあれば、サッカー業界はさらに資本主義化してしまう」という懸念です。

Silver Lake Partnersは単なる投資ファンドですが、ゆくゆくはGAFAMやBATと呼ばれる世界的なテック企業らの参戦も考えられますし、サッカー好きのIT長者が欧州のビッグ・クラブの経営に参加する可能性もゼロではないでしょう。

そのようなテクノロジーとサッカーの接近は、サッカー界への大きな資本流入を生み出し、一層活発化・普及を促すかもしれません。そしてデジタル化によって、試合のレベルは上昇し、サッカーはより魅力的なスポーツになるかもしれません。

しかしそのような肯定的な見方ができる一方で、古くから築いてきた制度・基盤が揺らぎ始め、業界の荒廃や、スポーツとしての魅力の欠如など、様々な問題を生み出してしまっていることもまた事実だということです。

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時間単位のフレキシブルな自動車保険「Cuuva」が1,500万ドルを調達

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ピックアップ:Cuvva raises £15M Series A to launch flexible monthly car insurance ニュースサマリー:12月3日、1時間から利用可能なオンライン自動車保険サービス「Cuvva」は、シリーズAラウンドにて、 RTP GlobalやBreega、Digital Horizon、その他既存投資家やエンジェル投資家を含む9つの投資家から合計…

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Image Credit : Cuvva

ピックアップCuvva raises £15M Series A to launch flexible monthly car insurance

ニュースサマリー:12月3日、1時間から利用可能なオンライン自動車保険サービス「Cuvva」は、シリーズAラウンドにて、 RTP GlobalやBreega、Digital Horizon、その他既存投資家やエンジェル投資家を含む9つの投資家から合計1,500万ドルを調達した。

同社は2014年に創業され、サービスが本格ローンチされたのは2016年。本投資は4回目の資金調達で、これにより累計調達額は本投資により約1,800万ドルに達した。

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Image Credit : Cuvva dribbble

話題のポイント:Cuvvaの主力オンライン保険サービスは、その柔軟性を最も強い特徴とします。一般自動車やバン自動車向けの自動車保険を数時間・日・週ベースで利用できます。また、運転学習者向け保険も展開しています。

細かい利用時間に応じて価格が変化する同社の自動車保険は、車を頻繁に利用しないユーザーのコストを大幅に削減します。さらにこのような類のフレキシブルな保険は、ほんの一時的な運転利用(レンタル自動車や友人から車を借りる)においても活用することができます。

特定の期間のみ利用する、もしくは特定の人に一時的に車を貸す際の保険というのは、痒いところに手が届く、小さくとも強いニーズを的確に捉えたサービスだと思います。実際、Cuvvaというサービスが始まった理由は、同社創業者兼CEOのFreddy Macnamara氏自身が、自動車を人に貸す際に、借りる側が自分負担で加入する形の保険がないことに不満を覚えたことがきっかけだといいます。

最近では旅行保険を提供開始していることや、かつ月額ベースの自動車保険を2020年から提供開始を予定していることから、サービスの多角化を図っていることがわかります。本調達で得た資金は、まさにこうした他領域向け保険サービスの開発・拡大に投資されると発表されています。

Cuvvaのような柔軟性の高いオンライン保険サービスは、既存の画一的な利用条件が求められる保険サービスらを追い越す可能性を秘めています。現時点で同社はイギリスの自動車保険市場の3%を占めていますが、サービス多角化・認知拡大によって、よりその割合を増加させていくことでしょう。

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ブロックチェーンベースのIPO「ETO」に成功した「Neufund」が変える資金調達の未来

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ピックアップ:Neufund closes the world’s first blockchain IPO, with Porsche- and T-Mobile-backed Greyp raising €1.4 million ニュースサマリー:12月5日、ブロックチェーンベースのIPOプラットホームを運営する「Neufund」は、第一回目の上場案件である電動モビリティ企業「Greyp」の資…

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Image Credit : Neufund

ピックアップNeufund closes the world’s first blockchain IPO, with Porsche- and T-Mobile-backed Greyp raising €1.4 million

ニュースサマリー:12月5日、ブロックチェーンベースのIPOプラットホームを運営する「Neufund」は、第一回目の上場案件である電動モビリティ企業「Greyp」の資金調達を成功させた。本調達資金は計34カ国の1,017の投資家から集められ、目標額の179%を達成している。

本調達は欧州中部に位置する小国家リヒテンシュタインの法律の元、同国規制に完全に準拠する形で実施された。最も小さい出資額は100ユーロ(約1万2,000円)とされている。

なおNeufundの資金調達はブロックチェーン上で発行されたトークンによって行われることから、同社は今回の資金調達を従来型のIPO(Initial Publioc Offering)ではなく、ETO(Equity Token Offering)と位置付けている。

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Image Credit : Neufund

話題のポイント:2年前にビットコイン・バブルが生じた際、暗号通貨による資金調達の革新性が叫ばれ、ICO(Inicial Coin Offering)という暗号通貨トークンによる資金調達が大流行したことは記憶に新しいと思います。

ICOは世界中の個人が少額からでも簡単に投資を行うことを可能にし、またプロジェクト運営者も容易にトークンを発行できるため、多額の調達を成功させられる点がメリットとして人気を博しました。

しかし実際のところ、ICOブームはその実施及び投資参加の難易度の低さから、詐欺的なプロジェクトの急増を抑制することができず市場は荒廃。現在では規制強化の影響もあり収縮してしまっています。

ただその後、ICOの欠点をカバーし、その利点を活かす新たな資金調達方法が多数模索され、証券法に準拠した形でのトークン調達「STO(Security Token Offering)」や取引所にトークン販売を委託するIEO(Initial Exchange Offering)などが登場し、認知を広げています。

以上を踏まえた上で、Neufundが掲げるETO(Equity Token Offering)の位置付けを説明するとすれば、ブロックチェーンを用いたトークン発行ではあるものの、規制準拠によって詐欺やマネーロンダリングのリスクを廃している点で、STOに括られると考えます。

ですがSTOというジャンルは株式の他にも債券・ファンド・デリバティブなど多岐に渡るため、NeufundはSTOプラットホームというより、ETO(Equity Token Offering)のプロジェクトとして捉えることが望ましいでしょう。

そしてETOという括りの中で考えるとNeufundは間違いなくその業界をリードするプロジェクトです。事実、同社はETOと言えば業界で最も著名なプロジェクトであり、既に「マルタ証券取引所」や暗号通貨取引所「Binance」などとの提携も行なっています。

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Image Credit : Neufund

ICOとは異なり、Neufundプラットホーム上で資金調達を行うには、プロジェクトがリヒテンシュタイン公国の規制に準拠する必要があり、投資家への厳格な説明責任を負います。また投資家サイドも、自身のアイデンティティを申告する必要があります。

この点、ICOほどスムーズに資金調達が行われる訳ではありませんが、実際Neufundには1万人を超える投資家が111カ国から集まっており、かつ投資も最小10ユーロ(約1200円)程度から参加できます。そのため、従来のIPOと比較すれば、大いに包括的で簡単な投資を可能にしていることが分かります。

さらに具体的に説明すると、投資に用いられる通貨はETH(パブリック・ブロックチェーン「Ethereum」のネイティブ・トークン)及びEUROに対応可能で、購入した株式トークンは、世界4つの著名取引所(Binanceやマルタ証券取引所など)で交換可能です。

加えて上記株式トークンの所有権は、Ethereumのパブリック・チェーン上に記載されているため改変不可能かつ透明性を持ち、かつ従来の法による保証もあることから、投資家は二重の保護によって守られています。

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Image Credit : Neufund

さて、本ニュースを踏まえると、一時的なICOの熱狂・荒廃によって失ってしまった暗号通貨及びブロックチェーン技術の信頼は、Neufundのような小さくも着実な発展によって、回復に向かうのではないかと思わされます。

それだけでなく、今後同プラットホーム上の利便性が世界中のプロジェクト及び投資家に認められれば、暗号通貨トークン型の資金調達が従来型の方法論を本当の意味で代替してゆく様を目の当たりにできるかもしれません。

Neufund上では現在、エンターテイメント企業「Black One」や暗号通貨ハードウェア・ウォレット企業「NGRAVE」などのスタートアップが次のETOを控えています。今後の同プラットホームの躍進からは目が離せません。

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いま米国で注目される新トレンド「パッション・エコノミー」とは?ーー 個性を売りにする“マイクロ起業家”

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ピックアップ記事: The Passion Economy and the Future of Work 最近「パッション・エコノミー」という言葉をよく聞くようになりました。端的に筆者の解釈で用語を定義すると、“個性あるサービス経済”と説明できます。初めて聞く人も多いかもしれませんが、私たちが普段よく触れるYouTuberやSHOWROOM、ニコニコ動画配信者の実態を的確に表した用語であると考えま…

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ピックアップ記事: The Passion Economy and the Future of Work

最近「パッション・エコノミー」という言葉をよく聞くようになりました。端的に筆者の解釈で用語を定義すると、“個性あるサービス経済”と説明できます。初めて聞く人も多いかもしれませんが、私たちが普段よく触れるYouTuberやSHOWROOM、ニコニコ動画配信者の実態を的確に表した用語であると考えます。

具体的にパッション・エコノミーを下記3つの特徴に分けてみます。各特徴を説明するために、筆者がこのトレンド概念を知ったきっかけである、シリコンバレーの著名VC「Floodgate」が出資する「Dumpling」を一例に挙げます。

  1. ユニーク性: 労働者の個性を“バグ”ではなく“機能”として活かす
  2. SaaS: マイクロ起業家を輩出する機能提供に終始
  3. 直接営業: 魚は与えず釣竿を与えるスマートな事業モデル

 

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Image Credit: Dumpling

Dumplingは買い物代行サービスを開業できるSaaSを展開します。サービス提供者は同社が提供するソフトウェアを通じて、自分だけのサービスページを持ち、決済や配達スケジュールの予約までを管理できるようになります。集客はサービス提供者が自ら行う必要があるため、Dumplingはあくまで集客術のノウハウ支援しかしません。ユーザーはDumplingのページ経由で自分だけの買い物代行者を持つことができます。

オペレーションなどを全てサービス提供者一人で回さないといけない一方、Dumplingは毎注文額から5ドル、そしてユーザーから5%の手数料だけを徴収します。従来、買い物代行市場はInstacartが寡占しており、同社がオペレーションからサプライチェーン管理までを担っていたため、サービス提供者の手取り額も限られていました。しかし、Dumplingでは全てがサービス提供者の管理となるため、Instacartの倍ほどの収益を稼げるようになるといいます。

最も困難な点はサービス提供者が一定数の顧客を獲得できるところまで。一度回り始めれれば、高い収益をサービス提供者は定期的に獲得でき、ユーザー側も信頼できる人に買い物代行を継続して任せられるようになります。

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さて、先述の3つの特徴に話を戻しましょう。まずは「ユニーク性」に関して。Dumplingのサービス性を通じて得られるユニーク性は、自分だけの買い物代行者を得られる点にあります。“分野特化型の執事”を獲得できると言えるかもしれません。チップを多めに払えば、その時折に合わせた配達手法などのカスタマイズ性も出してくれるでしょう。

Instacartではオペレーションが画一しているため、こうした配達者のカスタマイズ性は黙殺されていました。このように従来型のプラットフォームでは個性を「バグ」と見なしていましたが、新たなプラットフォームでは立派な「サービス機能」と捉えます。

筆者は会ったことがありませんが、たとえば東京のUberEats配達員の中には自前のキットを使って他の配達員より丁寧かつ保温状態の良いお弁当を届けてくれる優秀な人がいると聞きました。こうした優秀な配達スキルを活かして各々に収益を最大化できるのが特徴です。

配達員自らが料金設定をできるため、他より高級なサービスを提供していると感じれば高い料金設定が自由にできます。プラットフォームの画一した報酬体系に縛られる必要はありませんし、ユーザーは優良なサービスを指名して使い続けることができます。こうしたサービス提供者が持つ高いホスピタリティやパッションを指して、「パッション・エコノミー」と呼ばれる所以だと考えます。

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2つ目は「SaaS」。サービス提供者が事業を行うための最低限の機能を与えることで「マイクロ起業家」として事業を運営させる機会を提供するのがここで述べるSaaSの本質です。Dumplingではスケジュール機能や料金設定、ランディングページ作成機能などが当たります。ちなみに、実際に登記をするなどしてサービス提供者が会社を創設することはありません。あくまでも小さな事業を立ち上げるだけ。「マイクロ」と称されるのはこの理由からです。

SaaSで考えなければいけないポイントは2つ挙げられます。1つは引き抜き。サービス提供者の高いスキルを特徴とするサービスでは引き抜きが最大の懸念となるかもしれません。

たとえば、先に述べたUberEatsの配達員が個人的に雇われてユーザーから収入を得ることも考えられます。こうした引き抜きを防ぐためにも、SaaSの機能拡充が必須になります。事業に欠かせない機能を見極めて実装することが必要です。

もう1つはアクセシビリティ。今まで手の届かなかったサービス領域に一般消費者が届くようになる世界観を指します。たとえば、かつてウェブサイト作成は限られた企業だけの特権でした。しかし、今となっては「Strikingly」や「Wix」、「Weebly」の登場により誰でも無料でサイト作成ができる時代になりました。

同じ流れがサービス経済でも発生しています。買い物代行者を一般の人が持てる時代はInstacartの登場まで来ていませんでしたし、Dumplingのように“分野特化型の執事”を持てることはありませんでした。こうした特定層にだけに限られて提供されていたサービスが、SaaSにより民主化されています。この民主化のギャップが大きいほどサービス価値が高まります。

3つ目は「直接営業」。SaaSというビジネスモデルを採用していることから、各サービス提供者のユーザー獲得支援を直接行うわけではありません。この点が従来のマーケットプレイスモデルとの大きな違いです。

冒頭でも紹介したように、魚を与えず釣竿を渡す事業モデルを採用しています。これはエンドユーザー獲得のためのマーケティングコストを圧倒的に削減できることから、非常に効率的な事業展開を目指せるポイントでもあります。また、サービス提供者が仲介業者であるプラットフォームの影響を極力省けることから、“サービス経済のD2C化”を促進するモデルともいえます。

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Image Credit: Podia

ここまでDumplingを例にパッション・エコノミーを3つの側面から説明してきましたが、最後にパッション・エコノミーの変遷を3つの次元から紹介したいと思います。

まずパッション・エコノミー1.0。実はパッション・エコノミーの考えは最近までデジタルコンテンツにのみ当てはまる概念でした。たとえば、最初に述べたYouTubeの動画投稿とスーパーチャット機能や、SHOWROOMのモバイル特化のライブ配信とギフト機能は、まさにマイクロ起業家を支援するSaaS機能と位置付けられます。配信者はユニークなコンテンツを配信しなければ多くの登録者を獲得できませんし、登録者獲得のためには自分で直接営業をしなければいけません。

YouTubeを筆頭とするデジタルコンテンツの提供SaaSは分野特化型に広がりを見せます。これが2017-2018年から現在に至るまでのパッション・エコノミー2.0です。

複数事例を挙げると、教育市場では「Podia」「Teachable」「Thinkific」が代表的。各サービスではコンテンツ作成者がビデオコースと会員費設定ができるSaaSを提供します。これまで特定分野を教えられる“知識系インフルエンサー”は単発オンラインクラスを「Lynda.com」や「Udemy」で提供出来ていましたが、継続利用を目的としたクラスを設立出来ずにいました。

この商機を狙ったのが先の3社です。事実、ピックアップ記事によるとPodiaのトップクリエイターは月に10万ドル(約100万円)以上を稼いでいることから十分にPMFが成立している分野だと言えます。ちなみにライブ教育配信プラットフォームの「Outschool」や「Juni Learning」では平均して数千ドルを稼げるそうです。

別の分野では有料ニュースレタープラットフォーム「Substack」が有名です。コンテンツ制作者が有料メルマガを気軽に始められるSaaSになっています。同サービスのトップライターは年間50万以上を稼ぐとのことです。

このように創造性に富んだデジタルコンテンツを世界中に発信して稼げる分野特化型SaaSが多々登場してきています。デジタルコンテンツ提供者は大規模なオーディエンスを構築し、ニッチな趣味や特技などの情熱を効率的に収益に変えて生計を立てられます。

これはまさに誰もが「マイクロ起業家」になれるツールであり、私たちが将来「仕事」と考える概念を大きな変える意味合いを持ちます。このトレンドはしばらくは続くでしょうし、日本でも似たようなコンセプトが複数事例出てくることが予想されます。

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そして2019年になって登場してきたのがパッション・エコノミー3.0。「Uber」「Taskrabbit」「Care.com」に代表される対面サービスがギグエコノミーのトレンドを追い風に登場しました。過去10年の間で巨大になったオンデマンド市場は、私たちが手軽にお金を稼げるプラットフォームとして人気を博しています。一方、ここまで説明してきたように個性を不要とする均一的なオペレーション化が進んでしまいました。そこで登場したのがDumplingです。

Dumplingは人々の個性を武器として際立たせて生計を立てるオフラインサービスSaaSの好例で、Instacartに取って代わるパッション・エコノミー文脈サービスに当たります。これからはUberやTaskRabbitなどのオンデマンド市場のあらゆる分野で似たようなコンセプトのサービスが多数登場すると筆者は睨んでいます。

Instacartのようなプラットフォームに全てを握られた形ではなく、Dumplingのようにサービス提供者とユーザーが共に「個性」の良さを享受できる業態に注目が集まっています。これは商品経済の代表格であるAmazonの登場の後、商品提供者がユーザーと直接的な関係を築けるShopifyが誕生したのと同様の流れがサービス経済でも発生していると考えられます。

現在は分野特化型のニッチなサービスしか立ち上がっていないことから、パッション・エコノミー文脈でユニコーンが誕生するかには疑問が残りますが、間違いなく2019年のトレンドの1つとして挙げられる概念でしょう。

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コーヒー豆で車を作る?ーー実は再利用可能なあの「残りカス」、こんなものにまで転用可能

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ピックアップ:Ford is making car parts—with waste from McDonald’s coffee beans ニュースサマリー:コーヒー豆の残りかすの再利用に注目が集まりだしている。 Ford Motorは4日、マクドナルドが販売するコーヒー豆の粉を再利用し、同社が生産する車の部品開発に再利用する計画を発表した。CNBCによれば、同社はインテリアやボンネットへの利…

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ピックアップ:Ford is making car parts—with waste from McDonald’s coffee beans

ニュースサマリー:コーヒー豆の残りかすの再利用に注目が集まりだしている。

Ford Motorは4日、マクドナルドが販売するコーヒー豆の粉を再利用し、同社が生産する車の部品開発に再利用する計画を発表した。CNBCによれば、同社はインテリアやボンネットへの利用を考えていると報じており、現状から20%ほど重さを軽減できるとしている。

Fordではまず、コーヒー豆の総量約30万個に相当するヘッドランプを取り囲む部品の製作に取り掛かるという。記事によると、提携を結んだマクドナルドのマックカフェでは2018年米国において、年間8億2200万カップのコーヒーが販売されているそうだ。

話題のポイント:今まで肥料としての再利用にとどまっていたコーヒー豆ですが、近年、そうした肥料への再利用に加え、新たな利用手法があらゆる角度から考えられています。ご紹介したFordの例以外にもいくつか取り組みがあります。

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University of Pennsylvania

たとえばバイオ燃料への再利用。ペンシルベニア大学による研究によれば、コーヒーの焙煎・抽出過程にて生じた残りかすには平均15〜21.5%の油分が含有されているそうです。また、油以外の個体部分はバイオマスペレットへの再利用が可能だとされており、一つのコーヒー豆の残りかすから2種類のエネルギー生成が可能であると述べられています。

同論文では、ニューヨークにおいてトラックを利用して875カ所のスターバックスコーヒーとドンキンドーナツを週に2・3回のペースで回収した場合、1時間当たり1215.3キロのコーヒー豆の廃棄物を得られるとしています。それらを全て上述したバイオディーゼル燃料へと再利用すると1時間当たり130キロ、バイオマスペレットを324.2キロの割合で生成可能と結論付けています。

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University of Pennsylvania

ちなみに、一人当たりのコーヒーショップ数(coffee shops per capita)は、ニューヨーク・マンハッタンが米国で第2位。その倍近くある第1位のシアトルでは、単純計算でバイオ燃料も倍近く生成できるということになるのではないでしょうか。

さて、車・バイオ燃料ときて次にご紹介するのはドイツのスタートアップ「Kaffee Form」です。同社は残りかすをタンブラー・カップの生産に再利用。販売する製品からはコーヒーの香りが漂うと言い、まさに、コーヒー好きには最高なタンブラーと言えるでしょう。

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Image Credit: Kaffee Form

Kaffee Formはこの製品を通して、日常に「コーヒー豆のカス」を登場させることで、環境保全への意識を変えていきたいとHPで述べています。ミッションに「reshape consumer habits」とあるように、身の回りにあるもので商品を生産することで、長期的に消費者行動を変えていくことを目指しています。

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Image Credit: Kaffee Form

特に日本では今まで、”リサイクル”と聞くとあまりエキサイティングな認識はされない存在だったと感じます。たとえば小学校などで「3R」として習うのが「Recycle, Reuse, Reduce」ですが、そこから発展してリサイクル活動へ結びつけるような教育はあまり目にしません。

米国では、以前ご紹介したRidwell社のように、個人や家庭で積極的なリサイクル活動を好んで行う傾向にあると感じます。

<参考記事>

その他にも米国スターバックスは完全にプラスチックストローを廃止したり、企業が環境保全に対してアクションを取ることも求められている風潮に変わりつつあります。日本では、スタートアップとしてこうした事業をあまり聞きませんが、世界的にトレンドになりつつある市場であると思います。

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セクハラ解任でも1億ドル調達、SoFi創業者の新たな挑戦は「住宅ローン×ブロックチェーン」

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ピックアップ:SoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたこ…

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Image Credit: Figure

ピックアップSoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million

ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたことが明らかになった。

Figureが提供するサービスは、ホーム・エクイティー・ローンや借り換え住宅ローンなどの住宅ローンおよび借り換え学生ローンである。Mike氏はセクシャルハラスメント疑惑によりSoFiを2017年に解任されており、離職後すぐの2018年Figureを設立している。Figureはサービス立ち上げ後から着々と成長し、既に累計約1億ドルの調達を実施している。

※ホーム・エクイティー・ローン=住宅価格から住宅ローン未払い額分を除いた資産を担保に発行されるローン

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Image Credit : Provenance

話題のポイント:Figureがターゲットとするのは、増加傾向にある高齢者層であり、彼らが持つ住宅を担保にローンを組むことを促します。米国でも高齢化は進んでおり、今後巨大化する市場に狙いを定めているのだと考えることができます。

この点、学生をメイン・ターゲットにしていたSoFiと多少の違いがあることがわかります。しかし、Figureは借り換えの学生ローンを提供していますし、実はSoFiは住宅ローン分野にも進出しています。そのため、Cagney氏は古巣SoFiと競合のビジネスを行なっていると捉えることもできるでしょう。

ただ、大きな違いとして、FigureはProvenanceブロックチェーン技術をベースにサービス開発をしている点が挙げられます。実はFigureのプロダクトはほとんどの処理をProvenanceプラットホーム上で実行しており、手数料の削減、透明性の向上を実現しています。

公開されている同社の業績データは未だ見当たりませんが、上記の先進的な技術の導入が結果的にユーザー増加に寄与し、本調達に繋がっているのかもしれません。ブロックチェーンは未だ未成熟なテクノロジーとされていますが、今後の同社の成長によって、証券市場におけるその有用性が証明される可能性があります。

一時は、自身の失態により創業した会社を追われる形となってしまったCagney氏ですが、SoFiをユニコーン企業まで押し上げた才能は腐ることなく、新たな技術を用いることで、フィンテック領域における彼の挑戦は次のステップへと進んでいます。今後のFigureの躍進に注目が集まります。

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業績見合いでローン提供「Uncapped」はスタートアップの株放出問題への対抗策となるか

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ピックアップ:Uncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Interne…

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Image Credit : Uncapped

ピックアップUncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses

ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Internet’s Global Founders CapitalやWhite Star Capital、Seedcamp、そしてその他複数のエンジェル投資家が名を連ねている。

同社はロンドンに本社を置くポーランド発の企業。スタートアップ向けに業績ベースのローン提供サービスを展開する。スタートアップはVCやエンジェルなどの投資家からのエクイティー(株式)投資に依存しており、それが将来的な自己株比率の不足をもたらすなどの問題に繋がっていた。

しかしUncappedからの借り入れは株放出に頼らない業績ベースのローン。10万~100万ポンド(約1400万~1億4000万円)を貸し出し範囲とし、手数料は一律6%、投資家よりも高速で資金調達を実行できる点を強みとしている。

TechCrunchの記事で同社CEOのIsmail氏は以下のように答える。

資金調達を検討する起業家に最初に立ちはだかるのは、“数%のエクイティー(株式)を手放すのか、はたまたデット(借り入れ)を行うのか”という、二者択一の意思決定。エクイティーは遅い上に株放出が必須であり、またローンもハイリスクという欠点があります。しかしUncappedは、両方の良いとこどりをした代替手段となり得ます。

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Image Credit : Uncapped

話題のポイント:Uncappedのファイナンス・サービスに関して気になるポイントは、同社の業績ベースの与信がどれほど効力があるのか、という点でしょう。ローンが高スピードかつ低い手数料である点は借り手のスタートアップにとって大きなメリットではあるものの、彼らの貸し倒れ率を一定以下に抑えなければ同社のビジネスは成り立ちません。

そのため、ローン提供先事業の債務返済能力を適切に与信を取るする必要があり、その方法の質の高さがサービスのコア・バリューになるとも言い換えられます。

与信の方法について、ピックアップ記事の中でIsmail氏は、「Uncappedは事業者がこれまで蓄積してきた販売データや、事業者らが利用するStripeやShopfyなどの外部サービス内の決済・販売データなど、多数のソースに依拠する形でデータを収集し、与信審査を行う」といったコメントを残しています。

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Image Credit : Uncapped

Uncappedが想定する借り手事業者は、Eコマースやサブスクリプションサービス、D2C、SaaS、アプリやモバイルゲーム、マーケットプレイスの6つのカテゴリに属する事業者であるとされています。これら6つのサービスが選ばれる理由は、与信データの収集を行いやすい事業モデルであるためだと考えられます。

実際、Uncappedは借り手に2つの条件を設けています。1つは商品・サービスの販売をオンライン決済で行なっていること、そしてもう1つはサービスの運用を少なくとも9カ月以上継続できるていることです。

ちなみにStripeやShopfyは既に自社サイトベースの業績データに依拠したローンサービスを提供しており、Uncappedの競合に当たります。一見するとより多くの業績データをプラットフォーム内で握るStripeやShopifyの方が優位性が高そうです。しかし、Uncappedは事業者自身が持つ販売データや事業者が運用するFacebookのようなSNSなども含め多面的にデータを収集しています。特定サービスに依存せず相対評価できているという見方もできるので、これはこれで強みを持っているといえるでしょう。

さて、全ての起業家の悩みのタネでもある資金調達を、より簡単かつ低コストなものに変革する「Uncapped」。欧州スタートアップの需要を掴み、かつ適切な出資を行うことで、新しい資金調達モデルを生み出すことができるのでしょうか。同社の今後の発展に期待が高まります。

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】

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ピックアップ:5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving 先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィン…

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ピックアップ5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving

先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィンテック分野での躍進です。

Alibaba(阿里巴巴)グループのAnt Financial(蚂蚁金服)が提供する「Alipay(支付宝)」、そしてライバルのTencent(腾讯)が提供する「WeChat Pay」がそれです。この中国2大モバイル決済アプリについて、米調査会社のCB Insightsが詳しい戦略の考察を掲載していました。本稿ではこれに沿った形で、この2大決済アプリが今、どのような状況なのかを紐解いてみたいと思います。

中国国内決済のほぼ全てを支配する

CBIの記事によれば、トップを走るAlipayは、実に中国国内の決済の54%を占めており、それを追う形のWeChat Payのシェアは約40%だそうです。

つまり、中国のモバイル決済はAlibabaとTencentという、米国のGAFAらと肩を並べる中国巨大テック企業の2社によってほぼ完全に独占されている状態で、これら2社を合わせると、中国国内のユーザー数は実に8〜9億人になるそうです。日本の総人口のざっと5倍です。

事業構造も異なります。Alipay陣営のAlibabaグループはコマースが中心。対するTencentはゲームとメッセンジャー「WeChat」によるコミュニケーション関連事業がメインになっています。特にTencentは広告事業の成長が頭打ち状態の一方、フィンテック関連サービス(レンディングや保険など)が年間40%もの成長を示していると記事は指摘しています。

Ant Financialの推定評価額は1,500億ドル(Alibaba全体では約4,570億ドル)、フィンテック事業に限定したTencentの評価額は1,230億ドル(Tencent全体では約3,875億ドル)と拮抗しており、今後、ヤフーやLINE、東南アジアで勢力を伸ばすテックスタートアップ各社はこことのポジション争いをアジア圏で繰り広げることになりそうです。

といってもこの2社、時価総額では世界トップ10入りの桁違いなので背中は遠いです(※日本のトップを走るトヨタは約1960億ドル)。

AlibabaとTencentが取ったフィンテックの共通戦略

CBIの記事ではこの事業が異なる2社が、フィンテック分野においては同じような戦略を取っていると考察しています。それが次の5つです。

  • 1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築
  • 2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す
  • 3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する
  • 4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化
  • 5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

詳細はぜひ原文をご一読いただくとして、これらの項目に沿って気になったポイントを解説してみたいと思います。

1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築

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「フライホイール効果(弾み車)」とは、Amazonの成長を解説する際にジェフ・ベゾスが引き合いに出した理論です。一言で言えば、“ビジネスの中に好循環を生み出すこと”を意味します。

ジェフベゾスは、Amazon商品の低価格化→顧客満足度の上昇→取引ボリューム増加→品揃えの充実、に至る一連の好循環をフライホイール効果と表現しました。Ant FinancialやTencentの場合、決済アプリと関連金融サービスによる相乗効果がそれです。

CBIがまとめたAnt Financialのデータによると、2019年6月のデータではAlipayユーザーのうちAnt Financial以外の金融サービスを3つ以上利用しているユーザーは80%、5つ以上利用しているユーザーは40%となっています。

具体的には、Alipayの提供するWallet内から、中国の一般的な銀行預金金利と同程度かそれ以上の金利(過去の一時期4%に到達、現在2%周辺)をもらえる「余額宝」と呼ばれるMMF(マネー・マーケット・ファンド)サービスを簡単に利用できたりします。

他にもローンや保険サービスをAlipay Walletから簡単に利用できるなど、関連サービスへの導線が上手く出来ているため、ユーザーの人気を集める理由となっています。新たなサービス導線の誕生ですね。

2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す

アジア圏におけるミレニアルやZ世代と呼ばれる新しい年代のユーザーはインターネットで決済することが当たり前になっている状況があります。

<参考記事>

ここで重要なデータがクレジット(信用)です。

Ant Financialが運営する消費者信用サービス「Huabei」は、こうした世代向けに無利息のクレジットを提供し、大きく消費を加速させています。データによれば、同サービスが開始した2015年から累計貸し出し額は1,400億ドル(約15兆円)に及んでいるそうです。

驚かされるのは成長率です。

原文のグラフを見ると一目瞭然ですが、1,400億ドルというのは2017年前半までの累計額の10倍です。この増加を2年と少しの期間で達成しているということには驚かされずに入られません。Tencentも「Fenfu」と呼ばれる同様のサービスを開発しており、2019年末までにローンチされる見込みです。記事の後半では残りの3〜5について解説をお送りします。

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