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Banking-from-homeが追い風、チャレンジャーバンクN26が倍増の500万ユーザー獲得

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ピックアップ:N26 raises more than $100 million in extension of its Series D funding ニュースサマリー:ベルリンを拠点とするチャレンジャーバンク「N26」は5日、シリーズDのエクステンションラウンドにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。昨年から続く同ラウンドで同社は5億7000万ドルの調達を目指しており、評価額は変わらず3…

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ピックアップ:N26 raises more than $100 million in extension of its Series D funding

ニュースサマリー:ベルリンを拠点とするチャレンジャーバンク「N26」は5日、シリーズDのエクステンションラウンドにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。昨年から続く同ラウンドで同社は5億7000万ドルの調達を目指しており、評価額は変わらず35億ドルとなる。

話題のポイント:たった8分で新規口座開設を売りにした「N26」は、欧州を中心にモバイルファーストなFintechスタートアップとして躍進を遂げていました。今回のリリース時点で、ユーザー数は500万人を突破したとしています。これは、なんと昨年4月時点のユーザー数250万人から2倍の成長を記録していることになります。

Blog Timeline infographic (ALL)

また、米国におけるユーザー数も着々と増加しており、今年2月の時点で約25万人のユーザーを獲得したそうです。ユーザー数の面においては順調な成長を遂げているN26ですが、同社の最終的な目標となる世界を股にかけたデジタルバンクという面では、UKのBrexitにより撤退を余儀なくされるなど、真のチャレンジャーバンクを目指すからこその課題が浮き彫りとなりつつある状況でした。

そうしたマイナス面や、COVID-19ショックと調達タイミングが重なったこともありキャッシュフローに不安要素があるのではといった指摘もあったようです。しかし、同社ブログで「Banking-from-home」と表現されているように、コロナによりより一層デジタルバンクの需要と存在意義が向上したことは間違いないでしょう。

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CNBCによれば、COVID-19以降においてN26の主要都市のATM利用率は半減しているが、65歳以上のユーザーによるN26を通したEコマース利用が劇的に増加していると報じています。また、以前筆者のドイツ滞在記でお伝えしたように、N26の本社があるドイツ・ベルリンはチップ文化が伝統的に根付いているため、日本のキャッシュレス決済率(18.4%)より低い数字(14/9%)を記録していました。

しかし、COVID-19感染防止の観点からキャッシュによる支払いが「好ましくない」といった世界的トレンドに移行しつつあります。これは、今までその国の文化からキャッシュレスへと抜け出せなくなっていたものを、半強制的にキャッシュレスへと導く可能性が高いことを示唆しています。

N26の目指す世界的なデジタルバンクの世界観はいずれくるだろうと言われていましたが、COVID-19が生じたことによりその世界観が訪れるまでのスピードは格段に早まったように感じます。

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世界経済混迷の中、a16zがクリプト2号ファンド設立ーー彼らがブロックチェーンにベットする「5つの目的」

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ピックアップ:Crypto Fund II ニュースサマリー:Andreessen Horowitz(a16z)は4月30日、ブロックチェーンに特化したクリプトファンドの第2号を設立したことを発表した。調達する金額は5億1500万ドルとしている。同社クリプトファンド1号は2018年に3億5000万ドル規模で設立していた。 話題のポイント:2018年に設立した第1号ファンドは、特に金融市場を中心にF…

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ピックアップ:Crypto Fund II

ニュースサマリー:Andreessen Horowitz(a16z)は4月30日、ブロックチェーンに特化したクリプトファンドの第2号を設立したことを発表した。調達する金額は5億1500万ドルとしている。同社クリプトファンド1号は2018年に3億5000万ドル規模で設立していた。

話題のポイント:2018年に設立した第1号ファンドは、特に金融市場を中心にFacebookのLibraやCeloなどに投資を続けています。また昨年10月には、クリプト(仮想通貨)スタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」を発表し、ファンドとして積極的かつ対外的に「ブロックチェーン」の用語を使用し始めていました。

もちろんa16zは、ただトレンドに乗って「ブロックチェーン」という言葉を使っているわけではありません。パートナーのMarc Andreessen氏は2014年時に「Why Bitcoin Matters」・同じくパートナーのChris Dixon氏も2013年の時点で「Why I’m interested in Bitcoin」と、ブロックチェーンに対する見解を示していました。

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ただ、この世界経済が不安定なタイミングでの2号設立は少し意外に感じた方もいるかもしれません。しかし、逆に先行きが不安定なタイミングだからこそブロックチェーン業界に特化したファンドへの新たな資金投入は理にかなっていると私は感じています。

COVID-19により、例えば絶対的成長が見込まれていたシェアリングエコノミーやその他新興経済圏が大規模なモデルチェンジを余儀なくされ始めています。具体的には、UberやLyftが人の運搬ではなくモノの運搬へ、Airbnbがショートステイからロングステイといったことが挙げられるでしょう。

一方のブロックチェーン事業は成長準備段階に入っていました。業界内でも金融を始め、コンサルティングやセキュリティーといった分野では、エンタープライズとの協業など発展をしていたことも事実です。ただ、取引ボリュームが高いとまではいえず、R&Dを中心に法的な側面や社会的カルチャーの整備などに焦点が当てられているような状況でした。

Libraのホワイトペーパーでも言及されていたように、本当の意味でブロックチェーン的概念を載せた(パブリックチェーン)プラットフォームの浸透は2025年頃を目標とするとされています。その理由は以下のように述べられています。

The challenge is that as of today we do not believe that there is a proven solution that can deliver the scale, stability, and security needed to support billions of people and transactions across the globe through a permissionless network. – Libra Whitepaper

つまり、ブロックチェーンの最大価値を引き出すためにも「今」市場導入を焦ることなく、段階を経た中長期的な計画の元に動くべきだということが市場プレーヤーたちの共通概念です。そうした意味でも、Andreessen Horowitzのこれまでの活動は、ファンドに加えてクリプトスタートアップスクールを設立し、絶対的なクリプトスタートアップを増やすことで、業界における中長期的な市場整備を試みていたのだと思います。

では、そうした取り組みを進めるa16zが特に注目する5つのブロックチェーンエリアについて見ていきましょう。

Payment (ペイメント)

ブロックチェーンとペイメントの組み合わせは、ビットコインに始まり最もイメージしやすいものではないでしょうか。しかし、いまブロックチェーン×ペイメントが抱える最大の壁はその利用に至るまでのステップの難易度です。

ブログでも語られているように、私たちは既にオンラインバンクやクレジットカードのUXに対し日常生活ではそこまで不便を感じません。もちろん「手数料」という謎の料金を払わされることに疑問は持ちますが、だからといって大きく抗議するまでには至りません。

そのため、ブロックチェーン×ペイメントを世界的に浸透させるステップには明確な「そこまで不便を感じないサービス」に対する対抗案を提示する必要があるのです。1年単位で市場を見てしまうと、「そこまで不便を感じないサービス」がいきなりブロックチェーンによってディスラプトされるとは考えられません。だからこそ、中長期的な目で市場を見れば電子メールが郵便局を、VoIPサービスがが長距離通信事業者をじわじわとディスラプトしたように、ブロックチェーン×ペイメントにも必ずチャンスは訪れる、と主張しています。

現代版ゴールド

法定通貨の代替にはゴールドが価値の保存場として長らく役目を務めてきましたが、ビットコインがデジタル版ゴールドとして価値保存を担っていくという主張です。これは、既に実現している話かもしれません。もちろん、まだビットコインはボラティリティーが高く「価値の保存」としては信頼度が低いですが、少なくとも実社会における経済状況を反映した市場が動いているのは事実です。

ゴールドが先物商品として取引されるようにビットコインも先物商品として認知され始めています。こうしたレガシーな金融商品を取り扱いながらも、ブロックチェーンを入り混じるスタートアップも増えて来るでしょう。

DeFi (Decentralized Finance: 分散型金融)

分散型金融は、ペイメントと並び現段階で最も法整備に力が入れられるエリアです。(少なくとも意欲的なロビー活動などが多い)。ブログ内では特にレンディング、デリバティブ、保険、トレーディング、クラウドファンディングと分散型金融によるディスラプトが新しい価値を生み出すとし、具体的には以下のようなパフォーマンスを金融に対して算出するとされています。

  • 世界中の誰でも制限に囚われず利用可能なオープンアクセス性
  • オープンソースに対するコミットメント性
  • 第三者の開発者によるパーミッションレスな拡張性
  • 極限までに抑えられた手数料によるパフォーマンス性
  • 暗号技術によるセキュリティーとプライバシー性

デジタル価値表現

インターネットが当たり前のように浸透したことで、例えばデジタル広告やサブスクリプションのビジネスモデルが生まれました。a16zでは、次のインターネット上における新たな価値表現はブロックチェーンを通したものになると主張しています。

現在、ゲーム業界を筆頭にデジタル上における「所有権」をブロックチェーンを通し表現する取り組みが行われています。つまり、ゲームで獲得するアイテムやキャラクターがユーザー個人のものとして認識され、セカンドマーケットで価値を帯びるという新たな経済圏を意味しています。ゲームに加え、書籍や音楽、ポッドキャスト、プログラミング、デザインなどクリエイティブな場面に新たな価値表現が生まれるだろうとまとめています。

Web3.0

インターネット初期にはWeb1.0、SNS発展期にはWeb2.0と呼ばれた文化がブロックチェーンをベースとすることでWeb3.0へと変化を遂げようとしています。そもそも私たちが変化を求めるのには、既存システムに解消すべき課題があるからです。

確かにWeb2.0時代は、インターネットが民主化されあらゆる情報へのアクセスに流動性が持たされました。その一方で、個人のプライバシーに関する観点が近年問題視されてきており、欧州におけるGDPRがその顕著な例でとなります。

まさにブロックチェーンの特性である非中央集権型は、そうした問題に対する一つのソリューションとして生まれるべくして誕生したと言えるでしょう。上述した具体的な業界へのブロックチェーン応用は、このWeb3という概念が必要不可欠になることは間違いありません。

ということで、上記の5つがa16zが現時点で注目するブロックチェーンの分野一覧となります。

ブロックチェーンの事業は中長期的なプランニングが必要なのは上述した通りです。COVID-19の例でも分かりましたが、いつ市場から求められる価値機能が一変するかは誰にも予想できません。Web2.0が浸透し始めた2000年後半から現代にかけてのインターネットの価値観と、今のそれは似て異なるものであるのは間違いなく、あるテクノロジー初期の概念が最後まで通用するケースは稀なことがほとんどです。

だからこそこれら分野以外の、例えばトラベルやコミュニケーションツールなど、思いつかないような業界とうまくマッチしたブロックチェーンプロダクトが生まれてくる可能性は大いにあるとまとめられており、私はこの観点を持つことがブロックチェーンの中長期的なこれからを理解するうえで大切だと感じています。

確かに、金融業界とブロックチェーンのマッチングによるDeFiはイメージしやすく、初期アダプションであるビットコインとの結びつきもあることから、飛びつきたくなる気持ちもわかります。

しかし、Web2.0が歩んできたあらゆる業界とのマッチングを改めて顧みて、ブロックチェーンのこれからを中長期的に見ていくのは、これからのインターネットの未来を掴むうえでも重要なのではないでしょうか。

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旅が復活しても、もう違うものになるーーAirbnb「共同創業者からの手紙」が大切にしたもの

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ピックアップ:A Message from Co-Founder and CEO Brian Chesky  ニュースサマリー:Airbnbは5日、COVID-19による先行き不透明な経営状況のため約25%規模のレイオフを実施することを明らかにした。現従業員7500名の内、約1900名が対象となる。人員削減により、今後の主要事業転換に向け体制を整える狙いがある。 COVID-19以降、Airbnb…

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ピックアップ:A Message from Co-Founder and CEO Brian Chesky 

ニュースサマリー:Airbnbは5日、COVID-19による先行き不透明な経営状況のため約25%規模のレイオフを実施することを明らかにした。現従業員7500名の内、約1900名が対象となる。人員削減により、今後の主要事業転換に向け体制を整える狙いがある。

COVID-19以降、Airbnbは医療従事者向けに住居の無償提供や旅行キャンセル者への100%の返金など対応に追われてきた。先月には10億ドルをデッドファイナンスにより調達したが、主要事業の絶対的利益減少によりレイオフが避けられない状況となった。

同社の今年度収益は2019年度の半分以下になると予想されている。

※こちらの記事の内容はPodcastで聞くことも可能です。

話題のポイント:AirbnbはCOVID-19以降、シェアリング事業者の中でも迅速に各方面への対応を進めている印象がありました。過去にも自然災害や人道支援の観点で取り組んできた住居の無償提供に始まり、急激なキャンセルにより経済的な困難に直面するホストへ向けた救済基金の設立、長期化を見据えた10億ドルの調達などできる限りの対応を進めていたと思います。

特に最大で5000万ドルの支援を実施するスーパーホスト救援基金は「Airbnbらしさ」を顕著に表した取り組みでした。総額1700万ドルの内100万ドルをAirbnb従業員、900万ドルを共同創業者で負担し、残りの700万ドルを投資家の寄付で用意。自社負担のホスト基金2億5000万ドルとは別で、Airbnbエコシステムに関わる全員が「寄付」という形で手を差し伸べたのがAirbnbらしさを物語っています。

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エコシステムをステークホルダー全員で支える基金

みなさんはご存知でしょうか?

Airbnb立ち上げ当初のキャッチフレーズは「Travel like a human(人間らしく旅をしよう)」といったものでした。

今回公開されたBrian Chesky氏のレターでも言及されているように、Airbnbはもちろん旅に関わるプラットフォームですが、それ以上に、常に「人」を中心とした考えを持ち続けてきました。だからこそ「ビジネスライクにホストを救済する」と発表するだけでなく、繋がりを持つ全員が一丸となって助けようという姿を示したのだと思います。

加えて、今回のレイオフに際してもAirbnbは「完全な透明性」をベースに意思決定と情報伝達をしていくと強調しています。レイオフの詳細と仮定は公開可能な状態になる段階で隠すことなく全て公開するとしており、「部分的な透明性」は状況を悪化させるだけだという認識を示しています。

レイオフされる従業員へのアフターケアに関しても全てレター上にて明確に公開されています。簡単にまとめると以下の通りです。アフターケアを大事にする「人」を中心とした企業カルチャーがにじみ出ていることがわかります。

  • 退職金
    – 米国における従業員は14週間の基本給に加え、Airbnb勤務年数ごとに1週間の追加
    – 米国外における従業員は割いてでも14週間の基本給、加えて各国ごとに準じた追加金
  • 持ち株(ストックオプション)
    – 公平性担保のため過去1年間に雇用された従業員の株式行使期間(1年)の取り下げ
    – 退職者は全員5月25日に権利が付与される
  • ヘルスケア(健康保険)
    – 米国ではCOBRAを通じた12か月間の健康保険のカバー
    – 米国外では2020年内における健康保険のカバー
    – KonTerraを通じた4か月間のメンタルヘルスケアサポート
  • ジョブサポート
    – 退職者に向けウェブサイトを通じた新しい職場と出会う機会のサポート
    – 2020年度におけるAirbnb採用担当者の実質的退職者の新規職場探しサポート
    – 「RiseSmart」転職活動に特化したサービスを4カ月間にわたりサポート
    –  残り続ける社員による、退職者の新規職場探しサポートプログラム
    – 貸与していたラップトップPCの譲渡

さて、レターではBrian Chesky氏がAirbnbを創業した当初のキーワードを「belonging and connection(帰属と繋がり)」と表現しています。

Airbnb創業当初、同社の名前が「Air Bed and Breakfast」であったことは有名です。これは、エアベットと朝食が提供される簡易宿泊施設という意味で、まさにショートステイという「誰かとのちょっとした共同生活」を通し、人との繋がりを持つことが意図されていました。そして最終的には、現在の民泊という形へたどり着きます。

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創業期のAirbnbサイトより

しかしまさに、COVID-19による世界的なソーシャルディスタンスでランダムな「人」との繋がりが実質的マイナスであるという概念が生まれてしまったのです。しかも、世界同時に。

現在のAirbnbはショートステイをプライオリティーから外し、ロングターム型民泊へとコンセプトを切り替え始めていました。もちろん。#StayHome が叫ばれる世の中でショートステイの需要がない分、ビジネス的に選ばざるえない選択だったのは明らかです。しかしこれは、創業当初に思い描いていた「人」を中心とした「belonging and connection」とは限りなく違う方向性へAirbnbが歩みだした瞬間だったのではと感じてしまいます。

Airbnbがその「らしさ」を捨てて全く違う企業へ生まれ変わってしまうのかといえば答えはNOでしょう。

同社も述べている通り、新型コロナショックによる売り上げは年次比較で50%以下が見込まれており、おそらく旅行業界をマクロ的に見ればそれ以上のマイナス成長となることは避けられません。だからこそ、まずはその時代を戦い抜くための、新しいビジネス構造をいち早く創り上げようとしているのは正しい選択です。

では実際どこまで、旅行市場は危機を迎えているのでしょうか。レターでは今までのような旅を取り戻すことはできないとまで言及してます。以下がその抜粋部分です。

  • We don’t know exactly when travel will return. (旅がいつ、ごく日常のものとして帰ってくるのかはハッキリしない)
  • When travel does return, it will look different. (仮に旅が復活しても、今までのそれとは違うものとなるだろう)

私もですが、みなさんも今までの日常はいつか帰ってきて、当たり前のように飛行機に乗り、全く違う文化の国へ旅をすることができるだろう、そうした思いがどこかにあったかもしれません。しかし、ホスピタリティー・トラベル業界をけん引してきたAirbnbがこうした考えを持っているとなると、やはり事態は難しい状況にあるのだと再認識させられます。

では、今後Airbnbはどのような形へシフトしていくのでしょうか。

上述したように、ロングタームへのシフトやオンライン型のエクスペリエンスなどコロナ後・共存の世界観に対応させた仕組みを作りを目指しているのは明らかです。しかしこの世界経済混沌な中、まだ具体的な方向性は定まっていないのが実情なのでしょう。そのため、人員削減はどうしても避けられない意思決定だったのです。

This crisis has sharpened our focus to get back to our roots, back to the basics, back to what is truly special about Airbnb — everyday people who host their homes and offer experiences. (日々、自宅を提供し特別な体験を提供するーー今回の危機は、Airbnbが真に特別としていたもの、そもそもの原体験に我々を引き戻させてくれた)

これは、レターにて述べられていた今後のAirbnbを形作っていくことになる一文です。「旅の形は変わりゆくある。しかしhuman connectionを求める人間本来の性質は変わらない。だからこそ、私たちは、原点に戻って『Travel like a human(人間らしく旅をしよう)』を応援していく」、そういった思いが込められていると感じます。

COVID-19により、あらゆる分野で常識と思われていたことが変化を遂げつつあります。

例えば、オフィスの必要性や都会に住むことの必要性が問われるなどが挙げられるでしょう。逆に言えば、東京など人が多く集まる場所にフィジカルに生活する意味合いを取り戻すことはもはやできないかもしれません。つまり、これから田舎や人の少ない過疎地域を中心に自然との共同生活様式が望ましいとする世界観へと変化していく可能性も大いにあります。

そうした意味では「Travel like a human (人間らしく旅をしよう)」というフレーズの最終地点は、自然との共同生活様式でライフスタイルを創り上げる(旅をする)と繋がっていくのかもしれません。

人間らしく旅をするーー。

観光地をバスで詰めに詰めたスケジュールで回りきることでしょうか。おそらく、その正解は上述した「自然」と共に生活しながら、忘れられない経験を見つけ出していくことにあるのだと考えます。

今までのメジャーな旅は、アスファルトで補正された「オンロード」な旅でした。

しかし、これからの世界では何も補整されていない自然な「オフロード」な中で、人間らしく旅をすることが日常に溶け込んでいくのではと思っています。

Airbnb共同創業者であるBrian Chesky氏が同様な考えを持っているかは定かではありません。しかし、適度に人とのつながりがあり、自然と現代社会が上図に調和された中で生きていくことは少なからず訪れる世界のフォーマットであると思います。

少なくとも、キャッチフレーズ「Travel like a human (人間らしく旅をしよう)」を基に、あのBrian Chesky氏らがAirbnbを率いている限り、同社はコロナ後・共存の世界でも「人」を中心として新たな生活様式を創り上げる中心にいることは間違いないと、信じています。

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東南アジアのデジタル金融スタートアップOriente、新型コロナの影響で昨年末から従業員2割をレイオフ

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<ピックアップ> Fintech firm Oriente lays off 20% of workforce since Q4 2019 DealStreetAsia によると、新型コロナウイルス流行による混乱の中、Oriente は昨年第4四半期以降、従業員の約20%に相当する数百人をレイオフしたことが明らかになった。Tech in Asia が最初に報道し、それを DealStreetAsi…

香港で開催された RISE 2019 に登壇した Oriente 共同創業者 Geoffrey Prentice 氏
Photo credit: Seb Daly / RISE

<ピックアップ> Fintech firm Oriente lays off 20% of workforce since Q4 2019

DealStreetAsia によると、新型コロナウイルス流行による混乱の中、Oriente は昨年第4四半期以降、従業員の約20%に相当する数百人をレイオフしたことが明らかになった。Tech in Asia が最初に報道し、それを DealStreetAsia が代表に確認した形だ。同社には現在約1,600人の従業員がいて、創業者は今年の残りの期間は無給、上級管理職全員が30~50%の減給を受けるという。

新型コロナウイルスの流行は、フィンテック企業のみならず、従来からの銀行にも打撃を与えている。東南アジア最大の銀行 DBS は先週、不良債権比率が第4四半期の1.5%から第1四半期は1.6%に上昇したと発表した。

マレーシアの銀行最大手 MayBank 傘下の投資銀行 MayBank Kim Eng のアナリスト Thilan Wickramasinghe 氏は調査報告書の中で、「新型コロナウイルスの影響により、銀行の不良債権は3%近くまで増加し、与信手数料は2023年まで上昇するだろう」と述べている。Oriente は急激な収益減と利用者減という、新たな現実に対応する必要があるとしている。

Oriente は現在、フィリピンの「Cashalo」、インドネシアの「Finmas」、ベトナムの「Finizi」というアプリを通じて、リアルタイムのクレジットスコアリング、デジタルクレジット、O2O 消費者金融、POS 金融(商品購入時の店舗レジを通じたの貸金サービス)、マイクロ企業家向けの運転資金などを提供している。先週には、5,000万米ドルのシリーズ B 調達を発表したばかりだ。

via DealStreetAsia

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Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の失速とコロナ禍で浮上する「中国スターバックス」、Sequoia China(紅杉資本)とタッグ

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ピックアップ:Starbucks says in partnership with Sequoia Capital China for investments ニュースサマリー:スターバックス(星巴克)は4月26日、著名VCである Sequoia Capital China(紅杉資本)と戦略的パートナシップを結ぶとを発表した。このパートナシップは、中国国内におけるリテールマーケットプレイスを中心と…

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ピックアップ:Starbucks says in partnership with Sequoia Capital China for investments

ニュースサマリー:スターバックス(星巴克)は4月26日、著名VCである Sequoia Capital China(紅杉資本)と戦略的パートナシップを結ぶとを発表した。このパートナシップは、中国国内におけるリテールマーケットプレイスを中心とした最新テクノロジーへの共同出資を実施するのが目的だ。

ロイター通信によれば、同社は新型コロナウイルスの影響で、現在アメリカにおける店舗の約半数を休業しているという。

話題のポイント:スターバックスといえば「サードプレイス」というキーワードの元、自宅とオフィスに加えて「くつろぎの場」をフィジカルに提供するカルチャーを今まで創り上げてきました。これに関しては同社ホームページでも以下のように伝えています。

ペーパーカップやタンブラーを手に街を歩くスタイルや、家でも職場でもない「サードプレイス」の提案など、時代ごとの空気をつぶさに感じ取りながら、新たな価値を生み出し、文化を育んできました。

こうした「サードプレイス」的概念に挑戦姿勢を見せたのが、まさに Luckin Coffee でした。

中国におけるカフェ市場は良くも悪くも、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の話題で持ちきりでした。以前報じたように、Luckin Coffee の中国における2019年末時点の店舗数は既に4,500軒を越えており、スターバックスの店舗数3,600軒を3割ほど上回ります。同社は顧客のビッグデータを基に、パーソナライズ化させたサービスとシームレスな体験を提供し、カフェにおける「行列」をなくすなど「テクノロジー」を背景に急激な成長を遂げたとされていたわけです。

しかし同社は、4月初旬に報道されたように、売り上げの水増し会計が内部告発され株価の大幅な急落など窮地に立たされることになりました。

一方のスターバックスも新型コロナウイルスにより、数多くの同社店舗は現在クローズまたはデリバリー限定へ半強制的にしシフトしています。同社アプリや、UberEatsを通した注文と店頭受取のみの対応なため、「サードプレイス」の価値提供は完全にストップを余儀なくされています。

北京にある「Starbucks Now(啡快)」対応店舗
Image credit: Starbucks(星巴克)

このLuckin Coffee の意図しないタイミングでの急落、さらには新型コロナウイルスによる「サードプレイス」の根本的な変革タイミングの重なり。実はスターバックスこそ、新型コロナウイルス流行によって、最も大きなトランスフォーメーションを遂げることになる最初の一社となるかもしれません。

もちろんスタバも、絶対的「店舗」の信者ではなく自社アプリを通したピックアップサービスやデリバリーも以前から積極的な取り組みをしてきています。特に、昨年7月には中国において同社フラッグシップモデルとなるシームレス体験・デリバリー事業に特化した店舗「Starbucks Now(啡快)」といった取り組みも始めていたところです。

Image credit: UberEats

また、仮に数年以内に世界情勢が回復したとしても、新型コロナウイルス以前・以後における「サードプレイス」の定義は変えざるをえないのではないかなと思います。そうした面でも、キャッシュレスや最先端テクノロジーが既に街に溶け込む中国でのR&Dは重要なポイントなのでしょう。

via Reuters

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デザインの10年「Decade of Design」がはじまるーーa16zがFigmaに出資したその理由

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ピックアップ:Investing in Figma: The Decade of Design ニュースサマリー:デザインコラボレーションツール「Figma」は4月30日、シリーズDにて5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はAndreessen Horowitz(a16z)が務めている。また、既存投資家のIndex、Grevlock、KPCB、Sequoia、Founders…

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ピックアップ:Investing in Figma: The Decade of Design

ニュースサマリー:デザインコラボレーションツール「Figma」は4月30日、シリーズDにて5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はAndreessen Horowitz(a16z)が務めている。また、既存投資家のIndex、Grevlock、KPCB、Sequoia、Founders Fundも参加している。

同社はクラウド型でUIデザイン・プロトタイプの共同作業プラットフォームを提供している。また、2017年にはスマートフォンアプリ向けに、アプリデザインを直接デバイスから確認できるミラーアプリ「Figma Mirror」もリリースしている。

話題のポイント:デザインコラボレーションツールの老舗、「Figma」がユニコーン入りを果たしました。今回のラウンドをリードしているa16zからは、同社パートナーであるPeter Levine氏が担当を務めています。2010年から投資活動を開始し、2012年には当時a16zとしては最多となる1億ドルをGitHubへ投資実行した人物です。

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彼は投資理念として「古いテクノロジーを再発明し、新しく全く違うカテゴリーを生み出す起業家・企業」を持っているそうです。GitHubはまさにそのケースで、既存のソースコード管理手段をそのカテゴリーごと再発明し、新しいモデルを作りました。

ブログの中で「(GitHubの概念は)クラウド管理によりコードへのアクセスやソーシャル性が劇的に向上されたが、それ以上にコード中心な概念から『人』を中心にプロジェクトが組織される変換点となった」との考えを示しています。こうしたコードの「再発明」と共に歩んできた道のりを同氏は「Decade of Code」と表現していました。

そしてこのGitHubがコードとの関係性の再発明であったのに対し、Figmaはデザインとの関り方の再発明を目指すことになりそうです。それが出資を公表したブログのタイトルにもある「Decade of Design」の考え方です。

「今までプロダクトや企業は、コードによって生きるか死ぬかを彷徨ってきた。しかし、今ではプロダクトにおけるデザイン理念やリテラシーが重要な要素へと変わりつつある」(Peter Levine氏・a16zブログより)。

ここ近年はすでにコードで戦えて当たり前、プロダクトの勝負はユーザーの心に響く「デザイン理念」なくしては語れないようになっていました。この点に関しては、今回出資を受けたFigmaも昨年末に2010年からの10年でいかにデザインの概念が進化を遂げたかについて次のようにまとめています。

  • モバイルデバイスへの大幅なシフト、誰でもスマートフォンを持っている時代へ突入
  • ビッグデータによる、UIへのA/Bテスト導入
  • iPhone市場投入による、独自のUI/UX戦略
  • テック企業におけるデザイナー需要の大幅な増加(10年間で約250%の需要増!)
  • 需要は増えて存在意義の浸透は格段に進んだ、しかしこれからの10年はより一層デザイナーの存在感や表に立つ機会が増えるだろう
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Image Credit : “The Decade of Design”: How the last 10 years transformed design’s role in tech by Figma

上図データは、過去10年間における6社のデザイナー比率を表わしたものだそうです。どの企業においても、格段にデザイナー比率は上がっており、平均して7人に1人程度まで増加しています。そしてこれまでの過去10年は同社のようなクラウド型ツールなどでデザイナーの立ち位置を整えた時間であり、今後10年については、さらにデザイナーへの価値が高まることになると予測しています。

a16zによるFigmaへの出資は、これまで重要だったデザインがさらに重要になるであろう、トレンドのターニングポイントになるのではと感じています。

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仮想空間で文字入力はどうなる?ーーFacebookが「PinchType」で示したその方法とは

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ピックアップ:Facebook Researchers Present ‘PinchType’ Typing System For Hand Tracking ニュースサマリ:Facebook Reality Labsは4月25日、「PinchType」というVR/AR向けの仮想キーボードを発表した。標準のQWERTYキーボードを対象に、親指と各指をつまむように合わせる動作を認識して入力する手法を…

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Video Credit:ACM SIGCHI

ピックアップ:Facebook Researchers Present ‘PinchType’ Typing System For Hand Tracking

ニュースサマリ:Facebook Reality Labsは4月25日、「PinchType」というVR/AR向けの仮想キーボードを発表した標準のQWERTYキーボードを対象に、親指と各指をつまむように合わせる動作を認識して入力する手法を新たに開発した。

PinchTypeのプロトタイプでユーザーテストを実施したところ、平均タイピング速度が毎分12ワードをわずかに超える結果となった。比較として、QWERTYキーボードの平均は毎分40ワード、スマートフォンでは毎分35ワードであった。ただし従来のVR/AR向け仮想キーボードと比較すると、快適さで上回る結果を示している。

話題のポイント:今回、Facebookが発表したVR/ARのテキスト入力方法であるPinchTypeは「文字群に触れる」という点がユニークです。

26文字のアルファベットを左右の親指を除く8本の指に割当てて、どの指と親指を合わせるかで入力します。左の小指には「Q、A、Z」、右の中指には「I、K」といった具合です。以下の動画を見てていただければイメージできると思います。従来のキーボード入力で担当している指にアルファベットを割り当てているため習得コストは低いでしょう。

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Video Credit:ACM SIGCHI

仮に「BRIDGE」という文字を入力するとしましょう。その場合「左の人差し指>左の人差し指>右の中指>左の中指>左の人差し指>左の中指」の順にそれぞれの指を親指と合わせるだけで済みます。

ご覧の通り、何れかの指を親指と合わせる時、割り当てられたアルファベットのどれを入力したいかを指定する必要ありません。「BRIDGE」の最初の二文字のB、Rはどちらも左の人差し指が該当しますが、連続で親指に触ることでB、Rと自動で認識する仕組みとなっています。

この文字群を触るだけで入力ができてしまう妙手を支える技術は「言語モデル」と呼ばれるものです。単語同士や文書同士の関係について定式化したもので、自然言語処理の分野でよく用いられます。

残念ながら具体的にどのような定式で動かしているのかは公表されていませんが、公開された動画を見るに、選択された文字群の順番だけでなく、文章全体からワードの予測を行っていることが伺えます。ワード予測精度は自然言語処理に強みを持つFacebookがレバレッジをかけられる要素であると同時に、このテキスト入力方法が普及するかの生命線であることは言うまでもありません。

スマホの予測変換に身を委ねてテキスト交換をすることを想像してもらえればシステムを試すまでもストレスを感じれるはずです。今はまだない高いレベルの予測が必要となります。

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Image Credit:Oculas

そしてもう一つの生命線が「ハンドトラッキング」です。要は手がどのように動いているかを把握する技術のことですが、これまで十分堅牢な把握をカメラ単体で実現できたことはありません。

Facebookはスタンドアローン&カメラ単体、もしくはそれに準ずるハンドトラッキングに強いこだわりを見せています。ハットマウントディスプレイ(HMD)の煩わしさである価格・重量・PC接続を取り除くことを第一優先として、グローブ装着、深度センサーの組込みを採用しない戦術を取ってきました。

2016年のOculus Connect 3のグローブによるトラッキング技術の確立に始まり、2018年の開発者カンファレンスF8ではグローブで正確な手の動きをAIで学習してグローブレスなハンドトラッキングを発表しました。

そして2019年12月に初めてOculas Questにハンドトラッキングが導入され、完全な状態とは言えないものの確実にマイルストーンを達成し続けています。それも公言していた計画を1年近く前倒しのペースで進行しています。

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Oculas Connect 3でグローブによるハンドトラッキングに関する発表の様子ーーImage Credit:Oculas

引き続きハンドトラッキングの精度向上に取り組みつつ、次にFacebookが興味を示している「カメラに写らない場所での手の動きを如何に捉えるか」という課題と、言語モデルが成熟するタイミングが重なった時、彼らの社史の見出しを手にするほどのデバイスと一つの入力インターフェイスの答えが生まれることになるでしょう。

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期待値を込めて執筆している部分もありますが、現在のレーザーポインターで壁に貼ってる文字が書かれた紙を一文字づつ指すような体験では、ユースケースを広げるのが難しいのは明確です。5Gで通信量の制限が解除されてやってくるユースケースを広げる時期までに、足かせにならない答えを見つけなければなりません。

余談ではありますが、日本のテキスト入力はこれまで先鋭的だったと感じます。ガラパゴスだと揶揄されることもあるフリック入力、ガラケーのトグル入力。子音の「あかさたなはまやらわ」をキーとして、母音を指の動きに適応することで濁点・半濁点を含む83文字をたった11マスに閉じ込めた発想は卓越していました。

まさしく発音が豊富だからこそ生まれた日本が誇るべき創意の賜物です。VR/ARに片足を入れた今、もう一度世界に見せつける時がきたのではないでしょうか。

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「オフィスに集まる必要性」はあったのか?ーー著名投資家が語る“コロナ前後”で変化する世界観

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ピックアップ:Mary Meeker’s coronavirus trends report ニュースサマリー:元kleiner perkinsで、著名投資家のMary Meeker女史をパートナーとするVC「Bond Capital」が4月後半、同社投資先へ向けて「ポストCOVID-19市場」を分析したレポートを公開している。同レポートは全28ページで構成され、5つの重要なアウトライ…

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ピックアップMary Meeker’s coronavirus trends report

ニュースサマリー:元kleiner perkinsで、著名投資家のMary Meeker女史をパートナーとするVC「Bond Capital」が4月後半、同社投資先へ向けて「ポストCOVID-19市場」を分析したレポートを公開している。同レポートは全28ページで構成され、5つの重要なアウトラインに分かれている。

話題のポイント:Mary氏が毎年発行している「Internet Trend Report」は多くの起業家、投資家にとって指針のような存在になっているレポートです。読者のみなさんも一度は目にされたり読み解いたりされたりしたことがあるのではないでしょうか。

今回、同氏を中心に執筆されたレポート「ポストCOVID-19」は、「Our New World」と称しコロナ後(もしくは共存)の世界概念が一変する前提を元に描かれています。概要は大きく5つのトピックに分類されており、最初のトピックでは、COVID-19による経済的影響がどこまで長引くかに関する分析をしています。

経済回復の面ではできるだけ早く「人々が安全に外出できる指標」を示し、共通理解を広めることが大切で、それまでは政府資金を効率的に利用すべきだと主張しています。

(1)COVID-19 = Shock + Aftershocks
(2)Viruses + Microbes = Consistent + Periodic Agents of Disaster
(3)Creative Innovators (Globally + Together) Will Rise Above the Virus

2・3つ目のトピックでは、過去に私たちが対峙していた「ウイルス」と情報社会に生きる現代の私たちが対峙する「ウイルス」は全く別物であるという指摘をしていました。同レポートによれば、COVID-19に関する研究論文は既に3000件も発表されており、前例時と比較しても20倍のスピードでソリューションの発見へ動いているとしています。要は過去のパンデミックと比較して比べ物にならないぐらい動きが早い、ということですね。

さて、私たちにとって特に重要なのが4つめの「世界観の比較」です。3つの題材に分けてCOVID-19前後の世界観を比較しているのでもう少し詳しくみてみたいと思います。

(4)Rapid Changes Drive Growth in Both Directions

• Scientists / Engineers / Domain Experts Get Back More Seats at The Tables
• Work-Life Re-Balanced
• Digital Transformation Accelerating
• Rise of On-Demand Services as Economic Growth Driver Continues (for Consumers + Workers)
• Government’s Role in Stabilizing / Stimulating Economy (& Jobs) Must Be Enabled by Modern Technologies
• 2020 = Step-Function Year for Technology + Healthcare?
• Traditional Sports = Post COVID-19 Evolution Provides Real-Time

(5)The World Just Doesn’t End That Often = We Will Get Through This… But Life Will be Different

GAFAは正しかったか

情報社会をリードするテクノロジー企業の代表格Microsoft、Amazon、Apple、Alphabet(Google)、Facebookに焦点が当てられています。各企業を率いてきたリーダーたちが短・長期的(10〜20年単位)ビジョンに基づいてリードしてきたのが「データの有効活用」です。

テクノロジー企業はデータを取り扱うという性質上、プライバシーの観点で近年問題視され始めていました。一方、このデータがなければ例えばAppleとGoogleの大規模な協業のような動きは不可能です。

参考記事:GoogleとAppleがCOVID-19対策でタッグ、まずは公衆衛生当局アプリから

同氏はCOVID-19はこうしたデータドリブンな長期的計画を持つことの重要性を顕在化させたと指摘しています。これは、決してテクノロジー企業のみの話でなく、全ての業界・業種に共通点だったということを気づかせてくれます。また同時に今後、「彼らとサイエンティスト、エンジニア、各業界のエキスパート」がヘルスケアの観点で協業することが重要であるとも言及していますが、これらは実際に進むのではないでしょうか。

ワークライフは分散型へ

大きく変わるのがワークスタイルです。Mary氏は「Shelter-in-place」によってワークライフは分散型へと移行するのはほぼ確実、と指摘しています。ベイエリアのテック企業は3月2日以降、Work From Homeを実践してきましたが、そもそもそれ以前から「オフィスに集まる必要性」はあったのか?と疑問を呈しています。

We have often been in large open spaces at technology companies filled with people using laptops at standing desks while wearing headphones to tune out background noise… is there a better win-win arrangement?(テクノロジー企業の多くはオープンスペースで、スタンディングデスクを使って、ノートパソコンにずっと目を向け、周りの雑音を取り除くためヘッドフォンを取り付け黙々と作業する人で埋め尽くされるだけです…なぜそうした状況が生まれてしまったのでしょう?)。

BONDはリモートワークを始めた投資先企業に、以下のような質問をしているそうです(一例)。

  • あなたの会社は効率的になりましたか?
  • チームはハッピーになりましたか?
  • コミュニケーションツールには、ビデオカンファレンス・メッセンジャーのどちらを使うようになりましたか?

これらの回答を結論付けるのはまだ早いとしながらも、ほとんどの企業で効率性が同様もしくは向上されたとしているのです。また、家族との時間が増えたことやあらゆるフレキシビリティーが生まれたことで、幸福度も上がっているとしています。

興味深かったのは、ビデオ会議をすることで多くの人が集合時間を守り(中には5分前行動のように早く登場する人も!)、かつ予定される終了時刻に合わせテキパキと議論を進めるようになったと報告しています。

DXはもう止めたくても止められない

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、テクノロジー企業であろうがなかろうが関係なく導入を余儀なくされることになるだろうとしていました。DXの動きがCOVID-19によって明確に可視化されたことの影響は、日本国内でも「ハンコ廃止」や「EC・オンラインデリバリー」の加速などで実感している方も多いのではないでしょうか。

以下は、DXが急速に進むであろうと同レポートで指摘される一例です。

  • ローカルの古びたレストラン:店内からピックアップへシフト
  • ローカルスーパー:完全ECへシフト
  • ローカルのコミュニティー:リアルミートアップからデジタルへシフト
  • ブランドビジネス:完全ECへシフト、しかしブランドはデジタルでも強い
  • 学校:オンデマンド&バーチャルクラスへシフト
  • 家族の娯楽:移動からデジタルへシフト
  • 日用品:買い出しからオンデマンドデリバリーへシフト
  • 外食:イートインから、持ち帰りへシフト
  • 医療:対面型から、オンライン診断へシフト
  • 企業情報管理:紙からクラウドへシフト

オンデマンドP2Pに明暗

オンデマンドP2Pプラットフォームといえば、Airbnb、Uber、Lyftが挙げられます。現在、COVID-19により人の移動が制限されてしまい、フィジカルな移動が伴うAirbnb、Uber、Lyftのオンデマンドモデルの需要低下は避けられない状況になっています。一方、デリバリー面ではInstacart・DoorDashが需要拡大化してきており、オンデマンドP2Pの需要シフトが大きく始まっていると指摘しています。

今、この時点で判明していることを現在進行形で以下の4点です。

  1. 働き方が確実に変わってきている
  2. 多くの人が働く機会を失っている
  3. 多くの人が資金的に追い込まれている
  4. 3カ月、そして24カ月後のいずれも「予想は不可能」

同氏はこうした状況が、さらにオンデマンド型の働き方(需要が増える分)が新たなスタンダードになる可能性を指摘しており、それによる社会構成が再定義されることまで言及していました。

The World Just Doesn’t End That Often.(世界はそんな簡単に終わると思うか?)

さて、同レポートの結論部分で引用されるこの言葉は、2008年の金融危機の際T. Rowe Priceの会長・CIOであったBrian Rogers氏のものです。この発言を引き合いにMary氏は「…だけど、私たちの”生き方”は変わってしまう」と、COVID-19以降の世界観を最後に6つのポイントでまとめています。以下がその要約です。

  1. 主体性のある政府機関の発展と共に、ヘルスケア、教育分野がローコストかつ効率的に変化を遂げる
  2. 国民の「幸福度」が重要視され、政府・企業間の連携がさらに強まる
  3. 個人のライフバランスやスキルに準じた働き方が当たり前とされ、そうした体制がきちんと整えられていく
  4. いたずらな「消費」を良しとしない風潮になる
  5. 家族と時間を共にすることや、本当の幸せとは何かを追い求める社会となる
  6. 家族間の絆、人生で成し遂げたいこと、コミュニティー、信仰心などにより大きな意味が課せられていく

今回取り上げたMary Meeker氏(BOND)によるレポートは、なんとなく思い描いていた「COVID-19以降の世界観」を明確に統計的数値と共に言語化してくれていました。原文では、ここには載せていないような数値や企業からのコメントなどを用いて、さらに詳しく分析をしているので、一読ゆっくり目を通してみてはいかがでしょうか。コロナ後(もしくは共存)の世界観をより明瞭に思い描くことができるかもしれません。

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デジタルホワイトボード「Miro」が目指すコロナ時代の「ニュー・ノーマル」な会議

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ピックアップ:Online collaborative whiteboard startup Miro raises $50M  ニュースサマリー:オンラインコラボレーションツール「Miro」は24日、シリーズBにて5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はIconiq Capitalが務める。また、AccelやGoogleにてプロダクト・マネジメント部門副社長を務めるBradl…

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ピックアップ:Online collaborative whiteboard startup Miro raises $50M 

ニュースサマリー:オンラインコラボレーションツール「Miro」は24日、シリーズBにて5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はIconiq Capitalが務める。また、AccelやGoogleにてプロダクト・マネジメント部門副社長を務めるBradley Horowitz氏も同ラウンドに参加している。

同社は2011年創業で、オンライン上にホワイトボード型のコラボレーションツールを提供するスタートアップ。同サービスを利用すれば、リモートワークや分散型のグローバルチームが同時にブレインストーミングやアイデアの洗い出しを効率よく行える。同社によれば既にユーザー数は500万人を超えており、主要企業にはネットフリックス、CISCO、ロジテック、Spotifyなどが利用しているという。

話題のポイント:COVID-19の影響でリモートワークが一般的になりつつある中、オンライン会議ツールであるZoomやMicrosoft Teamsらが急成長し、さらにはFacebookが「Messenger Rooms」をリリースするなど環境整備が進んでいます。

ところで上述したようなビデオカンファレンスツールやSlackなどのチームチャットツールは、確かにCOVID-19以降、ユーザー数の面で急成長を遂げていますが、以前からも導入企業は格段に多い状況でした。しかし、社会全体がパンデミック以降「オフィスの必要性」を考え直し、Work From Home時代に突入した結果、浮き彫りになったのが働き方の課題です。

特にFace2Faceで繰り広げられていたクリエイティビティーな議論をどう維持するかについては大きな問題になっていると思います。

コラボレーションツールの有名どころでいえば、プロジェクト・タスク管理をオールインワン型で提供するnotionや、音声を通しリアルなバーチャルオフィスを提供するTandemなどが「クリエイティビティー維持」の面で注目されています。

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Miroも同様に、物理的距離を保ちつつリアリティの高い議論が行えることを特徴としてます。「会議」を行うだけなら、ビデオ通話で足りていると思われるかもしれません。しかしMiroでは、ビジネス的議論というより、プロダクト開発やUXリサーチ&デザイン、ユーザーストーリーマップの作製などクリエイティブな作業における議論を想定しています。ホワイトボードをベースとしたコンセプトもそれが主な目的だからです。

また、即座に利用が開始できるように目的に応じたテンプレートが数百の単位で用意されています。例えば、ブレインストーミングのセクションでは以下のように11のテンプレートが用意され作業効率性を維持・向上させるきっかけを提供しています。

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同社サービスはフリーミアムモデルを採用しています。通常、チームがある一定数を超えるとサブスク型課金が求められるのですが、同社では閲覧だけなら人数無制限でのサービス利用を提供しているのも特徴のひとつです(無料で編集できるユーザーアカウントは3つまで)。

COVID-19により、VCによる投資は特に2020においては減少気味になるとささやかれています。以前報じたように、あれだけトラベル・ホスピタリティー業界のパイオニアであったAirbnbでさえ同社の根本的コンセプトにメスを入れなければならないほど緊迫した状況であるのは間違いありません。

Coral CapitalのJames氏が同社ブログにて発信しているように、COVID-19によって「ニュー・ノーマル」が再定義され、そのパラダイムシフトの中でいかに進歩の機会をつかみ取るかが重要になってきます。

これからの世界では、なかなか以前のようにオフィスの一室に集まってUberEatsをオーダしながら、何時間も顔を並べて会議することはなくなるかもしれません。まさに、Miroが提供するバーチャル世界におけるホワイトボード付き会議室はそんな世界のニュー・ノーマルを感じさせるプロダクトになるのだと思います。

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「人もモノも運べる」タクシーの可能性、Lyftには12万人の応募が殺到

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ピックアップ:Lyft launches meal, grocery delivery service in several U.S. cities ニュースサマリ:配車サービスを運営するLyftは15日、食料品やレストランフード、衣料品などの生活必需品をオンデマンドでデリバリーするサービスをローンチしたと発表している。同サービスを利用すればドライバーは収入の機会を以前と同じように得られる。一方で…

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ピックアップ:Lyft launches meal, grocery delivery service in several U.S. cities

ニュースサマリ:配車サービスを運営するLyftは15日、食料品やレストランフード、衣料品などの生活必需品をオンデマンドでデリバリーするサービスをローンチしたと発表している。同サービスを利用すればドライバーは収入の機会を以前と同じように得られる。一方で予約者は現段階では政府機関、非営利団体、企業、医療機関のみに限られているようだ。

同社が3月20日に広告を出して以来、全米より12万人のドライバーがオンデマンド型宅配サービスのドライバーに申し込みがあったという。米国最大のライドシェアマーケットであるニューヨークでは、同市が直接的にタクシードライバーを雇い、自宅から離れられない層に向け配達事業の推進を実施している。

話題のポイント:この混乱期において、ライドシェアに新たな役割が与えられようとしています。宅配です。元々UberEatsにあるようなフードデリバリはここ数年で大きく成長していたわけなので、それをモノに変えるだけのことです。

そこで思うわけです。なぜ今までなかったの?と。その答えはこの記事にありました。

直接配達のUber Directは、Uberが2015年に開始したUberRushと呼ばれるサービスをベースにしている。UberRushは最終的に2018年に閉鎖されてしまったが、Uberはその失敗を通して得た教訓を急成長中のUber Eats事業に活かしているという(参考記事:Uberでモノを運べるように、家族・友人間の個人間配達「Uber Connect」を公開)。

あったんですね。こうやって考えるとタイミングというのは大変重要で、宅配から始まってフードデリバリに特化し、そして今回のパンデミックを期に宅配に戻った、と。

そしてこの流れは日本にもやってきています。かなり限定的な動きですが、日本交通が国の特例措置で料理配達を開始しました。東京都内限定で店舗も超高級店のみ、期間も5月13日までと、完全にテストケースですがそれでもタクシーってこういう使い方できるんだというのを証明してくれています。

そしてこれも大変興味深いのですが、少し調べてみると実は日本でもタクシーを宅配に使おうという動きは過去にもあったようなのです。

そもそもタクシーには国土交通省の事業許可(旅客自動車運送事業)が必要で、これを受けた事業者は、お客さんを乗せる業務に特化するように義務付けられているそうです。一方、荷物は貨物自動車運送事業の許可が必要で、荷物とは分けているんですね。

しかし、数が多いタクシーを宅配などに使うアイデアは先のUberRushのように誰もが思いつくもので、実は、2017年9月に国土交通省は「貨客混載(乗客と荷物を一緒に運送する)」についての規制緩和を実施しているのです。クロネコヤマトが過疎地域のバスを使って実施した貨客混載の事例が記憶に新しいかもしれません。

一方、これは過疎地域に限定したものでした。今回のように都心ど真ん中、さらに進んで日用品や食事のような小口を「個人宅」まで配達できるとなると大きなゲームチェンジが予想されます。

多くの死者や仕事を失った人たちなどのことを考えると、とても前向きになれない未曾有の災害ですが、その後に残った世界にとってはこれまでにない、新たな価値観や生活を創造するチャンスなのだなと改めて思わされるケースです。

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