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B向けKYCを提供するオーストリア発「kompany」、シリーズBラウンドでグローバル・ブレインなどから600万ユーロ(約7.5億円)を調達

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<6日午前7時更新> 接続方式に Web スクレイピングは利用していないため該当箇所を削除。 B 向け KYC サービスを提供するオーストリアの RegTech スタートアップ kompany は5日、シリーズ B ラウンドで600万ユーロ(約7.5億円)を調達したと発表した。このラウンドはスイス拠点のマルチファミリーオフィス Fairway Global Investments がリードし、日本…

kompany の経営チーム。左から:創業者兼 CEO Russel Perry 氏、CPO Andrew Bunce 氏、COO Johanna Konrad 氏、創業者兼 CTO Peter Bainbridge-Clayton 氏
Image credit: kompany via BusinessWire

<6日午前7時更新> 接続方式に Web スクレイピングは利用していないため該当箇所を削除。

B 向け KYC サービスを提供するオーストリアの RegTech スタートアップ kompany は5日、シリーズ B ラウンドで600万ユーロ(約7.5億円)を調達したと発表した。このラウンドはスイス拠点のマルチファミリーオフィス Fairway Global Investments がリードし、日本のグローバル・ブレイン、European Super Angels Club、kompany 経営陣が参加した。kompany にとっては初の機関投資家からの調達ラウンドとなる。

European Super Angels Club と kompany 経営陣は kompany が昨年8月に実施した前回ラウンド(シリーズ A ラウンドと推定される)にも参加している。今回の調達を受けて kompany の累積調達額は1,400万ユーロ(約17.5億円)に達した。なお、今回の調達にあわせ、グローバル・プレインのパートナーである上前田直樹氏は、kompany の社外取締役に就任する。

(編注:オーストリアの会社法によると、会社には director board と supervisory board が存在する。上前田氏は今回 supervisory board member に就任するが、便宜上、社外取締役と訳した。なお、supervisory board を監査役会と訳す文献も存在する。)

KYC(know your customer)とは、アンチマネーロンダリング(AML)やテロ資金供与対策(CFT)などの観点から、銀行が新規口座開設を受け付ける際などに義務付けられている本人確認手順の総称だ。kompany が提供するのは、これの企業版であり、kompany 社内ではこれを KYB(know your customer for business)と呼んでいる。

B 向け KYC は主に、企業が銀行口座を開設したり、国内外の取引先へ送金したりするとき、対象企業が正しく登記された法人であるかどうかの確認が求められるというもの。会社登記を確認するには、各国の所轄官庁(日本では法務局)に照会する必要があるが、kompany は世界の200の所轄官庁(現在は主に、EU 加盟27ヵ国やアメリカ50州それぞれの所轄官庁など)と Web スクレイピングや API 連携で接続しており、ユーザは一気通貫で対象となる法人の情報をオンラインで確かめることができる。

kompany 上で「グローバル・ブレイン」を検索してみた。(クリックして拡大)
Image credit: kompany

日本についても最近カバーされ、国税庁法人番号公表サイトとの API 連携により法人情報が照会できるようになっているが、社名のアルファベット読み替えが一部でうまく動作していないようで改善の余地はある。また、法務局の法人登記情報を照会できるようにするのは今後の課題のようだ。

kompany CEO の Russell Perry 氏は、BRIDGE とのインタビューで、現在、B 向け KYC には2つのトレンドがあると語った。

1つは、AML や CFT といったコンプライアンス順守を求められるようになる中で、以前に増して KYC のプロセスに自動化が求められるようになっているということ。より速く、コストや労力をかけずに、対象となる法人の存在を確認する必要があるためだ。

もう一つは、登記簿謄本のハードコピーといったスタティックな(静的な)文書よりも、政府や所轄官庁からリアルタイムで、タイムスタンプの入ったダイナミックな(動的な)認証を求められるようになっている点だ。

法人の存在証明などに提示を求められる登記簿謄本の写しは、所轄官庁の発行日から一定期間内のものに限られることが多かった。紙や PDF ファイルの形式で登記情報をを受け取った金融機関などの機械システムは、OCR で読み込むなり、人の目によるチェックが求められるので、情報整理に時間・労力・コストを強いられる。

また、 オンラインマーケットプレイスやブロックチェーンの普及で B2B 取引が加速化していることで、従来の商習慣で必要とされた以上に新鮮な情報に基づいて法人の存在が確認される必要が増している。世界的に見ても、リアルタイムでダイナミックな情報を求められるようになるのは当然の流れだろう。

Image credit: kompany

kompany では既にヨーロッパや北米地域のほとんどをカバーできるようになったのを受け、今回調達した資金を使って、東南アジア、オセアニア、アフリカなどにも進出したい考え。特に昨年、kompany はシンガポール MAS(金融管理局)が開催したフィンテックアクセラレータに採択されたこともあり、シンガポールにビジネス開発とセールスデスクを設置しており、東南アジアでの市場拡大の足がかりにする。

kompany の顧客に日本の企業がいるかとの質問に対し、Perry 氏は日本の銀行のヨーロッパ支店で使っているところはあるとしながらも、どの銀行が使っているかなどの情報はセンシティブであり開示できないとした。ただ、最近では、グローバル・ブレインも出資している RailsbanksolarisBank といった BaaS(Banking as a Service)も kompany のパートナーとなっており、将来はコンプライアンスプラットフォームなど金融以外の他のプラットフォームも顧客のコアターゲットにしたい、とのことだった。

グローバル・ブレインのデューデリなどを含む今回の調達に至るまでのプロセスは大変プロフェッショナルで組織化されていて、投資家として迎えるまで何度も我々のいるヨーロッパ、彼らのサンフランシスコ、東京オフィスなどと議論を重ねた。

我々が取り組むのは、2025年に必要となる未来のインフラ。世界のペイメントの生産性を高めるために何が必要かという共通の理解に基づいている。(Perry 氏)

kompany は今後、事業成長を加速するため AI を使った株主(実質的支配者)分析ツール「UBO discovery」と分散型台帳技術を使った監査証跡ソリューション「KYC onchain」の開発を強化する。

kompany は2017年と2019年、フィンテック特化投資銀行 FinTech Global らによる「世界の RegTech スタートアップ 100社」に選ばれた。

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「ネットで生鮮品を買う」はキャズムを超えるか

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 感染症拡大が小売に与える影響の大きさはご存知の通りです。 「ネットで生鮮品を買う」という大きなパラダイムシフトは起こるのかーー。 その答えは「ある課題」をクリアするために小売各社が大きく動いている今の現状をお伝えすることでご理解いただけるかもしれません。私たちフーディソンもまた、このコロナ禍という大きなうねりの中で、生鮮食料品のネ…

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感染症拡大を受けて魚ポチは屋外でのドライブスルー販売を実施

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

感染症拡大が小売に与える影響の大きさはご存知の通りです。

「ネットで生鮮品を買う」という大きなパラダイムシフトは起こるのかーー。

その答えは「ある課題」をクリアするために小売各社が大きく動いている今の現状をお伝えすることでご理解いただけるかもしれません。私たちフーディソンもまた、このコロナ禍という大きなうねりの中で、生鮮食料品のネット販売に挑戦した一人でもあります。

本稿では私たちの経験と合わせて、この可能性についてお伝えしたいと思います。

コロナ禍が引き起こしたEC需要の拡大

3密を回避した新たな生活様式が浸透したことにより、自宅で食事をする機会が急増した方も多いのではないでしょうか。

この「外出せずに食材を買うことのできるEC」に向かったという事実は数字にも出ていて、総務省統計局の家計調査によると、2020年5月の外食の支出額が前年同月比で55.8%減少しているのに対し、生鮮肉への支出額は23.4%増加するなど外食以外の食料支出は増加しているのです。

実はこれまでは食品関連の消費者向けEC化率は3%未満に留まるなど、他産業と比較しても低い水準で推移していました。

これが感染症拡大で一変したのです。

中でも大きな要因が「在宅」問題です。

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4月に始まった生鮮品EC「うおポチマルシェ(β版)」

以前から食品ECを利用する理由として「共働き世帯の増加」による家事負担軽減需要があったのですが、現在は外出自粛で家にいる時間が多くなったことにより、特に食事における負はこれまで以上に大きくなっているようでした。

例えば私たちの実施したユーザーインタビュー(※1)でも「今はずっと子供たちもリモートで家にいる、3食つくるのが面倒」「コロナの前はみんなが同じ時間にいなかったので食事について話す機会があまりなく悩みも少なかった」という声が挙がっていました。

このような状況から、コロナ流行以来、生協やネットスーパーでは欠品が相次ぎ、新規の購入が一時停止されるなど需要が殺到。AmazonやZOZOの登場により本や衣類をネットで買うことが一般化したように、食の領域でも同じようなことが起こる大きなきっかけとなるかもしれません。

ネットで生鮮食品を買うハードル

もう一点考察しておくべき事項があります。それが「なぜこれまで期待されている以上に食品ECは普及してこなかったか」という点です。いくつか私たちユーザーインタビューから得られたインサイトと共に共有したいと思います。

一つは食品以外のECでも不安としてあげられる「実物を見て購入できない」という点がやはり大きいです。特に生鮮品においては鮮度や安全性が重要であり、ECで実物を見ずに購入することに不安を感じている消費者は多いです。

私たちのユーザーインタビューでも「スーパーだと手に取ってすぐ決められるが、ネットは感覚的にどれがいいかがわかりにくい」、「量が思ったより多いとか、思ったより大きさが小さかったとかあってわかりにくい」という意見がありました。

また、食事はその時の忙しさや気分によって決めていくことが多いため、必要な食材が必要な時に届くことが他のEC以上に重要になってきます。これが満たされないと日常的な利用には繋がらない、ということも分かってきています。

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生鮮品に必要な「当日配送」のハードル

例えばユーザーが配送で重視することとして「当日または翌日届く」と回答したユーザーが37%、「配送時間を選べる」が30%、「配送日が選べる」が29%と、多くの消費者が注文から早く届くことや希望日時での配達を望んでいることが見えてきています。

ただし、これらの要望に応えていくことは簡単なことではありません。視点を変えて事業者の目線でこの課題を考えると次のような課題が浮き上がってきます。

  • スーパーは、店舗で販売することにオペレーションやシステムが高度に最適化しており、そこにECが加わるというのは単純に販売チャネルが一つ増えるというだけでなく、ECにあわせた仕入や物流の体制を一から別途構築していく必要がある
  • 販売可能な商品は日々店舗ごとで仕入れているラインナップ・数量に限定されるため、チャンスロスと在庫リスクのバランスを見ながら店舗在庫とサイト上の在庫を連動させる必要がある
  • 各店舗でECサイトへの掲載作業やピッキング、配送の対応をする必要があるためこれらを担う人員の確保や効率的なオペレーション設計・継続的な改善を行っていく必要がある

これらを実現するには従来の店舗での業務とは全く異なるナレッジやマインドが必要になるため、簡単に乗り越えられるハードルとは言い難いのがこれまででした。

また生協などの店舗を持たない事業者の場合、店舗という物流拠点・販売チャネルがないため、在庫リスクをスーパーほどは取れず、受注を受けてから手配する商品も多いため配達までのリードタイムが長くなるなどの課題があり、結果週に1回決まった日時にしか配送ができないなどのサービス上の制約が出てくる、というケースもあります。

改めて:「食のECはキャズムを超えるのか」

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こだわりの生鮮品ネットスーパー「Perrot」

それではどうすればもっと食のECが普及するのか。実は、この状況も踏まえ、ダイナミックに大きく動いているのは大手です。幾つかの動きをご紹介します。

  • 例えば国内トップの小売企業イオンは2019年11月に英国のネットスーパー企業Ocadoとの提携を発表し、2023年には最先端の中央集約型倉庫の設立し「次世代ネットスーパー」の立ち上げを目指すとしている
  • セブン&アイホールディングスは既に西日暮里にネットスーパー専用の店舗を開設
  • 楽天と西友は「楽天西友ネットスーパー」専用の物流センターを2020年秋頃より稼働予定と発表
  • オイシックスも2021年9月に大型の物流センターを新たに設立予定で、更なる需要拡大に備えている(オイシックス・ら・大地株式会社 FY2020/3 決算説明資料より)

ということで、現在巻き起こっている生鮮食料品ECに関する状況を幾つかの視点で共有させていただきました。

確かにこれまでは物流、IT、食の安心安全など食のEC化にはハードルが多く存在していました。しかしコロナ禍という急激な環境変化でひっ迫した需要はそれらを大きく変化させており、各社対応を急いでいることからも、キャズムを超えて食品ECがマスマーケットに浸透する日はそう遠くないのではないかと考えています。

本稿は消費者向け生鮮品EC「perrot(ペロット)」、飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ(うおぽち)」、いつも新しい発見のある街の魚屋「sakana bacca(サカナバッカ)」、フード業界に特化した人材紹介サービス「フード人材バンク」を開発・運営する株式会社フーディソン経営管理部、松本広大氏によるもの。Twitterアカウントは@matsuko_dj。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。

※1:株式会社フーディソンが運営する消費者向け生鮮品EC「perrot(ペロット)」のユーザーに2020年6月、7月に行った電話インタビュー

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35億円調達のフォトシンス、キーレス社会の新戦略「Akerun ID」発表ーー三井不動産とは実証実験も

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スマートロック「Akerun」を開発・展開するフォトシンスは8月4日、キーレス社会を実現するアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence(アケルン・アクセス・インテリジェンス)」と新サービス「Akerun来訪管理システム」を公表した。三井不動産とは来訪管理システムにおいて実証実験も開始する。 また、同社はこれに合わせて増資の実施も公表している。第三者割当増資の引受先となっ…

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三井不動産の新オフィスで開始した「Akerun来訪管理システム」の実証実験

スマートロック「Akerun」を開発・展開するフォトシンスは8月4日、キーレス社会を実現するアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence(アケルン・アクセス・インテリジェンス)」と新サービス「Akerun来訪管理システム」を公表した。三井不動産とは来訪管理システムにおいて実証実験も開始する。

また、同社はこれに合わせて増資の実施も公表している。第三者割当増資の引受先となったのは農林中央金庫、NTTドコモ・ベンチャーズ、31VENTURES、LINE Ventures、凸版印刷、BSPグループ、スクラムベンチャーズ、常陽産業研究所、グロービス・キャピタル・パートナーズなど。

これに新生銀行、日本政策金融公庫、みずほ銀行、常陽銀行などからの融資を加えて調達した資金は35億円。同社の累計調達額は50億円となった。さらに同ラウンドのリードインベスターを努めた農林中央金庫から大坪達也氏が社外取締役として就任する。調達した資金は「Akerun Access Intelligence」を推進するための研究開発費や、サポート、営業などの体制強化に投じられる。

スマートロック「Akerun」は鍵をクラウド化して利便性やセキュリティの向上を実現するIoTサービス。ユーザーの入退室を管理する法人向け「Akerun入退室管理システム」も合わせて提供しており、導入規模は4500社にのぼる。

公表された新戦略「Akerun Access Intelligence」は、ビジネスからプライベートまで全ての鍵をクラウド化する構想。ユーザーが普段利用している交通系ICカードやスマートフォン、社員証・入館証といった固有のIDをメールアドレスや電話番号といったデジタルのIDに組み合わせて「AkerunユーザーID」として登録する。これにより、オフィスやビル、自宅などでこのIDを鍵にさまざまな空間へのアクセスを可能にしようというもの。

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アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence(アケルン・アクセス・インテリジェンス)」

また、この構想を具体的に推進するための管理クラウドサービスとして「Akerun来訪管理システム」を新たに発表した。従来、大型のオフィスビルではセキュリティゲートや受付などによるアクセス制限が設けられることが多く、来訪者の受付時に社名の手書きやこれらをデジタル管理する際の手間が問題視されていた。また、身分証明書についても目視では信頼性に欠けるという課題があった。

これを受けてフォトシンスでは既設のセキュリティゲートにも後付けで設置できる「Akerun来訪管理システム」を開発し、来訪者であっても交通系ICカードを「AkerunユーザーID」として事前登録しておくことで、これらのセキュリティをスムーズに通過できるようにした。

これまでAkerunを利用していた企業であれば、「Akerun入退室管理システム」と組み合わせることも可能で、従業員は来訪者と同じく、AkerunユーザーIDと紐づいたキーで決められた場所へのアクセスが可能となる。

今回出資した三井不動産とは同社が運営する日本橋室町三井タワー新オフィスにてこれらの来訪管理システムの実証実験も実施する。三井不動産はこれまでにもAkerunの利用を進めており、今回の協業につながった。

via PR TIMES

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GitHub解析でエンジニアを採用支援する「Findy」運営、シリーズBラウンドで7億7,000万円を調達——グローバル・ブレインなどから

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GitHub 解析によるエンジニアスキルの見える化をコア技術に、エンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するファインディは3日、シリーズ B ラウンドで7億7,000万円を調達したと発表した。このラウンドにリードインベスターはグローバル・ブレインで、ユナイテッド、SMBC ベンチャーキャピタル、KOIF(KDDI Open Innovation Fund)、JA 三井リース、博報堂 DY …

Image credit: Findy

GitHub 解析によるエンジニアスキルの見える化をコア技術に、エンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するファインディは3日、シリーズ B ラウンドで7億7,000万円を調達したと発表した。このラウンドにリードインベスターはグローバル・ブレインで、ユナイテッド、SMBC ベンチャーキャピタル、KOIF(KDDI Open Innovation Fund)、JA 三井リース、博報堂 DY ベンチャーズ、みずほキャピタルが参加した。なお、調達金額には金融機関からのデットファイナンスが含まれる。

これはファインディにとって、2019年6月に実施したシリーズ A ラウンドでのグローバル・ブレインからの約2億円の調達に続くものだ。それより前、同社は PKSHA Technology 代表取締役の上野山勝也氏、レアジョブ代表取締役社長の中村岳氏、クロス・マーケティング代表取締役社長の五十嵐幹氏など複数の個人投資家から資金調達している。創業来の累積調達金額は10億円前後に達したと見られる。

ファインディは、エンジニアと企業の高精度マッチングにより、企業にとってはエンジニアの効率的な採用、エンジニアにとっては効率的な転職支援するスタートアップだ。2017年5月から「Findy転職」、2018年2月から「Findy Freelance」、2020年4月からエンジニア組織の生産性自動診断・生産性向上サービス「Findy Teams」β版を提供している。エンジニアが GitHub の公開レポジトリ上に公開したコードを AI 解析、開発言語別の偏差値を算定し、エンジニアのスキルや他者から支持などを見える化するのが特徴。

「Findy Teams」
Image credit: Findy

ファインディ CEO の山田裕一朗氏によれば、エンジニアの転職業界も新型コロナウイルスの影響は少なからず受けているものの、一部企業の採用鈍化により、逆に採用を積極化している企業にとっては良いエンジニアを採用できる好機に転じているようだ。

2月から3月にかけては、採用の速度はあまりよくなかったことも事実。ファインディでは内部体制が十分でなかったこともあり、この数ヶ月間、マネジメント層の採用を厚くして、4月から5月にかけてキャッチアップしてきた。4月にリリースした Teams の開発に注力すべく、エンジニアも一気に増やした。

以前はスタートアップ同士の(エンジニア採用面での)競合が多く、エンジニアも5つ6つと内定を持っている人が多くて、内定を出しても断られることが多かった。しかし当社の認知度が高まったことや、競合他社が採用を抑制したことから、優秀なエンジニアを採用しやすくなっている。

(情勢の不安定さから)スタートアップは手元にキャッシュを残しておきたいところが増える中、エンジニア採用の厳選化が始まったという印象を受ける。一方で需要は増えていて、例えば、日経のような大企業のエンジニア採用が増えてきた。三菱重工も以前は実施していなかった中途採用を始めた。このような動きを追い風にしていきたい。

データサイエンティストへの需要も高まっているようだ。データ基盤やフロントエンド開発を外注から内製に切り替える企業が増えていることも影響している。このような企業では、サービスを運営する上で社内にデータを多く保有しているのにもかかわらず、サイエンティストの不足からデータ解析を十分に行えていないことが大きな課題となっている。

同社では今後、Findy Teams の開発を強化する。これは、GitHub 上のエンジニアの行動データを分析し、チームの好不調、開発プロセスの課題、プロジェクト貢献度を見える化しフィードバックするというもの。日経の報道によれば、このサービスは2021年初めに正式化される見込みで、同年中の導入企業数を300社程度としている。

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カスタマーサクセスの「チャネルトーク」韓国系ファンドから2.5億円調達、社名変更も

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熱狂的ファンを作るカスタマーサクセスチャットの「チャネルトーク」を提供するChannel Corporationは3月17日に実施した2億5000万円の資金調達を公表している。引受先となったのは韓国の投資会社KB InvestmentやAtinum Investment、LAGUNA INVESTMENTの3社。また、同社はこれに合わせて社名の変更(旧社名はZOYI Corporation)も伝え…

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チャネルトークウェブサイト

熱狂的ファンを作るカスタマーサクセスチャットの「チャネルトーク」を提供するChannel Corporationは3月17日に実施した2億5000万円の資金調達を公表している。引受先となったのは韓国の投資会社KB InvestmentやAtinum Investment、LAGUNA INVESTMENTの3社。また、同社はこれに合わせて社名の変更(旧社名はZOYI Corporation)も伝えている。今回の増資で累計資金調達額は11億8000万円となる。

チャネルトークはファンを作る顧客コミュニケーションツール。受動的になりがちなカスタマーサポートを積極的に顧客とコミュニケーションすることで、サービスの機能活用やリピート利用・購入を誘導するカスタマーサクセスへ導くとしている。接客チャット・サポートbot・カスタマーマーケティング・社内チャットの4つの機能を提供しており、新規獲得から、顧客のエンゲージメントやLTV向上に貢献する。

これまでの利用実績は2万8000社で、今回調達した資金は既存顧客のエンゲージメント強化のためのマーケティング費用として投じられる。

via PR TIMES

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ロンドン発のお金の節約・貯蓄自動最適化アプリ「Plum」運営、GBや欧州開銀などから1,000万米ドルを調達——欧州・アジアに進出へ

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AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である Ventu…

Plum のメンバー。手前左でテーブルに腰掛けるのが共同創業者兼 CEO Victor Trokoudes 氏。
Image credit: Plum

AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である VentureFriends も参加し、イギリス政府のスタートアップ支援ファンド「Future Fund」からも助成を受けた。同社の創業以来の累積調達金額は約1,930万米ドル(約26.3億円)に達した。

Plum は、以前 TransferWise の国際オペレーション責任者を務めた Victor Trokoudes 氏らにより創業。ユーザが Plum のアプリを自分の銀行口座と紐づけることにより、収入・支出(光熱費や通信費・クレジットカード利用代金)・貯蓄余力などをモニタリング。AI により貯蓄余力分を高利回り商品で運用したり(普通預金から定期預金への乗り換えなど)、利用状況に応じてより安いプランの光熱費をレコメンドしたりする。ユーザは意識することなく生活における出費を抑えることができ、節約・貯蓄・投資を自動化することで個人の金融を最適化してくれるサービスだ。

Trokoudes 氏によれば、今回の資金調達を受けて、Plum はターゲットとする市場を現在のイギリス国内からヨーロッパ全体へと拡大する。

次の四半期では、特にフランスとスペインへの進出に注力する。お金を貯蓄することに対して大きな需要があるからだ。(Trokoudes 氏)

モバイルアプリ「Plum」
Image credit: Plum

Plum の海外進出において次にどの市場を狙うかは、この「お金を節約・貯蓄することへの需要」が大きく関係している。その市場に住む人々の平均的な収入と支出とのバランス、価格を比較して複数のプロバイダの選択肢から電気・ガス・水道などの契約を選べるか、銀行からオンラインバンキングでアカウント情報をアグリゲーションできるようオープンな環境を提供しているか、などにもよる。

ヨーロッパ進出の次にはアジア市場を狙うと Trokoudes 氏は語った。具体的には市場が大きい、日本、香港、シンガポール、インドネシア、インドなどだ。多くの欧米のスタートアップがそうであるように、ターゲットに中国市場は含まれない。具体的な時期については言及はなかったものの、Trokoudes 氏は TransferWise の日本進出にも関わったことから、Plum のターゲットに日本が含まれることを強調した。この点において、今回投資家となったグローバル・ブレインは日本の金融機関やプロバイダと Plum が関係を構築していく上で協力すると推定できる。

Plum は新型コロナウイルスの感染拡大を追い風にユーザを増やし、今年1月以降のユーザの貯蓄総額がそれまでの5倍に増え、電気・ガス・水道などのプロバイダ変更が163%に増えたという。人々が屋内にいることを余儀なくされ、生活費の抑制を行おうとした結果が如実に現れた形だ。これまでに100万人がアプリを利用しており、2021年末までにイギリス、スペイン、フランスでユーザ数500万人の獲得を目論む。

この分野では、競合になり得るスタートアップとして、いずれもロンドンを拠点とする MoneyBoxCleoHyperjar などが存在するが、Trokoudes 氏によれば、いずれも投資の最適化にフォーカスしているものが多く、節約や貯蓄にフォーカスしているものとしては Plum が唯一無二ではないかと言う。同社では今回調達した資金をもとに、プロダクト開発、オペレーション、マーケティング人材を増強する。現在、ロンドン、アテネに60人以上いるメンバーを2020年までに80人体制までに拡大する計画だ。

<参考文献>

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銀行機能をモジュール化、BaaS企業「solarisBank」が大型調達ーーグローバル・ブレインらも支援

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ピックアップ:Banking platform solarisBank raises $67.5 million at $360 million valuation ニュースサマリー:ドイツ・ベルリン発のBanking as a Service(BaaS)企業「solarisBank」がシリーズCで6,750万ドルを調達した。投資家はHV Holtzbrinck Venturesをリードに、Sto…

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Image Credit : solarisBank

ピックアップBanking platform solarisBank raises $67.5 million at $360 million valuation

ニュースサマリー:ドイツ・ベルリン発のBanking as a Service(BaaS)企業「solarisBank」がシリーズCで6,750万ドルを調達した。投資家はHV Holtzbrinck Venturesをリードに、Storm Ventures、Samsung Catalyst Fund、Yabeo Capital、Vulcan Capitalの5つが参加している。既存投資家にはグローバル・ブレインやSBI Groupなどの日本企業も名を連ねている。

solarisBankがエンタープライズ向けに提供するBaaSとは、銀行サービスをオンデマンドで機能別に提供するビジネスモデル。同社は主に欧州圏のフィンテック企業に対し、決済や送金、KYC、カード、レンディングなどの銀行機能をモジュール化し提供している。

当初、solarisBankは4,000万ドル程度の資金調達を予定していたそうだが、投資家サイドからの需要が予想を上回り、結果6,750万ドルという大型の資金を手にする形となった。本資金は、さらなる機能拡張に使われていくという。

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Image Credit : solarisBank

話題のポイント:BaaSは現在のフィンテック業界では比較的大きなムーブメントとして認識されています。米国のVCであるa16zも、BaaSの充実によって「全ての企業はフィンテック企業になる」とアピールしています。

世の中には様々なタイプのBaaS企業が存在していますが、solarisBankはその代名詞と言っても過言ではありません。以下は同社が提供するモジュールリストですが、全ての銀行サービスを網羅していることが分かります。

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Image Credit : solarisBank

さて、具体的にsolarisBankが提供している商品は何なのでしょうか。それは「ライセンス」と「APIモジュール」の2つです。

まず同社自体が銀行免許を保有しているため、solarisBankをインフラにするクライアント企業は銀行ライセンスを取得する必要がありません。加えて、上図にリストされている銀行機能(モジュール)に簡易的にアクセスできるAPIのおかげで、クライアント企業は開発コストを格段に下げることができます。

solarisBankは現在70以上のクライアント企業を抱えており、そのほとんどは欧州ないしドイツのフィンテック企業です。例えば、チャレンジャーバンクの「Tomorrow」や「Insha」、ビジネスバンキングを提供する「Penta」や「Kontist」、株式トレードアプリ「Trade Republic」、暗号資産アプリ「Bison」や「Bitwala」などが挙げられます。

欧州地域は日本同様に、現在でも未だ人々の外出をする要請及び規制が敷かれています。現在、筆者が在住しているドイツでも銀行支店やショッピングモールのオープン時間は制限されており、人々がオンラインの銀行アプリ及びEコマース(オンライン決済)にアクセスする機会は増加しています。

<参考記事>

以上の背景を踏まえると、solarisBankのクライアント企業のほとんどが急成長中であり、増益を記録していると考えることができます。したがって、それらのクライアント企業のサービスの機能拡張に伴う同社のAPIへの需要増加や、クライアント企業数の増加は容易に想像/期待できるでしょう。

solarisBankの収益は、モジュールへのアクセスや決済/送金から徴収される手数料から成り立っています。つまり、同社のビジネス自体も現在大きな成長を見せているはずで、投資家が目を光らせるのも当然です。

最近、同社はAmerican Expressと連携しSplitpayという分割払いサービスの提供を始めました。このモジュールを組み込むことで、ドイツのEコマースプラットフォームは、American Expressで買い物を行うユーザーに簡単に分割払いオプションを提供できるようになりました。

ドイツ国内及び欧州のいくつかの地域では、solarisBankの存在感は既に非常に大きいものです。ですが今後数年で、BaaS企業として実績を積んでいくことで、欧州全土及び世界全体へ拡大していくシナリオも考えられるのではないでしょうか。

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2020年・エコシステムはどう変わる(1)スタートアップの投資判断

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まるで5年、いや10年という時を飛び越したかのような気持ちになる。 今年のはじめ、私は2030年までの10年間を占うために幾つかの記事を公開した。投資家たちの言葉に耳を傾けた「次の『10年パラダイムシフト』を探る旅、投資家たちが語るスタートアップ・2030」がそれだ。 この中で語られるデジタルシフト、働き方の変革、お金の概念、ロボットたちとの共存。テクノロジーが私たちの世界を徐々に浸透し、10年た…

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まるで5年、いや10年という時を飛び越したかのような気持ちになる。

今年のはじめ、私は2030年までの10年間を占うために幾つかの記事を公開した。投資家たちの言葉に耳を傾けた「次の『10年パラダイムシフト』を探る旅、投資家たちが語るスタートアップ・2030」がそれだ。

この中で語られるデジタルシフト、働き方の変革、お金の概念、ロボットたちとの共存。テクノロジーが私たちの世界を徐々に浸透し、10年たった2030年に「さて、実際はどうなったのか」と答え合わせをするはずだった。

しかし全ての予定は変わってしまった。いや、まさかと思ったが、世界の方から変化を求めて「やってくる」とは思っていなかった。

感染症はもちろん怖い。自分の大切な人を奪っていくからだ。疲弊している人たちもいる。だから手放しに喜ぶことではない。けど、それでも変わる世界に、希望を持って進んでいくのがスタートアップの使命だ。

一方で本当に世界は変わるのか?一時的な混乱で元に戻るのでは?と思う自分も確かに存在する。何が変わって何が変わらないのか、何がじわじわと変化するのか。

そこで本稿では年初にまとめた「次の10年パラダイムシフト」の補足版として、スタートアップ世界に何がこれから起ころうとしているのか、改めて彼らの声に耳を傾けて次の4項目にまとめてみることにした。

  • (1)スタートアップの投資判断
  • (2)激変するオフィスと働き方
  • (3)デジタル化する経済「DX」大航海時代
  • (4)エンターテインメントの未来

変わらないスタートアップの投資判断

まずなにより大切なのは「今を生きる」投資家や起業家たちの生の言葉だ。例えば企業のほぼすべてが投資をストップする、という調査結果を掲載している報道もある。本当にそこまで極端な状況なのだろうか?

グローバル・ブレインが実施した調査「 αTrackesアンケート」(事業会社・CVC21社が匿名で回答)と、独立系ベンチャーキャピタルCoral Capitalが実施した「JAPAN STARTUP LANDSCAPE(2020年版・4月〜5月に83人の起業家・18人の投資家が匿名で回答)」、そして私が5月に実施した主要なスタートアップ投資を手がけるVC・CVCアンケート(13社が記名でコメント回答)の結果を合わせて整理してみた。

投資サイドの考え方はどうだろうか。

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Image Credit : Global Brain Corporation

αTrackesのアンケートで「投資を控える」としたのは10%未満、私が実施したアンケートでも全員が基本的な投資スタンスはこれまでと変わらない、と回答していた。

一方で、今の混乱がおさまって落ち着いて投資ができるようになるには1年後、来年の春以降と考えている人も多い。また、JAPAN STARTUP LANDSCAPEの設問「資金調達環境は悪くなるか」で投資サイド全員(18社)が「悪くなる」と回答している。

投資スタンスは変えないが資金調達環境は悪く、状況が回復するまでに時間を要する。

ーーこの一見矛盾するような状況はなぜ起こるのか。私が実施したアンケートのコメントを一部紹介したい。まずはスタートアップに積極的な投資を続ける専業の独立系VCの見方だ。

「投資スタンスは基本不変ですが、B2Bではインターネットがより既存産業の根幹に入っていくことが予想されますし、B2Cではよりオンラインとオフラインのシームレスなサービス設計が重要になっていくので、これらをなし得るより強いチームへ投資していきます」(ジェネシア・ベンチャーズ代表取締役/General Partnerの田島聡一氏)。

「投資判断への影響はネガティブ、ポジティブ両方あります。まず、ネガティブな面から。シードファンドとしては起業家そのものに投資をさせていただくという側面が強いため、その起業家と直接会うことなしに投資判断をするのは難しいと感じています。今でもやはり最終的には会って、お互いの相性を含めて判断したいため(そのほうが起業家にとってもよいと思います)、その点で投資判断が以前より遅れがちな部分があります。ポジティブな面としては、オンラインで全国津々浦々、どんどん起業家の皆さんの話を聞けるようになった点です」(IDATEN Venturesの足立健太氏)。

一方、独立系VCとはややスタンスが異なるCVC各社もほぼ同様だ。ネガティブ要因として直接、出資先候補に会えない点を挙げている投資家は他にもいた。しかし、彼らも投資方針は別に変えていない。

「コロナ禍までは予測できませんでしたが、経済状況の変化は想定していたのでこのタイミングでCVCを設立しています。今回の件によってスタンスを変えることなく、攻めの姿勢は変わりません。今後、積極的に価値のあるスタートアップには投資していきます」(ヤマトホールディングス専務執行役員の牧浦真司氏)。

「31VENTURESとしては、特に新規および追加投資方針そのものには変化はありません。ただし、運転資金をどれだけ確保できているか、ならびに『Post COVID-19』を見据えて起業家がどのように自らの事業を捉えているのかについては、これまで以上に厳しく問うことになると思います。また、下降局面において起業家側に経営存続を求める以上、CVC側もその運営を継続するために一層の努力を行う必要があるとも考えています」(31VENTURESのグループ長、小玉丈氏)。

つまり各社「何も変わらない」と言ってるわけではない。

特にややバブル気味だった2010年代後半の資金調達環境に対して、筋肉質な経営を求める声は多かったのも事実だ。例に挙げるまでもないが、WeWorkとソフトバンク・ビジョン・ファンドの顛末はその象徴として語られることになるだろう。また事業についても、アップデートされた社会に対応したものが求められるのは言うまでもない。

筋肉質な経営を求められるスタートアップ環境

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Image Credit : Coral Capital

では、スタートアップ側の状況も見てみよう。JAPAN STARTUP LANDSCAPEによると、昨年、8割近くが「起業のタイミングとして適している」としていた回答が、ややトーンダウンしており、7割近くが起業すべしとする投資サイドとの食い違いを見せた。また、以降の調達ラウンドが厳しくなるか、という問いに対しては7割以上が「厳しくなる」と回答している。

つまり、市況の変化だけでなくコロナ禍によって大きく社会に変化が生まれ、このギャップにビジネスチャンスは見出せるものの、投資環境についてはここ数年のようなやや緩い状況はなく、また、数が増える分競争環境が厳しくなる、という見方が浮かび上がってくる。

少しエピソードをご紹介しよう。

YJキャピタルの堀新一郎氏とポッドキャストで公開取材した際、今回の混乱で出資先の動きが大きく分かれたと教えてくれた。不要なオフィスの解約判断、人材についてもランク分類をした上で、いつまでにこの状況が改善されなければ休職や解雇の経営判断をするなど、迅速に動いた経営者とそうでない人で1カ月ほどのタイムラグがあったそうだ。

特に人材のカットは非常に重い。しかしスタートアップ経営は本来、厳しい環境にあるもので、ここに対する考え方や準備ができていたかどうか、今回の件が期せずしてそういったリトマス試験紙になったのは注目に値することだと思う。

恐らくこれから起こることとして、シード期についてはよりチーム、創業者の経験や総合的な「能力」は問われることになるだろう。シリーズAというハードルについては、ビジネスモデルの確かさ、ユニットエコノミクスの正確性、市場規模とスケーリング、そして何より、今のこの新しい世界観・トレンドの風を捉えたものから先に選ばれることになるはずだ。

また、CVCや事業会社の投資であればシナジーや本業への貢献はより正確に見積られることになるのではないだろうか。

次回は大きく変わった働き方、オフィスの考え方についてまとめてみたい。

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リファレンスチェック「back check」運営のROXXが9億円を調達

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HRTechのサービスを展開するROXXは5月18日、グローバル・ブレインおよび日本郵政キャピタルを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達ラウンドはシリーズBで、調達した資金は9億円。これまでの累積調達総額は約20億円となる。 調達した資金は、人材紹介会社向けの求人流通プラットフォーム「agent bank」と月額定額制リファレンスチェックサービス「back check」へ投資すると…

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HRTechのサービスを展開するROXXは5月18日、グローバル・ブレインおよび日本郵政キャピタルを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。調達ラウンドはシリーズBで、調達した資金は9億円。これまでの累積調達総額は約20億円となる。

調達した資金は、人材紹介会社向けの求人流通プラットフォーム「agent bank」と月額定額制リファレンスチェックサービス「back check」へ投資するとともに、両事業の採用を強化するとしている。

agent bankは人材紹介会社が月額利用料のみで自社の抱える転職希望者を掲載企業に紹介できるサービス。単月紹介数は約1万件規模となっている。back checkは書類選考や面接だけでは分からない、採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚といった一緒に働いた経験のある第三者から取得することができるリファレンスチェックサービス。従来のリファレンスチェックサービスと比べて1/10程度の低単価での実施が可能。2019年10月に正式リリースし、2020年2月時点で累計導入企業数は300社を突破している。

同社は、両サービスへの積極投資により、テレワーク環境下の採用オンライン化をサポートしていくという。

via PR TIMES

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Startup Investor Track、スタートアップピッチをオンライン開催ーー事業会社など130名が画面越しに熱視線 #SIT

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国内の独立系ベンチャーキャピタル(VC)や個人投資家らが参加する「Startup Investor Track(SIT)」の運営事務局は5月19日、スタートアップ10社のピッチイベントを開催した。ウェビナー形式で実施されたもので、物流特化のファンドを立ち上げたヤマトホールディングスやKDDI、JR東日本スタートアップなどの事業会社と、ANRIやグロービス・キャピタル・パートナーズなどの独立系VCら…

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オンライン開催となったStartup Investors Trackのピッチイベント

国内の独立系ベンチャーキャピタル(VC)や個人投資家らが参加する「Startup Investor Track(SIT)」の運営事務局は5月19日、スタートアップ10社のピッチイベントを開催した。ウェビナー形式で実施されたもので、物流特化のファンドを立ち上げたヤマトホールディングスやKDDI、JR東日本スタートアップなどの事業会社と、ANRIやグロービス・キャピタル・パートナーズなどの独立系VCらから130名がオーディエンスとして参加した。

アーリー期の10社がオンライン登壇してピッチ

オンラインで投資家・事業会社に向けてアピールしたのは次の10社。

Seibii:車のオンデマンド整備・修理出張サービス。国家資格を持った整備士が自宅やオフィスに出向いて整備・修理をしてくれる。オンライン予約と事前決済の仕組みを提供。

ChillStack:スマホゲームやコンシューマーゲームのBOTなどをログから自動検知するサービス「Stena」提供。スマホゲーム1タイトルあたり平均約300件/月の不正ユーザを検知/対処。

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Saleshub:ポテンシャルのある顧客候補を紹介することで協力金を貰える「Saleshub」運営。利用企業は2200社以上、紹介者として1万7000人が利用している。

re:オリジナルパッケージ印刷のマッチング「canal」運営。提携印刷会社をネットワークし、発注者の希望する品質や価格に見合った事業者をつなぐ。

Natee:TikTokに特化したMCN(マルチチャンネルネットワーク)事業を展開。TikTokの公認MCNとして登録されている。企業に最適なプロモーションプランを企画から制作まで提案する。

Engo:塗料販売に特化した販売管理システム「Paintnote」を提供。塗料販売店の勤務経験を生かして業界向けのサイト制作やコンサルティングなどデジタル化支援も手掛ける。

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emol:AIとの会話で悩みを引き出し、解決を探るリモートオフィス「emol work」を開発・運営。

Arii:カジュアルeSports対戦プラットフォーム「Game Arena」運営。ミニゲーム大会などに参加して商品獲得や、同じゲームをやっているプレイヤーと賞金対戦ができる。

Wizleap:保険に関するウェブメディア「ほけんROOM」にて、保険の検討時や見直し時などに役立つ情報を配信。またオンライン保険相談窓口も提供する。

コロナ禍による投資への影響は

イベント終了後には面談申し込みのフォームも用意され、出資や事業提携などのマッチング機会が提供された。事務局の話によれば、すでに面会依頼は数件入っている状況だという。SIT運営メンバーのひとり、グローバル・ブレイン代表取締役の百合本安彦氏は実施にあたり、新型コロナウィルスに端を発した市場の冷え込みや風評被害を危惧していると語った。

「事業会社の投資が冷え込むという一部報道もありましたが、今日のイベントを見てもわかるように130名ほどの方が参加してくださっており、事業会社さんたちの熱は下がっていません。ドライパウダー(※)も潤沢にあるので、今後も投資活動を積極的に続けていきたいし、SITとしてVC業界を盛り上げていきたいと思います」(百合本氏)。(※ファンドがまだ投資していない資金)

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