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小売業界のデジタル化支援を手掛けるグループ企業。傘下にコマースプラットフォームのストアーズ・ドット・ジェーピーと決済のコイニーを子会社に持つ。8月4日には集客・予約のクービックのグループ化も公表した

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小売デジタル化のhey、米Bain Capitalが70億円出資ーー予約集客のクービックを買収【報道・追記】

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STORESなどのコマース、決済プラットフォーム企業を傘下に運営するヘイ(hey)は8月4日、シリーズEラウンドの第三者割当増資の実施を公表する。 下記の通り、同社から今回の買収と増資について正式な発表があったので追記する。 参考情報:hey がクービックをグループ化 お商売のデジタル化促進に向け、サービスを統合し、個人事業者、中小企業のデジタルインフラを目指す また、今回の大型増資にあたり、ヘイ…

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ヘイウェブサイト

STORESなどのコマース、決済プラットフォーム企業を傘下に運営するヘイ(hey)は8月4日、シリーズEラウンドの第三者割当増資の実施を公表する。

下記の通り、同社から今回の買収と増資について正式な発表があったので追記する。

また、今回の大型増資にあたり、ヘイ代表取締役の佐藤裕介氏のリリースコメントを全文掲載する。

先日お客さまからいただいた言葉が忘れられません。STORES をご利用いただき、旅館の名物である金目鯛の煮付けをネットで販売開始した浜の湯の鈴木社長のひとことです。

「宿泊客がゼロで暇になってしまった厨房に、煮付けのオーダーが全国から続々と入り活気が戻った。自分たちを求めてくれるお客さまがいることにスタッフみんなが勇気づけられ、いつか泊まりにきたいとメッセージをくださるお客さまのためにも、みんなで踏ん張らないといけないとネット販売をしてみてあらためて感じた」

私たちができることは、大きな災害を前にして小さなものですが、とはいえ、このように大変な状況にある方々の希望や活力の源になれるかもしれないと再認識しました。 今回の資金調達とクービックのグループ化を通じて、コロナウイルスの感染拡大と事業者のみなさまの営業自粛にまつわる課題を解決するためにリリースしてきた、売上金の早期出金やオンラインストア開設サポート、ビデオ会議サービス「Zoom」との連携によるオンラインレッスン予約の簡易化などのニューノーマルに対応した個人、中小事業者向け機能の展開をより加速していきます。

hey とクービックの仲間、そして、今後入社する仲間と共に、単なる利益と規模の追求だけでなく、こだわりや情熱、たのしみによって駆動される経済に支えられた社会となることに貢献していきたいと思います(ヘイ公式発表より)。

引受先となるのは米投資会社のBain Capital、香港投資会社のAnatole、ゴールドマン・サックス、PayPal、YJキャピタル、既存投資家としてWiLが参加する。シリーズE全体で調達した資金は非公開だが、同社の説明によるとBain Capital単体での出資額だけで70億円が投じられる模様。また、一部報道にもあった通り、これまでの既存株主からの買取もこの中に含まれる。増資に合わせ、開発などの体制を現在の200名から倍増の400名にまで引き上げる計画。

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ヘイが運営するサービス

また、これに合わせて集客・予約システムのクービックの発行済み全株式を取得し、グループ化する。運営するCoubicは先日、Google検索などでで店やサービスを見つけ、そこから予約までをGoogle上で完結できる「Googleで予約」の本運用を開始したと発表したばかり。

また、新型コロナウイルスへの対応などから、先日発表された Zoom 連携の実装を優先させるなど、新しい環境下でのお店予約のあり方を推進してきた。

クービックは2013年10月、グーグルの検索プロダクトマネージャーなどを歴任した倉岡寛氏(現在、クービック代表取締役)により設立された企業で、月間利用ユーザは250万人、180を超える業種に対応しており、8万社以上(個人事業者を含む)が利用している。

本件については追加の情報が届いたら追記する。なお、参考記事としてheyに関する情報をこちらにまとめた

「Coiney」と「STORES.jp」、4月からサービスブランドを統合し「STORES(ストアーズ)」に

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事業者向け決済サービス「Coiney」とオンラインショップ開設サービス「STORES.jp」が共に、4月1日にサービスブランドを「STORES(ストアーズ)」に統合されることが明らかになった。Coiney の運営会社であるコイニーと STORES.jp の運営会社であるストアーズ・ドットジェーピーは、2018年1月末に設立された持株会社ヘイ(hey)のもとでグループ化されていた。グループ化発表後2…

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事業者向け決済サービス「Coiney」とオンラインショップ開設サービス「STORES.jp」が共に、4月1日にサービスブランドを「STORES(ストアーズ)」に統合されることが明らかになった。Coiney の運営会社であるコイニーと STORES.jp の運営会社であるストアーズ・ドットジェーピーは、2018年1月末に設立された持株会社ヘイ(hey)のもとでグループ化されていた。グループ化発表後2年を経て、Coiney と STORES.jp は名実共に一つののれんの下で事業を進めることになる。

なお、今回の統合はサービスブランドに関するもののみで、事業運営会社であるコイニーとストアーズ・ドットジェーピーについては統合されるとはしていない。Coiney にとっては大幅なリブランドを伴うもので、プロダクトラインについても以下の通り名称が変更される。

  • Coiney ターミナル → STORES ターミナル
  • Coiney スキャン → STORES ターミナル
  • Coiney ペイジ →  STORES 請求書決済

ヘイの代表取締役社長の佐藤裕介氏に、今回のサービスブランド統合の背景について聞いた。

オンラインとオフライン、シーンを問わずに商品を販売したいお店の思い

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Coiney は実店舗等のオフラインの決済、STORES.jp は e コマースの店舗設置から決済までを得意とするが、両社の事業間にシナジーを見出せるという仮説に基づいてヘイ傘下でグループ化された。ただ、実際に事業統合をするには、市場や顧客のニーズを理解するために相応の時間を要したという。

IT 業界に身を置いているかどうかは別として、誰でも LINE や Instagram を日常的に使い、メールやメッセンジャーを使うのも当たり前になっている。リアル店舗、ネット店舗、という区別も曖昧になってきた。(中略)

EC をやっている人がリアル店舗をやらない、ということもないし、リアル店舗をやっている人が EC をやらないということもない。そのあたりを区別なく活動している人が多い。そういう人たちにとっては、自然なことになりつつある。(佐藤氏)

有り体に言えば OMO(online merges with offline)やオムニチャネルの波が、Coiney や STORES.jp を使う比較的小規模な小売形態にも到来しているわけだ。これまでは、OMO やオムニチャネルと言えば、メガストアや大手 EC の言葉だったかもしれないが、STORES.jp が誕生してから7年、ストアオーナーや顧客が求めるニーズも徐々に変化してきた。投資コストや技術的難易度がハードルとなり実現できなかった体験を、小規模店舗のオーナーや顧客も求めるようになってきているのだ。

オンラインとオフラインのストアフロントを一元的に扱うには、さまざまな難しさがある。リアル店舗が複数存在する場合もあるだろうし、商品の在庫管理はもとより、同じ顧客が自店の EC サイトを訪問した時と実店舗を訪れたときの体験にどうやって一貫性を持たせ、効率の良い顧客管理を可能にするか、というのも課題になるだろう。

有形商品以外の販売にも対応へ

STORES.jp はネットショップ上で有形商品の販売に使われていることが多いが、一部では、デジタルコンテンツやサービスの予約に使われているケースもあるのだそう。佐藤氏はこれを「我々のケーパビリティがショップのニーズに追いついておらず、つぎはぎするような形で使うのを強いている状態」と、改善の可能性を示唆している。

我々は、自分たちでショップをやりたい人たちのイネイブラー。マーケットプレイスでもなければ、モールでもない。ショップがやりたいことを実現できる仕組みを提供していく。(中略)

オンラインとオフラインの販売からはデータ(顧客データ、販売データ、マーケティングデータなど)も生まれるが、データはあくまでショップのもの。ショップにアナリティクスの機能を提供することはあるかもしれないが、我々がデータを誰か(第三者)に供給することはない。(佐藤氏)

昨今ではサブスクなど、オンラインとオフラインを問わず販売形態が多様化している。サービスブランドの統合により、こういったニーズへの対応は加速するだろう。STORES という新たなサービスブランドの誕生を受けて、新体験をストアオーナーが顧客に提供しやすくなるような、追加機能が紹介される可能性も期待される。

CASH運営のバンクがチーム解散ーーサービスは事業売却などで継続へ【追記あり】

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即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは9月12日、チームの解散を伝えている。これが法人の解散を意味するのか、本誌では現在同社に確認をしている。現在、光本勇介氏とコンタクトしているので、詳細届き次第追記する。 追記:光本氏に確認したところ、バンクは法人として解散はせず、運営しているチームの解散および事業継続に向けての協議をするということだった。また、リリース…

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即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは9月12日、チームの解散を伝えている。これが法人の解散を意味するのか、本誌では現在同社に確認をしている。現在、光本勇介氏とコンタクトしているので、詳細届き次第追記する。

追記:光本氏に確認したところ、バンクは法人として解散はせず、運営しているチームの解散および事業継続に向けての協議をするということだった。また、リリースにある通り「TRAVEL Now」については来月上旬の事業譲渡が決まっており、またそれ以外の「CASH」「モノ払い」についても複数社と協議中になっている。

また、光本氏の今後についてはまだ、協議中のことも多く、リリース以上のコメントはないという回答だった。(追記終わり)

<参考記事>

補足:タイトル初出時に「バンクが解散へ」としましたが、法人は残るので「チーム解散」に変更しております。

現代版の物々交換「モノ払い」の衝撃ーーCASHを生んだバンク新サービス、旅行のエアトリから開始

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斜め上過ぎて嫉妬心しか生まれない。そんなサービスをご紹介したいと思う。 即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは6月12日、決済代行サービス「モノ払い」の開始を公表した。ユーザーは不要なモノを写真で撮影して査定するだけで、購入商品の代金に充てることができる。不足金額についてはクレジットカードの支払いで充当できるほか、購入代金以上の余剰金が生まれた場合はCAS…

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斜め上過ぎて嫉妬心しか生まれない。そんなサービスをご紹介したいと思う。

即時買取の「CASH」や旅行代理店「Travel Now」などを運営するバンクは6月12日、決済代行サービス「モノ払い」の開始を公表した。ユーザーは不要なモノを写真で撮影して査定するだけで、購入商品の代金に充てることができる。不足金額についてはクレジットカードの支払いで充当できるほか、購入代金以上の余剰金が生まれた場合はCASHウォレットにチャージされる仕組み。

リリース時点の利用可能なサービスとしてエボラブルアジアの運営する旅行予約サイト「エアトリ」がこの決済方法を利用できる。またファッション関連のECを運営するナノ・ユニバースの自社オンラインストアに導入が予定されている。

さて、具体的に何がどうなるのか紐解いてみたい。

CASHのノウハウを活かした決済代行サービス

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バンクのこと、光本勇介氏のことを知ってる人であれば、これがCASHの仕組みを応用したものであることはすぐに理解できると思う。CASHは当初こそ質屋モデルのアップデートとしてグレーな箇所もあったが、その後は即時買取という体験に落ち着き、紆余曲折を経て今もサービスの成長を続けている。

簡単におさらいすると、CASHはユーザーが撮影した商品をある一定のデータに基づいて即時に査定し、バンクのとの間の売買が終わる前に信用取引として先に入金してくれるサービスだ。商品に嘘がある(損傷具合の不一致や偽物など)リスクを性善説でクリアした稀有な体験を提供する。

要はこれをそのまま決済代行、つまり次の商品代金に充てる、というのがモノ払いの考え方になる。メルカリで売買した売り上げを現金として引き出さず、メルペイ・ウォレットに入れたまま次の商品を購入する、あの体験をもっとオープンに誰でも使えるようにした感じに近い。

物々交換の「差額」が生み出すお得体験の可能性

しかしこの方法はメルカリ・メルペイのような一気通貫したプラットフォームでないといろいろ問題が発生する。ひとつが差額だ。前述した通り、不足した場合はクレジットカードで差額を支払うことができる。また余剰した場合はその分がCASHウォレットにチャージされる。

やや面倒だなと思いつつ、ひとつ気が付いたことがある。ここで生まれる体験のことだ。光本氏は結果的に、不要なモノを使うことで安く購入できた、と感じてもらえるのではと話していた。

これは確かに購入者として魅力的な要素だ。

今、欲しいものやサービスが目の前にあって、さらに手元に不要なモノがあるとする。これを瞬時に交換できたら、もしくは全額ではなくともいくらかのディスカウントになればどうだろう。世の中のポイントカードはその役割を一定担っているが、それが日常の中ですぐに使えることになる。

貨幣経済時代、物々交換のメリットなど考えたこともなかったが、これには大きな可能性を感じる。

CASH経済圏の拡大

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EC事業者はこの決済代行を導入することで、今、手元にお金のない、もしくはディスカウントを希望するユーザーを取り込むことができる。また、CASHで即時買取のフローを持っているので、支払いサイトについてもクレジットカード会社などと同等の受け取りが可能という話だった。変わった手段ではあるものの、実は導入のハードルはそこまで高くはない。

気になるのが手数料の問題だ。

クレジットカード決済や非接触決済の場合、それぞれクレジットカードブランドなどが存在するため、必ず手数料がかかることになる。一方、モノ払いは完全にバンクオリジナルだ。

この点について光本氏に聞いたところ、まだ手数料については未定とこのような回答をくれた。

基本的には未定です。ただ、決済手数料ビジネスを展開しているわけではなく、結果的に買い取れたアイテムでビジネスをしているので、クレジットカードなど他の決済手段よりも安くなると思います。

CASHという「即時買取・即時現金」の体験は刺激的である一方、やはりユーザーはどこかで限定される運命にあったと思う。時間をかけて高い価格で買い取ってもらいたいという向きには別の選択肢があるからだ。結果として流通総額(GMV)を伸ばすにはもうひとつアイデアが必要だった。

しかし、今回の体験は「お得」に近い。メルカリ経済圏が垂直統合型であるならば、お得な体験でモノが回る「CASH経済圏」は水平分業型とも言えるだろう。

キーになるのが面をどうやって取るかという戦略になる。数多あるEC事業者にこの全く新しい概念をどうやって採用してもらうのか。また、光本氏はそもそもSTORES.jpというインフラを創業して作ってきた人物でもある。現在は連合企業としてheyになったが、そことの協力関係はどうなるのだろうか。

EC事業者様に対しては、いまお金がない方に購買をさせる新たな機会を創出できる決済手段として見ていただければと思っています。また、不用品を決済に使っていただくことで、全額でなくても、一部の支払い補填にしていただくこともできますので(安く買える)、結果的に購買コンバージョンの向上につながる決済手段としてもうれたらと考えています。最後に、私たちは「決済手数料」ではなく消費者から買取ったモノでビジネスをしますので、他の決済手段よりも安い手数料で決済をご提供することもできるのではないかと考えています。

heyとの連携に関しては、別会社になりますので、まだいまのところ未定ですが、「モノ払い」の導入候補先にはもちろんなりえますので、両サービスにメリットが出せるようであれば、検討できたら理想だと思っております(光本氏)。

CASHの第二章、はじまった感あるので、この先のトラクションに期待したい。

CASHのバンクがDMMから独立、光本氏個人が全株取得【速報/追記あり】

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即時買取「CASH」や前払い旅行代理店「Travel Now」などを展開するバンクは11月7日、DMMグループからの独立を発表した。(リンク先はPDF)バンク創業者で代表取締役の光本勇介氏が個人で全株式を取得したMBO(マネジメントバイアウト)による。 DMMが公表したリリースによれば、光本氏個人が取得にあたって支払った金額は5億円。ただし、バンクはDMMから借り入れをしていた約20億円の債務をそ…

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即時買取「CASH」や前払い旅行代理店「Travel Now」などを展開するバンクは11月7日、DMMグループからの独立を発表した。(リンク先はPDF)バンク創業者で代表取締役の光本勇介氏が個人で全株式を取得したMBO(マネジメントバイアウト)による。

DMMが公表したリリースによれば、光本氏個人が取得にあたって支払った金額は5億円。ただし、バンクはDMMから借り入れをしていた約20億円の債務をそのまま引き継ぐことも条件としている。なお、返済期限は5年間としている。

光本氏はソーシャルメディア上で今回の経緯について、新規事業への投資規模などに開きがあったと説明している。

「ちょうど年末に近づくにあたり、来年の各事業のチャレンジや新規事業などを考えていく過程で、私がイメージする投資規模やアクセルの踏み具合などを考えた際、DMMから卒業をさせていただいた方が、よりスピーディで柔軟な経営判断・動きが行えると判断をし、十分な話し合いを持たせていただいた結果、DMMからもご理解をいただき、このようなアクションに至ることとなりました」(光本氏のソーシャルメディア上でのコメント)。

<参考記事>

DMMがCASHを70億円で買収ーー亀山氏「おい、なんか買えるっぽいぞ!」からの舞台裏、光本氏と片桐氏が切り開く”即時買取の新市場

バンクがDMMの傘下入りしたのは昨年11月のちょうど1年前になる。創業して8カ月の企業を70億円という巨額でのスピード買収は当時大きな話題となった。6名だった従業員は60名に拡大している。本誌では光本氏に何が起こったのかコメントを求めているので届き次第追記する。

なお、光本氏は2016年10月にスタートトゥデイ(現ZOZO)からのMBOも経験しており、今回が通算2回目の独立となる。

<参考記事>

70万店舗の STORES.jp 運営がスタートトゥデイからMBOで独立、会長就任の光本氏曰く「決済にはロマンがある」

現在本誌では光本氏にコメントを求めており、コンタクト取れ次第追記する。(随時更新中)

10時30分追記:本人にショートインタビューを実施できたのでこれを追記する。(太字は全て筆者の質問、回答は光本氏)

70億円での売却も驚いたが、1年でMBO、しかも金額は5億円となっている。単純計算して65億円が手元に入ったことになるが、結果もまだ出てない中で買収サイドがすんなりOKを出してくれるとは考えづらい

年末に近づいてましたので、バンクとして来年の各事業の事業契約や投資契約をプランしはじめていました。ただ、そこで私が考えていた事業や投資プランと、DMMが予定していた投資規模との間に若干の差があったんです。

DMMは数多くの事業を展開しています。それら全体を俯瞰した結果、現時点でバンクに対してさらに大きく投資を続けるかどうか判断するタイミングでもありました。

バンクが背負っている20億円の債務は積極的な投資の結果だが、それ以上に踏み込む必要があると判断した

ただ、その結果としてバンクの展開する事業と会社が中途半端になってしまうということも避けたい。それが双方の理解です。またこういった機会(MBO)を光本に作ってあげる方が、会社と事業の将来にとってはベストなんだろうと。

補足ですが、DMMは投資を渋るような企業ではありません。実際、今回開示されましたが70億円で買収した上に年間で20億円の資金を提供してくれています。ただ、前述の通り対象事業が数十あるので、投資タイミングや支援できる規模、範囲に制約があったのも事実です。

光本さんやバンクとして聞いていた「新しい概念の銀行、金融事業を作る」というスケール、スピード感とDMMサイドのタイミングが合わなかった、という理解でよいか

そうですね、私がイメージする投資規模やアクセルの踏み具合などを考えた際、DMMから卒業(MBO)をさせていただいた方が、よりスピーディで柔軟な経営判断・動きができるという判断です。また、その考え方に対してDMMと話し合いをし、大いに応援してくださる意味合いも含め、今回のMBOを受け入れていただけた、という経緯です。

以前の取材時、さらに大きな資金が必要になった場合、DMMとしてバンクをIPOさせる考えがあるかと聞いた。結果的にそういう選択ではなく、光本氏がリスクを取って外に出た。現在、手元資金で十分に勝負ができるのか

今後の資本政策や事業ゴールは全くの白紙です。IPO前提のMBOのような既定路線があるわけではありません。可能性のひとつとして様々な選択肢をこれから考えていきたいと思ってます。

お時間ありがとうございました。

STORES.jpの商品保管・配送代行サービスが刷新、商品ごとの料金設定が可能にーーオープンロジAPI活用

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インスタントにオンラインショップを開設できる「STORES.jp」を展開するストアーズ・ドット・ジェーピーは5月8日、物流プラットフォームを運営するオープンロジと業務提携し、STORES.jp利用者向けに「倉庫サービス」の提供を開始すると発表した。 これまでもSTORES.jpは販売する商品の保管や梱包、発送業務を全て代行する倉庫サービスを提供していたが、今回新たにリニューアルされたものはオープン…

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インスタントにオンラインショップを開設できる「STORES.jp」を展開するストアーズ・ドット・ジェーピーは5月8日、物流プラットフォームを運営するオープンロジと業務提携し、STORES.jp利用者向けに「倉庫サービス」の提供を開始すると発表した。

これまでもSTORES.jpは販売する商品の保管や梱包、発送業務を全て代行する倉庫サービスを提供していたが、今回新たにリニューアルされたものはオープンロジのAPIを活用することで、より作業負担の軽減に繋がるとしている。

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刷新された管理画面

複数の管理画面を使う必要があった入庫や保管、発送指示がひとつの管理画面でできるようになったほか、一律800円だった配送料は発送商品ごとに設定が可能になり、最小サイズの商品であれば330円の配送料を選ぶことができるようになっている。また、保管料についても同様に発送商品ごとに大きさや保管日数に応じた料金設定が可能。

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新しくなった料金設定

同社ではネットショップと連動した自動出荷への対応も計画しており、再配達の問題などの解決を目指すとしている。

via PR TIMES

コイニーとSTORES.jpが経営統合、フリークアウト佐藤裕介氏が代表を務める持株会社「ヘイ」を設立

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事業者向け決済サービス「Coiney」を運営するコイニーとオンラインショップ開設サービス「STORES.jp」を運営するストアーズ・ドットジェーピーは1月31日、両社がグループ化し、事業持株会社としてヘイ(hey)を設立することを発表した。グループ化は2月1日付けで実施される。 ヘイの代表取締役社長にはフリークアウト・ホールディングス(東証マザーズ: 6094) の代表取締役社長である佐藤裕介氏が…

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事業者向け決済サービス「Coiney」を運営するコイニーとオンラインショップ開設サービス「STORES.jp」を運営するストアーズ・ドットジェーピーは1月31日、両社がグループ化し、事業持株会社としてヘイ(hey)を設立することを発表した。グループ化は2月1日付けで実施される。

ヘイの代表取締役社長にはフリークアウト・ホールディングス(東証マザーズ: 6094) の代表取締役社長である佐藤裕介氏が就任。同社の取締役副社長をコイニーの代表取締役社長である佐俣奈緒子氏が担う。

2012年にサービス提供を開始したCoineySTORES.jp。2社の流通額(決済額)合計は2015年1月からの3年間で1000%成長にのぼる。今後は既にデジタル上で商品やサービス販売を実施している事業者以外にも地方の中小企業やソーシャルサービス上で人気の個人をターゲットにサービスを展開していく。誰でも簡単に使える決済サービス、オンラインストア運営サービスを皮切りにビシネスやサービス体験の向上に繋がるサービスを提供予定だ。

Source:PRTIMES

〝新しい経済〟を創り出すスタートアップ・シーンを語るイベント「THE COIN」、Day1キーノート&トークセッションのまとめ #THECOINjp

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本稿は、THE BRIDGE のイベント「THE COIN」の取材の一部である。 THE BRIDGE が新たな取り組みとして始めたイベント「THE COIN」の1日目が18日、東京・永田町のスタートアップハブ GRID で開催された。3日間にわたって開催される本イベントのうち、1日目のこの日は、キーノートスピーチとトークセッション、参加者同士がカジュアルにネットワーキングできるミートアップで構成…

Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、THE BRIDGE のイベント「THE COIN」の取材の一部である。

THE BRIDGE が新たな取り組みとして始めたイベント「THE COIN」の1日目が18日、東京・永田町のスタートアップハブ GRID で開催された。3日間にわたって開催される本イベントのうち、1日目のこの日は、キーノートスピーチとトークセッション、参加者同士がカジュアルにネットワーキングできるミートアップで構成される。会場には、日本内外から200名以上の大企業関係者、起業家、投資家などが集まった。

Image credit: Masaru Ikeda

イベントの冒頭を飾ったのは、昨年7月の ICO で、それまでの VC からの調達総額を超える2,500万米ドルを集め、ICO を実施したり計画したりしている世界中の起業家から羨望の的となっている Omise / OmiseGO (OMG)の長谷川潤氏だ。

Image credit: Masaru Ikeda

長谷川氏は以前 Lifemee というライフログサービスを運営していたが(2009年、筆者がインプレス「IT Leaders」に寄稿した TechCrunch 50 のリポートの中で取り上げている)、このサービスを閉じて一念発起し、タイにわたって Omise を作り上げた。Omise は2013年のローンチ当初は E コマースプラットフォームだったが、そこから決済スタートアップ、ひいては、フィンテックスタートアップにピボットしたことで大きな成長を遂げることになる(ピボットの経緯は、彼のブログ記事に詳しい)。

Image credit: Masaru Ikeda

Omise / OmiseGO は昨年、ブロックチェーンに特化したファンドやコワーキングスペースのネットワークの構築を発表しており、数ヶ月以内には日本国内でその動きが具体化してくることになりそうだ。彼は、この分野の世界トップクラスの人々を日本に連れて来たいと考えていて、また、日本で生まれたプロジェクトを世界に持っていきたいと考えている。大企業やスタートアップには、ぜひブロックチェーンの恩恵を受けられるしくみを、自分たちのビジネスに取り入れ、積極的に利用していってほしいと語った。

Image credit: Masaru Ikeda

続いて登壇してくれたたのは、世の中に「即時買取」という新語を生み出した CASH の親、バンク代表の光本勇介氏だ。STORES.jp(ブラケット運営)の創業者にして、一度はスタートトゥデイにグループ入りするも MBO で独立。ブラケットの代表の座を後任の塚原文奈氏に引き継いだ後、昨年6月に世間の話題をさらった CASH を誕生させることとなる。

そこからの CASH の事業変化のスピードはテレビドラマの展開よりも速い。6月28日のサービスインから1日後に3.6億円以上の換金リクエストが集まりサービスを一時中断、約2ヶ月後の8月末には、1日あたりの買取合計上限を1,000万円に設定しサービスを再開した。そして早くも11月下旬には、インターネットサービス大手の DMM が70億円で買収。サービス開始からわずか5ヶ月での瞬殺イグジットである。

Image credit: Masaru Ikeda

「2017年はお金以外の価値があるものが増えた。タイムバンクは人の時間、VALU はヒト、CASH はモノ。2018年はそれがもっと顕著になる。あらゆる価値の交換が、もっと個人ベースで進むだろう。」

光本氏は、店舗での支払を時間という価値で支払うことも、できるようになるのではないかと語った。例えば、牛丼を食べに行って、お客は牛丼を食べるのに費やした時間で価値交換し、お金を支払わずに店を後にする、というシーンが生まれるかもしれない。現在の価値観では無賃飲食にしか見えないが、新たなビジネスを生み出すには、価値交換の媒介物は常にお金という既成概念を捨て去った方がよさそうだ。

Image credit: Masaru Ikeda

THE COIN は19日、20日も引き続き開催。チケットが完売しているので、これから参加したい、という読者に席を用意できないのは残念だが、イベントを通じて得られたインサイトやアイデアは、なるべく多くを THE BRIDGE 上で共有させていただきたいと思う。

Image credit: Masaru Ikeda

DMMがCASHを70億円で買収ーー亀山氏「おい、なんか買えるっぽいぞ!」からの舞台裏、光本氏と片桐氏が切り開く”即時買取の新市場”

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10月4日、この男のメッセージから物語は始まる。 「こんにちは〜!亀山です〜!」 「CASH売って〜!」 「無理?」 最後の一行が「無理」じゃなかったとわかるのは、ここから約4週間後のことだーー。 アイテムをスマートフォンで撮影するだけで買取する通称「質屋アプリ」CASHを運営するバンクは11月21日、インターネット総合事業を展開するDMM.com(以下、DMMに略)による完全子会社化を発表した。…

10月4日、この男のメッセージから物語は始まる。

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DMM亀山氏からのメッセージ(光本氏提供

「こんにちは〜!亀山です〜!」

「CASH売って〜!」

「無理?」

最後の一行が「無理」じゃなかったとわかるのは、ここから約4週間後のことだーー。

アイテムをスマートフォンで撮影するだけで買取する通称「質屋アプリ」CASHを運営するバンクは11月21日、インターネット総合事業を展開するDMM.com(以下、DMMに略)による完全子会社化を発表した。DMMがバンクの発行済株式を全て取得するもので、かかる費用は総額で70億円。バンク代表取締役の光本勇介氏の説明では10月31日付の合意で、同日に全て現金で払込済みとなっている。バンクの創業は2017年2月20日、報道などで公表されている外部資本の調達はなく、光本氏がほぼ全株式を保有していたとみられる。

CASHについてはその劇的なデビュー1日足らずでの休止、そしてそこからの復活劇と、6月末のサービスインからたった数カ月で伝説的な話題を振りまいてくれた。サービス概要についてはそちらをご参照いただきたい。

創業8カ月。従業員たった6名のバンクがここにさらに強烈な話題を加えてくれた。

いい経営者でなければいい事業はできない、という当たり前

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DMM代表取締役の片桐孝憲氏

「70億円の根拠??ない(笑。だって70億円って言うから(笑」。

いつもの笑顔でそう答えるのはDMMの若き代表、片桐孝憲氏。34歳の若さで自身が創業したピクシブからDMMの代表取締役になったのが今年1月。クラウドストレージのピックアップや音楽アプリのnana musicを買収するなど、精力的に事業拡大を進める彼が今回の買収劇について光本氏と共にその裏側を語ってくれた。

まず、そもそも光本氏はこのタイミングでなぜ会社を売るという判断を下したのか。そこにはこれから始まるであろう「即時買取」市場への競合参入の噂が少なからず影響していたようだ。

「(事業は回っていて)キャッシュフロー的に会社は大丈夫でした。2月にサービスインしてこの領域のポテンシャルに張ってみる価値があると感じつつ、同時に競合参入の可能性も十分にありました」(光本氏)。

周囲を見渡せばフリマアプリのメルカリやフリル、ヤフオク!などすぐにでもこの分野に進出してきそうなプレーヤーがごまんとひしめく。食われる前に食わなければ生き残れないーーそう感じた光本氏は当然のことながら外部資本の検討を始める。

ただ、ここでちょっと変わってるのが光本氏だ。彼は創業したブラケットも今回のバンクも共に自己資本のみで事業を拡大してきた。今回も相当数VCなどから出資話が舞い込むものの「話を始めるとなんとなくそうなってしまいそうだったので話自体しなかった」という。

外部資本を入れるタイミングではあるものの、キャッシュフローは回っているし、中途半端な戦い方はしたくない。そんな時にやってきたのが今回のDMMによる支援だった、というわけだ。

片桐氏も光本氏も実は起業時期や年齢がほぼ一緒の「同世代起業家」だ。彼はCASHという事業アイデアもさることながら、経営者としての光本氏を高く評価する。

「DMMにやってきてから本当に思ってるのは『いい事業を作るには、いい経営者と一緒に取り組まなければ無理』ってことです。CASH自体は(デューデリジェンスの結果)数億円の評価です。プロダクトだけではそんな額はつかない。やっぱり光本くんやチームの良さ、展開のイメージ。それがこの金額なんです」(片桐氏)。

「おい、なんか買えるっぽいぞ」から始まった亀山マジック

片桐氏は当然CASHや光本氏の活躍には注目しており、一度は出資の可能性についても探ったことがあったそうだ。しかし前述の通り、中途半端な戦いができない光本氏は友人からの打診をさらりと流してしまう。そこに登場するのがDMM創業者で現在はグループ全体の取締役会長である亀山敬司氏だ。

「実はDMMでもCASH『みたいなもの』を作ろうという構想はあったんです。けど、光本くんたちと一緒にやった方が早いよねっていう話もあって。そしたら亀山さんが光本くんに連絡してまず飯食いに行ってくると。

いやー、どうなるかわかんないけど飯食うぐらいはいいんじゃないっスかねーって(笑。そしたら亀山さんからメッセージがきて『おい、なんか買えるっぽいぞ』って(笑」。

記事冒頭のメッセージから数日後、再び都内に集結した3人は条件や構想を確認。翌週にはDMMサイドからCFOをバンクに派遣し、今回の買収劇はその最初の一幕を閉じることとなる。

「やはり大切なのはCASHっていうプロダクトというよりもバンクっていうチーム。僕らも同じようなプロダクトを作れるかもしれないけどやっぱりそれはコピー品。偽物ではなくやはり本物が欲しいじゃないですか。だから彼らにはこれまで通り本物を作って欲しい」(片桐氏)。

即時買取の可能性、上場?わっかんねーなー(笑

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バンク代表取締役の光本勇介氏

では話を未来に向けよう。光本氏や片桐氏はこの「即時買取」のマーケットをいくらと見積もるのか?

「数字的な市場規模は正直わかりません。ただ、物を売るという観点から言うと、フリマはある意味最終形態と思われていたわけです。でも実際は『その下』にもう一つポテンシャルのあるマーケットがあった。まだめんどくさい、もっと簡単に売れる。そこを他の誰かに取られるのもくやしいし、パイオニアとして最後まで作りきりたい」(光本氏)。

ただ間違いなく言えるのは、将来さらに大きな市場の可能性が見えた際にはDMMとて外部からの資金調達方法を考えなければならない、ということだ。片桐氏にバンクとしての上場の可能性を聞くと率直な答えが返ってきた。

「今の所はそういうことは考えてーーいや、わっかんねーなー(笑。これはちょっと先すぎてわかんない。資金ニーズはある程度DMM側でいけるという判断で今回買収しました。でももっと大きいレベルで資金調達が必要ということになれば、これはどうだろう。わかんない。何も考えてないです」(片桐氏)。

光本氏も中途半端な上場よりも現時点で潤沢な支援を受けられていると感じているようだ。また、DMMグループが持つネットワークの広さがバンク、CASHにとってプラスに働くとも話していた。

「DMMって現代版の総合商社だと思うんです。水族館作ってるチームもあればサッカーチームを運営していたり、金融にゲームに…と思ったら2カ月しか運営していない会社を数日の意思決定でポンと買ってしまうフットワークの軽さも持っている。資本や人材のリソースが豊富なんです。物流が欲しいって言ったら子会社にあったりするし(笑」(光本氏)。

競合に対しては「粛々とプロダクトに集中するのみ」という二人。まだ全体像が見えてこない「即時買取」という新市場で彼らはどのような存在感を示すことになるのだろうか。

新たな買収、バンクとしての新事業も

インタビュー終盤、私は新たな買収について両者に尋ねた。特にCASHはスマートフォンで撮影したアイテムが即時に査定されることから、当初は極めて高度な画像認識技術が使われているのではないかと話題になったのだ。しかし数時間でそれは単なる「カテゴリでの”えいや”値付け」だったことが判明し、光本氏をして「クレイジー」の名を欲しいままにすることとなる。

もちろんそのままではまともな運営はできない。彼らも画像認識などの技術導入は進めており、光本氏は米国含め関連企業とのコンタクトをここ数カ月進めていたそうだ。

「画像を撮って査定するプロセスなのでやはり画像技術はもっと進化させたいですね。究極にはスカウターみたいになって物を見れば価格が浮かび上がって『OK』ってやるだけで現金になってる世界観です」(光本氏)。

片桐氏も今回、こうやって情報をオープンにする目的を新たな人材や企業を呼び込むためと語る。

「バンクの採用や、今後もDMMで買収をやっていく。ちゃんと手を挙げることが大切だなって。画像認識で話が出ましたけど、実はDMMでも人工知能関連の『DMM.AI』っていう研究所を作るんです。まだ正式名称は決まってませんが、データを活用したりバンクやCASHといった事業でその成果を使っていく考えです」(片桐氏)。

買収については決まったスキームがあるわけでなく、例えば今回の買収の話題が出る前にバンクとして出資している買取価格比較サイト「ヒカカク!」のようにバンクにとってシナジーがある場合はバンクに、逆に人工知能などグループ全体でシナジーが期待されるものはDMMとして適宜取り扱うということだった。

光本氏と片桐氏は共に30代半ばの起業家だ。友人でもある彼らはそれぞれSTORES.jpとpixivという日本を代表するサービスを作り上げ、次のステージで奇跡的な再会を果たした。光本氏はインタビューの最後をこう締めくくってくれた。

「個人的に楽しみなのは片桐くんっていう同年代で、かつ昔からの友人と一緒に仕事ができることです。ピクシブとブラケットも自己資本で運営していました。私がクールだと思うのは、ひとつのプロダクトでひとつの会社を食わせるってことなんです。今でこそブラケットは一つのサービスになりましたけど時間がかかりました。すごいと思っていたピクシブの片桐くんと同じ環境で一緒にビジネスができる。彼と一緒に新規事業ができるのは本当に楽しみです」(光本氏)。

 

買取アプリCASH、毎日1000万円までの「ノールック買取」再開ーー光本氏が「9割の取引成功」で手にした勝機

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ーー6月28日の狂ったサービス公開から約2カ月、ついにCASHが戻ってきた。 買取アプリ「CASH」を運営するバンクは8月24日、査定業務を一時中断していたCASHのサービス提供と、バージョンアップしたアプリの配信を再開した。リリース時からの主な変更点としては特に設定のなかった買取金額が毎日1000万円に設定され、画像認識によるカテゴリ外出品の抑止や、悪質な出品者に対して運営側が評価できるシステム…

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「事業としてやっていけるという確信ができました。戻ってきました」(光本氏)。

ーー6月28日の狂ったサービス公開から約2カ月、ついにCASHが戻ってきた。

買取アプリ「CASH」を運営するバンクは8月24日、査定業務を一時中断していたCASHのサービス提供と、バージョンアップしたアプリの配信を再開した。リリース時からの主な変更点としては特に設定のなかった買取金額が毎日1000万円に設定され、画像認識によるカテゴリ外出品の抑止や、悪質な出品者に対して運営側が評価できるシステムが導入された。iOS対応でダウンロードは無料。

また、開始当初に話題となった「買取キャンセル」による返金と手数料(15%)のスキームが廃止され、取引のキャンセルは無料になっている。取引に設定されていた期限は2カ月から2週間に短縮され、リユース品の買取に最適化されたサービスとして復活することとなった。

同サービスは「買い取る商品が送られる前に支払う」という画期的なノールック買取で爆発的な流通を生み出し、開始から僅か16時間で3.6億円の流通に成功した。なお、サービスについての細かい説明や経緯についてはこちらの記事をご覧いただきたい。

<参考記事>

3.6億円をバラ撒いた結果ーー取引の8割が既に商品を発送済み

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初日の取引で7500個の商品が送られてきて青ざめるバンク代表取締役の光本勇介氏

さて、CASHを大変興味深く見てる方も多いのではないだろうか。

結論から言うと、相当高い確度で光本氏らはこの事業に確信を抱くことができた、というのが話を聞いた率直な感想だ。ビジネスモデルのコアの箇所はさすがに非開示だったが、それでも言葉の端々に初月からの具体的な数字の手応えを感じさせる強さがあった。

まずは前回分も含め彼らの公開した数字(7月26日集計)から見てみよう。注目したのは次の数字だ。

  • 全体アクセスの20%が取引を希望し、98%が買取を希望
  • キャッシュ化された回数、約7万3000回(6月29日時点)
  • キャッシュ化したユーザーの81%がアイテムを送付済み

キャッシュにするを選んだ、つまり実際に取引を希望して現金を振り込まれた回数が「キャッシュにする」アクセス全体の2割で約7万3000回(査定は16時間時点で停止したのでこれがほぼ全数)。その内、ほぼ全員がアイテムを送る買取依頼を選択し、8割以上がアイテムを送付済み、ということになる。

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6月29日時点で集荷依頼があったのは7500個程度、つまりざっくり1割程度しか回収ができていなかった。もしこの回収率が3割とか低い数字に止まれば光本氏は「金をバラ撒いて持ち逃げされたバカ」として歴史に名を刻むことになっただろう。

しかし事実はそうでなかった。彼はこの勝負に勝ったのだ。

ビジネスモデルはキャンセル手数料ではなく買取モデルへ

ゴミが大量に送られてくるとか金を持ち逃げされるということはなかった一方、当初の想定と少し違った形になったのがビジネスモデルだ。

CASHは質屋のモデルを参考にした買取サービスだった。

商品を査定して即金してもらったお金は、2カ月後の取引期限までに商品を送って買取してもらうか、もしくは商品を送らず「取引を辞退した機会損失補填」として15%の手数料を上乗せし、返金するかのいずれかを選択できるようになっていた。

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公開当初のコンセプトは買取か返金キャンセルかを選ぶ二択だった

これがCASHをして買取スキームを流用した少額融資モデルと表現された理由だ。

しかし結果は見ての通り、キャンセルして手数料を払った人は取引したユーザーのわずか2%に留まる。つまり、CASHは買取のモデルで事業成立させる必要に迫られた、とも言える。

では彼らがノールックで買い取った商品がどれほどの価格で売れるのか?

詳細は伏せられたものの、送られてきたものに偽物やゴミは驚くほど少なく、しっかりと次に流通させることのできる商品だった、という結果になったらしい。売却先についてもビジネスモデルの中心部分で詳細は非開示だが「十分に事業ができるスキームが構築できた」(光本氏)ということだった。

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ファッションアイテムが多く送られてきた

逆に言えば、少額融資モデルよりも当初期待していなかった買取モデルに相当のチャンスを見出したからこその再開と考えられる。STORES.jpを成功に導いたコマースのノウハウが役立ったのだろうか。

ちなみに、今回のバージョンアップから簡易な画像認識が導入されることになった。例えば靴のカテゴリに自分の顔を写して送信しようとしても今回からはできない。

更に運営側の評価システムによって、いたずらや悪質な偽物などの送付をするユーザーに対しては査定金額を著しく下げることや、最悪の場合は退会してその電話番号では二度と使えないようにするなどの措置を取るという話だった。

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毎日1000万円が買取資金として用意され、キャッシュ化されるにしたがって予算が減っていく

買取の上限は毎日1000万円まで

「世の中の少額資金ニーズをハードル低く、かつスピーディーに埋めていく。ここに応えられる企業はわずかです。この体験をユーザーにとってよい形で届けられるのであれば(買取でもキャンセル手数料でもビジネスモデルは)どちらでもいい。この莫大なマーケットを取ります」(光本氏)。

初日に驚くべき出金を経験した光本氏は、今回から毎日の設定金額を1000万円に設定し、シークバーでキャッシュ化を希望するユーザーに今日、支払える金額を明示することにした。この金額は向こう数カ月で上振れなどの調整をしていくという話だった。

また、一部で批判のあった買取による少額融資モデルというややグレーっぽいスキームが消滅したことで、純粋なリユースプラットフォームへ昇華したのも評価したい。

今日、再開を果たしたことでおそらく類似のサービスを手がける人も出てくるだろう。光本氏にその点を聞くとこうコメントしてくれた。

「資本力があるところじゃないとこのゲームに参加できないということは、大企業が前提になると思うんです。僕たちがどこよりも「スピード」感をもって展開をし、先駆者メリットを最大化し、ユーザーと認知をいかに早く取れるかが勝負かなと思っています」(光本氏)。

買取特化に振り切ったことで「メルカリ対抗」としての存在感が強まったCASH。彼らがどのように推移するのか、また新しい動きや数字などが出たらお伝えしたい。