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バーチャルオフィスの常時コミュニケーションツール「Remotion」

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ピックアップ:Remotion raises $13M to create a workplace video platform for short, spontaneous conversations ニュースサマリー:リモートワークツールを提供する「Remotion」は10月6日、シード・シリーズAにて合計1300万ドルの資金調達を発表した。昨年12月のシードラウンドはFirst Roundが…

Image Credit:Remotion

ピックアップ:Remotion raises $13M to create a workplace video platform for short, spontaneous conversations

ニュースサマリー:リモートワークツールを提供する「Remotion」は10月6日、シード・シリーズAにて合計1300万ドルの資金調達を発表した。昨年12月のシードラウンドはFirst Roundがリードし、今回発表に至ったシリーズAにはGreylockがリード投資家として参加している。同社はリモート向け映像コミュニケーションツールを展開するスタートアップ。特に常時接続の体験に力を入れたプロダクト設計に特徴を持つ。

話題のポイント:パンデミック以降、リモートワークにおける映像ツールを提供するスタートアップは数多く誕生してきました。例えば、まさにRemotionと同じ領域にはa16zやY Combinatorが出資するTandemなどが挙げられます。Tandemは既にAirbnbやLyft、Notionなど、多くのIT企業で利用されているようです。

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そんなレッドオーシャンな同領域ですが、Remotionは一時的なやり取りに使うZoomやSkypeとは違い、バーチャルオフィスの製品価値を軸に常時接続環境を提供しています。もちろん、先行するTandemも同じく「常時接続」にフォーカスしていますが、Remotionでは細かな使い勝手(絵文字表現など)で差別化をしています。

とはいえ、現時点で両者に大きな違いはなく、今後の「常時接続」体験をどのように設計していくかが市場として問われている段階なのだと思います。リモートワークという環境をアップデートする需要は今後も伸びていくことに間違いなく、FYI 2019 Remote Work Report  が公開したデータによれば、リモートワークにおける最もチャレンジングなことは「コミュニケーション」であるとのリサーチ結果を公開しています。

リモートワーカーという概念は今まで、決してマジョリティーではありませんでした。しかし、リモート環境が当然となった時、リサーチ結果が示すようなコミュニケーションを補うためのツールは必須となってきます。まだまだ市場は始まったばかりなので圧倒的な勝者はいない状況です。市場のキラーコンテンツを繰り出してくるスタートアップの登場に注目です。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

低所得者層の意図しない妊娠を遠隔医療で防ぐ「Twentyeight Health」

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの…

画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care

ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはリード投資家としてThird Primeが参加し、Town Hall Ventures、SteelSky Ventures、Aglaé Ventures、GingerBread Capital、Rucker Park Capital、Predictive VCなどのベンチャーキャピタルのほか、Stu Libby氏、Zoe Barry氏、Wan Li Zhu氏などのエンジェル投資家も参加している。同社資金調達総額は660万ドルとなった。

詳細な情報:同社は、元コンサルタントで自身も保険問題で2年間産婦人科の診療が受けられなかった経験を持つ創業者Amy Fan氏が2018年後半にニューヨークにて設立。ゲイツ財団で発展途上国の家族計画、マラリア、HIVなどの医療アクセスの改善を主導していた共同経営者・Bruno Van Tuykom氏と出会い、十分な医療サービスを受けることができない低所得者層の女性に向けた遠隔医療サービスとして設立された。

  • 同社はメディケイド(米国の低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険に加入していない低所得者層の女性が、十分な医療ケアを受けられない状況を問題視している。人種や所得階層、健康保険の種別に関わらず人々を包括する質の高いリプロダクティブ・ケアを提供することをミッションとして掲げる。同社プレスリリースによると2020年には顧客基盤が5倍に拡大し、これを受けてFan氏はAlleywatchの取材において「私たちのサービスに対するニーズがあることを実感しています」とコメントしている。
  • 同社サービスへの登録は、まずオンラインで問診票に記入し、24時間以内に米国の理事会認定医師がレビューすることで完了する。顧客は100以上のFDA承認ブランドの避妊薬、パッチ、リングなどの中から適したものを1〜3営業日以内に受け取ることができる。また、継続的なケアを行うため、医師とのフォローアップのメッセージは無制限で、処方箋の更新や副作用への対処などについて相談することができる。
  • 同社サービスは現在、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州で提供されている。今回調達した資金は、米国全土でのサービス拡大を継続するために活用されるという。
画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

背景:同社共同設立者・Tuykom氏はプレスリリースで、「今日、低所得者層の女性は米国の平均的な女性よりも3倍以上意図しない妊娠をする可能性が高く、そのうえ全国の医師の3分の1近くがメディケイドの新規患者を受け入れていない」との声明を発表している。さらにCOVID-19の大流行により対面での医療行為の予約が制限されていることも、この問題を増大させているという。日本においては、内閣府が10月8日の男女共同参画に関する専門調査会で、緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるよう検討する方針を打ち出している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

かつてはユニコーン、中国最古参の生鮮食品スタートアップYiguo(易果)が破産へ

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<ピックアップ> [중국 비즈니스 트렌드&동향] 알리바바가 키운 중국 최초 온라인 신선식품 스타트업 ‘파산’ Alibaba(阿里巴巴)が支援する、生鮮食品 EC「Yiguo(易果)」を運営する易果生鲜の CEO Ye Zhang(張曄)氏は、同社が破産手続を始めたことを明らかにした。中国企業の情報プラットフォーム「Tianyancha(天眼査)」によると、Yiguo 子会社の …

Image credit: Yiguo(易果)

<ピックアップ> [중국 비즈니스 트렌드&동향] 알리바바가 키운 중국 최초 온라인 신선식품 스타트업 ‘파산’

Alibaba(阿里巴巴)が支援する、生鮮食品 EC「Yiguo(易果)」を運営する易果生鲜の CEO Ye Zhang(張曄)氏は、同社が破産手続を始めたことを明らかにした。中国企業の情報プラットフォーム「Tianyancha(天眼査)」によると、Yiguo 子会社の Win Chain(雲象餐庁供応鏈)と ExFlash(安鮮達)はすでに破産手続に入った。

Yiguo は2007年2月に上海で設立された中国初のオンライン生鮮食品企業。2013年に Alibaba から戦略的出資を受け Alibaba 傘下に入り、2016年にユニコーンとなった。Yiguo は Alibaba 傘下の Tmall Supermarket(天猫超市)と独占提携し、2017年には Yiguo の注文の9割が Tmall Supermarket から、2018年には Yiguo の注文全体の5割が Alibaba の関連企業からのものとなった。

しかし、2018年、Yiguo が引き受けていた Tmall Supermarket の運営を Alibaba が Freshippo(盒馬鮮生)に引き渡したことで Yiguo は経営危機に直面した。特に生鮮食品の仕入れを担っていた Win Chain とコールドチェーンプラットフォームの ExFlash に深刻な損失をもたらした。

Alibaba 関連会社を通じた B2C 販売ルートを失った Yiguo はその後、B2B にビジネスモデルをピボット。Alibaba などの強力を受け、家電量販大手 Suning(蘇寧電器)などと提携し回復を狙ったが、最終的に起死回生は失敗に終わった。Alibaba の他にも、JD(京東)、Pinduoduo(拼多多)、Suning、Meituan(美団)といった大手が生鮮食品 EC に参入を図り競争が激化していることも一因と見られる。

via Platum(플래텀)

都市で野菜を育てる垂直農法の「Infarm」が1.7億ドル調達

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ピックアップ:Infarm raises $170M in equity and debt to continue building its ‘vertical farming’ network ニュースサマリー:都市部で垂直農法を使った農作物栽培・販売をする「Infarm」は9月17日、シリーズCにて1億7,000万ドルの資金調達を公表している。リード投資家としてLGT Lightstoneが参…

Infarmウェブサイト

ピックアップ:Infarm raises $170M in equity and debt to continue building its ‘vertical farming’ network

ニュースサマリー:都市部で垂直農法を使った農作物栽培・販売をする「Infarm」は9月17日、シリーズCにて1億7,000万ドルの資金調達を公表している。リード投資家としてLGT Lightstoneが参加し、 Hanaco、 Bonnier、 Haniel and Latitudeらが新たに、また既存投資家としてAtomico、TriplePoint Capital、Mons Capital、Astanor Venturesも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:Infarmは「100% Local」をキーワードに、都市部の屋内で通常栽培のわずか1%ほどの面積で垂直農法の栽培環境を整え、新鮮な野菜の提供を実現しています。同社によれば、既にベルリン、コペンハーゲン、シアトル、ロンドンなどの10カ国30都市での栽培・販売を開始しています。不動産価格が高い都市部で展開する事業であるため、未だ経済合理性の取れていない領域であるものの、食料問題は人間が避けては通れない点であるため、市場展望性は衰えないでしょう。

特に同社の農法では、水の使用量を通常農法より95%削減、肥料の使用量を75%減かつ無農薬を実現しており、環境問題にも目を向けたモデルとなっています。都市部で栽培して現地で販売するため、流通コストも90%減を達成しているとする点も注目すべきポイントでしょう。

日本に目を向けると同社は、JR東日本と今年2月に提携し、紀伊国屋店舗にてInfarmプロダクトの日本導入を進めています。これらの動きにより、今後は日本においても都市部スーパーマーケットで垂直農法を用いた販売形式を見かけることも増えるかもしれません。地価の問題から高級食品として扱われることが想定されますが、一般化が進めばあらゆる場所で「100% Local」なInfarmプロダクトが見られることになりそうです。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

西アフリカのGrab・Gojekを目指すGozem

ピックアップ:How Gozem transitioned from a motorcycle-hailing platform into a super app in two years ニュースサマリー:西アフリカ・トーゴ発のスタートアップGozemは今年3月、プレシードラウンドにてPlug and Playより資金調達を実施したと発表している。2018年11月にトーゴで配車サービスを提供する…

Image Credit:Gozem

ピックアップ:How Gozem transitioned from a motorcycle-hailing platform into a super app in two years

ニュースサマリー:西アフリカ・トーゴ発のスタートアップGozemは今年3月、プレシードラウンドにてPlug and Playより資金調達を実施したと発表している。2018年11月にトーゴで配車サービスを提供する会社として始まったGozemは徐々に提供エリアとサービスを増やし、当初からモデルとしているGrabやGojekのようなSuper Appへと徐々に成長を重ねている。

将来は西アフリカ版のGrabやGojekとなることを目指し、提供国や提供サービスを徐々に追加している。同社によれば、Gozemのアプリは既にサービス開始以来50万以上のユーザーに利用されている。

詳細な情報:今年7月にeコマースサービスと配送サービスを開始するタイミングでアプリインターフェースを刷新、これまでの配車サービスがメインだったアプリから、統一されたプラットフォーム上で複数のサービスが利用できるSuper Appへと生まれ変わった。

  • 同社によれば、10年前の東南アジアと現在の旧フランス領西アフリカ地域の交通機関網にはバイクタクシーの多さや組織化されていない交通機関網など共通点が多いことに気づいたという。また創業者の1人であるRaphael Dana氏は実際に東南アジアで配車サービスを体験していたこともあったため、当初からGrabとGojekをモデルとして事業を開始した。
  • 2019年に新たにベナンでもサービスの提供を開始、当初はバイクだけだった配車サービスにはトゥクトゥクとタクシーが加わる。
  • 今年5月には、当該地域でサービスを提供するモバイル通信会社Etisalatグループと提携。Gozemのユーザーはアプリ内ウォレットから同社のモバイルマネーMoov Moneyを使用したキャッシュレス決済が可能に。
  • さらに7月には、トーゴのロメとベナンのコトヌーでeコマースと配送サービスを開始。本来、eコマースサービスの開始はもう少し先を予定していたが、新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングの需要が増大したため時期を早めてのリリースとなった。
  • 現在までにサービス提供エリアはトーゴとベナンの首都を含む両国7つの都市に拡大。次はカメルーンとガボンへの参入を予定し、既に両国でドライバー志望者を募り6,000人以上がウェイティングリストに入っている。
  • 今後はコンゴ民主共和国、マリ、ブルキナファソ、セネガル、コートジボワールへでの事業展開も計画しているという。また、配車サービスの乗車記録数は2019年の第4四半期は35万回、2020年第一四半期は50万回と今年に入り利用が増加している。

背景:2017年の時点でアフリカ大陸には21の国に60を超える配車サービスが存在していた。しかし、旧フランス領西アフリカ地域には同様のサービスがなく、当地でのビジネスを始める機会を模索しながらシンガポールなどの東南アジアに滞在していたRaphael Dana氏と、以前にナイジェリアのUberで働いていた経歴を持つEmeka Ajene氏が出会いGozemが創設された。

旧フランス領西アフリカ地域はかつてフランス領だったモーリタニア、セネガル、フランス領スーダン(現在のマリ共和国)、フランス領ギニア(現在のギニア)、コートジボワール、ニジェール、オートボルタ(上ボルタ、現在のブルキナファソ)とフランス領ダホメ(現在のベナン)の8地域を指す。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

医師不足の南アフリカで医療ネットワークを構築する「Vula Mobile」

重要なポイント:アフリカの多くの国と同じく医師不足が深刻な南アフリカでは、周囲に専門的な知識を持つ医師のいない状態でコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人達が病人のケアや簡単な治療を行なうケースが多くある。医療従事者向けアプリVula Mobileはこういった人達の抱える問題を解決し、南アフリカ全体での効率的な医療ネットワークを構築、同国の医療問題解決に貢献している。 詳細な情報:2019年度に南…

Image Credit : Vula Mobile

重要なポイント:アフリカの多くの国と同じく医師不足が深刻な南アフリカでは、周囲に専門的な知識を持つ医師のいない状態でコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人達が病人のケアや簡単な治療を行なうケースが多くある。医療従事者向けアプリVula Mobileはこういった人達の抱える問題を解決し、南アフリカ全体での効率的な医療ネットワークを構築、同国の医療問題解決に貢献している。

詳細な情報:2019年度に南アフリカのアプリアワード MTN Business App of the Year Awards のベストヘルスアプリ賞を受賞した医療従事者向けアプリVula Mobileは今年、新型コロナウィルスの感染の広がる南アフリカで全国的な「Doctors-on-call hotline」として治療にあたる医療従事者を支援、改めてその価値を証明した。

  • 医師不足の南アフリカでは、人口10万人あたりの医師の数が都市部で53.3人、それ以外では39.8人程度となっている。日本は206.3人
  • 都市部以外に住む多くの人は簡単にアクセス出来る場所に病院が存在せず、代わりにトレーニングなどを経て、限られた医療行為のみ許可されたコミュニティヘルスワーカーと呼ばれる人々が中心となって各地での病人のケアや薬の処方などにあたる。そのほか、地方の病院には医師であっても経験の浅い医師が1人だけで診療・治療の対応にあたっている施設もある。
  • Vula Mobileは主にこのような医療従事者を対象としたアプリで、53以上の診療科目で必要とする時に医師の専門的な意見やアドバイスをもらうことができる。医療従事者が症状などを元に照会をかけると、条件に合致した症状のある患者の匿名化された診療記録や当時の診断画像を含むフィードバックが15分以内に受け取れる。必要に応じて専用のチャットラインを使用した1対1の相談も可能。
  • 対象となる分野には、眼科、心臓、耳鼻咽喉、やけど、常備薬、HIV/エイズ、整形外科などが含まれ、現在4,000人を超える医師が月に1万9,000人を超える患者のサポートにあたっている。
  • また、これまで医療施設間で重病患者の他院への紹介はそれぞれの判断によって行われていたため、数の少ない高度な設備を持つ医療施設に他の医療施設でも治療可能だった患者が集中してしまい、診療までの待ち時間が長くなってしまうという問題も起こっていたが、Vula Mobileはこの問題も解決する。
  • 2019年のSouth African MedicalJournalの論文 で行われたVula Mobileを利用した本機能の調査によると、約7ヶ月の期間に39の施設238人のユーザーから2,275人の患者の紹介に関しての相談を受け、患者の3分の1はアドバイスを受けて当初の病院で治療が行われた。

背景:Vula Mobile創業者であるWilliam Mapham博士は、エスワティニ(旧スワジランド)の地方にある同国唯一の眼科で働いている時に、地方のコミュニティヘルスワーカーが困難な問題に直面した際に医師からのアドバイスをもらうことの困難さを知り、この問題を解決しようとVula Mobileの開発を始めたバックグラウンドを持つ。

南アフリカ保健省のPillay博士によると、「アプリにより不要な(医療機関から別医療機関への患者の)紹介が最大31%削減されたほか、臨床部門の責任者は同アプリのオンラインダッシュボードを使用して、リアルタイムの臨床ガバナンス、月次レポートの生成、調査などに利用していることが明らかになった」とのことで、効率的な医療ネットワークの構築だけでなく、Vula Mobileを基軸とするデータは副次的にも南アフリカの医療に役立っている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

キャッシュレス経済への移行を進めるカンボジアフィンテック市場

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用…

Image Credit: Cambodia Central Bank

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia

ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用したサービスの利用が期待されている。

重要なポイント:カンボジアでは2018年頃からキャッシュレス決済の利用が増え始め、現在では50社以上の決済会社がキャッシュレスサービスを展開しているといわれているが、未だトッププレーヤーと呼ばれるほどに成長した企業は出てきていない。 そんな中、現在のカンボジア市場に注目し参入に意欲を見せる新興フィンテック企業もあれば、NBCが推進するプロジェクトが前進するなど、今年に入り新たな動きが出てきている。

詳細な情報:カンボジア市場は2019年半ばまでで既に50社以上のキャッシュレス決済サービスが存在しているといわれている。2017年からの約2年で5~10倍に増加した。

  • 代表的なサービスとしては Pi PayTrue MoneySmartLuy Mobile MoneyWing MoneyBongloySabay Wallet などが挙げられるが、ユーザー数やサービス内容で突出した企業はまだ出てきていない。そのためカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目する企業もまだ多い。今年だけを見ても、海外から参入した2社が直近3カ月以内に資金調達を行っている。
  • Fincyシンガポールを拠点とする同社はブロックチェーンを利用した支払い、振替、給与計算などを行える高機能デジタルウォレットの提供を実施する。2020年1月にカンボジア市場へ参入し、直後に新型コロナウイルスの影響を受けることとなったが、既にプノンペンだけでも600以上の加盟店を獲得し同社の予想を上回るペースでの成長を遂げている。現在は同社が「長引くバンデミック下でもビジネスと投資環境は依然として活気がある」と評価するカンボジア南部の都市シアヌークビルでの事業展開に注力している。 2020年6月12日にカンボジアを始めとする東南アジアでの事業拡大のために、親会社であるGBCI Ventures Pte Ltdから1,100万ドルの資金調達を行った。
  • Clikカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目するMatthew Tippetts氏が、他2名と共同創業したスタートアップ。今年8月にシードラウンドで370万ドルの資金調達を行い、2020年末までにカンボジア国内でのサービスローンチを予定。銀行口座と紐付けた決済アプリを利用し、シームレスなタッチ決済サービスの展開を予定している。しかし、カンボジアの銀行ではKYCは対面で行なう事が前提になっているという問題に直面し、サービスローンチに先立ちe-KYCの導入・構築にも力を入れている。
  • 参考記事:東南アジアのモバイル決済新星「Clik」、370万米ドルをシード調達——パイロット運用の地にカンボジアを選んだ理由とは
  • また、NBCもデジタル決済プロジェクトを推進している。Project Bakong:NBCによって2017年に始動したブロックチェーン基盤のP2Pデジタル決済システムProject Bakong。今年6月18日にホワイトペーパーを発行している。CBDC(中央銀行デジタル通貨)の準形式であり、QRコードとモバイルアプリを使用した決済システムによって金融包摂の推進を目指している。また、非効率的な決済システムを改善、銀行サービス利用への道を開くことで貧困を緩和するといった、プロジェクトの目的がホワイトペーパーに記載されている。 ※本プロジェクトの開発には日本のブロックチェーン企業ソラミツが参加している。

背景:カンボジアは人口に対するインターネットカバー率が既に80%近くに達し、データ通信量は10GBで7〜8ドル程度と比較的安価な現状だ。そのため、 スマートフォン所持率は2016年時点で95%と言われている。VISAが公開したデータによれば、国民の約3割がキャッシュレス決済の普及に期待していると回答し、キャッシュレス経済へと移行する環境は既に整いつつあるように思える。また、NBCが6月に発表したデータによると、昨年カンボジア国内でアクティブな電子決済アカウントの数は522万件に達し2018年から64%増加していることが分かる。銀行と決済サービス機関を介したモバイル決済取引額は、2019年のGDPにおける22.9%に相当したとする。

カンボジアでデジタル決済が推進される背景には、他の新興国同様の金融包摂の推進という目的以外にも、長年の米ドル経済から脱却し現地通貨リエルの流通を促進させる狙いもある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカ大陸金融包括、カギは「音声メッセージ」

ピックアップ:Ecobank Fintech Challenge 2020 ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを…

Image Credit:Ecobank Fintech Challenge 2020

ピックアップEcobank Fintech Challenge 2020

ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを軸に事業展開をしている。

詳細な情報:Ecobank Fintech Challengeは、アフリカの金融コングロマリットEcobankが毎年主催するもの。今年は、アフリカ全土600社以上のフィンテックスタートアップから応募があった。

  • Ecobank Fintech Challengeはアフリカ大陸の全てのフィンテック企業に応募資格がある。上位3位に選ばれた企業には5,000ドル〜1万ドルの賞金のほか、Ecobankフェローシップへの参加やグループとの戦略的パートナーシップの検討、Ecobankの展開する33カ国のアフリカ市場参入時のサポートといった権利が与えられる。急成長中の注目企業や有名企業も複数最終選考に残る中、最終的にはまだサービスのローンチにも至っていないほぼ無名のガーナ発Nokwaryが優勝を納めた。
  • 同社のサービスはボットに対して普段通りに自然な要求を伝えるだけで、対話形式でスムーズかつ効率的に送金・決済処理を行う。Whatsappユーザーは既に各金融サービスの提供するボットを利用してWhatsapp上から取引などを行っている。表示されるメニューの中から自分の要望に該当する番号を入力し、1ステップずつ処理を進める形式を取る。
  • 現在はガーナの公用語でもある英語でサービス開発が行われている。今後、ガーナのローカル言語(※ガーナには公用語と別に政府公認言語が9つ存在している)やその他アフリカ各国の諸言語にも対応していく予定。
  • サービスはテキストメッセージだけでなく、音声メッセージにも対応。 全ての国民が水準の高い教育を受けられるわけではないガーナや、その他アフリカ諸国で、文字の読み書きが不得意な人たちも日ごろから音声メッセージを多用し、Whatsappでのコミュニケーションを取っていることに対応したもの。金融包摂やアフリカでの事業展開という点から、音声メッセージにも対応することは非常に重要といえる。
  • サービスローンチ前であるものの、アフリカ全土へのサービス展開が現実的なものとなったNokwaryのサービスはEcobankの支援を受け、今後数カ月以内でのローンチを目指している。

背景:主催するEcobankはサブサハラ以南を中心に、アフリカ33ヵ国で営業するトーゴの首都ロメに本部を置く金融コングロマリット。西アフリカ・中央アフリカでは独立した銀行として確固たる地位を築いている。WhatsAppは180か国15億人のユーザーがいる世界で最もユーザー数の多いメッセージングアプリ。アフリカ・中南米・ヨーロッパの多くの国では最もポピュラーなメッセージングアプリとして使用されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

ブロックチェーンで世界の「偽造医薬品」問題に挑むナイジェリアのChekkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを…

Image Credit:Checkit

ピックアップ:Nigerian blockchain startup, Chekkit, pilots its drug verification tech in Afghanistan

ニュースサマリー:ナイジェリア発のスタートアップ「Chekkit Technologies」は9月、アフガニスタンにおける同社事業展開へのパートナーシップを当局保健省と締結したと発表した。同社はブロックチェーンを利用した追跡可能なスマートラベルを使用し、新興国で毎年多くの死者を出している「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいるスタートアップ。2018年にナイジェリアで創業した同社は、現在同国ならびに米国にもオフィスを構えている。

重要なポイント:同社の技術は主に、サブサハラ(アフリカ全土のうち北アフリカを除いたサハラ砂漠より南の地域)全域を中心に新興国で毎年多くの死者を出している「偽食料品」・「偽造医薬品」問題の解決に取り組んでいることで知られている。

詳細な情報:新興国では毎年多数の死者が出ている偽造医薬品市場は推定で年間2,000億ドルにもなるといわれている。その多くは中国産とされる偽造医薬品だ。本物と見分けがつかないほど精巧なパッケージのものも多く、医薬品の輸入に関する規定や制度、検閲体制などが整わない国では国内への流入を防ぎきることが難しいため、深刻な被害が出ている国が多くありながらも、現在まで根本的な解決が難しい状態が続いている。

  • Chekkit Technologies はこの問題を解決するために、倉庫から流通業者、最終消費者に至るまで、製品の動きが追跡可能なブロックチェーンベースのプラットフォームを構築した。
  • Checkitが提供するスマートラベルは、パッケージに貼付されたQRコードもしくは数値コードによる一意のIDによって流通の過程を管理・記録していく。輸入されてきた医薬品には、輸入された段階でその情報とともにパッケージにラベルが貼付される
  • 消費者や販売者は、Checkitのアプリからスマートラベル上のQRコードをスキャンもしくはIDを入力することで、パッケージ単位での流通経路や実際に医薬品として認可されている製品であるかどうかの確認が可能。誤って偽造医薬品を販売したり購入・服用したりすることを防止する。
  • ナイジェリアを始め新興国ではスマートフォンの普及率もまだ低いため、フィーチャーフォンからでも当該IDを使用したUSSDコードによる情報取得が可能。
  • 2018年に設立されたChekkitは昨年2つの大きな成果をあげた。2019年11月、アフガニスタン保健省と偽造医薬品問題について既に協議を行っていたFantom Foundationがスポンサーを務めるAfricArena SummitのブロックチェーンピッチコンペティションでChekkitが1位を獲得した。その後、今回発表に至ったアフガニスタン保健省とパートナーシップの締結に至る。
  • 今後アフガニスタン市場において、実際に販売される8万点の医薬品にChekkitのスマートラベルを貼付し3ヶ月のパイロット運用が行なわれる。
  • ナイジェリアとガーナのDeep Tech企業向けアクセラレータープログラム FbStart Accelerator にも参加。CEOのOdumade氏によれば、参加後の同社収益は1200%増加し、10万件を超える製品の認証確認が行われたとのこと。「2025年までに、アフリカと世界の数百万人の人たちを(偽造薬・偽造品などから)守りたい」という同社の信念に向け、精力的に事業を拡大している。

背景:アフリカ大陸の中でも特にサブサハラ以南の地域での偽造医薬品問題は非常に深刻であり、偽の抗マラリア薬により毎年10万人以上の死者が出ているほか、5歳未満の子どもの12万人以上が何らかの偽造医薬品を摂取した事が原因で亡くなっている。WHOによれば2013年から2017年の間に報告された偽造医薬品の42%がアフリカで押収されたものであった。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

ハイエンド都市型Airbnbの「Casai」、a16zら2300万ドル出資

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ピックアップ:Investing in Casai ニュースサマリー:メキシコ発のスタートアップ「Casai」は14日、シリーズAにて2300万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてAndreessen Horowitzが参加し、 Cultural Leadership Fund、Kaszek Ventures、Global Founders Capital、Monashees C…

Image Credit : Casai

ピックアップ:Investing in Casai

ニュースサマリー:メキシコ発のスタートアップ「Casai」は14日、シリーズAにて2300万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてAndreessen Horowitzが参加し、 Cultural Leadership Fund、Kaszek Ventures、Global Founders Capital、Monashees Capital、Liquid 2 Ventures、DST Globalも同ラウンドに参加している。また、同時にTriplePoint Capitalとの間で、最大2,500万ドルの融資枠獲得に関するパートナーシップも公表している。

同社はメキシコシティーに本拠地を置くホスピタリティースタートアップ。旅行者向けにハイエンドな都市型の宿泊施設を提供する。キーレスチェックインなどテックフレンドリーな設計にするほか、アメニティを宿泊者が容易に購入できるような体験づくりを特徴としている。

話題のポイント:久しぶりにトラベルスタートアップの話題です。しかも、調達額も2300万ドルと比較的大きな規模に加え、a16zがリード投資家として参加しています。COVID-19以降、トラベルスタートアップの話題といえばAirbnbに関わるレイオフなどやや不透明なものが主でしたが、ついに息を吹き返し始めている頃合いなのかもしれません。

Image Credit : Casai

さて、今回2300万ドルを調達したCasaiは自社で物件は所有せず、オーナーとのレベニューシェアでのモデルを採用しています。Airbnbが出資するLyricと非常に近いモデルで、価格帯は60ドルから150ドルのレンジで貸し出しており、a16zによればパンデミック以降でも90%の高い入居率を保っているそうです。また、現在メキシコシティの都市を中心に200の物件を運営しており、今回調達した資金は新しくメキシコ国内・ブラジルでの物件獲得に用いられるそうです。

宿泊地のプラットフォームとして特出すべき点は特に上記以外にはありませんが、a16zも触れているようにCasaiは「Sustainable Local Tourism Economies(持続可能なローカルツアリズム市場)」に力を入れています。これは、例えば上述した地元で生産される家具などを利用して部屋をデザインし、宿泊者の購入へと繋げるなど、Casaiが提供する空間を中心に回るローカルエコノミーを意味しています。同社のホームページにも「Boutique Travel」とあるように、Casaiでは宿泊はあくまで手段であり、そこから派生するエコノミーに着目する新しいホスピタリティースタートアップと言えるのではないでしょうか。