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拡大する途上国フィンテックへの投資ーーソフトバンクとTencent(騰訊)が南米チャレンジャーバンクへ1.5億ドル出資

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ピックアップ:Argentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと…

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ピックアップArgentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank

ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと発表した。同社の創業は2016年で、本調達により累計調達額は約1.95億ドルに達する。

Ualaは近年欧米を中心に台頭する「Revolut」や「Monzo」に代表されるチャレンジャー・バンク事業をラテン・アメリカで展開。同社のアプリとカードを通して、預金・送金・融資・投資信託などほぼ全ての種類の金融サービスを利用できる。なお、欧州のチャレンジャー・バンクとの違いとして、Ualaが銀行免許を取得せずにサービス展開している点が挙げられる。

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話題のポイント:WeWork経営危機問題を横目に、SoftBankによる海外投資は着々と加速しています。最近では、同社が仕掛けるラテン・アメリカ地域特化のイノベーション・ファンドが、先日ブラジルのEコマース企業「VTEX」の1億4000万ドル調達ラウンドにも参加していました。

アルゼンチンは現在深刻なインフレーションや3,300億ドル規模の債務など、国家の金融面で様々な問題を抱えており、加えて金融サービスの普及率も先進国に比べれば低い状況が続いています。そのためUalaのような個人向け資産管理アプリは同国の金融サービスへのアクセスを急拡大させられると考えられます。

このようにSoftBankは途上国の未成熟な金融システムを代替しうるデジタル・バンキングに投資の可能性を見出しています。実際に今年5月頃、SoftBank及びSoftBank Vision Fundはブラジルの担保貸付サービス「Creditas」に2億ドル超の出資を実施した経歴があります。

一方、中国最大のテック・ジャイアントでWechatなどを運営するTencentもSoftBankと同様の投資戦略を持っていると考えられます。TencentはWechat Pay及びその他の多数フィンテック・サービスを展開していることから、事業提携を通じた長期的な関係構築を見据えた戦略も感じさせられます。

Tencentは既にブラジル発のチャレンジャー・バンク「Nubank」との戦略的提携及び出資(1億8,000万ドル)を実施した過去があります。こうした投資実績からTencentはラテン・アメリカ市場を熟知していると考えてよく、本投資決行の大きな自信になっていることは言うまでもないでしょう。ちなみにNuBankは現在ラテン・アメリカではまだ珍しいユニコーン企業へと成長しています。

TencentとNubankのように、中国のフィンテック・ジャイアントが新興国のフィンテック・サービスに大型出資を行う案件は本件が最初ではありません。実はTencentが運営するWechatの競合にあたるAlipay(支付宝)と、その運営企業「Ant Financial(蚂蚁金服)」は数年前、インド市場へ影響力を拡大することを目的に、(関連会社アリババからの投資に加え)技術輸出という形でインド最大の決済大手「PayTm」を支援しています。

Ant Financialは現在まで投資を複数回続け、結果的にPayTmはインドで最も大きな決済アプリとなりました。つまりTencentによる戦略的投資は、Ant FinancialによるPaytmへの戦略的投資を大いに参考にしていると考えられます。

さて、アルゼンチン経済の特殊な背景と言う違いはあるものの、UalaはTencent及びNubankの成功モデルを参考にできる分、サービス拡大の難易度は高くないと言えるのではないでしょうか。両企業を参考にしつつ、効果的に開発と資本注入を繰り返すのがUalaの今後の事業プランとなっていくでしょう。

Ualaは未だアルゼンチン以外の南米諸国へとサービス展開する予定はないとしていますが、おそらくTencentは今後も大型資金を同社に投入し続けていく意向でしょうから、将来的に他国参入を実施する可能性は十分にあるはずです。Ualaの今後の成長・拡大にSoftBankとTencentの投資戦略の面からも注目です。

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学術書サブスクの「教材版Netflix」Perlegoは欧州学生の心を掴めるか

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ピックアップ:Perlego Raises $9 Million Series A to Grow E-Book Library ニュースサマリー:欧州28カ国に電子書籍サービスを展開する「Perlego」は11月20日、シリーズAラウンドにて、Charlie SonghurstやDedicated VCなどの複数投資家らから合計700万英ポンド(※約900万ドル:約1,000万円)を調達したと発…

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Image Credit : Perlego Instagram

ピックアップPerlego Raises $9 Million Series A to Grow E-Book Library

ニュースサマリー:欧州28カ国に電子書籍サービスを展開する「Perlego」は11月20日、シリーズAラウンドにて、Charlie SonghurstやDedicated VCなどの複数投資家らから合計700万英ポンド(※約900万ドル:約1,000万円)を調達したと発表した。

同社はロンドン拠点のスタートアップ。教科書版Netflixとも呼べる、20万点以上のデジタル教科書読み放題(サブスクリプション)サービスを提供する。調達資金は英語以外のコンテンツ拡充およびヨーロッパ市場へのさらなる拡大に向け活用される予定。加えて、今後アクセス可能なコンテンツ数を25万に増加させるとのこと。

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Image Credit : Perlego

話題のポイント:「教科書や参考書、学術書は一般の本に比べ割高」という印象を持っている人は少なくないと思います。高校や大学、塾で購入を強制される教材というのは安くても1,000円以上、学術書などは高ければ3,000~5,000円ほどの価格帯のものもあります。

学生は学習を進めれば進めるほど、または進級する度にこうした高額な教科書を購入する必要が発生し、社会人でお金がある訳でもない彼らにとっては悩ましい問題といえます。

まさにこのような問題解決に挑むのがPerlegoです。年額プランの場合は月額10ユーロ(約1,200円)、月額プランの場合は月額15ユーロ(約1,800円)で、2,000に及ぶ主要な出版社から20万冊以上の教科書にアクセスし放題になります。

同社のアプリはiOSとAndroidのスマホどちらかも利用でき、オフラインダウンロード機能を使えばWifi環境がなくても読むことができます。また専門家がキュレーションした教材リストにもアクセスでき、ユーザーがどの書籍を読むか迷う心配を減らす機能も提供します。この辺りのサービス設計は定額制ストリーミングサービスの代表格といってもいいNetflixやSpotifyを大いに模倣していると考えられます。

さらに実際のアナログ本さながらにメモやマーカーをいれることができたり、学生は20%割引だったりと、価格・利便性の面でターゲットである学生層の心を掴む利点も充実していることが分かります。

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Image Credit : Perlego Instagram

Perlegoの競合としては、世界的な教育書籍出版社「Cengage」が提供するサービス「Cengage Unlimited」などが挙げられます。同サービスは現段階で米国限定の提供を行なっていることから、今後欧州地域に参入する可能性もあります。そのため、Perlegoは一刻も早く欧州地域で独占的地位を築く必要があるでしょう。

また、Amazonの「Kindle Unlimited」や「Amazon Ignite」に代表される巨大プレイヤーによるサービスも参入も長期的に考えられます。比較的小さな市場とはいえ、Perlegoにとっては厳しい競争が待ち受けていることが想像できます。

こうした競合への対抗戦略として考えられるのは2つ。1つ目に提携戦略。すなわち欧州市場の教材出版社や教育機関との提携を通じてサービス普及の加速を図るというものです。

仮に主要な出版社と先んじて独占的な契約を結ぶことができれば、それはユーザー数拡大を促すだけでなく、競合を抑え込む強力な障壁となるでしょう。また、教育機関へのサービス提供ができる場合、コストを支払うのは教育機関側となるため、生徒に無料で電子書籍を提供するモデルが考えられます。その場合、Perlegoはまるでデジタル図書館のように機能し、生徒を魅了することができるはずです。

もう1つが、現在Netflixが進めるオリジナル・コンテンツ戦略です。出版社との提携も強力ですが、著者を直接的に囲うことができれば中間マージンの削減やサービスの独自性上昇に繋がります。

上述のような提携戦略や、サブスク先駆者であるNetflixを踏襲した戦略を持ってすれば、マス狙いのAmazonの電子書籍・教材のサブスク・サービスが人気を博したとしても競争力を十分に発揮し、大手サービスにも対抗することが可能なのではないでないでしょうか。その意味で、今後の同社のサービス拡張戦略にはとても注目が集まります。

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4.5万人が稼働するUberロンドン市場で営業権が一時失効に

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  ピックアップ:Uber’s fate in London hangs in the balance as transport regulator reportedly weighs a ban ニュースサマリー:Uberが持つロンドン市での営業権利が失効されたようだ。ロンドン交通局(正式名 Transport for London)は失効日である25日までに新たな営業ライセンスを発行…

 

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ピックアップUber’s fate in London hangs in the balance as transport regulator reportedly weighs a ban

ニュースサマリー:Uberが持つロンドン市での営業権利が失効されたようだ。ロンドン交通局(正式名 Transport for London)は失効日である25日までに新たな営業ライセンスを発行するかどうかの判断を迫られたが、発行の動きを見せなかったことから静かに幕引きとなった。

ただし、Uberに21日間の控訴猶予日が残されていることから、すぐにオペレーションが止まることはない。また、裁判が始まれば判決が出るまで営業を続けていくことができる。ロンドン交通局はUberの運営禁止に関し積極的な検討を行なってきたとされ、一方のUberは当局の判断について楽観的だとの意見を述べていた。

しかし、ロンドン交通局はUberがいくつかの交通安全上のリスクを孕んでいる点を懸念。たとえばロンドン交通局がUberのドライバーを全て特定できておらず、1.4万にも及ぶ未登録車両が存在している点を問題視していた。

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話題のポイント:Uberのロンドンでのサービス提供に暗雲が立ち込めてきているようです。2017年、Uberは初めてロンドン交通局に営業ライセンスを没収されました。その後、改善を試みた上で一時的な営業ライセンス付与に至り、15カ月に渡ってオペレーションを回しました。さらに今年9月には新たに一時営業ライセンスを取得し、11月までの約2カ月間の営業を行なってきました。

Uberにとってロンドンはヨーロッパの中でも最も利用数を誇る、4.5万を超えるドライバーを抱える市場です。今後のロンドン交通局の対応次第で本当に営業を停止する必要に迫れられます。そうなった場合は非常に大きな機会損失を生むでしょう。

ロンドン・ラジオ・ステーションの編集者はTwitter上でタレコミ情報をツイート。ロンドン交通局は同氏に対し「Uberはポジティブな改善をし続けてはいる」と回答しているようで、Uberによる一定のオペレーション改善努力は認めていることが分かります。この点が今後どう転ぶかは注目でしょう。

一方、Uberは余裕な姿勢を見せ続けています。というのも、Uberは控訴・上訴を行うことで実質的にオペレーションを延長し続けることができてしまうからです。許されるギリギリのラインを見計らいながら改善を施していくと同時に、だらだらと裁判の期間を引き延ばす戦略が垣間見れます。

Uberとしても欧州最大規模のロンドン市場を失うことだけは避けたいはずです。事実、Financial Timesによれば同社の株価は当ニュースを受け6%以上下落しました。これから裁判に臨み、出来る限りの改善を尽くすでしょうが、ロンドン交通局がどこまで譲歩するのかが焦点となりそうです。

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旅行中のお部屋を「即現金化」するLeavy.co、そのカラクリを考えてみた

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ピックアップ:Leavy.co, the app for millennials who want to rent out their room while travelling, discloses $14M funding ニュースサマリー:パリに拠点を置くトラベルスタートアップ「Leavy.co」は26日、シードラウンドにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はPri…

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Image Credit: Leavy.co

ピックアップ:Leavy.co, the app for millennials who want to rent out their room while travelling, discloses $14M funding

ニュースサマリー:パリに拠点を置くトラベルスタートアップ「Leavy.co」は26日、シードラウンドにて1,400万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はPrime Venturesが務めた。Index Venturesも同ラウンドに参加している。

Leavy.coは旅行者が旅に出ている間、自宅またはアパートメントを短期賃貸として貸し出せるプラットフォームを提供している。利用者は宿泊者とやり取りする必要なく、プラットフォーム上からオンデマンドで物件を探すことができる。鍵の受け渡しなどは該当地域の物件管理を担当するオンデマンド・ホストが代行する。

最大の特徴は、部屋を貸し出すオーナーの報酬受け取りまでの早さにある。同社では物件をリスティングした時点で代金が支払われる。そのため、貸し出すユーザーは旅に出る前に資金を手元に置くことが出来る。また、結果的に予約者が獲得できなかった場合でも、通常の金額がそのまま支払われる。価格自体は需要と供給に従った、ダイナミックプライシングによって設定される。

話題のポイント:Leavy.coのコンセプトは「旅するミレニアルを増やすこと」。しかし旅をするために多額の借金を背負っていては元も子もありません。このギャップを埋めるために「旅をしながら稼ぐ」手段としてLeavy.coのアイデアに行き着いたと同社のホームページで語られています。

たしかに旅をする = 普段住んでいる家が空くため、その部屋を民泊化する手段は真っ先に思いつくマネタイズ方法です。とはいえ、信頼できる友人がいるなら別ですが、貸し出すとなればトラブル対応に備えてその場にできるだけ居合わせたり、細かくやり取りをしなければならない煩雑さがありました。

そこでLeavy.coでは、アプリ内コミュニティーで気軽に「Hosts on Demand(ローカルホスト)」を募集する仕組みを作りました。オーナーはホストに諸対応を安心して任せられるため、思い立った際に気軽にリスティングできるサービス設計になっています。

また、ユーザー層にも特徴があります。Leavy.coのユーザー数は6万5000人を超え、そのうち60%がミレニアル世代の女性であるとのこと。Airbnbやその他民泊プラットフォームでは、家族が所有する自宅の一室やそもそも投機目的の部屋が主流ですが、若い女性向けの物件が出揃うことで、差別化が生まれていることが予想されます。

さて、2017年に創業したLeavy.coがたった約2年間でユーザー数6万を超えるまでに成長を遂げた理由として、冒頭で紹介した前払いシステムが挙げられます。

これ、一体どういう仕組みなのでしょうか。

上述通り、同社では物件の貸し出しの有無に関わらず、ダイナミックプライシングによって設定される価格をオーナー側へ支払う契約になっています。当たり前ですが、オーナーに対して予約者が付かずに一定額を支払い続ければ、ただ損失が積み重なるだけの仕組みです。

CEOのChaouachi氏もTechCrunchのインタビューにて「もし宿泊者を獲得できなければすべてのリスクは我々が請け負うこととなります」と語っています。裏を返せばリスティングされればほぼ確実に宿泊者が集まるという仮説で運営をしているわけです。

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Image Credit: Leavy.co

ここからは筆者の仮説です。

上図に記した305ユーロは、仮にフランス・パリにて12月23日から27日までの5日間、シングルベッドの部屋を貸し出した場合にオーナーが受け取れる金額です。旅に出ている間、1日当たり、約60ユーロ(日本円で7200円)ほど受け取れるので、旅費の足しにはなりそうです。

Leavy.coが利益を生み出すためには上記金額より高値で市場に出す必要があります。失敗すれば100%の不利益です。さてここで競合となるAirbnbのリスティングを見てみましょう。

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Image Credit: Airbnb

同じ条件におけるAirbnbのリスティング価格帯は安くて1日100ドルほどです。そうです、Leavy.coの方がざっくり40%ほどのディスカウントになっています。オーナー目線でいえば、Airbnbに高値でリスティングしても利用者が現れなければ利益はゼロですから、割安でもリスクフリーで貸し出しせるLeavy.coは魅力です。

また、空室率の問題もあります。

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D.C. Policy Center

上図はアメリカ・ワシントンD.C.におけるデータになりますが、Airbnbにおける月間貸し出し率を現したデータです。NPO法人であるD.C. Policy Centerによれば、ワシントンD.C.におけるAirbnbの貸出率はほとんどが年間20日以下であり、数多くが9日以内の宿泊であることがわかっています(同データにおけるAirbnbの物件はすべて貸し切り物件、つまりLeavy.coが提供する「家」と同じ条件。)

つまり短期滞在の物件は人気なのですね。空いていない可能性が高い。

一方、Leavy.coは一つの場所を連泊前提で利用できるため、断片的に滞在場所を変えるリスクが低く抑えられます。こういった空き状況とプライシングのデータを使い、適切な提示額を導き出すことで利用客のマッチング成功率を100%に近づけているのではと考えます。

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Image Credit: Leavy.co

 

またアプリ内ではコミュニティー通貨として「Leavy Coin」を導入し、写真投稿など、ユーザーが自身の住む町に関わることでコインを獲得できます。こうしたGoogle Mapsのローカルアドバイザーのようなエコシステムを独自に設計している点も特徴でしょう。

加えて、モバイル決済「Leavy Pay」も様々な店舗で利用でき、一つのアプリ内でコイン獲得から決済機能までを実装しています。また、オンデマンドのローカルホストとしてお金を稼ぐことも可能です。

このように、コミュニティー形成と決済機能を両立させることで、自宅を民泊サービスに掲載する機会がなかったユーザーでも継続して利用できる仕様を目指しているのではないかと思います。様々な収益ポイントを設定することで「せっかく旅にいくんだったらリスティングするか」というユーザー行動を導くことができるかもしれません。

ローカルに根付きながらお金を稼げる、もしくはローカルを抜け出して遠くに旅行をしながらでも稼げる、こういった新たな経済圏のアイデアは日本でも参考になるのではないでしょうか。

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月間1億人が利用する書籍版「Netflixオリジナル」のScribd、王者Kindleとの差別化はいかに

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDま…

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ピックアップ:Scribd Announces $58 Million Strategic Investment Led by Spectrum Equity

ニュースサマリー:サンフランシスコ発のスタートアップ「Scribd」は11月25日、エクイティーラウンドにて5,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家としてSpectrum Equityが参加。同社はこれまでにシリーズDまで完了しており総額1億580万ドルを調達している。

Scribdは月額サブスクリプションモデルで本・オーディオブック・雑誌のオンライン読書サービスを提供している。月間のユニークユーザー数は1億人を突破しており、有料会員数は100万人。加えて、同社プラットフォーム限定公開のオリジナル作品「Scribd Original」の制作も行なっている。

話題のポイント:「オリジナル作品として生み出すサブスク型のプラットフォーマー」と聞くとまさにNetflixと印象が重なります。Scribdは2007年に創業し、立ち上げ初期には誰もが簡単にデジタル書籍を公開できるプラットフォームの運営を行っていました。同社サイトによれば世界初の取り組みであったとされています。

2013年からは現在の原型となるデジタル書籍サブスクリプションモデルの展開を始め、2016年には雑誌にも対応しました。同社は上述通りユーザー数を着実に伸ばし、今年4月にはオリジナル作品「Scribd Original」の制作に着手することを発表。4月に発表されてから累計4作品が公開されています。

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Scribd Originalのコンセプトは、著名作家が次作構想を練るまでの間、比較的短めの作品を発表できる機会を提供していくことです。背景には大作完成までに時間が多く費やされてしまい、普段読者と関わる機会が少なくなっている問題の解消が目的とされています。

作家にとっては次作完成までのリフレッシュや読者とのコミュニケーションを兼ねたちょうど良い執筆機会としての利用が想定されており、出版社にとっても次作に備えるまでの「ギャップ期間」を有効活用できる場となっていることが分かります。

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さて、Scribdにとって最大の脅威となりつつあるのがAmazonの「Kindle Unlimited」です。同サービスも著名作家の短編作品を「Kindle Singles」として公開しています。

Netflix、HuluやPrime Videoの違いなようなもので、そのプラットフォームから誕生するオリジナルコンテンツの好き嫌いでユーザー層が変わってくるでしょう。また、Kindle Unlimitedはプライム会員の特典という立ち位置のため、書籍メインのサブスクと考えればScribdにアドバンテージが大きいと考えられます。

とはいえ、Scribdの基本言語は英語がベースなため、現時点で利用層は他社より狭まっているのは確かです。こうした状況下でも有料会員数100万人を突破しているのは着目すべきでしょう。

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また、Scribdでは書籍という枠組みに捉われずアカデミックな資料をPDFで閲覧が可能です。資料自体は提携企業から提供されており、たとえばパートナシップを結ぶ『Forbes』が1917年に出版した雑誌を閲覧したりもできます。

同社は「To change the way the world reads.(世界の”読む体験”を変えていく)」をミッションに掲げます。そしてここまで積み上げてきた「オンライン」「サブスクリプションモデル」「オリジナルコンテンツ」は確実にこのミッション実現へ近づくためのものです。

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ギリシャにみる、民泊が引き起こす経済格差とその実情

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ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・ア…

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ピックアップ:Flexible Apartment Rental Startup Blueground Raises $50M Series B

ニュースサマリー:短中期アパートメント賃貸サービス「Blueground」は23日、シリーズBにて5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表した。リード投資家としてWestCapとPrime Venturesが参加した。同社は2013年にギリシャ・アテネで創業。1か月から最長5年までの短中期アパート滞在仲介サービスを提供している。8か月前に実施したシリーズAでは2,000万ドルを調達したばかりである。

過去3年間で売上を3倍に伸ばしており、現在は世界9都市(アテネ、ボストン、シカゴ、ドバイ、イスタンブール、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンD.C.)で1,700件以上の物件を掲載する。

話題のポイント:短期宿泊サービスといえば、今年ユニコーン入りを果たした「Sonder」やAirbnbが出資する「Lyric」が思い浮かびます。Bluegroundのコンセプトやサービス内容も、SonderやLyricと限りなく近いといっていいでしょう。

<参考記事>

一方、民泊が増えることで現地の人にマイナスな影響を与えるリスクがあることも理解しておく必要がありそうです。これは筆者のギリシャ出身の友人から聞いた話です。

肌感覚ですが、ギリシャでは昔とは比べ物にならないほど軽犯罪が増えていると感じています。Airbnbを筆頭に民泊が街中で目立ってくるのと比例して、軽犯罪率や家賃相場が上昇していたのを感じました。

ギリシャはご存知の通り、この10年近くを債務危機と隣合わせで過ごしている国です。

友人が指摘していた軽犯罪率推移は、実際は経済危機を乗り越えてから下降傾向にあるという結果もあるようなので、あくまで数字では読み取れない現地の人ならではの生活視点だといえます。ただ、家賃相場についてはインデックスを見ると、以下のように2017年を皮切りに上昇し続けていることが分かります。

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このグラフは実際の不動産価格を年間の家賃で割ったものです。そのため、上昇すればするほど家賃価格が高騰していることが表されています。国の経済が回復を遂げていれば、不動産価格が全体的に上昇することも頷けます。では実際のところ国民の生活水準は向上しているのでしょうか。ギリシャ国民の所得推移を見てみましょう。

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Image Credit: OECD

2009年から始まった経済危機以降、国民の年間収入は下降し続けており、2018年では2008年比で30%ほど減少しています。つまり家賃が上場するのと反比例して、収入が下落傾向にあることが分かりました。金銭的余裕がなくなっていることから生活水準が一段と厳しくなっていることが予想されます。

それではなぜ家賃だけが上昇を続けているのでしょうか。仮説の1つに民泊市場の成長が挙げられます。ギリシャは昔から観光地として人気を博してきた土地です。そのため、観光者は絶えず訪れており、BluegroundやAirbnbなどのサービス需要は着々と上昇してきたのです。こうした民泊市場の登場により、経済危機以降も継続して家賃が上がってきたと考えられます。

当たり前ですが、家主は家賃収入が高い方がよいわけです。

しかし、ここで問題となるのが現地の生活水準とのギャップです。

一見、観光客が多く訪れることは好経済循環をもたらす良いシグナルに見えますが、国民にとっては生活価格が観光客をベースとした設定になる懸念が出てきます。たとえば不動産オーナーが収入の低い国民を基準とするよりも、短期・中期の滞在者向けに価格設定をした方が圧倒的に儲かると考え、家賃相場を押し上げる傾向が挙げられます。これは先に紹介した家賃インデックスからも想像ができるでしょう。

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先のグラフにある通り、ギリシャの平均年間所得は2017年において約1万7000ユーロ(約200万円)程度です。一方、家賃市場平均をBluegroundのリスティングを参考に見てみると相場は1,400ユーロほど。同額で1年間住むとすると、年間1万6800ユーロを家賃に消費しなくてはならず、それだけで平均所得近くまで到達してしまいます。これでは現地の人は借りられません。

このように、観光地として認識されてしまった土地ではお金をたくさん落とす客が増えるのと比例して、家賃相場を代表とする生活水準にインフレが起こってしまい、いつまで経っても収束を見せない構図ができあがってしまっている点が指摘できます。

ギリシャ経済とAirbnbの関係性について取り上げたForbesの記事でも、Airbnbがギリシャにおいて職を作り出し、新たな収入源を生み出したことは明らかにポジティブな影響でしょう。

しかしこのポジティブな面、つまりサービス提供側からの声しか聞き入れず終わっている場合が多々あります。米国でSonderがユニコーン入りしたように、民泊の需要性が市場にあることも間違いありませんが、経済の悪循環の可能性も理解しておく必要もあるはずです。

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3つの陣営がバトル、激化する欧州の電動スクーター市場

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ピックアップ:Voi raises another $85M for its European e-scooter service ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調…

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Image Credit : VOI

ピックアップVoi raises another $85M for its European e-scooter service

ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調達したばかり。今回の調達により累計調達額は1億3,800万ドルに到達した。

Voi Technologyが提供するのは、都市部の通勤者・通学者をターゲットとした電動スクーター・シェアサービス。専用アプリを使うことで街中自由に乗り降り可能なサービスである。利用時間ベースで料金を徴収される。

また、同社は大企業や行政(都市)向けサービスの提供も行なっている。エンタープライズ版を利用する企業従業員は通勤だけでなく、近場での社外会議の際などに高額なタクシーではなくVoi Technologyのスクーターを使って移動できる。

一方、行政側の導入メリットとしては市民の移動を快適にできると共に、Voi Technologyを通じて得られる市民の移動データを利用して交通機関マネジメントに活かせる点が挙げられる。

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Image Credit : VOI Instagram

話題のポイント:現在Voi Technologyは10か国(スウェーデン・デンマーク・スペイン・ポルトガル・フィンランド・フランスなど)、38都市で運営されるヨーロッパでも屈指の電動スクーター企業です。

同社は本調達資金を未上陸市場であるドイツ・イタリア・ノルウェー地域でのサービス拡大に投資する予定だとされています。しかし、既にヨーロッパ圏には複数の電動スクーター・サービスが展開されていることも事実。

プレイヤーを3つに分類すると、1つに米国発のユニコーンである「Lime」(欧州18か国、約50都市展開)や「Bird」(ヨーロッパ25都市展開)などの巨大勢力。2つに先月2,800万ドルの調達に成功したドイツの「Tier」(欧州約40都市展開)や、今年5,000万ドルを集めたスペインの「Wind」(欧州6か国展開)に代表される欧州発の新興スタートアップ。そして最後にUber傘下の「Jump」(ヨーロッパ10都市展開)を筆頭とする既に配車市場で大きな影響力を誇っている巨大モビリティ企業が挙げられます。

現在の欧州の電動スクーター市場は上述した3種類のプレイヤーによる激戦が繰り広げられており、投資熱が急速に加熱しています。Voi Technologyは今後、上述のようなレッド・オーシャンの中で市場シェアを奪い合っていくことになります。たとえばLimeとUberは行政との提携を実施。シェア獲得に向け各プレイヤーが策を講じており、市場を逃げ切るための対策が必要となるでしょう。

利便性・利益率の向上を実現し競争力をあげていくため、今回の調達資金をスクーターの性能向上などのためのR&Dにつぎ込まれる予定。今後の電動スクーター市場及びVoi Technologyの成長戦略の舵取りから目が離せません。

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ついにフィンテックでインドが中国に追いつく【CBIレポート】

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ピックアップ:Global Fintech Report Q3 2019 ニュースサマリー:CB Insightが、四半期毎にフィンテック・スタートアップ市場についてデータ分析するレポート『Global Fintech Report Q3 2019』を公開した。当該レポートではインド市場におけるスタートアップ総調達額がついに中国を上回ったことが判明している。 具体的には、2019年第3四半期におけ…

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ピックアップGlobal Fintech Report Q3 2019

ニュースサマリー:CB Insightが、四半期毎にフィンテック・スタートアップ市場についてデータ分析するレポート『Global Fintech Report Q3 2019』を公開した。当該レポートではインド市場におけるスタートアップ総調達額がついに中国を上回ったことが判明している。

具体的には、2019年第3四半期におけるインドのフィンテック市場の調達額は6億7,000万ドルであったのに対し、中国は6億6,000万ドルと僅差でインドが中国を追い抜かしている。一方、大型調達ディールの回数では、インドは33回であるのに対し、中国は55回と、こちらは中国が強さを見せている。

話題のポイント:今や中国とインドがアジアのフィンテックをリードする存在だということは周知の事実となりました。CB Insightによれば、2019年第3四半期のアジア圏(東南アジア地域を除く)のフィンテック・スタートアップによる資金調達は、総額18億ドルに到達し、その数は152回に及ぶといいます。ちなみに同期における欧州の調達額とディール数はそれぞれ17億ドルと182回、北米は43億ドルと90回でした。

このインドが6億7,000万ドル、中国が6億6,000万ドルであるという数値を踏まえると、すなわち両国だけでアジアのフィンテック市場の調達総額の3分の2を占めているということが分かります。以下のグラフを見ると、インドが中国を調達額で上回るのは直近1年で初めてのことであり、また中国の調達額が2019年に入り落ち込んでいることが分かります。

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Image Credit : CB Insight

インドの調達総額を押し上げたのは、クレジットカード・リワードアプリ「Cred」の1億2000万ドル調達やインシュアテック「Policy Bazzar」の1億3,000万ドル調達などの超大型ディールです。

<参考記事>

・創業9カ月で1.5億ドルを調達したインドのクレジットカード・リワード「Cred」とは?

また、実施投資回数を見るとインドが33回、中国が55回。合わせて88回(57%)と半分以上を占めていることが分かります。下図では2019年第2四半期において、インドが一度中国の投資回数を上回ってはいるものの、これは中国の調達数激減による勝ち越しだといえるでしょう。

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Image Credit : CB Insight

ここ数年のアジアのフィンテック市場でインドが徐々に中国の背中を捉え、調達額やディール数にて勝ち越すケースが生じていることが分かります。

Alibaba(阿里巴巴)関連企業のAnt Financial(蚂蚁金服)やTencent(騰訊)が中心となり、先んじて巨大なフィンテック・エコシステムを構築する中国ではありますが、インドも決済サービス「PayTm」を筆頭にレンディングや保険領域でもユニコーン企業を輩出、その勢いは止まることを知りません。

ただ、PaytmはAnt FinancialとAlibabaからバックアップを受け大成したことから、資本戦略的に利害関係を共にするインドと中国の企業が多くいることも事実。そのため対立構造的な見方は今後薄れていくともいえるでしょう。

両国は共に人口が13億人と巨大な市場を持つ一方、既存金融の発達度合いも先進国に比べれば低いため、新しいサービスが急激に広まるリープフロッグ現象が起きやすい環境であるという共通性を持っています。そのため、今後もその勢いは止まることなく、アジアのフィンテックをリードし続けていくと予想されます。

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民泊は東京五輪の宿泊問題をどう解決するのか

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ピックアップ:Airbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年…

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Image Credit : Airbnb Japan

ピックアップAirbnb is sponsoring the Olympics until 2028 for a reported $500 million

ニュースサマリー:宿泊予約プラットホーム「Airbnb」は11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と公式パートナー契約を結んだことを発表した。本パートナーシップ契約は、向こう9年間のオリンピックとパラリンピックにて有効。具体的には来年の東京、2022年の北京(冬季)、2024年のパリ(夏季)、2026年のミラノ(冬季)、2028年のロサンゼルス大会において適用される。Financial Timesによれば、契約金は5億ドルに上り、Airbnbが2028年まで宿泊施設提供のサポートすることになるそうだ。

IOC会長のThomas Bach氏は今回の契約について以下のようにコメントしている。

本パートナーシップによって、Airbnbが選手村に取って代わるような大きな動きはありません。観光客やアスリートの家族、運営関係者の宿泊場所を提供することに終始します。開催都市が当イベントのためだけに一時的に宿泊施設を拡充するといった非効率な経費を削減するでしょう。

向こう9年間の開催都市にリストされている5つの都市は、Airbnbのプラットフォーム上で特に旅行者とホストの多いホットスポット。Airbnb共同創業者のJoe Gebbia氏は今回のパートナーシップに関し以下のようなコメントを残している。

これまでのオリンピックでAirbnbは宿泊場所を提供してきていました。しかし、公式にサポートを行うのは今回が初めてです。開催5都市には20万以上のAirbnbホストが存在していますが、今回のIOCスポンサーシップによって、この数はさらに大きく上昇していくと期待しています。

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Image Credit : Pexels

話題のポイント:東京では数年前からオリンピックの宿泊施設不足問題が叫ばれていました。みずほ総合研究所が16年に行った調査では、オリンピックが開催される2020年には4.1万を超える客室が不足するという予測もあったほどです。

そこでかねてから注目が集まっていたのが民泊です。

東京五輪におけるAirbnbの仕事は主に2つ。1つは企業提携やイベント民泊制度を駆使した宿泊場所の拡充。そしてもう一つは体験型プログラムを通した訪日客の満足度向上です。

2017年に2,700万人だった訪日客数は、2020年にはオリンピック需要も期待されて4,000万人に達するとされています。そのため東京都市部では建設ラッシュが続き、民泊やゲストハウスはもちろん、コンテナホテルや船をホテルにする「ホテルシップ」などの対策も検討されるほどの大急ぎの準備が続いています。

日本では2018年6月15日、民泊新法の施行により、民泊ホストになるためには政府への届け出が必要となりました。その影響で一時的に物件数が激減、一部報道によると8割以上の物件数がAirbnbのサイトから削除されたといいます。

しかしその後、Airbnbはソフトバンクとの提携を通し、企業へのホスト提供などのモデルを構築。方針転換が功を奏し、Business Insiderによれば、2019年6月に過去最高の室数を記録しているといいます。ラグビーW杯においては、自治体との提携により手続きを簡素化、一時的な無免許民泊提供を許可する「イベント民泊」制度を駆使することで利用客は前年の1.5倍の65万人に増加しています。

これらの実績を踏まえると、Airbnbは国内の企業や行政と上手に連携し、サービス拡大を図る実績・ノウハウを既に蓄積していることが分かります。東京五輪開催まで1年を切っているものの、本パートナシップにより、Airbnbのホスト数をさらに増加させることができれば、当問題の緩和に大きく貢献することでしょう。

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Photo by John Tekeridis on Pexels.com

また、Airbnbによって検討されている施策の一つに、同社サービスを利用したアスリートらが訪日客らに直接パフォーマンスを見せる体験型プログラムの実施が挙げられます。Airbnbには既に体験サービスの提供機能も実装されていますが、そこにIOCのオリンピアン枠が追加されることになるそうです。

当プログラムで参加者は直接アスリートのパフォーマンスを観覧したり、指導を受けることができます。一方、アスリートはプログラムを通し収入を得られる設計になっています。訪問客が直接アスリートと触れ合うことでオリンピック競技を体験できます。体験者が高い満足度を得られる非常にクリエイティブな施策であることに加え、アスリートにきちんと対価が支払われる公正さを兼ね備えた取り組みです。

つまり、Airbnbは単なる宿泊サービスとしてだけでなく、スポーツエンターテイメント・教育サービスのプラットホームとしても東京五輪をサポートするということです。提携後初の本番である東京五輪から既にこのような施策を用意している点から、Airbnbの積極的な姿勢が伺えます。サービス自体は2020年夏から開始する予定だとされています。

今回の東京五輪の客室・体験プログラムの提供が好評であれば、2028年までのオリンピックにも良い影響を及ぼすことができるかもしれませんね。

<関連情報>

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「消費者が好むかは二の次」、テスラが発表したサイバートラックの衝撃

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ピックアップ:Tesla Cybertruck will get up to 500 miles of range and start at $39,900 ニュースサマリー:電動自動車メーカーのTeslaは11月22日、ロサンゼルスで行われたイベントにて電動ピックアップトラック「Cybertruck」を発表した。Cybertruckは、まるでSF映画に登場するかのような見た目を特徴とし、大きな反…

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Image Credit : Tesla

ピックアップTesla Cybertruck will get up to 500 miles of range and start at $39,900

ニュースサマリー:電動自動車メーカーのTeslaは11月22日、ロサンゼルスで行われたイベントにて電動ピックアップトラック「Cybertruck」を発表した。Cybertruckは、まるでSF映画に登場するかのような見た目を特徴とし、大きな反響を呼んでいる。

イベントでプレゼンを行なった創業者のイーロン・マスク氏によれば、テスラ は2021年に3つのタイプのCybertruckの販売を開始し、最安モデルの価格は39,900ドル(約435万円)程度になるという。事前予約は既に同社ウェブサイトから受け付けを開始している。

同氏のプレゼンにて、Cybertruckの頑丈さをアピールするデモンストレーションも披露された。しかし不運なことに、このデモは一部失敗に終わってしまった。

デモはデザイナーを担当したHolzhausen氏がCybertruckの装甲をハンマーで殴る形でスタートした。このハンマーによる強打では装甲に一切傷はつかず、Cybertruckの強靭さが際立った。

ところが、次に行われた鉄球をドアガラスに投げつけ、ドアガラスの耐久性をアピールするパフォーマンスでは球がガラスを突き抜け車内に入ることはなかったものの、ドアガラスに大きな割れ跡が残ってしまうという事態が発生した。会場では少し笑いが起こり、マスク氏が改善を誓う形で幕を閉じた。以下の動画で実際にそのデモの光景を見ることができる。

話題のポイント:失敗デモに話題が集まってしまいましたが、実は他に注目すべき点がありました。それはCybertruckの独特のデザインについて、マスク氏が「人々が好むかどうかはあまり気にしていない」と発言していた点です。

フラットかつ角ばった外装や、車両前側のシャープなライトなど、確かに独特でSFチックなカッコよさが際立つ一方、万人受けする印象はありません。これには、SF好きなマスク氏の願望が大きく影響を及ぼしていると予想できます。

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Image Credit : Tesla

というのも、ピックアップトラックを製造することは、同氏がかなり前から切望していたのです。事実、2012年の時点、モデルSの開発を実施している時点から以下のようなツイートを残しています。

2018年、計画段階のピックアップトラックについて「未来のサイバー・パンク的な、映画ブレードランナーのようなデザインになる」との発言しています。

ここまで聞くと市場性を無視した製品だと思われるかもしれません。実際、発表の22日にTeslaの株価は5%以上の下落を見せています。

しかし11月24日のMusk氏のツイートによれば、Cyberuckには既に14万件以上のオーダーが来ているとのことです。たとえこれがマスク氏本人の趣向を存分に発揮したエゴイスティックなプロジェクトだったとしても、Cybertruckが経営にとってマイナスになるリスクは低く、それどころか、むしろ大きく貢献するという予想もあります。

なぜなら、米国全体で近年ピックアップトラック市場は拡大し続けており、かつトラックは高い収益性を発揮できるプロダクトだからです。その証拠に、FordやGMなどの大手自動車企業も、すでにピックアップトラック市場へ参入を予定し、販売準備を行なっています。

厳しい市場競争が待ち受けていると言い換えることもできますが、市場全体を考えると決して”好きなものを作る”という短略的な考えだけで作られたプロダクトではないことが分かります。Tesla社の確立されたブランド力に加え、Cybertruckの独自のデザインがもし消費者の心を掴むようなことがあれば、同社は利益を増加させることに成功できるでしょう。

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