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特集:ARー拡張する現実世界

特集:ARー拡張する現実世界

CES 2021でも数多くの出展があったxR関連、特に現実を拡張するデバイスはより実際の生活での利用が近づきつつある。また、Mojo Visionが開発するスマートコンタクトレンズと呼ぶ「Mojo Lens」のようにデバイスの形も様々だ。特集では関連する話題やサービスの未来についてまとめる

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特集:ARー拡張する現実世界の話題

LenovoのARグラス「ThinkReality A3」:遠隔操作やビジネス利用が中心(2/2)

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  (前回からのつづき)ThinkReality A3はPCでの利用において基本的な機能を備えている。オフィスワーカー、エンジニア、その他のデスクワークに縛られないビジネスユーザーは、Windowsアプリケーションをいっぱいに表示した仮想モニターに最大5台までアクセスすることができる。Lenovoは、このARグラスが企業にプライバシーの向上、生産性の向上、没入感の向上をもたらすことを期待…

 

(前回からのつづき)ThinkReality A3はPCでの利用において基本的な機能を備えている。オフィスワーカー、エンジニア、その他のデスクワークに縛られないビジネスユーザーは、Windowsアプリケーションをいっぱいに表示した仮想モニターに最大5台までアクセスすることができる。Lenovoは、このARグラスが企業にプライバシーの向上、生産性の向上、没入感の向上をもたらすことを期待している。

特に没入感については複合現実をフックに構築された建築、エンジニアリング、および金融アプリケーションで使用される場合に有効だ。また、自宅や公共の場で仕事をする企業ユーザーは、(訳註:グラスを通してデータにアクセスできるので)知らず知らずのうちに見ず知らずの人にデータを共有することなく、データを視覚化した情報として扱うことができる。

スマートフォンに接続されたインダストリアル・エディションは、Nreal Light などのソリューションと競合するものだ。これは企業が「グローバルなサポートを受けながら、グローバルな規模で複合現実アプリケーションやコンテンツを展開する」ことを支援する。ThinkReality A3では、遠隔地の専門家がグラスを装着している人が見ているものを確認しつつ、グラスの中のビデオウィンドウを使って遠隔支援をしたり、クリエーターがデジタルオブジェクトをリアルタイムに3Dで可視化したり、工業技術者やその他の現場作業員がデータ・画像のワークフローをガイドしたりすることも可能になる。モバイルARアプリは、ThinkRealityソフトウェアプラットフォームに支えられることになるだろう。

ThinkReality A3は、QualcommのSnapdragon 800シリーズチップを搭載したモトローラのスマートフォンと、IntelまたはAMD Ryzenプロセッサを搭載したPCで動作する。このグラスには、独自のSnapdragon XR1チップセットが搭載されており、1080p立体視ディスプレイ、ライブビデオを遠隔地の専門家と共有するための中央1080pカメラ、左右にマウントされた魚眼カメラを備えたSLAMルームスケール・トラッキング・システムが搭載されている。USB-Cケーブルで電話やPCにテザリングし、映像コンテンツを高速で共有するにはDisplayPort機能が必要になる。

LenovoはThinkReality A3の販売を2021年半ばに開始するとしている。価格の詳細はまだ明らかにされていない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Lenovoが“現実的な”ARグラス「ThinkReality A3」を発表(1/2)

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ここ数年間、拡張現実(AR)ヘッドセットは、ある現実的な問題に悩まされ続けてきた。つまり、これらは現実世界にデジタル情報を重ねて表示することになっているのだが、一般的に見栄えが悪く実際の公共の場では装着したくないというアレだ。しかし今日、LenovoはThinkReality A3でその問題を解決しようとしている。このARグラスは、小売店や接客業などの公共の場で着用できるほどコンパクトで軽量なだけ…

Image Credit: Lenovo

ここ数年間、拡張現実(AR)ヘッドセットは、ある現実的な問題に悩まされ続けてきた。つまり、これらは現実世界にデジタル情報を重ねて表示することになっているのだが、一般的に見栄えが悪く実際の公共の場では装着したくないというアレだ。しかし今日、LenovoはThinkReality A3でその問題を解決しようとしている。このARグラスは、小売店や接客業などの公共の場で着用できるほどコンパクトで軽量なだけでなく、研究室や工場、オフィスでも使用できる。完全にファッショナブル、というわけではないが、「普通」に近づきつつあるのだ。

LenovoがこのThinkReality A3の開発を示唆したのは2019年11月だった。その年、同社はより大きなフレームと未来的なスタイリングが故に「サングラスとは間違われることはないだろう」と指摘されたARコンセプトグラスを公開している。比較すると最終的なデザインは、レンズとブリッジ(訳註:鼻にかかる部分)がやや離れており、かつ、3つのカメラが集中してついている。現代的な度付きメガネっぽい感じに落ち着いた。A3には2つのバージョンが用意されており、Lenovo傘下のモトローラブランドのスマートフォンで持ち運んで使える「インダストリアルエディション」と、LenovoのThinkPadノートパソコンやモバイルワークステーションに対応した「PCエディション」がある。

ThinkReality A3の登場は、技術的な意思決定をする人にとって重要な意味を持つ。というのもLenovoのエンタープライズへの取り組みと確立されたThinkRealityソフトウェア/サービス・プラットフォームは、あらゆる規模や種類のビジネスに「安全な」AR導入ソリューションを提供しているからだ。

小規模なARハードウェア企業とは対照的に、Lenovoは複合現実(MR)ヘッドセットだけでなく、ローカル処理やデータを処理するためのコンピューティング・デバイスや、ハードウェアをサポートするエンタープライズ・クラスのサービスも製造している。特に同社は、折りたたみ式のスクリーンを備えたラップトップ5Gネットワーク機能を備えたラップトップなど、次世代技術を搭載したコンピュータの開拓にも積極的に取り組んでいる。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

紛失トラッカー「Tile」がAR活用報道、より精細な紛失場所を確認可能に

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忘れ物トラッキングタグ「Tile」が、新製品の開発を進めていると報道されました。新製品は従来型のBluetoothを通じたものではなく、UWB(ウルトラワイドバンド)を採用したものになるそうです。加えて拡張現実機能を使い、紛失物の位置まで誘導する機能を実装すると予想されています。 UWBの強みは空間と方向データも取得できる点です。例えばビルやマンションの具体的にどの階で失くしてしまったのかを確認で…

Image Credit:Tile

忘れ物トラッキングタグ「Tile」が、新製品の開発を進めていると報道されました。新製品は従来型のBluetoothを通じたものではなく、UWB(ウルトラワイドバンド)を採用したものになるそうです。加えて拡張現実機能を使い、紛失物の位置まで誘導する機能を実装すると予想されています。

UWBの強みは空間と方向データも取得できる点です。例えばビルやマンションの具体的にどの階で失くしてしまったのかを確認できるようになります。これまで2Dマップ上から紛失トラッカーを検索する体験から、3Dマップや空間から検索する体験へと変わるでしょう。ARを活用した空間機能の開発は、Appleが社運を賭けて進めている領域でもあります。事実、Appleは昨年のkeynoteイベントで空間オーディオ機能を発表しました。同社のAirPodsシリーズへの応用が可能です。

なにより、AppleはTileライクな紛失トラッカー「AirTag」の開発を進めているとも言われています。本当にAirTagのリリースが近くされるのであれば、AirPodsとAirTagのコンボ利用は強力なユースケースとなるでしょう。わざわざアプリを開かずとも、Siriを介して伝えられる紛失トラッカーの方向を、AirPods経由で立体的に聴けるといったシーンが考えられるためです。音声だけで完結するガイド機能の実装ができます。

さらに、AppleはARグラスの開発を水面下で進めているとされています。上記は音声を中心としたケースでしたが、次世代グラス端末が普及した時代では、画面上にぱっと紛失物の方向が表示される機能実装も考えられます。これはTileの新製品にあるAR機能をリプレイスするものとなるはずです。中長期的にTileはビッグテックの一角と競合する可能性が高まっていますが、ブランドと市場シェアをどのように守っていくのかに注目が集まります。

スマートコンタクト「Mojo Vision」 :砂粒よりも小さいディスプレイ、さらに進んだプロトタイプを開発中(2/2)

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(前回からのつづき)Mojo Visionは、同社が初の真のスマートコンタクトレンズと呼ぶ「Mojo Lens」を開発している。日本の名古屋に本社を置くメニコンは、素材開発、レンズ設計、硬質ガス透過性レンズ技術、レンズ製造、ケアソリューションなど、コンタクトレンズ関連のすべての分野に特化した唯一の企業であると謳っている。 彼らはコンタクトレンズの素材や洗浄、フィッティングなどを中心に連携を模索する…

上の写真。Mojo Visionのコンタクトレンズの画素と比較した砂粒。Image Credit: Mojo Vision

(前回からのつづき)Mojo Visionは、同社が初の真のスマートコンタクトレンズと呼ぶ「Mojo Lens」を開発している。日本の名古屋に本社を置くメニコンは、素材開発、レンズ設計、硬質ガス透過性レンズ技術、レンズ製造、ケアソリューションなど、コンタクトレンズ関連のすべての分野に特化した唯一の企業であると謳っている。

彼らはコンタクトレンズの素材や洗浄、フィッティングなどを中心に連携を模索する。メニコンは田中秀成氏が代表執行役社長としてコンタクトレンズを製造して70年、1400人以上の従業員が在籍している。Wiemer氏によると、メニコンはコンタクトレンズのコーティングや、デバイスが人体とどのように相互作用するかなど、多くの研究を行っているという。またWiemer氏は「チームを団結させることが目下の課題」とも語っていた。

Mojo Lensはユーザーの視界を妨げたり、移動性を制限したり、社会的な交流を妨げたりすることなく、ユーザーの自然な視野にモノクロの画像、記号、テキストをオーバーレイすることができる。

Mojoは不可抗力的に衰弱する病気などを治療するのに役立つ医療機器に、安全かつ素早く提供するために設計されたプログラム「ブレイクスルーデバイスプログラム」を通じて、米国食品医薬品局(FDA)とも協力している。

2020年4月、Mojoは5,100万ドル以上の資金調達を発表し、現在までに1億5,900万ドルの資金調達を行っている。同社は100人以上の従業員を抱えているが、財務的な状況はそれ以上明らかにされていない。Wiemer氏によると、同社は大手コンタクトレンズ企業のほとんどと関係を結んでおり、2020年1月にお披露目したものよりもさらに進化した新しいプロトタイプに取り組んでいるという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

スマートコンタクト「Mojo Vision」 :名古屋のメニコンと開発提携、AR世界を現実に(1/2)

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Mojo Visionは、現実世界に重ね合わせた拡張現実(AR)の映像を見ることができるコンタクトレンズの試作品を開発しているスタートアップだ。彼らは日本の大手(そして伝統的な)コンタクトレンズメーカー、メニコンと提携し、さらなる開発を進めるとしている。 カリフォルニア州サラトガを拠点とするMojo Visionは、眼球の上に置いたスクリーンで拡張現実の画像を見ることができる、小さなディスプレイを…

Mojo Visionが開発する拡張現実スマートコンタクト:Image Credit: Mojo Vision

Mojo Visionは、現実世界に重ね合わせた拡張現実(AR)の映像を見ることができるコンタクトレンズの試作品を開発しているスタートアップだ。彼らは日本の大手(そして伝統的な)コンタクトレンズメーカー、メニコンと提携し、さらなる開発を進めるとしている。

カリフォルニア州サラトガを拠点とするMojo Visionは、眼球の上に置いたスクリーンで拡張現実の画像を見ることができる、小さなディスプレイを内蔵したスマートコンタクトレンズを開発中だ。かなり驚くべき技術革新ではあるものの、同社は何十年にもわたって作られてきたコンタクトレンズとの互換性を確認する必要があった。

Mojo Visionの最高技術責任者であるMike Wiemer氏は、本誌VentureBeatとのインタビューで「本件は開発契約で、かつ、商業契約に発展する可能性があります。彼らと一緒に仕事ができることをとても楽しみにしています」と、Meniconとのパートナーシップがこれを実現するのに役立つと語っている。

両社は共同開発契約の下、生産・製造に関する様々なフィージビリティスタディを実施し、長期的な協力関係を模索しながら、技術の事業化を目指すそうだ。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ARを目に入れられるコンタクトレンズ開発Mojo Vision、5,100万米ドル超を調達——日本からはKOIFが出資、アプリストア構築で用途は未知数か

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シリコンバレー・サラトガに本拠を置く Mojo Vision はシリーズ B1 ラウンドの一部として5,100万米ドル超を調達したことを明らかにした。この調達を受けて、同社の創業以来の累積調達金額は、1億5,900万米ドルとなった。 このラウンドに参加した投資家は次の通り。 New Enterprise Associates(NEA) …… リードインベスター Gradient Ventures …

Image credit: Mojo Vision

シリコンバレー・サラトガに本拠を置く Mojo Vision はシリーズ B1 ラウンドの一部として5,100万米ドル超を調達したことを明らかにした。この調達を受けて、同社の創業以来の累積調達金額は、1億5,900万米ドルとなった。

このラウンドに参加した投資家は次の通り。

  • New Enterprise Associates(NEA) …… リードインベスター
  • Gradient Ventures
  • Liberty Global Ventures
  • Struck Capital
  • Dolby Family Ventures
  • Motorola Solutions Venture Capital
  • Fusion Fund
  • Intellectus Partners
  • KDDI Open Innovation Fund(KOIF)
  • Numbase Group
  • InFocus Capital Partners …… ほか

今回の調達に伴い、NEA のパートナー Greg Papadopoulos 氏が Mojo の取締役会に加わった。昨年3月に実施した1度目のシリーズ B1 ラウンドでは、Google の Gradient Ventures、LG 電子、Kakao Ventures、スタンフォード大学のアクセラレータ兼ファンド StartX らも参加していた。次のシリーズ B2 ラウンドの可能性に関する BRIDGE の質問に対し、Mojo Vision は「将来の調達の可能性について言えることはない」とした。

2015年に設立された Movo Vision は、その後、約3年間はステルスモードにあった。どのようなプロダクトを開発しているのかが明らかになり始めたのは、2018年11月に実施したシリーズ A ラウンド以降のことだ。Mojo Vision の CEO Drew Perkins 氏は Mojo Vision 以前、光通信機器メーカー Infinera、通信量向上技術開発の Gainspeed を創業した人物として知られる(Infinera は2007年に上場、Gainspeed は2016年に Nokia により買収)。

Mojo Vision が開発するのは、簡単に言えば、AR を実現するスマートコンタクトレンズ。AR と言えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)か、AR グラスを使うものと相場が決まっている中で、究極的なウエアラブルデバイスというわけだ。身につけるというより、身体の中に入れる装着方法を取る以上、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を取る必要があり、市場アクセスを簡素化する「Breakthrough Devices Program」に参加しているが、まだ認証を得ていない段階だ。

インタビューは Zoom で実施。上部左から:筆者、広報担当 Brian Mast 氏、プロダクト&マーケティング担当 SVP の Steve Sinclair 氏、CEO の Drew Perkins 氏。「Mojo Lens」開発のタイムラインについて、Sinclair 氏が説明してくれた。

今年の CES 2020 で公開された開発中プロトタイプでも話題を呼んだように、公の場でも次第にその姿を明らかにしつつあるが、商品化され市場に投入されるまでの道のりはまだ程遠い。プロダクト&マーケティング担当 SVP の Steve Sinclair 氏が示してくれたタイムラインにあるように、画素数 14,000ppi の LED ディスプレイに加え、視点捕捉や電源供給など数々の機能課題を解決する途上にある。

Mojo Vision は、シリコンバレーにある視覚障害者の QoL 向上を目指す非営利組織 Vista Center for the Blind and Visually Impaired とも提携関係を結んでいるが、このデバイスのユースケースは視力を補うなどの医学的用途に閉じたものではない。すべての消費者にとってのデバイスにするため、「競争力があり、許容可能な(competitive and affordable)」価格を目指すという。さまざまなユースケースに対応すべく、Mojo Lens 上で動くアプリのマーケットプレイスも構築予定だ。

Vista Center は、我々が向かうべき方向を目定めるのを手助けてくれる。今後も、世界中の似たような組織と手を組む可能性はある。(Sinclair 氏)

Sinclair 氏はまた、KOIF からの戦略的出資については、具体的にどのような PoC などを実施するかを語るのには時期尚早とした。

Image credit: Mojo Vision

Mojo Lens はその商品性格上、日本でも市場投入においては、アメリカの FDA に相当する PMDA(医薬品医療機器総合機構)からの認証が前提になると見られるが、KDDI ∞ Labo のパートナー連合に参加する企業の力を借りて、これを実現するかもしれない。また、自由視点映像システム開発の韓国 ESM Lab への出資に見られるように、来るべき 5G 時代を担うスタートアップとの協業にも積極的で、Mojo Lens と 5G の掛け合わせについても可能性を感じ取ることができる。

tech savvy な日本の消費者に、将来、我々のプロダクトを届けられることを楽しみにしている。(Sinclair 氏)

Mojo Vision が市場で流通する商品を出荷開始する時期は未だ不透明だ。Perkins 氏のこれまでの事業実績に裏打ちされる形で資金調達を実現した戦略投資家とは、長期にわたる関係性を重視したものが多い、とのことだった。

この分野では、Samsung が特許を申請していることが2016年に確認されているが、実現に向けて開発が進んでいるかどうかは定かではない。3月には、ロサンゼルス郊外に本拠をおく InWith がコンタクトレンズメーカー大手ボシュロムと技術実装において協業していることが明らかになった