BRIDGE

特集:デジタル化する経済

特集:デジタル化する経済

デジタル化する経済。それを支えるのは、分散型技術ブロックチェーン。仮想通貨が活用事例の際たるものではあるが、技術面からそのポテンシャルを真に理解している人はそう多くはない。ここでは海外事例を含め、1つ1つのケースからインターネットの次に大きなインパクトを持つと呼ばれるブロックチェーン経済を紐解いていく。

MUGENLABO Magazine

特集:デジタル化する経済の話題

LayerX、Gunosy・DMMでCTO歴任の松本勇気を代表取締役CTOに選任、福島氏と共同代表体制に

SHARE:

ニュースサマリ:業務プロセスデジタル化を推進するLayerXは3月1日、代表取締役CTOとして松本勇気の就任を公表している。本日付の株主総会および取締役会による選任決議を経たもので、本日から同社は代表取締役CEOの福島良典氏と共同代表体制となる。 経済活動のデジタル化をミッションとする同社は現在、「請求書AIクラウド LayerX INVOICE」によるDX(デジタルトランスフォーメーション)事業…

写真左から:代表取締役CEOの福島良典氏、代表取締役CTOの松本勇気氏

ニュースサマリ:業務プロセスデジタル化を推進するLayerXは3月1日、代表取締役CTOとして松本勇気の就任を公表している。本日付の株主総会および取締役会による選任決議を経たもので、本日から同社は代表取締役CEOの福島良典氏と共同代表体制となる。

経済活動のデジタル化をミッションとする同社は現在、「請求書AIクラウド LayerX INVOICE」によるDX(デジタルトランスフォーメーション)事業、ブロックチェーン技術を活用した不動産・インフラなどのアセットマネジメントを三井物産デジタル・アセットマネジメントと共同で推進するMDM事業、ブロックチェーンや秘匿化技術の技術開発、社会実装などを長期目線で研究開発する「LayerX Labs」の運営を手がけている。

今回共同代表に就任する松本氏はこの内、MDM事業部およびLayerX Labsを管掌することになる。また、これまでCTOとして技術部門を率いた榎本悠介氏は引き続き取締役としてDX事業部を管掌する。

松本勇気氏は東京大学在学時に福島氏らが共同創業したGunosyに入社し、CTOとして技術組織全体を統括した人物で、同社においてLayerXの前身 となるブロックチェーンR&D組織を立ち上げた人物。2018年からはDMMに移籍し、同じくCTOとして技術組織改革に着手した。2019年には日本CTO協会理事に就任している。

本誌はこの後、3月1日13時よりClubhouseにて福島氏、松本氏を招いた公開取材を実施する。後ほど、その内容を追記する予定だ。

世界的な「後払い(Buy Now, Pay Later)」ブーム、東南アジアが牽引するかもしれない理由【ゲスト寄稿】

本稿は、Golden Gate Ventures のマネージングパートナー Vinnie Lauria 氏による寄稿だ。「Entrepreneur アジア太平洋版(オンライン版)」に掲載された記事を、執筆者と発行者の了解のもと翻訳・転載する。 This article was first published in Entrepreneur APAC. <関連記事> Golden Gate Vent…

本稿は、Golden Gate Ventures のマネージングパートナー Vinnie Lauria 氏による寄稿だ。「Entrepreneur アジア太平洋版(オンライン版)」に掲載された記事を、執筆者と発行者の了解のもと翻訳・転載する。

This article was first published in Entrepreneur APAC.

<関連記事>


1958年、ソビエトとアメリカの宇宙開発計画が人工衛星を軌道に乗せるための競争を繰り広げていた時、Bank of America は、地球上に多大な影響を及ぼすであろう商品を発売した。BankAmericard は、後に Visa となり、リボ払いのクレジットカードの普及の先駆けとなった。これは宇宙時代の消費者に「現代の支払方法」として宣伝された。

今、新しい支払方法が飛び立とうとしている。BNPL(Buy Now, Pay Later=後払)モバイルアプリの世界での利用は、2018〜2019年の1年間から162%急増した。アメリカでは昨年、BNPL は240億米ドルの購入額を占めた。パンデミックが始まったとき、従来のクレジットカードの取引量は減少したが、BNPL は e コマースの成長と並んで上昇を続けた。BNPL は、今後数年間でデジタル購買の中で最も急速に成長する形態になると予想されており、2025年までに世界中で3,500億米ドル近くの取引に達すると予測されている。

これまでのところ、BNPL の成長は、それぞれスウェーデン、アメリカ、オーストラリアに拠点を置く Klarna、Affirm、Afterpay などの欧米系スタートアップが牽引してきた。これらの企業は、他のいくつかの企業と合わせて年間30億米ドルを超える収益を上げ、昨年の Mastercard の収益の約20%に達すると予想されている。 しかし、東南アジアでは、BNPL には3つの特長がある。第一に、クレジットカードの普及率が低いため、BNPL にとっては競争が少ないこと。第二に、銀行がクレジットカード発行のために必要とする信用格付け機関が実現するのは、ほとんどの ASEAN 諸国では10年も先のことであること。 そして最後に、負債を嫌うアジアの文化は、「現金と同じ」と感じる「ゼロ金利」の分割払いを温かく受け入れていること、だ。

そのため、当社の東南アジアのベンチャーキャピタルは、ASEAN 10カ国の BNPL 新規参入企業に注目している。インドネシア、ベトナム、マレーシアなどの発展途上国や、小さいながらも高度に発展したシンガポールでは、課題を抱えている市場がある一方で、BNPL モデルのメリットに対する強い受容性も見られる。

<関連記事>

バリュープロポジションと ASEAN の成長

「Klarna」
Image credit: Klarna

クレジットカードの借金を回避したい、または回避する必要がある消費者のために、BNPL は古い概念を現代風にアレンジした分割払いプランを提供している。あなたがミレニアル世代(主要な見込み客層)で、新しいアパートの家具を探しているとしよう。Web 上で素敵なソファを見つけたものの、それは数百米ドルとあなたの給料では高額だ。理想的にはコーヒーテーブルも欲しいところだが、それだとさらに高くなってしまう。「カートに入れる」ボタンの隣には、数ヶ月間の支払をゼロ金利で分散できるオプションがあり、すぐにこのクレジットの資格を得ることができる。「たった5つの情報でリアルタイム審査できる」と、ある BNPL 企業の売り文句には書かれている。だから、あなたもソファを購入し、カートにテーブルを入れる。

この典型的なシナリオは、BNPL 企業がクレジットカード会社よりも加盟店に高い取引手数料を請求できる理由を示している。BNPL は、クリックスルーのコンバージョン率を高め、BNPL が無ければ発生しないような販売を促進する。さらに良いことに、それは AOV(平均注文量)を押し上げる。一方、新規顧客にはアプリが提供され、加盟店の商品の定期的なプロモーションが表示され、リピートビジネスも増加させる。

BNPL のアカウントを持つ顧客は、もちろん過剰な支出をしたくなるかもしれない。クレジットカードと同じように、延滞料が発生したり、有利子ローンを組んだりすることになるかもしれない。しかし、簡単で無利息のエントリーポイントを提供し、ワンタッチで口座の状態を透明化できるアプリと組み合わせることで、新規ユーザを維持するのに十分なのだ。特に東南アジアでは、文化的にクレジットカードが敬遠されている一方、無利息の分割払いがスマートな支出方法のように感じられている。欧米では60~80%であるのに対し、ASEAN のクレジットカードの普及率は低く、ほとんどの国では数%ないし20~30%となっている。対照的に、人口2億7,500万人を持つ東南アジア最大の国であるインドネシアでは、BNPL 企業の Kredivo と Akulaku の2社が、Google Play 上で既に1,000万件以上アプリがインストールされている。シンガポールで設立・拠点を置く Hoolah は、2020年の一年間で取引量を1,500%増加させた。

この急速な成長は、BNPL 企業がクレジットカード会社とは根本的に異なる点にも起因している。クレジットカードは、銀行口座間のリンクとしての役割を果たす。例えば、Visa や Mastercard は、実際にクレジットカードを発行する銀行から、あなたが購入した加盟店口座に送金する。一方、独立した BNPL は、ネットワークリンカーとバンカーを一つにまとめたものだ。Hoolah は買い手にクレジット機能を提供し、売り手にお金を直接支払う。これにより、従来の銀行取引のような手間をかけずに、新しい加盟店を簡単にオンボードすることができる。

明らかなマイナス面は、BNPL がより多くのリスクを負うことだ。景気後退の局面で、Visa は収益を失うかもしれないが、デフォルトについて心配する必要はない。しかし、BNPL 事業を立ち上げるとき、あなたはその日から立ち往生する可能性がある。そして、アントレプレナーシップのすべての分野でそうであるように、チャレンジをチャンスに変えることで成功することができる。

ASEAN の BNPL はどう輝くか

ネットプロテクションズが2020年に発表した世界の BNPL カオスマップ
Image credit: Net Protections

おそらく一番厄介なのは、クレジットに申し込む人の審査だ。それは迅速に行われなければならない。クレジットカードを利用する資格が無いかもしれないが、それにもかかわらずリスクが高いユーザを対象にしなければならないため、スイートスポットが存在する。さらに、東南アジアのような比較的新分野の市場では、従来の審査は厳しくなる。前述の通り、ほとんどの国にはアメリカ型の FICO スコアを作成する信用情報機関がない。多くの人々は、いずれにしても信用情報が乏しく、多くの人々は銀行から融資を受けていないか、あるいは最近融資を受け始めたばかりだ。

プラス面としては、デジタルウォレットの利用率が高いことが挙げられる。大手の GrabPay と GoPay は、人気の高い配車サービスや宅配サービスを提供する企業によって誕生したもので、ASEAN 全体で巨大なユーザ基盤を持ち、成長を続けている。シンガポールに拠点を置く Grab とジャカルタに拠点を置く Gojek だ。このようなウォレットを利用することで、詳細な支出履歴を把握することができる。

すべての要素を考慮すると、BNPL は今後5年から10年で東南アジアで爆発的に成長すると私は見ている。主要なプレイヤーは、リスク評価のためのアルゴリズムやデータセットを開発しており、時間が経てば経つほど価値が高まるだろう。ユーザが利用を始めた後のリスクに積極的に対処するために、BNPL 企業は顧客エンゲージメントや支払スケジュールの調整などの分野でイノベーションを起こしている。

また、欧米の BNPL がよく扱う取引よりも小規模な取引でも利益を上げられるようになってきている。(例えば、アメリカの Affirm は、2,000米ドル以上の Peloton 社製エクササイズバイクの購入に多くの資金を供給している。消費力が低いながら成長している ASEAN 市場では、平均的な買い物は200米ドル以下だ。最も多く購入されているのは衣料品や身の回りのアクセサリーなどである。)

また、従来の銀行やグローバルなクレジットカード会社を利用したいと考えていても、今のところ利用できていない顧客を、この地域の BNPL 企業が獲得していることがわかる。注目すべき新進気鋭の企業としては、Hoolah、Pace、Atome、日本の Paidy などが挙げられるだろう。 さて、ここで最後のポイントだが、こういった企業は自国や近隣の市場の強みを活かして成長しているが、サイバースペースには国境が無い。ASEAN のトップ企業は、英語と地元言語の両方でサービスを提供している。新しい消費者金融の質問は「財布の中に何が入っているか」ではなく「スマートフォンに何が入っているか」だ。その答えが東南アジアの BNPL アプリになる日が来ても驚かないでほしい。

<関連記事>

Huawei(華為)、デジタル決済会社買収に向け協議中か【報道】

SHARE:

中国メディアが報じたところによると、Huawei(華為)はライセンスを取得した深圳拠点の決済プロバイダ Xunlian Zhifu(訊聯智付)を買収するために当局の承認を求めているという。 重要視すべき理由:規制当局は新独占禁止法で Ant Group(螞蟻集団)と Tencent(華為)の市場での独占状態を打破する中、通信大手の華為は、中国のテック大手の中からデジタル決済業界に進出する最新の企業…

北京にある Huawei(華為)のスマートフォンショップ
Image credit: TechNode/Coco Gao

中国メディアが報じたところによると、Huawei(華為)はライセンスを取得した深圳拠点の決済プロバイダ Xunlian Zhifu(訊聯智付)を買収するために当局の承認を求めているという。

重要視すべき理由:規制当局は新独占禁止法で Ant Group(螞蟻集団)と Tencent(華為)の市場での独占状態を打破する中、通信大手の華為は、中国のテック大手の中からデジタル決済業界に進出する最新の企業となる。

スタッフィング:Xunlian Zhifu の買収に加え、華為は預金管理、決済、銀行協力などのデジタル決済関連職を多数募集していると、中国メディアが匿名の情報源を引用して7日に報じた

買収:Huawei の競合 ZTE(中興)が2013年に設立した Xunlian Zhifu は2014年、全国オンライン決済ライセンスを取得した。ZTE は2016年に同社のの株式の90%を上海の持株会社に売却した。

  • Huawei は2016年から近距離無線通信(NFC)を利用した決済サービス「Huawei Pay(華為支付)」を運営しており、スマートフォンにも組み込まれている。しかし、トランザクション処理は銀行カードプロバイダの Union Pay(中国銀聯)が担当している。

独占禁止法:規制当局は、Ant Group の二重上場が11月に停止されたことを受けて、ここ数カ月で独占禁止規制を強化している。

  • 市場調査会社 iResearch(艾瑞)によると、2020年6月30日現在、中国のデジタル決済市場では Ant Group が55.6%、Tencent が38.8%のシェアを占めている。
  • 1月下旬に発表された規制定義の草案によると、この2社はサードパーティ決済分野での二重上場の基準を満たしているという。

新規参入企業:1月 の Pinduoduo(拼多多)、9月の Bytedance(字節跳動)と Trip.com(携程)など、複数のインターネット企業が2020年にライセンスを取得したデジタル決済事業者を買収した。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

3回払い限定の「後払い(Buy Now, Pay Later)」Scalapayが打ち出したシンプル戦略

SHARE:

ピックアップ:Scalapay Banks $48M Seed For Buy Now, Pay Later Tool ニュースサマリー:フィンテックスタートアップ「Scalapay」は27日、シードラウンドにて4,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家には、Fasanara Capitalが参加し、Baleen Capital、Ithaca Investmentsも同ラウンドに…

ピックアップ:Scalapay Banks $48M Seed For Buy Now, Pay Later Tool

ニュースサマリー:フィンテックスタートアップ「Scalapay」は27日、シードラウンドにて4,800万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家には、Fasanara Capitalが参加し、Baleen Capital、Ithaca Investmentsも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:後払い(BNPL:Buy Now, Pay Later)市場に新しいスタートアップが参戦です。今回調達を発表したScalapayはイタリア・ミランに拠点を置くスタートアップ。既存のBNPLプレーヤーである、AffirmやKlarnaと同様に無利子で分割払いができるサービスを提供しています。

AffirmとKlarnaは比較的、ユーザーに選択肢を渡し、例えば分割払いでも何か月で支払いを終えるかなど全てユーザーのアクションベースを基本設計としています。反対にScalapayでは、3カ月で支払いを完了する1プランしか提供していません。また、単一のプランなため、ユーザーのクレジットや選択ごとに利子率が変動することはなく、極限までBNPLの仕組みをシンプル化させたものとなっています。

AffirmやKlarnaはどちらかと言えば、ユーザーフォーカスの分割払い体験に力を入れエコシステムを設計しているため、モバイルバンクに近い印象を受けます。その反面、Scalapayはマーチャントフォーカスで、シンプルな分割払いのインフラを提供するというスタンスを取っているように感じます。

店舗向けのセールスポイントとして、Scalapayの分割インフラを導入したことで平均して42%の購買ボリュームの増加、11%のコンバージョン率上昇が見込めるとしています。同社の収益モデルは店舗側から手数料を徴収する設計です。AffirmやKlarnaと違い、ユーザー側から収入を設計する施策は現状見受けられないため、公開はされていないものの他社より店舗が負担する金額は高くなるのではないかという懸念はあります。

Affirm自体はまだまだアメリカ中心なエコシステムの印象ですが、Klarnaなどはスウェーデン発なこともありヨーロッパ市場への地理的利点は多く持ち合わせています。また、エンタープライズでいえばPayPalがPay in 4と呼ばれる4回払いのBNPLモデルで市場エントリーしています。このように競合が多く市場参入してくる中、Scalapayのシンプル戦略は今後どのような結果を見るのか、注目したいところです。

Plaidを諦めたVISA、次は国際送金のTransferWiseと提携でマルチ通貨口座の拡大へ

SHARE:

ピックアップ:TransferWise and Visa Announce Global Partnership Following Successful Collaboration on Cloud Technology ニュースサマリー:VISAは27日、送金大手のTransferWiseとの戦略的パートナーシップを発表した。これにより、TransferWiseはVISAのCloud Conn…

ピックアップ:TransferWise and Visa Announce Global Partnership Following Successful Collaboration on Cloud Technology

ニュースサマリー:VISAは27日、送金大手のTransferWiseとの戦略的パートナーシップを発表した。これにより、TransferWiseはVISAのCloud Connectインフラストラクチャーを利用し、マルチ通貨に対応するデビットカードプログラムの拡大をスムーズに遂行できるようになる。

話題のポイント:VISAが金融APIを提供するPlaidの買収をアンチトラスト法に阻まれてからまだ数週間ですが、次のステップが明らかになってきました。今回新たにパートナーシップを発表したのは、国際送金の分野をリードするTransferWiseです。今回の提携では、VISAがクラウドの決済サービスをTransferWiseに対して提供することで、彼らがパブリッククラウド経由でVISAの決済処理ネットワーク「VisaNet」にアクセスすることができるようになります。これにより、TransferWiseは2018年頃より進めていた複数通貨に対応するデビットカード口座の市場拡大を進めやすくなるなる思惑があるようです。

TransferWiseは国内だけで生活しているとあまりその利便性にピンとこないかもしれませんが、複数通貨に対応する口座の破壊力はすさまじく、例えば日本から米国に初めて移住する場合、実際に現地に行くまで米ドルの口座を開設することは実質不可能でした。しかし、TransferWiseを介すことで事前に米ドルベースの口座、かつ送金をするのに必要な番号(ACHなど)もすべて割り振られます。そのため、Bank of AmericaやChaseなどと、実店舗があるかどうかの違いはあれどほぼ同等の機能を気軽に持てる利点が特徴でした。

加えて、デビットカードの発行にも国ごとに徐々に対応しており、つい先日には小規模であるものの日本においてもサービス開始の発表がありました

今までは各国通貨の安定的な決済やセキュリティーに対応させるため、各国におけるローカルでのデータセンター設置や通信インフラ、決済ハードウェアなど、多くの投資が必要でした。そのため、日本へのマルチ通貨アカウントの提供もロールアウトまである程度の時間を要していた背景があります。そのウィークポイントを、VISAのCloud Connetを通したクラウドベースへ切り替えることで、安定性と迅速性を達成することができるようになります。つまり、各国への対応が大幅にスピードアップする、ということです。

TransferWiseの利便性を考えるととにかく1枚・1口座は所有しておくことが世界の常識となる日も近い気がします。

学業の状態などからローンを審査する「Stilt」、与信の多様性に向け1億ドル調達

SHARE:

ピックアップ:Stilt Brings In $100M Debt Financing To Power Immigrant Loan Product ニュースサマリー:米国の移民や特定のビザ向けにローン型フィナンシャルサービスを提供するStiltは27日、Silicon Valley Bankからのデッドファイナンスによる1億ドルの資金調達を実施したことを発表している。 話題のポイント:アメリカ…

ピックアップ:Stilt Brings In $100M Debt Financing To Power Immigrant Loan Product

ニュースサマリー:米国の移民や特定のビザ向けにローン型フィナンシャルサービスを提供するStiltは27日、Silicon Valley Bankからのデッドファイナンスによる1億ドルの資金調達を実施したことを発表している。

話題のポイント:アメリカで生活する際、SSN(Social Security Number)ほど客観的に信頼度を提供することができるツールはありません。ただ、アメリカでVISAをきちんと取得し、移民や留学生として正式な形で来ているからといって、無条件で得られるものでもないのも実情です。

むしろ、ほとんどの留学生はSSNを持っていません。留学生が取得することの多いF-1ビザは、そもそも所得を得ることが前提にないため、SSNの取得が必要ないと考えられているからです。

そのため、例えばアパートメントの契約をしようとしても、大げさに言えば銀行口座に100万ドルあることが証明できようが、SSNの提出が規約に入っていると契約を断られてもおかしくありません。つまり、SSNを理由にフィナンシャルサービスを受けられないため、クレジットスコアを持てないという悪循環に陥るのです。

そうした現状を変えることを目指すのがStiltです。Stiltでは、SSNではなく学業の状態(GPAなど)、銀行口座の出費傾向などから総合的に個人の信頼性を分析し、ローンが可能かどうかを決定します。至って普通のフローのように思えますが、SSNが前提のアメリカではこうしたサービスは、特にデジタル上では存在しなかったのです。

例えば後払い市場をリードするスタートアップとして有名なAffirmなども、利用の際にはSSNが前提にされており、それ以外での信頼性担保を証明する手段は考慮されていません。現段階でStiltは、ローンとオリジナルの銀行口座のみのサービス提供ですが、将来的には後払い市場など包括的な金融サービスへの拡張も考えられます。

パンデミックによるB2B支払いのデジタル化を加速させる「Melio」

SHARE:

ピックアップ:B2B Payments Startup Melio Reaches $1.3B Valuation Following $110M Series C2 ニュースサマリー:B2B向け決済「Melio」は26日、シリーズCに続くシリーズC2ラウンドにて1億1000万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家にAccel、Aleph、Be…

ピックアップ:B2B Payments Startup Melio Reaches $1.3B Valuation Following $110M Series C2

ニュースサマリー:B2B向け決済「Melio」は26日、シリーズCに続くシリーズC2ラウンドにて1億1000万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家にAccel、Aleph、Bessemer Venture Partners、Corner Ventures、General Catalystなどが参加している。同社は今回のラウンドにて総額2億5,600万ドルの資金を調達している。

話題のポイント:Melioは企業間の決済と請求書のやり取りを一括管理可能なSaaSを提供しています。一般的な銀行送金やチェックによる支払いだと、4、5日は必要なのに対しMelioでは当日もしくは最大でも3日以内に相手の銀行口座に着金できるフローを採用しています。また、支払い手段もACHを利用したデビットカードもしくはクレジットカードによる決済に対応しており、クライアントごとにフレキシブルな支払い手段の選択を可能にしています。

FRB

企業間の支払いにおけるキャッシュフロー改善は、特にチェック(小切手)での取引が定着している国では大きな問題です。

FRBが公開しているデータによれば、2000年から2018年にかけて米国におけるキャッシュ以外の支払い手段(ボリューム別)として断トツの1位がACH Credi(銀行口座を利用した手動での送金)、同一でチェックとACH Debit(銀行口座を利用した自動での送金)で、クレジットカードによる支払いは過去18年間で全く成長していないことが分かります。

このグラフ自体はB2B限定ではないですが、逆に言えば大きな金額が生じるB2BトランザクションがACH・チェックのボリュームを押し上げ、身近な支払にのみクレジットカードが利用されているとも言えるでしょう。

Melioでは、特にデジタル化が進んでいない業種・業界のユースケース事例を多く取り上げています。例えばワイナリーやロジスティクス、ヘルスケアなど紙による支払いが伝統的に続き、かつ小規模な事業形態を取っている企業の導入を戦略的に多く進めているようです。Crunchbaseによれば、同社の2020年度における月ごとのアクティブユーザーは2000%以上のスピードで成長したとのことで、パンデミックによる支払いのデジタル化が当然の流れとなってきていることが読み取れます。

特にMelioでは、デビットカードにより支払いであれば請求書の管理や支払いは完全に無料で、クレジットカードによる支払い時のみ支払い側に2.9%の手数料をかけるモデルを採用しています。そのため、とにかく導入して試してみるという企業のモチベーションには最適なのだと思います。

アメリカにおいて長年続いたチェック文化が徐々に変わりつつあります。

IBMとブロックチェーンの今: 企業が日常的に利用するように(5/5)

SHARE:

企業のブロックチェーン利用 (前回からのつづき)これらのプロジェクトを通じてブロックチェーンの実行可能性を確立してきたIBMは、現在、企業ユーザーへの提案を加速させている。 IBMはそのグローバル・ビジネス・サービスを通じて、企業が独自のブロックチェーン・プラットフォームを立ち上げるために協力しており、これまでに100件以上のケースを開発してきたという。Rennie氏はこう言及する。 「ブロックチ…

Photo by Philipp Birmes from Pexels

企業のブロックチェーン利用

(前回からのつづき)これらのプロジェクトを通じてブロックチェーンの実行可能性を確立してきたIBMは、現在、企業ユーザーへの提案を加速させている。

IBMはそのグローバル・ビジネス・サービスを通じて、企業が独自のブロックチェーン・プラットフォームを立ち上げるために協力しており、これまでに100件以上のケースを開発してきたという。Rennie氏はこう言及する。

「ブロックチェーンはビジネスの目標を追求するのに適した技術であるということをパートナーにお伝えしています。あらゆるパターンを十分に実証してきましたのでそのアプローチが初めて、というケースはほぼありません。人々が抱く不安を少しでも解消するために私たちは進歩を遂げていると思います」。

同氏によればブロックチェーンの利点はやはり柔軟性と透明性の向上にあるという。これは、より多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを推進する中で重要になるポイントだ。Rennie氏は現在の状況をこう話す。

「この1年半の間にビジネスリーダーたちは、自分たちがやりたいと思っていたマルチパーティー統合(訳註:複数のプレーヤーによる情報統合)の一部が可能になり、非常に困難なビジネス統合やデータ共有の問題にブロックチェーンを適用する方法を理解しはじめたことで急速に加速しています」。

2年以上前にさかのぼると、これらのプロジェクトのほとんどは主にパイロット版ばかりだったそうだ。しかし、この1年間で、より多くのパートナーが日常的に使用するようになっている。その中には、中小企業の資金調達を促進するためにブロックチェーンを利用しているWe.tradeや、サプライヤーとの関係を管理するためにブロックチェーンを利用しているHome Depotなど、注目度の高いパートナーが含まれるようになった。

今後、IBMはブロックチェーンを拡大するハイブリッドクラウド戦略の重要なツールと捉えている。Rennie氏はブロックチェーンは、異なるクラウドサービスを利用する際に生じる複雑さを管理するためのもう一つの方法であると話す。

「ハイブリッドクラウドの機能について考えてみると、私たちが支援していることの大部分は、さまざまな方法でビジネスプロセスを自動化して統合することです。ブロックチェーンは統合自動化とマルチパーティの統合を可能にするため、非常に重要な役割を果たしています。ブロックチェーンは、未来の思考から現在の思考へと変化しているのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

IBMとブロックチェーンの今:Marsekと進める海運業へのブロックチェーン導入(4/5)

SHARE:

(前回からのつづき)またIBMは、Marsekと連携してTradeLensと呼ばれる海運業に対するブロックチェーンの導入を推進している。ポートのオーナー、コンテナ企業、物流会社、税関職員、荷主などを一つにまとめスマートコントラクトをベースとした取引プラットフォームとなっている。同業界は未だに電話やファックスが主なコミュニケーションツールなため、大きな一歩であると言える。 Renni氏は取り組みにつ…

Image Credit : IBM

(前回からのつづき)またIBMは、Marsekと連携してTradeLensと呼ばれる海運業に対するブロックチェーンの導入を推進している。ポートのオーナー、コンテナ企業、物流会社、税関職員、荷主などを一つにまとめスマートコントラクトをベースとした取引プラットフォームとなっている。同業界は未だに電話やファックスが主なコミュニケーションツールなため、大きな一歩であると言える。

Renni氏は取り組みについて以下のように述べる

「海上の運送は非常に競争の激しい領域です。特に、サプライヤーから始まり、税関の油種管理や船上での作業など全てを管理しようとすると複雑かつ相当量の事務処理が発生します。出荷するサイドが、オンデマンドに荷物の位置を完全に把握することは非常に困難で、仮に実現できれば貴重なのは明らかでしょう」。

昨年春のパンデミック発生の初期段階で、IBMはサプライヤーと購入者を繋ぐブロックチェーンプラットフォーム「Rapid Supplier Connect」を導入している。これは、マスク・防護服などを製造するメーカーや消毒剤を製造するメーカーなどが大規模なサプライチェーンの変更を余儀なくされたことで、新しいプレーヤーが繋がる方法を必要としていたことが起因するという。

プロジェクトのゴールには、そうした商品を今まで購入した経験のないバイヤーが商品の検証を可能とすることに置かれている。Renni氏によれば、両者がエコシステムに参加することでより透明性の高いトランザクションを進めることができるという。

例えばこの場合、エコシステム参加者は信頼に相当するデータをブロックチェーン上で共有していることを確認することができる。これにより、購入や価格など新規参入のプレーヤーがバイアスなく情報検証することが容易となる。Renniは次のように述べている。

「彼らはそれぞれが独自に病院や生産する工場に紐づいたサプライチェーンシステムを運用していました。つまり、彼らを無理やり新しいサプライチェーンに移行させることや、共通のサプライチェーンを使ってもらうことなどは不可能だったのです」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

IBMとブロックチェーンの今:Walmartらと取り組む「Food Trust Network」(3/5)

SHARE:

Food TrustNetwork (前回からのつづき)確かにHyperledgerはプラットフォームとして見られることも多いが、IBMはツールをただ作るだけでは十分でないと判断した。IBMでは、ブロックチェーンで何をすることができるのかまで表現し実証することで技術に対する信頼を獲得できるのではと考えている。そのため、IBMでは多くの業界で活用できるブロックチェーンのプロジェクトを中心に扱っている…

Food TrustNetwork

(前回からのつづき)確かにHyperledgerはプラットフォームとして見られることも多いが、IBMはツールをただ作るだけでは十分でないと判断した。IBMでは、ブロックチェーンで何をすることができるのかまで表現し実証することで技術に対する信頼を獲得できるのではと考えている。そのため、IBMでは多くの業界で活用できるブロックチェーンのプロジェクトを中心に扱っているのだ。

おそらく、IBMのプロジェクトとして最も注目を集めいるのはIBM Food Trust Networkだろう。Rennie氏は「IBM Food Trust Networkは食糧サプライチェーンの透明性を高めることを目的に設計されています。これは、農場から消費者までに関わる加工業者や小売、輸送業者など全ての関係者と協力し制作したもの」と述べている。

Rennie氏は今まで、上述したような異なるセクターの事業者が独自のITシステムを利用しており、一つのシステム上に統合するのは大きな弊害があったと述べる。また仮に統合できたとしても情報の完全共有は難しく、信頼関係を築く難易度も高い。

これにより、WalmartやCarrefourなどの大手小売業者が参加し、棚に届いた商品をモニターできるようになった。実際、商品の生産から売り場に至るまでの流れは非常に煩雑で、完全に把握することは困難と思われていた。例えばレタスのような食品が店頭に並ぶまで店側はそれがどこから届いたものなのか、ほとんど見当がつかないことが普通であった。

この問題点としてはレタスに大腸菌など何かしらリスクが起きた際に、どの出荷先が汚染されている可能性があるのか判断することができないため、膨大な量のレタスを廃棄することが避けられなかったという点が挙げられる。

IBMの役割としては、Food Trust Networkに参加した場合、そのパートナーがどの様な機密情報を共有し、それに応じてどのような利益が生じるのかを分かりやすく説明する必要があった。

「私たちはビジネスの観点でいかに分散型の信頼関係が築かれるのかを実際に示す必要がありました。また、それに応じてサプライチェーンの動きの中で実例を示す必要もあったのです」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】