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シリーズ:フェムテック

シリーズ:フェムテック

女性の活躍を支えるテクノロジーがフェムテックだ。妊活や早産発見、避妊薬デリバリーなど、女性にまつわる課題解決を目指す。一方、これらの多くは女性だけでなく「家族」の問題であったりもする。シリーズでは俯瞰した視点で関連するテクノロジーを取り上げる

シリーズ:フェムテックの話題

低所得者層の意図しない妊娠を遠隔医療で防ぐ「Twentyeight Health」

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの…

画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care

ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはリード投資家としてThird Primeが参加し、Town Hall Ventures、SteelSky Ventures、Aglaé Ventures、GingerBread Capital、Rucker Park Capital、Predictive VCなどのベンチャーキャピタルのほか、Stu Libby氏、Zoe Barry氏、Wan Li Zhu氏などのエンジェル投資家も参加している。同社資金調達総額は660万ドルとなった。

詳細な情報:同社は、元コンサルタントで自身も保険問題で2年間産婦人科の診療が受けられなかった経験を持つ創業者Amy Fan氏が2018年後半にニューヨークにて設立。ゲイツ財団で発展途上国の家族計画、マラリア、HIVなどの医療アクセスの改善を主導していた共同経営者・Bruno Van Tuykom氏と出会い、十分な医療サービスを受けることができない低所得者層の女性に向けた遠隔医療サービスとして設立された。

  • 同社はメディケイド(米国の低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険に加入していない低所得者層の女性が、十分な医療ケアを受けられない状況を問題視している。人種や所得階層、健康保険の種別に関わらず人々を包括する質の高いリプロダクティブ・ケアを提供することをミッションとして掲げる。同社プレスリリースによると2020年には顧客基盤が5倍に拡大し、これを受けてFan氏はAlleywatchの取材において「私たちのサービスに対するニーズがあることを実感しています」とコメントしている。
  • 同社サービスへの登録は、まずオンラインで問診票に記入し、24時間以内に米国の理事会認定医師がレビューすることで完了する。顧客は100以上のFDA承認ブランドの避妊薬、パッチ、リングなどの中から適したものを1〜3営業日以内に受け取ることができる。また、継続的なケアを行うため、医師とのフォローアップのメッセージは無制限で、処方箋の更新や副作用への対処などについて相談することができる。
  • 同社サービスは現在、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州で提供されている。今回調達した資金は、米国全土でのサービス拡大を継続するために活用されるという。
画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

背景:同社共同設立者・Tuykom氏はプレスリリースで、「今日、低所得者層の女性は米国の平均的な女性よりも3倍以上意図しない妊娠をする可能性が高く、そのうえ全国の医師の3分の1近くがメディケイドの新規患者を受け入れていない」との声明を発表している。さらにCOVID-19の大流行により対面での医療行為の予約が制限されていることも、この問題を増大させているという。日本においては、内閣府が10月8日の男女共同参画に関する専門調査会で、緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるよう検討する方針を打ち出している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

女性特有の疾患を救え、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)特化の「PERLA Health」

ピックアップ:FemBeat: Perla Health Wants To Demystify Polycystic Ovary Syndrome (PCOS), Which Affects 1 In 10 Women 重要なポイント:ロンドンを拠点とするPERLA Healthは9月29日、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を抱える女性に向けたサービスの正式リリースを発表した。例年9月に行われるPC…

画像出典:PERLA Health

ピックアップ:FemBeat: Perla Health Wants To Demystify Polycystic Ovary Syndrome (PCOS), Which Affects 1 In 10 Women

重要なポイント:ロンドンを拠点とするPERLA Healthは9月29日、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を抱える女性に向けたサービスの正式リリースを発表した。例年9月に行われるPCOS啓発月間が開催されたタイミングでの発表となった。PERLA Healthの会員になることで、電子書籍、チェックリストなどのリソース活用が可能となり、イベント、カンファレンス、コミュニティーなどの参加、PCOS専門家への相談といったサービスを受けることができる。

詳細情報:PERLA Healthは、フェムテック関連のニュースやデータベースを公開するプラットフォームFemtech Insiderの創設者でもあるKathrin Folkendt氏が発案。医薬品業界での専門知識を持ち、武田薬品工業に勤務するJanine Kopp氏を共同経営者として迎えサービスをスタートした。Folkendt氏自身も何年も症状に悩まされた後、30代になってからPCOSと診断されたという。Forbesのインタビューでは「私自身がPCOSを患っているので、この会社の使命は私の本望です」と創業の経緯を明かしている。

  • PCOSは不規則な生理、過剰なアンドロゲン分泌による体毛やにきびの変化、排卵障害など患者それぞれに違う症状を引き起こすため、誤情報も多いとFolkendt氏は指摘する。また、もうひとつの問題には、現段階では確固たる治療法が存在しないにもかかわらずサプリメントなどを販売することで、PCOSで苦しむ女性を騙す悪質なサービスが点在しているという。
  • こうした問題に対し、共同経営者のKopp氏はForbesのインタビューで「私たちは、エビデンスに基づき、研究に裏打ちされた情報を発信する場を構築する」と語っている。また、同社オウンドメディアで2020年6月に公開されたFolkendt氏のブログでは、今後は一流の医療と診断を効率的かつ手頃な価格で提供できるようなプラットフォームの構築を計画していることを明かしている。

背景:フェムテック分野は2025年までに500億ドル規模の市場になると予想されているが、PCOSや更年期障害、子宮内膜症など、女性の健康に関わる疾患についての分野への投資はこれまでは後回しにされてきた。しかし、2020年8月にPitchBookが公開したフェムテックに関する四半期報告書では、子宮内膜症の世界市場は23億ドルに達すると予想されており、10人に1人の女性が罹患する子宮内膜症はPCOSと同様に巨大な投資機会としてスポットライトを当てている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

女性向け生理用品ブランド「Nagi」、ANRIと赤坂氏から5000万円調達

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女性向け生理用品ブランド「Nagi」の企画・開発を実施するBLASTは8日、第三者割当増資による5,000万円の資金調達を発表した。ANRIと個人投資家の赤坂優氏が増資を引き受けた。今回調達した資金は、プロダクトの更なる開発や新規採用に用いられる。 同社は洗浄することで繰り返し利用が可能な吸水ショーツを展開。生理期間のみに限らずショーツ1枚で利用可能なため、吸水用途であれば多岐に渡る年代層や利用目…

Nagi
Nagi ウェブサイト

女性向け生理用品ブランド「Nagi」の企画・開発を実施するBLASTは8日、第三者割当増資による5,000万円の資金調達を発表した。ANRIと個人投資家の赤坂優氏が増資を引き受けた。今回調達した資金は、プロダクトの更なる開発や新規採用に用いられる。

同社は洗浄することで繰り返し利用が可能な吸水ショーツを展開。生理期間のみに限らずショーツ1枚で利用可能なため、吸水用途であれば多岐に渡る年代層や利用目的が想定されている。また、ショーツにはスリム、スタンダード、フルの3種類が用意されており、個人に合わせた利用が可能だ。今年5月末の販売開始時から1週間で2,000枚を完売した。

via PR Times

コロナ禍で需要増、従業員向け不妊治療支援サービス「Carrot」

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ピックアップ:Exclusive: Carrot Fertility closes $24 million Series B in a sign of the sector’s strength ニュースサマリ:企業向けに従業員の不妊治療を支援するサービスを提供するCarrotは、2,400万米ドルのシリーズBラウンドの資金調達を完了したことを2020年8月18日に発表した。本ラウンドはU.S. …

画像出典:Carrot 公式ホームページ

ピックアップ:Exclusive: Carrot Fertility closes $24 million Series B in a sign of the sector’s strength

ニュースサマリ:企業向けに従業員の不妊治療を支援するサービスを提供するCarrotは、2,400万米ドルのシリーズBラウンドの資金調達を完了したことを2020年8月18日に発表した。本ラウンドはU.S. Venture Partnersが主導し、F-Prime Capitalのほか、CRV、Precursor Ventures、Maven Ventures、Uncork Capitalなどの既存投資家が参加している。

詳細情報:今回の資金調達により、同社は累計4,000万米ドル以上を調達。現在、BoxやSnap、Pelotonなど100社以上の企業と契約し、北米、アジア太平洋、ヨーロッパ、南米、中東の42カ国以上でサービスを提供している。

  • Carrotは2016年、サンフランシスコにて設立。同社CEOで共同創業者であるTammy Sun氏自身が、34歳のときに卵子凍結を行った体験が設立のきっかけだった。
  • TechCrunchの2017年9月のインタビュー記事によると、当時AppleやFacebookなどの企業は従業員向けに不妊治療支援を福利厚生として取り入れていたが、Sun氏が当時勤めていた企業にはそうした制度がなく、ポケットマネーで約3万米ドルを支払ったという。
  • 同社は企業(雇用主)向けの不妊治療サービスプロバイダーとして、従業員の不妊治療の全行程をサポートする。契約企業は同社のサポートを活用し、経済的・医療的・精神的な面で従業員の不妊治療を支援できる。
  • 具体的な同社のプログラムには、卵子凍結、体外受精(IVF)、養子縁組、ドナーなどが含まれており、薬のセットが自宅に届く「Carrot Rx」や、不妊治療のためのデビットカード「Carrot Card®」といったオリジナルサービスもある。
画像出典:Carrot 公式ホームページ
  • 8月18日に発表された同社プレスリリースによると、今回の追加資金は、Carrot社のグローバルなサービス拡大、遠隔医療やそれに関する製品開発、優秀な人材の採用に充てられる予定だという。

背景:同社CEO兼共同創業者のTammy Sun氏がFortuneに寄せたコメントによると、COVID-19の影響下においても「不妊治療は必要不可欠でコアエッセンシャル」であることが明らかになったという。

実際に、2020年7月の同社サービスの予約件数はCOVID-19以前の数値を超えており、自宅から遠隔で2,000人以上の専門家にチャットで医療相談ができるサービスにおいてはパンデミック以前と比べ、4倍に増加しているそうだ。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

 

 

すべての人々のリプロダクティブ・ライツの尊重を目指す「LOOM」

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education 重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダク…

画像出典:LOOM 公式サイト

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education

重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダクティブ・ライツに関する新たなクラス提供に活用される予定。

詳細情報:LOOMは2016年、ドゥーラ(産前産後の女性を支える専門家)の経歴を持つErica Chidi氏と、政策提言の非営利団体Growing Voicesを共同設立したQuinn Lundberg氏によって設立された。

▲LOOMのCEO・Erica Chidi氏

  • 同社は2016年以来、ロサンゼルスを拠点としてイベントを開催し、生理や妊娠、不妊や中絶に至るまで、女性の健康問題についての教育を提供してきた。さらに同社は親になりたいと考えているLGBTQカップルに合わせたクラスも提供しており、すべてのプログラムがLGBTQフレンドリーとなっている。
  • COVID-19の影響を受け、同社はここ数カ月でほとんどのクラスをオンライン開催に移行している。同社が提供する生殖医療の知識や教育へのアクセシビリティについて、CEOのChidi氏はFast Companyの記事で下記のようにコメントしている。

人種的・経済的な格差により、人々がこうした情報にアクセスできるか否かの差別はあってはならないと考えています。私たちは100%、アクセスしやすい価格帯でクラスを市場に投入するつもりです

背景:Crunchbaseの記事によると、今回の資金調達でChidi氏はベンチャーキャピタルで100万米ドル以上を調達した35人の黒人女性創業者のうちの1人となった。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

米母親の74%がコロナ禍に不安、ママ友マッチングで“孤育て”解決を目指す「Social Mama」

ピックアップ:FemTech Apps Like SocialMama Make a Difference This International Friendship Day ニュースサマリー:ママ友作りアプリ「Social Mama」は、7月30日の国際友情デーを記念して、オンラインの「ママチャット」イベントを開催した。このイベントでは、母親たちがリアルタイムでチャットをしたり、国境を超えて育児…

画像出典:Social Mama公式サイト

ピックアップ:FemTech Apps Like SocialMama Make a Difference This International Friendship Day

ニュースサマリー:ママ友作りアプリ「Social Mama」は、7月30日の国際友情デーを記念して、オンラインの「ママチャット」イベントを開催した。このイベントでは、母親たちがリアルタイムでチャットをしたり、国境を超えて育児に関する経験を共有したり、新しいママ友に出会うこともできる。

詳細情報:同社はCEOのAmanda Ducach氏と夫のVishrut氏により、ヒューストンにて設立。Amanda氏が遠くに住む親友から息子に関する相談を受けた際、母親には同じ経験をした近くに住む友人が必要だと感じたことでアイデアが生まれたという。

  • 2020年7月の同社プレスリリースによると、Social Mamaアプリは2019年初頭のリリース以降、2万5,000件以上がダウンロードされ、コロナ禍においても成長を続けている。
  • SocialMamaは、住む場所やライフスタイル、そして母親たちそれぞれのニーズや特別な経験などを考慮した上で、趣味嗜好や考え方の合った母親同士をマッチングする機械学習アルゴリズムを使用している。
  • 2020年4月には、同アプリ上で母親たちが議論していたコロナ禍における母親の苦難を解決するため、新しいプログラム「Expert Program」がリリースされた。実際に語られていたこととしては、「パートナーのサポートや立ち会いなしでの出産」「体外受精の治療のキャンセル」「ファイナンシャルアドバイザーなしでの失業申請」などが挙げられる。
  • Expert Programでは、世界で活躍する専門家(家庭医学からファイナンシャルアドバイザーまで)とのアプリ上での1対1のチャットや、バーチャルイベントの参加、専門家がキュレーションしたコンテンツの閲覧が無料ででき、母親たち自身の健康や精神的ストレスのケアに活かすことができる。

背景:母親向けライフスタイルブランドMotherlyが実施した2020年5月の調査によると、コロナウイルスをきっかけに、米国の母親の74%が精神的不調を感じているという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

妊活・不妊治療ブランド事業「MEDERI」 にTLMら出資

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妊娠・出産、不妊治療のブランド事業を展開するMEDERIは7月31日、TLMと個人投資家を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は3000万円で、出資した個人はそれぞれ企業を経営する小柳津林太郎氏、高松裕美氏、竹林史貴氏、服部峻介氏、松山高和氏、望月祐介氏ら6名と名称非公開の1名。 MEDERIは今年3月に20代から30代の女性を中心とするウェルネスブランド「Ubu(ウブ)」を公…

ubu
Ubuウェブサイトから

妊娠・出産、不妊治療のブランド事業を展開するMEDERIは7月31日、TLMと個人投資家を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は3000万円で、出資した個人はそれぞれ企業を経営する小柳津林太郎氏、高松裕美氏、竹林史貴氏、服部峻介氏、松山高和氏、望月祐介氏ら6名と名称非公開の1名。

MEDERIは今年3月に20代から30代の女性を中心とするウェルネスブランド「Ubu(ウブ)」を公開。サプリメントとコーチングをセットにした定期購入のボックス「Ubu Supplement」の販売では、クラウドファンディングで150名近くが購入した。今回の資金調達でプロダクトの拡充や宣伝活動を推進する。また、助産師や栄養管理士などの専門家が監修した妊娠、出産に関連する情報サイト「Ubu+」の運営もしている。

MEDERI代表取締役の坂梨亜里咲氏は、女性向けキュレーションメディア「4MEEE」を手掛けた人物。2018年には同社代表取締役も務め、昨年12月に同社を退社後、MEDERIを創業した。

via PR TIMES

更年期障害も遠隔医療の時代、The Cuspが提供する「在宅ホルモン検査キット」

ピックアップ:New telemedicine service The Cusp rolls out at-home hormone test for women to predict menopause ニュースサマリ:更年期障害の女性のために遠隔医療サービスを提供するThe Cuspは、閉経のタイミングなどを予測するためのホルモン検査を自宅で行えるキットの販売を開始した。 詳細情報:同社は20…

画像出典:The Cusp 公式HPスクリーンショット

ピックアップ:New telemedicine service The Cusp rolls out at-home hormone test for women to predict menopause

ニュースサマリ:更年期障害の女性のために遠隔医療サービスを提供するThe Cuspは、閉経のタイミングなどを予測するためのホルモン検査を自宅で行えるキットの販売を開始した。

詳細情報:同社は2018年、自身も医師であるTaylor Sittler氏によりサンフランシスコにて設立。Crunchbaseによると同社はこれまでに、HomeBrew、Village Global、Katie StantonやMegan Paiなど個人投資家を含む投資家から400万米ドルを調達している。本記事によると、同社は約200人の患者にケアを提供しており、会員数は急速に増加しているという。

  • 同社ウェブサイトによると、カリフォルニア州の女性はホルモンテストおよびその結果に関する遠隔医療診断を159米ドルでオーダーすることができる。一方同様のテストと診断をクリニックで受診する場合は、約500米ドルの費用がかかるといい、費用を従来の3分の1以下に抑えている。
  • 今回提供を開始したホルモンテストは、一般的に処方されている他のテストとは異なり、鍵を握るホルモン値の測定が閉経のタイミングを予測するのに役立つという新たな研究を基にしている。同社は引き続き研究者と協力し、これらの知見の検証を進めている。
  • 同社によると、今回販売を開始したホルモンテストは閉経の初期兆候を迎える42〜50歳の女性向けだという。CEOのTaylor Sittler氏は、「早期のケアがより健康的な人生の第二ステージにつながる可能性が高いため、私たちはまず閉経周辺期の治療から始めます」とTechCrunchの取材でコメントしている。

背景:日本やアジアのFemtech企業のスタートアップ支援を行う「fermata」が2020年4月に発表した日本国内Femtechのマーケットマップによると、「更年期・閉経」カテゴリに該当する国内企業はなかったが、6月には更年期に特化したオンライン相談サービス「TRULY」の提供が開始されるなど、徐々に動きがあるようだ。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

女性の地位向上をフィンテックで支援する方法

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal 重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti …

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Image Credit : Khalti

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal

重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない

ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムを通じてデジタルリテラシーと金融リテラシーを持った女性の育成、女性の社会進出や経済的自立の支援をしている

詳細情報:Khalti Digital Walletはネパール国内でe-sawaに次ぐユーザー数第2位のモバイル決済アプリで、個人間送金だけでなく各種支払いやホテル・飛行機の予約、配車サービスなどもアプリ内から利用可能。アプリ内には「バザール」というマーケットプレイスもあり、ユーザーは個人間で商品の売買が行える。バザールで農作物や手作りの品物を販売することで、これまでお金を稼いだことのない女性が初めての収入を手にすることやデジタル経済に参加する事へも貢献している。

多機能モバイル決済アプリKhalti Digital Walletを2017年にローンチしたKhaltiが利用者の調査を行ったところ全ユーザー数に占める女性の割合は17%にすぎず、その17%のアカウントもほとんどが非アクティブであるということが判明した。

  • 国内の賃金労働者における女性の割合は26%
  • 家父長制が根強く残り、家庭内の金銭管理や支払いを行うのは男性という価値観
  • 長年社会問題となっている女性の無報酬労働(主には農業や工芸品の製作等)

こういったネパールが長年抱えているジェンダー問題が女性ユーザーの少なさの根本的な原因になっているという事実に直面し、同社はこの社会問題の解決に乗り出す事を決意しており、現在3つの取り組みを行っている。

  • 自社の女性雇用促進:女性を積極的に雇用し、現在女性従業員の割合は約半数(従業員115人中50人以上)
  • 女性の起業支援:SABAHネパールというNGOと共に国内12地区3,500人の女性主導の零細、中小企業の立ち上げを支援、業務で使用するためのデジタル金融サービスの提供も行う
  • Smart Chhori プロジェクト:Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムによって、デジタルリテラシーと金融リテラシーを兼ね備えた女性1万人を育成するプロジェクト

中でも国外からの注目も集まるのがSmart Chhoriプロジェクトで、2018年には SPRING Acceleratorプログラムに選出された。Chhoriはネパール語で「娘」。Smart Chhori = 賢い娘 を意味する。

SPRING Acceleratorプログラム とは、東アフリカと南アジアの思春期の少女たちの生活に革新をもたらし、その暮らしをより豊かにする製品や市場の創出を行うビジネスの支援を目的としたアクセラレータプログラムで、英国国際開発省(DFID)、米国国際開発庁(USAID)、オーストラリア外務貿易省(DFAT)が資金提供をしている。Smart ChhoriのトレーニングプログラムへはKhalti Digital Walletアプリ内から参加可能。

プログラム内には個人の金銭管理、デジタル決済、オンラインセキュリティなどの分野についてレベルごとの講義動画とクイズ形式のテストが用意されている。それぞれのレベルを修了すると、修了バッジとレベルに応じた金銭的なインセンティブがもらえ、全てのプログラムを終えると修了証明書がもらえる。

Smart Chhoriプロジェクトは15歳~35歳のインターネットへのアクセスが可能なスマートフォンを持っている女性なら誰でも参加できるが、それ以外に3つの参加条件を提示している。

  1. デジタル決済技術を通じ、地域社会の人々の生活向上に尽力すること
  2. 家族や地域社会の中でより多くの女性がSmart Chhori(賢い娘)になり、女性の社会参加や地位向上を推進したいと思っていること
  3. Khalti Smart Chhori Networkに興味があり、積極的に参加したいと思っていること

Khalti Smart Chhori Networkとは、Smart Chhoriプログラムを修了した女性が中心となって作るコミュニティとそれを繋ぐネットワークで、Khaltiと共に今後スマートソサエティやキャッシュレス国家の実現を目指していくもの。

Khaltiでは、Smart Chhoriプロジェクトを通じてデジタルと金融リテラシーを持った女性を育成することのみを目的とせず、プロジェクト参加者はトレーニング終了後自分が中心となって自分の周りの女性の意識や社会全体を変えていく役割を担うことも求めている。 この背景には、女性の識字率は男性より20%も低い48.84%といった数字が示すように男女には教育格差もあり、Khaltiのサービスを通してではリーチしきれない女性も数多く存在する事が伺える。

同社による取り組みは既に十分な成果をあげており、現在アクティブユーザー15万人のうち半数近い7万人が女性ユーザーとなっている

背景:ネパールは人口約2,900万人、年間平均所得が1人あたり800ドル台でアジア最貧国の一つ。海外出稼ぎ労働者からの送金が国内GDPの3割にものぼるが、この出稼ぎ労働者の中にはお金を稼ぎたくてもネパール国内では女性の働き口が少なく職を得ることが難しいために海外へ出稼ぎに行く女性も含まれている。Khaltiでは、国際開発省(DFID)からの資金提供を受けアジア財団と提携し、国外の出稼ぎ労働者へ対しても経済的な情報やアドバイスを提供する Shuvayatraというアプリもリリースしている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

「タンポン」にイノベーションを起こした生理用品D2CのCallaly、コロナ禍でも160%成長

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ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign 重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち…

画像出典:Callaly

ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign

重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち、オーバーファンディングを継続している。

詳細情報:Callalyは婦人科医として30年以上の経験を有するAlex Hooi氏と、ファッション業界にて10年以上従事していたEwa Radziwon氏が共同で設立。2018年にオーガニックコットンの生理用品の定期配送サービスを開始した。Crunchbaseによると、これまでに民間および政府から790万ポンドを調達している。

  • Callalyは1931年に発明されて以降、80年以上革新的な変化のなかった「タンポン」にイノベーションを起こし、従来のタンポンとライナーの一体型である「Tampliner」を発明した。
  • 同社製品のパッケージはすべてリサイクル可能な素材、または生分解性の素材を使用している。さらに売上の少なくとも1%をDays for Girls、Red Box Project、Bloody Good Periodなどの非営利団体に寄付するなど、SDGsの観点においても注力している。

  • これは(上)2020年5月より公開されている「Tampliner」のプロモーション動画。同社Chief Marketing Officer・Kate Huang氏のインタビュー記事によると、1930年代に使用されていた一連の製品の箱を開け、その使用用途を明らかにする女性たちの姿を映すことで、タンポンだけは全く変化がなかったことを表現している。
  • 同社が開発した「Tampliner」は複数の業界革新賞を受賞しており、30カ国で特許も取得している。また2019年、同社はIABにより英国の主要なD2C企業50社うちの1社として認定された。
  • 日本における生理用品のEコマースとしては「ランドリーボックス」や「illuminate」などが挙げられる。その他、日本発のFemCareブランドとして生理用吸水ショーツ「Nagi」や、月経カップ「ROSE CUP」などが挙げられるが、タンポンに特化した日本発ブランドは筆者調査時点(7月)では見つからなかった。

背景:コロナ禍においても、Callalyはポジティブに成長しており、新規加入者は3月から5月の間で160%以上増加したという。CMOのHuang氏によると、ロックダウン下において大きな影響を受けた小売店と違い、Callalyの販売形態がサブスクリプションの定期配送サービスであることが一因と述べられている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代