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シリーズ:フェムテック

シリーズ:フェムテック

女性の活躍を支えるテクノロジーがフェムテックだ。妊活や早産発見、避妊薬デリバリーなど、女性にまつわる課題解決を目指す。一方、これらの多くは女性だけでなく「家族」の問題であったりもする。シリーズでは俯瞰した視点で関連するテクノロジーを取り上げる

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シリーズ:フェムテックの話題

すべての人々のリプロダクティブ・ライツの尊重を目指す「LOOM」

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education 重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダク…

画像出典:LOOM 公式サイト

ピックアップ:This doula raised $3 million to build a digital platform for reproductive education

重要なポイント:女性の健康問題に関する教育を提供するLOOMは、7月30日にシードラウンドにて300万米ドルの調達を発表した。今回調達した資金は、2020年秋に予定されているデジタルプラットフォームの拡大や、リプロダクティブ・ライツに関する新たなクラス提供に活用される予定。

詳細情報:LOOMは2016年、ドゥーラ(産前産後の女性を支える専門家)の経歴を持つErica Chidi氏と、政策提言の非営利団体Growing Voicesを共同設立したQuinn Lundberg氏によって設立された。

▲LOOMのCEO・Erica Chidi氏

  • 同社は2016年以来、ロサンゼルスを拠点としてイベントを開催し、生理や妊娠、不妊や中絶に至るまで、女性の健康問題についての教育を提供してきた。さらに同社は親になりたいと考えているLGBTQカップルに合わせたクラスも提供しており、すべてのプログラムがLGBTQフレンドリーとなっている。
  • COVID-19の影響を受け、同社はここ数カ月でほとんどのクラスをオンライン開催に移行している。同社が提供する生殖医療の知識や教育へのアクセシビリティについて、CEOのChidi氏はFast Companyの記事で下記のようにコメントしている。

人種的・経済的な格差により、人々がこうした情報にアクセスできるか否かの差別はあってはならないと考えています。私たちは100%、アクセスしやすい価格帯でクラスを市場に投入するつもりです

背景:Crunchbaseの記事によると、今回の資金調達でChidi氏はベンチャーキャピタルで100万米ドル以上を調達した35人の黒人女性創業者のうちの1人となった。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

米母親の74%がコロナ禍に不安、ママ友マッチングで“孤育て”解決を目指す「Social Mama」

ピックアップ:FemTech Apps Like SocialMama Make a Difference This International Friendship Day ニュースサマリー:ママ友作りアプリ「Social Mama」は、7月30日の国際友情デーを記念して、オンラインの「ママチャット」イベントを開催した。このイベントでは、母親たちがリアルタイムでチャットをしたり、国境を超えて育児…

画像出典:Social Mama公式サイト

ピックアップ:FemTech Apps Like SocialMama Make a Difference This International Friendship Day

ニュースサマリー:ママ友作りアプリ「Social Mama」は、7月30日の国際友情デーを記念して、オンラインの「ママチャット」イベントを開催した。このイベントでは、母親たちがリアルタイムでチャットをしたり、国境を超えて育児に関する経験を共有したり、新しいママ友に出会うこともできる。

詳細情報:同社はCEOのAmanda Ducach氏と夫のVishrut氏により、ヒューストンにて設立。Amanda氏が遠くに住む親友から息子に関する相談を受けた際、母親には同じ経験をした近くに住む友人が必要だと感じたことでアイデアが生まれたという。

  • 2020年7月の同社プレスリリースによると、Social Mamaアプリは2019年初頭のリリース以降、2万5,000件以上がダウンロードされ、コロナ禍においても成長を続けている。
  • SocialMamaは、住む場所やライフスタイル、そして母親たちそれぞれのニーズや特別な経験などを考慮した上で、趣味嗜好や考え方の合った母親同士をマッチングする機械学習アルゴリズムを使用している。
  • 2020年4月には、同アプリ上で母親たちが議論していたコロナ禍における母親の苦難を解決するため、新しいプログラム「Expert Program」がリリースされた。実際に語られていたこととしては、「パートナーのサポートや立ち会いなしでの出産」「体外受精の治療のキャンセル」「ファイナンシャルアドバイザーなしでの失業申請」などが挙げられる。
  • Expert Programでは、世界で活躍する専門家(家庭医学からファイナンシャルアドバイザーまで)とのアプリ上での1対1のチャットや、バーチャルイベントの参加、専門家がキュレーションしたコンテンツの閲覧が無料ででき、母親たち自身の健康や精神的ストレスのケアに活かすことができる。

背景:母親向けライフスタイルブランドMotherlyが実施した2020年5月の調査によると、コロナウイルスをきっかけに、米国の母親の74%が精神的不調を感じているという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

妊活・不妊治療ブランド事業「MEDERI」 にTLMら出資

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妊娠・出産、不妊治療のブランド事業を展開するMEDERIは7月31日、TLMと個人投資家を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は3000万円で、出資した個人はそれぞれ企業を経営する小柳津林太郎氏、高松裕美氏、竹林史貴氏、服部峻介氏、松山高和氏、望月祐介氏ら6名と名称非公開の1名。 MEDERIは今年3月に20代から30代の女性を中心とするウェルネスブランド「Ubu(ウブ)」を公…

ubu
Ubuウェブサイトから

妊娠・出産、不妊治療のブランド事業を展開するMEDERIは7月31日、TLMと個人投資家を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は3000万円で、出資した個人はそれぞれ企業を経営する小柳津林太郎氏、高松裕美氏、竹林史貴氏、服部峻介氏、松山高和氏、望月祐介氏ら6名と名称非公開の1名。

MEDERIは今年3月に20代から30代の女性を中心とするウェルネスブランド「Ubu(ウブ)」を公開。サプリメントとコーチングをセットにした定期購入のボックス「Ubu Supplement」の販売では、クラウドファンディングで150名近くが購入した。今回の資金調達でプロダクトの拡充や宣伝活動を推進する。また、助産師や栄養管理士などの専門家が監修した妊娠、出産に関連する情報サイト「Ubu+」の運営もしている。

MEDERI代表取締役の坂梨亜里咲氏は、女性向けキュレーションメディア「4MEEE」を手掛けた人物。2018年には同社代表取締役も務め、昨年12月に同社を退社後、MEDERIを創業した。

via PR TIMES

更年期障害も遠隔医療の時代、The Cuspが提供する「在宅ホルモン検査キット」

ピックアップ:New telemedicine service The Cusp rolls out at-home hormone test for women to predict menopause ニュースサマリ:更年期障害の女性のために遠隔医療サービスを提供するThe Cuspは、閉経のタイミングなどを予測するためのホルモン検査を自宅で行えるキットの販売を開始した。 詳細情報:同社は20…

画像出典:The Cusp 公式HPスクリーンショット

ピックアップ:New telemedicine service The Cusp rolls out at-home hormone test for women to predict menopause

ニュースサマリ:更年期障害の女性のために遠隔医療サービスを提供するThe Cuspは、閉経のタイミングなどを予測するためのホルモン検査を自宅で行えるキットの販売を開始した。

詳細情報:同社は2018年、自身も医師であるTaylor Sittler氏によりサンフランシスコにて設立。Crunchbaseによると同社はこれまでに、HomeBrew、Village Global、Katie StantonやMegan Paiなど個人投資家を含む投資家から400万米ドルを調達している。本記事によると、同社は約200人の患者にケアを提供しており、会員数は急速に増加しているという。

  • 同社ウェブサイトによると、カリフォルニア州の女性はホルモンテストおよびその結果に関する遠隔医療診断を159米ドルでオーダーすることができる。一方同様のテストと診断をクリニックで受診する場合は、約500米ドルの費用がかかるといい、費用を従来の3分の1以下に抑えている。
  • 今回提供を開始したホルモンテストは、一般的に処方されている他のテストとは異なり、鍵を握るホルモン値の測定が閉経のタイミングを予測するのに役立つという新たな研究を基にしている。同社は引き続き研究者と協力し、これらの知見の検証を進めている。
  • 同社によると、今回販売を開始したホルモンテストは閉経の初期兆候を迎える42〜50歳の女性向けだという。CEOのTaylor Sittler氏は、「早期のケアがより健康的な人生の第二ステージにつながる可能性が高いため、私たちはまず閉経周辺期の治療から始めます」とTechCrunchの取材でコメントしている。

背景:日本やアジアのFemtech企業のスタートアップ支援を行う「fermata」が2020年4月に発表した日本国内Femtechのマーケットマップによると、「更年期・閉経」カテゴリに該当する国内企業はなかったが、6月には更年期に特化したオンライン相談サービス「TRULY」の提供が開始されるなど、徐々に動きがあるようだ。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

女性の地位向上をフィンテックで支援する方法

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal 重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti …

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Image Credit : Khalti

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal

重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない

ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムを通じてデジタルリテラシーと金融リテラシーを持った女性の育成、女性の社会進出や経済的自立の支援をしている

詳細情報:Khalti Digital Walletはネパール国内でe-sawaに次ぐユーザー数第2位のモバイル決済アプリで、個人間送金だけでなく各種支払いやホテル・飛行機の予約、配車サービスなどもアプリ内から利用可能。アプリ内には「バザール」というマーケットプレイスもあり、ユーザーは個人間で商品の売買が行える。バザールで農作物や手作りの品物を販売することで、これまでお金を稼いだことのない女性が初めての収入を手にすることやデジタル経済に参加する事へも貢献している。

多機能モバイル決済アプリKhalti Digital Walletを2017年にローンチしたKhaltiが利用者の調査を行ったところ全ユーザー数に占める女性の割合は17%にすぎず、その17%のアカウントもほとんどが非アクティブであるということが判明した。

  • 国内の賃金労働者における女性の割合は26%
  • 家父長制が根強く残り、家庭内の金銭管理や支払いを行うのは男性という価値観
  • 長年社会問題となっている女性の無報酬労働(主には農業や工芸品の製作等)

こういったネパールが長年抱えているジェンダー問題が女性ユーザーの少なさの根本的な原因になっているという事実に直面し、同社はこの社会問題の解決に乗り出す事を決意しており、現在3つの取り組みを行っている。

  • 自社の女性雇用促進:女性を積極的に雇用し、現在女性従業員の割合は約半数(従業員115人中50人以上)
  • 女性の起業支援:SABAHネパールというNGOと共に国内12地区3,500人の女性主導の零細、中小企業の立ち上げを支援、業務で使用するためのデジタル金融サービスの提供も行う
  • Smart Chhori プロジェクト:Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムによって、デジタルリテラシーと金融リテラシーを兼ね備えた女性1万人を育成するプロジェクト

中でも国外からの注目も集まるのがSmart Chhoriプロジェクトで、2018年には SPRING Acceleratorプログラムに選出された。Chhoriはネパール語で「娘」。Smart Chhori = 賢い娘 を意味する。

SPRING Acceleratorプログラム とは、東アフリカと南アジアの思春期の少女たちの生活に革新をもたらし、その暮らしをより豊かにする製品や市場の創出を行うビジネスの支援を目的としたアクセラレータプログラムで、英国国際開発省(DFID)、米国国際開発庁(USAID)、オーストラリア外務貿易省(DFAT)が資金提供をしている。Smart ChhoriのトレーニングプログラムへはKhalti Digital Walletアプリ内から参加可能。

プログラム内には個人の金銭管理、デジタル決済、オンラインセキュリティなどの分野についてレベルごとの講義動画とクイズ形式のテストが用意されている。それぞれのレベルを修了すると、修了バッジとレベルに応じた金銭的なインセンティブがもらえ、全てのプログラムを終えると修了証明書がもらえる。

Smart Chhoriプロジェクトは15歳~35歳のインターネットへのアクセスが可能なスマートフォンを持っている女性なら誰でも参加できるが、それ以外に3つの参加条件を提示している。

  1. デジタル決済技術を通じ、地域社会の人々の生活向上に尽力すること
  2. 家族や地域社会の中でより多くの女性がSmart Chhori(賢い娘)になり、女性の社会参加や地位向上を推進したいと思っていること
  3. Khalti Smart Chhori Networkに興味があり、積極的に参加したいと思っていること

Khalti Smart Chhori Networkとは、Smart Chhoriプログラムを修了した女性が中心となって作るコミュニティとそれを繋ぐネットワークで、Khaltiと共に今後スマートソサエティやキャッシュレス国家の実現を目指していくもの。

Khaltiでは、Smart Chhoriプロジェクトを通じてデジタルと金融リテラシーを持った女性を育成することのみを目的とせず、プロジェクト参加者はトレーニング終了後自分が中心となって自分の周りの女性の意識や社会全体を変えていく役割を担うことも求めている。 この背景には、女性の識字率は男性より20%も低い48.84%といった数字が示すように男女には教育格差もあり、Khaltiのサービスを通してではリーチしきれない女性も数多く存在する事が伺える。

同社による取り組みは既に十分な成果をあげており、現在アクティブユーザー15万人のうち半数近い7万人が女性ユーザーとなっている

背景:ネパールは人口約2,900万人、年間平均所得が1人あたり800ドル台でアジア最貧国の一つ。海外出稼ぎ労働者からの送金が国内GDPの3割にものぼるが、この出稼ぎ労働者の中にはお金を稼ぎたくてもネパール国内では女性の働き口が少なく職を得ることが難しいために海外へ出稼ぎに行く女性も含まれている。Khaltiでは、国際開発省(DFID)からの資金提供を受けアジア財団と提携し、国外の出稼ぎ労働者へ対しても経済的な情報やアドバイスを提供する Shuvayatraというアプリもリリースしている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

「タンポン」にイノベーションを起こした生理用品D2CのCallaly、コロナ禍でも160%成長

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ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign 重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち…

画像出典:Callaly

ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign

重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち、オーバーファンディングを継続している。

詳細情報:Callalyは婦人科医として30年以上の経験を有するAlex Hooi氏と、ファッション業界にて10年以上従事していたEwa Radziwon氏が共同で設立。2018年にオーガニックコットンの生理用品の定期配送サービスを開始した。Crunchbaseによると、これまでに民間および政府から790万ポンドを調達している。

  • Callalyは1931年に発明されて以降、80年以上革新的な変化のなかった「タンポン」にイノベーションを起こし、従来のタンポンとライナーの一体型である「Tampliner」を発明した。
  • 同社製品のパッケージはすべてリサイクル可能な素材、または生分解性の素材を使用している。さらに売上の少なくとも1%をDays for Girls、Red Box Project、Bloody Good Periodなどの非営利団体に寄付するなど、SDGsの観点においても注力している。

  • これは(上)2020年5月より公開されている「Tampliner」のプロモーション動画。同社Chief Marketing Officer・Kate Huang氏のインタビュー記事によると、1930年代に使用されていた一連の製品の箱を開け、その使用用途を明らかにする女性たちの姿を映すことで、タンポンだけは全く変化がなかったことを表現している。
  • 同社が開発した「Tampliner」は複数の業界革新賞を受賞しており、30カ国で特許も取得している。また2019年、同社はIABにより英国の主要なD2C企業50社うちの1社として認定された。
  • 日本における生理用品のEコマースとしては「ランドリーボックス」や「illuminate」などが挙げられる。その他、日本発のFemCareブランドとして生理用吸水ショーツ「Nagi」や、月経カップ「ROSE CUP」などが挙げられるが、タンポンに特化した日本発ブランドは筆者調査時点(7月)では見つからなかった。

背景:コロナ禍においても、Callalyはポジティブに成長しており、新規加入者は3月から5月の間で160%以上増加したという。CMOのHuang氏によると、ロックダウン下において大きな影響を受けた小売店と違い、Callalyの販売形態がサブスクリプションの定期配送サービスであることが一因と述べられている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

男女平等を実現するアイデアに3000万ドル、メリンダ・ゲイツ&マッケンジー・ベゾス女史がタッグ

ピックアップ:MacKenzie Bezos And Melinda Gates Team Up On $30 Million Gender Equity Contest 重要なポイント:メリンダ・ゲイツ氏の投資会社であるPivotal Venturesは、ジェフ・ベゾス氏の元妻であるマッケンジー・ベゾス氏と手を組み、2030年までに米国でジェンダーギャップを解決するための最も優れたアイデアに3,…

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Image Credit : Equality Can’t Wait Challenge

ピックアップ:MacKenzie Bezos And Melinda Gates Team Up On $30 Million Gender Equity Contest

重要なポイント:メリンダ・ゲイツ氏の投資会社であるPivotal Venturesは、ジェフ・ベゾス氏の元妻であるマッケンジー・ベゾス氏と手を組み、2030年までに米国でジェンダーギャップを解決するための最も優れたアイデアに3,000万ドルを授与するコンテスト「Equality Can’t Wait Challenge」の開催を発表した。

詳細情報:今回のコンテストでは、女性の活躍を阻む障害を取り除くため、時代遅れのシステムやジェンダーに関する固定概念を打ち破るための施策を募集する。対象は米国を拠点とする組織やNPOで、参加するには今年9月1日までにオンラインで登録する必要がある。

  • コンテスト開催発表のプレスリリースによると、アイデアの評価基準は(1)現状に変化をもたらすことができるか?(2)公平性の観点を持つか?(有色人種の女性、貧困の中で暮らす女性、LGBTQの女性など、あらゆる背景を考慮した観点からアプローチしているか?)(3)革新的か?(4)実現可能か?となっている。
  • Forbesによると、ゲイツ氏は以前から女性の権利問題について声をあげてきたが、ベゾス氏は自身の慈善活動について多くを語ってこなかった。

背景:現在世界中でニュースとなっている出来事は、米国の根深い不平等を露呈し「Equality Can’t Wait」というコンテストタイトルの緊急性を高めている。#BlackLivesMatterは、米国の歴史的な人種差別を世界的に明らかにし、COVID-19は米国女性の雇用における構造的不平等を顕在化した。

ロイターの記事によると、成人女性の失業率は4月に15.5%と急上昇し、男性の失業率13%、労働者全体の14.7%を上回っている。4月の失業者増大の中心となったのは、娯楽・サービス産業770万人、医療・教育産業250万人であるが、どちらも消費者と直接対面する産業であり、非白人女性を含め、女性が多数を占めているという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志

 

ウェアラブル搾乳ポンプ「Willow」のCEOに元Airbnbの女性幹部が就任、母の経験伝える

ピックアップ:How Airbnb exec Laura Chambers landed her first CEO job at femtech startup Willow just as the pandemic hit ニュースサマリー:元AirBnB、eBayの幹部で3児の母でもあるLaura Chambers氏が、6月16日、搾乳器を製造販売するWillowのCEOに就任した。 詳細情…

画像出典:Willow

ピックアップ:How Airbnb exec Laura Chambers landed her first CEO job at femtech startup Willow just as the pandemic hit

ニュースサマリー:元AirBnB、eBayの幹部で3児の母でもあるLaura Chambers氏が、6月16日、搾乳器を製造販売するWillowのCEOに就任した。

詳細情報:Willowは2014年カリフォルニア州にて設立。動作音のないのウェアラブル搾乳ポンプを開発・販売している。従来の搾乳器にある長いチューブやコード、ボトルが付随しないオールインワン型のため、母親はどこでも搾乳を行えることが特長。ワーキングマザーが増え、マルチタスクがより求められる時代に、搾乳を手軽にすることで母親たちが母乳育児を続けることを支援している。

  • 同社の収益は2018年から2019年にかけて前年比140%増となり、2020年も前年比50%近くまで伸びることが予想されている。
  • Amazon、buybuybaby.com、Babylistなどの主要なオンライン小売チャネルでの取引を大幅に拡大し、ユーザー数は現在7万人程度で2018年から2019年にかけて120%増加したという。
  • 同社プレスリリースによると、直近では2019年12月に2,000万米ドルを調達し、累計1億米ドルを調達している。
  • 今回CEOに就任したChambers氏は2018年7月〜2020年6月まで、AirBnBで2年間従事し、ホストのコミュニティ部門のゼネラルマネージャーを務めていた。Willowの共同創業者で会長のJosh Makower氏からの打診を受け、自身の母親としての経験からCEO就任を決めた。Chambers氏は、同プレスリリースで下記の声明を発表している。

「母」という経験は素晴らしいものですが、時に信じられないほど困難です。私はこの8年間、管理職であると同時に母親でもあり、常にそうした振れ幅の中で生きる母親たちをサポートしたいという使命感を抱いていました。母親には、イノベーションと素晴らしいデザイン、そして大切なものを守るためのテクノロジーソリューションが必要です。

背景:BabyTechマーケット価値としては、Forbesが昨年5月に460億ドルと試算しているものがある。この中で、2013年から同マーケットのスタートアップに対して投じられた資金は5億ドルに到達している。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志

チャットアプリ+クリニックで女性の健康をワンストップサポートする「Tia」

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ピックアップ:Tia, Stork Club Secure Funding To Boost Women’s Health Care Options ニュースサマリ:ニューヨークを拠点とし、オンラインおよびオフライン両方で女性向けヘルスケアプラットフォームを展開するTiaは5月28日、シリーズAラウンドで2,430万米ドルの資金調達を公表した。今回の調達はThreshold Venturesが主導…

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ピックアップ:Tia, Stork Club Secure Funding To Boost Women’s Health Care Options

ニュースサマリ:ニューヨークを拠点とし、オンラインおよびオフライン両方で女性向けヘルスケアプラットフォームを展開するTiaは5月28日、シリーズAラウンドで2,430万米ドルの資金調達を公表した。今回の調達はThreshold Venturesが主導し、Define Ventures、ACME、Torch Capital、John Doerr、Homebrew、Compoundが参加している。

今回得た資金で、同社はオンラインおよびオフラインのサービス両方を拡大し、新たな市場の開拓や、サービスプロバイダーや医療システムとの新規パートナーシップ構築に使われる。

詳細:Tiaは2016年、Carolyn Witte氏およびFelicity Yost氏の女性2名の共同創業により設立された。CEOのWitte氏は元Googleという経歴を活かし、生理周期のトラッキングや女性が健康に関する質問をチャット形式で質問できるアプリとしてTiaをスタート。Witte氏によると、アプリをリリースした数カ月後には20万件以上の利用に達したという。

  • Tiaが提供するサービスはオンラインのみに留まらず、2019年3月にはニューヨークに自社クリニックを開院。オープンから1年余りで3,000人の患者を抱えている。
  • アプリとクリニックが連動したワンストップで効率的なケアにより、同社は従来より40%低いコストで女性への標準的な診察を提供。こうした仕組みが評価され、今回の資金調達につながった、とWitte氏は語っている。
  • Crunchbaseのデータによると、同社は2019年1月に250万米ドルのシードラウンドを調達しており、調達総額は3,200万米ドル。
  • クリニックはCOVID-19の影響で3月16日以降自社クリニックを閉鎖していたが、5月30日に再開した。

背景:COVID-19の影響で、パニック障害や職を失うことへの不安など、同社に寄せられたメンタルヘルスに関する相談数や投薬依頼は400%にまで増加したという。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:平野武士・岩切絹代

ママ友版 Tinder「Peanut」が巣ごもり需要で急成長中

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ピックアップ:Peanut, UK-based social network for women, raises $12 million to expand community beyond fertility and motherhood ニュースサマリー:ママ友SNS「Peanut」は5月6日、シリーズAにて1200万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはEOT Ventures…

peanuts

ピックアップ:Peanut, UK-based social network for women, raises $12 million to expand community beyond fertility and motherhood

ニュースサマリー:ママ友SNS「Peanut」は5月6日、シリーズAにて1200万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはEOT Venturesが参加している。また、Index VenturesとFemale Fundも同ラウンドに参加した。2017年創業で、累計資金調達額は2,180万ドルに達している。

重要なポイント:COVID-19は同社にとって好転的な影響を及ぼした。コロナ以降の同アプリ全体のエンゲージメントは30%増加し、コンテンツ消費は40%増加したという。ユーザーの増加も好調で、12月以降は100万人から160万人へと60パーセント成長している。

詳細情報:Peanutは「Tinderのママ友版」とも言われる、ロンドン発祥のママ友マッチングアプリ。スワイプをすることで近くのママ友と会うことのできる「MEET」、グループもしくは個人での「CHAT」機能、特定の話題やご近所同士の「GROUP」、質問やアドバイスをし合う「SHARE」機能等がある。

  • 同社はユーザーの女性たちがアプリを利用する上で、ストレスや不安を最小限に抑えられるよう、ソーシャルネットワークをデザインすることに注力している。
  • 具体的には、ユーザーがフィードや通知から特定の話題を削除できる「ミュートキーワード」機能を5月初めに新たに実装。例えば、COVID-19関連のコンテンツを減らしたい場合や、不妊に悩むユーザーが「妊娠」に関するトピックを避けたい場合、関連ワードをミュートすることができる。
  • 今回の調達金は人材への投資だけでなく、更年期障害を抱える女性など、既存サービスの不妊治療や母性の分野を超えた新しいコミュニティ拡大のためにも使われる。NAMS(The North American Menopause Society)によると、更年期障害を抱える人は、2025年までに10億人以上にまで拡大すると予測されている。
  • 同様のママ友マッチングアプリとして、日本では雑誌「mamagirl」が運営し2019年6月にリリースした「mamagirl-link」や、2019年10月リリースの「MAMATALK」、保活に関する新機能を2020年4月にリリースした「Fiika」などが挙げられる。

背景:Kennedy氏は、数十億ドル規模の出会い系アプリであるBadooの副CEOを務めたほか、女性に焦点を当てた出会い系アプリBumbleの初代取締役を務めるなど、マッチングアプリ開発の経験が豊富。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:平野武士