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VC/Genesia Ventures

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私たちは、アジアにおいて革新的なデジタルビジネスを手掛けるシード・アーリーステージのスタートアップへ投資する独立系ベンチャーキャピタル(VC)です。原則リード投資家として、スタートアップの成長をサポートします。「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会を実現する」というビジョンを掲げ、新しい産業を生み出すプラットフォームを目指します。

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新型コロナと戦うスタートアップたち、その取り組みの方法と傾向

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ニュースサマリ:新型コロナウィルスによる感染症拡大は、私たちの生活を急激に変えようとしている。大型連休を前に公表された「感染症予防10のポイント」では、オンライン帰省や遠隔診療・在宅勤務など、情報テクノロジー前提の施策を政府が要請するという事態にまで発展した。 そしてここに必要とされるサービスを作ってきたのがここ数年のテクノロジー系スタートアップたちだ。日本ベンチャーキャピタル協会は4月20日、「…

ニュースサマリ:新型コロナウィルスによる感染症拡大は、私たちの生活を急激に変えようとしている。大型連休を前に公表された「感染症予防10のポイント」では、オンライン帰省や遠隔診療・在宅勤務など、情報テクノロジー前提の施策を政府が要請するという事態にまで発展した。

そしてここに必要とされるサービスを作ってきたのがここ数年のテクノロジー系スタートアップたちだ。日本ベンチャーキャピタル協会は4月20日、「コロナと戦うベンチャーリスト」を一般公開し、政府に対してベンチャーエコシステムの重要性を訴えると同時に、支援や対策を提言している。

重要なポイント:混乱期が拡大し、徐々にテック業界への影響も明らかになりつつある。Candor社が調査したデータによると、海外では旅行や移動などのサービス、例えばKayakやExpediaといったサービスは採用をストップしている。その一方、ZoomやDocuSign、Amazonなどの仕事や生活をオンライン化するもの、Twitch、Twitter、TikTokといったメディアは逆に採用を積極化させているという。ただ、Airbnbも旅行からリモートワーク利用、Uberも移動からフードデリバリーやモノの配達など、状況に応じたサービスのシフト・拡大をするなど適応能力の高さを見せている。

詳細情報:では、国内でこの状況に適応しようとしているスタートアップはどのような動きを見せているだろうか。JVCAのように情報を取りまとめている例をいくつか紹介する。

独立系ベンチャーキャピタル

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独立系ベンチャーキャピタルのジェネシア・ベンチャーズでは、新型コロナウイルスの影響を受けている人々に向けての支援先の取り組みをまとめた。建設業向けにマッチングを提供する助太刀はサービスの6カ月間無償化だけでなく、融資や助成金などの制度をわかりやすく提供するなど、事業者が抱える最も困難な課題にフォーカスを当てている。以下は本誌に公開してくれた各社の取り組みをまとめたもの。

助太刀:建設業界でも多くの現場で工事が中止・中断となり始めており、これは中小建設事業者にとっては仕事がなくなることを意味します。そして、これから多くの建設事業者が厳しい経営状況を迎えることが予想されます。「助太刀」アプリ上では、職人さんを探す“現場”よりも、仕事を探す“職人さん”が増えるという、これまでとは違うユースケースも表れています。そんな方々に向けて、「支援概要(建設業で働く仲間へ)」の公開と、サービスの無償提供を始めています。

アットハース:自宅隔離などで、生活サポートを求める在留外国人が増加している中、口座開設、水道・ガス・電気の申し込み、国からの10万円給付の役所手続きなどの生活サポートをアットハースが無償提供します。

みーつけあ:(3/10時点で)名古屋市では新型コロナウィルス の感染拡大防止対策として、一部地域のデイサービスへの休業要請が行われました。昨今の介護ヘルパーの不足もあり、要介護者に介護サービスの提供が十分に行き届かないこと、生活レベルの低下や生活に無理が生じることによる家庭内での事故などが危惧されました。その状況を少しでも軽減すべく、また事故のリスクを最小限に抑えるためにも、介護を要する人、介護を提供できる人のマッチングサービスをリリースしました。

Linc:休校や外出自粛の影響で学習が進まない留学生(主に中国人)に向けて、Eラーニングサービス『Linc Study』の一部機能の無償開放と、日本語学校のオンライン化をサポートするプロジェクトを開始しています。すでに、横浜国際教育学院とは提携を発表しています。

CO-NECT:アナログな受発注業務を簡単にデジタル受発注に置き換えられるツールを、もともと発注側は無料で利用できますが、今回「テレワークをしたいけれど会社に行かないと注文内容を確認できない」といった声を受け、受注側向けの無料プランを設置・提供しています。

フォトラクション:労働力を国外に頼っているアジア諸国では、季節労働者が激減する中で工事を続行しなければいけないという深刻な状況が続いていることを認識し、アジア諸国、特に東南アジアを中心に、建築・土木の生産支援クラウドサービス「Photoruction」を無償提供しています。日本語、英語だけではなく、中国語、ベトナム語、インドネシア語の5か国語に対応しています。

maricuru:予定していた結婚式やパーティを泣く泣くキャンセルした方、感染リスクや高額なキャンセル料に悩んで判断ができずにいる方、今後状況がどうなるか分からないことから申込みができずにいる方などに向けて、オンライン結婚式・パーティのプロデュース「#ズムパ」を無償提供しています。「お祝いしたい」や「感謝を伝えたい」ニーズ(欲求)はなくならないものと考え、新しい文化をつくっていけたらと思っています。

BizteX:RPA既存ユーザからの「リモートワーク時でも予約実行やロボットの対応ができるRPAを導入しておいて良かった」「一部業務をRPA化させておいたことで、有事においても業務を止めることなく進行できている」といった意見を受け、有事においても新しいワークスタイルに挑戦しようとする企業を応援しようと、クラウドRPAの無償提供を始めています。

Autify:WEBアプリケーションを対象として、品質向上、バグの自動チェック、見た目のチェックを含めた監視用などに活用できる、AIを用いたソフトウェアテスト自動化プラットフォーム「Autify」を無償提供しています。なお、対象のアプリケーションがCOVID-19に関連した有志のプロジェクトや医療機関等の場合は、通常よりも長い無償提供期間を設けています。

Aerial Partners:これまで、仮想通貨への投資を行う法人や個人に対して、仮想通貨取引に精通した適切な専門家をマッチングすることで、仮想通貨のトレードによる会計・税金計算の煩雑さを解決してきたというナレッジを活かし、(仮想通貨に関連せずとも)融資・助成金に関する無料相談を受け付ける相談窓口をLINE@にて開設、申請の支援までを無償でサポート。グループ法人であるAerial税理士法人による会計・税務顧問も無償提供しています。

MOSH:オフラインからオンラインでのサービス提供への切り替えが進みつつある事業者がある一方で、多くの事業者、特に整体師や美容師など、施術サービス中心の事業者にとって、オンラインへの移行は簡単ではありません。これらの事情から、スタンダードプランの無償化と、決済手数料の減額を実施しています。

Manabie:Quipperの共同創業者であり、リクルート/スタディサプリを経て、約9年間グローバルのオンライン教育に関わってきた代表の本間さんが、その知見を詰め込んだ「学校のオンライン移行ガイドブック」を公開しています。東南アジアメインだった事業に加え、日本の学校のDX(オンライン化のコンサル)も開始しています。

Napps Technologies:もともとNoCodeスマホアプリ作成サービスの予定でしたが、flutterの技術をそのまま活用し、主に飲食店向けの「クラウド店舗」としてリリースしました。飲食店も試行錯誤の中で、これまでテイクアウトしてなかったお店が、テイクアウトを始めたり、作り置きを宅配便で送ったり、国税庁が期間限定でテイクアウト用の酒販免許を発行することを発表したりといった動きの中で、その一助になればと、サービスの無償提供も行っています。実際の店舗接客に近い対応を再現したUXも特徴です。

プランティオ:外出自粛中の家庭内でもできる趣味のひとつとして、野菜や花を育て始める人も多いようです。アメリカでは多くの種苗会社に注文が殺到。とある会社では、3月後半の売上が、前年比で300%まで上がったとか。日本でもホームセンターを訪れる人が増加しているようです。そんな方々に向けて、プランティオが自家採種したタネを無償(送料のみ)でお送りするプロジェクトを実施しています。

シェアリングエコノミー協会

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シェアやオンデマンドなどのサービスを取りまとめているシェアリングエコノミー協会では、加盟各社が実施している取り組みを「#私たちがシェアできること」としてまとめている。例えばスペースのマーケットプレースを提供するスペースマーケットでは、イベント自粛などで発生したキャンセルの手数料分を無料にすると同時に、増加するテレワークなどのスペース利用需要に対し、割引のクーポンを発行するなどの支援策を展開している。

スペースマーケット
#私たちがシェアできること:外出できない日々が続く中、 テレワークやZoomを始めとしたオンラインミーティングをする機会が増えた方も多いと思います。スペースマーケットはコロナウイルスの収束に向け、テレワークやオンラインミーティングを応援する取り組みを行っています。紹介ページ:テレワーク応援プラン

#私たちがシェアできること:外出自粛要請に伴うスペースの予約キャンセルにおいて発生 する「サービス料金※」を、一定期間「無料」とする対応をしています。紹介ページ:外出自粛要請に伴うサービス料金(※)無料の対象期間について

OLTAがパートナー14社と協力して手数料無償化

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このように任意団体や出資元等のつながりとは別に、事業パートナーと協力して支援プログラムを立ち上げたのがOLTAだ。クラウドファクタリングを提供するパートナー企業14社と合同で、資金繰りに課題を抱える中小企業を対象に、買取手数料無料(※初回のみ)の提供を公表した。パートナー企業が提供するサービスサイトを通じて利用する顧客に対して適用される。

<参考リリース>

クラウドファクタリングは中小企業を中心に、売掛金の買取を実施するサービス。通常は2%から9%の手数料が発生するが、これを初回に限り無償化した。

ノート:この状況下、1社で何かことを起こそうというのは難しい。スタートアップであればなおさらだ。今こそ、横のつながりがどこにあるかを考え、協力して情報を発信すると面の力が生まれる。届けたい、困った人たちに情報を届ける方法を考える上での参考になれば幸いだ。

アジア教育をオンライン化する「Manabie」がシードで5億円調達、Quipper・スタディサプリなど手掛けた本間氏が創業

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東南アジア地域でオンライン教育サービス「Manabie」を展開するシンガポール拠点のMANABIE INTERNATIONAL PRIVATE LIMITEDは4月22日、総額480万ドル(※日本円で約5億2000万円)の資金調達を公表した。ラウンドはシードで、リードしたのはジェネシア・ベンチャーズ。このラウンドには個人投資家として本​田圭佑氏、梅田望夫氏、 有安伸宏氏、松本恭攝氏、福島良典氏、渡…

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東南アジア地域でオンライン教育サービス「Manabie」を展開するシンガポール拠点のMANABIE INTERNATIONAL PRIVATE LIMITEDは4月22日、総額480万ドル(※日本円で約5億2000万円)の資金調達を公表した。ラウンドはシードで、リードしたのはジェネシア・ベンチャーズ。このラウンドには個人投資家として本​田圭佑氏、梅田望夫氏、 有安伸宏氏、松本恭攝氏、福島良典氏、渡辺雅之氏、大湯俊介氏らも参加している。出資比率や時価総額などの詳細は非公開。

同社はまたこれに合わせて休校や閉鎖が続いている学校関係者に対し、「学校のオンライン移行ガイドブック」を公開している。

Manabieの創業は2019年4月。代表を務める本間拓也氏は、イギリスのオンライン教育サービス「Quipper(クイッパー)」を共同創業した経験を持つ。2015年に同社をリクルート傘下とし、日本でスタディサプリ(リクルート提供)、海外でQuipperの展開を推進した。グローバルで教育環境のオンライン化をサポートした数は数千件にのぼる。

Manabieは東南アジア地区、現在はベトナムを中心に、小中高生向けのオンライン学習アプリの提供や学習センターの運営などを手掛ける。現地にある日本人学校のオンライン移行などもサポートしている。

今回の調達で、ベトナム全域に事業領域を拡大させるほか、新型コロナウィルスによる休校でオンライン化を急ぐ必要性のある日本国内の教育関係機関に対してもサポートを提供する予定。今回公開されたオンライン移行ガイドブックには、中国や韓国などの休校事情やそれに伴うオンライン教育の活用、ツールや移行ステップなどを記載している。

禍いの春に、私たちはどのようにビジョンの実現を目指すか

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です ここ最近、新型コロナウイルスの影響を受けて、支援先スタートアップの起業家からの相談が増えています。内容は次のようなケースです。 コンタクトしている投資家が一律、投資スタンスを消極化させている 企業価値の評価が平時よりも一段厳しくなっている そうした印象がある中で、投資家とどのように資金調達の交渉をしていくべきか? また、新規でお会…

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

ここ最近、新型コロナウイルスの影響を受けて、支援先スタートアップの起業家からの相談が増えています。内容は次のようなケースです。

  • コンタクトしている投資家が一律、投資スタンスを消極化させている
  • 企業価値の評価が平時よりも一段厳しくなっている

そうした印象がある中で、投資家とどのように資金調達の交渉をしていくべきか?

また、新規でお会いする起業家からも、「前向きに投資検討を進めてくれていたVCから、(新型コロナウイルスの影響で)急に投資検討が難しくなったと言われてしまったので、株価を下げてでもクイックに資金調達したい」といった主旨の相談が増えています。

私自身もベンチャーキャピタルのGP(代表)として、投資家から資金をお預かりして独立系のVCを運営している、いわば起業家という立場でもあるので、自分の事業やアイデアが存続できなくなる、チームやメンバーを守れなくなる、というちぎれそうな不安はとてもよくわかるつもりです。だからといって気休めを言うわけではありませんが、そんな不安を抱えている起業家のみなさんにお伝えしたいことがあります。

まず、一時的な様子見はあると思いますが、ここ数年でたくさんのファンドが既に資金を集め終わっているので、新規投資が止まることは原則ありません。私の周りのVCでも、こういう時だからこそ積極的に投資をしていこう、という話が出ています。

ただし、投資案件の選別はこれまで以上に進むと思います。コロナショックがこの先どうなるか、アフターコロナがどうなるか、様々な論調がある中でもその行く末は誰にもわからない。そんな今、誰でも大胆な一手を控えることは避けられません。

このような状況下でも資金を引っ張ってこられるのは、以下のような会社です。(なお、事業領域が魅力的なことは大前提です)

1.「強いチーム」がつくれている

未曾有の状況下でも会社を経営し、事業を推し進めていくのは「人」です。自分たちが実現するビジョンを決して見失わずに今何をすべきかをしっかりと見極め、計画を立ててリソースを配分し、一丸となって実行できる。そんなバランスのよい強いチームを最優先でつくれているという信頼感は強大です。チームの健やかな雰囲気も大切です。

2.経営管理、コスト管理がしっかりとできている

仮説検証フェーズのスタートアップでは、“守備”を後回しにしてしまいがちです。しかしながら、実現可能性の高い計画・戦略はしっかりとした管理が大前提。適切な経営管理ができていてこそ、戦略も裏打ちできます。それは、投資家が知りたい情報を的確に提示できるということにもなります。資金調達が一刻一秒を争う時こそ、“守備”を強化しましょう。

3.コロナショックを楽観的に捉えず、影響を保守的に見積もった上で、事業面や資金調達面で多数の戦略オプション(プランB)を用意している

ポジティブシンキングは欠かせませんが、予測できない事態を楽観的に捉えすぎることはリスクです。多分大丈夫だろうではなく、念のため手を打っておこうという判断ができるか。いかに最悪のケースまでイメージし、一本足打法ではなく選択肢を増やしておけるか。リスクヘッジが必要です。

4.攻めのスタンスがベストエフォートベースで持てている

不安を煽る情報にさらされ、どうしても悲観的・消極的になりがちですが、それでは投資家の応援(資金)を集めることはできません。アフターコロナを見据えて、いつ何にどれだけリソースを投下するか、勝ち筋を描き思い切ってそれを実行できるか。できる限り“攻め”の手を止めないことです。

5.中長期戦略が解像度高く持てている

先行きの見えない中では、誰しも道しるべを持っておきたいものです。中長期的な様々なケースをイメージした複数の戦略シナリオを可視化し、チームと共有することで、慌てたり焦ったりすることなく着実に進んでいけるはずです。

こういう時だからこそ、事業や組織を筋肉質にしましょう。属人的な業務を仕組み化しましょう。(セールス、マーケティング、開発など)あらゆるROIを最大化させましょう。エクイティ、銀行借入、補助金などやれることは全部やりましょう。とにかく先手先手で動きましょう。この状況とうまく向き合いましょう。

あるべき未来を創ろうとしている私たちの前途は、絶対に明るいはず。力を合わせて乗り切りましょう。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズ代表取締役で、ジェネラル・パートナーの田島聡一氏によるもの。Twitterアカウントは@soichi_tajima

フィットネスを分単位で利用の「Nupp1」ジェネシアVなどから1億円調達、利用可能施設は166箇所に

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分単位でジム通いができるフィットネスシェア「Nupp1」を提供するナップワンは3月30日、ジェネシア・ベンチャーズ、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、個人投資家として児玉昇司氏、正林真之氏らを引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。ラウンドはプレシリーズAで、調達した資金は1億円。出資比率などの詳細は非公開。 Nupp1の公開は2019年5月。利用客の少ない遊休時間を活用したいフィットネ…

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分単位でジム通いができるフィットネスシェア「Nupp1」を提供するナップワンは3月30日、ジェネシア・ベンチャーズ、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、個人投資家として児玉昇司氏、正林真之氏らを引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。ラウンドはプレシリーズAで、調達した資金は1億円。出資比率などの詳細は非公開。

Nupp1の公開は2019年5月。利用客の少ない遊休時間を活用したいフィットネスジムと利用可能なユーザーをマッチングさせるサービス。利用客は専用アプリで登録すると、分単位で利用可能なジムを使うことができる。各ジムでの入会手続きや月額費用などは不要。利用できるジムによって分単位の料金は変動し、総合方ジムをはじめ、プールやゴルフなどの特化したフィットネスも利用できる。支払いはクレジットカードやデビットカードなどをアプリに登録して課金される仕組み。

利用できる施設は現在166箇所で、アプリのダウンロード数は2万件。調達した資金は顧客獲得のためのマーケティング、提携先施設の拡大に向けた営業強化に使われる。

自由業でも100%入居の「smeta(スメタ)」運営がジェネシアVなどから7000万円調達

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個人向け与信サービスを手掛けるリースは3月31日、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。株式による増資以外に金融機関からの借入を合わせ、調達した資金は7000万円。株価や払込日などの詳細は非公開。運営するアプリの開発や提携先の拡大に向け、組織体制、マーケティングを強化する。 リースが提供するのはフリーランスなどの自由業を営む人たち向けの賃貸与信アプリ「smeta…

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個人向け与信サービスを手掛けるリースは3月31日、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。株式による増資以外に金融機関からの借入を合わせ、調達した資金は7000万円。株価や払込日などの詳細は非公開。運営するアプリの開発や提携先の拡大に向け、組織体制、マーケティングを強化する。

リースが提供するのはフリーランスなどの自由業を営む人たち向けの賃貸与信アプリ「smeta(スメタ)」。家を借りる際に実施する入居審査で、会社員などに比較して信用力の低い自由業の人たちはこの審査に落ちるケースがある。この場合、審査に必要とする時間や手間などが無駄になってしまう。そこでsmetaでは、このようなユーザーの与信枠を入居審査の前に事前審査し、借りることのできる家賃の上限を示すことでこれらの無駄を排除してくれる。

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また、入居した後の支払い履歴などもsmeta内に蓄積することで、利用実績に応じた与信枠(借りられる家賃の上限)の変更なども可能にする。また、同社では利用者の家賃保証サービス「smeta保証」も提供し、ユーザーの事前与信審査から借りることのできる賃貸物件の仲介と入居審査、借りる際の家賃債務保証(※)までをワンストップで提供する。

βサービスの開始から約1年で利用登録者数は3000名ほど。昨年10月に開始したsmeta保証について、提携した不動産賃貸管理会社は80社に拡大している。

また、同社は提携戦略を進めており、フリーランスが利用するクラウドソーシングのランサーズや請求書買取のOLTAなど、10社ほどのパートナーに対して同サービスの案内を実施している。

※入居者が家賃を支払えなかった際、連帯保証人として支払いを代行する事業者

コーデで貢献したユーザーには還元も、ソーシャルコマース「PARTE」にGBやジェネシアVなどが1.7億円出資

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ニュースサマリ:ファッションをコーディネートから買えるショッピングSNS「PARTE(パルテ)」を運営するREGALI(レガリ)は3月16日、第三者割当増資の実施を公表した。増資を引き受けたのはグローバル・ブレインとジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタルの3社。調達した資金は1億7500万円で、この資金を元に機能開発、人材採用などを進める。株価や払込日、出資比率などの詳細は非公開。 また同社はこ…

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リード投資したグローバル・ブレインの百合本安彦氏とREGALI代表取締役の稲田光一郎氏・取締役の北野あゆみ氏

ニュースサマリ:ファッションをコーディネートから買えるショッピングSNS「PARTE(パルテ)」を運営するREGALI(レガリ)は3月16日、第三者割当増資の実施を公表した。増資を引き受けたのはグローバル・ブレインとジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタルの3社。調達した資金は1億7500万円で、この資金を元に機能開発、人材採用などを進める。株価や払込日、出資比率などの詳細は非公開。

また同社はこれに合わせ「Kastane」「Discoat」などのアパレルブランドを運営するパルとの業務提携も公表している。提携したアパレルブランドとは今後、サービス内での購買導線などを通じて協業を進める。PARTEはユーザーが投稿したファッションコーディネート画像からアイテムを購入できるソーシャルコマース。利用年代は25歳から40歳の女性が中心で、Instagramなどで影響力のあるインフルエンサーもユーザーとして参加している。

話題のポイント:ファッション系のソーシャルコマース、コーディネートサービスのアイデアは随分前からあるもので、例えば2007年のPolyvore(米)あたりから始まった第一世代のCGMサービスは、自分でファッションアイテムを「切り貼り」してウェブ上で自由にコーデを作って共有する、というシンプルなものでした。プラットフォーマーはアフィリエイト導線を使ったり、提携したファッションブランドからの広告収入という方法で事業する、まあいわばキュレーションモデルです。

国内ではiQONがその文脈で生まれ、その後、ZOZOのWEARがコーディネート系サービスを集約していったような流れになりました。ZOZOは最終的に自社プラットフォームでブランドが売れればよいので理にかなった導線設計です。

もう一つ、これとは別の流れがInstagramを中心とするインフルエンサー、KOL戦略の流れです。影響力を持った個人はブランドにとって無視できないほどの売上をもたらす存在となり「インフルエンサーマーケティング」というひとつのカテゴリを形成するまでに成長しています。

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PARTEはユーザーのコーデ写真から購入できるアイテムを表示してくれる

さて、前置きが長くなりましたが、ここでこの二つの流れを集約するような動きが出てきています。端的に言うと「インフルエンサーが自分のアイデアで儲かる仕組み」の必要性です。コーディネートサービスは前述の通りCGMですが、コーディネートを作ったユーザーは承認欲求を満たすのみで、特に自分に具体的な売上の還元はありません。つまり、インフルエンサーはどれだけ自分の影響力がブランドに貢献しても、ストレートに還元する仕組みが揃っているとは言い難い状況なのです。

そこで生まれたのが「PARTE」です。

現在はWEARとよく似た印象で、ユーザーが投稿したファッションコーデと関連するアイテムを自分で登録することで、閲覧した人はお気に入りのアイテムを購入できる、といった具合になっています。

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PARTEで一部ユーザーに公開している報酬還元の確認画面

異なるのは現在テスト中のサービスです。現在、一部のユーザーにのみ開放しているのですが、上記の画面をみて分かる通り、自分で作ったコーディネートからアイテムが購入されるとしっかり還元される仕組みを提供しているのです。

そもそもコーディネート経由での購入率は高い傾向があるらしく、ブランドは一般的なアフィリエイトのサービスプロバイダーを使って購入導線を作りますが、こういった個人ブログなどを経由する平均値に比較してPARTEは4倍ほどよく購入されるそうです。残念ながら全体への公開時期はまだ未定ということでしたが、インフルエンサーとして影響力を持ったユーザーと、彼らの影響力を活用したいブランドにとっては一石二鳥のプラットフォームになる可能性があるのではないでしょうか。

開発したのは2015年のVOYAGE新卒組。現在8人がメンバーで、2017年にジェネシア・ベンチャーズやエンジェルの赤坂優さんから出資を受けてスタートアップしています。

あと世の中のトレンドとして注目しておきたいのが中国ソーシャルコマースの流れです。ユーザーやインフルエンサーの力を使ってブランドと消費者をつなぐ動き(KOL戦略)は、1日で4兆円もの売上を作り出した独身の日(W11)の原動力とも言われています。

中でもRED(小紅書)はInstagramとAmazonのいいとこ取りと言われ、後発ながら登録ユーザー数は3億人以上、月間アクティブユーザー数(MAU)は1億人以上(2019年7月時点)と急成長しているプレーヤーです。良質な口コミと画像素材がユーザーの信頼を生み出し、商品購入への流れを作ったとされています。

<参考記事>

中国ソーシャルコマースの衝撃ーー「インスタ+Amazon」“RED”(小紅書)攻略法

インフルエンサーやセレブマーケのようなアイデアは別に目新しいものではありませんが、やはりタイミングは重要です。東アジアで動き出している大きなトレンドとしてのソーシャルコマース、さらにその中心となるKOL戦略まで紐解くと、PARTEが思い描いているブランド、インフルエンサー、消費者を巻き込んだエコシステム全体像が見えてきます。

振り返ればこれまでは「ネットでファッションが売れるはずがない」という課題へのチャレンジでした。今は違います。個人を使ってネットでいかにしてブランドを消費者に繋ぐか、そのプラットフォームを誰がいち早く構築するか、そういうレースです。

PARTEのGMVが魅力的な数字になれば開示されるでしょうから、その時を待ちたいと思います。

マネーフォワードシンカ、VCら20社超とスタートアップのオンライン面談マッチングを開始——「新型コロナ下でも、資金調達活動を滞らせない」

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マネーフォワード(東証:3994)の100%子会社で、成長企業向けフィナンシャルアドバイザリー事業を展開するマネーフォワードシンカは、ベンチャーキャピタルとスタートアップのオンライン面談マッチングを開始した。新型コロナウイルス対策により、交通機関を使った移動が避けられテレワークが増える中で、スタートアップの資金調達に悪影響を及ぼさないようにするのが狙いだ。 これは、マネーフォワードシンカ代表取締役…

マネーフォワード(東証:3994)の100%子会社で、成長企業向けフィナンシャルアドバイザリー事業を展開するマネーフォワードシンカは、ベンチャーキャピタルとスタートアップのオンライン面談マッチングを開始した。新型コロナウイルス対策により、交通機関を使った移動が避けられテレワークが増える中で、スタートアップの資金調達に悪影響を及ぼさないようにするのが狙いだ。


これは、マネーフォワードシンカ代表取締役の金坂直哉氏が2月28日、Facebook の自身のタイムライン(上図)にスタートアップのために何かできることをやりたい、と投稿したところ、ベンチャーキャピタルや投資家からオンライン資金調達相談の実施に賛同が集まったことによるもの。現在、このイニシアティブに参加しているのは、以下のベンチャーキャピタルや投資家だ。

  • 有安伸宏氏
  • デライト・ベンチャーズ
  • DNX Ventures
  • イークラウド
  • フューチャーベンチャーキャピタル
  • ジェネシア・ベンチャーズ
  • グローバル・ブレイン
  • Global Catalyst Partners Japan
  • グローブアドバイザーズ
  • グロービス・キャピタル・パートナーズ
  • Hike Ventures
  • インフィニティベンチャーズ
  • いよぎんキャピタル
  • ジャフコ
  • KVP
  • 。Fund(マルファンド)by リノベる
  • ニッセイキャピタル
  • Plug and Play Japan
  • Spiral Capital
  • STRIVE
  • WiL
  • XTech Ventures

マッチングの依頼は、この Google Form からエントリすることで可能。費用は発生せず、マネーフォワードやマネーフォワードシンカの顧客やユーザでなくても誰でもエントリすることができる。マネーフォワードシンカは、コロナウイルス問題鎮静化後もこのサービスを継続するかどうかについては言明していない。副次的には、東京以外に拠点を置くスタートアップの資金調達アプローチを効率化する効果も期待できる。

<関連記事>

総合商社とDXの事業創造

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総合商社。東アジアの辺境にあるこの島国の産業の成り立ちは、総合商社の機能なしには語りえません。 資源が乏しく食料自給率の低い日本に、世界各地の資源・エネルギーや食料の供給網を構築し、また、日本企業が製造する自動車等の工業製品を世界各地に輸出展開する機能を担い、加工貿易を支えてきました。総合商社はあらゆる産業のサプライチェーンに介在し、次なる事業機会を見出す存在となったのです。 一方、DX(デジタル…

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Photo by Martin Damboldt on Pexels.com

総合商社。東アジアの辺境にあるこの島国の産業の成り立ちは、総合商社の機能なしには語りえません。

資源が乏しく食料自給率の低い日本に、世界各地の資源・エネルギーや食料の供給網を構築し、また、日本企業が製造する自動車等の工業製品を世界各地に輸出展開する機能を担い、加工貿易を支えてきました。総合商社はあらゆる産業のサプライチェーンに介在し、次なる事業機会を見出す存在となったのです。

一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)が声高に叫ばれる時代において、デジタル技術を活用することでこのサプライチェーンを最適化し、業界全体に新たな付加価値を提供しようとするスタートアップが、国内外で数多く登場しています。

そこで本稿では総合商社のビジネスモデルの変遷を振り、「産業のDX」を推進する上での総合商社の期待役割についてまとめてみたいと思います(本稿は総合商社とDX Part 1.0 ~総合商社の軌跡と課題~の要約版です)。

総合商社のこれまで(その1):トレード

商社の祖業は、トレードです。あらゆる業界の商材を扱うトレーディングカンパニーとして、日々の人々の暮らしや企業活動を支える多様な商品のサプライチェーンに総合商社は介在しています。

_トレード

筆者の水谷も、2013年に総合商社に新卒で入社し、複数のトレード案件に携わらせて頂きました。自動車部品向けの鉄鋼製品から電力小売事業者向けのバイオマス電力まで、ダイナミックなトレード案件の申請に係る稟議書が世界各地の拠点から引っ切りなしに上申されては、ハンコが押されていきました。

トレード案件における商社の介在価値は多岐に渡ります。

現地におけるマーケティングや取引先との販売交渉、在庫管理やJIT(ジャストインタイム)納入、煩雑な貿易実務といった販売や物流に係るオペレーション事由に加え、商社を商流に挟むことによる信用補完や運転資金の手当てといったファイナンス事由などです。

しかし、商社機能自体は他社との差別化も難しく、また、取引先企業も海外事業の経験値を蓄積していくことでトレードマージンの確保は困難になって久しく、1990年代には「商社冬の時代」に突入していきます。

総合商社のこれまで(その2):事業投資

総合商社の祖業であるトレードに代わり、現在の総合商社の大きな収益源となったのは事業投資です。トレードを通じて培った商材に関する知見やネットワークを駆使して、資源・エネルギー権益やメーカー、卸や小売といった様々な事業者に出資参画することで事業収益を享受するようになりました。

_事業投資

例えば、総合商社が東南アジアや中東、アフリカ等の新興国を中心に取り組む発電所の開発・運営事業は、元々、日系メーカー製の発電所設備を各国の電力会社に納入するトレードが起点となって開始されたものです。現在、総合商社は発電所の開発や運営についてのノウハウを蓄積する、世界的にも競争力のある事業者になっています。

しかしながらここで問題が発生します。それが「分断化」です

トレードを起点に事業投資を進めてきた結果として、業界内の特定の商流に紐づく緩やかな垂直統合型のビジネスモデルが発生しました。この垂直統合型のビジネスモデルによって、各商流ごとの情報はタコ壺化し、分断化が発生したのです。

残念ながら、総合商社単独では介在するサプライチェーン全体の改善余地を効率的、且つ、リアルタイムに関知し、取引先に最適解を提案するための術を持っていませんし、サプライチェーンとして全体最適を図るケイパビリティは持ち合わせていません。

ここにテクノロジーを活用したサービス事業者にとって次代の産業を支えるための巨大な商機があると考えています。

_垂直統合

産業のDXを推進するビジネスモデル

1990年代のインターネットの商用化以降、今までにITによるデジタル化が進んできた産業領域は、広告と小売、ゲーム等が挙げられます。

また、他の産業領域においてもデジタル技術を活用することでアナログなオペレーションを自動化・半自動化し、蓄積されるデータを活用して新たな付加価値を提供するプレイヤーが続々と登場しています。産業のDXを推進する流れは不可逆なトレンドなのです。

これらプレイヤーのビジネスモデルは、主に以下の5種類の内の一つ、若しくは、複数の組合せによって推進されます。

  1. B to B のSaaS(若しくはBPO)
  2. 事業者のマッチングサービス
  3. 商品のマーケットプレイス
  4. SPA(製造小売事業)の延長線としてサプライチェーンを強固に垂直統合するD2Cモデル
  5. オンラインを起点にマーケや製販仕のオペレーションを構築し、業界内の一事業者として戦うOMOモデル

例えば、飲食店や小売店の卸事業者への発注をスマホで簡単にできるようにするCONNECTというサービスを手掛けるCO-NECT社や、通販事業者を中心に対象とした在庫管理サービス「ロジクラ」を手掛けるニューレボ社は、B to B SaaS型のモデルです。

彼らは(1)を初期的なビジネスモデルとしながら、今後、蓄積される取引データを活用してより奥行きのある流通を最適化するビジネスを展開していく素地を整えています。

また昨今、話題になることも多いD2Cは、製品の企画開発段階から調達、製造、マーケ、販売、決済、サポートまでをオンラインベースで最適化する垂直統合型の一貫体制を敷くもので、ユニクロやZARA等のSPA(製造小売業)の延長線にあるビジネスモデルと解釈することが可能です。

業界のサプライチェーンを俯瞰して事業機会を見出す

それでは、産業のDXを推進していく上で、新たな事業機会となる空白地帯をどのように見出していけばよいでしょうか。各業界のサプライチェーンにおけるそれぞれの工程を横軸に配置し、各工程に介在するファクターを「ヒト」と「モノ・コト」に分解した切り口で事業領域を検討するものが、以下の表です。

_サプライチェーンと事業領域

この表は、製造業を念頭に横軸のサプライチェーンの各工程を並べていますが、業界や製品ごとに変更しながら活用していくことができると思います。「ヒト」は、エンドユーザーは勿論、各工程において従事する専門職や個人事業者、エージェントにフォーカスするもので、「モノ・コト」は、対象となる商材のみならず、各工程におけるオペレーションや業務対象となる事項、事業者間のコミュニケーションチャネルにフォーカスを当てるものです。

サプライチェーンを俯瞰し、各領域で事業を手掛けるプレイヤーをこの表上にプロットしたときに有力プレイヤーが手を付けていない空白地帯は、デジタル技術を活用して新たな付加価値を提供する可能性がある領域と考えています。

では建築・建設業界を例にサンプルをみてみましょう。

_サプライチェーンと事業領域(建設・不動産)

「建設・不動産」の上流工程に当たる建設や、下流工程にあたる不動産流通においては、既に複数の支援先スタートアップが事業開発を進めておりますが、最上流の原材料や資機材選定、或いは、中流にあたる不動産販売の領域は、ジェネシアにとって「空白地帯」となっています。

例えばこの空白地帯において、オペレーションの効率化を促す機能提供(B to B SaaSやBPO)が求められているのか、または、情報の非対称に起因するマーケットプレイスやマッチングプラットフォームが求められているのか、或いはOMO型の優位性を確立して一事業者としての勝機を見出すのか、いくつかの選択肢からドミノの倒し方について解像度を高めていくことができると考えています。

新規事業や起業を検討中の方は、製造業や建設・不動産、電力・エネルギー、住宅設備や医薬品等、様々な巨大産業のサプライチェーンを俯瞰しながら、事業アイディアを検討する際に参考にしてもらえればと思います。

産業DXにおける総合商社の役割

それでは最後にこのデジタル化時代に、巨大産業のサプライチェーンに潜む事業機会を掴み、推進していく主体は果たして誰になるのかについて記しておきます。産業革命以降、産業の黒子としてサプライチェーンを支えてきた総合商社が自社で事業を内製化して立ち上げて行くことは、主に以下の理由から難しいと考えています。

  1. 自社プロダクトの開発経験が乏しいこと
  2. 時間の掛かる新規事業の立ち上げ、及び、継続に必要な社内の収益基準を満たしづらいこと

これらも踏まえると、産業のDXを推進する上で、総合商社はゼロイチフェーズではなく、拡大フェーズのスタートアップとの協業を加速することで、自社の持つ優位性を最も発揮することができると考えています。

今後、DXに積極的な総合商社にとって、スタートアップへの規模感のある出資は勿論、人材獲得を目的の一つとするM&Aの実施は、生き残りに向けて必須となるでしょう。今まさに、事業機会のあるDXの空白地帯が、各商社にとってそのまま不毛地帯になるかの分水嶺を迎えています。

また、産業のDXを推進する上で、総合商社にとってもう一つ重要な機能役割が、起業家輩出です。視座の高いビジョンを掲げてゼロイチでの事業立ち上げにチャレンジしたいという気概を持つ総合商社出身者が、今後も会社の枠を飛び出して起業したり、重要ポジションでスタートアップに転職する事例は、ますます増加していくものと予想しています。

ジェネシア・ベンチャーズでも、総合商社出身の起業家が経営するスタートアップを複数支援させて頂いておりますが、様々な産業領域における豊富な事業経験とグローバルな視座を持って巨大な産業創造にチャレンジする商社パーソンは、巨大産業のDXを推進していく事業に対して、Founder Market Fitする方が多いと考えています。

ということで総合商社を鏡にして産業のDXを推進する事業機会についてまとめてみました。社会全体でDXのトレンドが上向きとなっている中で、産業競争力を強化するビジネスモデルについて、日々、検討していますが、アイディアのお持ちの方がいれば、是非、ディスカッションさせてください!

<参考情報>

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズのインベストメントマネージャー水谷航己氏によるもの。Twitterアカウントは@KokiMizutani。毎週、事業プラン相談「DX Cafe by Genesia.」を開催中。くわしくはこちらから。

患者による疾患情報を共有できるソーシャルデータプラットフォーム「Activaid」1億円を調達

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疾患特化型ソーシャルデータプラットフォームを運営するActivaidは2月26日、Archetype Ventures、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする1億円の資金調達を公表している。 Activaidは慢性疾患を抱える患者同士がお互いに支え合い、病気を管理することを通じて、慢性疾患に対する新しい治療法の発見に貢献していくためのソーシャルデータプラットフォーム。利用者による評価ができる仕組み…

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疾患特化型ソーシャルデータプラットフォームを運営するActivaidは2月26日、Archetype Ventures、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする1億円の資金調達を公表している。

Activaidは慢性疾患を抱える患者同士がお互いに支え合い、病気を管理することを通じて、慢性疾患に対する新しい治療法の発見に貢献していくためのソーシャルデータプラットフォーム。利用者による評価ができる仕組みがあるため、創薬研究にとって重要な情報となる患者自身の主観的なデータを蓄積することが可能。既に3万9,000件を超えるデータが蓄積されている(2020年2月現在)。

今回の資金調達を通じて、これまでの患者向けプロダクトに加え、新たに医療機関向けプロダクトの開発を加速させていく予定。

via PR TIMES

 

外交官でも「賃貸契約拒否」の意外な理由ーー不動産テックにやってきた新たなチャンス

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2030年に向けて日本が抱える大きな社会課題のひとつに労働人口の問題があります。こちらの推計調査でも出ている通り、このまま何もしなければ650万人近くの「働き手」が足りなくなり、そのしわ寄せはそのまま経営を直撃することになります。 注目されているのがこれまで顕在化していなかった働き手の存在とテクノロジーによる効率化です。特に働き手として注目が集まるのが海外からやってくる方々の存在で、高度な技術を持…

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Photo by Huseyn Kamaladdin on Pexels.com

2030年に向けて日本が抱える大きな社会課題のひとつに労働人口の問題があります。こちらの推計調査でも出ている通り、このまま何もしなければ650万人近くの「働き手」が足りなくなり、そのしわ寄せはそのまま経営を直撃することになります。

注目されているのがこれまで顕在化していなかった働き手の存在とテクノロジーによる効率化です。特に働き手として注目が集まるのが海外からやってくる方々の存在で、高度な技術を持った人材から、ホスピタリティあふれる働き手までバラエティに富んでいます。

テクノロジーカンパニーであれば、優秀なエンジニアの採用を海外に求める企業も増えているので、この傾向は向こう10年でさらに強まることが予想されます。

もちろん課題もあります。特に生活の根幹をなす「住」については、例えば年収で1000万円クラスの高度な人材であっても、賃貸契約を結べないケースがあるのです。しかもその理由は非常にアナログで「海外の人たちを信頼できない」という曖昧なものだったりします。

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参考資料:アットハースウェブサイト

アットハースは、外国人向けの賃貸物件契約手続きをオンラインで完結できる多言語対応プラットフォームを運営しているスタートアップです。これまで2000件以上の海外人材の移住相談を受け、サポートしてきました。

本稿ではその経験から見えた、海外人材獲得時に発生する「住」に関する落とし穴を共有したいと思います。

外国人材の受け入れ準備が進む日本

日本政府としても労働人口の減少については当然課題に考えており、2019年10月からは法改正によって賃貸契約の骨幹となる重要説明事項のPDF送付が可能となり、訪日する前の段階でもオンラインで契約できる状況を作り出しています。こういった具体的な法改正やビザの緩和、オリンピック開催の期待感から在留外国人は過去最多の282万人と増える一方です。

国家として受け入れの間口が広がる中、外国人材の賃貸契約には困難な壁が待ち構えています。それが保証会社との契約、つまり与信審査のクリアです。

審査に落ちる意外な理由

理由は何だと思いますか?

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参考資料:アットハース

過去にあった2000件ほどのケースであれば、年収がどれだけ高く、また、通訳などのサポートがあったとしても、契約者本人が日本語でコミュニケーションが取れないと多くの保証会社が審査落ちするんです。もっと具体的に言うと、国内で働く年収1000万以上のマネージャーや外交官の入居が断られています。

実際、エジプトやマダガスカルの外交官が入居拒否されたということで相談をいただいたケースもあります。残念ながらこういう方々はホテルなどに滞在することで急場をしのがれています。

日本賃貸住宅管理協会の短観によると、賃貸借契約全体で97%が保証を求められる中、100%の外国人材は保証会社を利用しているそうです。つまり彼らにNGを出された場合、住む場所が確保できない、ということになります。

ちなみに同じく短観で、日本人の家賃滞納率は前年比1.2%増の8.2%です。当たり前ですが、与信とコミュニケーション能力は別物です。これだけの問題で、払える能力を持った顧客を排除するのは大きなビジネスチャンスの喪失です。

1.-Before
参考資料:アットハース

2030年に向けた獲得競争

もちろん、ここに気がついている事業者も増えています。エポスカード社は、エポスグローバルという外国人に特化した保証商品を持ち、大きくシェアを伸ばしていると聞いています。それに追随するかの様に、大手の保証会社数社はハイエンドの外国人を中心に獲得を急いでいるようです。

しかも保証会社に支払う料金は通常、日本人が支払う賃料の50%ではなく、100%でも払うケースが多いそうです。特に前述した外交官のようなハイエンドの外国人はお金の問題よりも、そもそも住めるかどうかという深刻な問題に直面している、というのがよく分かります。

ちなみに私たちに依頼をしてくる方々の多くは年収1000万円から2000万円のエンジニアやマネージャー層が中心になっているので滞納されるケースはこれまでありません。支払い賃料額もそれなりで、6割は10万円以上、20万円以上という方も2割います。

課題が明確なだけに私たち含め、業界全体がテクノロジーで解決を目指し、大きな社会課題の解決につながればと思っています。

<参考情報>

本稿は外国人向け賃貸物件契約手続きプラットフォーム「AtHearth」を運営するアットハース代表取締役、紀野知成氏によるもの。Facebookアカウントはこちら。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい