情報化が加速する中、日々の生活で精神的なゆとりや心の健康を守る必要性が高まっている。また、世界的に発生したパンデミックはさらにその問題を深刻化させ、NAMI(National Alliance on Mental Illness)によると、米国では5人に1人が精神的不調を抱える状況になっているそうだ。この課題にテクノロジーはどのような役割を果たすのか。シリーズでその最新情報をお届けする
ピックアップ:Tia, Stork Club Secure Funding To Boost Women’s Health Care Options ニュースサマリ:ニューヨークを拠点とし、オンラインおよびオフライン両方で女性向けヘルスケアプラットフォームを展開するTiaは5月28日、シリーズAラウンドで2,430万米ドルの資金調達を公表した。今回の調達はThreshold Venturesが主導…
エモルは1日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を、ベンチャーキャピタルやアクセラレータ11社の投資先およびプログラム参加スタートアップに3ヶ月間無料で提供する「パートナーシッププログラム」を開始した。 emol work は約5ヶ月間にわたるβ運用を経て、先月正式版がローンチを迎えたばかり。正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイト…
emol work は約5ヶ月間にわたるβ運用を経て、先月正式版がローンチを迎えたばかり。正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイトボードを使った悩みのチーム内での匿名共有の機能が追加された。チャットボット機能では、AI との会話で簡易のカウンセリングやコーチングを受けたり、雑談などが出来たりする。悩みボードでは、ポストイットを貼る感覚で悩みを匿名投稿でき、他のチームメンバーからアドバイスや意見などを受け取ることができる。
現時点で、当該プログラムの適用対象となる VC とアクセラレータは次の通り。これらの社から出資を受けていたり、プログラムに参加していたりする社員10名以下のスタートアップは、emol work の50人以下のスタートアップ向けの有料アカウント(アカウント1人分当たり月額300円相当)を3ヶ月間無料で利用できる。申込は6月末まで。
Canal Ventures
D4V
East Ventures
F Ventures
G-STARTUP
Heart Driven Fund
Lifetime Ventures
MIRAISE
Open Network Lab
Plug and Play Japan
REALITY ACCELERATOR
エモルによれば、emol work 正式版の導入先は現時点で150社。スタートアップよりも、むしろ中小企業やフリーランサーのコミュニティが多いという。今回のパートナープログラム展開を通じて、エモルではスタートアップへの認知度向上と導入強化を図りたい考え。近年、VC がスタートアップの人材面を支援する動きも増えているため、そのような活動の一環として恒常的に提供される可能性も期待できる。
エモルは7日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を正式ローンチする。以前紹介した際のβ版では、従業員のメンタル状態の定量的分析と自発的施策の提供に特化していたが、正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイトボードを使った悩みのチーム内での匿名共有をする形にピボットした。 提供機能を変更した理由について、エモル CEO の千頭沙織氏は声明…
新型コロナウイルスが emol work に与えた影響も小さくない。今年に入り多くの企業がテレワークへと移行する中で、以前のように顔を合わせた状態で同僚と愚痴を言い合ったり、悩みを打ち明けあったりする機会は減ってしまった。同僚と顔を合わさずに仕事を進めるテレワークは、よくない人間関係からは物理的な距離を置けるメリットがある反面、コミュニケーション不足から孤独感も助長する。業務用のメインツールでは拾えないメンタルの声を emol work がカバーする、という位置付けのようだ。
ウェルビーイングを実現するメンタルトレーニングサービスを提供するエモルは2日、シードラウンドで2,000万円を資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、F Ventures、MIRAISE、山本敏行氏(Chatwork 創業者、現 MyCSO)、松村映子氏(バスケット創業者)、海野弘成氏(Increments 創業者)。調達した資金は後述する emol work の開発・マーケティング強…
emol のチーム。最左が CEO の千頭沙織氏 Image credit: Emol
ウェルビーイングを実現するメンタルトレーニングサービスを提供するエモルは2日、シードラウンドで2,000万円を資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、F Ventures、MIRAISE、山本敏行氏(Chatwork 創業者、現 MyCSO)、松村映子氏(バスケット創業者)、海野弘成氏(Increments 創業者)。調達した資金は後述する emol work の開発・マーケティング強化に充てる。
同社は2014年、現 CEO の千頭沙織氏により創業(創業当時の社名はエアゼ)。喜怒哀楽など感情を記録し、AI ロボットと記録し、過去の感情を振り返ることで、よりポジティブなメンタル状態を支援するアプリ「AI 感情日記 emol(エモル)」を昨年4月にローンチ。このアプリはノンプロモーションながらダウンロード回数は15万回、AI ロボットへのメッセージ送信は700万回に達しているという。
Image credit: Emol
AI 感情日記 emol は C 向けの無料サービスとして提供されているが、このアプリを通じて得られた統計情報によれば、ユーザ全体の56%が社会人であり(他は主婦やが学生など)、やりとり内容の会話属性の61%がメンタルに関するものであり、さらにそのうち40%が具体的な対応策に関する情報が欲するものだった。この結果をもとに、B 向け(B2B2E)の福利厚生プログラムとして編み出したのが、今日βローンチを迎えた「emol work(エモルワーク)」だ。
emol work は、エモルの VP of Psychology である大江清香氏を中心に開発された、心理学に基づいたデジタルを使ったメンタルトレーニングのメニューで構成されている。これまでにも従業員のメンタル状態を把握・分析したり、予防したりするアプリやプラットフォームはいくつか存在するが、emol work は定量的分析と自発的施策の両方を提供できるのが特徴だ。定量的分析を提供するサードパーティーと提携して、emol work が自発的施策のサービスのみを提供する可能性もあるという。
Image credit: Emol
エモルでは今後、従来からいる従業員への福利厚生プログラムのほか、新入社員のメンタル面でのケアに役立ててもらうアプローチで企業に導入を図っていく方針。来年2月、3月くらいから新入社員の研修が始まる企業も多いため、このタイミングでのβローンチに漕ぎ着けた。今年末からは、東京に拠点を置く大企業との協業を狙うアクセラレータへの参加も内定しているようだ。将来は蓄積したデータをもとに HR 領域にも進出し、「感情の Google を目指す」としている。
慈善団体 Safe in Our World は10日、テレビゲーム界のメンタルヘルス問題に取り組む活動を開始した。世界メンタルヘルスデーに活動を開始した同団体は、ゲームプレイヤーとゲーム開発者双方のメンタルヘルス問題に対する認識を高めることを目的とした非営利団体だ。 Safe in Our World の発表は、トロントで同日閉幕する International Games Summit on …
同団体が目指すのは、メンタルヘルスの状況を明かすことは恥ずかしいことではないと啓蒙し、活発な議論を促すことだ。また、新たなクリエイターやプロゲーマー、ユーザ層の育成、サポートも行っていく。International Games Summit on Mental Health の主催者 Mark Chandler 氏は第1回目のサミット参加者がどれほど少なかったかについて発言している。
最初の活動は、ゲームを通じた生き生きとした体験を通じてメンタルヘルスの問題を紹介することだ。まず初めに紹介するのが、2017年の BAFTA(イギリスアカデミー賞)のヤングゲームデザイナー賞を受賞した『Fractured Minds』を開発した Emily Mitchell 氏だ。彼女が17歳のとき、ゲーム開発を通じて自身が癒やしを得られていることに気づいた。Safe In Our World は今後数週間、同団体のミッションをサポートする様々なプロジェクトを発表していく。
Fractured Minds では、メンタルヘルスの問題に関する Emily 氏の個人的な体験が描かれている。また、テレビゲームが現実のプレイヤーにポジティブな影響を与えられるという側面も表現されている。Fractured Minds は Wired Productions からリリースされ、利益の80%は Emily 氏の将来のための資金と、Safe In Our World の活動を支援するための資金に均等に分けられる。
Safe In Our World を立ち上げたのはゲーム界に長らく携わっている Gareth Williams 氏、Leo Zullo 氏、Neil Broadhead 氏で、Aaron Cooper 氏と Al Hibberd 氏も設立に関わっている。彼らがゲームプレイヤーたちの駆け込み寺となる同団体の設立を思い立ったのは2017年のことだ。
代表兼理事の Zullo 氏は言う。
テレビゲーム界には傷つきやすい人がたくさんいます。彼らをサポートするのが私たちの使命なのです。私たちが共に協力すれば助けを必要とする人たちに救いの手を差し伸べて、私たちのメッセージを伝え、これまでできなかったこともできるようになります。Safe In Our World はこうした取り組みの第一歩となるものです。今回の活動に賛同してくれた業界関係者やパートナー、個人の方がいることを嬉しく思っています。
メンバーは団体を立ち上げるにあたって必要な手順を慎重に調べてきた。そして、助けを必要とする人をサポートするための取り組みや情熱について同じ考えを持つ様々な国際的企業や個人が集まった。Safe In Our World に関わっている団体や個人についてはオンラインで確認することができる。
また、テレビゲーム開発者やパブリッシャー、サービスプロバイダ、コンテンツ作成者が同団体をサポートする姿勢を歓迎している。Safe In Our World はイングランドおよびウェールズで認可を受けているが、目標とするのは世界規模の活動だ。
理事 Gina Jackson 氏は声明で次のように語っている。
ゲーム界や、私たちが作り出して活動しているコミュニティの認識と態度を変えていくうえでやるべきことはたくさんあります。Safe In Our World は今日、最初の一歩を踏み出しました。Emily 氏が Fractured Minds による支援を申し出てくれたことを嬉しく思っています。これはとても感動的な出来事であり、彼女が Safe In Our World を支援するためにしてくれたことには頭が下がる思いです。
ピックアップ:Edtech startup headversity secures $1 million in seed funding to evolve its workplace resilience training platform ニュースサマリ:7月22日企業のレジリエンスをトレーニングするアプリを開発するheadversityはシードラウンドにて個人投資家から100万ドルを調達した…
近年では今回取り上げた企業のように、コンピューターを用いてこの認知行動療法を実践するアプリケーションが多くリリースされています。以下の米国のVCであるWHITE STAR CAPITALによるマッピングでも、この認知行動療法が一つの分野として掲載されておりメンタルヘルス関連のスタートアップのうち33%がこの分野に該当しています。