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特集:メンタルヘルス

特集:メンタルヘルス

情報化が加速する中、日々の生活で精神的なゆとりや心の健康を守る必要性が高まっている。また、世界的に発生したパンデミックはさらにその問題を深刻化させ、NAMI(National Alliance on Mental Illness)によると、米国では5人に1人が精神的不調を抱える状況になっているそうだ。この課題にテクノロジーはどのような役割を果たすのか。シリーズでその最新情報をお届けする

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特集:メンタルヘルスの話題

チャットアプリ+クリニックで女性の健康をワンストップサポートする「Tia」

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ピックアップ:Tia, Stork Club Secure Funding To Boost Women’s Health Care Options ニュースサマリ:ニューヨークを拠点とし、オンラインおよびオフライン両方で女性向けヘルスケアプラットフォームを展開するTiaは5月28日、シリーズAラウンドで2,430万米ドルの資金調達を公表した。今回の調達はThreshold Venturesが主導…

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ピックアップ:Tia, Stork Club Secure Funding To Boost Women’s Health Care Options

ニュースサマリ:ニューヨークを拠点とし、オンラインおよびオフライン両方で女性向けヘルスケアプラットフォームを展開するTiaは5月28日、シリーズAラウンドで2,430万米ドルの資金調達を公表した。今回の調達はThreshold Venturesが主導し、Define Ventures、ACME、Torch Capital、John Doerr、Homebrew、Compoundが参加している。

今回得た資金で、同社はオンラインおよびオフラインのサービス両方を拡大し、新たな市場の開拓や、サービスプロバイダーや医療システムとの新規パートナーシップ構築に使われる。

詳細:Tiaは2016年、Carolyn Witte氏およびFelicity Yost氏の女性2名の共同創業により設立された。CEOのWitte氏は元Googleという経歴を活かし、生理周期のトラッキングや女性が健康に関する質問をチャット形式で質問できるアプリとしてTiaをスタート。Witte氏によると、アプリをリリースした数カ月後には20万件以上の利用に達したという。

  • Tiaが提供するサービスはオンラインのみに留まらず、2019年3月にはニューヨークに自社クリニックを開院。オープンから1年余りで3,000人の患者を抱えている。
  • アプリとクリニックが連動したワンストップで効率的なケアにより、同社は従来より40%低いコストで女性への標準的な診察を提供。こうした仕組みが評価され、今回の資金調達につながった、とWitte氏は語っている。
  • Crunchbaseのデータによると、同社は2019年1月に250万米ドルのシードラウンドを調達しており、調達総額は3,200万米ドル。
  • クリニックはCOVID-19の影響で3月16日以降自社クリニックを閉鎖していたが、5月30日に再開した。

背景:COVID-19の影響で、パニック障害や職を失うことへの不安など、同社に寄せられたメンタルヘルスに関する相談数や投薬依頼は400%にまで増加したという。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:平野武士・岩切絹代

従業員向けメンタルケアの「emol work」、VCやアクセラレータ11社の投資先・参加チームに3ヶ月間無料で提供

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エモルは1日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を、ベンチャーキャピタルやアクセラレータ11社の投資先およびプログラム参加スタートアップに3ヶ月間無料で提供する「パートナーシッププログラム」を開始した。 emol work は約5ヶ月間にわたるβ運用を経て、先月正式版がローンチを迎えたばかり。正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイト…

「emol work」
Image credit: Emol

エモルは1日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を、ベンチャーキャピタルやアクセラレータ11社の投資先およびプログラム参加スタートアップに3ヶ月間無料で提供する「パートナーシッププログラム」を開始した。

emol work は約5ヶ月間にわたるβ運用を経て、先月正式版がローンチを迎えたばかり。正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイトボードを使った悩みのチーム内での匿名共有の機能が追加された。チャットボット機能では、AI との会話で簡易のカウンセリングやコーチングを受けたり、雑談などが出来たりする。悩みボードでは、ポストイットを貼る感覚で悩みを匿名投稿でき、他のチームメンバーからアドバイスや意見などを受け取ることができる。

現時点で、当該プログラムの適用対象となる VC とアクセラレータは次の通り。これらの社から出資を受けていたり、プログラムに参加していたりする社員10名以下のスタートアップは、emol work の50人以下のスタートアップ向けの有料アカウント(アカウント1人分当たり月額300円相当)を3ヶ月間無料で利用できる。申込は6月末まで。

  • Canal Ventures
  • D4V
  • East Ventures
  • F Ventures
  • G-STARTUP
  • Heart Driven Fund
  • Lifetime Ventures
  • MIRAISE
  • Open Network Lab
  • Plug and Play Japan
  • REALITY ACCELERATOR

エモルによれば、emol work 正式版の導入先は現時点で150社。スタートアップよりも、むしろ中小企業やフリーランサーのコミュニティが多いという。今回のパートナープログラム展開を通じて、エモルではスタートアップへの認知度向上と導入強化を図りたい考え。近年、VC がスタートアップの人材面を支援する動きも増えているため、そのような活動の一環として恒常的に提供される可能性も期待できる。

エモルを使うユーザからは、管理(企業)側から「こんなことで悩んでたのか。早く知ってればよかった」と言うことが知れた(メディア事業会社マネージャー)」「1on1でも聞き出せなかったようなことや、実務に関する悩みがあがってきて、今まで時間かけていた従業員ケアにも役立ちそう(開発会社人事)」、社員から「匿名っていうのもあってか、プライベートなライトな悩みとか気軽に投稿できる(開発会社エンジニア)」といった声が寄せられている。

従業員向けメンタルケアの「emol work」が正式ローンチ——チャットボットで悩みを見える化、チームで匿名共有する仕組みにピボット

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エモルは7日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を正式ローンチする。以前紹介した際のβ版では、従業員のメンタル状態の定量的分析と自発的施策の提供に特化していたが、正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイトボードを使った悩みのチーム内での匿名共有をする形にピボットした。 提供機能を変更した理由について、エモル CEO の千頭沙織氏は声明…

「emol work」
Image credit: Emol

エモルは7日、企業の従業員向けメンタルケアプラットフォーム「emol work(エモルワーク)」を正式ローンチする。以前紹介した際のβ版では、従業員のメンタル状態の定量的分析と自発的施策の提供に特化していたが、正式版ではチャットボットを使った悩みの聞き出しと、ホワイトボードを使った悩みのチーム内での匿名共有をする形にピボットした。

提供機能を変更した理由について、エモル CEO の千頭沙織氏は声明で次のように述べている。

β版ではメンタル状態をグラフィックで確認でき、メンタルトレーニングを提供していましたが、従業員の悩みの根本を解消することができていないという問題がありました。(中略)

正式版の emol work では、今までのメンタルケアではできなかった従業員の具体的な悩みを解決するべく、チームメンバーの悩みをお互いに共有して、チーム全体で解決方法を考えることで、「チームから〝悩み〟をなくす」ことを目的としたサービスとして生まれ変わりました。

「emol work」
Image credit: Emol

正式版には、従業員の悩みを聞き出すチャットボット機能と、匿名での投稿によりチームで悩みを共有できる「悩みボード」が追加。チャットボット機能では、CBT(認知療法・認知行動療法)や ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)に基づき、AI との会話で簡易のカウンセリングやコーチングを受けたり、雑談などが出来たりする。悩みボードでは、ポストイットを貼る感覚で悩みを匿名投稿でき、他のチームメンバーからアドバイスや意見などを受け取ることができる。

今後、チャットボットとのやりとりを Slack 上で行えたり、悩みボードで共有した悩みをナレッジとして蓄積したりする機能もリリースする予定だ。

「emol work」
Image credit: Emol

新型コロナウイルスが emol work に与えた影響も小さくない。今年に入り多くの企業がテレワークへと移行する中で、以前のように顔を合わせた状態で同僚と愚痴を言い合ったり、悩みを打ち明けあったりする機会は減ってしまった。同僚と顔を合わさずに仕事を進めるテレワークは、よくない人間関係からは物理的な距離を置けるメリットがある反面、コミュニケーション不足から孤独感も助長する。業務用のメインツールでは拾えないメンタルの声を emol work がカバーする、という位置付けのようだ。

エモルは昨年12月、シードラウンドで2,000万円を調達。βローンチからの約5ヶ月で、40社がトライアル利用している。

<参考文献>

広がりつつある「ココロとカラダ」の危機、私たちはどう備えるべきか

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ニュースサマリ:新型コロナウィルスに端を発した急激な環境の変化で、心と体のバランスを崩すケースが増えてきた。 オンラインカウンセリングを手掛ける「cotree(コトリー)」によれば、3月頃から相談件数が増加し、前月比で3割ほどの相談増となっているそうだ。これを受けて同社は、4月16日からメンタルヘルスに課題を抱える個人や企業を対象とした無償提供プログラムの開始を伝えている。 このプログラムにはBA…

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ニュースサマリ:新型コロナウィルスに端を発した急激な環境の変化で、心と体のバランスを崩すケースが増えてきた。

オンラインカウンセリングを手掛ける「cotree(コトリー)」によれば、3月頃から相談件数が増加し、前月比で3割ほどの相談増となっているそうだ。これを受けて同社は、4月16日からメンタルヘルスに課題を抱える個人や企業を対象とした無償提供プログラムの開始を伝えている。

このプログラムにはBASEやSHIFTなどの賛同企業が、自社の社員やユーザーなどを対象に無償でカウンセリングが受けられるクーポンを発行する。個人としてCAMPFIREの家入一真氏やキッズラインの経沢香保子さんらも支援を表明し、最大1万人までのカウンセリングの無償提供を約束している。

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cotreeのメンタルサポートプログラムの仕組み

また、コーチングサービス「mento」を提供するウゴク社では、医療従事者やその関係者を対象にした無償プログラムを今月10日に開始した。同社代表取締役の木村憲仁氏によれば、数十名ほどの医師や看護師の依頼があり、今週末から順次コーチングを開始するという。

話題のポイント:7日に発令された非常事態宣言から約1週間、それ以前から外出自粛に協力し、例えばリモートワークなどに移行した方であれば数週間が経過した頃だと思います。慣れない環境に加えて先行きが見えない不安から、次に心配されるのがココロとカラダの問題です。

<参考記事>

ウゴクの木村さんのお話では、医療従事者のみなさんが抱える直接的な新型コロナに関する不安やストレスの相談に加え、企業についてはこの有事における組織の不安を相談するケースもあるというお話でした。リモートで働くことを余儀なくされた結果、見えなかった不和が顕在化したということですね。加えてつながりのある保健師さんのお話として、家庭内不和が浮き彫りとなってDVや虐待に繋がるケースが増加していることも教えてくれました。

一方でココロのケアというのは非常に難しいです。私も一人の事業者としてこの状況を考えると、不安がないと言えば嘘になります。相談するにしてもどこに話せばよいかわからないし、また、こういったプライベートな話題を見ず知らずの人に共有する不安もあります。

その点で今回の2社の無償化の取り組みはひとつのきっかけになると思います。特にcotreeが実施する、企業や個人と連携した方法はアイデアです。私のような不安を持っていても、間に企業や代表、もしくは知っている個人が「無償クーポン」という形で介在することで、第三者に相談するハードルは随分と下がります。

また、cotreeで代表を務める、櫻本真理さんも指摘されていましたが、親しい人にプライベートを相談することよりも、第三者だから思い切った話ができるメリットもあります。特に今回のような状況では、親しい人であってもその人がダメージを受けている場合もありますから、専業の受け入れ機関がある方が全体として安全です。

カラダの問題も

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NAKEDではBASEにてパーソナルトレーニングの販売をしている

ココロの不安と併せて気になるのがカラダの問題です。一部で「コロナ太り」というワードも囁かれてますが、ストレス発散という点ではこの2つはセットと考えるべきでしょう。一方、ジム通いや通勤は感染拡大防止の観点からしばらくは難しくなります。

都内でパーソナルトレーニングを手掛ける「NAKD」では、こういった問題を解決するため、自宅などでもできるオンライントレーニングの販売を開始しています。必要な器具は自宅に送付し、事前に決めた日時でトレーナーとZoomなどのオンラインをつないでトレーニングを提供する、という方法です。同社では、今後、トレーニング用のアプリ公開も予定しており、パーソナルトレーナーが指導する栄養管理やトレーニングメニューの情報を確認しながら自主トレができるようになるそうです。

本来はパーソナルジムを受けた方が、自分で24H系のジムに行ったときにパーソナルで学んだことの復習をして、よりパーソナルトレーニングの効率アップに繋げることが目的でした。今回のコロナを受けて自宅でもトレーニングができるように両軸で進めていきます(同社代表取締役の大久保光佑さん)。

現在、フリーランスのトレーナーの方々が売上を大きく落としているので、新たな収入源になるような道筋も考えているとのことでした。

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RepFitが提供するZoomトレーニング

では、こういう状況下で私たちはどのような健康管理を心がけるべきでしょうか。同じくパーソナルトレーニングを福利厚生として企業向けに提供する、RepFit代表取締役の土屋卓也さんによると、次のようなポイントがあるそうです。

現在コロナの影響により、下記の3つが人に与えるストレスが高いと考えています。

  • 今までに経験した事の無い事態
  • デスクやチェア等、作業環境が整っていない中での在宅ワーク
  • 外出自粛要請による運動機会の半強制的な減少

普段と違うリズムかつ家に閉じている生活をするために、自律神経の乱れに繋がりやすく、働く事を想定としていないテーブルなどで長時間の作業をすると、姿勢もどんどん悪化していく恐れがあります。

現状への対応策として、5分など短い時間でもいいので毎日必ず一日のどこかでストレッチをして、少しでもいいので自ら運動機会を家の中に作ることが今、できる健康管理として重要なポイントだと考えています(土屋さん)。

ココロとカラダに時間を

今回、メンタルヘルスの取り組みで個人としても賛同し、cotreeを通じて最大1000名分のカウンセリング(300万円相当)を個人として提供したのが家入一真さんです。本誌でも度々、起業家に向けたメッセージを取り上げています。

<参考記事>

今回、CAMPFIREとしてもメンタルの問題に取り組んでいる彼に、コメントをもらったのでこの記事の最後に掲載しておきたいと思います。資金繰りなどで頭がいっぱいになる時期だからこそ、自分のココロとカラダにぜひ時間を取っていただきたいと思います。

起業家のメンタルヘルスについて、この数年課題意識を持って声を上げてきましたが、コロナにより繋がりが分断され、不安な中でこれからの生き方や働き方を自らの意思で決め、選び取っていかねばならない「誰もが起業家たりうる時代」に、改めてオンラインカウンセリングが必要であると、強く感じます。長期化も予想されるこの状況の中で、一人でも多くの方の心に向き合おうとするこの取り組みに、心から賛同します。

僕からは、コロナによる不安の中で子育てをされている方々に向けて、最大500名分のカウンセリングを無償で提供します。慣れないリモートワークの中で、学校も休止になり親子共々ストレスのたまりがちな環境の中、誰かに話を聞いてもらえるだけでも救われることはあるのではないでしょうか。

また、CAMPFIREではコロナによりダメージを受けているアーティストやイベント事業者、飲食店や宿泊施設、ライブハウスやクラブなどにクラウドファンディング を通じたサポートプログラムを提供していますが、このサポートを受けられる方々に向けて、同じく最大500名のカウンセリングを提供します。不安な中で資金繰りも考えなければならない皆さんの心もケアしていけたらと思います。

世界中で誰しもが困難を強いられている時代の中で、僕たちスタートアップやプラットフォームが今、何をすべきなのか。改めて問われていると、強く感じます。この課題に向き合おうとするcotreeをはじめとして全てのスタートアップに、心から感謝と、賛辞と、応援を。共に生き抜いていきましょう(家入一真さん)。

新型コロナとメンタルヘルス:オンラインカウンセリングの現場から

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 日本での新型コロナウィルスの影響やWFH(ワークフロム・ホーム)が本格化し始めた2020年3月、私たちが運営するオンラインカウンセリング「cotree」への相談件数は、前月比30%増となりました。 「コロナにかかってしまうのでは」「家族のことが心配」などコロナ自体への不安はもちろんですが、それよりも多くの人にとっては、コロナをきっ…

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Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

日本での新型コロナウィルスの影響やWFH(ワークフロム・ホーム)が本格化し始めた2020年3月、私たちが運営するオンラインカウンセリング「cotree」への相談件数は、前月比30%増となりました。

「コロナにかかってしまうのでは」「家族のことが心配」などコロナ自体への不安はもちろんですが、それよりも多くの人にとっては、コロナをきっかけに「家にいる時間が増えて、家族との問題が悪化した」「家族から逃げられなくなった」「病院に通えなくなってしまった」「解雇された」「収入が減った」など、生活における重要な範囲に幅広く相談が増えています。

仕事上の課題
リモートワークをしている人にとっては、業務と人間関係の両方がストレス源になりうる。在宅のため、今までオフィスであれば簡単にできていた業務がやりづらくなる。また、温度感の伝わりづらいチャットなどのやりとりに変わることで、「自分の言葉遣いは問題なかっただろうか」などと不安になる人や、変化する状況に最適に対応できない会社に対して不信感を持つ人も出てくる。

孤独感
特に友達づきあいが重要な若者にとって、自粛要請は孤独感に繋がりやすい。オランダでは18~24歳の若者の約半数が孤独感を感じており(老人では22%と相対的に低い)、仲間とのつながりから多くの活力を得ていた人にとっては寂しさや不安が高まりやすいことがわかる。

家族との関係性の課題
家族がいる人にとっては、逆に親密性の中での課題が顕在化しやすい。例えば、中国では2月の段階で、ドメスティックバイオレンス(DV)関連の相談が3〜4倍に。フランスではコロナによる外出規制が始まって1週間で、DVの通報が3割増えた。これまでは家族で課題を抱えていたとしても、職場や学校などの逃げ場があったところが、家族で過ごす割合が増えることで逃げ場がなくなってしまうのである。子育てにおいても、親のストレスを子供にぶつけてしまったり、教育に影響が出てしまう不安なども生じる。

経済的不安
非正規雇用のケースではすでに解雇が始まっていたり、勤務ができなくなることで収入が減っているケースも多く、自営の場合には事業継続に不安を抱えているケースもある。今後回復の見通しが立たない中、将来に希望を持てなくなり、抑うつ感を抱えるケースも散見される。

生活リズムの変化
在宅で今までと違う生活になると、主に①運動量が減る、②睡眠サイクルが変化する、などの変化を通じて、自律神経の乱れが起こり、メンタルにも影響を及ぼしやすい。

自分たち自身でできること

このように、新型コロナウィルスによる社会の変化には、身体的・精神的・社会的なあらゆる側面で、メンタルにネガティブな影響を及ぼす条件が揃っていると言っても過言ではありません。また、自分は大丈夫でも身近な人がストレスを抱えている可能性も高くなります。

この状況で重要なことは、影響を受けている全ての人が、自分自身や周囲のためにストレス対処のための知識を身につけていることです。

①不安を抱えて当然と考える
現在のように大きな変化の中にいるとき、メンタルの不安定さは生じて当然です。不安なことを悩みすぎずに「落ち込んで当たり前」と自分をいたわる姿勢が大切です。

②情報集めに時間を使いすぎない
SNSなどのネガティブな情報に触れすぎることは、不安感を増幅させます。信頼できる情報源に絞って、時間を限って収集しましょう。

③積極的にオンラインでのコミュニケーションをとる
孤独感やコミュニケーション不足による人間関係の課題は、自分でも気づかないうちに抱え込んでいることも多いです。小さなことでも、オンラインで積極的にコミュニケーションをとりましょう。雑談やお互いへの気遣いのための一見無駄に見えるコミュニケーションも重要なのです。

④運動する、よく眠る(けど眠りすぎずに)
ジムに行かなくても、運動はできます。家の近くを30分散歩するだけでもいいので、運動の習慣をつけましょう。メンタルの不調は睡眠に現れやすいので、自分の睡眠に自覚的になり、不眠にも過眠にも気をつけるとよいです。

⑤今までとは違うストレス解消策を見つける
今までやっていたストレス解消(カラオケ、娯楽など)がなくなって落ち込んでいる人もいるかもしれません。今までとは違う環境だからこそできる娯楽や新しい楽しみを見つけてみましょう。

⑥誰かのためにできることを見つける
自分の苦しみに焦点を当てていると、苦しみが増大しがちですが、もしかしたら周囲にもっと苦しんでいる人がいるかもしれません。自分のケアをした後は、家族や仲間や社会のためにできることがないか、考えてみましょう。

それでも改善が見られない時は、外部の専門家に頼るのも一つの方法です。自治体や会社など、それぞれに相談窓口がある場合があるので、探してみてください。私たちcotreeで提供しているオンラインカウンセリングでは、ビデオあるいはテキストメッセージを通じて、専門のカウンセラーが身近な人には言いづらい不安を受け止めて、課題を整理したり解決したりすることをサポートしています。

このような時期だからこそオンラインカウンセリングが必要な人に届くことを願っている一方、不安が長期化し、環境が大きく変化する中、まずは一人一人が自分や身近な人を大切にする力を身につけていくことが何よりも重要なことと考えています。

本稿はオンラインカウンセリング「cotree」を開発・運営する株式会社cotree代表取締役、 櫻本真理氏によるもの。Twitterアカウントは@marisakura。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。従業員やユーザーに対してオンラインカウンセリングを提供するサポートプログラムに賛同・協賛する企業も募集している

 

従業員向けメンタル分析&トレーニングの「emol work」がβローンチ、2,000万円をシード調達——F Ventures、MIRAISE、個人投資家3名から

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ウェルビーイングを実現するメンタルトレーニングサービスを提供するエモルは2日、シードラウンドで2,000万円を資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、F Ventures、MIRAISE、山本敏行氏(Chatwork 創業者、現 MyCSO)、松村映子氏(バスケット創業者)、海野弘成氏(Increments 創業者)。調達した資金は後述する emol work の開発・マーケティング強…

emol のチーム。最左が CEO の千頭沙織氏
Image credit: Emol

ウェルビーイングを実現するメンタルトレーニングサービスを提供するエモルは2日、シードラウンドで2,000万円を資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、F Ventures、MIRAISE、山本敏行氏(Chatwork 創業者、現 MyCSO)、松村映子氏(バスケット創業者)、海野弘成氏(Increments 創業者)。調達した資金は後述する emol work の開発・マーケティング強化に充てる。

同社は2014年、現 CEO の千頭沙織氏により創業(創業当時の社名はエアゼ)。喜怒哀楽など感情を記録し、AI ロボットと記録し、過去の感情を振り返ることで、よりポジティブなメンタル状態を支援するアプリ「AI 感情日記 emol(エモル)」を昨年4月にローンチ。このアプリはノンプロモーションながらダウンロード回数は15万回、AI ロボットへのメッセージ送信は700万回に達しているという。

Image credit: Emol

AI 感情日記 emol は C 向けの無料サービスとして提供されているが、このアプリを通じて得られた統計情報によれば、ユーザ全体の56%が社会人であり(他は主婦やが学生など)、やりとり内容の会話属性の61%がメンタルに関するものであり、さらにそのうち40%が具体的な対応策に関する情報が欲するものだった。この結果をもとに、B 向け(B2B2E)の福利厚生プログラムとして編み出したのが、今日βローンチを迎えた「emol work(エモルワーク)」だ。

emol work は、エモルの VP of Psychology である大江清香氏を中心に開発された、心理学に基づいたデジタルを使ったメンタルトレーニングのメニューで構成されている。これまでにも従業員のメンタル状態を把握・分析したり、予防したりするアプリやプラットフォームはいくつか存在するが、emol work は定量的分析と自発的施策の両方を提供できるのが特徴だ。定量的分析を提供するサードパーティーと提携して、emol work が自発的施策のサービスのみを提供する可能性もあるという。

Image credit: Emol

エモルでは今後、従来からいる従業員への福利厚生プログラムのほか、新入社員のメンタル面でのケアに役立ててもらうアプローチで企業に導入を図っていく方針。来年2月、3月くらいから新入社員の研修が始まる企業も多いため、このタイミングでのβローンチに漕ぎ着けた。今年末からは、東京に拠点を置く大企業との協業を狙うアクセラレータへの参加も内定しているようだ。将来は蓄積したデータをもとに HR 領域にも進出し、「感情の Google を目指す」としている。

慈善団体のSafe in Our World、テレビゲーム界のメンタルヘルス問題に取り組む活動を開始

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慈善団体 Safe in Our World は10日、テレビゲーム界のメンタルヘルス問題に取り組む活動を開始した。世界メンタルヘルスデーに活動を開始した同団体は、ゲームプレイヤーとゲーム開発者双方のメンタルヘルス問題に対する認識を高めることを目的とした非営利団体だ。 Safe in Our World の発表は、トロントで同日閉幕する International Games Summit on …

Fractured Minds
Image Credit: Wired Productions/Fractured Minds

慈善団体 Safe in Our World は10日、テレビゲーム界のメンタルヘルス問題に取り組む活動を開始した。世界メンタルヘルスデーに活動を開始した同団体は、ゲームプレイヤーとゲーム開発者双方のメンタルヘルス問題に対する認識を高めることを目的とした非営利団体だ。

Safe in Our World の発表は、トロントで同日閉幕する International Games Summit on Mental Health の2日目と同じタイミングで行われた。

地球上の半数以上の人間がテレビゲームで遊んでおり、そのうち4分の1がテレビゲームを原因とするメンタルヘルスの問題を抱えている。Safe In Our World を待ち構える課題は困難なものだが、世界中のゲームプレイヤーをサポートすべく様々な活動を行っていく。

Safe in Our World は世界中の業界インフルエンサーやベテラン、アンバサダーのサポートを受ける、正式に認可を受けた慈善団体だ。同団体の目的は、オンライン上で人々が助けを求められる場所を作り、必要なリソースと情報を提供し、ゲーム界内外の人間のストーリーを紹介することだ。

Fractured Minds
Image Credit: Fractured Minds/Wired Productions

同団体が目指すのは、メンタルヘルスの状況を明かすことは恥ずかしいことではないと啓蒙し、活発な議論を促すことだ。また、新たなクリエイターやプロゲーマー、ユーザ層の育成、サポートも行っていく。International Games Summit on Mental Health の主催者 Mark Chandler 氏は第1回目のサミット参加者がどれほど少なかったかについて発言している。

最初の活動は、ゲームを通じた生き生きとした体験を通じてメンタルヘルスの問題を紹介することだ。まず初めに紹介するのが、2017年の BAFTA(イギリスアカデミー賞)のヤングゲームデザイナー賞を受賞した『Fractured Minds』を開発した Emily Mitchell 氏だ。彼女が17歳のとき、ゲーム開発を通じて自身が癒やしを得られていることに気づいた。Safe In Our World は今後数週間、同団体のミッションをサポートする様々なプロジェクトを発表していく。

Fractured Minds では、メンタルヘルスの問題に関する Emily 氏の個人的な体験が描かれている。また、テレビゲームが現実のプレイヤーにポジティブな影響を与えられるという側面も表現されている。Fractured Minds は Wired Productions からリリースされ、利益の80%は Emily 氏の将来のための資金と、Safe In Our World の活動を支援するための資金に均等に分けられる。

PC、Xbox One、PlayStation 4、および Switch 向けにリリースされる Fractured Minds の価格は2米ドルだ。リリース元の Wired Productions は、世界中のインディーズゲーム開発者を支援する独立系グローバルパブリッシャーだ。

Fractured Minds
Image Credit: Fractured Minds/Wired Productions

Safe In Our World を立ち上げたのはゲーム界に長らく携わっている Gareth Williams 氏、Leo Zullo 氏、Neil Broadhead 氏で、Aaron Cooper 氏と Al Hibberd 氏も設立に関わっている。彼らがゲームプレイヤーたちの駆け込み寺となる同団体の設立を思い立ったのは2017年のことだ。

代表兼理事の Zullo 氏は言う。

テレビゲーム界には傷つきやすい人がたくさんいます。彼らをサポートするのが私たちの使命なのです。私たちが共に協力すれば助けを必要とする人たちに救いの手を差し伸べて、私たちのメッセージを伝え、これまでできなかったこともできるようになります。Safe In Our World はこうした取り組みの第一歩となるものです。今回の活動に賛同してくれた業界関係者やパートナー、個人の方がいることを嬉しく思っています。

メンバーは団体を立ち上げるにあたって必要な手順を慎重に調べてきた。そして、助けを必要とする人をサポートするための取り組みや情熱について同じ考えを持つ様々な国際的企業や個人が集まった。Safe In Our World に関わっている団体や個人についてはオンラインで確認することができる。

また、テレビゲーム開発者やパブリッシャー、サービスプロバイダ、コンテンツ作成者が同団体をサポートする姿勢を歓迎している。Safe In Our World はイングランドおよびウェールズで認可を受けているが、目標とするのは世界規模の活動だ。

理事 Gina Jackson 氏は声明で次のように語っている。

ゲーム界や、私たちが作り出して活動しているコミュニティの認識と態度を変えていくうえでやるべきことはたくさんあります。Safe In Our World は今日、最初の一歩を踏み出しました。Emily 氏が Fractured Minds による支援を申し出てくれたことを嬉しく思っています。これはとても感動的な出来事であり、彼女が Safe In Our World を支援するためにしてくれたことには頭が下がる思いです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

従業員の欠勤など生産性の低下に対する研修アプローチ「レジリエンス」ーーheadversityがシード資金を獲得

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ピックアップ:Edtech startup headversity secures $1 million in seed funding to evolve its workplace resilience training platform ニュースサマリ:7月22日企業のレジリエンスをトレーニングするアプリを開発するheadversityはシードラウンドにて個人投資家から100万ドルを調達した…

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ピックアップ:Edtech startup headversity secures $1 million in seed funding to evolve its workplace resilience training platform

ニュースサマリ:7月22日企業のレジリエンスをトレーニングするアプリを開発するheadversityはシードラウンドにて個人投資家から100万ドルを調達した。

同社はカナダのアルバータ州にて2016年に設立されたスタートアップで、メンタルヘルスの専門家や心理学者、学習やマーケティングの専門家を中心に、人々がチャレンジをしたり精神的な健康を維持するためのプラットフォームを開発している。

レジリエンスは経営学や組織論で注目が集まっている概念で、ストレスが一定以上かかったときに元の状態に戻る力のことを指す。同社はオフライン、オンラインのプログラムやゲーミフィケーションを組み合わせたプログラムを提供し、組織的にレジリエンスを鍛え、メンタルヘルスや組織力へのアプローチを可能にしている。

ATB FinancialやCopeman Healthcare、カナダのオリンピック委員会などの組織がパイロット版のプログラムを提供しており、今回調達した資金を用いてプロダクト開発やサポート、マーケティングの強化に取り組むという。

話題のポイント:今回取り上げたスタートアップが重視するのは「レジリエンス」という概念です。もともと2013年にダボス会議で取り上げられた考え方で、テクノロジーやグローバル化など様々な側面で不確実性が増す中、人々の変化によるダメージを抑え、創造的に飛躍するための力として活用が期待されています。

この概念の経営の文脈での論考としてリンダ・グラットンの「未来政府」があります。同書では企業のレジリエンスを考えるフレームとして以下の3つを紹介しています。

  1. 感情面:クリエイティビティを発揮できるような、ポジティブな感情が働くか
  2. 知識・知恵面:素早くアイディア・考えを集約し、統合することができるか
  3. 内外の人間関係面:社内外の相互作用が活発に発生し、発揮されているか

やや抽象的ですが同書の中では、個人で実践できるレベルで、十分な休息をとる、仕事とプライベートのポジティブサイクルを作る、自分の仕事を見直すなどの具体的なアクションが挙げれらています。

headversityはこのレジリエンス強化を企業にソリューションとして提供しています。精神疾患の治療や予防といった類のメンタルケアの枠を超えて、マインドフルネスや自己分析などを用いたアプローチも提供し、より社員が積極的に参加できる研修と言えるかもしれません。

同社のCEOで精神科医のRyan Todd氏は、多くの企業が取り組んでいる精神疾患で働けない人へのアプローチはどうしてもハードルが高くなる傾向があり、それ以上にその他95%の人に対して逆境を乗り越えるための手段を提供したいと語っています。

個人向けのサービスが中心であったメンタルヘルステック領域ですが、個人でケアを続けることのハードルは高く、企業向けのサービスであることのメリットは大きいと思われます。

出勤している社員の健康問題による業務遂行能力低下を測定するものとして、プレゼンティーイズム(出社してるけど業務に支障がある状態)が注目されています。ある米国の労働者のデータでは健康問題による労働者一人あたりの損失額を比較した際、医療費が2778ドル、休業による損失が661ドル、プレゼンティーイズムはなんと6721ドルとなっています。

欠勤や休職など目に見える形ではない生産性の低下に対するアプローチとして、headversityはこのプレゼンティーイズムへのソリューションとなり得るのではないでしょうか。(執筆:矢部立也

メンタルヘルスをアプリで改善ーー認知行動療法実践アプリ「UpLift」がシード資金獲得

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ピックアップ: A SCIENCE-BACKED APP FOR DEPRESSION SUFFERERS, RAISES $1M SEED ニュースサマリ:メンタルヘルススタートアップであるUpLiftは7月22日、シードラウンドでthe Laidir Foundationから100万ドルの資金を調達した。the Laidir Foundationはワシントン州にある非営利団体で、世界に良い影響…

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ピックアップ: A SCIENCE-BACKED APP FOR DEPRESSION SUFFERERS, RAISES $1M SEED

ニュースサマリ:メンタルヘルススタートアップであるUpLiftは7月22日、シードラウンドでthe Laidir Foundationから100万ドルの資金を調達した。the Laidir Foundationはワシントン州にある非営利団体で、世界に良い影響を与えることを志向している。

同社はノースカロライナ大学医学部にてコンピューターによる認知行動療法(CCBT)を学んでいた学生により設立され、消費者向けにCCBTを実践するアプリを開発している。アプリでは、ユーザーに合った認知行動療法のボットによるセッションが提供される。最初のセッションは無料で、次のセッションからは月に29.99ドルのサブスクリプションプランが利用可能。

アプリは2018年に公開後、1万ダウンロードおよび1000人の有料会員を抱えている。同社が120人のうつ病患者を対象に行なったテストでは、標準的なうつ病スコアが1カ月で50%下がったという。同社は調達した資金を用いてプロダクトとチームを強化し、うつ病に苦しむ100万人にリーチすることを目指している。

話題のポイント:日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、メンタルヘルスに対して投薬ではなく「現実の受け取り方」や「ものの見方」といった認知にアプローチする方法論を認知行動療法といいます。

近年では今回取り上げた企業のように、コンピューターを用いてこの認知行動療法を実践するアプリケーションが多くリリースされています。以下の米国のVCであるWHITE STAR CAPITALによるマッピングでも、この認知行動療法が一つの分野として掲載されておりメンタルヘルス関連のスタートアップのうち33%がこの分野に該当しています。

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(Mapping out the Mental Health startup ecosystemより)

この分野ではセラピストとの対面セッションが高価格であること、また自分の精神上の問題を他人に公開することの心理的障壁があることを考えればコンピューターやAIが介在することの価値は高いでしょう。しかしながら対面ではなくセルフケアになるからこそ、顧客に継続的に使ってもらうことの難易度は高く、サブスクリプション型のビジネスモデルである認知行動療法アプリケーションの持続性には疑問符も付きます。

こうした背景を受けて最近は遠隔医療技術を用いて、ボットではなく実際のセラピストによるセッションを組み込んだシステムでの療法が実践されているようです。この場合、アプリケーションの使用から取得できる定量的なデータは、セラピストが対話の中から得る定性的な情報と合わせてよりパーソナライズされた治療が可能になります。

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Lyraウェブサイト

例えばメンタルヘルススタートアップのLyraではユーザーデータを用いて対面カウンセリング、オンラインカウンセリング、セルフケアアプリなどから適切な治療方法を提供しています。

また認知行動療法に関する新たな潮流としては、疾患予防やメンタルウェルネスといった治療ではない形のアプリケーションが多くリリースされています。この領域では瞑想アプリのCalmはユニコーンの仲間入りを果たしており、アメリカでは非常にポピュラーなアプリケーションになっています。ポジティブ心理学など疾患の治療ではなく人生をより充実させるための手段が充実してくる中で多様なアプリケーションが期待されます。

日本人は日常的なメンタルケアへの関心はあまり高くないように感じますが、アメリカほど対面のカウンセリングが普及していないからこそ、テクノロジーを用いたメンタルケアが普及する素地はあるかもしれません。(執筆:矢部立也

「Holoash」の岸慶紀氏、Collision 2019に〝駆け出しスタートアップ枠〟で選ばれ出展——AIの都で投資家やメディアからの評判も上々 #CollisionConf

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本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。 トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。 Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がること…

Collision 2019 にブース出展中の Holoash 岸慶紀氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2019 の取材の一部である。

トロントで開催中の Collision 2019 に、日本から「Holoash」の岸慶紀氏が参加しているのを発見した。Collision が駆け出しのスタートアップに出展枠を提供する「ALPHA」に選ばれたそうだ。

Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」というアプローチで、問題解決を試みるスタートアップ。

同社は認知科学に基づいたホログラフィックインタフェイス「Holoash」の開発を進めているが、その一つ手前のステップとして、キャラクタとのやりとりのみをメッセンジャーを使って行えるアプリ「Nao.(ナオ)」を iOSAndroid 用にローンチしている。ハードウェアを量産するまでは道のりが長いので、Nao. を足がかりに共感してくれる投資家や協力者を集め、Holoash につなげる狙いだ。

Collision への出展、国内より世界展開を優先したことから(岸氏曰く、この分野へは日本よりも欧米からの反響の方が高いそうだ)、Nao. が対応できるのは英語でのやりとりのみ。日本語の追加実装は、今後、1ヶ月程度を目途に進めるようだ。

Nao.
Image credit: Holoash

先の記事でも書いたように、トロント、ウォータールー、モントリオール周辺は人工知能や深層学習に強い土地柄で、この分野に強い投資家や分野特化型のメディアも多い。ブースを開設した今朝からは、データアナリティクスツールの MATLAB のメンバーが訪れたほか、投資家からの問い合わせやメディアからの取材が相次いでいるようだ。

岸氏はまた、Holoash がプレシードラウンドで Momentum の高頭博志氏から資金調達したことを明らかにしてくれた。高頭氏はクラウドファンディングサイト「Readyfor」の立ち上げメンバーとしても知られる人物だ。この資金を糧に、今年初めには、Amazon でエンジニアだった Shekhar Upadhaya 氏がデータサイエンティストとしてチームに加わっており、同社の技術開発の加速が期待される。

Holoash は昨年、Y Combinator の Startup School の参加対象に採択。また、Accenture HealthTech Innovation ChallengeHealth 2.0 Asia-Japan 2018 のピッチコンペティションMonozukuri Hardware Cup 2019 でファイナリストに選ばれた。これまでに、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。

Collision 2019 のブースエリア
Image credit: Masaru Ikeda