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シリーズ:食への挑戦

シリーズ:食への挑戦

世界的に食糧や環境の問題意識が高まっている。代替・人工肉などを手掛けるImpossible Foodsは牛肉だけでなく、牛乳や魚、鶏肉などの開発を急ぐため、研究開発人員を倍増させる。一方の日本も農業就業人口の激減など、テクノロジーによる改革が待ったなしの状態だ。シリーズで関連する話題をお届けする

MUGENLABO Magazine

シリーズ:食への挑戦の話題

【EC化するコンビニ】生活品を30分配達「goPuff」が39億ドル評価へ(1/3)

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。 消費財(FMCG:Fast Moving Consumer Goods)のEC販売は、世界的に見ても成長市場となっています。2018年、オンラインFMCG販売高成長率は世界平均で20%、米国では35%となっており、飛び抜けた高さを見せています。代表例がコンビニです。コンビニの店舗数は15万店超。パ…

Image Credit:goPuff

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。

消費財(FMCG:Fast Moving Consumer Goods)のEC販売は、世界的に見ても成長市場となっています。2018年、オンラインFMCG販売高成長率は世界平均で20%、米国では35%となっており、飛び抜けた高さを見せています。代表例がコンビニです。コンビニの店舗数は15万店超。パンデミック以前には毎日1.65億人が利用していました。米国では2019年のGDP21.4兆ドルの内、約3%に相当する6,478億ドルがコンビニ市場規模となっています。2020年度のコンビニ市場規模自体はコロナの影響で減少していると推測されますが、以前から成長していたEC化は著しく進んでいると考えられます。

コンビニ・消費財EC市場には、Amazon・Instacart・Uber・Postmastes・DoorDash・SevenEleven(米国)に至るまで多数のプレイヤーが参入するレッドオーシャンとなっています。そしてこの中で頭角を現しているのが30分以内にコンビニで並ぶような生活品を配達する24時間営業のオンライン・コンビニ「goPuff」です。10月8日には3億8,000万ドルの調達を発表し、企業評価額は39億ドルとされています。

goPuffの提供価値は、競合他社より早く多くの商品の中から好きな物を届けることにあります。同社は大学生向けの生活品配達事業として開始し、夜中のふとした瞬間にアイスやスナック菓子が欲しくなった際、すぐに商品を配達する衝動買い需要を満たすサービスとして立ち上がりました。今でもこうした需要を獲得しており、配達料金一律1.95ドルと安めの設定で人気を得ています。現在、500以上の拠点を運営し、2,500以上の商品を扱っているそうです。Crunchbaseによる予想収益は年間1億ドルほどとなっていました。(次につづく)

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

シンガポール発エビ培養肉開発のShiok Meats、シリーズAで1,260万米ドルを調達——リアルテックHDや東洋製罐HDらも出資

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<1日午前11時更新> リアルテックホールディングスに表記を訂正(ファンド名ではなく法人名に統一) シンガポールを拠点にエビ培養肉を開発するスタートアップ Shiok Meats は29日、シリーズ A ラウンドで1,260万米ドルを調達したと発表した。 このラウンドはサステイナブルな養殖に特化した投資ファンド Aqua-Spark(オランダ)がリードし、SEEDS Capital(シンガポール企…

Shiok Meats のチーム。中央の2人左側から Sandhya Sriram 氏、Ka Yi Ling 氏。
Image credit: Shiok Meats

<1日午前11時更新> リアルテックホールディングスに表記を訂正(ファンド名ではなく法人名に統一)

シンガポールを拠点にエビ培養肉を開発するスタートアップ Shiok Meats は29日、シリーズ A ラウンドで1,260万米ドルを調達したと発表した。

このラウンドはサステイナブルな養殖に特化した投資ファンド Aqua-Spark(オランダ)がリードし、SEEDS Capital(シンガポール企業庁 Enterprise Singapore の投資部門)、リアルテックホールディングスリアルテックファンド(日本のユーグレナ、リバネス、SMBC 日興証券によるファンド)、Irongrey(韓国のテック投資ファミリーオフィス)、Yellowdog Empowers Fund(옐로우독、韓国)、Ilshin Holdings(シンガポール)、東洋製罐グループホールディングス(日本、東証:5901)、Veg Invest Trust(アメリカ)、Makana Ventures(シンガポール)、AiiM Partners(アメリカ)、Beyond Impact(ヨーロッパ)、Kelvin Chan Siang Lin 氏(シンガポール)、Alex Payne 氏(アメリカ)、Nicole Brodeur 氏(アメリカ)も参加した。

Shiok Meats にとっては、2019年のプレシードラウンド(50万米ドルを調達)、2019年のシードラウンド(460万米ドルを調達)、2020年のブリッジラウンド(300万米ドル)の調達に続くもの。今回参加した東洋製罐グループホールディングスにとっては、これが初のスタートアップ投資で、食のインフラ企業の立場から、食糧・タンパク質危機、気候変動、海洋汚染の社会課題を抱えるアジア地域において、培養エビや甲殻類製品を食卓に届ける社会実装に向け共に取り組みたいとしている。

Shiok Meats は、Sandhya Sriram 氏と Ka Yi Ling 氏という、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)に在籍していた2人の幹細胞研究者によって2018年8月に設立された。主力製品はのエビの細胞培養肉で、ShiokMeats は、エビ養殖に代わるクリーントレーサビリティの高い代替品になる可能性があると説明している。Shiok Meats によれば、世界のエビ市場は500億米ドル規模で、ベトナム、タイ、インドネシア、インドが主な生産国となっている。

Shiok Meats のエビ培養肉を使ったシュウマイ
Image credit: Shiok Meats

現在、ほとんどのエビは混雑した工場や農場で飼育され、抗生物質や化学薬品、ホルモン剤で処理されている。さらに、従来の生産プロセスは、しばしば乱獲、過度の混獲、虚偽表示、ラベル表示の誤り、排水、重金属、マイクロプラスチックによる汚染の一因となっている。(同社声明から引用)

Shiok Meats は、クリーンな食肉を生産することで、これらの問題に対処することを目指しており、業界の温室効果ガス排出量を96%、エネルギー消費量を45%、土地使用量を99%、水の消費量を96%削減できるという。アジア太平洋地域の消費者をターゲットに見据えており、餃子やその他のエビを使った料理用のエビ細胞培養肉の他、エビ風味ペーストやパウダー、完全成型の 3D エビ、カニ細胞培養肉を使った製品を今後数年のうちに発表する計画だ。

Shiok Meats は今年7月、同じく細胞培養肉開発スタートアップである日本のインテグリカルチャーと共同研究の開始を発表している。SDGs の3つの項目(8. 働きがいも経済成長も、13. 気候変動に具体的な政策を、14. 海の豊かさを守ろう)の観点からもエビ養殖のあり方を根本的に考え直す取り組みはアジアを中心に活発化しており、日本のウミトロンが世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods(タイ証取:CPF)とオートメーション技術による「次世代サステナブル海老養殖モデル」の実現に向け提携したのも記憶に新しい。

<参考文献>

米国で本格ラーメンEC「Ramen Hero」ーー売上は昨年比3倍、新体験「Zoomen」とは(後編)

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Zoom + Ramen = Zoomen !? (前回からの続き)長谷川氏曰く、ラーメンを楽しく層は大きく分けて2種類いるのだそうだ。一人で楽しむ層と、誰かと一緒に食べるグループ顧客層である。 長谷川氏:米国では日本のように一人でふらっとラーメン屋に立ち寄ることはハードルが高い印象です。たとえば、会社帰りにラーメンを食べるという習慣が文化的に合いません。誰かと一緒に楽しむことがラーメンを外食とし…

画像提供:Ramen Hero

Zoom + Ramen = Zoomen !?

(前回からの続き)長谷川氏曰く、ラーメンを楽しく層は大きく分けて2種類いるのだそうだ。一人で楽しむ層と、誰かと一緒に食べるグループ顧客層である。

長谷川氏:米国では日本のように一人でふらっとラーメン屋に立ち寄ることはハードルが高い印象です。たとえば、会社帰りにラーメンを食べるという習慣が文化的に合いません。誰かと一緒に楽しむことがラーメンを外食として楽しむ前提にあります。ボッチメシということに対しての抵抗が高いのです。

そこにコロナが直撃し、在宅で食事をする生活習慣が一般化したんです。Ramen Heroが一人でラーメンを楽しみたい層に刺さり、これまで在宅でラーメン体験をしたことがなかった人との接点が生まれ、顧客数が伸びています。

なにより、家族やカップル、友達との共有体験での共有体験としてのラーメンを楽しむ提供価値が、過去半年ほどの売上分析から認識されたという。一人で食べるのではなく、誰かと一緒に食べることで体験が強化される。誰かと一緒に食べた結果、「予想以上に美味しかった」といった体験が実現される。こうした体験ニーズが如実に数値で出てきたとのこと。

一例として「Zoomen」を挙げてくれた。Instagramのハッシュタグに投稿されたらしいが、遠隔に住む恋人同士が、Zoom越しにRamen Heroを楽しむ共有体験が発信されたとのこと。

美味しいと感じる要素の2〜3割は食品そのものの味であるという。残りは視覚や聴覚が占める。これまでRamen Heroはハイクオリティを重視して、2〜3割の味を極めてきた。残りを強化するフェーズで鍵となるのが「共有体験」なのだ。長谷川氏は次のように総括する。

長谷川氏:UberやAirbnbが登場した際、誰もそんなモノは使わないだろうと言われました。しかし、今となっては誰もそれらがなかった頃には戻れないほどに生活に定着しています。同じくグルメフードも、以前は外で食べるものという認識が大半だったと思いますが、今後は自宅でも食べるものという認識に変わってくるはずです。

コロナの影響で外食産業がひどく落ち込んでいますが、レストランでの食事体験は確実に人々が求めるもので、いずれは戻ってくるでしょう。同時に、コロナ禍で浸透した自宅でグルメを楽しむという体験も、今後当たり前の消費行動として定着していくと踏んでいます。Specialty Foodの自宅体験は不可逆的なものとして市場に浸透し、成長市場になるはずです。

米国No.1の「日本食EC」を目指して

画像提供:Ramen Hero

最後にRamen Heroが目指すビジョンについて尋ねたところ、その答えとして「日本食のプラットフォーム」という回答を得た。真意はなんなのだろうか。

長谷川氏:基本的に食に関する事業は、多額の初期投資が必要となります。受注から配送までの一連の業務プロセス、フルフィルメントを0から立ち上げるのは至難です。特に食となれば、特別な知識や倉庫管理能力が問われます。専門家と協業する目利きをする必要も出てきます。

この点、Ramen Heroはハワイとアラスカ州を除いた全米48州への販路を開拓済みです。その上で、私たちが持つ食の販路に相乗りしたい事業者が多くいることを確認しました。すでに何社かのラーメンブランド商品を卸したいというお話があり、計画を動かそうと思っています。

高品質な日本食を届けたい事業者と一緒に市場を盛り上げるため、私たちの持つ販路を共有し、インフラとして使ってもらう「日本食のプラットフォーム」を戦略ビジョンとして掲げています。まさに日本食版のAmazonマーケットプレイスのように、Ramen Heroの販路に相乗りして食品展開できる考えです。

確かに多くの日系食品企業が北米に参入しているが、彼らはクローズドに販路を開拓していて他社が乗り込む余地はない。そこでRamen Heroは日本企業が独自に開拓してきた食販路をあえてオープンにし、掲げる「ハイクオリティな日本食」を提供する事業者が参加できるようにしようというのだ。

この考えに至ったきっかけはRamen Heroが運営するFacebook Groupであったという。新作ラーメンの写真を載せてフィードバックを求めた際、ラーメンではなく赤い有田焼の日本製丼に対して、「その丼かっこいいね、欲しい!」というコメントがあったそうだ。ただ、教えたECサイトは日本語仕様であり、米国まで国際輸送で購入するのは難しい。

そこで彼は自社ラーメンでなく、関連グッズ、広くは美味しい他店のラーメンに対しても同じく高いニーズがあると仮説を立てた。もちろんRamen Heroのコアファンであるため、自社ラーメンへの要望が著しく高いのは言うまでもないが、元々日本食全般を好む人が多くいるため、顧客のニーズ全般を取り込めば面白いのではないかとアイデアに至ったのだ。今後は食器や調味料などの周辺商材も売る予定という話だった。

画像提供:Ramen Hero

社名に「Ramen」とあることから、ラーメンECの専門業社に思えるがそこだけで終わらない。ラーメンからはじめて、高品質な日本食ブランドのプラットフォームにまでサービス昇華を狙っていく戦略を描いている。

一時、シリコンバレーでは「Distruption – 破壊」の言葉が踊り、大手企業等が寡占する市場構造を変えることが正義であるとされていた。しかし、昨今では「Empowerment – 自信・力を与えること」がトレンドワードとして意識されている。

あらゆる業界でSaaS化が進み、サービスがありふれてきた既存市場では競合優位性を磨き上げるのではなく、業者同士を束ねて協力して盛り上げていく志向が求められるようになった。Ramen Heroもこの流れに乗り、米国市場に興味のある食ブランドを誘致し、自らのフルフィルメントを自社だけで抱えるだけでなく、共有することで一緒に市場開拓する路線を採ろうとしている。

それもこれも、長谷川氏が掲げるミッション「顧客にとってのDestination(行き先)になる」に帰結する。全米への販路を拓き、オーダーも十分にさばけるようになった。全ては顧客のために、ラーメンだけでは終わらない一大戦略が動き出す算段だ。

最後に余談を話そう。サンフランシスコの一緒のシェアハウスに筆者が長谷川氏と住んでいた時(Anyplaceの内藤氏もいた)、同氏が日本の香川県へ急に飛んだのがたしか5年ほど前だった。お客として住み込んでいた筆者が、主人不在のハウスを付きっきりで面倒を見ており、帰ってきてから突然ラーメン学校へ行っていた真相を聞いて驚いたのを昨日のことのように憶えている。

その時は何をしたいのかわからなった。

当時はハウスメンバー誰もが起業を志していたが、ラーメンというドオフライン事業はリスクが大きすぎる印象で、まず嫌厭するテーマだった。シリコンバレー界隈にいた周りの人たちも同じ感想だっただろう。

月日は経ち、厳しい海外市場で生き残り、そして成長しているRamen Heroの記事を書いているのは感慨深い。大きな課題が明確にあるのが米国のラーメン市場であるが、なにより自分が心底熱心に、そして好きが続くモノであれば結果が形となることを学んだ。たとえ起業の教科書に反するようなテーマでも、愚直に続ければ形となる好例がRamen Heroだ。これこそが起業の本質なのかもしれない、と。

5年・10年後には日本食ブランドはどうなっているのか。想像するだけで心が躍る。

米国で本格ラーメンEC「Ramen Hero」ーー 日本人起業家が目指す「世界的ブランド」確立への道(前編)

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鳴り物入りで登場したラーメン屋が、今やラーメンの域を超えてまでの成長を見せようとしている。 日本人起業家の長谷川 浩之氏が立ち上げた「Ramen Hero」は誰でも10分で本格ラーメンを作って楽しめる料理キットを販売するEコマース企業。2017年から米国カリフォルニア州で販売を開始し、現在は48州展開。2019年の注文数は6,000件超、売上は前年度比283%成長した。 いわゆる「ラーメン・スター…

Ramen Hero創業者、長谷川浩之氏

鳴り物入りで登場したラーメン屋が、今やラーメンの域を超えてまでの成長を見せようとしている。

日本人起業家の長谷川 浩之氏が立ち上げた「Ramen Hero」は誰でも10分で本格ラーメンを作って楽しめる料理キットを販売するEコマース企業。2017年から米国カリフォルニア州で販売を開始し、現在は48州展開。2019年の注文数は6,000件超、売上は前年度比283%成長した。

いわゆる「ラーメン・スタートアップ」がRamen Heroだ。誰もが一見すると、スタートアップが避けるべきオフラインコストのかかる事業だと感じる。ただ、市場機会は明るい。近年は毎年17%前後でラーメン店舗数が増えているという米国。

市場規模は42億ドルほどだが、同市場は未だ旧態依然としている。多くの店が業務用のスープを薄めて提供するスタイルを採用しており、どの店も同じ味になっていたり、見様見真似でラーメンとは呼べないようなものを出していて、クオリティの高い店鋪は全米の中でもごくわずかだ。日本のラーメンチェーンがニューヨークやロサンゼルスなど一部の大都市で店舗展開をし、本格ラーメンを提供するケースもあるが、提供地域は限定的で、EC化も進んでいない。

スタートアップの成長志向の考えが行き渡っていないため、イノベーションが起こっていないのが現状と言える。そのため十分に市場寡占できる可能性を秘めるのがラーメン市場であり、ここに目をつけたのが長谷川氏である。

本記事では長谷川氏への取材をもとに、Ramen Heroのビジネスを紐解いていきたい。

Ramen Heroの提供価値は「ハイクオリティ + 手軽さ」

画像提供:Ramen Hero

元々Ramen Heroは、真の日本ラーメン店へアクセスできない、「アクセシビリティ」の課題解決を目指し立ち上がった。アクセシビリティには2種類存在する。1つは文字通り、店舗へアクセスできない問題だ。

長谷川氏:米国市場では、味千ラーメンや一風堂といった大規模チェーン、最近ではAFURIや凪といった東京で人気を博し、海外にも出店を進めているグループが展開しつつあります。また、都内でラーメンファンに人気の個人店が国内展開もほどほどに、米国に出店するケースなども少しずつ出てきました。

しかしラーメン店のほとんどが都市部にあります。特にニューヨークが激戦区です。ただ、店舗数は限られ、行列が長くあり、時間をかけないとラーメンを楽しめません。そもそも、米国人口50%超の1.75億人が住む郊外では本格ラーメンを楽しめる機会はほとんどありません。また、仮に店舗が近くにあっても、忙しかったり、小さい子供がいる家族層はなかなか足を運べません。

もう1つのアクセシビリティはスキルだ。続けて同氏は次のように語る。

長谷川氏:米国のラーメン店では専門店はごく一部。日本食やアジア系のレストランを中心にラーメンが提供されているのが大半です。ですが多くの場合、ラーメン作りの経験がある人が厨房にはいません。往々にしてベンダーが作っている濃縮スープなどのラーメン商材を使って提供されています。

家賃や回転率など、様々な事情から構造的にそうせざるを得なくなっているのですが、種類が限られているためどの店舗へ行ってもだいたい似たような味が提供されます。色々と食べ歩いてみましたが、日本で食べられるような本格的なラーメンを楽しめる場所がほとんどありませんでした。

そこでRamen Heroはソリューションとして、高品質、かつ手軽に調理できるラーメンをEC販売することにした。ラーメンの調理経験がなくとも全米のどこに住んでいても本格ラーメンを気軽に楽める機会を提供し、新たなアクセシビリティを生み出しているのだ。

画像提供:Ramen Hero

長谷川氏がRamen Heroを説明する際、すぐに理解してもらうために「ラーメン・ミールキット」のフレーズを用いていた。しかし本質はそこにはない。確かに業態はミールキットであるが、提供価値は違うところにある。まず、従来のミールキットに関して次のように語る。

長谷川氏:米国で展開されるミールキットサービスは一通り試しました。BlueApronのように食材とレシピが一緒に届くもの。Freshlyのようにパッケージ化されてレンジに入れればすぐに出来上がるものまであります。どちらも大きく成長しています。ただ、味は特別美味しいというわけではありません。

そもそもミールキットの配達が大変である問題もあるため、完成度はまだまだこれだと感じたのが正直なところです。まだ発展途上であり、これからに期待といったところなので逆に言えば、味のレベルがそこそこのものであっても事業として成立し、上場できるほど寛容で巨大な市場があります。

それではなぜ市場は寛容性を保っているのかと考えました。答えとして、ミールキットの本質的な提供価値に行き着きました。それは「面倒さの代行」です。買い物に行く面倒や、レシピを考える面倒を解決するのが従来のミールキットであるため、味は二の次。そのため、例え食品自体の完成度がそこまで高くなくても支持されているのです。

従来のミールキット事業者は、様々な競合を迎える必要がある。生鮮食材配達の「Instacart」や「GoodEggs」のようなプレイヤーや、食品配達の「UberEats」「DoorDash」、在宅が増えて自炊する機会が増えれば、自前の料理とも競合することになる。「面倒さの代行」の代わりの手段はいくらでも出てくるレッドオーシャン市場だ。

一方、Ramen Heroの「高品質な食品へのアクセシビリティ」の代替手段はほとんど存在しない。日本のラーメン学校で学んだ日本人起業家が立ち上げた、在宅で楽しめるラーメンブランドは皆無、つまりブルーオーシャン市場を選んだのだ。自炊しようが食材配達サービスを使っても穴埋めできない価値だ。

それゆえ、一見してミールキットサービスに見えるRamen Heroは、全く違う領域で市場を攻略しようとしている。ニッチに見えて北米のラーメン市場は4,000-5,000億円規模。これを寡占できる巨大な商機を独り占めできる非常に理に沿った、賢い戦略を採用しているのだ。

画像提供:Ramen Hero

また、ターゲット領域として「Speciality Food」のポジションを狙っていくのだという。日本で言えば、成城石井のような高級スーパーで扱われている食品がまさに該当するだろう。現在はフローズンフードが伸びている同市場は1,500億ドルほどの規模があるという。小売市場全体で見れば「Luxury Commerce」と呼ばれる領域だ。

Speciality FoodのEC化は2.5%程度で、市場規模は30億ドルほど。長谷川氏はEC化が10-15%まで伸びると踏んでいるとのこと。このEC領域を狙う。

少し値段は張るが、満足度の高いEC食品プロバイダーとしての認知をこれからも目指すという。近くの中途半端なラーメンしか出さない、中途半端に高い日本食レストランに行くのと同じ予算間であるならば、冷凍で長期保存ができ、食べたい時にさっと取り出して10分ほどで高品質なラーメンを作れるRamen Heroを楽しもう、といった選ばれ方を目指す。(後半に続く)

DAIZの植物肉を使ったハンバーガー、9月から全国のフレッシュネスバーガーで販売開始

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから 熊本を拠点に発芽大豆由来の植物肉を開発・製造するスタートアップ DAIZ は31日、同社の植物肉「ミラクルミート」をパティに使ったハンバーガー「THE GOOD BURGER」を9月1日からフレッシュネスバーガー全店舗で販売すると発表した。 THE GOOD BURGER は、8月12日から首都圏の一部店舗で検証販売が…

フレッシュネスバーガー自由が丘店でオーダーした「THE GOOD BURGER」
Image credit: Masaru Ikeda

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

熊本を拠点に発芽大豆由来の植物肉を開発・製造するスタートアップ DAIZ は31日、同社の植物肉「ミラクルミート」をパティに使ったハンバーガー「THE GOOD BURGER」を9月1日からフレッシュネスバーガー全店舗で販売すると発表した。

THE GOOD BURGER は、8月12日から首都圏の一部店舗で検証販売が実施されていた。DAIZ の植物肉を用いた大豆パティをテリヤキソースにからめ、低糖質バンズと野菜で挟んだ仕上がりとなっている。

飲食チェーン大手コロワイド(東証:7616)傘下のフレッシュネスバーガーは、全国に183店舗を展開し国内では店舗数で第6位。THE GOOD BURGER は、9月1日から9月末日まではフレッシュネスバーガーのアプリ会員にのみ限定で先行発売され、10月1日から全ての顧客に販売される。

DAIZ は、大豆の代謝に注目した独自の栽培法である特許技術「落合式ハイプレッシャー法」で大豆を発芽。発芽中に、酸素、二酸化炭素、温度、水分などの生育条件にプレッシャーを与えることで酵素が活性化し遊離アミノ酸量が増加、大豆の旨味を引き出す。独自の膨化成形技術により、他の原料や添加物を何も足さずに、肉の様な食感を再現する。

同社は今年5月、シリーズ A ラウンドで6.5億円を調達した。累計調達額は12億円。

生鮮食品配達の「オートパイロット化」を目指すJupiter、その3つの特徴とは

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 コロナ禍で生鮮食品配達市場が大きく伸びているようです。 例えばこの領域の代表格、Instacartは一気に6倍にまで急増しているというデータもあり、その他も総じて成長市場になっています。ここで登場したのが「Jupiter」です。同社はInstacartとほぼ同じ、生鮮食料品配達事業を展開しているので…

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Image Credit:Jupiter

本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

コロナ禍で生鮮食品配達市場が大きく伸びているようです。

例えばこの領域の代表格、Instacartは一気に6倍にまで急増しているというデータもあり、その他も総じて成長市場になっています。ここで登場したのが「Jupiter」です。同社はInstacartとほぼ同じ、生鮮食料品配達事業を展開しているのですが「対話型の購入体験」「需要予測」「会員制」の3点で異なります。

1つ目の「対話型の購入体験」では、顧客データを収集し、サービスの最適化に活かしている点が挙げられます。Instacartの購入フローでは、顧客が毎回食材を選ぶ必要があります。しかしJupiterが目指すのは「オートパイロット(配達自動化)」です。カートに事前に商品を入れて、顧客に選んでもらう体験フローを目指しています。

日本では食材配達サービス「Oisix(オイシックス)」が同様の体験を提供しています。同社は事前にカートに食材を入れておき、顧客に選んでもらうフローを重視しています。「食材選択データ」と「購入データ」の2つを分析した上で、毎回適切な食材を提案できるように、「カートのメディア化」とでも言える施策を打っているのです。

単に提案した商品をそのまま購入し続けてもらう、購入フローが自動化された体験では、顧客満足度が下がり、いずれ離脱してしまいます。そのためあくまでも楽しく購入できる「能動的な選択」を重視しているのが特徴です。

現在のJupiterでは、まさにこの対話型の体験が実現されています。Jupiter側で毎週顧客の趣向に沿った内容のカートが用意されており、顧客は内容を編集するだけ。ここにInstacartとは違う提供価値があります。単に利便性が高まっているだけではなく、顧客とプロバイダー側が商品選択において対話する軸は、満足度を高める上で非常に重要な点になってきます。

そして食材を提案できるようにJupiterは食品サプライヤーと直接提携し、注文が処理される独自の中央倉庫ハブを持っています。各生鮮食料品点の在庫データとの連携を不要とし、オペレーションの簡素化や注文処理における変動値を極力抑えることができます。

データドリブンなアプローチで各顧客にパーソナライズ化した商品カゴの提案ができるのは、常に該当商品を提供できるほどの在庫を確保できているためです。Instacartのようにいざ買ってみると商品がなかったという事態を防げると同時に、商品カートの選択・購入データから、仕入れ量の事前予測が可能となります。

顧客の購入データの事前予測とサプライチェーンを完全に同期させ、事業の最適化を図るーー。これが2つ目の「需要予測」に繋がります。

そして3つ目が「会員制」です。一連の購入体験を実現するために、Jupiterがターゲットするのが比較的予算のある富裕層です。月額20ドルの会費を支払ってまで、多少値の張る食材を購入したい意思を持つ人を狙っています。同社は自らを「贅沢なInstacart」と呼んでいますが、まさによりアップグレードされた食材配達サービスを望んでいる層を狙っています。

一見、スケールするのは難しい印象を持つかもしれませんが、顧客の食材選択からレシピ提案、ミールキット提供という「食材購入における川上から川下」まで幅広くサービス提供できる裾野を持っているのがJupiterです。

競合には累計6,500万ドルを調達している「Good Eggs」があり、同社もサプライチェーンから一括で自社管理できる体制を確保しています。今後は顧客データと物流の両方を抑えた、ヘビーなビジネスモデルを持った配達事業者に注目が集まるかもしれません。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

タイの起業家が開発した植物由来代替ミルク、牛乳アレルギーに苦しむ人に福音となる「Sesamilk」とは

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2016年、タイのゴマビジネスで10年以上の経験を持つ起業家 Siripen Suntornmonkongsri 氏は、自身の専門知識を活かして、人々に正しい方法でゴマを摂取することを促すだけでなく、環境にも優しい製品を開発することを決意した。 そうしてまもなく、彼女は食品科学者でバンコクのモンクット王工科大学ラートクラバン校教授でもある2人—— Napatrapee Luengsakul 氏と …

CEO Siripen Suntornmonkongsri 氏(左)と、取締役 Wattana Suntornmonkongsri 氏(右)
Image credit: Sesamilk Foods

2016年、タイのゴマビジネスで10年以上の経験を持つ起業家 Siripen Suntornmonkongsri 氏は、自身の専門知識を活かして、人々に正しい方法でゴマを摂取することを促すだけでなく、環境にも優しい製品を開発することを決意した。

そうしてまもなく、彼女は食品科学者でバンコクのモンクット王工科大学ラートクラバン校教授でもある2人—— Napatrapee Luengsakul 氏と Tongchai Puttongsiri 氏——と出会い、アイデアを練り上げた。

我々の研究は良い結果をもたらし、それが2018年に Sesamilk を開発することにつながった。(Suntornmonkongsri 氏)

Sesamilk とは?

Image credit: Sesamilk Foods

Sesamilk は、タイ国家イノベーション庁のアクセラレータ「Space-F」第1期に採択された Sesamilk Foods が開発した代替乳製品で、脂肪分が豊富なタイ産の高級ゴマから抽出され作られる。

他の植物由来ミルクとは異なり、Sesamilk は天然の種子から抽出されます。2019年3月に発売されたこの製品には、健康に有害な成分は一切含まれてい無い。

世界中で、乳製品や豆乳にアレルギーを持つ人が増えている。この事実と相まって、ベジタリアンや健康志向の人が増えている。Sesamilk はこのような人々をターゲットにしている。(Suntornmonkongsri 氏)

ゴマは、ゴマの木のさやに入っている、油分を多く含んだ小さな種子だ。この種子には多くの潜在的な健康効果があり、何千年も前から民間療法で使用されてきた。

アジアでは、ゴマの種は饅頭のふりかけに使われ、油は料理に広く使われている。しかし、油やふりかけとして使用した場合、その栄養素はそのままでは人体に吸収されない。

飲み物 にすると、ゴマの栄養素をまるごと人体に吸収させることができる。さらに注目すべきは、ゴマにはガンの治療薬が含まれていると言われていることだ。(Suntornmonkongsri 氏)

健康への効能

Image credit: Sesamilk Foods

Suntornmonkongsri 氏は、Sesamilk にはセサミン、セサモリン、セサモールなどの栄養素が含まれていることを指摘している。セサミンは、熱発育と脂肪の酸化を高め、脂肪燃焼酵素を調節し、脂肪の貯蔵を減少させ、インスリン感受性を高め、ケトン体の形成を促進することができる。

また、セサミンは強力な抗酸化物質でもあり、体内のコレステロール値を低下させ、HDL レベルを調整し、血圧を低下させ、肝臓と腎臓の健康を改善する。

我々は「機能性ミルク」と呼んでいる。Sesamilk には、豆乳に黒ゴマを混ぜたものよりもセサミンが128倍も含まれており、成長ホルモンやコレステロールが含まれていないため、牛乳よりも健康的で、アレルギーの心配も無い。

Sesamiilk は自然由来のもので、1歳未満の子供でも食べることができ、乳糖不耐症、牛乳アレルギー、ベジタリアン、ビーガンの方にも利用できる。(Suntornmonkongsri 氏)

現在、Sesamilk はタイ国内の約500店舗(オンラインとオフライン)で販売されている。また、日本、マカオ、香港、ベトナムにも輸出されている。

タイだけでなく、日本のようにゴマの利点をよく知っている国からも、お客様から良いフィードバックを得ている。(中略)

我々はまた、グローバル市場での Sesamilk の事業機会を見出している。牛乳代替品として、Sesamilk は、泡立ちが良く、コーヒーや飲料と相性が良いので、HORECA(ホテル・レストラン・カフェ業界)、中でも特にカフェで大きなチャンスがあると考えている。(Suntornmonkongsri 氏)

同社は Sesamilk の生産に加え、タイでゴマ農業を推進している。ゴマは干ばつに強いため、経済的かつ持続可能な事業だ。

挑戦

認知度を高めることは、Sesamilk にとって、最初から大変な作業だったと CEO は認めている。先発企業として、同社はマーケティング活動に多くの投資をし、同時に多くの国でブランドの認知度を高めようとしなければならないかもしれない。

資金調達もまた、我々が成長する上で重要な部分を占める。シンガポールの Lee Choo Chien 氏とタイの Somchai Hirunyakorn 氏という2人のエンジェル投資家から、すでに最初のシード資金調達を受けている。しかし、今年はさらに拡大するために、より多くの資金を調達する予定だ。(Suntornmonkongsri 氏)

この分野では、シンガポールの TurtleTree Labs が競合しており、同社は細胞ベースの技術を用いて動物を必要とせずに牛乳を作ることができる。1月には、サウジアラビアの起業家兼投資家アルワリード・ビン・タラール王子が所有する VC の KBW Ventures が TurtleTree Labs に投資した

【via e27】 @e27co

【原文】

2人のインド人ヴィーガンが立ち上げた、植物由来代替卵スタートアップEvo Foods

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代替肉製品は最近、スーパーマーケットやファーストフードチェーンでもヒットしており、注目を集めている。インドでは、あるスタートアップが植物由来の液体卵を製造し、この分野での違いを生み出そうとしている。

Evo Foods の COO Shraddha Bhansali 氏は Tech in Asia に次のように語った。

クリーンなタンパク質製品、特に動物性製品に代わる植物由来の代替品の市場に需給ギャップがあることに気づき、これに対処すべく Evo Foods を立ち上げることにした。

Evo Foods の代替卵で作られたオムレツ
Image credit: Evo Foods

ムンバイに拠点を置く Evo Foods は、インドの第一級都市に住む5,000万〜6,000万人をターゲットに、昨年事業を開始した。Evo Foodsは、インドの伝統的な卵市場に対してクリーンなタンパク質の代替品を作るために、深層食品科学により豆類などの植物からタンパク質を抽出しているという。

このスタートアップは、コレステロール、抗生物質、動物虐待のないインド初の100%植物由来の液体卵を開発したとしている。また、従来からの卵の味、食感、タンパク質含有量を効果的に模倣している。

報告書によると、2019年の世界の植物由来食品産業は42億米ドル規模とされている。インドは、インドネシア、ベトナム、ブラジルとともに、植物由来食品の有利な市場の1つと考えられている。

別の報告書によると、インドはアジア太平洋地域の植物性タンパク質市場の約10%を占めているという。同国の食品産業の価値は2023年までに5億6,500万ドル以上に達すると予想されており、これは主に中低所得世帯の購買力の上昇、若者の増加、健康志向の高い中高年層の人口が牽引している。

新型コロナウイルスの感染拡大はまた、アジアにおける代替タンパク質産業の成長を加速させる上で重要な役割を果たした。

潜在的な障害

しかし、Evo Foods は業界に内在するいくつかの課題とともに、厳しい競争に直面する可能性がある。結局のところ、大手企業がグローバルに展開したいと考えるのは当然のことだ。

例えば、アメリカを拠点とする Impossible Foods は、総額13億米ドルの資金調達を行い、現在、香港、マカオ、シンガポール、中国に進出しています。

イギリスを拠点とする Just は、インドを含むアジアへの進出も視野に入れており、植物由来の卵をより多く販売している。Just はすでに4,000万個の植物由来卵を販売しているいう。

インドでは、植物由来の牛乳を製造する Goodmylk や、インド工科大学デリー校が立ち上げた Plantmade などが、ヴィーガン用のパニール(編注:南アジア圏のチーズ)や植物由来のスクランブルエッグを販売している。

一方、Evo Foods の製品はまだパイロット段階。当初は7月に発売する予定だったが、ロックダウンの影響で10月に延期せざるを得なかった。

あるインタビューで、Evo Foods は同社の植物由来の卵が、今後8ヶ月間でベーキングにおける従来の卵の使用を置き換えることを期待していると述べた。別の頻繁な利用用途も考えられる。

左から:Evo Foods COO Shraddha Bhansali 氏、CEO Kartik Dixit 氏
Photo credit: Evo Foods

顧客への啓蒙、つまり植物由来の卵を消費することのメリットを顧客に納得してもらうことも課題だと Bhansali 氏は言う。

特に初期の段階では価格設定も問題となる。Evo Foods は以前、従来の卵よりも60%高い価格設定を計画しているとしていた。しかし同社は、生産量の拡大に伴い、2年程度でコストが下がると考えている。

我々はクリーンなタンパク質企業になりたいので、代替タンパク質業界に目を向けており、そのもとであらゆる種類の製品の定番ブランドになることを目指している。(Evo Foods CEO Kartik Dixit 氏)

しかし、同社は少なくとも今後3年間は、まず植物由来の卵製品と顧客教育に力を入れていくという。

グローバルな野望

Evo Foods は正しい道を歩んでいるようだ。これまでに、アメリカを拠点とするアーリーステージ VC の VegInvest、Wild Earthの 共同創業者 Ryan Bethencourt 氏、Shiok Meats の共同創業者 Sandhya Sriram 氏、アメリカを拠点とする VC の Big Idea Venturesから資金調達を行っている。

Big Idea Ventures は、5,000米万ドル規模の「New Protein Fund」を通じて、植物由来食品、食品技術、代替タンパク質に取り組む企業に投資している。

Evo Foods は、ニューヨークの VC が運営するフードテックアクセラレータの第2期に採択された。Bhansali 氏によると、この動きは彼らのスタートアップが来年末までにアメリカに進出するのに役立つだけでなく、将来的にはインド、東南アジア、オーストラリアにも進出することになるという。

Evo Foods のコアチームは、Bhansali 氏と Dixit 氏に加え、チーフフードサイエンティストらからなる。Bhansali 氏は、ムンバイでベジタリアンレストランとバーを経営するヴィーガンだ。また、3年前から環境に配慮したヴィーガンでもある Dixit 氏は、Evo Foods を設立する前、オンライン食料品デリバリプラットフォームと培養肉の会社で働いていた。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

陸上養殖の普及と共に増す、IT活用の「スマート漁業」の可能性

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ピックアップ:AKVA group ASA: Potential new land based project ニュースサマリー:ノルウェー拠点のAquacon社は、米国における陸上養殖事業の展開にあたり養殖機器の総合サプライヤーAKVAグループとのパートナシップを発表した。養殖機器や開発リソースの提供面での協業が期待されており、メリーランド州にて1万5000トンのサーモン陸上養殖が計画されている…

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Photo by mali maeder on Pexels.com

ピックアップ:AKVA group ASA: Potential new land based project

ニュースサマリー:ノルウェー拠点のAquacon社は、米国における陸上養殖事業の展開にあたり養殖機器の総合サプライヤーAKVAグループとのパートナシップを発表した。養殖機器や開発リソースの提供面での協業が期待されており、メリーランド州にて1万5000トンのサーモン陸上養殖が計画されている。

重要なポイント:日本の養殖産業が1990年代を境に横ばいになりここ10年は落ち込む一方、ノルウェーでは1980年代から毎年2桁を超える高い成長率で成長し2011年には日本の生産量を上回っている。これを支えるのがスマート漁業テクノロジーだ。スマート漁業のリーディングカンパニーのひとつであるAKVAグループとAquaconが、陸上養殖の大型施設設置を共同で推進することにより、陸上養殖を始めとした次世代型の養殖技術の社会実装を推進する起爆剤となりうる。

詳細情報:急成長するノルウェーの養殖産業を支えるAKVAグループは、自社内にソフトウェア部門を抱えているのが特徴。給餌システムのようなハードウェアに加え、養殖魚の管理や養殖施設の管理を行うソフトウェアの開発と販売を行う養殖機器の総合サプライヤーとしての活躍も見受けられる。

  • 主なプロダクトには、データに基づいた最適な給餌量の提案や環境調査データの管理を行うFishtalk Control、養殖生産現場の機器を制御するためのAKVA connectなどが挙げられる。
  • 国内にも、IT技術を活用したスマート漁業のプレイヤーは年々登場している。KDDIやNTTドコモのような大手通信事業者を始め、ウミトロンFRDジャパンオプティムなどのスタートアップが挙げられ、流通面での企業としてはUUUOなどが挙げられる。
  • KDDIでは、IoTセンサーを活用し、水温・酸素濃度、塩分などの環境データを自動測定することで、無線通信回線を活用しクラウド上にデータを可視化&蓄積させ鯖の養殖事業効率化を目指す取り組みを行っている。また、ドローンを活用した早期の赤潮検知でマグロ養殖漁業者の負担と作業効率化を目指す取り組みなどが推進されている。
  • NTTドコモでは、ITスタートアップのアンデックスと協業し、カキ養殖における水温センサ付きブイを設置し、アプリ開発はアンデックス、通信モジュール部とクラウドサーバー管理はドコモが行うプロジェクトを実施。双日やISIDとのマグロ養殖事業におけるIoTやAI活用の実証実験を行うなど、他社との協業を積極的に進めている。
  • 一方、スタートアップのウミトロンでは、スマート給餌機や世界初のリアルタイム魚群食欲判定などの海中におけるスマート漁業ソリューションを提供する。また、小型衛星を2022年度に打ち上げ、養殖業における衛星データ活用を推進していくことも発表するなど、地上と宇宙の両方からのビジネスを推進している点で注目を集める。
  • 陸上養殖の国内企業としてはFRDジャパンが挙げられ、同社の閉鎖循環式陸上養殖システムでは、天然海水や地下水を使用せず、水道水を100%循環させながら水産養殖を行うことが可能。

背景:国内の養殖産業が停滞する一方で、スマート水産や陸上養殖を含めた次世代型養殖技術の市場規模は右肩上がりの成長の予測がなされており、今後より一層活況となっていくとみられる。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

水産養殖技術のウミトロン、衛星データを活用した高解像度海洋データ提供サービス「UMITRON PULSE」をローンチ

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シンガポールと日本を拠点に水産養殖技術を開発するウミトロンは28日、海洋環境データを可視化する Web サービス「UMITRON PULSE(ウミトロンパルス)」をローンチした。衛星リモートセンシング技術を活用し、世界中のさまざまなエリアの高解像度の海洋データを日次で確認することができるため、養殖事業者はより効率的な生育やリスク管理が可能となる。 UMITRON PULSE では現在、海水温、塩分…

シンガポールと日本を拠点に水産養殖技術を開発するウミトロンは28日、海洋環境データを可視化する Web サービス「UMITRON PULSE(ウミトロンパルス)」をローンチした。衛星リモートセンシング技術を活用し、世界中のさまざまなエリアの高解像度の海洋データを日次で確認することができるため、養殖事業者はより効率的な生育やリスク管理が可能となる。

UMITRON PULSE では現在、海水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル濃度、波高の海洋データを提供しており、画面を拡大・縮小することで、養殖場に近い局所的なデータと広範囲データの両方を確認することが可能。当日付の海洋データだけではなく、48時間以内の海洋環境変化を予測する機能も提供する。また海洋環境データ種類の増加、各種データの毎時更新、過去の海洋データとの比較分析機能の追加も予定している。近日中には、UMITRON PULSE のモバイル版アプリも公開の予定。

ウミトロンは2018年、産業革新機構、D4V、藤代真一氏、松岡剛志氏のほか、未来創生ファンドなどからなどから総額12.2億円を調達。昨年には、米州開発銀行(IDB)グループの IDB Lab から総額200万米ドルを調達し、ペルーのチチカカ湖で UMITRON CELL を使ったサーモントラウト養殖の効率化による地域経済活性化支援を開始した。また、世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods と提携し、エビ養殖場での PoC を開始した。今年初めには、愛媛の海でブランド魚を育てるプロジェクトのクラウドファンディングを成功させている

via PR TIMES