特集:未来のロボット・ドローンたち

DeepMind「MuZero」の破壊力:知識を学ぶ人工知能、現実世界への応用(4/4)

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現実世界への応用 (前回からのつづき)今後数カ月に渡りDeepMindは、MuZeroやモデルベースの強化学習プログラムの現実的な商用化の可能性の見極めにフォーカスする予定だ。 1つはインターネットトラフィックに関してであり、Silver氏によるとそれは動画ストリーミング領域だ。 (2019年には、すべての消費者の帯域幅の推定80%を動画が占めた。)動画はデジタルデータストリームをエンコードおよび…

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現実世界への応用

(前回からのつづき)今後数カ月に渡りDeepMindは、MuZeroやモデルベースの強化学習プログラムの現実的な商用化の可能性の見極めにフォーカスする予定だ。 1つはインターネットトラフィックに関してであり、Silver氏によるとそれは動画ストリーミング領域だ。 (2019年には、すべての消費者の帯域幅の推定80%を動画が占めた。)動画はデジタルデータストリームをエンコードおよびデコードするコーデックを使用して圧縮され、これらのコーデックには動画の種類によって調整する必要のあるパラメータを持っている。

「動画を圧縮してサイズを小さくすることができれば、すべてのインターネットトラフィックを大幅に節約できます。次にどの動画を見るかはわからないため、現実世界の多くの特徴を備えている私たちの学習アルゴリズムを適用できます。この種のプロジェクトは、将来性が非常に期待できるという初期段階での結果が得られ始めた一例にすぎません」(Silver氏)。

これに加えてDeepMindは、個別化医療や捜索救助など、環境の特徴が不明な現実のシナリオでMuZeroが問題を解決することを期待している。これは、MuZeroには制限がないことを意味するものではない。ボードゲームのディプロマシーHanabiのように複数の人々による意思決定が同時に行われ、意思決定にあたっての調整もしなければならないような情報が不完全な状況では、その複雑さゆえにモデル化することは不可能である。 (偶然にも、DeepMindは、ディプロマシーとそれに類似した状況設定に取り組むためのアルゴリズムの別のチームで開発している)。しかしSilver氏は、現在の状況であってもMuZeroは、特に強化学習に関して、AIや機械学習の分野における大きな進歩の象徴であると考えている。

「私たちが行ったことは、ゲームのルールを完璧に理解した上で動作するように設計されたアルゴリズムを採用し、そこからルールに関する知識を取り除き、ゲームをプレイして勝敗を経験しながらトライ&エラーでこのアルゴリズムを学習するようにしたことです。このルールに関する知識を奪ったにもかかわらず、MuZeroは、この完璧な知識が提供された元のバージョンのアルゴリズムと同じくらい迅速に超人的なパフォーマンスを達成することを学びました。私にとって、科学的な観点から見てこれは本当の意味での変化です。これまでよりもはるかに幅広い範囲の現実の問題にこれらのことが適用できるようになるでしょう」(Silver氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

DeepMind「MuZero」の破壊力:データのない現実世界にどう取り組む(3/4)

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トレーニングと実験 (前回からのつづき)DeepMindチームはMuZeroを古典的なボードゲームである囲碁、チェス、将棋で困難な計画問題のベンチマークとして、またオープンソースのAtari Learning Environmentの57のゲームすべてには「視覚的に複雑な」強化学習領域のベンチマークとして用いた。彼らは、ボードゲームではサイズ2,048、Atariのゲームではサイズ1,024の5つ…

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トレーニングと実験

(前回からのつづき)DeepMindチームはMuZeroを古典的なボードゲームである囲碁、チェス、将棋で困難な計画問題のベンチマークとして、またオープンソースのAtari Learning Environmentの57のゲームすべてには「視覚的に複雑な」強化学習領域のベンチマークとして用いた。彼らは、ボードゲームではサイズ2,048、Atariのゲームではサイズ1,024の5つの仮想ステップと100万のミニバッチ(トレーニングデータ用の小さなバッチ)でプログラムのトレーニングを行い、囲碁、チェス、将棋では各探索ごとに1手あたり800回のシミュレーション、Atariでは各探索ごとに50回のシミュレーションを行った。

囲碁に関しては、全体的な計算量が少ないにもかかわらず、MuZeroはAlphaZeroのパフォーマンスをわずかに上回った。これは、MuZeroがその位置関係をより深く理解した可能性がある証拠だと研究者は述べている。 Atariに関しては、全57ゲームを通して正規化された平均値と中央値のスコア両方でこれまでを上回る値に達し、57ゲーム中42ゲームで以前の最先端の手法(R2D2)を上回り、全てのゲームでこれまでベストとされているモデルベースアプローチを上回った。

次に、研究者はサンプル効率を向上させるために最適化されたバージョンのMuZero(MuZero Reanalyze)による評価を行った。これは、1ゲームあたり2億から200億フレームセットの経験データを使用し、75個のAtariゲームに用いた。 MuZero Reanalyzeは、環境から新しいデータを収集するのではなく、学習したモデルを繰り返し使用してプランニングを改善することができる。

DeepMindチームによれば、これまでの最先端であるモデルフリーアプローチのIMPALA、Rainbow、およびLASERの正規化された中央値のスコアはそれぞれ192%、231%、および431%だったのと比較して、MuZero Reanalyzeは731%となったことを報告している。チームはまた、MuZero Reanalyzeのトレーニング時間が大幅に短縮されたことにも注目している。トレーニングに必要な時間はRainbowが10日間であるのに対してMuZero Reanalyzeでは12時間だ。DeepMindのスタッフでソフトウェアエンジニアのJulian SchrittwieserはVentureBeatにこう説明してくれた。

「リソースの面では、環境による影響に注意を払えば、実はMuZeroによって学習したモデルの方がはるかに効率的にタスクを覚えることができます。基本的に過去の経験を振り返り、モデルを使用したデータの再計画(再分析)が可能なため、MuZeroは同じデータからより多くのことを繰り返し学習できます。実際に現実世界の問題に取り組みたい場合はデータがほとんどないことも多いため、これは非常に重要なことです」。

最後に、MuZeroでモデルが果たした役割をよりよく理解するため、共著者は囲碁とAtariのゲーム「ミズ・パックマン」にフォーカスしている。彼らは完全なモデルを使用したAlphaZeroでの探索と、学習済みモデルを使用したMuZeroでの探索パフォーマンスを比較し、MuZeroがトレーニング済みモデルよりも大きな探索を行った場合でも、完全なモデルと同等のパフォーマンスになることがわかった。実際、1回の移動あたりのシミュレーション数はわずか6〜7回(これはパックマンで可能な8つのアクションをすべてカバーするために必要なシミュレーション数よりも少ない)で、MuZeroは効果的なポリシーを学び「迅速な改善」を行っている。

囲碁の場合では、研究者が1手あたりにかかる時間を10分の1秒から50秒に増やすと、MuZeroの強さはプレーヤーの相対的なスキル尺度であるEloレーティングで1,000以上増加することが明らかになった(大まかにいうと、強いアマチュアプレーヤーと一流のプロプレーヤー位の差である)。これは、MuZeroがアクションと状況を一般化することが可能であり、効果的に学習するためにすべての可能性を徹底的に探索する必要がないことを示している。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

DeepMind「MuZero」の破壊力:モデルベースの強化学習(2/4)

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モデルベースの強化学習 (前回からのつづき)計画を立てる能力によって人間は問題を解決し、迅速に将来について決定を下すことが可能だ。 AI領域ではこれを、先読みツリー探索と呼ばれるアプローチもしくはモデルベースのプランニングによって研究者が再現しようとした。 AlphaZeroなどの先読み探索を用いたプログラムは、チェッカー、チェス、さらにはポーカーなどの古典的なゲームで目覚ましい成功を収めている。…

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モデルベースの強化学習

(前回からのつづき)計画を立てる能力によって人間は問題を解決し、迅速に将来について決定を下すことが可能だ。 AI領域ではこれを、先読みツリー探索と呼ばれるアプローチもしくはモデルベースのプランニングによって研究者が再現しようとした。 AlphaZeroなどの先読み探索を用いたプログラムは、チェッカー、チェス、さらにはポーカーなどの古典的なゲームで目覚ましい成功を収めている。

ただし先読み探索では、ゲームのルールや正確な物理シミュレータなど、環境の変化に関する情報が必要だ。モデルベースのシステムは、環境の詳細なモデルを学習しそれを使用したプランニングを目的としている。しかしモデリングの複雑さは、歴史的にもこれらのアルゴリズムが視覚情報が豊富な領域で争うことの困難さを意味している。

この点についてMuZeroは、AlphaZeroのモデルと先読みのツリー探索を組み合わせている。 MuZeroではアルゴリズムを用いて環境全体をモデル化しようとするのではなく、意思決定プロセスにとって重要であると判断した部分のみをモデル化する。

MuZeroでは観測結果(つまり、囲碁の盤面やAtariのゲーム画面の画像)を受け取ると、それらを数学的表現で「非表示状態」と呼ばれる状態に変換する。この非表示状態は、一つ前の状態と仮想的な次のアクションを受け取るプロセスによって繰り返し更新される。すべてのステップで、モデルは行動選択の方策(例:ゲーム内における移動)、価値関数(例:予測上の勝者)、および即時報酬(例:移動によって獲得されるポイント)を予測する。

MuZeroは直感的に、正確なプランニングにつながるゲームのルールや変化を内部で構築する。

これはDeepMindの研究者が説明しているように強化学習の1つの形態 ーー MuZeroとAlphaZeroの中心的手法で、報酬によりAIエージェントを目標に向けて駆動させるーーで、ここにはモデルも含まれる。この形式は次のステップを予測する「状態遷移モデル」と報酬を予測する「報酬モデル」を使用し、特定の環境を中間ステップとしてモデル化する。

モデルベースの強化学習は通常、ピクセルレベルで観測するストリームを直接モデリングすることに重点を置くが、このレベルの粒度では大規模な環境下では計算コストが高くなる。実際、Atariのゲームのような視覚的に複雑な領域でのプランニングを容易に行える既存のモデル構築方法は存在しない。そのためデータ効率の点でさえ適切に調整されたモデルフリーの手法に遅れをとる結果となる。

DeepMindはMuZeroでは代わりに、価値関数のエンドツーエンド予測に焦点を当てたアプローチを追求した。アルゴリズムは、報酬の合計として期待される値が実際のアクションに基づく報酬の値と一致するようトレーニングされる。プログラムは環境状態のセマンティクスを持たず、ポリシー、値、および報酬の予測のみを出力する。これは、AlphaZeroの探索と同様のアルゴリズム(シングルエージェントドメインと中間報酬を可能にするよう一般化されているが)を使用し、推奨するポリシーと推定値を生成する。これらは順に、ゲーム内での行動と最終結果を伝えるために使用される。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

DeepMind「MuZero」の破壊力:人工知能がチェスを学ぶ方法(1/4)

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昨年末に学術雑誌Scienceに掲載された論文で、Googleの親会社であるAlphabetのDeepMindは、チェスや将棋、囲碁を自身で学習しマスターすることができるAIシステムAlphaZeroについての詳細を公開した。いずれのケースでも、世界チャンピオンを打ち負かす、全ての情報が揃った(つまりゲーム内でそれまでに行われた行動に基づいて次の意思決定が行われる)2人用のゲームを学習させる方法に…

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昨年末に学術雑誌Scienceに掲載された論文で、Googleの親会社であるAlphabetのDeepMindは、チェスや将棋、囲碁を自身で学習しマスターすることができるAIシステムAlphaZeroについての詳細を公開した。いずれのケースでも、世界チャンピオンを打ち負かす、全ての情報が揃った(つまりゲーム内でそれまでに行われた行動に基づいて次の意思決定が行われる)2人用のゲームを学習させる方法について示した。

しかし、AlphaZeroには自分がプレイすることを課せられたゲームのルールを知っているという優位性があった。DeepMindのチームは、ルールを自ら学習することができる高性能の機械学習モデルを追求するために、ツリーベースの探索(ツリーはセット内から情報を見つけるために使用されるデータ構造)と学習済みモデルを組み合わせたMuZeroを考案した。

本日(訳注:原文公開日は12月23日)公開されたNature誌の中で説明されているように、MuZeroはゲーム内容に最も関連する指標を予測することで、Atariの57本のゲームにある囲碁やチェス、将棋におけるAlphaZeroと同等レベルといえる業界屈指のパフォーマンスを達成した。DeepMindの強化学習チームを率いるDave Silver氏によると、MuZeroは、特にシミュレーターや明文化されたルールがない、多くの領域で学習メソッドを確立する道を開くと言う。彼は先週の電話インタビューでVentureBeatにこう語っている。

「世界は非常に混沌とした場所であるため、AIが実際にできることを広げていくためにMuZeroは本当に重要だと思います。世界は未知数であり、誰も私たちに『これがまさに世界の仕組みだ』と言わせてくれるようなルールブックを与えてはくれません。AIを世界に解き放ち、誰もルールブックをくれない問題に対して先を見越した計画を立てたいと望むならMuZeroは本当にとても必要なものです」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

現実世界のアナリティクス「MODE」が600万ドル調達、グローバル・ブレインら出資

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ニュースサマリ:カリフォルニア拠点のIoTソリューションを提供するMODEは12月10日、増資の実施を公表している。増資を引き受けたのはグローバル・ブレイン、Ture Ventures、Compoundの3社。調達した資金は600万ドル(日本円で約6億円)で、株式の評価額などの詳細は非公開。調達した資金でソリューション開発を進めるほか、日本での営業展開も強化・加速させる。 MODEの創業は2014…

ニュースサマリ:カリフォルニア拠点のIoTソリューションを提供するMODEは12月10日、増資の実施を公表している。増資を引き受けたのはグローバル・ブレイン、Ture Ventures、Compoundの3社。調達した資金は600万ドル(日本円で約6億円)で、株式の評価額などの詳細は非公開。調達した資金でソリューション開発を進めるほか、日本での営業展開も強化・加速させる。

MODEの創業は2014年。企業向けのIoTプラットフォームとして業務用アプリケーション、IoT向け処理クラウド(PaaS)、センサデバイス用ゲートウェイをパッケージングして提供している。用途としてはロボットや自動運転、工場、各種センサデバイスなどのデータ収集から解析、管理を実施する。例えばメーカー等でリアルな現場の遠隔操作やデータ収集・解析が必要なサービスを立ち上げたい場合、MODEのパッケージを使うと事業化がスムーズに実施できる。パナソニックの関連企業などが実際に導入しており、商業施設などでの顧客データ収集や解析といったサービス基盤として活用している。

話題のポイント:MODEを知る上でのキーワードは「現実世界のアナリティクス」と「リカーリングモデル」の二つです。それぞれ解説していきます。

彼らが提供するのはIoTビジネスにおける管理基盤です。例えばお掃除ロボットを開発している企業があったとします。商業施設向けの大型モデルで、勝手に廊下を掃除してくれるので単純に人件費が節約できます。この場合、よくあるのはメーカーとして売り切りして定期的なメンテナンス費用を貰うモデルになります。ただこれだけでは「サービス」とは言い難い状態です。

そこでIoT機器に出番が回ってきます。センサーを搭載したお掃除ロボットはフロアの状況を確認して破損箇所を調べたり、時間帯における商業施設の人の混み具合を搭載したカメラで計測したりすることが可能です。メーカーとしてはお掃除ロボットを「掃除機」ではなく「サービス」として販売することができるようになるのです。しかしこういった事業モデルを構築するには、そもそものデータを収集する方法、解析する方法、そしてそれら全体をコントロールするためのコンパネが必要になります。そこでこれらをまとめてパッケージングしたのがMODEだった、というわけです。

ロボット向けパッケージ
  • 管理コンパネ:各事業者が利用する管理コンパネ。テンプレートでカスタマイズが可能
  • IoT向けPaaS:データ処理クラウド
  • センサデバイス向けゲートウェイ:IoT機器からのデータをクラウドに格納するためのゲートウェイ

特にセンサデバイス向けのゲートウェイについては数多くのデバイスに対応するため、独自のプラグインを用意しており、新しいデバイスに対応する場合も1、2週間ほどで開発ができるようになっているそうです。ちなみにパッケージとしてはセンサー向けのSENSOR CLOUD、モビリティ向けのMOBILITY CLOUD、生産現場向けのFACTORY CLOUDに加え、ロボット向けのROBOT CLOUDが提供されています。

さて、前述した2つのキーワードに戻ります。まずアナリティクス。

彼らのパッケージを活用してサービスを考える際、最も利用価値が高いのが現実世界を解析する、という考え方です。導入事例として挙げられているパナソニック関連の「ENY Feedback」では、商業施設でのリクエストや満足度を簡単なUIで拾えるようにするソリューションなのですが、当然ながら重要なのは現場で得られた顧客フィードバックの解析とその結果の利活用になります。メールマーケティングのようなデジタル・CRMと異なり、現実世界で得られたローデータを確実に収集し、解析・分析し、クライアントが活用できる情報として加工する必要があるわけです。

こういった現実世界におけるPDCAは、従来の方法だとデータ収集量に難があったり、開発コストとサービス事業モデルのバランスが悪いといった課題がありました。そこでMODEは基幹部分をある程度パッケージにすることでその世界観をぐっと現実に引き寄せたのです。ポイントが管理コンパネで、言わばGoogleアナリティクスのレポート画面のようなものです。MODE代表取締役の上田学さんにお話伺いましたが、スクラッチで開発するよりもある程度の定型パターンで開発工数を下げられるような仕組みになっているというお話でした。

そして現実世界のPDCAが可能になれば、当然ながらリカーリングモデルの構築が現実的になってきます。ハード売り切りとメンテナンス程度だった事業モデルは、月額課金とLTVで計測できるものに進化し、追加のサービスによってアップセルやLTVの改善といった施策も戦略的に考えることができるようになるのです。

MODE創業者の上田さんは前職でTwitterの本社でグロースハック・チームに在籍していた経験があります(その前はGoogle米国本社で日本のマップ開発に携わった方です)。データからプロダクトを改良し、継続したユーザーからまたフィードバックデータを回収してそれを改善に繋げる。この思想をそのまま現実世界に持ち込めば、もっと世界が良くなるとMODEをスタートアップしたとお話されていました。

モノからコト売りという事業転換が叫ばれて久しいですが、持続可能な社会を考える上で、MODEのような存在はより必要とされる時代がそこまできてるのではないでしょうか。

空の移動革命:災害時利用も期待、長距離固定翼ドローンのテララボ(4/4)

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本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した 災害時への利用も期待、長距離固定翼ドローンを開発するテララボ (前回からのつづき)長距離固定翼ドローンの研究開発を行っているのがテラ・ラボです。このテララボの開発する機体は3時間から5時間は飛行が可能で、長距離の無人航空機を衛星通信で制御することにより、広域で高い高度で映像を取得するこ…

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

災害時への利用も期待、長距離固定翼ドローンを開発するテララボ

(前回からのつづき)長距離固定翼ドローンの研究開発を行っているのがテラ・ラボです。このテララボの開発する機体は3時間から5時間は飛行が可能で、長距離の無人航空機を衛星通信で制御することにより、広域で高い高度で映像を取得することができます。機体は非常に軽くできていて、雨が降っても、風が吹いてもかなり強い衝撃にも耐えられる機体になっていて、長距離を運行するのに非常に適した機体になっています。

ドローンを飛行させるためには高度150メートルの制限がありますが、その制限の中でも安全に飛行させるための開発をしています。テララボの機体のような飛行機型の固定翼を持った長距離無人航空機を、150メートルをさらに超えた500メートル、1000メートルを飛行していくためには、ヘリコプターや旅客機とのバッティングしないように安全に飛行させる高度を綿密に設計することが必要となり、よりシビアな設計が求められます。

画像クレジット:DRONE FUND

テララボの強みは、固定翼機をしっかり運用できるノウハウを持っている点です。150メートル以上を飛ばすノウハウを国内では持っている人はなかなかいないと私たちは考えていますし、その運用できることをを政府に示しているところです。加えてノウハウだけではなく、機材を揃え、安全設計している点は強みだと考えています。

テララボの開発する長距離固定翼ドローンが運用できるようになると、甚大な災害が起きた時にでも、いち早く、政府機関、関係機関と情報共有することができるようになります。現在、テララボは福島ロボットテストフィールドに拠点を置いて、南海トラフ地震などを見据えた大規模災害対策システムの研究開発に取り組んでいます。

これは衛星通信で制御可能な長距離固定翼ドローンや車両型地上支援システムを活用したものになっています。福島ロボットテストフィールドは、研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる研究開発拠点のため、実際の使用環境を拠点内で再現しながら研究開発、実証実験ができるのです。

テララボでは、福島ロボットテストフィールドにて、評価試験を繰り返し行い実装かに向けた準備を進めているほか、愛知県や名古屋市、福島県など、地方自治体との連携も積極的に行っています。直近では、今年1月に、三重県鳥羽市にて無人航空機による公開実証実験を実施しています。

自治体と連携して、実証実験を実施することで、長距離固定翼ドローンを災害時への利用を目指しています。

実用化が進むドローンとは?リベラウェアの小型機による屋内点検

本稿も終わりに近づいてきました。最後に紹介するケーススタディはインフラ点検分野のドローンです。

自動巡回型小型ドローン「IBIS」を開発するリベラウェアがそれで、この領域での利活用は非常に進んでいる分野でもあります。ドローンビジネス調査報告書2021によれば、市場規模は2020年度には353億円、2025年度には1625億円に達すると推測されています。

特に、リベラウェアの開発するドローンは、手のひらサイズの世界最小クラスの産業用小型ドローンで、人が点検しづらい場所でも飛行が可能です。

産業用となると環境が極悪で、鉄粉が飛んでいたりするような場所もある中、モーターへの工夫や、狭い空有感の中でも風に乗れるようするプロペラの開発、暗い環境の中でも明確に対象物を鮮明に撮影できるカメラなどを自社開発することで、そのような環境下でもきちんと飛行できる機体の開発をしています。

現在、リベラウェアの開発する自動巡回型小型ドローン「IBIS」は、現場の作業員の省人化・省力化に伴いセキュリティ面・安全性の向上や業務の効率化が見込まれていることから、高所や地下ピット、配管内などの人が作業することができない場所での点検、工場内の定期チェックや倉庫内の在庫管理、屋内施設巡回警備などの引き合いも増えているそうです。

直近では、自動巡回型小型ドローン「IBIS」を活用した JR 新宿駅における天井裏点検の実施や、都内の地下トンネル内の点検、京急百貨店(横浜市)の設備点検の実証実験などを実施しています。さらに、船橋市・西図書館の「AI蔵書点検システム」試験導入において自動巡回型小型ドローン「IBIS」による書架自動撮影の検証を実施しています。ドローンを活用して、図書館における蔵書点検業務の負荷軽減、効率化をはかる取り組みも始まっています。

リベラウェアでは、現場の作業員の省人化・省力化に伴いセキュリティ面・安全性の向上や業務の効率化に加え、今までは人の感覚、目視でとってきたデータをドローンで撮れるようになることで、データ化ができるようになり、そのデータをベースに予防保全や将来まで見据えたサービスを展開できるようになると考えています。

ということで、4回に渡り国内外のドローンを取り巻く環境を私たちDRONE FUNDの出資先ケーススタディと共にお伝えしてきました。この分野でのビジネスを手掛ける方のヒントになれば幸いです。

空の移動革命:調達金額39億円「空飛ぶクルマ」本命のSkyDrive(3/4)

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本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した 調達金額39億円、空飛ぶクルマ、ドローン配送を展開するSkyDrive (前回からのつづき)DRONE FUNDでは、エアモビリティ領域の投資を実施しており、その代表例が「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」を開発するSkyDriveとなります。 ドローンはコンパクトなものが主流となって…

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

調達金額39億円、空飛ぶクルマ、ドローン配送を展開するSkyDrive

(前回からのつづき)DRONE FUNDでは、エアモビリティ領域の投資を実施しており、その代表例が「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」を開発するSkyDriveとなります。

ドローンはコンパクトなものが主流となっていますが、大きな機体を作る場合際の難易度が上がります。安定性が難しく、万が一を起こした時の安全性が必要になるからです。SkyDriveでは誰でも使いやすく、航空機レベルの安全性を作ろうとしており、世界中で見ても素晴らしい仕上がりをみせています。

DRONE FUNDではSkyDriveのようなエアモビリティが飛ぶ世界が必ずくると考え出資を実施してきました。出資に加え、SkyDriveはとDRONE FUND は、空の移動革命に向けた官民協議会に構成員として参加し、第一回会合において発表を行うなど、空飛ぶクルマの実現に向けた公共政策活動を行っています。

(画像クレジット:DRONE FUND)

直近では、シリーズBラウンドにおいて39億円の資金調達を実施し、SkyDrtiveとともに空飛ぶクルマを開発する有志団体「CARTIVATOR」が、日本最大級の屋内飛行試験場のある豊田テストフィールドで公開有人飛行試験を成功させたことを発表しています。

カーゴドローンに関しては、兵庫県神戸市協力のもと、セイノーホールディングス、神戸阪急などと共同で実証実験を実施しています。今後、神戸市と各企業と連携し、山間部の居住者が手軽に小売店の日用品、医薬品、及び自治体からの必要物資を居住区で受け取れる配送サービスの実用化を目指しています。

神戸市は、今年5月、六甲山上の事業環境を整備し、快適で創造性を刺激する魅力的なビジネス空間を実現していく「六甲山上スマートシティ構想」を策定しており、SkyDriveの実証実験も「六甲山上スマートシティ構想」に位置付けられています。SkyDriveは、空飛ぶクルマの2023年度の実用化と、すでに販売中の「カーゴドローン」の山間部での運用と2022年以降の都市部での活用を目指しています。国内でも空飛ぶクルマやドローン配送の実装がより近くなっていると考えられます。(次につづく)

空の移動革命:ドローン、エアモビリティの海外と国内状況(2/4)

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本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した ドローン、エアモビリティの海外と国内状況 (前回からのつづき)昨年度から今年にかけ、ドローン・エアモビリティの領域は自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携し実証実験を進めている事例も増えてきました。今回は海外、国内の事例を含め、ドローン・エアモビリティの社会実装について紹介し…

Image Credit : DroneFund

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

ドローン、エアモビリティの海外と国内状況

(前回からのつづき)昨年度から今年にかけ、ドローン・エアモビリティの領域は自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携し実証実験を進めている事例も増えてきました。今回は海外、国内の事例を含め、ドローン・エアモビリティの社会実装について紹介していきます。

海外ではAmazonが米国の航空運送事業者として、UPSやWingに続き、航空運送事業者としてドローン配送の認可を得ました。現在のAmazonはドローンを使った配送サービス「Prime Air」を開発しています。公表されているAmazonの機体は約2.3kgの荷物を最長24km飛行させることが可能で、顧客に30分以内に商品を届けることを目標としています。

Amazonはロジスティクスがビジネスにおいて非常に重要だという考えを持っており、倉庫など自社で保有するなどしています。その一環でドローン配送に取り組んでおり、Amazonのような企業が力を入れていくことでドローン配送の実現が近づいてきたと言えます。

また海外の事例でより先行しているのがルワンダやタンザニアなどの地域です。

ドローン医療スタートアップZiplineが、血液や血しょう・医療サンプルなどの配送を手掛けているのですが、こういった地域はインフラや道路に関して整っていない地域であり、ドローンの特性を活かして配送が可能なことから今後も事例が増えていきそうです。

日本でも同様に、都市部と比べて交通インフラに課題を感じている地域では実用化や実証実験が進んでおり、そのような地域にドローンを使って配送するのは社会的ニーズもあるので実用化が進んでいくと考えられています。

日本での実用化や実証実験においては、地元の自治体がサポートし、通信や輸送事業者などとドローン企業が手を組んで実施をしている事例が非常に多くあります。単体でドローンの配送をするのは難しいですが、通信事業者や物流事業者連携していくのは事業化する上では重要です。

日本で初めての事例でいうと2018年に、日本郵便が福島でドローンによる郵便物運送を開始しています。

目視外エリアへの物資輸送を可能とするドローン・画像クレジット:自律制御システム研究所(ACSL)

DRONEFUNDの投資先である自律制御システム研究所(ACSL)の機体が採用されました。直近では今年3月、中山間地においてドローンが実際の郵便物や荷物を届ける実験を実施しています。このようなドローン配送の実用化が進むことで、運送業の人手不足を解決の一つになりそうです。

そして昨年10月に東京都が台風19号により被災した奥多摩町において、完全自律型ドローンを活用した空路による救援物資の搬送を実施しています。自律制御システム研究所とANA、NTTドコモが協力しており、災害時における物資の搬送にドローン活用する事例も増えてきました。

自治体が運営主体となってドローン配送事業の本格運用を開始する日本で初めての取り組みとして、長野県伊那市は、KDDIとドローンによる商品配達を行う支え合い買物サービス「ゆうあいマーケット」を、伊那ケーブルテレビジョンと今年の8月から開始しています。食料品などの日用品をケーブルテレビのリモコンで手軽に注文し、ドローンによる当日配送を実現することで買い物困難者を支援するとともに、買物支援の担い手不足などの地域課題解決を図るとしています。

3つの事例から見ても、自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携が不可欠です。そして、海外事例のように、配送が難しい場所にて事例が増えていると言えます。(次につづく)

空の移動革命:ドローンを生み出すエコシステムづくりとその理由(1/4)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した ドローン・エアモビリティ特化型のファンド「DRONE FUND」は、目標調達額を100億円とした3号ファンドを設立を設立しました。9月にファーストクローズを迎えた3号ファンドでは、アンカー投資家としてSMBC日興証券とNTTドコモが参画し、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなど…

写真左から:ドローンファンド共同パートナーの千葉功太郎氏と大前創希氏(画像クレジット:DRONE FUND)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

ドローン・エアモビリティ特化型のファンド「DRONE FUND」は、目標調達額を100億円とした3号ファンドを設立を設立しました。9月にファーストクローズを迎えた3号ファンドでは、アンカー投資家としてSMBC日興証券とNTTドコモが参画し、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなどにも参画いただいています。

2017年6月に設立したDRONE FUNDは、2018年1月に15.9億円を調達完了した1号ファンド、2019年4月に52億円を調達完了した2号ファンドを通じて、国内外40社以上のポートフォリオを形成しています。「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指すスタートアップへの投資を実施し、支援することでこの領域のビジネス発展を目指します。

短期間でファンド組成している理由

(画像クレジット:DRONE FUND)

DRONE FUNDでは、ドローン産業の黎明期を支えるために1号ファンドを立ち上げ、さらに2号ファンドを組成し、対象となるスタートアップに投資及び支援を実行して参りましたが、ドローン・エアモビリティ産業の成長を加速させ、特に「社会実装を実現する」ためには新たなファンドの設立が必須でした。結果、実証実験の先の社会実装、実用化を支援するため、これまでとは一桁違う、100億円を調達目標額としています。

2号ファンドでは、主に4つのテーマに注力しました。

1つ目はエアモビリティの領域です。これは出資先のSkyDriveやテトラアビエーションにあたります。2つ目は投資活動のグローバル化です。東南アジアから欧州、南米まで世界中の企業に対する投資を実行しました。3つ目には、空の管制システムを支える技術への投資が挙げられます。小型ドップラーライダーを開発するメトロウェザーはその代表例です。最後の4つ目は新しいフィールドロボティクス、たとえば水中ドローンを開発するFullDepthへの投資を実行しています。2号ファンドでは、このように新規案件となる企業22社、そして1号ファンド投資先でもある企業10社への投資をそれぞれ実行しています。

そして新たな3号ファンドでは、ドローン・エアモビリティ産業を結実させるべく、社会実装や産業戦略の加速することが主なテーマとなります。

今までの投資領域に加えて、より意識的に注視していく領域は3つです。1つ目は、エッジコンピューティング、フライトコントローラー、5G/Beyond5G/6Gといった高度な自律制御・リモートコントロール領域、2つ目は、バッテリー技術、充電ステーションといった電動化、3つ目は、大量生産・サービス展開の領域が挙げられます。

ドローン・エアモビリティ社会実装の鍵

(画像クレジット:DRONE FUND)

昨今、労働人口の減少やインフラの老朽化、気候変動や自然災害、そして新型感染症の流行など、国内外の様々な社会課題に対し、モビリティを活用したイノベーションによる解決と「New Normal」な世界の構築が期待されています。

加えて、昨年度は「2022 年度におけるドローンのレベル 4 運用の解禁」、そして「2023 年度におけるエアモビリティの事業化開始」という政策目標が閣議決定されました。これは、通過点の一つにすぎませんが、ドローン・エアモビリティ業界にとっては、前進だとも言えます。

空の移動革命に向けた官民協議会は2018年8月に設立され、2018年12月に「空の移動革命に向けたロードマップ」を策定しています。2020年7月17日に策定された「成長戦略フォローアップ」では、2020年度に機体・運航の安全基準、操縦者の技能証明などの制度整備に着手し、2021年度にロードマップを改訂することや2025年の大阪・関西万博において「空飛ぶクルマ」を輸送手段として活用することなど新たに二つの目標が示されました。

2020年夏からは、実務者レベルでの会合もスタートしています。空飛ぶクルマというと未来の乗り物という響きが強いですが、日本でも2023年には事業化が始まり、産業として本格的に立ち上がりを見せています。

DRONR FUNDでは最高公共政策責任者を立て、産業戦略の立案、ルール形成戦略の推進、政策提言などを実施することで、ドローン・エアモビリティの社会実装をサポートしてきました。引き続き、投資先のビジネスサポートやパートナー発掘までドローン・エアモビリティのスタートアップのビジネスが成長できるよう今後も支援していきます。

加えて、DRONR FUNDでは、よりドローンの社会実装のイメージを持っていただくため、美空かなたの未来イラストを作成しており、3号ファンドの発表に合わせて新作を公開しました。このイラストの各社製品は全て現場で飛んでいたり、各国試験飛行許可を経て有人飛行等に成功してるものがほとんどです。様々な種類のドローンが社会実装される未来はここまできてるのです。(次につづく)

ロボットとモビリティ:移動機能こそがキラーアプリを生み出す(2/2)

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(前回からの続き) VentureBeat:病院がSpotに着目したこと以外に、何かパンデミック以降驚いた出来事はありましたか? Playter:正直、全く顧客として想定していなかった病院機関が私たちに着目したことはかなり大きな驚きがありました。私たちがアーリー・アダプタープログラムを開始した際は、オイルやガス現場や建設現場などを想定して活動していました。実際に取り組む中で、Spotは原子力発電・…

(前回からの続き)

VentureBeat:病院がSpotに着目したこと以外に、何かパンデミック以降驚いた出来事はありましたか?

Playter:正直、全く顧客として想定していなかった病院機関が私たちに着目したことはかなり大きな驚きがありました。私たちがアーリー・アダプタープログラムを開始した際は、オイルやガス現場や建設現場などを想定して活動していました。実際に取り組む中で、Spotは原子力発電・電力会社の管理のみでなく、Spotを中心とした包括的なソリューション提供ができるのではないかということです。つまり、アーリー・アダプタープログラムを通し、Spotの単的なソリューション提供ではなく、さらに絞り込んだ事業展開が可能だということを学びました。

VentureBeat:議論の中で見逃した、もしくはメディアが見逃しているのではと思うことは

Playter:モビリティーはロボットにとって重要な機能ですが、今までそうしたロボットは存在してきませんでした。もちろん、車輪付きのロボットは存在していましたが、移動可能な場所を必然的に限定していたのです。つまり、私たちが提供するようなロボット+真のモビリティーはとても革新的なものであるといえます。特にSpotのような移動型ロボットは、センサーやアームを活用しており、また、遠隔地からでもカメラを通してロボットの視覚情報を手にすることができます。

こうした機動性重視のロボットが世界に点在すれば、よりロボットの価値が高まるのは間違いありません。ある意味では、ロボットは人がこれまで入れなかった場所へ導いてくれる超能力のようなものであると言えるでしょう。今まで行きにくいと感じていた場所、危険とされていた場所、3日移動にかかるとされている場所であっても、ロボットであれば瞬時に移動することが可能です。モビリティーがロボットの付加価値として載ることで、私たちが享受できる価値が増えることは間違いなく、これはあらゆる産業で共通していることだと思います。

VentureBeat:個人的には業界は「静的」なロボットに焦点を当て続けていたと感じています。これは、モバイル型が長い期間実現できていなかったからで、例えば工場にロボットアームがあれば実現可能なことが多く増えます。仮にモビリティーが備わったとしても、価格制を考慮するとそれがあらゆるシーンで利用されることは想定しずらい実情がありました。ただその問題が、徐々に解消され始めていると感じており、特にSpotはその最前線に立っていると思います。ロボットの一般化を進めるうえで今後、どういった分野を中心に投資を進めていくことを考えているのでしょうか?

Playter:おっしゃる通りで、私たちはSpotの最大価値を引き出せるアプリケーションを見つけていくことが求められていると考えています。プラットフォームにフォーカスし、できるだけ数多くの利用者にSpotを利用してもらって、実用性を確かめていくのか、それとも十分な価値を引き出せると考える業界に投資して挑戦するのか、私たちは常に議論を続けています。

ただ、実際のところ私たちは両者共に選択する必要があると感じています。Spotを成功に導くためには、数千台以上の規模で運用することが求められますが、それには特定業界に絞った形でのスケーリングが必要です。しかし、未だ私たちが想定していないようなユースケースが生まれる可能性も大いにあります。そのため、プラットフォームを開放することも重要な施策であると考えるのです。

VentureBeat:なるほど、バランスを取る必要がありそうですね。ただ一つ確かなのは、できるだけ多くの生産を維持することなのだと思います。そして、最初からモジュール化をすることであらゆる可能性を考慮した対策が求められていますね

Playter:その通りです。

VentureBeat:ありがとうございました

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】