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特集:はじまるシン・副業

特集:はじまるシン・副業

ここ数カ月で大きく注目されるようになったある働き方がある。「副(複)業」だ。どうやら感染症拡大をきっかけに仕事を出す側・する側双方の理屈に変換があったことが主な理由のように思える。ちょっとしたお小遣い稼ぎ的な副業がどのようにポジションを変えるのか、その今を追ってみることにした。

特集:はじまるシン・副業の話題

はじまる「シン・副業」:副業からはじまる“独立・起業”の可能性(5/5)

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(前回からのつづき) コロナ禍以前、副(複)業の考え方といえば内職に近いものがほとんどだった。当然、企業は余計な仕事を禁止したいだろうし、実際そういうケースが多かったように思う。感染症拡大で全てが一気にがらりと変わったわけではない。元々、副業を上手に考え、採用活動のステップに活用したり、自分のキャリアの役に立てたりする人たちがじわじわ増えていったのだ。 ここまでの連載でその変化についてお伝えしてき…

タイミーは「スキマバイト」で躍進した(同社ウェブサイトより)

(前回からのつづき) コロナ禍以前、副(複)業の考え方といえば内職に近いものがほとんどだった。当然、企業は余計な仕事を禁止したいだろうし、実際そういうケースが多かったように思う。感染症拡大で全てが一気にがらりと変わったわけではない。元々、副業を上手に考え、採用活動のステップに活用したり、自分のキャリアの役に立てたりする人たちがじわじわ増えていったのだ。

ここまでの連載でその変化についてお伝えしてきた。そしてこの一連の取材の最後に「副業からの独立・起業」という可能性について触れてみたい。

ギグワークのタイミーに訪れた変化

隙間時間で即アルバイトができる「タイミー」はここ1、2年のHRテックの中でもトップクラスの注目株だ。昨年3月のサービスイン(創業自体は2017年8月)ながら、昨年10月に20億円調達、先月9月には13億円超の資金を集めている。飲食店やコンビニエンスなどで発生する人手不足を、細切れの時間活用でカバーしようというアイデアはヒットし、公表している今年6月時点での導入店舗数は1万9,000箇所で、利用者は135万人(※同社ウェブサイトより)を数えた。

訂正:タイミーの現時点での導入店舗数は2万5.000箇所、利用者数は150万人となっているそうだ。追記させていただく。

ともするとギグワーク(極めて短時間のスポット仕事)の象徴とも言えるタイミーだが、少し変わった使い方、きっかけの提供が発生しているという。それが「お試しワーク」とも言える利用方法だ。

タイミーを100回以上利用してカフェ開業にこぎつけた平林さん(写真提供:タイミー)

タイミー利用者である平林明菜さんは、前職にて飲食関連のコンサルティングを手掛けていた人物で、飲食のビジネスに関わり続ける一方、いつか自分でカフェを開業したいと考えていたそうだ。現場での経験が必要と考えた彼女はカフェで実際に働いていたそうなのだが、より幅広い経験を求めてタイミーを利用するようになった。その回数は昨年6月から100回以上というから本気度は高い。

飲食店のホールやキッチンスタッフとしてギグワークを続ける中で、ある日、ゴーストレストランの仕組みで運営している飲食店のヘルプに入ることになった。ゴーストレストランは自分では店舗を持たず、既存レストランなどの空き時間に厨房を借り、UberEatsなどのデリバリーを使って販売するモデルのことだ。

平林さんはこの仕組みが気に入り、結果、タイミーで知り合ったこの飲食店のオーナーからフランチャイズでの開業を打診されて今年、2月に自身のカフェを開業するに至ったそうだ。

副業をきっかけとした起業のあり方

この平林さんの開業ストーリーはもちろん、まだタイミーの事業全体から言えばレアケースだろう。また、平林さんも開業を目指してタイミーを利用していたので、純粋な意味での副業とは異なるかもしれない。

一方で可能性は広がる。例えば同じように小さなカフェを開業したいと思っていたとして、幅広い仕事を短時間だけ経験することは難しい。インターンのようなものかもしれないが、受け入れ側としてこうしたスポットの考え方がなければ無理だろう。

逆に言えば受け入れ側に、起業前提であったとしても本当に必要な時間だけ手伝って欲しいという合意があればそれと引き換えに人手不足の問題をクリアできる。平林さんのケースでは、結果的にフランチャイズとして事業拡大もできている。

タイミーにこういった「幅広い仕事を体験できる」ようなケースを増やしていく考え方はあるのかと尋ねたところ、このように回答してくれた。

「あります。以前は「タイミー=飲食店でのアルバイト」とのイメージが強くありましたが、現在はコロナ禍での方針転換もあり、物流や小売などの業種もかなり増えてきています。今後もより幅の広い業種の企業様にご導入いただけるように成長してまいります。

また経験者に限定した案件や有資格者向けの案件も増加させることによって、より幅の広い職種でのお仕事を提供してまいります。様々な業種・職種を気軽に体験できるプラットフォームになっていきたいと考えています」(タイミー代表取締役の小川嶺氏)。

ーーということで数回に渡って、インターネット・テクノロジーを活用した、新しい副業の形についてお伝えしてきた。働き方は多様化しなければならない時代に入っているし、固定的な概念に囚われていたのでは経営側も、また働く側も損をすることになりそうーー。そんな感想をいただいた取材活動となった。これらの特集が現在の働き方についての参考になれば幸いだ。

はじまる「シン・副業」:副業収入以上に重要なもの(4/5・後半)

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報酬よりも大事なものとは (前回からのつづき)キャリア形成における副業の役割はどう考えますか 岩崎:育成観点では、流行りの言葉で言うなら、「会社が育成してくれる」というメンバーシップ型の時代から、個人の専門性が問われるジョブ型の時代に変わる過渡期において、副業をはじめとした「仕事の実践」が成長・育成の手段になることは必然だと考えています。 今までは、研修やジョブローテーションがその役割を担っていま…

報酬よりも大事なものとは

(前回からのつづき)キャリア形成における副業の役割はどう考えますか

岩崎:育成観点では、流行りの言葉で言うなら、「会社が育成してくれる」というメンバーシップ型の時代から、個人の専門性が問われるジョブ型の時代に変わる過渡期において、副業をはじめとした「仕事の実践」が成長・育成の手段になることは必然だと考えています。

今までは、研修やジョブローテーションがその役割を担っていました。しかし、企業は即戦力を、求職者は実践経験が欲しいとなると、どうにも足りない。YOUTRUSTも、副業を探している人には、「1ランクアップの役割 or 斜めの職種/スキル」にチャレンジしてみること、企業側にもそのように少し足りない部分がありそうな人も積極的に声をかけてみるように勧めています。

実戦投入による成長というのはOJTの比ではないですからね

岩崎:ちょっと背伸びすることで、その分本気度も高まりますし、きちんと成果が出ればプロフィールに書ける実績になるし、自信にもつながる。また、企業としても自社でかけられない人材育成のコストを削減できるので、メリットは大いにあります。また新しい経験・スキルをもつ副業者がチームに加わることで、既存チーム(≒社員)への育成効果も期待できます。弊社でも新しいサービスの開発に当たって、エンジニアが新言語を学ぶ動機付けになったり、営業トレーニングの実践を行って磨き込みがなされていたりします。

すごい副業、面白い企画ですよね。これはなぜ始まったのですか?

岩崎:背景は、至ってシンプルで「より多くの人に『副業』を知ってほしい」ということがきっかけです。8月に ユーザー向けに調査 をしたところ、副業未経験者が副業をしない理由の第1位が「副業の探し方が分からない」というものでした。本業での禁止や税金面での不安を上回る結果だったので驚きました。

だったら、皆がやってみたくなる副業を募集すれば、話題性も相まってまだ副業をしたことがない人や、探し方が分からないという人にも届くのではないかという思いでこの企画を始めたんです。

また、せっかくやるのであれば募集する方にもメリットがあるように、という観点で、各企画毎に詳細をご本人とすり合わせて決めています。正社員を見据えての副業の時もあれば、今回の南場さん企画のように、本人の「今必要としていること」に合わせた副業の時もあります。ちなみに「すごい副業」の企画も、YOUTRUSTの副業社員がメインで進めています。

副業を通じて経験するとキャリアに繋がるケース:画像提供:YOUTRUST

これまで副業はどちらかというと内職的なおこづかい稼ぎのイメージが強かったですが、向こう10年でこの領域はどのようなポジション変化を起こすとお考えですか

岩崎:収入獲得以上に、自分のキャリアを形作る上で欠かせない経験になります。

10年後には、「本業/副業」という概念はなくなり、雇用ステータスに縛られないキャリア形成が進んでいくと思います。正社員も業務委託もアルバイトも契約社員も雇用ステータスは自分の好きなように選べるし、正直あまり重要なことではなくなります。緩やかにつながったコミュニティのなかで、プロジェクトベースで人が集まったり、解散したりする、そんな未来になると確信しています。

履歴書や面接を必要とする「転職活動」はなくなり、代わりに必要になるのが「信頼」と「スキル」です。信頼とスキルを積んでおかないと、噂はすぐ広まり、声がかからなくなります。

今現在でも、ベースラインが満たされている優秀な人は、副業やフリーランスで数社手伝った後、その中で1番エキサイティングな職場を次の職場に選ぶという転職活動をしている方が増えてきているのを実感します。この動きが(キャリアを考える人にとっては)当たり前になっている未来が早く来るのを、期待していますし、その波を先導するサービスでありたいです。

ありがとうございました。

ーー筆者も長らくフリーランスという働き方を続け、媒体の立ち上げをきっかけに、PR TIMESという組織と、個人を中心としたユニットの両方を行ったり来たりするようになった。ここで重要なのはやはりスキルだ。技術があるからこそ依頼があるし、プロジェクトの中にポジションを見つけることができる。

一方、組織として動く場合にはカルチャーへの参加も重要なポイントになる。

副業には必ず「本業」がある。特に企業で働く人は、その企業のルール、カルチャーに促した行動を求められるはずだ。一方、同じ「ムラの中」で過ごす時間が長くなると、どうしてもスキルの幅が広がらなくなる危険性が伴う。副業を育成のチャンスと捉えるならば、この「スキル」にフォーカスした活動を考えるのがよいと思う。岩崎氏の話を聞きながらそう改めて思った。

次回は副業をきっかけに事業を始めた人のストーリーをお届けする。(次につづく)

はじまる「シン・副業」:副業はキャリア形成に役立つのか(4/5・前半)

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(前回からのつづき) 副業に関するテクノロジーや採用ステップとしての利用シーン、大企業や行政がどのようにこの働き方に向き合っているのか、という件について綴ってきた。今回と最終回は副業という働き方を選択した人たちの話をお伝えしたい。 リファラル採用という仕組みはここ10年、ソーシャルメディアの発達と共に一般化した手法だ。友人つながりを可視化し、そこでのデータや口コミを元に採用に繋げよう、という動きだ…

(前回からのつづき) 副業に関するテクノロジーや採用ステップとしての利用シーン、大企業や行政がどのようにこの働き方に向き合っているのか、という件について綴ってきた。今回と最終回は副業という働き方を選択した人たちの話をお伝えしたい。

リファラル採用という仕組みはここ10年、ソーシャルメディアの発達と共に一般化した手法だ。友人つながりを可視化し、そこでのデータや口コミを元に採用に繋げよう、という動きだ。これを副業に取り込んだのがYOUTRUSTになる。今年1月にはW venturesやデライト・ベンチャーズ、STRIVE、TLMなどから資金調達を成功させた。社員の「友達の友達」という範囲までを対象に募集ができる仕組みで、現在、12名の社員体制中、10名全員が副業またはインターン経由での採用で、うち6名はYOUTRUST経由での採用なのだそうだ。

副業は本業と同等の時給水準に

副業に関する報酬・時間のアンケート(出典:YOUTRUST調べ)

彼らが興味深い調査結果を公表している。副業に関する報酬の調査だ。YOUTRUSTのユーザー240名ほどを対象にしたもので、8月にウェブアンケートの形式で実施された。これによると、時給換算にした際の副業報酬は2,000円から3,000円が最多で、この水準だけを見ると本業と同等もしくは高いと回答した人が半数以上になっている。

また、全体の7割が副業に1週間で10時間以内の時間を充てているという。具体的な報酬額としては1カ月10万円を超えるあたりがボリュームゾーンでこれも半数近くとなっている。

YOUTRUSTのユーザーのみ、かつスポットのお仕事と雇用の時給換算を比べているので偏りは仕方ないにしても、それでも単なる文字入力などの「副業=お小遣い稼ぎ」ではなかなか得られない時給水準と言える。このデータからも副業に対する変化が窺い知れる。

副業はキャリアにどう影響するのか

それともう一つ、YOUTRUSTが仕掛ける面白いキャンペーンが「すごい副業」だ。著名人の依頼にスポットを当てた企画で、先日、ディー・エヌ・エー代表取締役会長の南場智子氏の「ウォーキングパートナー」の募集を開始していた。自身が得意とする分野の話題を散歩の時間を使ってマンツーマンでレクチャーするという、なんとも稀有な体験だ。

そもそも副業を企業がOKとする場合、「自社の事業と完全に競合しないもの」にしているケースが多い。デザイン事務所の社員が個人でデザインの仕事を受けてしまったら、本業に悪い影響を与える可能性があるだけでなく、本人も単なるお小遣い稼ぎの延長にしかならない。でも、もし自分のノウハウをこうやって経営者にレクチャーすることで、知見を整理したり、新しい出会いに繋がることは自身のキャリア形成にも大きく寄与する。ましてや本業の方に案件がやってきたらなおよしだ。

副業が自身の成長にどのように寄与するのか。この点についてYOUTRUSTの創業者で代表取締役の岩崎由夏氏に話を聞いた。(太字の質問は全て筆者、回答は岩崎氏)

人が知り合いベースで繋がって成長する、という一見すると再現性がなさそうな採用・育成プロセスに「副業」というお試しを挟むことで「あるフォーマット」に落とし込める可能性があると感じてます

岩崎:採用観点では、すでに「副業が採用アトラクトの手段」として確立してきているのを感じます。スタートアップ界隈において、企業/求職者ともによく聞く声としては「誤った判断をしたくない」ということです。規模が小さいほど、1人の入社インパクトは大きいので、リファラルは良かったとしても、いざ自社で同じような結果になるかは実際に一緒に働いてみないと分からないですよね。働いてみることで、実務の相性のみならず、カルチャー・人間関係を体感した上でお互い判断ができるので、判断ミスは格段に減ります。また、当然ながら関わる時間や人も増えるので、必然的にアトラクトできる機会も増えます。(次につづく)

はじまる「シン・副業」:神戸市が副業人材を活用、変わる大企業の意識(3/5)

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(前回からのつづき)コロナ禍で変わる働き方を、副(複)業という視点で考察している。関連するテクノロジー、採用ステップとしての副業に続いて、今回は行政や大企業がこの副業についてどのような視点を持っているのかを考えてみたい。 24日に開始された神戸市の取り組みがタイムリーだ。 40名ほどの広報関連業務を手掛けられる人材を副業で求めたケースなのだが、興味深いのはやはり神戸市「外」に注目した点だろう。登庁…

(前回からのつづき)コロナ禍で変わる働き方を、副(複)業という視点で考察している。関連するテクノロジー、採用ステップとしての副業に続いて、今回は行政や大企業がこの副業についてどのような視点を持っているのかを考えてみたい。

24日に開始された神戸市の取り組みがタイムリーだ。

40名ほどの広報関連業務を手掛けられる人材を副業で求めたケースなのだが、興味深いのはやはり神戸市「外」に注目した点だろう。登庁を不要にして幅広い人材を求めることにした。もちろん、プロジェクト単位で言えば、広報やPRなどのプロフェッショナル性が求められる業務を東京や大阪など県外・市外の力を借りることは特に目新しいわけではない。しかし、副業というやや「中に入った」チームワークとして行政がこの働き方に注目したことはやはり、新しい働き方の流れを感じさせる。

今回、このプロジェクトをプラットフォームとして支えたのがクラウドワークスだ。今年1月に立ち上げたハイクラスの副業プラットフォーム「クラウドリンクス」は累計の登録者数5,500名に拡大している。同社の説明によれば、CxOクラスの人材が登録者全体の2割、マーケティング職をはじめとするビジネス系人材が6割で、また、副業者の9割がテレワークにて参画しているそうだ。首都圏のスタートアップなど累計で300社ほどが利用し、また今回のような神戸市といった行政利用も始まっている。

このプロジェクトの事業責任者を務める井上亮氏に企業サイドの思惑などについて話を聞いた(太字の質問はすべて筆者、回答は井上氏)。

コロナ禍で企業の「副業人材活用」はどう変わった

クラウドリンクス事業責任者の井上亮氏

企業や行政における副業(スポットで仕事をする方々)の見方、ひいてはクラウドソーシングを提供してきたこれまでの経緯、経験からどのような変化を感じていますか

井上:ライオン、ヤフー、ユニリーバを皮切りに、今年に入って大手企業や行政が副業人材を募る新たな潮流が生まれつつあります。単に外部人材を募集する企業・行政が増えているのではなく、その依頼内容に変化が見られるのが特徴です。

従来副業の依頼は、決められた業務を遂行する「実行フェーズ(Do)」がメインとなり、発注側はコスト削減を目的としてノンコア業務を単発で副業者に依頼。結果、副業者にも副業=自分の既存のスキルを再利用して収入を得る、お小遣い稼ぎのイメージが定着していました。

しかし、今年に入ってからの大企業・行政の副業募集では、まだ見ぬ課題に向きあったり、課題そのものを発掘する「企画フェーズ(How・What)」を副業者へ依頼したりするケースが増え、副業者という外部人材に、事業・組織のコア業務を委ねる動きが見受けられるようになりました。

チームワークにおける「周辺から中心」への移動ですね

井上:副業者への期待が「コスト削減」から「付加価値創造」へと変化するこの流れは、企業・行政が社内にない知見や、既成概念にとらわれない斬新なアイデアを積極的に取り入れることで、訪れるニューノーマル時代に向け速やかに対応したいという姿勢が現れています。

スタートアップ企業で企画フェーズを副業者やフリーランスに依頼するケースは既に一般的ともいえますが、大企業・行政のこうした動きにより流れは加速し、今後副業は採用に次ぐ新たな人材活用の手段として一般化していくと考えています。

またこの流れにより、個人の副業への意識もお小遣い稼ぎから「本業では得られないスキル・経験を積む新たな成長の場」「将来に向けたネットワーク構築や見識を広げる機会」など、キャリア形成を目的とした自身の資産の底上げツールとして活用しようという動きが生まれており、そうした意味で我々は、2020年を本当の意味での「副業元年」と捉えています。

一方、副業採用は特に一般企業における「業務委託」として定着している面もあります。副業プラットフォームを活用するメリットは

井上:やはりメリットはトップ企業で就業経験のある優秀な副業人材に、スピーディーにアクセスしマッチングを図れる点にあると考えています。知名度のある大企業であれば、当然自前で募集し多くの優秀な人材をスピーディーに集めることは可能です。

しかしながらそのケースに当てはまらない設立間もないスタートアップや、地方の中小企業の場合、自社で副業者にゼロからリーチするには時間・費用など多くのコストが生じます。副業者を活用する真の目的は、マッチング後の事業・組織へのスピード感あるイノベーション創造にあるため、その手前のマッチングに工数を掛けるのは本質的ではありません。

確かに即戦力が魅力ですからね

井上:また、クラウドリンクスとしては専門人材に「プロジェクトの課題解決案を一緒に考えてほしい」といった相談レベルでの依頼もできる点が挙げられます。背景や課題を伝え助力をお願いするスタンスでの依頼の可能なため、専門人材である応募者と「課題をどう一緒に解決していくか」の部分から、同じチームの一員としてコミットしてもらうことが可能です。

企業がハマる副業活用の課題

逆に副業のデメリットや懸念点を企業側はどうみていますか

井上:いくら優秀な副業者の方に参画頂けても、課題の抽象度が高いほど、受け入れ側の体制が整っていないとその力を存分に発揮頂くことは難しく、実際に受け入れ体制が整っていない企業も数多くあるのが現状です。受け入れポイントとしては以下3点となります。

  1. 自社の課題を見つめる・・・重要度が高く、緊急度の低い課題と、自社の目指す姿を洗い出す
  2. 自社の能力を可視化・・・社員の業界・能力・専門教育を分析し、副業人材に任せるべき領域を洗い出す
  3. 協働の意識、経営者、プロジェクト責任者両方のコミットメント・・・マネジメント及び現場が不確実性を乗り越えた付加価値創造に対して、言い訳なしでやりきろうとしているか

特に重要なのは3となり、不確実性に向き合い副業者と共に課題を解決していくというコミットメントが、経営者を中心とするマネジメントレイヤーと現場の責任者の両方になければ「どんな手段をつかっても、過去の慣例を破壊させてでも成功させる」というイノベーションには繋がらず、どれだけ優秀な方に来ていただいても成果が出ない状態となります。

神戸市さんで取り組みを開始されましたが、今後、企業や自治体が副業で新しい優秀な人材を取り入れていく上で留意すべきポイントは

井上:1つは、委託事業に慣れているからこそ、丸投げの姿勢になってしまうことです。丸投げの姿勢では、内部の人が外からの意見・アイデアを取り入れ成長することは見込めませんし、プロジェクトでも大きな変化・インパクトを起こしづらいです。丸投げするのではなく副業者と学び、一緒に成長する気持ちが重要です。

もう1つは予め決められた範疇の中でしか仕事をさせなくなってしまうことです。これは特に行政ですが、やはり仕組み的に先にある程度決めた予算と決めた計画の中でリスクなく進めることが正とされていることが多いです。

しかし、副業者を受入れる理由に「既成概念にとらわれない斬新なアイデア」を期待されているのであれば、プロジェクトを進める中で変化に柔軟に対応する姿勢がないと、結局「当初に決めた範囲」の中だけの仕事しか任せられず、これまでの委託・外注とそんなに変わらなくなってしまう可能性があります。

ありがとうございました

ーー副業を考える上で、課題のところにトップコミットメントがあったのは前回掲載したOffersと共通している。副業を内職の人として捉えた場合、やはりマイクロタスクに留まってしまうのだろう。確かにヤフーや神戸市もそれぞれトップレイヤーが副業の人材活用を自らスポークスマンとして伝えていた。そう考えると、こういった可能性の高い人材活用は、経営陣の思考次第ということになってくるのだろう。

次回は少し視点を変えて副業と人材の育成についてケーススタディをお伝えしようと思う。

神戸市が副業人材を公募、「登庁不要」のリモートワークで市外人材の登用を視野に

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神戸市が副業人材の公募を開始している。24日に公表されたもので、クラウドワークスが提供する副業マッチングサービス「クラウドリンクス」を通じて40名の副業人材が公募される。副業人材でかつ、テレワーク完結での募集は神戸市として初。 募集期間は9月24日からで締め切りは募集業務によって異なる。募集内容はクリエイティブ関連が中心で、公式ホームページのモニタリング、広報媒体記事制作、動画企画、写真・動画撮影…

神戸市が副業人材を公募(画像:神戸市・クラウドリンクス

神戸市が副業人材の公募を開始している。24日に公表されたもので、クラウドワークスが提供する副業マッチングサービス「クラウドリンクス」を通じて40名の副業人材が公募される。副業人材でかつ、テレワーク完結での募集は神戸市として初。

募集期間は9月24日からで締め切りは募集業務によって異なる。募集内容はクリエイティブ関連が中心で、公式ホームページのモニタリング、広報媒体記事制作、動画企画、写真・動画撮影、バナーデザイン、動画編集となっている。広報についての専門技術と経験を持つことが条件で、原則、登庁を伴わないリモートワークでの業務になる。契約形態は業務委託で、勤務時間も業務によって週1時間のものから30時間程度のものまでとなっている。

神戸市はチーフイノベーションオフィサーやクリエイティブディレクターなど、専門職の民間人材登用を実施してきた。登庁を伴わないことで神戸市外の人材にも視野を広げ、東京などの首都圏一極集中を是正したいとしている。また、関わる人材については市民サービスに関わることで、自身のキャリア形成に効果が生まれることが期待できるとしている。

公募を手掛けることになったクラウドリンクスは副業マッチングサービスとして2020年1月にサービスを開始。現在、副業・兼業の累計登録者数は5,500名を超える。マーケティング職やビジネス系人材が6割で、リモート環境で参加する人材が9割となっている。同社では、今回の活用例のように行政がリモートで県外人材を活用するきっかけになるとしている。

はじまる「シン・副業」:採用前の“副業“というアタリマエ、そのメリットと課題(2/5)

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(前回からのつづき)先日、とあるスタートアップの取材で採用がとてもスムーズになった、という話を聞いた。やり方は?と尋ねるとどうということはない、しばらくはアルバイトのような形で一緒に働いてから実際のスキル・カルチャーマッチを確かめるようにしたというだけのことだった。 実際、スタートアップに限らずおける採用マッチングというのは非常に難しい。HRテクノロジーが随分と話題になるようになったが、やはり未だ…

(前回からのつづき)先日、とあるスタートアップの取材で採用がとてもスムーズになった、という話を聞いた。やり方は?と尋ねるとどうということはない、しばらくはアルバイトのような形で一緒に働いてから実際のスキル・カルチャーマッチを確かめるようにしたというだけのことだった。

実際、スタートアップに限らずおける採用マッチングというのは非常に難しい。HRテクノロジーが随分と話題になるようになったが、やはり未だに主流は人の手を介した紹介がほとんどだ。この「マッチング」というプロセスに今、副(複)業をワンステップとして取り入れようという動きがある。

overflowが提供するOffersは副業プラットフォームのひとつで、サービス開始は昨年5月。今年3月にはEast Venturesなどから1億円のシード資金を獲得した注目株だ。彼らの特徴はハイクラスのエンジニアやデザイナーに絞ってマッチングを展開している点で、オープンなマッチングではなく、プロフィールを見て企業側が一本釣りするスカウトの仕組みを提供している。

CTO候補を副業で見つける

Offersでは副業を前提とした採用プロセスが走る(画像:Offersオウンドメディアより

このような仕組みということもあって、Offersを利用する企業は採用を前提にしようというケースもある。スニーカーのC2C「スニーカーダンク」を手がけるSODA社は利用企業のひとつで、同社のCTOを副業プロセスから見つけることに成功した。

昨年8月にスタートしたばかりの同社だが、スニーカーのマーケットプレースは海外「StockX」をはじめ、国内でも複数社がここ1、2年で取り組みを開始している注目市場になる。当然、開発や拡大のスピードが命になるため、組織拡大はスタートアップ・レースを勝ち抜く鍵となる。

元々、副業という形で社内エンジニアが近しい人に声かけしてチームを作っていたそうだが、どうしてもコードレビューできるトップクラスとなると手が足りない。一方で幹部候補を採用するまでの時間は、競合とのレースに出遅れるリスクを抱える。そこで同社は「採用前提で」副業のメンバーを集めることにしたのだそうだ。結果、2週間ほどで足元の戦力かつ、将来的なCTO候補と出会うことができた。

また、このケースでは条件面等で正社員を望めない場合には、契約終了を前提としたところもポイントになるだろう。実は筆者も過去、開発の方と業務委託契約し、副業で手伝ってもらったことがあったのだが、難しかったのがこの「辞め時」だった。どうしてもカルチャーマッチしていない状況を理解しつつ、人間的な部分で数カ月を過ごしてしまったのは双方にとってよくなかった。

採用ステップとしての副業は最強なのか

特にハイクラスの採用になると、一定のお試し期間が必要なのは目新しい話ではない。これを副業と読み替えることにどのようなメリットや課題があるのか。overflowの代表取締役、鈴木裕斗氏に話を聞いた。(太字の質問は全て筆者、回答は鈴木氏)

これまでも企業で使用期間や、アルバイト的に手伝ってもらってから採用、というフローは存在していました。ここに副業という考え方やOffersのような仕組みが入ることで何が変わる(もしくはどこにメリットがある)のでしょうか?

鈴木:副業を取り巻くルールはまだ曖昧なものが多く、働き手 / 雇用主ともに各者各様の優先順位とルールで対応をしています。企業から見れば、副業を人材補強として活用する、将来的に中核を担う人材を見つけるチャネルとして捉えている、など目的も異なります。

そして現段階ではそのどちらもが正解であり、「まずやってみよう」という行動変化を促しながら副業の民主化を進めていきたいと考えており、その先には私たちが「複業転職」と呼ぶこの手法が採用チャネルのスタンダードとなっている世界をイメージしています。Offersがあることで、副業の民主化と新しい採用手法の拡大を後押ししていきたいと思っています。

具体的にテクノロジーの面などで工夫をしているポイントは

副業を採用における「歩み寄り」のプロセスと考え、サービス体験を考える

鈴木:Offersでは「選考コストをゼロにする」も1つのプロダクトテーマとして掲げており、ユーザーページを見れば初回面接が不要となるように設計しています。レジュメではわからないあらゆる候補者情報を収集しており、候補者 / 企業それぞれにとって不要な時間を圧縮し、面接時間をより有意義なものにしています。

採用における選考時間の圧縮を実現することで採用まで平均12日という結果にもつながっています。また、リモート採用により従来よりミスマッチ採用リスクが高まっていますが、複業転職の仕組みを使えば20万円のコストで一緒に働く時間を買うことができるため、中長期的なミスマッチ採用コストの圧縮にもつながっています。

こういう仕組みで人材の流動化が加速することが予測されます。それ以外の波及効果はどういうものになるでしょうか?

鈴木:採用における「信用スコアの重要性」が高まると考えています。信用に最も大きい影響を与えるのは実績です。流動化が進むということは、実績という名の信用が細かく、多く積み上がる時代になるということです。

副業というと軽んじられた見方をされることもありますが、副業の実績がきちんと貯まり信用を資産にする仕組みがあれば、働き手にとってはより大きなチャンスになります。一方の雇用主にとっては精度の高い採用をすることが可能になります。Offersでも信用をパブリック化する機能を実験的に開始しており、Offers上での実績がしっかりと資産になるように進めています。

私自身、編集のチームをこれまでずっとパートタイムで組んできたこともあって、副業などの考え方は全て合理的かつ、これまでにも実績のある方法(試用期間だったりする従来手法)でもあるので、デメリットをあまり感じていません。問題や課題があれば教えてください。

鈴木:合理的とはいえ、既存の考え方やオペレーションでは対応できないことも多いため、現場で推進していくには相当なカロリーが必要になります。やはり会社のトップ、経営レイヤーからの理解やコミットが必要不可欠であり、1on1の壁打ちやケーススタディの開示など、きっかけづくりから着実に進めています。

今後、副業におけるoverflowとして目指すポジションはどのあたりにありますか

鈴木:Offersは3段階のフェーズを経て「才能を引き出し、社会で共有する世界」をつくろうと考えており、そのスタート地点として「副業 / 複業 × エンジニア / デザイナー」に絞って展開し、仮説検証を繰り返しています。採用業務においては、ソーシングと選考に約55%のリソースが使われており、大多数の人事担当者の時間を奪っています。

よって、まず最初に取り組むべきは「採用プロセスの非効率」を解決することであり、候補者探しと選考業務にかかっている多くの時間を極限まで下げることを進めています。まずは自社に最もフィットするエンジニア / デザイナーが最も速く採用できるプラットフォームを目指していきます。

ーーということでケーススタディとして、採用ステップに副業を取り入れている事例を紹介した。次回は行政や大企業が副業をどのように活用しているのか、その実例と課題についてお届けする。(次につづく)

はじまる「シン・副業」:注目高まる副業テクノロジー(1/5)

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ここ数カ月で大きく注目されるようになったある働き方がある。「副(複)業」だ。 どうやら感染症拡大をきっかけに仕事を出す側・する側双方の理屈に変換があったことが主な理由のようだ。デジタル・シフトの追い風で発注を増やす企業もあれば、飲食や観光などソーシャルディスタンスの煽りで大打撃を被った人たちもいる。双方にとって共通するのは「この状況をなんとかしないといけない」という点だ。筆者も約半年前、混乱する状…

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ここ数カ月で大きく注目されるようになったある働き方がある。「副(複)業」だ。

どうやら感染症拡大をきっかけに仕事を出す側・する側双方の理屈に変換があったことが主な理由のようだ。デジタル・シフトの追い風で発注を増やす企業もあれば、飲食や観光などソーシャルディスタンスの煽りで大打撃を被った人たちもいる。双方にとって共通するのは「この状況をなんとかしないといけない」という点だ。筆者も約半年前、混乱する状況の中、副業にまつわる人々の考え方の変化や様子をこの記事に記している。

とにかく今、必要とする力をこれまでのように丁寧な選考プロセスで選んでいるヒマがない。一方の仕事を受ける側も、なくなってしまった通勤時間を新たなチャンス探しに使う人もいる。そこでこの特集ではいくつかのスタートアップ、企業の話をもとに、ちょっとしたお小遣い稼ぎ的な副業がどのようにポジションを変えるのか、その今を追ってみることにした。

「副業テック」とはなにか

副業にまつわるテクノロジーを考える際、大きくマッチングの仕組みと、スキル・採用プロセスの大きく2つに効率化のチャンスが潜んでいると考えている。

そもそも副業のプラットフォームとしてまず真っ先に挙げられるのがクラウドソーシングだ。国内ではランサーズやクラウドワークスがスタートアップの段階を卒業し、現在、公開市場で更なる成長を目指している。特化型も増えていて、従来よくあったクリエイター系のものから営業代行、もっと短期間のデリバリーや家事手伝い、やや問題のあったベビーシッターなどといった「ギグワーク」という形で裾野を広げている。どれもオンラインで仕事をマッチングし、支払いや案件管理などをプラットフォーム側でシステムとして提供している。

副業プラットフォームのOffersには副業を活用する企業の事例が並ぶ

手がける人たちは小さな事業者も多いが、フリーランスなど案件を求める個人事業者も多数存在している。ここにやや採用にまで範囲を絡めた形で出てきたのが副業プラットフォームだ。国内ではOffers、YOUTRUST、シューマツワーカー、前述したクラウドワークスが提供するクラウドリンクスなどがそれにあたる。

世界的にも副業(サイドビジネス、セカンドジョブ)はやはりクラウドソーシングの「Upwork」や「Fiverr」などが代表例になるのだが、数時間で終わるようなショートタームのお仕事マッチングと異なり、やや複雑な案件、例えばエンジニアリングを必要とするプロジェクトの進行管理のようなケースでは、プラットフォーム側に求められるテクノロジー、体験もやや異なる。

そこで新たな動きとして生まれているのがチームワーク型のプラットフォームだ。

この記事に記されている3つのパターンは、いずれも発注側の複雑な要件を、能力の高いフリーランスにマッチングさせるやや複雑な工程を、特化型にすることで解決しているケースだ。国内でここまで複雑なパターンはまだ(少なくとも私のみている範囲内では)見当たらない。

もうひとつ関連するテクノロジーがスキルや人物の可視化と、関連する採用プロセスの効率化になる。スキル・シートにテキストで「できる」と書いてあったとして、本当にできるかどうかはエビデンスが必要だ。例えば国内ではFindyやLAPRAS SCOUTのようにGithubなどのデータと連動させ、ある程度の技術力をこれまでの履歴から可視化するようなケースもあるし、YOUTRUSTは友人の繋がり(ソーシャルグラフ)を使った信用担保を武器に成長を加速させている。

採用における「知り合いの紹介」にフォーカスしたYOUTRUST

ちなみにこのスキルやキャリア情報に関するテクノロジーは世界的にも注目されている。コンサルティング企業のPwCが実施した調査で、企業が求めるHR領域のテクノロジーに何を求めるかというアンケートの上位にもランクしており、コロナ禍でオンライン化が進む中、遠隔での人材評価はますます重要になってくるだろう。

1. タレント獲得ツール:49%
2. 従業員体験:48%
3. スキルマッピング・キャリアパス:46%
4. インテリジェント・リクルーティング:45%
5. プロセス自動化:45%

PwC’s HR Technology Survey 2020

加えてこの辺りはクラウドソーシング各社も随分と前から取り組んでおり、スキルだけでなく、その人自体の魅力のスコア化、与信に関するところまで広げて研究が進んでいる一方、決定打はまだない状況だ。

ではオーバービューはこのあたりにして、次稿から具体的なケーススタティを紹介していくことにしよう。(次につづく)

副業マッチングのシューマツワーカーが4億円調達、登録者は2.3万人に

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副業マッチング「シューマツワーカー」は7月14日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのは東京理科大学イノベーション・キャピタルと環境エネルギー投資。調達した資金は4億円で投資ラウンドをプレシリーズBとしている。 調達した資金は現在のサービス開発やマーケティングに充てられるほか、新規事業にも投資される予定。出資した東京理科大学とは副業の稼働状況や評価等のデータを活用した共同研究の検討…

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シューマツワーカーウェブサイト

副業マッチング「シューマツワーカー」は7月14日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのは東京理科大学イノベーション・キャピタルと環境エネルギー投資。調達した資金は4億円で投資ラウンドをプレシリーズBとしている。

調達した資金は現在のサービス開発やマーケティングに充てられるほか、新規事業にも投資される予定。出資した東京理科大学とは副業の稼働状況や評価等のデータを活用した共同研究の検討も進める。

シューマツワーカーの創業は2016年9月。2017年7月に副業をしたい人と企業のマッチングサービスを公開しており、登録者数は2万3000人、案件依頼をした企業数は800社になっている。また、同サービス以外にもフリーランスエンジニアの紹介サービスや転職エージェントサービスなど、新しい働き方に対応した人材サービスも展開している。

via PR TIMES

変わる働き方「副業って本当に盛り上がってるの?」の実際を聞いてみた

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ニュースサマリ:全国に出されている緊急事態宣言は徐々に解除の見通しが立ってきている。今日、その行方を占う「諮問委員会」が開催され、東京や大阪など一部地域を除く39県について解除の方針が示された。しかし、解除後についても再発を防ぐ目的から社会的距離「ソーシャルディスタンス」を継続する必要があるなど、これまでとは違った社会生活を求められることになる。 影響を大きく受けるのが「働き方」だ。スペースシェア…

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Photo by Ivan Samkov on Pexels.com

ニュースサマリ:全国に出されている緊急事態宣言は徐々に解除の見通しが立ってきている。今日、その行方を占う「諮問委員会」が開催され、東京や大阪など一部地域を除く39県について解除の方針が示された。しかし、解除後についても再発を防ぐ目的から社会的距離「ソーシャルディスタンス」を継続する必要があるなど、これまでとは違った社会生活を求められることになる。

影響を大きく受けるのが「働き方」だ。スペースシェアのマッチングを手掛けるスペースマーケットでは、オフィスの解約や縮小、分散化のニーズに応える形でオフィススペースの一部を貸したい企業と、借りたい企業をマッチングする「オフィス間借り」支援サービスを開始した。

話題のポイント:東京の感染者数など被害を示す数字にやや落ち着きが見えつつあるなか、各所で次の社会生活をどう再開するかの議論が始まっているように感じます。大きくはリモート前提の社会活動と、働き方の変化です。

オフィス分散化の流れ

オフィスについては、FacebookやGoogleが「年内一杯リモート」、Twitterが「永久リモート」を打ち出すなど、対処療法的な対応からカルチャーとしてのアプローチに内容がシフトしている印象です。実際、メアリーミーカー女史率いるBONDも支援先の声からオフィスの価値観を変えるオピニオンを出しています。

<参考記事>

極端なことは言いません。例えば製造業や既存産業の多くはオフィスに多くの「生産機能」や「効率」などの役割・目的を与えています。たまたま私たちの関係するテクノロジー産業の多くが装置産業的な役割をオフィスに与えていなかっただけのことだと思います。

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縮小する企業と分散化を希望する企業のオフィスマッチング

しかし、そうであるならば、分散化の選択肢は非常に妥当なものになるかもしれません。前述したスペースマーケットは間借りマッチングの前に、サテライトオフィスのリリースを出しているのですね。

企業によっては「Work From Home」だとセキュリティの面(家庭内情報漏えいやローカルマシンのデータ問題等)でどうしても難しく、ベッドタウン周辺にスペースを設けたいというリクエストがあるということで始まったプロジェクトなのだそうです。オフィス分散化については、新しい選択肢として定着するのではないでしょうか。

副業は新しい働き方に定着するか

もう一つ注目しているのが副業というワークスタイルです。リモートワークを実際にやってみた多くの方が「自律的行動」を経験されたのではないでしょうか。特に技術職(プログラマやデザイナー)などは依頼から納品までのゴールが明確なので、自主性を重んじるワークスタイルがマッチしている場合が多くなります。依頼する側もこういう状況下で労働力を「加減」できるメリットもあります(社員が副業にうつつを抜かす、的な話題は本稿では割愛します。いつかまたどこかで)。

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2020年に入り毎月のように増資を公表する副業系スタートアップ

では市場は今回の状況でどのように動いたのでしょうか。まず、この状況下で次のスタートアップが調達ラウンドを進めています。また、クラウドワークスの副業プラットフォームも開始後、順調に数字を伸ばしているようです。

<参考記事>

次に実際の案件です。2016年から副業プラットフォームを運営する「シューマツワーカー」もこの状況で副業登録者数を伸ばしているスタートアップの一社で、実際の案件数などの様子をお聞きしてみました。

まず依頼する企業の状況ですが、スタートアップ中心にコストカットの動きはやはり顕著で、副業で業務委託していた方との契約解除件数は3月・4月で平均月の1.5倍ほどに上昇したそうです。5月はやや落ち着くようですが、一時的な避難措置としてキャッシュを残す判断は当然です。業種的にはフィジカルでの接触がある代行業、景気変動に敏感な人材・受託が大きく影響を受けたとのことでした。

また、興味深い傾向として非IT企業からの問い合わせ増というお話もありました。緊急事態宣言後はその前と比較して3倍ほどの問い合わせ量になっているそうで、主にウェブマーケティングの依頼が多いということです。フィジカルな対面戦術がやりづらくなる状況下で、ウェブマーケティングやインサイドセールスなどの需要が高まることは必至で、そこに必要な社内システム担当の副業ニーズなどが高まるのではというお話でした。

リモートで現職ペイン解消、時間が増えて副業も「増」

働く側の変化で興味深い情報を提供してくれたのが「Offers」を提供するoverflow代表取締役の鈴木裕斗さんです。実は今、企業側には業務委託よりも「正社員でレベル高い人」を採用したいニーズが高まっているそうです。確かにこれは海外(さらにIT系)の話題ですが、採用については強化・ストップで明暗がくっきりと分かれています。

彼らのお客さんでも、医療やD2C、オンラインエンタメなどの領域は採用強化時期なので、この傾向は更に強いそうです。

一方の人材側は、これまで転職希望でエージェントに登録していたような人材が、リモート勤務によってペインがなくなり、現職を継続・副業を推進する動きがあるというお話です。通勤時間がなくなり副業する時間ができたことや、業績の不透明さから報酬面で不安が生まれたことがその要因だそうです。

コロナ禍を好機とみた企業の採用強化と、リモート前提社会によって時間や報酬にアンバランスが生まれ、いくつかの仕事を掛け持ちする人たちとの「綱引き」がどこに落ち着くのかは、大変興味深い動きではないでしょうか。

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副業を選択する人たちの理由(提供:overflow)

多数の「リモートは一時的」という楽観視

鈴木さんは企業の今後の働き方について次のような分析をしていました。

HR/開発の現場ではリモート採用/開発に関連する興味関心は高いですが、経営陣については大きく次の3パターンに分かれていると感じています。

  • (1)いずれ自粛は解禁するからリモートは一時的であるという楽観的思考で、社内運営についての改革への関心度は低い
  • (2)リスクヘッジをして将来的にもリモートを積極的に取り入れようしている
  • (3)コロナ禍の現在/将来への影響を考慮した経営方針/体制変更などを発表していない/できていない/やろうとしてない

現状として(3)>(1)>(2)という肌感覚だそうで、現状ではリモート前提社会についていくので精一杯という状況が本音なのだと思います。

また人事の多くは実際の対面を前提にワークフローなどが作られているはずです。現在は極端な状況ですがこれが当面、ハイブリッドな形になるのが明確になりつつある今、一時的と考えている企業と、これを前提に動いている企業でどのような差が生まれるのかも非常に注目しています。

副業募集プラットフォーム「Kasooku」運営がBeyondXなどから1.9億円を調達

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副業募集プラットフォーム「Kasooku」の運営を行うドゥーファは4月30日、 スタートアップスタジオ「BeyondX」をリード投資家とするプレシリーズAラウンドの資金調達を公表している。個人投資家と既存投資家を引受先とした第三者割当増資、および日本政策金融公庫からの追加借入を合わせたもので、調達した資金は総額1億9000万円。 個人投資家としては福嶋一郎氏、那珂通雅氏、森本千賀子氏、坂本達夫氏、…

Kasooku

副業募集プラットフォーム「Kasooku」の運営を行うドゥーファは4月30日、 スタートアップスタジオ「BeyondX」をリード投資家とするプレシリーズAラウンドの資金調達を公表している。個人投資家と既存投資家を引受先とした第三者割当増資、および日本政策金融公庫からの追加借入を合わせたもので、調達した資金は総額1億9000万円。

個人投資家としては福嶋一郎氏、那珂通雅氏、森本千賀子氏、坂本達夫氏、佐藤崇弘氏、栄井徹氏、野口圭登氏が参加している。それ以外の出資比率などの詳細は非公開。

同社が運営する「Kasooku」は、様々な副業が探せる総合型のマッチングプラットフォーム。成果課金プランと月額掲載プランの2種類があり、企業にあったプランを選べる料金形態になっている。副業ユーザーの登録者数は7,500人を超え、マッチング件数は、累計5,000件突破した。また直近では、新型コロナ対策用のリモートワーク導入支援プログラムを開始し、リモートワーク導入に課題を感じる企業の対応なども開始している。

via PR TIMES