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特集:2020年総決算

特集:2020年総決算

国内外のスタートアップシーンも残すところあとわずか。2020年を振り返るまとめの特集コーナーです。

MUGENLABO Magazine

特集:2020年総決算の話題

CES2021はバーチャル開催へ:ビッグテックと規制のゆくえ/Gary Shapiro氏インタビュー(6/6)

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(前回からのつづき) Shapiro氏:世の中にはつねに新しいニュースが生まれてきます。大統領がベトナム製品に関税をかけるかどうかについては、多くの人が心配しています。あれは突然のことでした。2年前、ベトナムは為替操作国とされ、年末までに公聴会が行われるようです。知っていますか?政権交代の間際になって多くの政策が発生する可能性もあります。 VentureBeat:最近注目されている企業はたくさんあ…

CES 2019のシンボル
Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)

Shapiro氏:世の中にはつねに新しいニュースが生まれてきます。大統領がベトナム製品に関税をかけるかどうかについては、多くの人が心配しています。あれは突然のことでした。2年前、ベトナムは為替操作国とされ、年末までに公聴会が行われるようです。知っていますか?政権交代の間際になって多くの政策が発生する可能性もあります。

VentureBeat:最近注目されている企業はたくさんあります。CESでそういったものを見られますか

Shapiro氏:間違いなく見られますよ。大勢のCEOと話をしてきましたが、彼らはすべてのことを企業の立場から教えてくれます。CESはイノベーションに焦点を当てたショーであり、開会基調講演でも述べるように、分野を超えてさまざまな業種を扱っています。そのため、デジタル会場を作るに当たり、ある業界やある企業から、別の業界や別の企業へと、どのようにして情報をつなぐかについて話し合いました。CESの価値はここにあります。さまざまな業界、さまざまな企業の代表者たちと話し合ってきましたが、彼らはこのことを強調しています。

他の分野では大手市場リーダーのいくつかがデジタル会場を使用することを選んでいます。農業であろうと製造業であろうと、有名なところがです。驚くような業界のリーダーが。

VentureBeat:規制に関して注目しているものはありますか

Shapiro氏:訴訟の数で言えば、政府から訴えられる会社のニュースは毎日のようにありますね。多くが収益性の高い企業たちです。米国企業を困らせたい欧州の規制当局の大好物です。米国の労働者、株主、年金基金はそうした企業に依存しています。彼らは株式市場を高く保っています。曖昧な法律でトップ企業を攻撃することは、独特な戦略のように思えます。話を戻すと、FTCの召喚状のようなさまざまな要求が企業を数年間も活動不能にします。数年前、Microsoftにもそのようなことが起こり、数年間立ち止まったままになってしまいました。あまりいい考えとは思えません。

セクション230は明らかに最優先事項です。私たちはコンシューマーとして食べるもの、行く場所など非常に多くのものごとをFacebookやGoogle、その関連会社、評価会社に結びつけ、そして依存しています。率直に言って政策立案者は現実からかけ離れています。共和党と民主党は不当に扱われたと考えて一部の企業に対して憤慨していますが、大半のアメリカ人がコメントしたりすることが大好きだという事実を忘れているようです。Facebookをはじめ、企業はすばらしい仕事をしています。国務省にすべての(企業のソーシャルプラットフォームに掲載された政治広告と)政綱を審査させ、政治広告が正確かどうかを判断させることを望んでも不可能でしょう。そして、憲法上の影響が圧倒的に大きいことは明らかです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

CES2021はバーチャル開催へ:注目の分野とスピーカーたち/Gary Shapiro氏インタビュー(5/6)

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(前回からのつづき) VentureBeat:イノベーションが停滞していないことを見られるのは興味深いですね。企業は今なお新製品を作り、発表しています Shapiro氏:アツいです。心の底から夢中になれる企業と話を進めています。基調講演はエキサイティングです。彼らには発表したいものがあるのです。ちょうど今日(原文掲載時2020年12月30日)、これまでにない初めての基調講演者として、Walmart…

CES 2020でノートPC用プロセッサー「Ryzen 4000」を披露するAMDのCEO、Lisa Su氏
Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)

VentureBeat:イノベーションが停滞していないことを見られるのは興味深いですね。企業は今なお新製品を作り、発表しています

Shapiro氏:アツいです。心の底から夢中になれる企業と話を進めています。基調講演はエキサイティングです。彼らには発表したいものがあるのです。ちょうど今日(原文掲載時2020年12月30日)、これまでにない初めての基調講演者として、WalmartのCEOであるDoug McMillon氏の登壇を発表したところです。今週、Warner MediaのAnn Sarnoff氏も発表しました。発表の予定はまだあります。人々に講演してもらったり参加してもらったりすることはエキサイティングです。ライブアンカーゲストも業界関連の多くの人物と対談する予定です。初めてのことです。

VentureBeat:これからホットになると予想される分野や興味深い分野は何ですか

Shapiro氏:数年前からレジリエンスについては注目しています。スマートシティ分野のショーもありました。次世代テレビの放送には非常に楽しみなものがあり、テレビメーカーは期待以上です。テレビ業界から新しいものが世界へ広まっていきます。人々はケーブルテレビから地上波放送へ移行しています。これによって広まっていきます。無料でさまざまなことができます。

明らかにアツいのは5Gですね。VerizonのCEO、Hans Vestberg氏も講演します。5Gインフラストラクチャは認識されているよりもずっと重要になってきています。すべてにおいてブロードバンドが必要です。モビリティではGMのMary Barra氏が講演します。電気自動車と自律走行車にフォーカスを当てます。主要な自動車会社も参加します。自動車業界でインフラストラクチャを提供する側としては非常に輝かしいチャンスです。それからロボティクス、AR、VR、ドローンも。ヘルステックも外せません。

2020年、業界の売り上げは大幅に上がりました。なぜなら人々が家で教育を受け、仕事をするためにテクノロジーが必要だったからです。さまざまな製品が購入されています。ビデオゲームは突出していました。あらゆる分野で飛躍的に消費が増えました。5Gのスマートフォンも需要が急増しました。8Kテレビは、今年は約100万台、来年は引き続きさらなるヒットになるでしょう。4Kは素晴らしいですね。新型コロナウイルスのために変わったことは非常に多いです。これは企業にとって、変わったことについて話すチャンスです。どの企業も新型コロナウイルスのためになんらかの変化をしています。一方、サプライチェーンの問題にも注目しています。企業にとっての課題となっています。しかし、それによって調達の新たなチャンスも生まれています。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

CES2021はバーチャル開催へ:CESを再考する/Gary Shapiro氏インタビュー(4/6)

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(前回からのつづき) VentureBeat:後で見ることができるので、プログラムの重複はそれほど心配していないですか Shapiro氏:人々は最新のニュースをライブで見たがっていますので、それは慎重に振り分けています。100時間以上のプログラムを予定していますが、2つのドローンセッションなど、同じもの2つを同時に行うことはありません。人々は初めてのものを見るという刺激を望んでいると思います。パネ…

CES 2020
Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)

VentureBeat:後で見ることができるので、プログラムの重複はそれほど心配していないですか

Shapiro氏:人々は最新のニュースをライブで見たがっていますので、それは慎重に振り分けています。100時間以上のプログラムを予定していますが、2つのドローンセッションなど、同じもの2つを同時に行うことはありません。人々は初めてのものを見るという刺激を望んでいると思います。パネルディスカッションなどを扱っている理由から、多くのプログラムがライブではないかもしれません。でも一部は確実にライブで行うつもりです。

VentureBeat:ラスベガスにとっては残念なことでしょう。大きな打撃にちがいありません

Shapiro氏:今週2つの記者会見を行いました。1つはアジアと西海岸、もう1つはヨーロッパと米国の西海岸以外の地域向けでした。夜遅くに行われたアジア向け会見で、最も難しかったことは何かと聞かれました。回答は長くなりました。長すぎたかもしれません。しかし後になって思うのは、正直なところ、最も大変だったのはCESとともに今年が始まるのを待ち望んでいるラスベガスの人々でした。発表前、7月に行った決定はとても苦しいものでした。ラスベガスの人々の気持ちをお察しします。

地元の慈善団体への支援はまだ行っています。私たちはラスベガスの大手フードバンクへの貢献のほか、さまざまなサポートを試みてきました。CES 2021もまた違った楽しみがありますが、リアルイベントとして開催するCES 2022を楽しみにしています。人々と会い、この目で見ることを待ち望んでいます。私たちはまだマスクをしているかもしれませんが、きっと何らかの方法で実現できると確信しています。

VentureBeat:困難になる要因は他にもありましたか?この移行によって必要となった決断の中で、もっとも難しかったのはなんですか

Shapiro氏:経済的な打撃でしょうか。嘘をつくつもりはありません。私たちは支出をカットせざるを得ませんでした。スタッフを減らし、新しいスキルを学ばなければなりませんでした。CESを再考しなければなりませんでした。それはとてもよいエクササイズになり、今までに誰もしたことのないクールでエキサイティングな発想に辿り着きました。とても楽しみにしています。

でも私たちが得意とするのは大規模なリアルイベントのプロデュースで、これまで馴染んできた一定のリズムというものがあります。ちょうど、アハモーメントのようなものです。たとえば、ショーの日程変更。通常、8年先までショーの日程は決まっており変更は不可能です。ですが後5カ月というときに1週間ほど伸ばし、1月半ばへと変更しました。大部分が編集作業のためです。アップロードしなければならないものが大量にありますから。そのために休み明けにもう1週間、時間が必要だと思ったのです。

やり方が変わった部分がたくさんあります。一方、いつもならこの時期に気になっている多くのことが、今年は気になりません。ショーの後で、参加者、ジャーナリスト、出展者に調査を行おうと考えています。交通手段や宿について尋ねる必要はありません。これはとてつもなく大きなチャンスです。好意的なものが多くなるかもしれませんが、過大評価はしないつもりです。視聴者はただ家の中にいて、モニタの前にじっと座っているだけです。パネルディスカッションの時間を大幅に削る必要があります。通常は1時間が標準的ですが、今年は30分にしました。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

リモートワークの功罪:分散型労働が当たり前になる日(5/5)

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ハブ&スポークという考え方 (前回からのつづき)COVID-19が半永久的なリモートワーク環境を作り上げると多くが予測していたにもかかわらず、実際は異なったアウトプットが見えてくる可能性は高い。確かにパンデミックは多くの痕跡を残すだろうが、労働の形としてはハイブリッドになる可能性が高いだろう。物理的なオフィスがなくなることは考えにくいが、企業は都市部に小規模なローカルオフィスを持ち従業員の需要によ…

Photo by Andre Furtado from Pexels

ハブ&スポークという考え方

(前回からのつづき)COVID-19が半永久的なリモートワーク環境を作り上げると多くが予測していたにもかかわらず、実際は異なったアウトプットが見えてくる可能性は高い。確かにパンデミックは多くの痕跡を残すだろうが、労働の形としてはハイブリッドになる可能性が高いだろう。物理的なオフィスがなくなることは考えにくいが、企業は都市部に小規模なローカルオフィスを持ち従業員の需要によって本社と並行して利用することができるような環境になるのではないかと思う。このハブ&スポーク的な考えは、住んでいる場所に関わらず人材を柔軟に獲得できるという点で、好まれるスタイルになるでしょう。

ハイブリッドな形式は主に大企業かつオフィスとリモートワークの中間地点を見つけ出そうとしている企業に最も適していると言える。とはいえ、当初は都市や州、タイムゾーンなど様々な問題に適応するために時間を要することが予期される。

一方で、Automattic、GitLab、Basecampのように最初からリモート形式を採用するスタートアップ増え続けている。こういったスタートアップたちが成長することで、分散型労働が当たり前となる日も近いかもしれない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

リモートワークの功罪:リモートワークの民主化は人材の獲得と採用に大きな変化をもたらす(4/5)

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競争の優位性 (前回からのつづき)Devopsで有名なGitLabは世界最大のフルリモートワーク企業の1つであり、69の国と地域から1,300人の社員が働いている。興味深いのは、同社のオンラインハンドブックにはこのフルリモートワークのポリシーには「明確な競争上の優位性」をもたらすと明記される一方、たとえ今後、求職者にとっては他の企業の方が魅力的になったとしても、彼らがこのような全社員のフルリモート…

Photo by olia danilevich from Pexels

競争の優位性

(前回からのつづき)Devopsで有名なGitLabは世界最大のフルリモートワーク企業の1つであり、69の国と地域から1,300人の社員が働いている。興味深いのは、同社のオンラインハンドブックにはこのフルリモートワークのポリシーには「明確な競争上の優位性」をもたらすと明記される一方、たとえ今後、求職者にとっては他の企業の方が魅力的になったとしても、彼らがこのような全社員のフルリモートワークを推進することで「雇用上の優位性は時間の経過とともに減少する」ことを望んでいる、という点だ。GitLabのリモート統括責任者Darren Murph氏はVentureBeatにこのように考えを述べている。

「現在、有能なリモートワーカーをめぐる競争は激化していますが、私たちはそれが労働市場にとってプラスになると考えています。より多くの企業がフルリモートで仕事をしたり、オプションとしてリモートワークをサポートするようになると、大都市に住む人々に限らず世界中の人々を見つけることができる、より柔軟な機会が訪れます。リモートワークの民主化は、新たにリモートワーク組織が学ばなくてはいけないこととして、人材の獲得と採用に大きな変化をもたらすでしょう」。

この点では、リモートワークの知見をまだ持っていない組織と比較すると、GitLabや類似の企業には明確な優位性がある。リモートワークを成功させるには、リモートで仕事をすることがクールだと人々に伝えるだけでは不十分で、リモートワークネイティブな企業にならなくてはいけない。それは単にリモートワークを許可さえすれば良いということではなく、奨励しサポートすることにほかならない。

「GitLabの人材獲得と採用を行うチームは、世界中で最高の人材を見つけるためのトレーニングを受けているエキスパートで、入社時の研修の厳しさはワールドクラスです」とMurph氏は付け加える。 「企業の根底にある規範が同一の環境下での労働を前提としている場合には、優れた採用体験を提供するまでにはタイムラグを要するでしょう」。

GitLabは最近、「非同期コミュニケーションをより明確に定義し運用する」または「より包括的で詳細なワークフローを作成する」ことを目指す非同期 3.0構想が完成した。最終的には、対面での会議をZoomのビデオ会議に置き換えるのではなく、世界各国にいる社員が対応できるように組織を構築することを目指す。

「これらの先進的な取り組みは、働き手に非効率な負担をかけたり、ワークフローがドキュメント化されていないためにエンドレスに繰り返される大して意味のない会議などをそのままリモートワークへと移行する、スキューモーフィック(※)な移行に対して大きな競争上の優位性を発揮します。」とMurph氏は説明した。

※訳注:スキューモーフィックとは他の物質に似せることを指すデザイン用語で、例えば実際の紙製のカレンダーに見た目や質感を似せたウェブデザインといったものがスキューモーフィックと呼ばれる。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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リモートワークの功罪:必ずしも「在宅ワーク」と同じ意味ではないリモートワーク(3/5)

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Automaticのケース (前回からのつづき)WordPress.comを開発するAutomatticは、2005 年の設立以来、分散型の働き方を実践し、現在では 77カ国にまたがる1,200人以上の従業員に、選択制でどこからでも仕事ができる環境を提供している。過去10年間、同社のグローバル人事部長を務めたLori McLeese氏は、分散型ワークフォースを成功させるためにはリモートワークを会社…

Automaticのケース

(前回からのつづき)WordPress.comを開発するAutomatticは、2005 年の設立以来、分散型の働き方を実践し、現在では 77カ国にまたがる1,200人以上の従業員に、選択制でどこからでも仕事ができる環境を提供している。過去10年間、同社のグローバル人事部長を務めたLori McLeese氏は、分散型ワークフォースを成功させるためにはリモートワークを会社の構造に組み込む必要があると指摘する。彼女によると、このリモート構造はコミュニケーションと無数の場所で人々をつなぐために企業が使用するすべてのツールにまたがる必要性があると指摘する。

「分散型ワークプレイスの初期のパイオニアの一人として、この種の環境を成功させる要因について多くのことを学びました。私たちには分散型ワークに対する哲学と文化があり、結果的にプロジェクト管理や計画のようなものに対する私たちのアプローチが結果的に異なるものになったのです」。

例えばオフィス以外の場所で働くことを表現するために使用される用語の多くは同じように使用されているが、それらを区別することが重要だ。例えば、「リモートワーク」は必ずしも「在宅ワーク」と同じ意味ではない(もちろん、同じ意味になることもあるが)。今、企業が分散型チームを構築するための支援をする企業が増えている。彼らは世界中の戦略的な採用拠点に共有のワークスペースを作り、そこに採用やオフィスレイアウト、人事などの実務上のあらゆる機能を集めて提供している。

一方で「リモートワーク」と 「在宅ワーク」は、どちらも会社全体の理念というよりは、個人的な実践方法を示す傾向がある。McLeese氏も「結局のところ分散型の働き方は在宅勤務と同等のものではありませんし、パンデミック時の在宅勤務と同じものでもないのです。私たちはこの環境をナビゲートするために、無数のツールやテクニックを使っています」と指摘する。

AutomatticはSlackやZoomといったサードパーティ製品に依存しているが、分散型ワークフォースを念頭に置いた社内ツールも開発している。リモートワークの導入を検討している他の企業のために、AutomatticはHappy Toolsリモートチーム向けの「P2」などのツールをサブスクリプションとして利用できるようにもしている。

「私たちは社員に柔軟性を持たせるために、非同期のコミュニケーションを大切にしています。また、私たちには経験したことを常に改善するために、起案し反復するという文化があるのです。これは製品開発だけでなく、業務プロセスにも当てはまります」とMcLeese氏は付け加える。(次につづく)

 

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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リモートワークの功罪:賃金格差の落とし穴、その場しのぎのZoom会議(2/5)

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Basecampのケーススタディ (前回からのつづき)ところで多くの成長企業にとって、リモートワークは何も新しいことではない。Ruby on Railsの生みの親であるDavid Heinemeier Hansson氏は、プロジェクト管理とチームコラボレーションプラットフォームで最もよく知られているBasecamp(旧37Signals)のCTOであり共同設立者である。Basecampは長い間リモ…

Basecampのケーススタディ

(前回からのつづき)ところで多くの成長企業にとって、リモートワークは何も新しいことではない。Ruby on Railsの生みの親であるDavid Heinemeier Hansson氏は、プロジェクト管理とチームコラボレーションプラットフォームで最もよく知られているBasecamp旧37Signals)のCTOであり共同設立者である。Basecampは長い間リモートワークを採用しており、Hansson氏はBasecampの共同開発者であるJason Fried氏と一緒にリモートワークについての本も書いているほどだ。

昨今広がりを見せる世界的なリモートワークの加速は優秀な人材を惹きつけて維持するという点において、Basecampの優位性が揺るぐことはあるのだろうか。答えは「No」だとHansson氏は言う。というのもBasecampがこれまで過去20年間で培ってきた文化と哲学こそが、その地位を維持するのに役立と考えているからだ。彼はまた、他の企業の疑わしい動きについても指摘している。例えば 生活費が安い地域に移転した場合賃金も安くなるという件だ。Hansson氏は本誌取材にこう回答してくれた。

「管理職の大多数はこれが終わったら世界はオフィスに戻るとまだ想像しています。そして、リモート環境に一気に移行している企業の数多くは、従業員の努力を賃金格差のようなどうしようもないやり方で台無しにしようとしています。というのもシリコンバレー以外の場所に移動したいと思っている人は誰でも大幅な減給を受けなければならないのです。Basecampのオープンポジションには何百人、場合によっては何千人もの応募があります。それは変わっていません」。

Above: David Heinemeier Hansson in Malibu, California, 2018. Image Credit: David Heinemeier Hansson

またHansson氏企業がリモートワークへ移行するには文化の見直しが必要と語る。

「真のリモートワークへの移行には非同期コミュニケーションを重視した、日常的なビジネスの進め方を根本から見直す必要があります。これは、会議優先からライティングへのカルチャー移行の際に企業が直面する最も困難な点です。ほとんどの新規のリモート企業は、リモートとはZoomを使った会議への移行のことだと思っていました。そしてそれは一般的な会議よりもさらに悲惨な結果をもたらしたのです。リモート企業として成功するためには、非同期のライティング文化に移行する必要があるのです」。

業務の効率化以外にもリモートワークにはメリットがある。例えば環境だ。これは世界的なロックダウンの初期段階で明らかになったことなのだが、NASAの衛星画像を見ると、中国の汚染は最初は減少しており、徐々に通常の業務が再開されるにつれて、汚染レベルが上昇していった。この変化の多くは交通量に起因しているのだがHansson氏はリモートワークが人々の精神衛生を向上させながら地球を救う一つの方法であると考えている。

「私は企業としてどのように利益を得るかではなく、世界が全体としてどのように利益を得るかに興味があります。リモートワークの増加は通勤時間の短縮を意味します。そして、多くの人々にとっては、より良い、よりストレスの少ない生活が送れるようになります。これは地球とそこに住む人々にとって大きな前進なのです」(Hansson氏)。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

リモートワークの功罪:「なんのプラスにもならない」と「採用メリット」で揺れ動く企業判断(1/5)

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パンデミックの影響で世界中の社員たちはその場しのぎのリモートワークを余儀なくされた。 確かに創業時から「Work From Anywhere(どこでも働ける)」という理念を採用している企業も一部にはあったのだが、1週間のうち少なくとも数日を自宅で仕事をしている人の割合は増えてきているようだ。2020年にバーチャルイベントが急速に人気を博したように、FacebookやTwitterといったテック大手…

Photo by Ken Tomita from Pexels

パンデミックの影響で世界中の社員たちはその場しのぎのリモートワークを余儀なくされた。

確かに創業時から「Work From Anywhere(どこでも働ける)」という理念を採用している企業も一部にはあったのだが、1週間のうち少なくとも数日を自宅で仕事をしている人の割合は増えてきているようだ。2020年にバーチャルイベントが急速に人気を博したように、FacebookやTwitterといったテック大手が恒久的なリモートワークの導入に踏み切るなど、この大流行は世界全体で場所にとらわれない働き方を加速させた。

しかし、誰もがこの働き方の変化に満足しているわけではない。Netflixの共同創立者で共同CEOのReed Hastings氏は、最も声高に反対する者の一人だろう。Wall Street Journalでのインタビューで彼は「何のプラスにもならない」と切って捨てた上で「特に国際的に、また対面で集まることができないというのは純粋にネガティブ」だと言い切る。

Hastings氏は、社会がゆっくりと正常な状態に戻るにつれて多くの企業がリモートワークにある程度の譲歩をするかもしれないが、ほとんどの企業は通常通りのビジネスに戻るだろうと予測している。

「もし私が推測するとすれば、週5日の労働時間は4日間のオフィス勤務になり、1日は自宅でのバーチャル勤務になるだろう。(やや皮肉を込めて)Netflixの社員たちはワクチンが承認されてから12時間後にはオフィスに戻ってくるだろう」(Hastings氏)。

ただ多くの企業にとってリモートワークのメリットはあまりにも多く、中でも人材に関わる拡大は無視できないものになっている。フィンテック大手のStripeは、既存の固定オフィスを補完するために「リモートエンジニアリングハブ」と呼ばれるものを立ち上げている。

そもそもStripeは10年前の創業以来リモートワーカーを雇用しているのだが、これらのワーカーは従来のオフィスの仕組みに従ったもので、物理的なオフィスを拠点とするマネージャーやチームへの報告が必要だった。

リモートエンジニアリングハブは、リモートワークを物理拠点と対等なものとして捉え、「自社の4拠点がある都市圏外に住んでいる99.74%の有能なエンジニア人材の活用」を狙う。

さて、この件は多くの企業にとっていくつかの「コンフリクト」を浮き彫りにする。というのも企業は競争力を維持しつつ、かつ働き手から勤務地の柔軟性を求められることで再編成を考えなければならないからだ。この移行には大きな課題が伴うことになるだろう。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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CES2021はバーチャル開催へ:国際的な参加者の増加見込み/Gary Shapiro氏インタビュー(3/6)

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(前回からのつづき) VentureBeat:もうSamsungの列に並ばなくて済むのは嬉しいですね Shapiro氏:おおよその人々のニーズを確実に満たすために余裕のなさそうな件について取り組んでいます。現在、非常に多くの登録を頂いており、その多く(平均値以上が)米国外からの登録になっています。これは別のニーズにも対応しているんです。これまでも多くの人が他の国からショーに参加したいと思っていまし…

Above: CES 2021 will be all virtual.Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)

VentureBeat:もうSamsungの列に並ばなくて済むのは嬉しいですね

Shapiro氏:おおよその人々のニーズを確実に満たすために余裕のなさそうな件について取り組んでいます。現在、非常に多くの登録を頂いており、その多く(平均値以上が)米国外からの登録になっています。これは別のニーズにも対応しているんです。これまでも多くの人が他の国からショーに参加したいと思っていましたができませんでした。今回は登録する人が増えています。これはとてもエキサイティングなことなんです。

キーワードを探し出す機会も提供しますよ。参加される方が興味を持っているものは何でも、独自にカスタマイズした体験を作ることができますし、セレンディピティを持って知らないことでも気づくような仕掛けを用意しました。ジャーナリストに頼るだけでなく、独自の4人のアンカーたちが、これからの出来事のハイライトを発信します。24時間体制です。人々は世界中からアクセスして、リアルタイムでも番組終了後でも、見たいものを見ることができます。

VentureBeat:15万人の入場者数が予想されていますがこれはどういう根拠でしょうか

Shapiro氏:ここ数年の平均的な数字です。しかし、こればっかりは分かりません。あくまで推測であり、知ることは難しいです。ただ、多くの方が数字を知りたいと期待しているので出したのですが・・・。

VentureBeat:なるほど、これまでの登録に基づいた数字なのかなと思ったまでです

Shapiro氏:いいえ、登録が始まったのは3週間前ですからね。通常は9月1日に登録を開始します。その間にすでに10万人の事前登録がありました。もちろん単純な比較はできないですが、通常の年にCESに行く場合はホテルや航空券にコストをかける必要があります。基本的にいかなる比較もしたくないのですが、その上で早めに登録した人の多くは来ないケースが多いです。それはどのような展示会でもそうです。しかし、私たちが何より避けようとしているのは、先ほど言ったように直前の登録です。これは私たちにとって懸念事項です。

VentureBeat:国際的な参加者という点ではメリットがありそうですね。来られなかった人も参加できるようになりました

Shapiro氏:出展者には必ず一定数の無料登録を提供していますが、メンバーシップを登録された方にも提供しています。また、キーノートをソーシャルメディア上で誰でも見られるようにしています。業界の関係者でなくても、キーノートを見ることができるのです。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

新しい出会いの10年に向けて

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2021年がやってきました。あまりにもいろいろ起きすぎて2020年という年を振り返るのは難しいのですが、それでもやはり変化の年であったことは間違いないと思います。 思えば2010年代はリーマンショックという大きなリセッションの余韻を感じつつ、その翌年に大震災が襲いかかるという衝撃的な幕開けでした。しかし2012年の政権交代、またその翌年のオリンピック決定と、年を重ねる毎に徐々に前を向ける話題が増え…

2021年がやってきました。あまりにもいろいろ起きすぎて2020年という年を振り返るのは難しいのですが、それでもやはり変化の年であったことは間違いないと思います。

思えば2010年代はリーマンショックという大きなリセッションの余韻を感じつつ、その翌年に大震災が襲いかかるという衝撃的な幕開けでした。しかし2012年の政権交代、またその翌年のオリンピック決定と、年を重ねる毎に徐々に前を向ける話題が増えていったように記憶しています。スタートアップという視点でもIPOの件数は2010年の22件(※JVCAが公表しているレポートより)から2015年には92件にまで増加し、2018年のラクスル・メルカリ、2019年のBASE、ランサーズ、スペースマーケットといった、この10年のテック・トレンドを象徴するような銘柄が並びました。

そして2020年、その数はさらに拡大し、日本取引所グループのサイトを確認すると2020年の新規上場(予定のものも含む)は114件にジャンプアップしています。2015年の92件を最大に2018年、19年が90件と横ばいでしたので、この2020年をターゲットにしてしっかり仕上げてきたスタートアップが多かったことを思わせる数字だなと思います。

テック銘柄をざっと見返してもクラシファイドのジモティー、スポットでコンサルティングを依頼できるビザスク、デザイン開発をメジャーに引き上げたグッドパッチ、ソーシャルメディアの到来と共にグルメガイドを開始したRetty、ハンドメイドという特化型のコマースを展開したクリーマ、国内の“ノーコード”文化を牽引するヤプリ、マーケティングの世界観を大きく変えたKaizen Platformやプレイド、そして新しい世代の資産運用のアイデアを提案したウェルスナビなどが特に心に残ります。それぞれこの10年で創業し、グローバル・トレンドと言われたシェアやオンデマンド、AI、クラウドなどのテックトレンドを忠実に形にし、そして粘り強く事業化したプレーヤーたちです。

次の10年がどうなるのか、それについては昨年にこのような記事としてまとめました。10年分の予想を書いているので引き続き、その答え合わせは2030年に取っておきたいと思います。改めて今年もこのような企業、起業家たちと出会えることを楽しみにしています。

さて、少し振り返ったところで自分たちの次の1年をどう過ごすのか、BRIDGEとしてのご挨拶も書いておきます。

実は2021年はBRIDGEが運営をPR TIMESに委ねてから3年目の年となります。この2年間で編集部として、スタートアップシーンにどのような貢献ができるのか、ずっと模索を続けてきました。ナラティブなストーリーを紡いで人や企業を繋げる、という取り組みもそのひとつです。2019年に「POST」というプロジェクトで開始し、現在はいくつかの関連するプレーヤーと連携し、特集の枠組みのひとつとして起業家のナラティブな情報を継続的に出せるようになってきました。今後もニュースだけでなく、その事業や人の裏側にあるバックグラウンド・ストーリーを伝えることでスタートアップに新しい繋がりを提供できれば幸いです。

2017年に1年間だけ実施していた勉強会スタイルのミートアップ(BRIDGE X Lab.)

そして今年、2021年はまた新しいチャレンジを計画しています。思えば創業時、私たちのコア・バリューはミートアップでした。StartupDatingという小さな出会いの場所は、少ないながらも起業家と投資家の繋がりを生み出してたように思います。その後、イベント自体は大きくしたり形を変えて勉強会スタイルにするなど試行錯誤を重ねましたが、様々な判断のもと2018年を境にお休みをしていました。

それを今年、本格的に再開いたします。

コロナ禍で私たちは「実際に会う」という価値を再認識しました。同時にバーチャルに出会う可能性についても多くの気づきを得たはずです。BRIDGEが創業時から提供してきた出会いの体験がどのようにアップデートするのか、また近い時期にお知らせできればと思っています。PR TIMESからの年頭所感も合わせてご一読ください。

ということで2021年もBRIDGEをどうぞよろしくお願いいたします。