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アフリカ・ケニアで進む金融包摂、キーワードは「ブロックチェーン」

ピックアップ:Pioneering Kenya eyes next stage of mobile money 重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。 ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリ…

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ピックアップPioneering Kenya eyes next stage of mobile money

重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。

ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリカ8カ国(ケニア、ナイジェリア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、モザンビーク、ザンビア、ボツワナ)でサービスを提供している。

Tinggは決済機能だけでなく、サードパーティサービスの提供を強化しており、水道・電気などの公共料金の支払いやフードデリバリー、各家庭で利用するガスの配送などもTinggを通じて利用可能だ。また同社の農業プラットフォームでも利用することができ、多方面で金融包摂を推進している。

詳細情報:ケニアの中央銀行の調査によると、2019年にはケニア人の80%以上が銀行だけでなくマイクロファイナンスやモバイル決済サービスなどを含めた何らかしらの金融サービスにアクセスできるようになり(2006年時点では27%)、首都ナイロビに限れば金融包摂率は96%にもなると報告されている。

  • 一方、3分の2以上の人は自身の給与で生活費を常に十分に賄うことができておらず、60%以上のケニア人は友人・家族・非合法な高利貸しなどからお金を借りている。金融サービスにアカウントを持ち利便性がよくなることと、個々人の経済的問題の解決、貧困からの脱却は全く別問題であるということも浮き彫りとなっている。
  • 世界銀行のレポートによるとケニアの貧困率は減少傾向にあるものの、減少の主要な要因は農業によるもので、現在の貧困層のほとんどは北東部の農村地域に集中している。
  • ケニアでは現在国内総生産に占める農業の割合は増加傾向にあり、現在は約3割(35%前後)を農業が占めている。(10年前と比較して約10%増)。またアフリカ全体での農業市場は2030年までに1兆ドルに成長するといわれている。
  • Cellurantではアフリカでの真の金融包摂推進には農業分野をいかに取り込み各国に展開していくかが大事であると捉え、Tinggに続き、ブロックチェーンベースの農業用デジタルマーケットプレイスサービス「Agrikore」という農業用のプラットフォームをローンチしている。現在ケニアとナイジェリアで稼働している。
  • 目的は農業に関係する全ての人(農家・買付業者・物流会社・政府・金融機関など)が信頼できる環境でビジネスができるようにするため、Tinggと連携することで、融資や政府などから農家への助成金の送金をはじめとする必要な資金のやり取りや決済は全てオンライン上で完結する。
  • 例えば、買付業者が品物を注文すると、近接する農家に規模に応じてそれぞれの個数と価格のオファーを送信、農家がそのオファーを受けるとプラットフォーム上に登録されている輸送業者や品質検査員が割り当てられていくといった流れをたどり、その各者間での資金のやり取りはTinggを介して行われる。全てのログは記録され、Agrikore利用者は誰でも全てのログを確認することができる
  • これにより、中間業者やエージェントなどを介すことで不透明となっていた価格設定や資金の流れが明確かつ公正になり、小規模農家が苦慮していた販路確保の問題も解消される。
  • モバイルマネーは「最初のステップ」にすぎないと考えるCellurantでは、第二のステップはデジタル融資、最終的にはこれらを包括した市場全体の経済問題を解決することが重要だと考え、アフリカ全体での金融包摂の推進を視野に入れ今後もサービスを展開していく。

背景:人口5,139万人のケニアではモバイル決済のアクティブユーザーが3,160万人、そのうちの2,557万人がM-PESAを利用している。ケニア中央銀行によると、昨年のモバイル決済によるトランザクションは3.7兆ケニアシリング(385億ドル)に達し、国内総生産のほぼ半分に相当するまでになっている。 その一方でNetflix、Uberをはじめとする海外企業がケニア国内で提供するサービスなどでは決済手段として利用出来ないことも多く、ローカルな決済手段にすぎないという側面も持っている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

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日本のブロックチェーン関連企業は430社——マネックスクリプトバンク、業界レポート「Blockchain Data Book 2020」を発表

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マネックスグループ(東証:8698)傘下のマネックスクリプトバンク(以下、MCB)は30日、日本の仮想通貨やブロックチェーンの業界動向を調査したレポート「Blockchain Data Book 2020」を発表した。このレポートは、本文約120ページ、データシート約600ページで、全編約720ページで構成。本文のみか全編の形態でデジタル形式で販売されるが、MCB の仮想通貨・ブロックチェーン特化…

左から:コインチェック専門役員の大塚雄介氏、Blockchain Data Book 2020 を執筆・編集したマネックスクリプトバンクの安廣哲秀氏と福島健太氏
Image credit: Masaru Ikeda

マネックスグループ(東証:8698)傘下のマネックスクリプトバンク(以下、MCB)は30日、日本の仮想通貨やブロックチェーンの業界動向を調査したレポート「Blockchain Data Book 2020」を発表した。このレポートは、本文約120ページ、データシート約600ページで、全編約720ページで構成。本文のみか全編の形態でデジタル形式で販売されるが、MCB の仮想通貨・ブロックチェーン特化企業データベース「LOOKBLOCK」の会員は無料で閲覧できる。

MCB では日本国内で登記されていたり、日本を主たる市場としてサービス提供したりしている仮想通貨やブロックチェーン関連企業をデータ化。大企業の新規事業部門、カーブアウト、ジョイントベンチャー、スタートアップなどを集めると430社に達したことが判明したという。業種別で言うと、この分野に特化したコンサルティングやトークン関連ビジネスが多く、プロダクトやサービスは529カウントされているが、サービスがシャットダウンしていたり怪しいものを除き、実質的に稼働しているのは422プロダクトとした。

タイプ別企業数
Image credit: マネックスクリプトバンク「Blockchain Data Book 2020」

ブロックチェーンについては社会実装が一つの大きなテーマになるが、実証実験数も184と多く、大企業がブロックチェーンの活用方法を模索している現実を如実に数値で見て取れる。うち、3分の1程度は金融業が占めており、フィンテック分野とブロックチェーンの親和性の高さが裏打ちされた形だ。30日開かれた当該レポートの披露会には、コインチェックの創業者で、マネックスによる買収後はコインチェックの専門役員を務める大塚雄介氏も出席し、レポートが業界動向を俯瞰的に取り上げられている点を評価した。

この業界の関連企業は、大きく2世代に分けて考えられる。1世代目はウォレットや仮想通貨取引所。マイニングチップ(マイニング用の半導体)を開発するスタートアップが多かった。2世代目は、取引をトレースするツール、教育するツールなどサービスのラインアップが広がってきたことがわかる。

また、国内にそういった企業が400以上もあるというのは大きい。取引所にとっては AML(アンチマネーロンダリング)の監査など今までに増して求められるようになることから、こういった分野も伸びていくかもしれない。(大塚氏)

プロダクト概況
Image credit: マネックスクリプトバンク「Blockchain Data Book 2020」

レポートの執筆・編集を担当した安廣哲秀氏は、ブロックチェーンを使ったキラーアプリの事例として、中国で WeChat(微信)を使った保険サービスなどがあるものの、近くに保険窓口がないことや国策によるトップダウンなど市場特性に大きく依存しているため、世界的なトレンド変化には至っていないとした。また、同じく執筆・編集を担当した福島健太氏は、先月30億円を調達しブロックチェーンを使った DX 事業を発表した LayerX の動きに期待を込めた。大塚氏は、複数の異なるクリプトチェーンの相互往来を実現するプロジェクト「Polkadot」の動向に注目しているという。

MCB では、仮想通貨やブロックチェーンがもたらす社会変化は、IT 単体の場合に比べ、社会実装されるターゲットの産業が保守的である分、ある日突然ドラスティックに起きることは考えにくく、月日をかけて変わっていくだろうと推測。その観点からも、俯瞰的に長期にわたって業界動向を追うことの重要性を強調した。Blockchain Data Book は、購入者や読者の反応を見て、来年以降も発行を続けたいとした。

MCB では、先にあげた LOCKBLOCK に加え、ブロックチェーンや暗号資産に関する情報メディア「BLOCK INSIGHT(旧マネックス仮想通貨研究所)」、アンケートに答えるだけでビットコインがもらえるアプリ「cheeese」などを運営している。これまでに、暗号資産やブロックチェーンに業界カオスマップ、中国におけるブロックチェーン動向調査レポート、日本国内外のサプライチェーン領域におけるブロックチェーン活用事例と課題に関するレポートなどを公開している。

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ついにPaypalから暗号資産が買えるように?【報道】

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ピックアップ:PayPal, Venmo to Roll Out Crypto Buying and Selling: Sources ニュースサマリー:通貨メディアCoindeskによれば、決済大手のPaypalが、Paypal及び傘下の送金アプリVenmoに暗号資産(仮想通貨:cryptocurrency)売買機能を追加する可能性があるという。Coindeskに対し、情報筋は次のように語ったと…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップPayPal, Venmo to Roll Out Crypto Buying and Selling: Sources

ニュースサマリー:通貨メディアCoindeskによれば、決済大手のPaypalが、Paypal及び傘下の送金アプリVenmoに暗号資産(仮想通貨:cryptocurrency)売買機能を追加する可能性があるという。Coindeskに対し、情報筋は次のように語ったという。

私の理解では、Paypal社はPayPalとVenmoを通したユーザーの直接的な暗号資産売買を可能にしようとしている。何らかのウォレット機能を組み込むことで、ユーザーが暗号資産を保存できるようにするはずだ。

現段階では、どの暗号資産が売買可能になるのかという点や、いつサービスがローンチされるのかといった情報は明らかになっていない。しかし別の情報筋は、3カ月以内とコメントしている。

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Image Credit : Pixabay

話題のポイント:ついにフィンテック業界の巨人が暗号資産市場に参入するようです。

米国の若者に人気の決済・送金アプリとしては、SquareのCash Appが既にビットコインの売買機能を提供しています。しかしPayPal及びVenmoもとなると、米国の若者層にとって、暗号資産がグッと身近なものになるはずです。

CashAppのビットコイン売買事業は好調で、売り上げだけを見ればCashAppのその他のサービス全ての収益を上回るほどです。同社の他にも、英国発のチャレンジャー・バンクや株式投資アプリRobinhoodなども既に暗号資産の売買サービスを提供しています。今回のPaypalの意思決定が本当であれば、こういった先行者らの成功事例をふまえた可能性が高いでしょう。

Coindeskによれば、現在PaypalとVenmoにはそれぞれ3億2,500万人と5,200万人のユーザーがいるといいます。米国が最初のサービス展開エリアのみになると予想されますが、それでも十分過ぎるほど多くの人に暗号資産売買の機会が与えられることになります。

Paypalは2019年、FacebookのLibraプロジェクトに加盟していたものの、その後規制当局からの圧力により脱退しています。しかし2020年にブロックチェーンリサーチ関連の人材募集を行っていた事実もあり、フィンテック企業として着々と市場参入を検討していた様子が伺えます。

決済関連のフィンテック企業による売買機能の提供という意味でいえば、同社は紛れもなく後発であり、現時点で大きなビハインドを背負っています。しかし確かな規模のユーザーベースを武器に、着々とサービスを成長させていくことでしょう。今後の公式発表が待たれます。

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トヨタ系ら85億円出資したSYNQA(シンカ)、企業を「フィンテック化」させるその手法

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ニュースサマリ:一部報道があった通り、総合フィンテック企業「SYNQA」は6月22日、シリーズCラウンドの資金調達を公表する。 追記:SYNQAから公式のリリースが公表されている。 出資したのはSCB 1OX、スパークス・グループ(未来創生ファンド・2号)、トヨタファイナンシャルサービス、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、あいおいニッセイ同和損害保険、および非公開の投資家。SCB 1OX…

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写真左から共同創業者のDon Ezra Harinsut氏と長谷川潤氏

ニュースサマリ:一部報道があった通り、総合フィンテック企業「SYNQA」は6月22日、シリーズCラウンドの資金調達を公表する。

追記:SYNQAから公式のリリースが公表されている。

出資したのはSCB 1OX、スパークス・グループ(未来創生ファンド・2号)、トヨタファイナンシャルサービス、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、あいおいニッセイ同和損害保険、および非公開の投資家。SCB 1OXはタイのサイアム商業銀行傘下にあるホールディングス企業。

資金調達は第三者割当増資によるもので、引受先各社が出資した総額は8000万ドル(日本円で85.8億円相当)。各社の出資比率や評価額、払込日程などの詳細は明らかにしていない。

SYNQAはシンガポール拠点のホールディングス企業で、子会社にペイメントを手がけるOmiseと、イーサリアム・ブロックチェーンネットワークを開発・運営するOMG Networkなどを持つ。2020年4月にOmise Holdingsから社名をSYNQAに変更していた。

調達した資金はアジア全域における企業のデジタル化支援を目的としたソリューション開発や、グループ拡大のための企業買収などに投じられる予定。グループ共同創業者で、SYNQA代表取締役の⻑谷川潤氏によれば、現在の組織は270名規模に拡大しているそうだ。

話題のポイント:旧Omise Holdingsが大型調達です。Omiseと言えば、タイにおける決済プラットフォームとしての展開や、ブロックチェーンを活用した事業で知られています。特にイーサリアムの初期支援企業(第一号)としての顔は有名で、発行したOmise GOのICO(トークンによる資金調達)では2500万ドルを集めることに成功しました。ICO以外でのファイナンスはシリーズBまでで2000万ドル以上を集めています。

一方、暗号資産関連のアップダウンが激しかったせいか、彼らが祖業としているペイメントや、今回、大きく調達を果たすことになったエンタープライズ事業の全貌がやや見えづらくなっている印象がありました。長谷川氏が「あらゆる企業をフィンテック化する」と表現した、プラットフォーム戦略はどのようなものか、同氏の言葉と共に紐解いてみたいと思います。

感染症拡大で加速したペイメント事業

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主力事業のOmise Payment

まず、足元を支える祖業のペイメント事業「Omise Payment(以下、Omise)」ですが、長谷川氏の話では、今回の感染症拡大でも大きな影響を受けることなく、年次で30%成長を維持しているということでした。特に影響があった旅行関連(OTA)サービスへの大型導入がなかったこと、接触を避けることからECの需要が大きく伸びたこと、店舗でのキャッシュレス(Omiseでは実店舗の決済インフラも提供)が加速したことなどが結果的に追い風となったようです。

「キャッシュレスの流れは元々、モバイルペイメントが東南アジアで伸びていたというのもあって加速していたんです。そこにきて今回の感染症拡大で人々がお金に触れたくなくなった」(長谷川氏)。

ただ、この決済代行サービスは王者PayPalをはじめ、数多くの競合となるサービスが複雑に乱立しています。元々、手数料についてはVISAなどのクレジットカードブランド利用が必須であるなど、普及している市場での差別化は困難な状況でした。そこで彼らは勝ち筋としてまず市場を途上にあったタイに定め、インドネシア、マレーシア、シンガポール、日本とアジア中心に攻めることにしたのです。

そしてそれとほぼ同時に着目していたのが、技術基盤となるブロックチェーンです。決済に関わる取引を自律分散化することができれば、圧倒的なコストメリットが生まれる可能性があったからです。

同社はイーサリアムにいち早く企業として参加し、トランザクションの処理能力を高めたプラズマ開発に協力するなど、大きな影響を与えてきました。過程の中で実施したICOや、Omise GOトークンなどの結果は全て、現在のOMG Networkに引き継がれていくのですが、ここがやはり今回の大型調達のポイントとなるわけです。

処理速度が改善したOMG Network

OMG Networkの大きな話題は、米ドルとペッグされているステーブルコイン「テザー(USDT)」によるネットワーク利用です。これ自体の詳細はさておき、リリースの中でOMG Networkは「1秒間の取引処理を数千件、手数料についてはイーサリアムの30%程度に抑えることに成功した」と伝えています。

イーサリアムを使った取引では、資産を自律的に分散管理し、P2Pで移送・交換することが可能になります。例えばデジタルアイテムをコピーされることなく売買する、といった用途です。これまでは処理速度に問題を抱えていたのですが、OMG Networkではその問題を解決しつつあるのです。

彼らがデジタルアセットについてどういう取り組みをしてきたのかについては、こちらの記事も参照ください。

TOYOTA Walletで試される「企業のフィンテック化」

ペイメントソリューションとそのトランザクションを支えるブロックチェーン・ネットワーク。この二つがSYNQAの強みです。ではこれが重なると何ができるのか。その鍵となるのが「企業のフィンテック化」という現象です。

Every Company Will Be a Fintech Company(全ての企業はフィンテック化する)

これは、投資ファンドAndreessen Horowitzが今年頭に提唱した考え方で、簡単に言えば、あらゆる企業が金融サービスの提供社となってゆく世界観のことです。

また、最近Uberがドライバーへの給与即時支払いのための独自デビットカードの提供を開始しましたが、同デビットカードの発行及びトランザクション処理、そしてライセンスはパートナーである「Green Dot」というBaaS企業が全て肩代わりして実施しています。Green DotによるUberのフィンテック企業化はまさに、“全てのスタートアップがフィンテック企業になる”という主張の説得力を大きく後押する事例だと言えるでしょう(記事より引用)。

実は、今、SYNQAの事業で最も伸びているのがエンタープライズへの導入支援です。現在、270名の体制の内、70名ほどが在籍しており、しかも日本を拠点として活動しているのがその部隊です。いわば、UberにおけるGreen Dot的存在がSYNQAになるわけです。

「エンタープライズってリードタイムがすごく長いんですね。元々インフラを持っていたので、勝手にインテグレーションしてください、だったのを加速するために私たちは『プロフェッショナル・サービス』と呼んでいるんですが、開発導入支援を強化していたんです。これが今一番伸びています」(長谷川氏)。

エンタープライズという点ではLayerXに近い部分もあるのですが、主にフィンテック支援に特化している点が異なります。例えば、今回出資したトヨタファイナンシャルサービスで開発している「TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)」にはSYNQAグループのノウハウが活用されています。

さらにSIerと異なる点はやはり、OMG Networkの存在です。上に乗っかるサービスはポイントやウォレット、決済などそれぞれですが、その取引を支えるのは自律的な彼ら独自の分散ネットワークになります。ここが共通基盤となれば企業間での繋ぎ込みや、発行されるポイントなどの資産価値の交換などが容易になるほか、全体のネットワークをアップデートできるようになるのも、プラットフォーム共通化の利点です。

「Appleって元々ハードウェアの企業でしたよね。でも現在は収入の33%以上がサービスからのものになっています。これを可能にしたのが、エコシステムの存在です。日本のハードウェア企業との違いはここで、何らかのサービスを利用したいと思ったらApple Payがあるわけじゃないですか。さらに言えばグローバルで同じ体験ができるようになっている。ハードやサービスと決済が繋がっていないだけで体験が悪くなる」(長谷川氏)。

気になる8000万ドルの資金使途ですが、シンプルに時間を買うという考え方のようです。彼らの事業を加速させる事業買収や、東京の開発人員を拡大させることに投じられるようです。

「もう、今のステージでは燃やす(赤字を埋めるために投資する)ために使うという段階ではなくなっています。黒字化可能な状態なので、ここから更に成長率を上げるために時間を買う、という選択をしたんです。現在もいろいろ候補となる企業を見て回っています。あと、日本で導入支援をするためのチームを作っていて、そこはすごい勢いで拡大させています」(長谷川氏)。

日本人起業家としてアジアで創業し、力をつけてまた日本に凱旋してきた長谷川氏らSYNQA。日本企業を中心にアジアのフィンテック化というアップデートを果たすことができるか、結果に注目したいと思います。

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中国ブロックチェーン戦略を推進するTencent(騰訊)、新たな育成プログラムを開始

ピックアップ:Chinese Internet Giant Tencent Launches Blockchain Accelerator ニュースサマリ―:中国の大手メッセージング「WeChat」を運営するTencent(騰訊)社は4月にブロックチェーンアクセラレータの募集を開始している(応募は締切済み)。アーリーステージのスタートアップから成熟した企業までを対象に、30の席が用意されている。 …

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:Chinese Internet Giant Tencent Launches Blockchain Accelerator

ニュースサマリ―:中国の大手メッセージング「WeChat」を運営するTencent(騰訊)社は4月にブロックチェーンアクセラレータの募集を開始している(応募は締切済み)。アーリーステージのスタートアップから成熟した企業までを対象に、30の席が用意されている。

重要なポイント:今回のアクセラレーターである「Tencent Industrial Accelerator」ならではの特徴として、幅広いステージの企業の参加を認めている点や、参加に費用が一定程度かかる点、そして過去最低1回の資金調達ラウンドの経験を要求する点などが挙げられる。

詳細情報:採択企業には、年4回のメンタリング・業界ネットワークへの招待・TencentのBaaS (Blockchain as a Service)プラットフォームへの無料アクセス権、が提供される。

  • 中国経済の計画を担うNDRC(国家発展改革委員会)が、「ブロックチェーンは、クラウド、AI、IoTに加えた中国の技術インフラ戦略での重要な役割を果たす」と述べるように、中国の国を挙げた技術戦略の一つに位置づけられる
  • そのような戦略の元、中国の国家情報センターが主導してきたプラットフォームであるBSN(ブロックチェーンサービスネットワーク)が4月25日に正式に商用版が世界にリリースされ、他国のインフラのベースとなることを目指す。
  • 中国のブロックチェーン業界を引っ張るAlibaba(阿里巴巴)とTencentはそれぞれAlipay(支付宝)、WeChat Payというモバイル決済サービスを提供し、将来的にフェイスブックのLibra構想との直接的競合となりえる。また、既に国有の銀聯(UnionPay)を通じた決済もクリアし、CBDCの発行に関与する可能性が高いと見られている。
  • 特許数がTencentに次ぎ世界で二番手のAlibabaは、5月27日に米インテルと戦略的提携を結びブロックチェーンを活用した事例化の推進をするなど動きは活発。同社のペイメント部門であるアントフィナンシャルがブロックチェーン周りの一連のプロジェクトを主導している。

背景:Tencentは、2019年のブロックチェーン関連の特許の取得数が世界No.1(全体の5800件のうち718件を取得)で、すでにブロックチェーン業界のリーディングカンパニーとなっている。

執筆:國生啓佑/編集:渡邉草太

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絶対に消されないブログ「dBlog」が示す、検閲耐性の重要性

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ピックアップ:Decentralized blogging is coming to a URL near you thanks to a partnership between Unstoppable Domains and Protocol Labs. ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とするブロックチェーン企業Unstoppable Domainsが新しい分散型ブログサービス「dBlo…

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Image Credit : Unstoppable Domains

ピックアップDecentralized blogging is coming to a URL near you thanks to a partnership between Unstoppable Domains and Protocol Labs.

ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とするブロックチェーン企業Unstoppable Domainsが新しい分散型ブログサービス「dBlog 」をリリースした。dBlogを一言でいえば、政府や企業など、どんな主体でもコンテンツを取り消すことが不可能な、検閲耐性のあるブログプラットフォームである。Unstoppable Domains共同創業者のBrad Kam氏は以下のように述べる。

誰もそれを取り消すことはできない。検閲耐性のあるインターネットが利用可能になってきている。我々はやがて、多くの物議を醸すような、一部の世界からは許し難いような多くのコンテンツの誕生を目にするだろう。

本プロダクトは、同社の”.crypto”と付くドメインサービスとProtocol LabsIPFSと呼ばれる分散型ファイルシステムを基盤に成り立つ。(※詳細は後述)

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Image Credit : Unstoppable Domains

ウェブ上の検閲耐性の重要性

話題のポイント:dBlogは、Mediumやnoteのようなブログサービスが検閲耐性を持った状態を想像すると分かりやすいでしょう。一般的な文章や画像、音声、ビデオを挿入可能で、その内容はどんな理由があろうと消されることがなく、全て永久に残り続けます。

メリットを感じるか否かは個々の利用者次第です。一般的なライターやブロガーが同プラットフォームを便利だと感じるかには疑問が残ります。しかしジャーナリズムの観点で、検閲耐性のあるコンテンツプラットフォームは重大な力を発揮します。

トルコ政府が2017年から今年初めの3年間、インターネット百科事典Wikipediaを完全にブロックしていたことをご存知でしょうか。理由はWikipedia上にトルコとISISとのネガティブな関係を示す情報が記載されていたこと、そしてトルコ政府による消去依頼にWikipediaが応じなかったという一連の騒動を発端としています。

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2017年2月~5月の、トルコ国内のWikipediaページビュー。  Image Credit : Wikipedia

ISISとの関係の真偽に関してはここでは触れませんが、結果的に、トルコの憲法裁判所は政府によるWikipediaのブロックを人権侵害として違憲と見なしました。つまりトルコでは現在、Wikipediaは問題なく利用することができます。

Wikipediaが取り消しに応じていれば、政治的な力によって事実がねじ曲げられ、その認識が広まっていた可能性もあります。より根本的には、政治的な力によって、トルコ国民がWikipediaを通した広大な知へのアクセスを遮断されてしまったという事実は大きな問題です。

世界では様々なジャーナリストが政治や企業の腐敗を暴き、インターネットを通してその情報を拡散しています。しかし時に政府の力によって、彼らの公開した情報は検閲され、抹消されることがあります。

dBlogの技術的仕組み

dBlogのコアバリューはその点にあります。コンテンツが永久に残り続けるという代償を払う代わりに、検閲やバンされる心配がなく、表現/報道の自由が保護されるという点を根本的な価値としています。

Unstoppable Domainsのドメインサービスの役割は主に二つで、一つ目は暗号通貨送金におけるDNS(Domain Name Service)になることです。ユーザーが考えた特定の文字列を実際の暗号通貨アドレスに紐づけることで、より簡易的な、人間が理解・記憶可能な暗号通貨アドレスを作成することができます。

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Image Credit : IPFS

二つ目はより現行のDNSに近く、「.crypto」ドメインのウェブサイトドメインの作成及び提供で、こちらの仕組みを通してdBlogの各サイト及びコンテンツは管理されます。一般的なウェブサイトとの違いは、.cryptoドメインがついたウェブサイトの情報は全てP2PのストレージネットワークであるIPFS上に保存されるという点です。

IPFS上に保存した情報は、断片化及び暗号化された状態で、世界中に散らばるコンピュータ(ノード)が保存することになります。一つのサーバで管理されたデータではないため、例えアップロード主であっても、現実的に完全な削除を実行するのは困難だとされています。

IPFSはブロックチェーン技術との親和性が高く、実は様々なプロジェクトで、容量やセキュリティ上の理由で、ブロックチェーンに保存できないデータを保存する場所として用いられています。

<参考記事>

さて、暗号通貨アドレスやウェブサイトの名前に代わるドメインに、クライアント/サーバ型ではないファイルネットワークなどの発展を見ていると、何かウェブのあり方が大きく変わっていくような予感がします。

ブロックチェーン技術を含めて、これらの技術は現時点では未発達な領域ですが、今後の進展次第では、既存のネットジャイアントが支配するウェブに新しい変化をもたらす可能性があります。

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ビットコインを稼げるソーラーパネル付きノード「blockSpace」がアフリカに金融包摂をもたらすワケ

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ピックアップ:One Man’s Mission to Deploy Solar-Powered Bitcoin Nodes Across Africa 2015年に世界銀行が実施した統計によれば、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南のアフリカ地域)では約3億5,000万人以上の人が銀行口座を保有しておらず、十分な金融サービスにアクセスできない状態で生活しているそうです。 しかしそんな状況を、ビ…

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Image Credit : blockSpace

ピックアップOne Man’s Mission to Deploy Solar-Powered Bitcoin Nodes Across Africa

2015年に世界銀行が実施した統計によれば、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南のアフリカ地域)では約3億5,000万人以上の人が銀行口座を保有しておらず、十分な金融サービスにアクセスできない状態で生活しているそうです。

しかしそんな状況を、ビットコイン技術を通して改善を試みる動きがあります。ナイジェリアを拠点とするblockSpace Technologies Africaは、ソーラーパネルを搭載したビットコインノードを提供することで、金融包摂及び人々の経済的独立を実現しようとしています。

同社が提供するデバイスキット「SpaceBOX」は、ソーラーパネルに加えて、ビットコインの処理性能向上技術ライトニングネットワークのノードを含んでいます。つまり太陽光発電の電力がそのままビットコインの取引処理に用いられる仕組みです。

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blockSpace社のSpaceBOX Image Credit : blockSpace

本プロダクトのリリースに関して、blockSpace代表のChuta氏は以下のようにコメントしています。

これにより、世界の中で低所得地域に住む人でも、簡単にビットコインのエコシステムの一員になることができます。私たちの目標は、今後1年でアフリに大陸のあらゆる場所でビットコインライトニングノードの運用者を増やしていく予定です。

アフリカでも、一部の地域では既にビットコインは大きな人気を博しています。Coindeskによれば、送金の際はWestern Unionなどの決済業者はなく、ビットコインが用いられるケースも存在しているといいます。

ライトニングネットワークに関して少しだけ解説します。ライトニングネットワークは、ビットコインブロックチェーンそのものではなく、その上のレイヤーで、ビットコイン取引の高速化を実現するネットワークです。本稿では技術詳細の説明は省きますが、ビットコインの課題である取引遅延や手数料高騰を解決する技術として最も期待されています。

<参考記事>

世界ではジャック・ドーシー氏率いるSquare Cryptoが、Lighning Development Kitを提供するなどの貢献を見せていたり、日本にもいくつか研究開発を行う企業があります。

<参考記事>

現在世界には5,000を超えるライトニングネットワークノードがあり、そのほとんどは欧米に集中しています。ビットコインのマイニングと異なるのは、中国への集中がないことや、アフリカや東南アジア、オセアニアなど南半球にもネットワークが分散している点です。

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Image Credit : Lighting Network Explorer

最後に、blockSpaceのソーラーパネルを用いたアプローチは、環境への負荷のないクリーンエネルギーを活用している点に大きな魅力があります。現在のビットコインのマイニングには、大量の電力を消費するイスラエルやバングラデシュなどの国よりも多い電力を消費しています。

したがって、ビットコインはしばしば環境に悪いと批判されますが、ライトニングネットワークの規模が大きくなっていき、かつSpaceBoxのような再生可能エネルギーを動力としたノードが増加していけば、そのようなネガティブな見方も変化してくるのではないでしょうか。

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MSがビットコインベースのデジタルID「ION」公表、感染追跡などへ活用期待

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ピックアップ:Microsoft Releases Bitcoin-Based ID Tool as COVID-19 ‘Passports’ Draw Criticism ニュースサマリー:6月10日、Microsoftが手がけるビットコインブロックチェーンベースの分散型アイデンティティシステム「ION(アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク)」がベータ版で公開された。 現時点のユースケー…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:Microsoft Releases Bitcoin-Based ID Tool as COVID-19 ‘Passports’ Draw Criticism

ニュースサマリー:6月10日、Microsoftが手がけるビットコインブロックチェーンベースの分散型アイデンティティシステム「ION(アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク)」がベータ版で公開された。

現時点のユースケースとしては、特に新型コロナウイルス対策としてのオンライン健康報告や感染追跡など、医療分野における個人情報の保護が挙げられている。一方で他にも、より汎用的なプライバシー保護ツールとして活用されていく見込みだ。

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Image Credit : Micrsoft 

話題のポイント:ION上では、メールアドレス、ログイン情報といった「デジタルID」情報をビットコインブロックチェーン上で管理することが可能です。多くの個人情報が載せられることになる想定ですが、プライバシーは暗号技術によって保証されているといいます。

なお厳密には、IONはビットコインの2ndレイヤー技術であるSidetreeプロトコルをベースとしています。秒間数万回のトランザクションを捌くことが可能なため、世界規模の分散型IDシステムの維持に十分な性能を持ち合わせているそうです。

ION上のアイデンティティの有用性は、イメージとしては”より安全で汎用的なFacebookログイン”と考えると良いかもしれません。安全性に関しては上述の通りで、長期的には、医療だけでなく金融や一般的なウェブアプリケーションのログインに対しても利用される可能性があります。

Microsoftは、いわゆるGAFAMなどと呼ばれる巨大IT企業の中でも、特にブロックチェーン技術に関心の高い企業です。それも、本プロジェクトからも分かるように、プライベートではなくパブリックブロックチェーンの用途発見・開発に対し非常に前向きな姿勢を見せています。

同社は分散型アイデンティティ財団(DIF : Decentralized Identity Foundation )と提携し、IONを構築しています。同財団は、分散型のアイデンティティネットワークの推進及び標準規格の設定などを目的に立ち上げられた組織で、IBMやConsenSys、Accenture、Mastercardなど、多くのテック企業やブロックチェーン企業、金融機関が参加する世界的なコンソーシアムともいえます。

 

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ブロックチェーンで衛星とデバイスの直接通信を目指す「SpaceChain」

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semic…

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication

ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semiconductorとの戦略的パートナシップを締結したことを同社Mediumで発表した。同パートナーシップにより、衛星とデバイスの直接通信(Direct Satellite-to-Devices Communication)を可能とするハードウェア構築を目指す。

重要なポイント:衛星とデバイスが通信する場合、従来までは、地上の衛星アンテナやサードパーティネットワークを経由する方法が一般的とされていた。今回のパートナーシップはそうした常識を覆すものであり、またオープンソースで行われることから注目を集めている。

詳細情報:SpaceChain Foundationはコミュニティーベースの宇宙プラットフォーム。世界初のオープンソース・ブロックチェーンに基づく衛星ネットワークを構築することを目指している。宇宙技術とブロックチェーン技術を組み合わせ、ユーザーによる宇宙でのアプリケーション構築実現を目指す。

・同社の開発するブロックチェーンハードウェアウォレットは昨年12月、SpaceXのFalcon9ロケットに搭載され、国際宇宙ステーション(ISS)に到達したことで知られる。同ISS実証ミッションは、NanoracksとNASAとのSpace Act Agreementによって実現した。

・今回のパートナーシップにより、アクセス性と制約のないコラボレーションが可能となる。同社にとっては、分散型宇宙ハードウェアとニュースペース・エコノミーを実現していく大きな一歩となる。

・ブロックチェーンを活用することで、多層のグローバル分散型インフラストラクチャ上のデバイスをセキュアにすることが可能となるほか、同プロジェクトが実現すれば、ブロックチェーン技術が爆発的に実社会へ普及する起爆剤となる可能性がある。

・また、Googleを始めとするプラットフォーマーが採用しているオープンソースソフトウェア(OSS)概念のハードウェア版が採用され、オープンソースによるイノベーションの加速が期待される。プロジェクトで実際に公開されているコードは下記の通り。

https://github.com/coresemi

https://github.com/coresemi/gnss-baseband

背景:今回のSpacechainのパートナーシップ締結は、昨年12月にISSの実証実験をNASAらと行い、次なるステップとして金融サービスプロバイダー・IoTサービスプロバイダー・研究機関などと協業を推進していく上での通過点と言える。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

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Facebookの金融戦略:CalibraからNoviへブランド刷新、狙いにはLibraの独立性

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ピックアップ:Welcome to Novi ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。 Noviの具体的なリリース日は明…

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ピックアップ:Welcome to Novi

ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。

Noviの具体的なリリース日は明記されておらず、Libraネットワークのリリースに準ずると示されている。

話題のポイント:Calibraは昨年6月に、グローバル通貨・金融インフラの創造を目指すブロックチェーンプラットフォーム「Libra」におけるデジタルウォレットの役割を目指しプロジェクトが始動していました。

Libra自体は非営利組織の企業連合「Libra Association」として、FacebookやCalibra(現Novi)を含むa16z、TEMASEK、Uberなどが共同運営をしています。反してNoviは、Facebook直属でブロックチェーン事業リードのDavid Marcus氏によってプロジェクトが遂行されています。

 

Noviへのリブランディング背景について同氏は、「confusion」を解消させる目的にあるとしています。まず、上述のようにLibraとCalibraは極端に近似する名前となっていたため、どちらもFacebookによる運営だという誤解が広まっていました。また、CalibraのロゴがモバイルバンクCurrent社の色違いであることなどが指摘されていました。こうした「誤解」を取り除くことき、Libraの独立性を強調していきたい狙いがあるのだと思います。

さて、Libraは4月末にホワイトペーパーをアップデート(Whitepaper v 2.0)し、金融当局からの懸念を回避する方向性を示していました。アップデートされたWhitepaperでは、単一ローカル法廷通貨を担保としたステーブルコインLibra○○(○○ = 各国の法定通貨)の形の採用修正を加えています。これは金融当局に指摘された、複数通貨が入り混じった≋LBRのトランザクション量がスケールした際に、各国金融政策や金融自主権に大きな影響を及ぼすことを考慮した形と言えます(当初の≋LBRも一つの通貨として残り続けます)。

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Libra Whitepaper 2.0

Libraは上述した各国ごとの通貨とペッグしたステーブルコインの例に、米ドル・イギリスポンド・ユーロ( ≋USD, ≋GBP and ≋EUR)を現段階で挙げています。そのため、Noviでは少なくともこれら3通貨は初期リリース時に採用されることになるでしょう。しかし、Noviサイトのアプリインビテーションには、3通貨のみでなく日本円を含む数多くの通貨選択画面があるため、リリース時にはさらに多くの通貨に対応することが見込まれます。

先日リリースした「Facebook Shops」のように、同社はプラットフォーム内におけるペイメントの流動性が活性化される仕組みを着々と作り上げています。Noviは独立アプリとしてリリースされるものの、WhatsAppやMessengerでの利用を想定したインテグレーションが実装される予定です。

加えてNoviは、政府発行IDによるKYC(Know Your Customer)の義務化を徹底することで、AML/CFT対策(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)を講ずることを明示化しています。

Libraが目指すのはセンシティブな金融領域なことに加え、親会社Facebookが社会的に問われるプライバシー問題など、解決しなければならない課題は山積みです。また、KYCフローを導入することによるプライバシー情報の一極集中化など、対策への対策が必要な状況が続いています。ただ着実に、法の整備に沿いつつLibra構想が前進していることは間違いありません。

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