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中国ブロックチェーン戦略を推進するTencent(騰訊)、新たな育成プログラムを開始

ピックアップ:Chinese Internet Giant Tencent Launches Blockchain Accelerator ニュースサマリ―:中国の大手メッセージング「WeChat」を運営するTencent(騰訊)社は4月にブロックチェーンアクセラレータの募集を開始している(応募は締切済み)。アーリーステージのスタートアップから成熟した企業までを対象に、30の席が用意されている。 …

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:Chinese Internet Giant Tencent Launches Blockchain Accelerator

ニュースサマリ―:中国の大手メッセージング「WeChat」を運営するTencent(騰訊)社は4月にブロックチェーンアクセラレータの募集を開始している(応募は締切済み)。アーリーステージのスタートアップから成熟した企業までを対象に、30の席が用意されている。

重要なポイント:今回のアクセラレーターである「Tencent Industrial Accelerator」ならではの特徴として、幅広いステージの企業の参加を認めている点や、参加に費用が一定程度かかる点、そして過去最低1回の資金調達ラウンドの経験を要求する点などが挙げられる。

詳細情報:採択企業には、年4回のメンタリング・業界ネットワークへの招待・TencentのBaaS (Blockchain as a Service)プラットフォームへの無料アクセス権、が提供される。

  • 中国経済の計画を担うNDRC(国家発展改革委員会)が、「ブロックチェーンは、クラウド、AI、IoTに加えた中国の技術インフラ戦略での重要な役割を果たす」と述べるように、中国の国を挙げた技術戦略の一つに位置づけられる
  • そのような戦略の元、中国の国家情報センターが主導してきたプラットフォームであるBSN(ブロックチェーンサービスネットワーク)が4月25日に正式に商用版が世界にリリースされ、他国のインフラのベースとなることを目指す。
  • 中国のブロックチェーン業界を引っ張るAlibaba(阿里巴巴)とTencentはそれぞれAlipay(支付宝)、WeChat Payというモバイル決済サービスを提供し、将来的にフェイスブックのLibra構想との直接的競合となりえる。また、既に国有の銀聯(UnionPay)を通じた決済もクリアし、CBDCの発行に関与する可能性が高いと見られている。
  • 特許数がTencentに次ぎ世界で二番手のAlibabaは、5月27日に米インテルと戦略的提携を結びブロックチェーンを活用した事例化の推進をするなど動きは活発。同社のペイメント部門であるアントフィナンシャルがブロックチェーン周りの一連のプロジェクトを主導している。

背景:Tencentは、2019年のブロックチェーン関連の特許の取得数が世界No.1(全体の5800件のうち718件を取得)で、すでにブロックチェーン業界のリーディングカンパニーとなっている。

執筆:國生啓佑/編集:渡邉草太

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絶対に消されないブログ「dBlog」が示す、検閲耐性の重要性

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ピックアップ:Decentralized blogging is coming to a URL near you thanks to a partnership between Unstoppable Domains and Protocol Labs. ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とするブロックチェーン企業Unstoppable Domainsが新しい分散型ブログサービス「dBlo…

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Image Credit : Unstoppable Domains

ピックアップDecentralized blogging is coming to a URL near you thanks to a partnership between Unstoppable Domains and Protocol Labs.

ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とするブロックチェーン企業Unstoppable Domainsが新しい分散型ブログサービス「dBlog 」をリリースした。dBlogを一言でいえば、政府や企業など、どんな主体でもコンテンツを取り消すことが不可能な、検閲耐性のあるブログプラットフォームである。Unstoppable Domains共同創業者のBrad Kam氏は以下のように述べる。

誰もそれを取り消すことはできない。検閲耐性のあるインターネットが利用可能になってきている。我々はやがて、多くの物議を醸すような、一部の世界からは許し難いような多くのコンテンツの誕生を目にするだろう。

本プロダクトは、同社の”.crypto”と付くドメインサービスとProtocol LabsIPFSと呼ばれる分散型ファイルシステムを基盤に成り立つ。(※詳細は後述)

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Image Credit : Unstoppable Domains

ウェブ上の検閲耐性の重要性

話題のポイント:dBlogは、Mediumやnoteのようなブログサービスが検閲耐性を持った状態を想像すると分かりやすいでしょう。一般的な文章や画像、音声、ビデオを挿入可能で、その内容はどんな理由があろうと消されることがなく、全て永久に残り続けます。

メリットを感じるか否かは個々の利用者次第です。一般的なライターやブロガーが同プラットフォームを便利だと感じるかには疑問が残ります。しかしジャーナリズムの観点で、検閲耐性のあるコンテンツプラットフォームは重大な力を発揮します。

トルコ政府が2017年から今年初めの3年間、インターネット百科事典Wikipediaを完全にブロックしていたことをご存知でしょうか。理由はWikipedia上にトルコとISISとのネガティブな関係を示す情報が記載されていたこと、そしてトルコ政府による消去依頼にWikipediaが応じなかったという一連の騒動を発端としています。

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2017年2月~5月の、トルコ国内のWikipediaページビュー。  Image Credit : Wikipedia

ISISとの関係の真偽に関してはここでは触れませんが、結果的に、トルコの憲法裁判所は政府によるWikipediaのブロックを人権侵害として違憲と見なしました。つまりトルコでは現在、Wikipediaは問題なく利用することができます。

Wikipediaが取り消しに応じていれば、政治的な力によって事実がねじ曲げられ、その認識が広まっていた可能性もあります。より根本的には、政治的な力によって、トルコ国民がWikipediaを通した広大な知へのアクセスを遮断されてしまったという事実は大きな問題です。

世界では様々なジャーナリストが政治や企業の腐敗を暴き、インターネットを通してその情報を拡散しています。しかし時に政府の力によって、彼らの公開した情報は検閲され、抹消されることがあります。

dBlogの技術的仕組み

dBlogのコアバリューはその点にあります。コンテンツが永久に残り続けるという代償を払う代わりに、検閲やバンされる心配がなく、表現/報道の自由が保護されるという点を根本的な価値としています。

Unstoppable Domainsのドメインサービスの役割は主に二つで、一つ目は暗号通貨送金におけるDNS(Domain Name Service)になることです。ユーザーが考えた特定の文字列を実際の暗号通貨アドレスに紐づけることで、より簡易的な、人間が理解・記憶可能な暗号通貨アドレスを作成することができます。

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Image Credit : IPFS

二つ目はより現行のDNSに近く、「.crypto」ドメインのウェブサイトドメインの作成及び提供で、こちらの仕組みを通してdBlogの各サイト及びコンテンツは管理されます。一般的なウェブサイトとの違いは、.cryptoドメインがついたウェブサイトの情報は全てP2PのストレージネットワークであるIPFS上に保存されるという点です。

IPFS上に保存した情報は、断片化及び暗号化された状態で、世界中に散らばるコンピュータ(ノード)が保存することになります。一つのサーバで管理されたデータではないため、例えアップロード主であっても、現実的に完全な削除を実行するのは困難だとされています。

IPFSはブロックチェーン技術との親和性が高く、実は様々なプロジェクトで、容量やセキュリティ上の理由で、ブロックチェーンに保存できないデータを保存する場所として用いられています。

<参考記事>

さて、暗号通貨アドレスやウェブサイトの名前に代わるドメインに、クライアント/サーバ型ではないファイルネットワークなどの発展を見ていると、何かウェブのあり方が大きく変わっていくような予感がします。

ブロックチェーン技術を含めて、これらの技術は現時点では未発達な領域ですが、今後の進展次第では、既存のネットジャイアントが支配するウェブに新しい変化をもたらす可能性があります。

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ビットコインを稼げるソーラーパネル付きノード「blockSpace」がアフリカに金融包摂をもたらすワケ

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ピックアップ:One Man’s Mission to Deploy Solar-Powered Bitcoin Nodes Across Africa 2015年に世界銀行が実施した統計によれば、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南のアフリカ地域)では約3億5,000万人以上の人が銀行口座を保有しておらず、十分な金融サービスにアクセスできない状態で生活しているそうです。 しかしそんな状況を、ビ…

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Image Credit : blockSpace

ピックアップOne Man’s Mission to Deploy Solar-Powered Bitcoin Nodes Across Africa

2015年に世界銀行が実施した統計によれば、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南のアフリカ地域)では約3億5,000万人以上の人が銀行口座を保有しておらず、十分な金融サービスにアクセスできない状態で生活しているそうです。

しかしそんな状況を、ビットコイン技術を通して改善を試みる動きがあります。ナイジェリアを拠点とするblockSpace Technologies Africaは、ソーラーパネルを搭載したビットコインノードを提供することで、金融包摂及び人々の経済的独立を実現しようとしています。

同社が提供するデバイスキット「SpaceBOX」は、ソーラーパネルに加えて、ビットコインの処理性能向上技術ライトニングネットワークのノードを含んでいます。つまり太陽光発電の電力がそのままビットコインの取引処理に用いられる仕組みです。

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blockSpace社のSpaceBOX Image Credit : blockSpace

本プロダクトのリリースに関して、blockSpace代表のChuta氏は以下のようにコメントしています。

これにより、世界の中で低所得地域に住む人でも、簡単にビットコインのエコシステムの一員になることができます。私たちの目標は、今後1年でアフリに大陸のあらゆる場所でビットコインライトニングノードの運用者を増やしていく予定です。

アフリカでも、一部の地域では既にビットコインは大きな人気を博しています。Coindeskによれば、送金の際はWestern Unionなどの決済業者はなく、ビットコインが用いられるケースも存在しているといいます。

ライトニングネットワークに関して少しだけ解説します。ライトニングネットワークは、ビットコインブロックチェーンそのものではなく、その上のレイヤーで、ビットコイン取引の高速化を実現するネットワークです。本稿では技術詳細の説明は省きますが、ビットコインの課題である取引遅延や手数料高騰を解決する技術として最も期待されています。

<参考記事>

世界ではジャック・ドーシー氏率いるSquare Cryptoが、Lighning Development Kitを提供するなどの貢献を見せていたり、日本にもいくつか研究開発を行う企業があります。

<参考記事>

現在世界には5,000を超えるライトニングネットワークノードがあり、そのほとんどは欧米に集中しています。ビットコインのマイニングと異なるのは、中国への集中がないことや、アフリカや東南アジア、オセアニアなど南半球にもネットワークが分散している点です。

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Image Credit : Lighting Network Explorer

最後に、blockSpaceのソーラーパネルを用いたアプローチは、環境への負荷のないクリーンエネルギーを活用している点に大きな魅力があります。現在のビットコインのマイニングには、大量の電力を消費するイスラエルやバングラデシュなどの国よりも多い電力を消費しています。

したがって、ビットコインはしばしば環境に悪いと批判されますが、ライトニングネットワークの規模が大きくなっていき、かつSpaceBoxのような再生可能エネルギーを動力としたノードが増加していけば、そのようなネガティブな見方も変化してくるのではないでしょうか。

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MSがビットコインベースのデジタルID「ION」公表、感染追跡などへ活用期待

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ピックアップ:Microsoft Releases Bitcoin-Based ID Tool as COVID-19 ‘Passports’ Draw Criticism ニュースサマリー:6月10日、Microsoftが手がけるビットコインブロックチェーンベースの分散型アイデンティティシステム「ION(アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク)」がベータ版で公開された。 現時点のユースケー…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:Microsoft Releases Bitcoin-Based ID Tool as COVID-19 ‘Passports’ Draw Criticism

ニュースサマリー:6月10日、Microsoftが手がけるビットコインブロックチェーンベースの分散型アイデンティティシステム「ION(アイデンティティ・オーバーレイ・ネットワーク)」がベータ版で公開された。

現時点のユースケースとしては、特に新型コロナウイルス対策としてのオンライン健康報告や感染追跡など、医療分野における個人情報の保護が挙げられている。一方で他にも、より汎用的なプライバシー保護ツールとして活用されていく見込みだ。

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Image Credit : Micrsoft 

話題のポイント:ION上では、メールアドレス、ログイン情報といった「デジタルID」情報をビットコインブロックチェーン上で管理することが可能です。多くの個人情報が載せられることになる想定ですが、プライバシーは暗号技術によって保証されているといいます。

なお厳密には、IONはビットコインの2ndレイヤー技術であるSidetreeプロトコルをベースとしています。秒間数万回のトランザクションを捌くことが可能なため、世界規模の分散型IDシステムの維持に十分な性能を持ち合わせているそうです。

ION上のアイデンティティの有用性は、イメージとしては”より安全で汎用的なFacebookログイン”と考えると良いかもしれません。安全性に関しては上述の通りで、長期的には、医療だけでなく金融や一般的なウェブアプリケーションのログインに対しても利用される可能性があります。

Microsoftは、いわゆるGAFAMなどと呼ばれる巨大IT企業の中でも、特にブロックチェーン技術に関心の高い企業です。それも、本プロジェクトからも分かるように、プライベートではなくパブリックブロックチェーンの用途発見・開発に対し非常に前向きな姿勢を見せています。

同社は分散型アイデンティティ財団(DIF : Decentralized Identity Foundation )と提携し、IONを構築しています。同財団は、分散型のアイデンティティネットワークの推進及び標準規格の設定などを目的に立ち上げられた組織で、IBMやConsenSys、Accenture、Mastercardなど、多くのテック企業やブロックチェーン企業、金融機関が参加する世界的なコンソーシアムともいえます。

 

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ブロックチェーンで衛星とデバイスの直接通信を目指す「SpaceChain」

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semic…

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication

ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semiconductorとの戦略的パートナシップを締結したことを同社Mediumで発表した。同パートナーシップにより、衛星とデバイスの直接通信(Direct Satellite-to-Devices Communication)を可能とするハードウェア構築を目指す。

重要なポイント:衛星とデバイスが通信する場合、従来までは、地上の衛星アンテナやサードパーティネットワークを経由する方法が一般的とされていた。今回のパートナーシップはそうした常識を覆すものであり、またオープンソースで行われることから注目を集めている。

詳細情報:SpaceChain Foundationはコミュニティーベースの宇宙プラットフォーム。世界初のオープンソース・ブロックチェーンに基づく衛星ネットワークを構築することを目指している。宇宙技術とブロックチェーン技術を組み合わせ、ユーザーによる宇宙でのアプリケーション構築実現を目指す。

・同社の開発するブロックチェーンハードウェアウォレットは昨年12月、SpaceXのFalcon9ロケットに搭載され、国際宇宙ステーション(ISS)に到達したことで知られる。同ISS実証ミッションは、NanoracksとNASAとのSpace Act Agreementによって実現した。

・今回のパートナーシップにより、アクセス性と制約のないコラボレーションが可能となる。同社にとっては、分散型宇宙ハードウェアとニュースペース・エコノミーを実現していく大きな一歩となる。

・ブロックチェーンを活用することで、多層のグローバル分散型インフラストラクチャ上のデバイスをセキュアにすることが可能となるほか、同プロジェクトが実現すれば、ブロックチェーン技術が爆発的に実社会へ普及する起爆剤となる可能性がある。

・また、Googleを始めとするプラットフォーマーが採用しているオープンソースソフトウェア(OSS)概念のハードウェア版が採用され、オープンソースによるイノベーションの加速が期待される。プロジェクトで実際に公開されているコードは下記の通り。

https://github.com/coresemi

https://github.com/coresemi/gnss-baseband

背景:今回のSpacechainのパートナーシップ締結は、昨年12月にISSの実証実験をNASAらと行い、次なるステップとして金融サービスプロバイダー・IoTサービスプロバイダー・研究機関などと協業を推進していく上での通過点と言える。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

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Facebookの金融戦略:CalibraからNoviへブランド刷新、狙いにはLibraの独立性

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ピックアップ:Welcome to Novi ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。 Noviの具体的なリリース日は明…

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ピックアップ:Welcome to Novi

ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。

Noviの具体的なリリース日は明記されておらず、Libraネットワークのリリースに準ずると示されている。

話題のポイント:Calibraは昨年6月に、グローバル通貨・金融インフラの創造を目指すブロックチェーンプラットフォーム「Libra」におけるデジタルウォレットの役割を目指しプロジェクトが始動していました。

Libra自体は非営利組織の企業連合「Libra Association」として、FacebookやCalibra(現Novi)を含むa16z、TEMASEK、Uberなどが共同運営をしています。反してNoviは、Facebook直属でブロックチェーン事業リードのDavid Marcus氏によってプロジェクトが遂行されています。

 

Noviへのリブランディング背景について同氏は、「confusion」を解消させる目的にあるとしています。まず、上述のようにLibraとCalibraは極端に近似する名前となっていたため、どちらもFacebookによる運営だという誤解が広まっていました。また、CalibraのロゴがモバイルバンクCurrent社の色違いであることなどが指摘されていました。こうした「誤解」を取り除くことき、Libraの独立性を強調していきたい狙いがあるのだと思います。

さて、Libraは4月末にホワイトペーパーをアップデート(Whitepaper v 2.0)し、金融当局からの懸念を回避する方向性を示していました。アップデートされたWhitepaperでは、単一ローカル法廷通貨を担保としたステーブルコインLibra○○(○○ = 各国の法定通貨)の形の採用修正を加えています。これは金融当局に指摘された、複数通貨が入り混じった≋LBRのトランザクション量がスケールした際に、各国金融政策や金融自主権に大きな影響を及ぼすことを考慮した形と言えます(当初の≋LBRも一つの通貨として残り続けます)。

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Libra Whitepaper 2.0

Libraは上述した各国ごとの通貨とペッグしたステーブルコインの例に、米ドル・イギリスポンド・ユーロ( ≋USD, ≋GBP and ≋EUR)を現段階で挙げています。そのため、Noviでは少なくともこれら3通貨は初期リリース時に採用されることになるでしょう。しかし、Noviサイトのアプリインビテーションには、3通貨のみでなく日本円を含む数多くの通貨選択画面があるため、リリース時にはさらに多くの通貨に対応することが見込まれます。

先日リリースした「Facebook Shops」のように、同社はプラットフォーム内におけるペイメントの流動性が活性化される仕組みを着々と作り上げています。Noviは独立アプリとしてリリースされるものの、WhatsAppやMessengerでの利用を想定したインテグレーションが実装される予定です。

加えてNoviは、政府発行IDによるKYC(Know Your Customer)の義務化を徹底することで、AML/CFT対策(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)を講ずることを明示化しています。

Libraが目指すのはセンシティブな金融領域なことに加え、親会社Facebookが社会的に問われるプライバシー問題など、解決しなければならない課題は山積みです。また、KYCフローを導入することによるプライバシー情報の一極集中化など、対策への対策が必要な状況が続いています。ただ着実に、法の整備に沿いつつLibra構想が前進していることは間違いありません。

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経済活動のデジタル化、LayerXという旅の始まり

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です LayerXは本日、新たな増資についての情報を公開させていただきました。詳細はそちらをご確認いただくとして、本稿では、僕らがこれから掲げる「経済活動のデジタル化」について、今の考えを記しておきたいと思います。 なぜ今、DX、デジタル化なのか ミッション自体はコロナ前から「すべての経済活動を、デジタル化する」に変えることを考えていて…

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LayerX代表取締役、福島良典

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

LayerXは本日、新たな増資についての情報を公開させていただきました。詳細はそちらをご確認いただくとして、本稿では、僕らがこれから掲げる「経済活動のデジタル化」について、今の考えを記しておきたいと思います。

なぜ今、DX、デジタル化なのか

ミッション自体はコロナ前から「すべての経済活動を、デジタル化する」に変えることを考えていて、前のもの(Evaluate Everything)は主に社内向けでした。やってることが大きく変わったということではなく、伝え方を変えたという感じです。

新型コロナウイルスの影響でDXが進む、みたいな話もありますが実は関係なく、ワークフローのデジタル化が2020年代のビッグトレンドになることは以前から考えていて、今回の件でそれが確定的になったなと、そういう見方をしています。

もともとソフトウェア技術の進歩は、ある地点から離れたある地点にデジタルに情報を伝えるということから始まり、次にいわゆる機械学習的なものが出てきて、人の作業 、知的作業がソフトウェア化されていったものなんですね。

じゃあブロックチェーンで何が起こっているかというと、人が作っていたガバナンスとか作ってたワークフロー、例えば何かを承認したらそれをもとに請求作業をやるとか、合意したことによって実行されますとか、それぞれガバナンスじゃないですか。

そういった、今まで人がやらざるをえなかったことが、技術でカバーできるようになってきたことが大きな変化で、さらに裏側のコンピューティングのコストがずっと下がり続けているということも含めて、今、 結構変わり始めるタイミングなのかなと思っています。

LayerXの提携戦略

ではこの状況に対してどう動くか。

僕らが発表している提携は2種類ありまして、ひとつがDXしたい先。例えば三井物産さんというのは「DXしたい主体」ということで、そういったパートナーがあります。

もうひとつは「欠かせない役割を担ってくれる」パートナーです。

例えば、証券のワークフローを作る時、「証券を買います」って時に契約しない人なんていないので、必ずワークフローの中に「契約」というものを持っているわけです。あるいは配当するときとか決算をしめる時に会計ソフトを使わないアセットマネジメントの会社があるかというと、絶対使うじゃないですか。

配当する時に、銀行送金を使わない会社だって存在しない。そこのデジタル化をやっているのが電子契約だったら弁護士ドットコムさんのクラウドサインだし、会計ソフトだったらマネーフォワードさんとかfreeeさんだったりするわけです。銀行APIについては先進的な取り組みをされているGMOあおぞらネット銀行さんです。今回は3社(弁護士ドットコム、マネーフォワード、GMOあおぞらネット銀行)と提携を発表させていただいています。

つまり、先ほどの業務のワークフローとか業務のデジタル化をする時にこういった「欠かせない役割」を持っている先が僕らのパートナーシップの発表を出しているところなんです。

また、僕らはデジタルになることですべてを平等に繋げることができるようになると思っています。

この反対がベンダーロックインとかそういった概念で、会計ソフトだったらこれを使わなきゃいけない、契約サービスだったら社内ワークフロー的に印鑑を使ってくださいとか、そういった何かのルールにロックインされた状態が不便な状態です。

逆にデジタル化していくっていうのは、何とでも繋げますよと。例えば会計ソフトで社内リソース管理で使っているERPと会計ソフトが分離していますという時も、その裏の共通のデータを一元管理するものって作れますよねとか、そういったところをやっていくパートナーです。

LayerXが全部作るってありえないと思うんですよね、めちゃくちゃUXのいい電子契約サービスを作れますかっていうとそれは専門でやってる人の方がいいでしょう。

ただ会計とその電子契約を結んで何かのワークフローを作るというところはLayerXが専門にやっているところなので、逆に言うとお客様ごとにカスタマイズして○○銀行さんのためのAPIですってものはやっぱり作らないと思うんです。そういった補完関係としてのパートナーシップを今どんどん発表しています。

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DX事業はどう進める

整理すると「顧客」と「顧客のDXに使われる技術」みたいな分け方です。会計ソフトとか電子契約みたいなのは技術側で、僕らが顧客にしているのはそういったツールを入れてDXをしたい先で、三井物産さんやMUFGさんなどがそれにあたります。

実際どのように進めているのかというと、三井物産さんと僕らは今ジョイントベンチャーを作って一緒にアセットマネジメント会社を運営しています。JVを作る背景として、PoCではなく商用化を推し進めるためにその先にあるビジネスのエグゼキューションを意識しています。従来一般的とされてきた受委託の関係ではなく、双方がリスクを取ってJVをつくり一緒にやっていくことでインセンティブを一致させていく、そういった考えで運営しています。

それで実際ワークフローを作る時、先ほどのパートナー企業様のツールを使っているんですね。実際に印鑑を使わない電子契約サービスだとか、独自の会計システムを用意するんじゃなくて、クラウド会計システムを使って、その裏側の業務フロー、請求書と繋いでとか電子契約と繋いでとかは内製化してるんですけど、ツール自体はクラウド会計を使ってるんです。

お金のやりとり、投資家からお金が振り込まれましたとか、逆にファンド側から配当としてお金を振り込みますとか、譲渡した時に権利者同士でお金の やり取りをしますとか、そういうところは銀行APIで繋いでいます。

こうやって実際に合弁会社を作り、業務フローを作っていく中で「役割として」必要となるパートナーが見えてきたので、このような提携戦略を進めています。さらにこれは三井物産さんに限った話じゃなくて、ここで得た知見を元に、より汎用的なソリューションとして提供していけるような体制をLayerXとしても作りたいと考えてます。

経済のデジタル化とは

デジタル化をどう表現するか、なんですがまず、チャネルの変化がありますよね。

例えば銀行。デジタルバンキングによりインターネット上で送金もできるし投資信託も買えるとか、あるいは店舗、百貨店に行ってたのがアマゾンとか楽天で買えるようになりました。紙やテレビでニュースを見てたみたいな人がスマホでニュースとか動画を見るようになったとか。

いわゆるユーザーチャネルのデジタルシフトが、今までの「デジタル化」です。

僕らがフォーカスしているデジタル化はどちらかというと、その裏側で働いている人のデジタル化というところが大きな違いになります。例えばSaaSが広がって、契約の証明をするのがデジタルになりましたとか、会計ソフトがデジタルになりましたみたいなのがあると思うんですけど、その間のワークフローは全てアナログだったりします。

契約書をチェックして請求書を送って相手からお金を送ってもらい、これをまた確認しました、という一連の動きはおそらく多くの会社で「部分部分」はデジタルになっていても、全体はデジタルなっていないのかなと思っています。

特に直近のパンデミックによって、そういった部分のデジタル化が単なる経済的な意味じゃなくて社会的な意味でも重要になりました。

日本は人口が少なくなっていく国でどうやって人の労働力に頼らず、デジタルにシフトしていって生産性を保つとか、そういったところが今後の大きなデジタル化の流れになるのかなと思います。

LayerXがやっていくデジタル化は単にマーケティングをデジタルでやります、チャンネルをデジタルで用意しますじゃなくて、働き方がデジタルになりますみたいなところにフォーカスしてやっていこうと思っています。

ブロックチェーンはマストなのか

ブロックチェーンの世界って、どうしてもインターフェースから最後のデータのトランザクションのやり取りまで「全部ブロックチェーンで」みたいな考え方がなぜか当たり前に考えられているんですけど、ソフトウェアの技術はレイヤー化していくもので、この部分は「例えばこう使って」みたいなことができたらいいよねと思っています。

なのでブロックチェーンはマストではないけどベターと考えています。

例えばガバナンスの整合性をとる作業とか、重い産業(※)だとよくあるのが部署によって見ているデーターベースが違いますとか、会社間を跨ったサプライチェーンの管理や証券の管理をする際には相性が良く、実装しやすいのは真実だろうと思います。

※LayerXでは金融機関やサプライチェーンが長きにわたる企業、製造業を「重い産業」と称しています

一方、相性が悪いところで今ブロックチェーンを使うべきかというとそうは思わないです。例えばデジタル署名の入り口みたいなところに、敢えてブロックチェーン的な処理を入れてウォレットを持ってということをやるのがマストかというとそうは思わない。

あと、ブロックチェーンという言葉の意味が広くなってしまっている状況も考える必要があります。

ブロックチェーンも適材適所と言いますか、例えば単にヒストリカルに改ざんされにくいデーターベースを社内で残したいということなら、Amazonが出しているQLDBのような分散化されてないけどブロックチェーン的にヒストリカルデータを簡単にトレースバックもトレースフォワードもできるみたいな技術があるんです。

また、ワークフローがデジタル署名をトリガーに走るというものであればHyperledgerみたいなものとか、逆に金融機関同士の(個別の)データは同じ金融機関同士でないと取引は見れちゃいけないが、証券の取引整合性は全体で担保したいといったケースはcordaとか、そういったユースケースによって当然技術って選ばれるものが変わってくるのかなと思ってます。

なので (ブロックチェーンは)マストではないが、ベターではあると思う。なくても実現できるが、ブロックチェーン的な技術を使った方がコストが下がるとか楽に実装できるのに、あえてなぜそれを使わないのっていうのを「why not blockchain」と僕らは言っています。つまり、一番上の目標にDXを掲げていて技術選択としてブロックチェーンを使っていくという考え方なんです。

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インターネットエンタープライズのゆくえ

産業は最初は群雄割拠で始まって、どんどん統廃合が繰り返されていって、その上でその産業の成熟期になると大きいもの同士の合併とか生産性を上げていくというのが、ソフトウェア業界に限らず広く一般的なことです。

明治維新の頃の商社や戦後の自動車産業、飛行機産業はいっぱいベンチャーがあったが今は淘汰が進んで数社しか残っていません。これと同じことがインターネット産業でも起こると思っています。メディアでもコマースでもゲームでも起こると思います。

皆さんの中でも思い浮かぶ勝ち組って決まってませんか?例えば、ZコーポレーションがLINEと統合だとか、ZOZOを買収するとかって完全に成熟産業の動きです。日本のEコマース率は6〜7%くらいですかね、メディアのインターネット化率も100%ではありません。なのでどんどん大きくなっていくとは思いますが、その成長を享受できるのがベンチャー企業なのか、すでに参入したテックジャイアントなのかというと、後者になってきているのが今の現実的なインターネットメディア市場の見方です。

逆に「インターネットエンタープライズ市場」はまだこれからベンチャーが活躍する、新しいルールを作っていくチャンスがある産業だと思っています。インターネットメディア産業を否定するわけではなく、僕はそういうビジョンとか考え方を持ってベンチャー企業がやる意義のある仕事っていうのは、エンタープライズ側にどんどんシフトしてきているんじゃないかなと。

例えばTencent(騰訊)やAlibaba(阿里巴巴集团)はインターネットメディア産業の象徴だと理解されているかもしれませんが、実はTencentの会長はもうエンタープライズ向けの会社になると明言しているし、次の成長の柱としてSME向けの決済ツール、金融のツールを売っていて、実際売り上げの比率でいうと3割くらいになっているんですね。一方のAlibabaはAnt Financial(蚂蚁金服)とビークルを分けてしまっているので、売上の詳細は不明ですが同じくらいあるんじゃないでしょうか。

Amazonも営業利益のほとんどはAWSの売り上げです、Microsoftもエンタープライズ向けビジネスですよねもちろんB2C向けのサービスも持っていますが。GoogleもAWS的なGCPのビジネスを拡大していて、テックジャイアントと言われるところもエンタープライズ向けにシフトしてきています。

旅のはじまり

LayerXでの取り組みは、時間をかけてしっかりやっていこうと思っています。というのも、こういったエンタープライズの領域はtoCのビジネスのように、売り上げが0だったものが数年で何百億にというように急激に伸びるってことはそんなに起こらないと思うんです。

営業活動が必要ですし、ボタンを押すだけでユーザーがスケールしていくみたいな、スケールをお金で買うみたいな手段がそんなにある産業ではないので、地道な改善活動、地道な説得、地道な実装をやっていく。一方で、どこかでそれらが普及した先にスケーラブルな成長があると思います。最初は線形の伸びに見えるが、長い時間軸で見ると指数関数的になっていたみたいな、そういう類の産業かなと思っています。

なので時間をかけてやるのが大前提です。しっかりとキャッシュフローを積み上げて10年20年のタイムスパンで大きな波を作れればいいのかなと、それくらいの期間でやっていくくらいで考えています 。

産業的にはここの業界で先行してきたエムスリーやモノタロウはそういった思想で20年経営して、今や1兆円を超える時価総額になっています。それくらいの成長を思い描いていますが、2年後3年後に突然数千億にという類の市場ではないのかなと思っています。

via PR TIMES STORY

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30億円調達のLayerX、「経済活動のデジタル化」で世界を変える

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期待のスタートアップ「LayerX」が大型調達だ。 一部で報道されている通り、経済活動のデジタル化を担うLayerXは今日、増資の発表をする。(追記:正式に公表された)第三者割当増資によるもので、引き受けたのはジャフコ、 ANRI、YJキャピタルの3社。出資総額は30億円になる。評価額や出資比率、払込日などの詳細は開示されていない。 LayerXが外部資金を受け入れるのは2019年8月に実施したM…

LayerX
LayerXチーム(提供:LayerX)

期待のスタートアップ「LayerX」が大型調達だ。

一部で報道されている通り、経済活動のデジタル化を担うLayerXは今日、増資の発表をする。(追記:正式に公表された)第三者割当増資によるもので、引き受けたのはジャフコ、 ANRI、YJキャピタルの3社。出資総額は30億円になる。評価額や出資比率、払込日などの詳細は開示されていない。

LayerXが外部資金を受け入れるのは2019年8月に実施したMBO以来初。調達した資金は商用化のための事業会社設立や対応する事業、プロダクト開発、人材採用に投資される。

経済活動のデジタル化とは

LayerXを一言で表すことは難しい。設立当初こそブロックチェーン技術にフォーカスした開発集団、というイメージはあったが、わかりやすいプロダクトは持たず、企業のデジタル化に特化した支援事業を手掛けるとしたからだ。言い換えれば「受託開発企業」とも取れる。

しかし、創業者はあの福島良典氏だ。学生時代に手掛けたニュース・キュレーションサービス「Gunosy」は事業として成長し、2017年には東証一部への鞍替えも果たしている。彼が小さな受託会社を作って引っ込みたいと思う方が間違っている。

では、具体的に何が起こるのか。これまでも本誌では彼の心の内を紐解いてきた。

<参考記事>

彼らのビジョンの中心には主にブロックチェーンによってもたらされる新たな概念、プロセスの自律分散化、資産の証券化、個人がテクノロジーを活用して最大化される、そういった世界観が示されていた。

一方、ここ1年の彼らの活動は極めて現実的だ。特に提携戦略は創業間もないスタートアップの面影は一切ない王道をいくものだった。2019年11月の三菱UFJフィナンシャル・グループとの協業に始まり、今年4月には三井物産らと共同で三井物産デジタル・アセットマネジメント(三井物産 54%、LayerX 36%、SMBC日興証券 5%、三井住友信託銀行 5%)を設立。ここでは実際の資産管理事業に取り組む。

さらにブロックチェーンを活用した世界的な金融パートナーであるR3とも公式な提携を結び、GMOあおぞらネット銀行との提携で次世代金融サービスに乗り出すことも明らかにしている。

以前の取材で夢のように語っていた世界を一歩ずつ現実のもとへ近づけている。しかも世の中は未曾有の感染症拡大の結果、デジタル化をさらに進めたいと求めるようになってしまった。彼らが変えようと思っていた世界の方からもやってくる、そんな事態になってしまったのだ。

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今年3月に改訂したLayerXのミッション

では具体的に歩みを進めたLayerXはどこに向かうのだろうか。福島氏から今回の資金調達について使途や狙いについてメッセージをもらっているので全文を掲載したい。

今までのシステム会社とかコンサル会社っていうものが取れなかったリスクを取りたいと思っています。例えばDXってよく言われるんですが、それはデジタル知識をコンサルすることとか、デジタルなシステムを作ることではないと思ってるんですよね。

会社としての業務フローとかビジネスモデルとかワークフローをデジタル技術を前提に作ることだと思っていて、なので一緒にエグゼキューションしないと理想的なDXにならない気がしているんです。もちろんシステムを作る、コンサルをするっていうのは重要なステップなんですが最終的にビジネスとして、どうデジタルが活用されているのかみたいなところを頑張って作っていくことが必要なのかなと思っています。

それで、その一つの形がLayerXと三井物産さん、SMBC日興証券さん、三井住友信託銀行さんとの合弁会社で、実はLayerXとして億単位の資金を投じて資金リスクを取っているんです。単にシステムを作っていくっていうところだけでもビジネスとして回ってるんですけど、その先のビジネスをエクゼキューションするには、僕らも資金リスクを取らないといけない。

身銭を切って、自分たちのインセンティブを一致させないと本当の改善は生まれないと思っています。そのインセンティブを一致させるためのリスクの取り方として、30億円の資金を使っていこうと、そういう考え方でいます。

そう考えると1社作るのに数億円必要で、10個のソリューションってことになると、数十億円必要。そういう使い方をしていくイメージかなと。

また、LayerXでやりたいことの一つが、ソフトウェア業界の常識をトラディショナルな産業に輸出すること、これもある種のDXだと思っています。横の業界で見たら当たり前のことが、すごいイノベーションになるっていうことは世の中ですごくいっぱいあると思うんですよね。

例えばアメリカのシリコンバレーのリーンスタートアップみたいなやり方って、トヨタのカイゼン方式、かんばん方式ををスタートアップ流にしたものです。トヨタ式マネージメントを研究していた人が、ある種理論的にスタートアップの改善はこうやるべきだ、効率のよいリソース配分はこうやるべきだっていうのを提唱して、皆それに従ってやっている。

例えばデジタルなワークフローを作るという時、僕のキャリアから言うと元々メディア、ニュースアプリをやっていたと、これは違う見方をするとメディアのDXをやっていたと言えます。

僕は逆にメディアに関しては素人でした。

当然業務知識は学んでいったんですけど。その上でソフトウェア的な技術、例えばニュースの推薦はこうやればできる、スパム記事の判定は人手ではこうやっているが、ソフトウェアでやるとこうだよねとか、ニュースのKPIもこうやれば人間が勘で評価しているものをデジタルに評価できるようになるよねとか。

そういうシステムを整えていくことによって今まであり得なかった世界、アナログな世界では絶対あり得なかったようなものを作ったわけです。これは見方を変えるとメディアのDXだなと思っていまして、同じようにソフトウェアの常識を金融業界や物流業界に持ち込むとなった時に、全然違った見方ができるんじゃないかと思っているんです。

なので、すごい業務知識のあるコンサル出身者ですという人を採用したいというよりは、ソフトウェア業界で働いていたけど、こうした世界って面白いなと思ってもらえる人、今まではメディアとかコマースとかゲームとかを作ってたけど、業務のワークフローをデジタル化するとか、銀行の裏側のシステムとか、物流の裏側のシステム、人がカバーしている仕組みも僕らはシステムと呼んでいますが、そう言ったシステムをデジタルに変えて改善できるようにしていく、効率を上げていくって面白いジャンルだと思うような人に参加して欲しいと思ってます。

とはいえ業務知識は必要なので、勉強するのが楽しいという性質がある人と一緒に仕事がしたい。みなさんがイメージするITコンサルやSIerではなくて、普通のスタートアップのソフトウェアエンジニアがそういったところの改善活動に関わっているという、民族大移動を起こしていきたいと思っています。

本誌では、後ほどの正式発表を待って福島氏の手記を公開する。LayerXがはじめる、旅の物語だ。

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数千人から選抜「45名のクリプト起業家」が学んでいるもの

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ピックアップ:The Crypto Price-Innovation Cycle ニュースサマリー:Andreessen Horowitz(a16z)は同社が運営するクリプトスタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」の一部コースをテーマごとに公開している。同社によれば、数千の応募者の内参加資格を得たのは45名だったという。2月終わりから約2カ月にわたり…

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Credit: a16z 

ピックアップ:The Crypto Price-Innovation Cycle

ニュースサマリー:Andreessen Horowitz(a16z)は同社が運営するクリプトスタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」の一部コースをテーマごとに公開している。同社によれば、数千の応募者の内参加資格を得たのは45名だったという。2月終わりから約2カ月にわたり開催されたスクールは、COVID-19によりオフライン・オンラインのハイブリッド型で実施された。

話題のポイント:先月末にa16zはブロックチェーン事業特化型クリプトファンドの第二号「Crypto Fund 2」を5億1500万ドル規模で設立し、COVID-19による世界経済混沌の中「ブロックチェーン」にベットする姿勢を示していました。彼らの中長期的なブロックチェーン視野理解についてはMarc Andreessen氏執筆の「Why Bitcoin Matters」や、Chris Dixon氏の「Why I’m interested in Bitcoin」をお勧めします。

今回取り上げるのはa16zが取り組むクリプトスタートアップ向けのブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」です。数千の応募があり、最終的には45名にまで選抜されていった過酷さを誇るキャンプですが、14のセッションが今後パブリック公開される予定となっています。

今回公開された最初のセッションはCrypto Fundを率いるChris Dixon氏による、クリプトにおける価格とイノベーションサイクルの関係性を説明したものです。タイトルは「Crypto Networks and Why They Matter」とされ、なぜ価格とブロックチェーンエコシステムの間に強い繋がりあるのかを紐解きながら進んでいきます。

プレゼンテーション冒頭で、Chris氏がブロックチェーン起業家に「いつブロックチェーンに関わり始めたか?」と聞くとおおよそ答えは2011・2013・2017年のいずれかだったと話をしています。これは、ちょうど暗号通貨の価格が大幅に上昇・下落したタイミングと重なっていることを示しており、今はどうであれ「価格」への興味がブロックチェーンへの入り口だった起業家は多いとの仮説を立てています。

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この点について、ブロックチェーンはスタートアップの中でも特別な存在であることを強調します。つまり、他のスタートアップは会社を立ち上げ資金調達をし、バリュエーションと共に上場へ向かうルートを取るため正確な企業価値には時間的「ラグ(Chris氏は「lagging indicator」と表現)」が生まれるはずです。

しかし、ブロックチェーンスタートアップでは、価格が初手にありそれを起因としてフィードバックが生じ変化を遂げていくフローを取ります。これを同氏は「Price-interest-activity feedback loop」と呼びブロックチェーンのイノベーションサイクルであると定義しています。

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「価格⇆興味⇆アイデア⇆スタートアップ誕生⇆(価格)」が相関関係にあることは下図のCAGR(年平均成長率)も証明しています。ブロックチェーンの「ループ」は価格の高低も新規参入の重要な要素となるため、長期的視点が求められることの裏付けでもありますね。

ブロックチェーンのそうしたループサイクルは上述通り新規参入が多かった2011・2013・2017年がそれぞれのターニングポイントとなっていました。また、2020年はa16zが2号ファンドを1号ファンドの約1.5倍規模でベットしてきたことからもわかる様に、今後数年のうちに新たなサイクルへ突入(≒価格に誘い込まれ新規参入するスタートアップが増える時期)する契機とみているのは明らかです。

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つまり今はまさに、2017年から続けてきたループの成果をフィードバックしている時期だといえます。実際にその”フィードバック”によって、例えばWeb3.0的概念やDeFi(分散型金融)が生まれていることは紛れもない事実です。

CAGRのような話をすると、価格(一般的なスタートアップではバリュエーションや市場価値)がブロックチェーンでも注目されているように感じてしまうかもしれません。しかしChris氏も述べているように「価格ではなく”interest and activity”」であり、この「フィードバックループ」を繰り返しながら成長していることが理解できると思います。

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VISAがブロックチェーンをベースとした“デジタル通貨”の特許を取得、その背景にあるものは

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ピックアップ:Visa Patent Filing Would Allow Central Banks to Mint Digital Fiat Currencies Using Blockchain ニュースサマリー:5月14日、国際決済ブランド「VISA」がブロックチェーン技術を土台としたデジタルな法定通貨システムに関する特許を取得したと発表している。 特許の概要からは、中央主体によって発行・…

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Image Credit : VISA

ピックアップVisa Patent Filing Would Allow Central Banks to Mint Digital Fiat Currencies Using Blockchain

ニュースサマリー:5月14日、国際決済ブランド「VISA」がブロックチェーン技術を土台としたデジタルな法定通貨システムに関する特許を取得したと発表している。

特許の概要からは、中央主体によって発行・管理されるシステムを想定している点や、ブロックチェーン技術をベースとしているといった情報が確認できる。なお、具体的な技術スタックに関していえば、同システムはブロックチェーンにEthereum(イーサリアム)を想定し設計されているようだ。

また、VISAがブロックチェーン技術の導入に取り組む事例は今回が初めてではなく、2016年段階に同技術を活用した国際間B2B決済ソリューションを発表している。

話題のポイント:さて、特許の内容から推察すると、VISAが設計しているのは中国のデジタル人民元のような、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)だと考えることができます。

特許文概要では、”Central Entity Computer(中央エンティティ・コンピュータ)”という言葉が複数回用いられています。この主体がデジタル通貨を発行し取引を記録する役割を持つと書かれていることから、同システムは管理主体として中央銀行を想定し設計されている可能性が高いでしょう。

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Image Credit : Pixabay

なぜ今、VISAは中央銀行デジタル通貨に取り組むのでしょうか。ここからはあくまで筆者の憶測も入りますが、そこには今回のパンデミックに関連する大きな理由が隠れている可能性があります。

現在米国では、ロックダウンによって実質的に人々の労働は停止状態にあります。そして人々の生活を支えるために、巨額の資金を経済刺激策(現金給付)として国民に配布しようとしています。

そしてその現金給付の業務コスト改善のために、「デジタルドル」導入に関する議論が加熱しているといいます。実際に、下院金融サービス委員会ではデジタルドル実装を訴える議案が提出されました。

キャッシュレス化による、紙幣や硬貨の取引による感染リスクの低下も要因の一つです。加えてパンデミックを度外視したとしても、単純なドルの送金や取引のコスト削減や、デジタル人民元への対抗など、デジタルドル導入には様々なメリットや要因があるといわれています。

VISAはデジタルドルのニーズに先立ち、”VISAであればデジタルドルは設計可能である”という事実を証明しようとしたのではないでしょうか。特許のような目に見える技術力の証明書を持つことで、将来的にデジタルドルの設計に関与することを見据えているのかもしれません。

いずれにせよ、VISAのような世界でも屈指の国際決済企業が、デジタル通貨に興味を示し、かつブロックチェーン技術の利用を試みているという事実には大きなインパクトがあります。

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