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B向けKYCを提供するオーストリア発「kompany」、シリーズBラウンドでグローバル・ブレインなどから600万ユーロ(約7.5億円)を調達

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<6日午前7時更新> 接続方式に Web スクレイピングは利用していないため該当箇所を削除。 B 向け KYC サービスを提供するオーストリアの RegTech スタートアップ kompany は5日、シリーズ B ラウンドで600万ユーロ(約7.5億円)を調達したと発表した。このラウンドはスイス拠点のマルチファミリーオフィス Fairway Global Investments がリードし、日本…

kompany の経営チーム。左から:創業者兼 CEO Russel Perry 氏、CPO Andrew Bunce 氏、COO Johanna Konrad 氏、創業者兼 CTO Peter Bainbridge-Clayton 氏
Image credit: kompany via BusinessWire

<6日午前7時更新> 接続方式に Web スクレイピングは利用していないため該当箇所を削除。

B 向け KYC サービスを提供するオーストリアの RegTech スタートアップ kompany は5日、シリーズ B ラウンドで600万ユーロ(約7.5億円)を調達したと発表した。このラウンドはスイス拠点のマルチファミリーオフィス Fairway Global Investments がリードし、日本のグローバル・ブレイン、European Super Angels Club、kompany 経営陣が参加した。kompany にとっては初の機関投資家からの調達ラウンドとなる。

European Super Angels Club と kompany 経営陣は kompany が昨年8月に実施した前回ラウンド(シリーズ A ラウンドと推定される)にも参加している。今回の調達を受けて kompany の累積調達額は1,400万ユーロ(約17.5億円)に達した。なお、今回の調達にあわせ、グローバル・プレインのパートナーである上前田直樹氏は、kompany の社外取締役に就任する。

(編注:オーストリアの会社法によると、会社には director board と supervisory board が存在する。上前田氏は今回 supervisory board member に就任するが、便宜上、社外取締役と訳した。なお、supervisory board を監査役会と訳す文献も存在する。)

KYC(know your customer)とは、アンチマネーロンダリング(AML)やテロ資金供与対策(CFT)などの観点から、銀行が新規口座開設を受け付ける際などに義務付けられている本人確認手順の総称だ。kompany が提供するのは、これの企業版であり、kompany 社内ではこれを KYB(know your customer for business)と呼んでいる。

B 向け KYC は主に、企業が銀行口座を開設したり、国内外の取引先へ送金したりするとき、対象企業が正しく登記された法人であるかどうかの確認が求められるというもの。会社登記を確認するには、各国の所轄官庁(日本では法務局)に照会する必要があるが、kompany は世界の200の所轄官庁(現在は主に、EU 加盟27ヵ国やアメリカ50州それぞれの所轄官庁など)と Web スクレイピングや API 連携で接続しており、ユーザは一気通貫で対象となる法人の情報をオンラインで確かめることができる。

kompany 上で「グローバル・ブレイン」を検索してみた。(クリックして拡大)
Image credit: kompany

日本についても最近カバーされ、国税庁法人番号公表サイトとの API 連携により法人情報が照会できるようになっているが、社名のアルファベット読み替えが一部でうまく動作していないようで改善の余地はある。また、法務局の法人登記情報を照会できるようにするのは今後の課題のようだ。

kompany CEO の Russell Perry 氏は、BRIDGE とのインタビューで、現在、B 向け KYC には2つのトレンドがあると語った。

1つは、AML や CFT といったコンプライアンス順守を求められるようになる中で、以前に増して KYC のプロセスに自動化が求められるようになっているということ。より速く、コストや労力をかけずに、対象となる法人の存在を確認する必要があるためだ。

もう一つは、登記簿謄本のハードコピーといったスタティックな(静的な)文書よりも、政府や所轄官庁からリアルタイムで、タイムスタンプの入ったダイナミックな(動的な)認証を求められるようになっている点だ。

法人の存在証明などに提示を求められる登記簿謄本の写しは、所轄官庁の発行日から一定期間内のものに限られることが多かった。紙や PDF ファイルの形式で登記情報をを受け取った金融機関などの機械システムは、OCR で読み込むなり、人の目によるチェックが求められるので、情報整理に時間・労力・コストを強いられる。

また、 オンラインマーケットプレイスやブロックチェーンの普及で B2B 取引が加速化していることで、従来の商習慣で必要とされた以上に新鮮な情報に基づいて法人の存在が確認される必要が増している。世界的に見ても、リアルタイムでダイナミックな情報を求められるようになるのは当然の流れだろう。

Image credit: kompany

kompany では既にヨーロッパや北米地域のほとんどをカバーできるようになったのを受け、今回調達した資金を使って、東南アジア、オセアニア、アフリカなどにも進出したい考え。特に昨年、kompany はシンガポール MAS(金融管理局)が開催したフィンテックアクセラレータに採択されたこともあり、シンガポールにビジネス開発とセールスデスクを設置しており、東南アジアでの市場拡大の足がかりにする。

kompany の顧客に日本の企業がいるかとの質問に対し、Perry 氏は日本の銀行のヨーロッパ支店で使っているところはあるとしながらも、どの銀行が使っているかなどの情報はセンシティブであり開示できないとした。ただ、最近では、グローバル・ブレインも出資している RailsbanksolarisBank といった BaaS(Banking as a Service)も kompany のパートナーとなっており、将来はコンプライアンスプラットフォームなど金融以外の他のプラットフォームも顧客のコアターゲットにしたい、とのことだった。

グローバル・ブレインのデューデリなどを含む今回の調達に至るまでのプロセスは大変プロフェッショナルで組織化されていて、投資家として迎えるまで何度も我々のいるヨーロッパ、彼らのサンフランシスコ、東京オフィスなどと議論を重ねた。

我々が取り組むのは、2025年に必要となる未来のインフラ。世界のペイメントの生産性を高めるために何が必要かという共通の理解に基づいている。(Perry 氏)

kompany は今後、事業成長を加速するため AI を使った株主(実質的支配者)分析ツール「UBO discovery」と分散型台帳技術を使った監査証跡ソリューション「KYC onchain」の開発を強化する。

kompany は2017年と2019年、フィンテック特化投資銀行 FinTech Global らによる「世界の RegTech スタートアップ 100社」に選ばれた。

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貸付投資「Funds」運営、電通と資本業務提携——企業がファン株主予備軍を育める「FinCommunity Marketing」を共同展開

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<4日午前11時更新> 赤字部を追記、削除線部を削除。 企業と個人をつなぐ貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を運営するファンズ(旧クラウドポート)は4日、電通と資本業務提携を締結したことを明らかにした。ファンズが電通から調達した金額については明らかにされていない。 昨年11月、電通のスタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」第2期のデモデイでグランプリに輝いた同社は、Fi…

Image credit: Funds

<4日午前11時更新> 赤字部を追記、削除線部を削除。

企業と個人をつなぐ貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を運営するファンズ(旧クラウドポート)は4日、電通と資本業務提携を締結したことを明らかにした。ファンズが電通から調達した金額については明らかにされていない。

昨年11月、電通のスタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」第2期のデモデイでグランプリに輝いた同社は、Finance とファンマーケティングを掛け合わせた「FinCommunity」というコンセプトに行き着いたとしていた。今回の発表は、この FinCommunity を具現化し企業がマーケティングに活用することで、ファン株主予備軍の醸成につなげようというものだ。

Funds は、個人向け社債を代替するサービスだ。社債ではないが、社債に近い機能を提供でき、資産形成したい個人と資金調達したい企業をマッチングする。 株式市場と債券市場の間に空いているニッチエリアを攻めることで、株式ほどはリスクを取りたくないが、債券よりは高リターンを好む投資家に3%前後の固定利回りを提供する。

Image credit: Funds

企業にとっては経済面以外のメリットも大きい。Funds により株主になる前の潜在的個人投資家のエンゲージメントを高めることができるからだ。個人投資家には、自分が投資した会社の商品やサービスを愛着する性質が見られる。この分野ではカゴメ(東証:2811)がファン株主開拓に積極的で、ファン株主が一般消費者に比べ13倍程度自社商品を購入するとのデータも出ている。

Funds の仕組みでは、株式のようにいつでも売ったり買ったりはできない。ファンド参加者には、その企業への貸付を一定期間持続することが求められる。その間、企業は参加者に働きかけることで関係性を高めることができる。(中略)

これまで企業は、ニーズが顕在化しないと潜在顧客にアプローチすることはできなかった。Funds を使えば、金融商品を媒介に、将来の顧客を集めることができるようになる。(ファンズ代表取締役 藤田雄一郎氏)

Image credit: Funds

実例を挙げると、大阪王将を運営するイートアンド(東証:2882)が行った5,000万円のファンド募集(2,500万円が先着順、2,500万円が抽選)には、募集枠の数十倍以上の申し込みが殺到。発売開始から35秒で完売したという。イートアンドでは大阪王将の店舗にファンド参加者を招き、イベントを行なって将来のファン株主開拓につなげているようだ

今年で4期目を迎えるファンズでは、これまでにも上場企業十数社と提携し貸付ファンドを展開しているが、多くの上場企業を顧客に抱える電通と協働することで、この動きに弾みをつけたい考え。電通にとってもまた、広告や従来の手法でカバーしきれない、比較的高価な商品やサービスを展開する企業に対しても、効果的なマーケティングを提案できるようになる。

ファンズによれば、2020年2月段階で口座開設者数は既に約2万名が Funds で投資している。運用残高は昨年段階で6.7億円。2019年11月の GRASSHOPPER のピッチで、藤田氏は2026年までに運用残高1兆円の達成を目指すとしていた。

ファンズでは FinCommunity Marketing をテーマに、前出のカゴメの IR 担当者らを招いたオンラインセミナーの開催を8月下旬に予定している。

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小売デジタル化のhey、米Bain Capitalが70億円出資ーー予約集客のクービックを買収【報道・追記】

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STORESなどのコマース、決済プラットフォーム企業を傘下に運営するヘイ(hey)は8月4日、シリーズEラウンドの第三者割当増資の実施を公表する。 下記の通り、同社から今回の買収と増資について正式な発表があったので追記する。 参考情報:hey がクービックをグループ化 お商売のデジタル化促進に向け、サービスを統合し、個人事業者、中小企業のデジタルインフラを目指す また、今回の大型増資にあたり、ヘイ…

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ヘイウェブサイト

STORESなどのコマース、決済プラットフォーム企業を傘下に運営するヘイ(hey)は8月4日、シリーズEラウンドの第三者割当増資の実施を公表する。

下記の通り、同社から今回の買収と増資について正式な発表があったので追記する。

また、今回の大型増資にあたり、ヘイ代表取締役の佐藤裕介氏のリリースコメントを全文掲載する。

先日お客さまからいただいた言葉が忘れられません。STORES をご利用いただき、旅館の名物である金目鯛の煮付けをネットで販売開始した浜の湯の鈴木社長のひとことです。

「宿泊客がゼロで暇になってしまった厨房に、煮付けのオーダーが全国から続々と入り活気が戻った。自分たちを求めてくれるお客さまがいることにスタッフみんなが勇気づけられ、いつか泊まりにきたいとメッセージをくださるお客さまのためにも、みんなで踏ん張らないといけないとネット販売をしてみてあらためて感じた」

私たちができることは、大きな災害を前にして小さなものですが、とはいえ、このように大変な状況にある方々の希望や活力の源になれるかもしれないと再認識しました。 今回の資金調達とクービックのグループ化を通じて、コロナウイルスの感染拡大と事業者のみなさまの営業自粛にまつわる課題を解決するためにリリースしてきた、売上金の早期出金やオンラインストア開設サポート、ビデオ会議サービス「Zoom」との連携によるオンラインレッスン予約の簡易化などのニューノーマルに対応した個人、中小事業者向け機能の展開をより加速していきます。

hey とクービックの仲間、そして、今後入社する仲間と共に、単なる利益と規模の追求だけでなく、こだわりや情熱、たのしみによって駆動される経済に支えられた社会となることに貢献していきたいと思います(ヘイ公式発表より)。

引受先となるのは米投資会社のBain Capital、香港投資会社のAnatole、ゴールドマン・サックス、PayPal、YJキャピタル、既存投資家としてWiLが参加する。シリーズE全体で調達した資金は非公開だが、同社の説明によるとBain Capital単体での出資額だけで70億円が投じられる模様。また、一部報道にもあった通り、これまでの既存株主からの買取もこの中に含まれる。増資に合わせ、開発などの体制を現在の200名から倍増の400名にまで引き上げる計画。

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ヘイが運営するサービス

また、これに合わせて集客・予約システムのクービックの発行済み全株式を取得し、グループ化する。運営するCoubicは先日、Google検索などでで店やサービスを見つけ、そこから予約までをGoogle上で完結できる「Googleで予約」の本運用を開始したと発表したばかり。

また、新型コロナウイルスへの対応などから、先日発表された Zoom 連携の実装を優先させるなど、新しい環境下でのお店予約のあり方を推進してきた。

クービックは2013年10月、グーグルの検索プロダクトマネージャーなどを歴任した倉岡寛氏(現在、クービック代表取締役)により設立された企業で、月間利用ユーザは250万人、180を超える業種に対応しており、8万社以上(個人事業者を含む)が利用している。

本件については追加の情報が届いたら追記する。なお、参考記事としてheyに関する情報をこちらにまとめた

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フリーランス向け請求書買取「yup」1.3億円を調達、約半年で1000件申込

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フリーランス向けの報酬即日払いサービスを提供するyup(ヤップ)は7月29日、インキュベイトファンド、イーストベンチャーズ、ログリー・インベストメント、および個人投資家を引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は合計で1億3000万円。払込日や出資比率などの詳細は非公開。個人投資家として参加したのは佐藤祐介氏、大湯俊介氏、砂川大氏、赤坂優氏と氏名非公開の2名。 yupが提供する「先…

yupウェブサイト

フリーランス向けの報酬即日払いサービスを提供するyup(ヤップ)は7月29日、インキュベイトファンド、イーストベンチャーズ、ログリー・インベストメント、および個人投資家を引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は合計で1億3000万円。払込日や出資比率などの詳細は非公開。個人投資家として参加したのは佐藤祐介氏、大湯俊介氏、砂川大氏、赤坂優氏と氏名非公開の2名。

yupが提供する「先払い」サービスは、入金前の請求書情報を登録することで同社がそれを買取り、即日に資金を振り込んでくれるもの。審査にかかる時間は60分で、請求書を発行するフリーランスであればあらゆる業種で利用可能。利用者は事業者から請求金額が振り込まれた後にyupへその金額を支払ういわゆる「2社間ファクタリング」の方法となっている。初期費用や月額費用などは必要なく、手数料は請求金額の10%固定。初回利用者については上限金額が10万円で利用に応じて上限金額が増える仕組みとなる。

2019年9月にサービスを開始し申込件数は7カ月で1000件を突破、申込金額は2億円以上になる。リピート率は7割。調達した資金を使い、サービスのマーケティング、AIを活用したスコアモデルの開発、新規サービス推進などを目的に人員の強化を進める。

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女性の地位向上をフィンテックで支援する方法

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal 重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti …

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Image Credit : Khalti

ピックアップ:How fintech Khalti is empowering women in Nepal

重要なポイント:アジア最貧国の一つであるネパールでは女性の地位が低く、賃金労働に従事する女性が少ないばかりか、父親や夫が家庭内の金銭管理を行い女性は自分で自由に使えるお金を一切持っていないというケースも珍しくない

ネパールでモバイル決済サービスを提供しているKhaltiでは、Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムを通じてデジタルリテラシーと金融リテラシーを持った女性の育成、女性の社会進出や経済的自立の支援をしている

詳細情報:Khalti Digital Walletはネパール国内でe-sawaに次ぐユーザー数第2位のモバイル決済アプリで、個人間送金だけでなく各種支払いやホテル・飛行機の予約、配車サービスなどもアプリ内から利用可能。アプリ内には「バザール」というマーケットプレイスもあり、ユーザーは個人間で商品の売買が行える。バザールで農作物や手作りの品物を販売することで、これまでお金を稼いだことのない女性が初めての収入を手にすることやデジタル経済に参加する事へも貢献している。

多機能モバイル決済アプリKhalti Digital Walletを2017年にローンチしたKhaltiが利用者の調査を行ったところ全ユーザー数に占める女性の割合は17%にすぎず、その17%のアカウントもほとんどが非アクティブであるということが判明した。

  • 国内の賃金労働者における女性の割合は26%
  • 家父長制が根強く残り、家庭内の金銭管理や支払いを行うのは男性という価値観
  • 長年社会問題となっている女性の無報酬労働(主には農業や工芸品の製作等)

こういったネパールが長年抱えているジェンダー問題が女性ユーザーの少なさの根本的な原因になっているという事実に直面し、同社はこの社会問題の解決に乗り出す事を決意しており、現在3つの取り組みを行っている。

  • 自社の女性雇用促進:女性を積極的に雇用し、現在女性従業員の割合は約半数(従業員115人中50人以上)
  • 女性の起業支援:SABAHネパールというNGOと共に国内12地区3,500人の女性主導の零細、中小企業の立ち上げを支援、業務で使用するためのデジタル金融サービスの提供も行う
  • Smart Chhori プロジェクト:Khalti Digital Walletアプリ内にあるトレーニングプログラムによって、デジタルリテラシーと金融リテラシーを兼ね備えた女性1万人を育成するプロジェクト

中でも国外からの注目も集まるのがSmart Chhoriプロジェクトで、2018年には SPRING Acceleratorプログラムに選出された。Chhoriはネパール語で「娘」。Smart Chhori = 賢い娘 を意味する。

SPRING Acceleratorプログラム とは、東アフリカと南アジアの思春期の少女たちの生活に革新をもたらし、その暮らしをより豊かにする製品や市場の創出を行うビジネスの支援を目的としたアクセラレータプログラムで、英国国際開発省(DFID)、米国国際開発庁(USAID)、オーストラリア外務貿易省(DFAT)が資金提供をしている。Smart ChhoriのトレーニングプログラムへはKhalti Digital Walletアプリ内から参加可能。

プログラム内には個人の金銭管理、デジタル決済、オンラインセキュリティなどの分野についてレベルごとの講義動画とクイズ形式のテストが用意されている。それぞれのレベルを修了すると、修了バッジとレベルに応じた金銭的なインセンティブがもらえ、全てのプログラムを終えると修了証明書がもらえる。

Smart Chhoriプロジェクトは15歳~35歳のインターネットへのアクセスが可能なスマートフォンを持っている女性なら誰でも参加できるが、それ以外に3つの参加条件を提示している。

  1. デジタル決済技術を通じ、地域社会の人々の生活向上に尽力すること
  2. 家族や地域社会の中でより多くの女性がSmart Chhori(賢い娘)になり、女性の社会参加や地位向上を推進したいと思っていること
  3. Khalti Smart Chhori Networkに興味があり、積極的に参加したいと思っていること

Khalti Smart Chhori Networkとは、Smart Chhoriプログラムを修了した女性が中心となって作るコミュニティとそれを繋ぐネットワークで、Khaltiと共に今後スマートソサエティやキャッシュレス国家の実現を目指していくもの。

Khaltiでは、Smart Chhoriプロジェクトを通じてデジタルと金融リテラシーを持った女性を育成することのみを目的とせず、プロジェクト参加者はトレーニング終了後自分が中心となって自分の周りの女性の意識や社会全体を変えていく役割を担うことも求めている。 この背景には、女性の識字率は男性より20%も低い48.84%といった数字が示すように男女には教育格差もあり、Khaltiのサービスを通してではリーチしきれない女性も数多く存在する事が伺える。

同社による取り組みは既に十分な成果をあげており、現在アクティブユーザー15万人のうち半数近い7万人が女性ユーザーとなっている

背景:ネパールは人口約2,900万人、年間平均所得が1人あたり800ドル台でアジア最貧国の一つ。海外出稼ぎ労働者からの送金が国内GDPの3割にものぼるが、この出稼ぎ労働者の中にはお金を稼ぎたくてもネパール国内では女性の働き口が少なく職を得ることが難しいために海外へ出稼ぎに行く女性も含まれている。Khaltiでは、国際開発省(DFID)からの資金提供を受けアジア財団と提携し、国外の出稼ぎ労働者へ対しても経済的な情報やアドバイスを提供する Shuvayatraというアプリもリリースしている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

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暗号資産バブル再来か、DeFi(分散型金融)エコシステムで今起こっていること

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ピックアップ:What’s ‘Yield Farming’? (And How Do You Grow Crypto?) 日々暗号資産やブロックチェーンの情報を追っている人なら一度は聞いたことがあるかもしれませんが、DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)という言葉が、今大きな注目を集めています。 DeFi(ディーファイ)とは、イーサリアムブロックチェーン上の金融エコシス…

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Image Credit : Pixabay

ピックアップWhat’s ‘Yield Farming’? (And How Do You Grow Crypto?)

日々暗号資産やブロックチェーンの情報を追っている人なら一度は聞いたことがあるかもしれませんが、DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)という言葉が、今大きな注目を集めています。

DeFi(ディーファイ)とは、イーサリアムブロックチェーン上の金融エコシステムを総称する言葉です。現在、DeFiエコシステム内のサービスに投入されている資金額の合計が、37億ドル(約3,900億円)を超えており、凄まじいスピードで成長しています。

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Image Credit : DeFi Pulse

7月後半からBTCやETH価格が急上昇しているのも、このDeFiの成長による影響です。2年前まではユーザーもサービスの数もわずかでしたが、今やブロックチェーンエコシステムに最も注目される領域の一つになっています。

DeFiとは何か

DeFiといえど提供されるサービスが既存金融と360度異なるという訳ではありません。DeFiエコシステム内には、既存の金融システムではお馴染みの取引所やレンディング、デリバティブ、投資などの金融サービス群があります。

したがって、既存の金融システムをパブリックブロックチェーン上で複製したもの=DeFiという認識でも間違いではありません。しかし異なるのは、根本的な思想や設計の部分です。以下はDeFiの特徴・メリットです。

透明性が高い
ブロックチェーン上の取引は誰でも閲覧・検証可能

カウンターパーティーリスクが存在しない
金融機関に資産を預ける必要がなく、ブロックチェーン上にて自分自身で資産を管理できる

プログラマブル(構成可能性)
開発者は、既存のDeFiサービスを組み合わせて自由に新しいDeFiサービスを開発できる

誰でも利用可能
インターネットに繋がっていて、暗号資産を持っていれば世界中誰でも利用できる

検閲耐性
第三者が恣意的な理由で取引を無効化・改竄できない

DeFiの”De”がDecentralizedの頭文字2つであるように、これらの要素を抽象化して「分散性/非中央集権性がある」と表すこともできます。ただし現状全てのサービスが完璧な非中央集権モデルを実現してはいません。その点はしばしば批判の的になっており、解決すべき課題の一つです。

<過去のDeFi関連記事>

今、DeFiで何が起きているのか

現在のバブルとも呼べるブームに火をつけたのは「イールドファーミング(Yield Farming)」と呼ばれる概念です。イールドとは利回りのことです。この言葉は、資産をサービスを介して誰かに貸し出したり、流動性を提供することで、利回り/手数料を得る行為を指します。

DeFiには、資産を貸し借りができるレンディングサービスが複数存在します。それらのサービスにETHを預けておくと、反対側でその資産を借りた人から支払われる金利手数料として、貸し手は利回りを得ることができます。

もう一つ、DeFiには分散型の取引所サービスが存在します。この取引所サービスにおいても、ユーザーは自分自身の暗号資産をサービスに預け流動性を提供することで、反対側でその資産を交換した人が支払った取引手数料を報酬として受け取ることができます。

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Image Credit : DeFi Pulse

冒頭述べたように、エコシステム全体でこうして預けられた資産の合計額が、現在3,900億円にまで急上昇しているのです。預けられる資産額が大きいということは、つまり預ける金銭的報酬が高いことを意味します。言い換えれば、それほど借入/取引の需要も高いということです。

上述のモデルのサービスが稼働し始めたのは最近のことではなく、1年ほど前から十分認知されていました。しかしそれに火をつけたのが、「資産を預ける」行為に二次的なインセンティブを提供する新しいトークン発行スキームが現れたからです。

これは端的に言えば、サービス側が資産を預けてくれた人に、株式に似た新規発行トークンを配布するというモデルです。資産を貸せばかすほど、流動性を提供すればするほど、「イールド(利回りor手数料収入)」に加えて、この先価値が価値が高まる(と期待されている)新規トークンが手に入るため、ここにユーザーが殺到しました。

このモデルの代表格であるレンディングサービスCompoundのCOMPトークンは、配布開始から5日後、一時1,000億円の評価額を記録しました。不適切な比較であることは承知ですが、もし株式なら”ユニコーン企業”に肩を並べるバリュエーションです。

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COMPトークン時価総額  Image Credit : CoinGecko

人々がCOMPを求める(COMPの価格が上がる)のは、それが投機対象としての価値を持っているからです。

ユーザーがCOMPの時価総額が上がると予想する理由は、間違いなくCompoundの利用度が増加しているからです。ですがその利用度の増加は何から生み出されているのでしょうか。それはサービスの利用に応じて配布されるCOMPです。

つまり、投機熱が投機熱を生む、限りなくバブルに近い構図だといえます。何を隠そう、これこそがレンディング及び取引所サービスに預けられている資産額が急上昇している理由です。

現時点でCOMPのように発行されるトークンは、株式のような議決権としての性質しか持ちません。そのため、根本的な価値がないはずのものに大量の資金が流れ込んでいるという見方もできてしまいます。当然、熱狂と同時に「DeFiは一過性のバブルに過ぎない」と強く批判されています。

イールドファーミングにトークン配布を組み合わせたサービスは未だ数えるほどしかありませんが、エコシステムの投機熱は十二分に大きいといえます。つられてETHを始めとする暗号資産の価格が上昇しているため、良い意味でも悪い意味でも、ICOを契機に始まった2017年のバブルを彷彿とさせるものがあります。

DeFiは元来、既存の金融機関への信用を必要せず、世界中の誰もが利用できるオープンな金融システムの構築を目指し成長してきたエコシステムです。注目度が上がるに越したことはありませんが、本来の目的やイメージを失ってしまっては意味がありません。

新規発行されるトークンに配当的性質を持たせる仕組みや、その他に別の利用価値を付け加えていくことは、トークン保有者の意思決定(投票)次第では実装可能です。一時的な投機熱の後に、健全で持続的なモデルを生み出していくことが、今後のエコシステムの発展には不可欠です。

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Ant Group(螞蟻集団)、上海と香港で重複上場へ——今年最大規模、目標時価総額は2,000億米ドル

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Alibaba(阿里巴巴)のフィンテック関連会社 Ant Group(螞蟻集団)は20日、上海証券取引所の NASDAQ 型のテック株特化市場「Star Market(科創板)」と香港証券取引所への同時上場に向けた事務手続きを開始したと発表した。 重要視すべき理由:Ant Group は、今年最大規模の IPO で評価額2,000億米ドルを目指すと報じられている。 Ant Group がこのような…

Photo credit: Ant Group(螞蟻集団)

Alibaba(阿里巴巴)のフィンテック関連会社 Ant Group(螞蟻集団)は20日、上海証券取引所の NASDAQ 型のテック株特化市場「Star Market(科創板)」と香港証券取引所への同時上場に向けた事務手続きを開始したと発表した。

重要視すべき理由:Ant Group は、今年最大規模の IPO で評価額2,000億米ドルを目指すと報じられている

  • Ant Group がこのような時価総額に到達すれば、世界で最も評価額の高いフィンテック企業となる。
  • 評価額が2,000億米ドルの評価額に達すれば、国有の中国銀行や中国建設銀行など世界の銀行の大半の時価総額よりも高いことになる。
  • 昨年、中国のテック企業の間では二次上場が盛んに行われたが、中国の民間企業が2つの証券取引所への同時上場を試みるのは今回が初めてのこととなる。

詳細情報:中国で最も人気のあるモバイル決済アプリ「Alipay(支付宝)」を運営する Ant Group は、上場発表のプレスリリースの中で、フィンテック企業以上の存在になりたいと考えていることを示唆している。

  • 発表によると、同社は「サービス業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するインフラとプラットフォーム」の構築を目指しているという。
  • Ant Group は、IPO で得た資金を中国でのサービスのデジタル化をさらに進め、グローバル市場への進出、研究開発への投資に充てるとしている。

公開企業になることで、顧客、ビジネスパートナー、従業員、株主、規制当局などステークホルダーに対する透明性が高まる。(Ant Group チェアマンの Eric Jing=井賢棟氏)

背景:アナリストによると、2018年6月に実施した非公開資金調達の最後のラウンドでは、Ant Group の評価額は1,500億ドルに上昇した。

  • South China Morning Post(南華早報)の報道によれば、Ant Group の評価額を Bank of America は 2,100億米ドル、J.P.Morgan は2,180億ドルと見積もっている。
  • Ant Group は2020年初頭、株式の相対取引で2,000億米ドルの資金調達を目指していると報じられた。同社は当時、IPO の計画を否定していた。
  • ロイターは7月上旬、Ant Group が2つの同時上場の計画を断念したと報じた。Ant Group は「よりスムーズな上場プロセス」のため、香港のみでの上場を計画していたとロイターは報じた。
  • Alibaba などアメリカで上場する中国のテック企業の多くは、アジアの資本市場への参入を視野に入れ、この1年の間に香港での二次上場を発表している。
  • 7月16日には、中国のチップメーカー Semiconductor Manufacturing International Corporation(中芯国際)が中国史上最大級の IPO を行った。上海の STAR Market に二次上場した株式は200%急騰したが、香港の株価は同日17%下落した。
  • Ant Group の発表は、中国の証券取引所に地元企業を呼び戻そうとする 上海の STAR Market にとって大きな勝利である。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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ロンドン発のお金の節約・貯蓄自動最適化アプリ「Plum」運営、GBや欧州開銀などから1,000万米ドルを調達——欧州・アジアに進出へ

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AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である Ventu…

Plum のメンバー。手前左でテーブルに腰掛けるのが共同創業者兼 CEO Victor Trokoudes 氏。
Image credit: Plum

AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である VentureFriends も参加し、イギリス政府のスタートアップ支援ファンド「Future Fund」からも助成を受けた。同社の創業以来の累積調達金額は約1,930万米ドル(約26.3億円)に達した。

Plum は、以前 TransferWise の国際オペレーション責任者を務めた Victor Trokoudes 氏らにより創業。ユーザが Plum のアプリを自分の銀行口座と紐づけることにより、収入・支出(光熱費や通信費・クレジットカード利用代金)・貯蓄余力などをモニタリング。AI により貯蓄余力分を高利回り商品で運用したり(普通預金から定期預金への乗り換えなど)、利用状況に応じてより安いプランの光熱費をレコメンドしたりする。ユーザは意識することなく生活における出費を抑えることができ、節約・貯蓄・投資を自動化することで個人の金融を最適化してくれるサービスだ。

Trokoudes 氏によれば、今回の資金調達を受けて、Plum はターゲットとする市場を現在のイギリス国内からヨーロッパ全体へと拡大する。

次の四半期では、特にフランスとスペインへの進出に注力する。お金を貯蓄することに対して大きな需要があるからだ。(Trokoudes 氏)

モバイルアプリ「Plum」
Image credit: Plum

Plum の海外進出において次にどの市場を狙うかは、この「お金を節約・貯蓄することへの需要」が大きく関係している。その市場に住む人々の平均的な収入と支出とのバランス、価格を比較して複数のプロバイダの選択肢から電気・ガス・水道などの契約を選べるか、銀行からオンラインバンキングでアカウント情報をアグリゲーションできるようオープンな環境を提供しているか、などにもよる。

ヨーロッパ進出の次にはアジア市場を狙うと Trokoudes 氏は語った。具体的には市場が大きい、日本、香港、シンガポール、インドネシア、インドなどだ。多くの欧米のスタートアップがそうであるように、ターゲットに中国市場は含まれない。具体的な時期については言及はなかったものの、Trokoudes 氏は TransferWise の日本進出にも関わったことから、Plum のターゲットに日本が含まれることを強調した。この点において、今回投資家となったグローバル・ブレインは日本の金融機関やプロバイダと Plum が関係を構築していく上で協力すると推定できる。

Plum は新型コロナウイルスの感染拡大を追い風にユーザを増やし、今年1月以降のユーザの貯蓄総額がそれまでの5倍に増え、電気・ガス・水道などのプロバイダ変更が163%に増えたという。人々が屋内にいることを余儀なくされ、生活費の抑制を行おうとした結果が如実に現れた形だ。これまでに100万人がアプリを利用しており、2021年末までにイギリス、スペイン、フランスでユーザ数500万人の獲得を目論む。

この分野では、競合になり得るスタートアップとして、いずれもロンドンを拠点とする MoneyBoxCleoHyperjar などが存在するが、Trokoudes 氏によれば、いずれも投資の最適化にフォーカスしているものが多く、節約や貯蓄にフォーカスしているものとしては Plum が唯一無二ではないかと言う。同社では今回調達した資金をもとに、プロダクト開発、オペレーション、マーケティング人材を増強する。現在、ロンドン、アテネに60人以上いるメンバーを2020年までに80人体制までに拡大する計画だ。

<参考文献>

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被害額1,200万円「大規模Twitter乗っ取り事件」ーー犯人の狙いとビットコインに対する誤解

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ピックアップ:The Twitter account hacks: a comprehensive timeline of events ニュースサマリー:日本時間で7月16日早朝、Twitterプラットフォーム上で大規模な乗っ取り事件が起きた。同時に犯人はユーザーからビットコインで資金を騙し取ることに成功し、Twitter上は一時大パニックとなった。 Twitterのアカウントに影響を与えるセキ…

ピックアップThe Twitter account hacks: a comprehensive timeline of events

ニュースサマリー:日本時間で7月16日早朝、Twitterプラットフォーム上で大規模な乗っ取り事件が起きた。同時に犯人はユーザーからビットコインで資金を騙し取ることに成功し、Twitter上は一時大パニックとなった。

乗っ取りの対象となったアカウントは、ジェフベゾス氏やビルゲイツ氏、イーロンマスク氏などの起業家、AppleやCash Appなどの企業、BinanceやCoinbaseなどの大手暗号資産取引所、バラクオバマ氏やジョーバイデン氏などの政治関係者、その他には暗号資産業界のインフルエンサー、著名アーティスト、などの計45アカウントに及んだ。

犯行者はそれら全てのアカウント上で、ビットコインアドレスと共に「約10万円分のビットコインをくれれば、2倍にして返金する」という旨のツイートを投稿。乗っ取りとツイートは2〜3時間に渡って行われ、合計約12.86 BTC(約1,265万円)のBTCを受け取ることに成功した。

Twitterは事態が収束した後、乗っ取りの要因を発表。同社によれば、犯人はまず同社の従業員をターゲットに彼らの行動を巧みに操作し機密情報を盗み取った。結果、二段階認証などを掻い潜り、Twitterシステムへの進入に成功したのだという。Twitterはその後、今後の対策としてツイート内に暗号資産アドレスを記入することを禁止した。

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乗っ取られたアカウント一覧/Image Credit : Larry Cermak

話題のポイント:本事件の注目ポイントは、「ビットコインが犯罪利用されやすい」などといった話ではなく、世界中に影響力を持つ人々及び企業のアカウントがあれだけ一斉に乗っ取られたことであり、それが何を意味するかという部分にあります。

確かに暗号資産アドレスを晒せば、確かに簡単に世界中の人から資金を匿名で集めることが可能です。そしてミキシングという、資金を何回にも分けて分割する資金洗浄ツールを使えば、トラッキングは困難になります。ビットコイン以外に匿名性に優れた暗号資産も存在するため、それらで資金を集めていれば、ハッカーは格段に資産を洗いやすくなったでしょう。

しかし、今回利用されたビットコインの取引履歴は全て透明で公開されており、上記のような資金洗浄処理にも限界があります。実際に現時点で奪われたビットコインは全て正確にトラッキングされているのです。

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Image Credit : Pixabay

考慮すべきはハッカーは異なる方法でもっと多くの利益を得ることができたはずで、最悪の場合、国際政治などに悪影響をもたらす行為ができたという点です。

考えてみれば、なぜあれだけのアカウントをハッキングできたにも関わらず、たった1,200万円しか獲得できていないのでしょうか。しかも未だにその資金は使えるお金になってすらいません。これは私見ですが、おそらくハッカーは経済利益を狙う人間ではなく、単なる愉快犯だったのではないかと思われます。

利益を最大化したいのであれば、イーロンマスクが以前実際に行ったように、「テスラの株は高過ぎる」ともう一度ツイートして、今バブル真っ只中のテスラ株を暴落させ、空売りから膨大な利益を得ることができたはずだからです。ビルゲイツやジェフベゾスのアカウントでも、株価操作は簡単に実現できたでしょう。

ハッカーが政治的利益を求めていなかったことも明らかです。オバマ氏とバイデン氏のアカウントを乗っ取ることができるのなら、アメリカ大統領選や対中国関連の政治問題に何かしらの影響を与える行動ができたはずです。実際に乗っ取り可能だったアカウントは130と公表されていますから、トランプ大統領のアカウントを悪用できた可能性すらあります。

本事件の後、メディアやSNS上では「ビットコインこそが元凶で、やっぱりビットコインは危ない」というような認識が少なからず広まっていましたが、今回ばかりはその認識は正しくありません。当然、根本的な問題を抱えていたのはTwitterのセキュリティ体制であり、今後警戒すべきは、Twitterアカウント乗っ取りの潜在的リスクの高さではないでしょうか。

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中国でスマートコントラクト詐欺集団が摘発——1,300人、総額1億人民元(約15.3億円)が被害に

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中国メディアの報道によると、中国・福建省の警察当局は、2019年から1億人民元(約15.3億円)を盗んだとして告発されているスマートコントラクト詐欺の本部を家宅捜索した。 重要視すべき理由:中国では昨年10月、習近平国家主席が技術の意義について演説して以来、ブロックチェーン開発を推進してきたが、仮想通貨の法的根拠はまだ不透明だ。詐欺への懸念が合法化への動きを鈍らせる可能性もある。 このような事件は…

Public Domain Image: Ethereum Classic Wallpaper – ETC China Community

中国メディアの報道によると、中国・福建省の警察当局は、2019年から1億人民元(約15.3億円)を盗んだとして告発されているスマートコントラクト詐欺の本部を家宅捜索した。

重要視すべき理由:中国では昨年10月、習近平国家主席が技術の意義について演説して以来、ブロックチェーン開発を推進してきたが、仮想通貨の法的根拠はまだ不透明だ。詐欺への懸念が合法化への動きを鈍らせる可能性もある。

  • このような事件は、仮想通貨の詐欺や不祥事のを想起させ、規制当局が仮想通貨取引を禁止する方向へと誘導している。

詳細情報:中国でのメディア報道によると、犯人らは Ethereum、Bitcoin、Tether を Huobi トークンに交換するスマートコントラクト事業を Telegram 上で運営していると主張した。しかし、彼らが顧客に返した Huobi トークンは価値のないニセモノだった。

  • 警察が最初に通報を受けたのは、ある顧客が同グループに1万2,000人民元相当(約18万3,000円)の Ethereum を送った後だった。彼は自分の Huobi トークン を別の市場で使おうとしたときに、この交換物がニセモノであることに気付いた。
  • 被害者は Telegram のグループを地元当局に通報した。1ヶ月間の調査の後、警察は詐欺集団を追跡した。
  • 当局は、犯罪組織が複数のTelegramグループを管理していることを発見した。グループには合計1万3,000人のユーザが居て、そのうち1万人は偽物だった。詐欺集団は被害者をおびき寄せるため、スマートコントラクトサービスを称賛するボットをプログラムしていた。
    逮捕者は10人。警察が首謀者と認定した3人は、最近大学を卒業したばかりの同級生同士だった。
  • 警察はマクラーレンやフェラーリなど1,300万人民元相当(約2億円)の高級車や不動産を押収した。
  • 警察は、詐欺集団は1,300人から金を騙し取ったと推定している。

背景:詐欺やねずみ講は中国の仮想通貨担当部門を悩ませており、当局はこの技術全体に対して厳しい態度をとってきた。

  • 中国政府は2017年、国内で仮想通貨取引所を禁止し、中国から生まれた国内の仮想通貨大手 Huobi(火幣)、Binance(幣安)、Tron(波場幣)は国外追放され、香港とシンガポールに本拠を構えた。
  • しかし、民間の店頭取引所のおかげで、仮想通貨取引は死滅しなかった。
  • 2019年7月に杭州の裁判所が下した判決は、仮想通貨を所有する権利を肯定するものだった。
  • Blockchain Services Network や Shenzhen Blockchain Index のような中国政府が支援するベンチャー企業のほか、ブロックチェーンの実装や暗号化基準の規制が明確になったことで、中国の業界は活況を呈している。最近の報道によれば、中国国内にはブロックチェーン関連企業が4万5,000社存在する。

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【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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