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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)「フィンテック」共通戦略を紐解く【後編】

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※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。 3. Prioritizing health insurance &#8211…

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※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。

3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する

フィンテック領域において、最も市場規模の大きいビジネスとしては「決済」と「レンディング(クレジット)」の2つが挙げられると思います。しかしその次の主要領域として、人々の様々な生活上・金融行動上のリスクをカバーする保険サービスの領域が挙げられます。当然、両企業も同領域に参入しており、以下では両企業の提供する主要保険事業と、その成長について解説します。

CBIによれば、高齢化や健康ニーズの増加を背景に、中国政府が保険商品の提供を後押しする政策を打ったことで、中国の健康・医療保険市場は益々の拡大が予想されているといいます。

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Image Credit: CB Insights (Health Insurance:健康・医療保険 P&C and Life:損害・生命保険)

そんな背景の中で、領域業は中国の貧困地域や農村地域に対する保険サービスの拡大、及び保険サービスへの投資を積極的に実施しています。

まずTencentは、「Waterdrop」や「 Xiaobang」と呼ばれる保険企業に出資しています。前者のWaterdropは中国で8,000万人が加盟する保険で、月額3〜5元(約50〜80円)を支払うだけで主要な医療支出の際に30万元(約450万円)までを受け取れる保険サービス。後者のXiaobangは中流家庭向けの保険プランニング・金融教育サービスです。

このように、過去同社は投資という形で保険市場への好奇心を見せていましたが、ついに2019年に入って、自社でも保険仲介サービス「WeSure」の提供を開始しています。同サービスでは、Tencent社の持つWechatやQQなどのメッセンジャーアプリから、中国国内の保険業者の保険商品を購入することを可能にしています。

一方、Ant Financialは農村の地域向けの相互扶助プラットホーム「Xiang Hu Bao」を2018年に提供開始。同プラットホームは競合他社サービスの中で最も早い成長速度である10カ月で8,000万人という驚異のスピードで獲得顧客数を達成しました。

またAnt Financialは、2018年ににAlipayユーザーであり、かつ同社のクレジットスコアサービス「芝馬信用」のスコアが650点以上のユーザーらに対し、登録無料の「相互宝」というP2P保険を提供しています。同保険は一定期間内に発生した加入者の保険額(+Ant Financialへの手数料)を、その都度加入者間で割り勘するモデルを採用しています。

以上を踏まえると、両社ともに複数の保険事業に投資・展開し、着実に実績を残している点に驚かされます。

前編で解説した一つ目の共通戦略「フライホイール効果の構築」でも述べましたが、両企業とも、自社で保有するメッセンジャー・アプリやスコアリングと連携する形で各保険サービスを提供していることが分かります。

4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化

前編で一度言及した、6億人のユーザーを持っているAnt Financialの「余額宝」というサービスは、世界で最もユーザー数の多いMMF(マネー・マーケット・ファンド)としてその名を世界に知らしめました。しかし2019年9月、余額宝のユーザー数は2018年のピーク時から39%減少し、世界最大規模の地位から陥落しているそうです。(※以下グラフ参照)

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Image Credit: CB Insights

しかし「余額宝」のユーザー数減少は、実は同社にとって何らネガティブな結果ではありません。なぜならこの結果は同社の戦略によって生じた、想定の範囲内の現象だったためです。

その戦略とは、同社がユーザーがアリペイ内から余額宝一つだけでなく、外部のMMFサービス複数にもアクセスできるようにすることでした。言い換えると、同社は余額宝を単一の”商品”から”プラットホーム・サービス”に進化させたのです。

たとえば、2018年6月にAnt Financialのプラットホームに追加された「 Invesco」というMMFは、その収益を4倍に増加させることに成功しています。このように、Ant Financialはプラットフォーマーとして各種事業から手広く収益化を果たすと同時に、投資オプションの多様化を実現しているのです。

Tencentも自社の資産管理プラットホームが既に1,120億ドル規模に成長している中でさらなる機能充実を画策しており、現在世界最大の資産運用管理企業「Blackrock」と投資ポートフォリオ・ツールを中国市場で利用可能にするため協議を進めてるとのことです。

以上を踏まえると、両企業の目的は、ただ沢山の金融商品を提供する企業になることなく、それらに加え外部の金融プロダクトを複数囲い込むことで、金融プラットホームそれ自体になること、だということが分かります。

実際これはMMFなどの投資サービスに限った話ではなく、Tencent社のWesureが保険商品提供サービスではなく、保険仲介サービスであることからも、フィンテック事業を最大化する上での、一貫した成長スタイルだと考えることができます。

5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

日本では中小企業が全企業の99%を占め、かつGDPの5割を創出しているとされていますが、このような比率は中国においてもほとんど同じです。

CBIによれば、中国市場ではスモールビジネス(中小企業)が全企業の90%以上を占めており、かつ中国経済の生産の60%は彼らによって生み出されているといいます。そのため、Ant Financial及びTencentにとっては、このロングテールが必然的に勝負の決め手となっています。

その勝負の鍵を握るのは、両企業の中小事業者向けのオンライン銀行、Ant Financialの「MYbank(網商銀行)」と、Tencentの「Webank(微衆銀行)」です。

MyBankは中小事業者向けにQRコードでレシートを読み取り、サプライヤーの税務情報を得られるレシートファイナンスというサービスを新たに始めたそうです。このレシート情報によって中小事業者は信用力を示すことが可能になり、MYbankから短時間で大口のローンを得ることができるようになりました。データによればMyBankは2018年末までに1,230万を超える中国の中小事業者にローンを提供しているとのことです。

一方、WeBankは中国のスモールビジネスへのクレジット提供を拡大し続けています。同社によれば、Webankからローンを提供される中小事業者(平均従業員数10名)の66%、実に3分の2が新規ユーザーであると言います。

「MYbank」と「Webank」はAnt FinancialとTencentが取り組むスモールビジネス向けの金融サービスとして好例でしょう。どちらも大量の顧客データをアルゴリズムで解析し、信用スコアを算出することで融資を行うことを大きな収益ポイントとしています。

実は両サービスは信用情報のビックデータ解析にフォーカスしているだけで、資金源は中国国内の既存銀行から得ています。銀行にはデータと技術がないため、両社とも中小事業者と銀行を繋ぐプラットフォーマーとして独占的地位を築いているのです。

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Photo by Gelgas on Pexels.com

以上、両社の成長戦略を踏まえると共通点としてその成長を支えたのは、既に保有していた「決済」アプリケーションを軸に関連金融サービスを確立させるプラットフォーム戦略、そしてプラットフォームから得られる膨大なデータ分析にあったことが分かります。

両輪をフルに活用し、信用・保険領域という決済の次に大きな市場にフォーカスした点や、特に「若者」や「中小企業」、「地方の農村住民」といった従来型の金融に十分なアクセスができていないユーザーをターゲットとしてサービスを展開した点が両企業のフィンテック・サービス拡大の主要因だと捉えられます。

そして両企業によるプラットホーム化も大きな注目ポイントです。Ant FinancialのMMFプラットホーム「余額宝」や、Tencentの保険仲介プラットホーム「Wesure」の提供開始などは、そのトレンドを象徴する現象でしょう。

両企業は今後も以上のような方向性・ビジネスモデルの変化を行なっていく中で、より高スピードで様々な先進的な戦略・サービスを展開していくと予想されます。最近のトレンドでは両社は顔認識技術を決済領域に持ち込むことで、生体情報に基づいたデータの収集に加え、決済アプリの利便性の向上を試みています。

日本でも現在LINEやPAYPAY、メルカリなどの企業を中心にモバイル決済戦争が起きています。本記事を通して学んだ両企業の成長戦略を踏まえると、数年先、勝ち残った国内決済プレイヤーが今後本格的にフィンテック企業化し、データを活用したクレジット・スコアや保険・与信事業を展開、及びプラットホーム化を進めていく可能性も高いと予想されます。

言い換えれば、Ant FinancialやTencentが牽引する中国のフィンテック市場の現在及び彼らの戦略は、これからの日本のフィンテック業界のプレイヤーらが生存戦略を考えるにあたって、非常に有意義な教材となるということです。その意味で、今後も中国のフィンテック業界の変化、両企業の躍進からは目が離せません。

Image Credit: CB Insights

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セキュリティトークン・プラットフォーム運営の「Securitize」、ブロックチェーン事業支援の「BUIDL」を買収へ

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本稿は、Global Brain Alliance Forum 2019 の取材の一部。 <6日午後3:40更新> 本稿初出時、BUIDL による Securitize 買収としたが、Securitize による BUIDL 買収に訂正。 ブロックチェーン事業支援の「BUIDL」と、セキュリティトークン・プラットフォームを運営する「Securitize」は、両社が包括的資本提携に合意したことを発表…

左から:長谷川潤氏、Carlos Domingo 氏(Securitize CEO)、
百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Global Brain Alliance Forum 2019 の取材の一部。

<6日午後3:40更新> 本稿初出時、BUIDL による Securitize 買収としたが、Securitize による BUIDL 買収に訂正。

ブロックチェーン事業支援の「BUIDL」と、セキュリティトークン・プラットフォームを運営する「Securitize」は、両社が包括的資本提携に合意したことを発表した。事実上、Securitize による BUIDL の100%買収とみられる。両社は、関係当局による承認など必要な手続を経て、2019年12月末までの完了を目指すとしている。買収条件については不明。

BUIDL は、グローバル・ブレインと長谷川潤氏により、2018年12月に設立されたジョイントベンチャー。「ブロックチェーンの社会実装」をミッションとして、事業会社のブロックチェーン事業参入を支援するコンサルティングサービスを提供している。東京海上日動、楽天ブロックチェーン・ラボ、住宅アカデメイア、関西電力、Kraken、電通国際情報サービスなどを顧客に抱え、設立からこれまでの1年で15件のプロジェクトを手掛けている。

Image credit: Masaru Ikeda

長谷川氏が経営する OmiseGo はグローバル・ブレインと共にブロックチェーン特化のコワーキングスペース「Neutrino」を国内外6ヶ所に開設。「Ethereum Community Fund(ECF)」を通じて、イーサリアム関連プロジェクトを支援するなどコミュニティ醸成に注力している

Securitize は、2017年にアメリカで創業。セキュリティトークン発行者は流通市場で公開取引が可能になり、流動性を保ちながら安全なトークン管理を実行できる機能を提供している。同社の Digital Securities Protocol(DS Protocol)上では、11のセキュリティトークンが発行され、うち5つは公開市場で取引されている。

Carlos Domingo 氏(Securitize CEO)
Image credit: Masaru Ikeda

Securitize は今年8月、SEC(米国証券取引委員会)から「Transfer Agent」として認可を受けた。9月には、シリーズ A ラウンドでグローバル・ブレインなどから1,400万米ドルを調達。欧米を中心に実証実験のみならず、商用運用も数多く手掛けているが、今回の BUIDL 買収により、Securitize は日本の法令改正を念頭に日本企業への支援体制の強化を図るとしている。

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インドのオンライン決済大手Paytm、10億米ドルを資金調達しバリュエーションは160億米ドルに——融資、保険、新時代バンキングに注力へ

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 インドのフィンテックリーダー Paytm は、アメリカの資産運用会社 T Rowe Price がリードしたラウンドで160億米ドルを調達したと語った。 T Rowe Price は…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


インドのフィンテックリーダー Paytm は、アメリカの資産運用会社 T Rowe Price がリードしたラウンドで160億米ドルを調達したと語った。

T Rowe Price は Discovery Capital や D1 Capital と共に約4億米ドルを出資、既存投資家のソフトバンクや Ant Financial(螞蟻金融)はそれぞれ2億米ドル、4億米ドルを出資した。

Photo credit: Paytm 設立者 Vijay Shekhar Sharma 氏の Twitter より

Paytm の創業者で CEO の Vijay Shekhar Sharm 氏が The Times of India 紙に語ったところでは、Paytm は調達した資金を使って、事業者獲得をオンラインとオフラインで拡大するほか、融資、保険、新時代バンキングに注力する。

現在、総合保険免許を申請する最終段階にある。我々を使ってくれる事業者は1,500万いて、今後2年でさらに2,000万増やしたいと考えている。(Sharm 氏)

Sharma 氏は、Paytm が今後、インドの National Payments Corporation が銀行間取引のために開発した決済システム「Unified Payments Interface(UPI)」で P2P 取引へのインセンティブが減額されることを受けて、Paytm が今後、決済ゲートウェイ事業に重点を置くとも語った。Paytm の幹部は、同社がこの6ヶ月間でバーンレートを35〜40%削減したとしている。

Paytm は、インドのさらなる地方市場開拓に向け今後3年間で約140万米ドルを投資する計画だ。

既存投資家が新規投資家に株式売却する中で、今回出資した Discovery と D1 は共に以前 Paytm に二回目の出資を実施している。

今回の出資条件として、ソフトバンクは今後5年間にわたり Paytm の株式を売却できない。The Times of India 紙の報道によれば、Paytm が5年以内に株式公開した場合は、ソフトバンクは株式を売却、または、株式購入を希望する既存投資家に提供できるとしている。ソフトバンクは Paytm の親会社 One97 Communications の株式の約20%を保有している。

One97 は9月、3月末期の決算で約5億5,000万米ドルの純損失を計上した。前年純損失の2億700万米ドルから165%が拡大している。同社はこの赤字の多くが、ブランド開発とオペレーションの支出にによるものとしている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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半年弱で50億円積み上げたOLTA、クラウドファクタリング「3兆円市場」目指してChatworkと連携

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ニュースサマリ:クラウドファクタリングのOLTAは12月5日、ビジネスチャットツールのChatworkと提携して中小企業の資金繰りを円滑化させる早期入金サービスの提供を開始した。サービス名は「Chatwork 早期入金 powered by OLTA」で、Chatworkを利用しているユーザーが、保有する入金待ちの請求書をOLTAに買取相談することができる。 Chatworkの画面メニューに追加さ…

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ニュースサマリ:クラウドファクタリングのOLTAは12月5日、ビジネスチャットツールのChatworkと提携して中小企業の資金繰りを円滑化させる早期入金サービスの提供を開始した。サービス名は「Chatwork 早期入金 powered by OLTA」で、Chatworkを利用しているユーザーが、保有する入金待ちの請求書をOLTAに買取相談することができる。

Chatworkの画面メニューに追加されるもので、ここから買取相談のページに遷移することができる。OLTAから電話にてサービスの説明をした上で会員登録と申込案内を実施する流れになる。Chatworkの利用企業数は2019年11月時点で約24万社。これらを利用する主要な中小企業を対象に、短期・少額の運転資金需要に応えるのが狙い。

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Chatworkのメニューに追加されるOLTA

話題のポイント:先日、日本郵政キャピタルからの追加出資を公表した際、実は際立った数字がありました。それが「申し込み総額150億円突破」の積み上げです。今年6月には2017年4月の創業から僅か2年(サービス開始からは1.5年)でファクタリング申込み総額100億円突破をお伝えしましたが、そこから約5カ月でさらに50億円積み上げた形になっています。

つまり、速度が上がっているわけです。

<参考記事>

もう市場ニーズ自体は十分すぎるほど合致しているので、あとはマーケティング勝負になるわけですが、ここで彼らが重視しているのが提携戦略です。これまでにもクラウド会計のfreeeと連携したり、地方銀行などとの提携を模索するなど、利用者の裾野拡大を着々と進めています。今回のChatwork連携もその一環で、取締役の武田修一さんにチャネルとしてビジネスチャットに注目した理由について聞いたところ、このような回答をいただきました。

「OLTAのクラウドファクタリングは、中小企業・フリーランスの運転ニーズに広く応えるものなので、そうしたSMBオーナーが日頃接点のある先が弊社のパートナーとなります。その点でChatworkは、ツールとして経営者が日頃利用されている点はもちろん、彼らの経営のアドバイザーである士業の先生方も広く利用されている点が、クラウドファクタリングの認知拡大に大きく貢献いただけるのでは、と期待しています」。

Chatwork側もチャットに限定せず、経営者のサポートというより大きな視点でのサポートをしたいという意向もあって今回の提携が実現したというお話でした。両社は今後より深いプロダクト連携についても協議を続けるそうです。

そして気になるのは今後の成長です。クラウドファクタリングはどこまでいくのでしょうか?同じく武田さんがこのような予想を教えてくれました。

「150億円までの歩みとしては発表済みのfreee様をはじめ、各金融機関様、税理士先生等からのご紹介もありつつ、基本的には自社での集客が中心でした。今回発表のChatwork様との取り組みはもとより、未発表の金融機関様との連携など、まさにここからアライアンスによって成長が加速していくフェーズに入ると思っています。

潜在的な市場自体は、残高ベースで3兆円(年間の流通金額ベースだと数十兆円)あると見ていまして、OLTAだけでは動かしきれないなと思っています。日本にクラウドファクタリングを普及させる上では金融機関様、SaaS等の事業会社とのアライアンスを今後も頑張ってまいります」。

提携戦略がどのような影響を与えるのか、次の数字を楽しみに待ちたいと思います。

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セクハラ解任でも1億ドル調達、SoFi創業者の新たな挑戦は「住宅ローン×ブロックチェーン」

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ピックアップ:SoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたこ…

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Image Credit: Figure

ピックアップSoFi founder Mike Cagney’s already well-funded new startup is raising another $100 million

ニュースサマリー:オンライン学生ローンサービスでユニコーンとなったフィンテック企業「SoFi」の創業者MIke Cagney氏が設立した新会社「Figure」が11月初旬、1億ドル規模の調達を行っていたことが明らかになった。

Figureが提供するサービスは、ホーム・エクイティー・ローンや借り換え住宅ローンなどの住宅ローンおよび借り換え学生ローンである。Mike氏はセクシャルハラスメント疑惑によりSoFiを2017年に解任されており、離職後すぐの2018年Figureを設立している。Figureはサービス立ち上げ後から着々と成長し、既に累計約1億ドルの調達を実施している。

※ホーム・エクイティー・ローン=住宅価格から住宅ローン未払い額分を除いた資産を担保に発行されるローン

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Image Credit : Provenance

話題のポイント:Figureがターゲットとするのは、増加傾向にある高齢者層であり、彼らが持つ住宅を担保にローンを組むことを促します。米国でも高齢化は進んでおり、今後巨大化する市場に狙いを定めているのだと考えることができます。

この点、学生をメイン・ターゲットにしていたSoFiと多少の違いがあることがわかります。しかし、Figureは借り換えの学生ローンを提供していますし、実はSoFiは住宅ローン分野にも進出しています。そのため、Cagney氏は古巣SoFiと競合のビジネスを行なっていると捉えることもできるでしょう。

ただ、大きな違いとして、FigureはProvenanceブロックチェーン技術をベースにサービス開発をしている点が挙げられます。実はFigureのプロダクトはほとんどの処理をProvenanceプラットホーム上で実行しており、手数料の削減、透明性の向上を実現しています。

公開されている同社の業績データは未だ見当たりませんが、上記の先進的な技術の導入が結果的にユーザー増加に寄与し、本調達に繋がっているのかもしれません。ブロックチェーンは未だ未成熟なテクノロジーとされていますが、今後の同社の成長によって、証券市場におけるその有用性が証明される可能性があります。

一時は、自身の失態により創業した会社を追われる形となってしまったCagney氏ですが、SoFiをユニコーン企業まで押し上げた才能は腐ることなく、新たな技術を用いることで、フィンテック領域における彼の挑戦は次のステップへと進んでいます。今後のFigureの躍進に注目が集まります。

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業績見合いでローン提供「Uncapped」はスタートアップの株放出問題への対抗策となるか

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ピックアップ:Uncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Interne…

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Image Credit : Uncapped

ピックアップUncapped raises £10M to offer ‘revenue-based’ finance to growing businesses

ニュースサマリー:12月1日、スタートアップ向けローン提供サービス「Uncapped」が、サービスのローンチと同時に1,000万ドルの資金調達を実施。資金は株式と借り入れの両方で行われる予定で、投資家には、Rocket Internet’s Global Founders CapitalやWhite Star Capital、Seedcamp、そしてその他複数のエンジェル投資家が名を連ねている。

同社はロンドンに本社を置くポーランド発の企業。スタートアップ向けに業績ベースのローン提供サービスを展開する。スタートアップはVCやエンジェルなどの投資家からのエクイティー(株式)投資に依存しており、それが将来的な自己株比率の不足をもたらすなどの問題に繋がっていた。

しかしUncappedからの借り入れは株放出に頼らない業績ベースのローン。10万~100万ポンド(約1400万~1億4000万円)を貸し出し範囲とし、手数料は一律6%、投資家よりも高速で資金調達を実行できる点を強みとしている。

TechCrunchの記事で同社CEOのIsmail氏は以下のように答える。

資金調達を検討する起業家に最初に立ちはだかるのは、“数%のエクイティー(株式)を手放すのか、はたまたデット(借り入れ)を行うのか”という、二者択一の意思決定。エクイティーは遅い上に株放出が必須であり、またローンもハイリスクという欠点があります。しかしUncappedは、両方の良いとこどりをした代替手段となり得ます。

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Image Credit : Uncapped

話題のポイント:Uncappedのファイナンス・サービスに関して気になるポイントは、同社の業績ベースの与信がどれほど効力があるのか、という点でしょう。ローンが高スピードかつ低い手数料である点は借り手のスタートアップにとって大きなメリットではあるものの、彼らの貸し倒れ率を一定以下に抑えなければ同社のビジネスは成り立ちません。

そのため、ローン提供先事業の債務返済能力を適切に与信を取るする必要があり、その方法の質の高さがサービスのコア・バリューになるとも言い換えられます。

与信の方法について、ピックアップ記事の中でIsmail氏は、「Uncappedは事業者がこれまで蓄積してきた販売データや、事業者らが利用するStripeやShopfyなどの外部サービス内の決済・販売データなど、多数のソースに依拠する形でデータを収集し、与信審査を行う」といったコメントを残しています。

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Uncappedが想定する借り手事業者は、Eコマースやサブスクリプションサービス、D2C、SaaS、アプリやモバイルゲーム、マーケットプレイスの6つのカテゴリに属する事業者であるとされています。これら6つのサービスが選ばれる理由は、与信データの収集を行いやすい事業モデルであるためだと考えられます。

実際、Uncappedは借り手に2つの条件を設けています。1つは商品・サービスの販売をオンライン決済で行なっていること、そしてもう1つはサービスの運用を少なくとも9カ月以上継続できるていることです。

ちなみにStripeやShopfyは既に自社サイトベースの業績データに依拠したローンサービスを提供しており、Uncappedの競合に当たります。一見するとより多くの業績データをプラットフォーム内で握るStripeやShopifyの方が優位性が高そうです。しかし、Uncappedは事業者自身が持つ販売データや事業者が運用するFacebookのようなSNSなども含め多面的にデータを収集しています。特定サービスに依存せず相対評価できているという見方もできるので、これはこれで強みを持っているといえるでしょう。

さて、全ての起業家の悩みのタネでもある資金調達を、より簡単かつ低コストなものに変革する「Uncapped」。欧州スタートアップの需要を掴み、かつ適切な出資を行うことで、新しい資金調達モデルを生み出すことができるのでしょうか。同社の今後の発展に期待が高まります。

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】

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ピックアップ:5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving 先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィン…

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ピックアップ5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving

先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィンテック分野での躍進です。

Alibaba(阿里巴巴)グループのAnt Financial(蚂蚁金服)が提供する「Alipay(支付宝)」、そしてライバルのTencent(腾讯)が提供する「WeChat Pay」がそれです。この中国2大モバイル決済アプリについて、米調査会社のCB Insightsが詳しい戦略の考察を掲載していました。本稿ではこれに沿った形で、この2大決済アプリが今、どのような状況なのかを紐解いてみたいと思います。

中国国内決済のほぼ全てを支配する

CBIの記事によれば、トップを走るAlipayは、実に中国国内の決済の54%を占めており、それを追う形のWeChat Payのシェアは約40%だそうです。

つまり、中国のモバイル決済はAlibabaとTencentという、米国のGAFAらと肩を並べる中国巨大テック企業の2社によってほぼ完全に独占されている状態で、これら2社を合わせると、中国国内のユーザー数は実に8〜9億人になるそうです。日本の総人口のざっと5倍です。

事業構造も異なります。Alipay陣営のAlibabaグループはコマースが中心。対するTencentはゲームとメッセンジャー「WeChat」によるコミュニケーション関連事業がメインになっています。特にTencentは広告事業の成長が頭打ち状態の一方、フィンテック関連サービス(レンディングや保険など)が年間40%もの成長を示していると記事は指摘しています。

Ant Financialの推定評価額は1,500億ドル(Alibaba全体では約4,570億ドル)、フィンテック事業に限定したTencentの評価額は1,230億ドル(Tencent全体では約3,875億ドル)と拮抗しており、今後、ヤフーやLINE、東南アジアで勢力を伸ばすテックスタートアップ各社はこことのポジション争いをアジア圏で繰り広げることになりそうです。

といってもこの2社、時価総額では世界トップ10入りの桁違いなので背中は遠いです(※日本のトップを走るトヨタは約1960億ドル)。

AlibabaとTencentが取ったフィンテックの共通戦略

CBIの記事ではこの事業が異なる2社が、フィンテック分野においては同じような戦略を取っていると考察しています。それが次の5つです。

  • 1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築
  • 2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す
  • 3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する
  • 4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化
  • 5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

詳細はぜひ原文をご一読いただくとして、これらの項目に沿って気になったポイントを解説してみたいと思います。

1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築

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Photo by Rakicevic Nenad on Pexels.com

「フライホイール効果(弾み車)」とは、Amazonの成長を解説する際にジェフ・ベゾスが引き合いに出した理論です。一言で言えば、“ビジネスの中に好循環を生み出すこと”を意味します。

ジェフベゾスは、Amazon商品の低価格化→顧客満足度の上昇→取引ボリューム増加→品揃えの充実、に至る一連の好循環をフライホイール効果と表現しました。Ant FinancialやTencentの場合、決済アプリと関連金融サービスによる相乗効果がそれです。

CBIがまとめたAnt Financialのデータによると、2019年6月のデータではAlipayユーザーのうちAnt Financial以外の金融サービスを3つ以上利用しているユーザーは80%、5つ以上利用しているユーザーは40%となっています。

具体的には、Alipayの提供するWallet内から、中国の一般的な銀行預金金利と同程度かそれ以上の金利(過去の一時期4%に到達、現在2%周辺)をもらえる「余額宝」と呼ばれるMMF(マネー・マーケット・ファンド)サービスを簡単に利用できたりします。

他にもローンや保険サービスをAlipay Walletから簡単に利用できるなど、関連サービスへの導線が上手く出来ているため、ユーザーの人気を集める理由となっています。新たなサービス導線の誕生ですね。

2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す

アジア圏におけるミレニアルやZ世代と呼ばれる新しい年代のユーザーはインターネットで決済することが当たり前になっている状況があります。

<参考記事>

ここで重要なデータがクレジット(信用)です。

Ant Financialが運営する消費者信用サービス「Huabei」は、こうした世代向けに無利息のクレジットを提供し、大きく消費を加速させています。データによれば、同サービスが開始した2015年から累計貸し出し額は1,400億ドル(約15兆円)に及んでいるそうです。

驚かされるのは成長率です。

原文のグラフを見ると一目瞭然ですが、1,400億ドルというのは2017年前半までの累計額の10倍です。この増加を2年と少しの期間で達成しているということには驚かされずに入られません。Tencentも「Fenfu」と呼ばれる同様のサービスを開発しており、2019年末までにローンチされる見込みです。記事の後半では残りの3〜5について解説をお送りします。

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資産管理プラットフォームのMILIZE、日本郵政キャピタルなどから3.3億円を調達

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資産管理プラットフォームを展開する「MILIZE」は12月2日、日本郵政キャピタル、ディップ、K&Pパートナーズの3社を引受先とする第三者割当増資を公表した。調達した資金は総額3億3000万円で、出資比率や払込日などの詳細は開示していない。 同社は金融分野において、データ、金融工学、AIを融合させたサービスを提供している。具体的には、保険証券を撮るだけで簡単にデータ化するアプリ「miruho」や、…

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Image Credit: MILIZE

資産管理プラットフォームを展開する「MILIZE」は12月2日、日本郵政キャピタル、ディップ、K&Pパートナーズの3社を引受先とする第三者割当増資を公表した。調達した資金は総額3億3000万円で、出資比率や払込日などの詳細は開示していない。

同社は金融分野において、データ、金融工学、AIを融合させたサービスを提供している。具体的には、保険証券を撮るだけで簡単にデータ化するアプリ「miruho」や、ライフプラン二ング、資産負債管理の統合クラウドプラットフォーム「milize」を提供する。今回調達した資金はサービス開発投資や人員増強に投資される予定。

via PR TIMES

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東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」運営、域外進出に向け5,200万米ドルを調達

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東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」は、IFC、Cento Ventures、Arbor Ventures など海外投資家グループからの新規調達で5,200万米ドルを調達したことを明らかにした。

2C2P 創業者兼 CEO の Aung Kyaw Moe 氏
Photo credit: 2C2P

声明によれば、これまでに調達した1,800万米ドルをあわせ、今回の調達で 2C2P の累積合計調達金額は7,000万米ドルに達した。

シンガポールとバンコクを拠点とする 2C2P は、調達した資金を使って、今後の1年間にかけ東南アジア域外に進出するのに合わせ、決済プラットフォームの拡張、現地人材の採用、東南アジアでのマーケットシェアの拡大に注力する。

マーケットシェアと事業者ベースの両方においてクリティカルマスを築き上げた我々だが、東南アジアのインターネット経済の継続成長や可能性を見る限り、マーケットリーダーシップの位置付け強化、事業拡大、競争で優位に立つために今こそ追加資源を投入する最良の時だと感じた。(Aung Kyaw Moe 氏)

Google、Temasek、Bain & Company による最近の共同リポートで、東南アジアのインターネット経済規模は、昨年の720億米ドルから39%増加し、今年末までに1,000億ドルに達するとされている。東南アジアのデジタル決済業界は、2025年までに総取扱高が1兆米ドルに達するとみられ、この成長の主要要因と言えるだろう。

2003年に設立された 2C2P は、e コマース事業者、地域航空会社、世界的小売事業者、銀行などの金融機関に多くの決済ソリューションを提供している。これまでの投資家には、Expara IDM Ventures、Digital Media Partners、GMO Ventures などがいる。

今年初めには、配車サービス大手の Grab が 2C2P を買収する交渉を進めているとの報道があった。この件に詳しい人物は Tech in Asia に交渉があったことを確認したものの、議論は進展しなかったとも付け加えた。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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拡大する途上国フィンテックへの投資ーーソフトバンクとTencent(騰訊)が南米チャレンジャーバンクへ1.5億ドル出資

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ピックアップ:Argentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと…

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Image Credit : Uala

ピックアップArgentine fintech Ualá raises $150M led by Tencent and SoftBank

ニュースサマリー:アルゼンチンの個人資産管理アプリ「Uala」は11月25日、シリーズCラウンドにてSoftBankのラテン・アメリカ特化イノベーション・ファンド及び中国テック・ジャイアント「Tencent(腾讯)」らから合計1億5,000万ドルを調達したと発表した。同社の創業は2016年で、本調達により累計調達額は約1.95億ドルに達する。

Ualaは近年欧米を中心に台頭する「Revolut」や「Monzo」に代表されるチャレンジャー・バンク事業をラテン・アメリカで展開。同社のアプリとカードを通して、預金・送金・融資・投資信託などほぼ全ての種類の金融サービスを利用できる。なお、欧州のチャレンジャー・バンクとの違いとして、Ualaが銀行免許を取得せずにサービス展開している点が挙げられる。

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Image Credit : Google Play

話題のポイント:WeWork経営危機問題を横目に、SoftBankによる海外投資は着々と加速しています。最近では、同社が仕掛けるラテン・アメリカ地域特化のイノベーション・ファンドが、先日ブラジルのEコマース企業「VTEX」の1億4000万ドル調達ラウンドにも参加していました。

アルゼンチンは現在深刻なインフレーションや3,300億ドル規模の債務など、国家の金融面で様々な問題を抱えており、加えて金融サービスの普及率も先進国に比べれば低い状況が続いています。そのためUalaのような個人向け資産管理アプリは同国の金融サービスへのアクセスを急拡大させられると考えられます。

このようにSoftBankは途上国の未成熟な金融システムを代替しうるデジタル・バンキングに投資の可能性を見出しています。実際に今年5月頃、SoftBank及びSoftBank Vision Fundはブラジルの担保貸付サービス「Creditas」に2億ドル超の出資を実施した経歴があります。

一方、中国最大のテック・ジャイアントでWechatなどを運営するTencentもSoftBankと同様の投資戦略を持っていると考えられます。TencentはWechat Pay及びその他の多数フィンテック・サービスを展開していることから、事業提携を通じた長期的な関係構築を見据えた戦略も感じさせられます。

Tencentは既にブラジル発のチャレンジャー・バンク「Nubank」との戦略的提携及び出資(1億8,000万ドル)を実施した過去があります。こうした投資実績からTencentはラテン・アメリカ市場を熟知していると考えてよく、本投資決行の大きな自信になっていることは言うまでもないでしょう。ちなみにNuBankは現在ラテン・アメリカではまだ珍しいユニコーン企業へと成長しています。

TencentとNubankのように、中国のフィンテック・ジャイアントが新興国のフィンテック・サービスに大型出資を行う案件は本件が最初ではありません。実はTencentが運営するWechatの競合にあたるAlipay(支付宝)と、その運営企業「Ant Financial(蚂蚁金服)」は数年前、インド市場へ影響力を拡大することを目的に、(関連会社アリババからの投資に加え)技術輸出という形でインド最大の決済大手「PayTm」を支援しています。

Ant Financialは現在まで投資を複数回続け、結果的にPayTmはインドで最も大きな決済アプリとなりました。つまりTencentによる戦略的投資は、Ant FinancialによるPaytmへの戦略的投資を大いに参考にしていると考えられます。

さて、アルゼンチン経済の特殊な背景と言う違いはあるものの、UalaはTencent及びNubankの成功モデルを参考にできる分、サービス拡大の難易度は高くないと言えるのではないでしょうか。両企業を参考にしつつ、効果的に開発と資本注入を繰り返すのがUalaの今後の事業プランとなっていくでしょう。

Ualaは未だアルゼンチン以外の南米諸国へとサービス展開する予定はないとしていますが、おそらくTencentは今後も大型資金を同社に投入し続けていく意向でしょうから、将来的に他国参入を実施する可能性は十分にあるはずです。Ualaの今後の成長・拡大にSoftBankとTencentの投資戦略の面からも注目です。

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