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インフキュリオン、カード即時発行プラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受

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各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは27日、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発・運営するプラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受したことを明らかにした。譲受金額や譲受契約の詳細については明らかにされていない。 Kyash Direct は昨年4月に Kyash が発表したプラットフォームで、RESTful API/SDK 経由により、イシュイ…

左から:インフキュリオン代表取締役社長の丸山弘毅氏、Kyash 代表取締役 CEO の鷹取真一氏

各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは27日、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発・運営するプラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受したことを明らかにした。譲受金額や譲受契約の詳細については明らかにされていない。

Kyash Direct は昨年4月に Kyash が発表したプラットフォームで、RESTful API/SDK 経由により、イシュイング(カード発行)・プロセシング(決済)・プログラムマネジメント(運営)をワンストップで提供。カードに複数のファンディングソース(カードに引き当てる資金源のこと。デビットカードであれば引落に使う残高のある銀行口座、クレジットカードであれば与信枠など)を引き当て、用途別、決済金額の規模など条件に応じて、ファンディングソースをダイナミックに切り替えることができる。オーソリ電文についても、Web サービスが扱いやすい JSON 形式に変換して提供する。

Kyash Direct を使うことで、企業は自社ブランドのバーチャルおよびリアルの Visa カード発行(バーチャルの場合は即時発行)できるほか、企業が銀行預金や売上金などの金融資産と API 連携し、世界の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用できるようになる。主な用途としては、クラウド費用やオンライン広告料金をカード決済したいスタートアップ(ユースケースとしては BREX のようなもの)、従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化したい企業、仮想通貨を法定通貨に転換して使えるカード(ユースケースとしては Coinbase のようなもの)などが想定される。

Kyash Direct が提供できる機能を説明する、Kyash CTO の椎野孝弘氏(昨年4月)
Image credit: Masaru Ikeda

実際のところ、昨年10月にはクラウドキャストが Kyash Direct を使って経費精算用 Visa プリペイドカード「Staple カード」をローンチした。社内で承認された額が経理担当者によって Staple カードにチャージされるため、従業員による立替、後日の経費精算が必要なくなり、コーポレートカードのような発行時の与信審査も不要のため、低リスク・低コストで全従業員に配布することが可能になる。

インフキュリオンは2006年に設立。コンサルティング部門、金融・決済企業の DX 支援部門を擁し、決済ゲートウェイサービス「Anywhere」、QRコード決済対応ウォレット ASP 「ウォレットステーション」、後払いサービス「SLiDE(スライド)」、自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」、決済業界専門誌「カードウェーブ」を開発・運営し、スタートアップへの投資も始めるなど、フィンテックにおけるコングロマリットになりつつある。

一方、Kyash は2015年に設立。VISA のバーチャルクレジットカードとしても機能する P2P 決済・送金モバイルアプリ「Kyash」を開発・提供している。同社は今年8月、「資金決済に関する法律」に基づく資金移動業の登録を完了したことを明らかにしており、Kyash に何らかの機能が追加されることを示唆している。関係者によれば、Kyash が次に取り組むのはデジタルバンキングとする見方もある。この分野では昨年末、フィンテックスタートアップの WED がチャレンジャーバンクやスマホ銀行への展開を言及した

インフキュリオンの BaaS 概念図
Image credit: Infcurion

今回の Kyash Direct 事業の譲受・譲渡により、インフキュリオンは Kyash Direct を BaaS(Banking as a Service)の一つの機能として組み入れ企業向けの拡販を強化、また、Kyash は売却益を使って、Kyash はコンシューマ向けのサービスのエンハンスに特化すると見られる。

BRIDGE の取材に対し、Kyash 創業者で代表取締役 CEO の鷹取真一氏は次のようにコメントした。

経営方針として、Kyash は消費者向けのサービスを変革させていくのがミッションであると改めて社内で確認し、今回のような意思決定に至った。Kyash Direct については、サービス発表後さまざまな企業からオファーをいただいたが、お譲りすることで、さらに発展をしてもあえるパートナーと組みたいという意図が強くあり、テクノロジーファーストかつ、決済というビジネスドメインや専門知識、経験や信頼関係もあるインフキュリオンに事業をお渡しすることになった。

インフキュリオンは B2B をやっているため、Kyash Direct と親和性が高い。今後の社会の発展を考えたときにも、いいパートナーシップを組めたのではないかと思う。3月に大型調達をしたばかりだが、周辺業務をいろいろやって収益化を図っていくというより、Kyash Direct を持っていることが Kyash にとってプラスになるかどうか、という観点からの判断の結果。恵まれたステイクホルダーのおかげで、今回の経営判断を尊重してもらうことができた。

また、インフキュリオンの共同創業者で代表取締役社長の丸山弘毅氏は次のようにコメントした。

今回、事業を譲受して、まずは、安定運用し、機能拡張し、営業展開していくのが第一だ。Kyash Direct の特徴の一つが、ファンディングソースをダイナミックに選べる点。これはデジタルウォレット、デジタルプリペイド、クレジットなど自由に選べる仕組みとして、金融機関に提供していくことが考えられる。

インフキュリオンは、ファンディングソースを管理する仕組みを提供していることもあり、そこの親和性も考えられる。カードありきの決済システムではなく、決済サービスを純粋なソフトウェアとして捉えられるか。Kyash Direct は、そんなエコシステムを実現する上でのカギとなるだろう。

欧米の決済を中心とするフィンテック業界では、経営資源を特定の事業に集中することを狙って事業買収や再編が相次いでいる。Visa は今年初め、フィンテック企業がアメリカの銀行 API を利用できるようにするサービス「Plaid」を買収した。どのカードに請求するかを、決済後14日間以内なら後日変更できるロンドン発の消費者向けモバイルアプリ「Curve」は、クラウドネイティブのコアバンキングベンダー Thought Machine と提携した

中国のフィンテック大手「Lufax(陸金所)」、NY証取上場で23.6億米ドルを調達へ

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ニューヨーク証券取引所のウェブサイトによると、上海に拠点を置くレンディングとウェルスマネジメントのユニコーン Lufax(陸金所)は、同証取への上場で23億6,000万ドルの資金調達を目指している。 重要視すべき理由:Lufax は、今秋アメリカの証券取引所で数十億米ドルの資金調達を目指す中国のフィンテック企業2社のうちの1社だ。一方、中国のテック企業にはアメリカの規制当局からの監視の目が厳しくな…

Image credit: Lufax(陸金所)

ニューヨーク証券取引所のウェブサイトによると、上海に拠点を置くレンディングとウェルスマネジメントのユニコーン Lufax(陸金所)は、同証取への上場で23億6,000万ドルの資金調達を目指している。

重要視すべき理由:Lufax は、今秋アメリカの証券取引所で数十億米ドルの資金調達を目指す中国のフィンテック企業2社のうちの1社だ。一方、中国のテック企業にはアメリカの規制当局からの監視の目が厳しくなっており、中国は国内テック企業の海外上場を阻止しようとしている。

  • Ant Group(螞蟻集団)は NASDAQ に上場するための目論見書の草案を提出しており、史上最大級の IPO となる可能性がある。
  • 上海証券取引所に NASDAQ 型のテック株特化市場「STAR Market(科創板)」では IPO ルールが緩和された。これは、中国のテック企業が海外に上場しないようにすることを目的としている。

詳細情報:Lufax は10月初旬に株式公開を申請したが、詳細は公表されていない。

  • 中国の保険大手 Ping An(平安)に支援を受ける Lufax は、11.50ドル〜13.50ドルの価格帯で17万5,000株の米国預託証券(ADR)を売却する見込みで、これにより高値圏では23億6,000万米ドルを調達することになる。
  • 主幹事証券会社は、Goldman Saches、Bank of America Securities、UBS Investment Bank、HSBC、China PA Securities(中国平安証券)。
  • 米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Lufax の2020年上半期の純利益は前年同期比2.8%減の72億7,200万人民元(約1,138.8億円)となった。同期間、同社の総収入は9.45%増加したという。

背景:Lufax は2011年に Ping An が P2P レンディング会社として設立したが、徐々にウェルスマネジメント事業へと事業拡大してきた。

  • 2020年6月30日までの半年間では、同社プラットフォームの収益の3.5%未満がウェルスマネジメントサービスからのものだった。
  • 報道によれば、Ping An は数回の投資ラウンドを経て、現在は Lufax 株式の43%を保有している。
  • スタートアップ情報サイト「Crunchbase」によると、Lufax はこれまでに30億米ドルを調達している。2018年の最新の資金調達ラウンド後には、評価額が380億ドルに達したとロイターが報じた
  • 4月には、アメリカ上場の中国のコーヒースタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が22億人民元(約334億円)の売上高を捏造していたことを認めた。その後、ストリーミングプラットフォームの「iQiyi(愛奇芸)」と教育プラットフォーム「GSX Techedu(跟誰学)」は、いずれも SEC による不正行為の調査を受けていることを認めている。
  • アメリカ議会はアメリカで上場する中国企業に対する規制監視を強化する法案を提出しており、アメリカ大統領が招集した作業部会は SECに対して同様の勧告を行っている。
  • 規制当局の監視強化の見通しは、中国のテック企業のアメリカ資本市場への進出を止めてはいない。EV メーカーの Xpeng Motors(小鵬)Leading Ideal(理想汽車)は第3四半期にアメリカで株式を公開した。
  • JD.com(京東)のフィンテック部門「JD Digits(京東数字科技)」は、上海 STAR Market への上場を計画している中国のテック企業の一つだ。

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【via TechNode】 @technodechina

【原文】

キャッシュレス経済への移行を進めるカンボジアフィンテック市場

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用…

Image Credit: Cambodia Central Bank

ピックアップ:Financial Technology in Cambodia

ニュースサマリー:カンボジア国立銀行(NBC)が2020年に発表したデータによれば、カンボジアにおけるフィンテックサービスのニーズと実際の供給には約240億ドルのギャップが生じているそうだ。また、総人口1,600万人の内450万人はFacebookアカウントを所持しているとのデータも明らかにしており、テクノロジーを活用したサービスの利用が期待されている。

重要なポイント:カンボジアでは2018年頃からキャッシュレス決済の利用が増え始め、現在では50社以上の決済会社がキャッシュレスサービスを展開しているといわれているが、未だトッププレーヤーと呼ばれるほどに成長した企業は出てきていない。 そんな中、現在のカンボジア市場に注目し参入に意欲を見せる新興フィンテック企業もあれば、NBCが推進するプロジェクトが前進するなど、今年に入り新たな動きが出てきている。

詳細な情報:カンボジア市場は2019年半ばまでで既に50社以上のキャッシュレス決済サービスが存在しているといわれている。2017年からの約2年で5~10倍に増加した。

  • 代表的なサービスとしては Pi PayTrue MoneySmartLuy Mobile MoneyWing MoneyBongloySabay Wallet などが挙げられるが、ユーザー数やサービス内容で突出した企業はまだ出てきていない。そのためカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目する企業もまだ多い。今年だけを見ても、海外から参入した2社が直近3カ月以内に資金調達を行っている。
  • Fincyシンガポールを拠点とする同社はブロックチェーンを利用した支払い、振替、給与計算などを行える高機能デジタルウォレットの提供を実施する。2020年1月にカンボジア市場へ参入し、直後に新型コロナウイルスの影響を受けることとなったが、既にプノンペンだけでも600以上の加盟店を獲得し同社の予想を上回るペースでの成長を遂げている。現在は同社が「長引くバンデミック下でもビジネスと投資環境は依然として活気がある」と評価するカンボジア南部の都市シアヌークビルでの事業展開に注力している。 2020年6月12日にカンボジアを始めとする東南アジアでの事業拡大のために、親会社であるGBCI Ventures Pte Ltdから1,100万ドルの資金調達を行った。
  • Clikカンボジアのキャッシュレス決済市場に注目するMatthew Tippetts氏が、他2名と共同創業したスタートアップ。今年8月にシードラウンドで370万ドルの資金調達を行い、2020年末までにカンボジア国内でのサービスローンチを予定。銀行口座と紐付けた決済アプリを利用し、シームレスなタッチ決済サービスの展開を予定している。しかし、カンボジアの銀行ではKYCは対面で行なう事が前提になっているという問題に直面し、サービスローンチに先立ちe-KYCの導入・構築にも力を入れている。
  • 参考記事:東南アジアのモバイル決済新星「Clik」、370万米ドルをシード調達——パイロット運用の地にカンボジアを選んだ理由とは
  • また、NBCもデジタル決済プロジェクトを推進している。Project Bakong:NBCによって2017年に始動したブロックチェーン基盤のP2Pデジタル決済システムProject Bakong。今年6月18日にホワイトペーパーを発行している。CBDC(中央銀行デジタル通貨)の準形式であり、QRコードとモバイルアプリを使用した決済システムによって金融包摂の推進を目指している。また、非効率的な決済システムを改善、銀行サービス利用への道を開くことで貧困を緩和するといった、プロジェクトの目的がホワイトペーパーに記載されている。 ※本プロジェクトの開発には日本のブロックチェーン企業ソラミツが参加している。

背景:カンボジアは人口に対するインターネットカバー率が既に80%近くに達し、データ通信量は10GBで7〜8ドル程度と比較的安価な現状だ。そのため、 スマートフォン所持率は2016年時点で95%と言われている。VISAが公開したデータによれば、国民の約3割がキャッシュレス決済の普及に期待していると回答し、キャッシュレス経済へと移行する環境は既に整いつつあるように思える。また、NBCが6月に発表したデータによると、昨年カンボジア国内でアクティブな電子決済アカウントの数は522万件に達し2018年から64%増加していることが分かる。銀行と決済サービス機関を介したモバイル決済取引額は、2019年のGDPにおける22.9%に相当したとする。

カンボジアでデジタル決済が推進される背景には、他の新興国同様の金融包摂の推進という目的以外にも、長年の米ドル経済から脱却し現地通貨リエルの流通を促進させる狙いもある。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

アフリカ大陸金融包括、カギは「音声メッセージ」

ピックアップ:Ecobank Fintech Challenge 2020 ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを…

Image Credit:Ecobank Fintech Challenge 2020

ピックアップEcobank Fintech Challenge 2020

ニュースサマリー:ガーナとアフリカ全土にフィンテックとAIソリューションを提供するNokwaryは、アフリカにおけるフィンテックスタートアップの登竜門「Ecobank Fintech Challenge 2020」で優勝したことを発表した。同社は現在、メッセージングアプリWhatsAppを利用したバンキングソリューションを軸に事業展開をしている。

詳細な情報:Ecobank Fintech Challengeは、アフリカの金融コングロマリットEcobankが毎年主催するもの。今年は、アフリカ全土600社以上のフィンテックスタートアップから応募があった。

  • Ecobank Fintech Challengeはアフリカ大陸の全てのフィンテック企業に応募資格がある。上位3位に選ばれた企業には5,000ドル〜1万ドルの賞金のほか、Ecobankフェローシップへの参加やグループとの戦略的パートナーシップの検討、Ecobankの展開する33カ国のアフリカ市場参入時のサポートといった権利が与えられる。急成長中の注目企業や有名企業も複数最終選考に残る中、最終的にはまだサービスのローンチにも至っていないほぼ無名のガーナ発Nokwaryが優勝を納めた。
  • 同社のサービスはボットに対して普段通りに自然な要求を伝えるだけで、対話形式でスムーズかつ効率的に送金・決済処理を行う。Whatsappユーザーは既に各金融サービスの提供するボットを利用してWhatsapp上から取引などを行っている。表示されるメニューの中から自分の要望に該当する番号を入力し、1ステップずつ処理を進める形式を取る。
  • 現在はガーナの公用語でもある英語でサービス開発が行われている。今後、ガーナのローカル言語(※ガーナには公用語と別に政府公認言語が9つ存在している)やその他アフリカ各国の諸言語にも対応していく予定。
  • サービスはテキストメッセージだけでなく、音声メッセージにも対応。 全ての国民が水準の高い教育を受けられるわけではないガーナや、その他アフリカ諸国で、文字の読み書きが不得意な人たちも日ごろから音声メッセージを多用し、Whatsappでのコミュニケーションを取っていることに対応したもの。金融包摂やアフリカでの事業展開という点から、音声メッセージにも対応することは非常に重要といえる。
  • サービスローンチ前であるものの、アフリカ全土へのサービス展開が現実的なものとなったNokwaryのサービスはEcobankの支援を受け、今後数カ月以内でのローンチを目指している。

背景:主催するEcobankはサブサハラ以南を中心に、アフリカ33ヵ国で営業するトーゴの首都ロメに本部を置く金融コングロマリット。西アフリカ・中央アフリカでは独立した銀行として確固たる地位を築いている。WhatsAppは180か国15億人のユーザーがいる世界で最もユーザー数の多いメッセージングアプリ。アフリカ・中南米・ヨーロッパの多くの国では最もポピュラーなメッセージングアプリとして使用されている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

デジタル人民元の配布開始、店頭取引の取締強化、重要数字の発表——10月前半の中国ブロックチェーン界を振り返る

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中国のブロックチェーン界は、一週間に及んだ連休でも止まらない(編注:中国では、10月1日の国慶節や中秋節から8連休だった)。深圳ではデジタル人民元の公開テストが発表され、店頭取引トレーダーは圧力の高まりに直面しており、2つの報告書が中国の広大なブロックチェーン産業の背後にある数字に光を当てている。 ブロックチェーンの世界の動きは速く、そして中国ほど速いところはない。9月28日から10月12日までの…

100人民元札に印刷された、中国人民銀行本行
Image credit: TechNode/Eugene Tang

中国のブロックチェーン界は、一週間に及んだ連休でも止まらない(編注:中国では、10月1日の国慶節や中秋節から8連休だった)。深圳ではデジタル人民元の公開テストが発表され、店頭取引トレーダーは圧力の高まりに直面しており、2つの報告書が中国の広大なブロックチェーン産業の背後にある数字に光を当てている。

ブロックチェーンの世界の動きは速く、そして中国ほど速いところはない。9月28日から10月12日までの数週間に起きた、中国のブロックチェーン界について知っておくべきことを紹介する。

デジタル人民元の配布開始

  • 深圳は中国人民銀行のデジタル通貨の初の公開テストを開始し、Red Envelope(紅包)を通じて1億人民元(約15.6億円)を配布する。抽選システムは、デジタル人民元200人民元(約3,100円)相当のバーチャル紅包を受け取る5万人を無作為に選ぶ。深圳・羅湖地区の住民は中国の四大銀行を通して適用でき、選ばれた人は深圳市内3,389の小売店舗でクーポンを使用できる。申請は5日までに締め切り、配布は9日に行われる。(ロイター報道
  • 中国人民銀行はこれまでに、デジタル人民元を使った300万件超の個人取引で11億人民元相当を処理したと、同行の副総裁 Yifei Fan(範一飛)氏が6日に語った。12万個以上のデジタルウォレットが作成され、うち92%が個人で残りが法人のものだ。Fan 氏によれば、中国人民銀行は6,700件のユースケースをテストしたとう。(Fintech Futures 報道
  • もう一人の別の中国人民銀行副総裁は12日、デジタル人民元の展開をさらに加速させるよう呼びかけた。(サウスチャイナ・モーニング・ポスト報道)

店頭取引の取締強化

  • 中国最大のダウンロードソフト「Xunlei(迅雷)」の元 CEO Chen Lei(陳磊)氏が、会社の資金を横領して仮想通貨取引を行ったとして告発され、現在当局の捜査を受けていることがわかった。(Sina Finance=新浪金融 報道)
  • 中国国務院は11日、違法行為に使われている電話や銀行のカードを取り締まると発表し、中国の仮想通貨トレーダーは銀行カードを凍結される可能性を恐れている。店頭取引トレーダーは最近、銀行カードが5年間凍結されたと報告している。(Wublockchain=呉説区塊鏈 報道)

重要数字の発表

  • 国際的なコンサルティング会社 PWC の報告書によると、中国はブロックチェーンの導入によって最も大きな利益を得ることができるという。ブロックチェーン技術は2030年までに中国の国内総生産に4,400億米ドルを加えることができ、アメリカでは4,070億米ドルの純利益を得ることができるとしている。(PWC の報告書)
  • 10月に収集されたデータに基づく最近の報告書によると、中国のブロックチェーン業界は中小企業に支配されている。ブロックチェーンデータプラットフォーム「Longhash」の報告書によると、登記資本金が5,000人民元(約79,000)以下の企業が中国のブロックチェーン企業の46%を占めているという。同報告書によると、登記資本金が5万人民元(約79万円)以上の企業は全体の9%にとどまっているという。(Longhash 報告書

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

熱を帯びる「後払い市場」Affirmが5億ドル調達ーー購買データをどう生かす?

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ピックアップ:Affirm Raises $500M Series G Round ニュースサマリー:分割払いサービスを展開する「Affirm」は17日、シリーズGで5億ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGICとDurable Capital Partners LPが参加し、既存投資家であるLightspeed Venture Partners、Wellington Manage…

Affirmウェブサイト

ピックアップ:Affirm Raises $500M Series G Round

ニュースサマリー:分割払いサービスを展開する「Affirm」は17日、シリーズGで5億ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGICとDurable Capital Partners LPが参加し、既存投資家であるLightspeed Venture Partners、Wellington Management Company、Baillie Gifford、Spark Capital、Founders Fund、Fidelity Management & Research Company LLCも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:Affirmはミレニアル・Z世代を中心に、アパレル商品をターゲットとした分割払いサービスを提供しています。最近は、家具・家電を購入可能なWalmartやDJIのECサイトでの対応を進めるなどサービスの業界をまたいで拡大している「分割払い」の代表格となりました。消費者にとっては手元にキャッシュが少なくても商品を後払いで購入できるのがメリットです。また、支払い期間も6カ月から18カ月の中から自由に選択可能なためフレキシブルなケースに対応しています。

さて、今後のAffirmの事業展開を予想すると、現段階における同社最大のアセットはクレジットスコアが低~中のデータを膨大に所有していることになります。これは、同社は本質的に見れば決済システム会社であり、「分割払い・後払い」の機能と担保をECサイトへ提供しているからです。

この点については先日、105億ドル評価を受けたスウェーデンのスタートアップ「Klarna(クラーナ)」も同様ですし、そうしたミレニアル・Z世代のデータアセットを欲しているのはモバイルバンクの「Chime」や「Step」などが思い浮かびます。両者はAffirmが保有する若者世代の購買データを得られれば、的確な融資事業を推進できるようになり、フィンテック企業として更なる事業成長を進められる可能性を秘めています。

そのため今後Affirmは新興銀行サービスとの提携を進める可能性が高いといえます。口座を持つ若い世代の信用情報を分析し、融資事業に素早く銀行各社が展開できるように手助けする横展開を目指すことが非常に理にかなっているのではないでしょうか。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

1兆円評価の“スゴイ後払い”サービス「Klarna(クラーナ)」

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ピックアップ:Klarna now Europe’s biggest fintech unicorn at over $10 billion value ニュースサマリー:スウェーデン発のスタートアップKlarnaは9月14日、エクイティーラウンドで6億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはSilver Lake Partnersが参加し、シンガポールの政府系フ…

Klarna(クラーナ)ウェブサイト

ピックアップ:Klarna now Europe’s biggest fintech unicorn at over $10 billion value

ニュースサマリー:スウェーデン発のスタートアップKlarnaは9月14日、エクイティーラウンドで6億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはSilver Lake Partnersが参加し、シンガポールの政府系ファンドであるGIC、BlackRock、HMI Capitalも同ラウンドに参加している。同社はスウェーデンを拠点に、後払い決済サービスを運営。無利子の分割払いや、商品到着から30日後の事後一括払いシステムなどを提供している。同ラウンドにて、同社評価額は106億ドルに達した。

話題のポイント:ECでの支払い方法と言えば、デビット・クレジットの決済方法が一般的ですが、Klarnaでは後払いシステム「buy now, pay later」を大きく3つの方法で提供しています。4回分割、30日以内後払い、そして即時ファイナンス(貸付)です。

まず1つ目の無利子「4回払いプラン」。この決済方法を選択すれば、ユーザーは商品の価格をそのまま払いつつも、4回に決済を分割して払うことが可能となります。決済は登録するデビット・クレジットカードのいずれかより2週間ごとに自動的に引き落とされます。仮に、自身でクレジットカード付帯サービスの分割払いを利用すると、利子が必要なのでメリットがあります。

次は無利子の「30日以内・後払いプラン」。この決済方法では、ユーザーは商品到着から30日以内であれば無利子で購入することが可能です。興味深いメリットとして、購入に際しクレジットカード番号なども求められることがないので、多くの情報を提供せずともシームレスな商品購入体験を味わえる点にあります。また、後日払いではクレジットカードも選択可能なため、実質的なキャッシュの支払いは商品購入の2か月先と調整できる点もポイントでしょう。

最長36回返済のファイナンスプラン。6カ月までなら無利子

最後は購入代金を貸し付けて、6カ月から36カ月の分割返済を求めるプランです。ユーザーは利用できるECサイトで、配達先に使っている住所と電話番号などの諸情報を入力さえすれば即時でクレジット与信枠を利用することが可能となります。6カ月までのプランであれば、利子はゼロであることも注目すべきポイントです。

さて、販売店舗側のポジティブポイントですが、何より、Klarnaでは即日入金という形でフォローアップしているのが特徴です。単にクレジットカード払いだと手数料も多く取られ、実際の入金日遅れも避けられない状況でした。そしてユーザーに対してリスクフリーな分割払い・後払いオプションを提供できることはもちろんプラスの要素であることは間違いありません。

気になる手数料自体は「月額固定+トランザクションごとの少額フィー」で構成し、通常のクレジット決済より低価格に抑えているとされています。同社公式サイトによれば、Klarnaの月間アクティブユーザーは既に1000万人を超えており、全体の30%の小売りがコンバージョンレートが向上したとの結果を公表しています。現在は欧州・米国を中心とした事業展開ですが近いうちにアジア圏への進出もあるかもしれません。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

預金で「宝くじ」が貰えるYotta、新たなチャレンジャーバンクの座を狙う

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ピックアップ:Yotta Savings Banks On $3.3M Seed Round To Propel Prize-linked Savings Accounts – Crunchbase News ニュースサマリー:新たなチャレンジャーバンクの座を狙う「Yotta」は9月30日、シードラウンドにて330万ドルの資金調達を発表した。同ラウンドに参加したのは、Slow Ventures、F…

ピックアップ:Yotta Savings Banks On $3.3M Seed Round To Propel Prize-linked Savings Accounts – Crunchbase News

ニュースサマリー:新たなチャレンジャーバンクの座を狙う「Yotta」は9月30日、シードラウンドにて330万ドルの資金調達を発表した。同ラウンドに参加したのは、Slow Ventures、Funders Club、TwentyTwo VC、Chapter One、CapitalX、Y Combinator。同社は毎週一定額以上の金額を該当口座に貯金することで、「宝くじ」を引けるサービスを展開している。行動経済学に基づき、長期的に見れば預貯金額が最大化できる新しい銀行の形を目指す。

話題のポイント:同社は2020年春季のY Combinatorアクセラレータープログラムの卒業生です。最高で1千万ドルの賞金を掲げており、かなり業界の中でも挑戦的かつ若者世代の心を掴みにきました。Yottaの「掛け金」には預かりの貯金額に余裕を持たせてあると想像しますが、ユニットエコノミクス確立が実際にできるのかどうかは不明です。フィンテックに行動経済学を足し合わせた分野では、QapitalLemonadeが参入していることから、Yottaも巧みにユーザー心理をついた新興銀行のポジションを狙っていることが窺い知れます。

仕組みはシンプルで、まずユーザーは25ドル単位で利用している金融機関からYottaに対し振り込みをします。25ドルごとに「チケット(宝くじ)」を受け取ることが可能で、実際の宝くじのように7つの番号を選択します。数字の抽選は毎日7日間行われ、最終的に日曜日に該当週の当選番号が決定するという流れです。

選んだ数字とマッチすればするほど当選金額は上昇し、最大で1,000万ドルの賞金を獲得することが可能です。さらには、同社の預金金利は0.2%をベースとしています。そのため、Yottaに預金していれば金利での利回り+賞金獲得のチャンスを同時に獲得することができるのです。

Image Credit : GoBankingRates

2019年にGoBankingRatesが公開したデータによれば、回答した米国の69%の人の預金総額が1,000ドル以下という状況もあるようで、さらに貯金額5,000ドルまでレンジを上げると全体の80%以上というから驚きです。Yottaは宝くじで高額当選という、いかにも若者世代に特化した機能にも思えますが、こうした社会問題を考えると案外、効果的な施策であるのかもしれません。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

 

チャレンジャーバンクの「Kard」はZ世代家族にフォーカスした戦略を展開

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  ピックアップ:Kard raises another $3.5 million for its challenger bank for teens ニュースサマリー:Z世代向けチャレンジャーバンク「Kard」は23日、昨年のシードラウンドに引き続き350万ドルの資金調達を実施したと発表した。これにより、同社はシードにて700万ドルの調達を完了したこととなる。Founders Futu…

 

ピックアップ:Kard raises another $3.5 million for its challenger bank for teens

ニュースサマリー:Z世代向けチャレンジャーバンク「Kard」は23日、昨年のシードラウンドに引き続き350万ドルの資金調達を実施したと発表した。これにより、同社はシードにて700万ドルの調達を完了したこととなる。Founders Futureがリード投資家として主導し、その他エンジェル数人が参加している。

話題のポイント:Kardは主にZ世代、特に10代の需要に合わせた戦略で金融サービスを提供しています。月額サブスクリプションを採用し、家族単位で月に約5ドル(4.99ユーロ)でサービスの利用が可能です。例えば同じチャレンジャーバンクのN26やChimeなどは、利用者からのサブスクモデルを打ち出していませんが、同社はあえて有料化することで10代の子供を持つ家族が利用しやすくなるような付加価値を提供しています。

具体的には、保護者が直接的に子供の口座を管理できるようアプリからすぐに入金できる点や、振り込み頻度のスケジューリングをフレキシブルに設定することができるなどです。また、口座を保有していれば自動でスマホ損傷保険を利用でき、ティーンの求める機能が今後も増え続ける雰囲気を見せているのも特徴です。

他のチャレンジャーバンクも、既存金融機関が実現できない関連機能を続々と実装していますが、同社では金融をベースとした包括的なライフスタイルサービスの提供も視野に入れているようです。例えば収益軸を月額利用料に置くことで、低金利な学生ローンも実現するかもしれませんし、また、10代の内から家族単位でお金の運用をすることで、投資体験を身近にできることも利点の一つです。

小さいころから始めるお金の教育が注目される中、「Kard」を始めとするZ世代+家族にフォーカスしたチャレンジャーバンクは大きな需要を集める気がします。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

あえて「手数料」を捨てたモバイル銀行「Chime」が躍進した理由

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ピックアップ:Chime is now worth $14.5 billion, surging past Robinhood as the most valuable U.S. consumer fintech ニュースサマリー:モバイルバンク「Chime」は18日、シリーズFにて4億8500万ドルの資金調達を実施したとCNBCが報じている。今回の調達で同社評価額は145億ドルに達し、前回ラウン…

Image Credit : Chime

ピックアップ:Chime is now worth $14.5 billion, surging past Robinhood as the most valuable U.S. consumer fintech

ニュースサマリー:モバイルバンク「Chime」は18日、シリーズFにて4億8500万ドルの資金調達を実施したとCNBCが報じている。今回の調達で同社評価額は145億ドルに達し、前回ラウンドの15億ドルから約9倍に上昇している。Chimeはミレニアル世代などのティーンをターゲットとしたモバイル銀行を運営するスタートアップ。送金や海外利用の際に生じる手数料等を完全廃止し、若者世代の需要に特化したサービスを特徴としている。

話題のポイント:アメリカの中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)は最低でも2023年末までのゼロ金利政策、つまり政策金利がほとんど発生しない金融緩和施策を維持すると明らかにしています。そのため、実質的には銀行へキャッシュを金利目的に預ける意味はなくなっており、銀行側としては他行との違いを出すのが難しい状況です。Chimeはまさに、この既存金融機関の「使いにくさ」を解消し、金利以外での価値提供を狙って成功しました。

冒頭で述べたように、既存の銀行では伝統的にかかっていた「手数料」が多く削られています。例えば、今までは仮に残高がマイナスになってしまった場合、利用者は「Overdraft fee」を支払わなければなりませんでした。銀行で異なるものの、支払いがあるまで隔週5ドルを徴収されるような仕組みになっているのです。

個人にとってはそこまで大きな金額ではありませんが、Chimeが示すデータによれば2019年時点で既存金融機関が得ている手数料は約110億ドルにも上るそうです。Chimeでは、最大で100ドルまでとの決まりはありますが、うっかり残高をマイナスにしてしまっても数日中に支払いをすれば全く手数料がかからない設計になっています。

既存金融機関が利益としていたポイント(ユーザーにとっては「使いにくさ」)を捨て去り、体験向上に走っているのがチャレンジャーバンクのひとつの特徴ですが、Chimeには他のサービスもあります。

例えばChimeを給与の振込口座(Direct Deposit)に登録すれば、実際の支払い日より2日前に入金を受け取ることができる先払いサービスも実施しています。また、通常は手数料がかかる最低預入額や海外送金手数料などもかからず、若者の需要やひとり一人の状況に対しフレキシブルなサービス提供を意識しているように思えます。

「貯蓄」という観点では、自動で貯蓄の提案をしてくれる機能も実装されています。例えば4.55ドルでコーヒーを決済すると、キリのいい5ドル分の決済にアプリ上のみで変更し、45セントを貯蓄預金へ移動してくれます。

今までの銀行は、どこを選んでも同じようなUI・UX、そして当然のように「手数料」を各所で徴収していました。もちろん、信頼性高く著名な銀行は、多額の資金の預入場所として最適なのは過去もこれからも変わらないでしょう。しかし、Chimeが台頭してきていることからも分かるように、特に若者を中心とした需要の柔軟さに対応が求められているのです。

そうした意味で、Chimeは既存金融機関が即座には提供できないようなプレミアム機能を兼ね備えており、今後も成長する流れは止まりそうにありません。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏