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A01_資金調達/買収/提携

コロナ禍でEC拡大の中、プラスチックフリーに脚光

ピックアップ:Zero Grocery Raises $3M Seed Round for Plastic-Free Grocery ニュースサマリ:プラスチックフリーの食料品宅配サービスを提供するZero Groceryは9月23日に300万ドルのシード資金を調達したことを報告している。同ラウンドはベンチャーキャピタルの1984がリードし、他にもArlan Hamilton、AVG Baseca…

画像出典:Zero Grocery 公式ホームページ

ピックアップ:Zero Grocery Raises $3M Seed Round for Plastic-Free Grocery

ニュースサマリ:プラスチックフリーの食料品宅配サービスを提供するZero Groceryは9月23日に300万ドルのシード資金を調達したことを報告している。同ラウンドはベンチャーキャピタルの1984がリードし、他にもArlan Hamilton、AVG Basecamp Fun、Bluestein Venturesなどの投資家が参加している。これにより、Zero Groceryが調達した総額は470万ドルとなった。

詳細情報:同社はCEOであるZuleyka Strasner氏が、2019年1月にカリフォルニア州バークレーを拠点に創業。Strasner氏によると、米国初のオンラインのゼロ・ウェイスト食料品店だという。同サービスでは、包装にプラスチックを使わず、リサイクル可能なガラス瓶や箱などの容器に詰められた食品を配達している。月25ドルの会費で会員となれば無料配達を利用できるが、非会員でも1回の注文につき7.99ドルで食料品を配達することができる。

  • 他の多くのネット通販と同様にコロナ禍の影響を受け同社は急激に成長。2020年2月以降、売上高は20倍に増加したという。こうした背景から2020年3月末には収益と会員数が3倍になり、70万ドルの資金調達につながった。ここで調達した資金は、フルフィルメント(受注〜配送までの一連のプロセス)キャパシティや技術の向上、従業員数の拡大に活用された。

背景:Mercatusの調査によると、パンデミックの影響でアメリカでの食料品Eコマースの売上高は2020年6月に72億ドルと過去最高を記録。2020年8月には57億ドルと一旦その数は減少したものの、新しい電子商取引の行動様式が作られたことから、2025年までに2,500億ドルに達すると予測されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

「お金の健康診断」「オカネコ」運営の400F、MBO後初の外部資金調達——グッドパッチ、マネフォから

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400F(フォーハンドレッドエフ)は15日、直近のラウンドでグッドパッチ(東証:7351)とマネーフォワード(東証:3994)から資金調達を実施したことを明らかにした。調達金額は非開示。本ラウンドに出資参加したグッドパッチにとって、本件は同社が今年6月末の上場後に開設した Goodpatch Design Fund からの最初の出資となる。なお、グッドパッチは、マネーフォワードが7月末に組成したフ…

左から Growth Camp 共同創業者 山代真啓氏、グッドパッチ 代表取締役社長 土屋尚史氏、400F  取締役 CPO 加々美文康氏、400F 代表取締役社長 中村仁氏、マネーフォワード 代表取締役社長 CEO 辻庸介氏、Growth Camp 共同創業者 樫田光氏
Image credit: 400F

400F(フォーハンドレッドエフ)は15日、直近のラウンドでグッドパッチ(東証:7351)とマネーフォワード(東証:3994)から資金調達を実施したことを明らかにした。調達金額は非開示。本ラウンドに出資参加したグッドパッチにとって、本件は同社が今年6月末の上場後に開設した Goodpatch Design Fund からの最初の出資となる。なお、グッドパッチは、マネーフォワードが7月末に組成したファンド「HIRAC FUND」の LP でもある。

400F は2017年11月、ロボアドバイザー「THEO(テオ)」運営で知られるお金のデザインの事業子会社として設立。オンラインチャット相談プラットフォーム「お金の健康診断」、Web メディア「オカネコ」を運営している。今年7月に MBO でお金のデザインから独立し、新たなスタートアップとしての道のりを歩き始めていた。お金の健康診断は、正式リリースから約2年を経て累計利用者数が7.5万人を突破。また、オカネコの月間 UU 数は20万人以上を推移しているという。

Image credit: 400F

400F では今回調達した資金を使って、お金の健康診断とオカネコへの投資、それに伴う人材採用を強化する。また、共にメルカリ出身で、それぞれ Data Analyst チームと Marketing & Growth チームの責任者を務めた樫田光氏と山代真啓氏が、400F のグロースアドバイザーに加わったことも明らかになった。樫田氏と山代氏は今年7月、スタートアップのグロース支援に特化した会社 Growth Camp を設立している

via PR TIMES

道路点検AIを開発するUrbanX、シードラウンドで8,000万円を調達——東大IPCとANRIから

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道路点検 AI を開発するアーバンエックステクノロジー(以下、UrbanX)は15日、シードラウンドで8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と ANRI。 UrbanX は、東京大学生産技術研究所特任研究員の前田紘弥氏が今年4月に設立したスタートアップ。都市空間のリアルタイム・デジタルツイン構築でスマートな都市経営の…

Image credit: UrbanX Technologies

道路点検 AI を開発するアーバンエックステクノロジー(以下、UrbanX)は15日、シードラウンドで8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と ANRI。

UrbanX は、東京大学生産技術研究所特任研究員の前田紘弥氏が今年4月に設立したスタートアップ。都市空間のリアルタイム・デジタルツイン構築でスマートな都市経営の実現を目指している。

現在は、スマートフォンやドライブレコーダー(ドラレコ)にコンピュータビジョンや振動検知を備えたエッジ AI を搭載し、道路の損傷検出を行い、必要に応じてクラウドへ該当箇所の画像をアップロードし、道路の所轄官庁や自治体へ報告する実証実験を行なっている。これまで道路の損傷確認業務は人が定期的に巡回することで行われていたが、これを AI に置き換えることで業務効率化を図ろうというものだ。

Image credit: UrbanX Technologies

京都市の「みっけ隊」、奈良市の道路損傷等通報システム、埼玉県の道路損傷通報システムのように、一部自治体では市民から損傷箇所の通報を受けて業務効率化に役立てようとする動きが既に始まっている。UrbanX の技術は、今のところ行政の業務効率化にスポットを当てているが、将来的には、一般市民がドラレコなどに導入することで「SETI@home」のような集合知(Wisdom of Crowds)ソリューションに発展できる可能性もあるだろう。

どの程度の損傷があれば修復するかの基準は、国道や自治体道の違い、また、所轄官庁や各自治体の予算などによっても違う。(撮影している際の)走っている道路の位置情報から、その道路を管轄する官庁や自治体の基準に合わせてレポートするかどうかも、学習して最適化していく機能を備えている。(前田氏)

UrbanX の技術が導入されているのはまだ公用車のみだ。前田氏によれば、将来的には一般ドライバにまで利用を広げることを目指しているが、撮影した画像のプライバシーなどの課題を解決する必要があり、まだ少し先のことになりそうだ。また、道路損傷を報告したドライバへのモチベーションの設計、そうした施策を導入するための予算確保やビジネススキームも考える必要があるだろう。

UrbanX は、2020年に東大 IPC の起業支援プログラム「1st Round」の第2期(web サイト上には、これまでに3回開催した 1st Round の名前がついていなかった頃の起業支援プログラムからを通算でカウントし第五回と記されている)に採択。また、「ドライブレコーダー型路面性状検査システムの開発」で、2020年度未踏アドバンスト事業実施プロジェクトに採択された。

FlipkartとWalmart、インドのB2B向け生鮮食品サプライチェーン「Ninjacart」に3,000万米ドルを追加出資

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


インドの EC スタートアップ Flipkart は、アメリカに本拠を置く親会社 Walmart と共に、生鮮食品サプライチェーンスタートアップ Ninjacart への2回目の出資を発表した。共同投資額は3,000万米ドルになると The Economic Times が報じた

Image credit: Ninjacart

昨年12月、Flipkart とシンガポールを拠点とする GEC3 は、シリーズ C ラウンドで Ninjacart に7億1,830万ルピー(約10.3億円)を出資した

Ninjacart はこの資金を使って、新市場への進出、新興の顧客セグメントに向けた新たなサービス提供やサプライチェーンの構築を行うとともに、サプライチェーンの革新を継続し、より効率的で信頼性が高く、収益性の高いものにしていくとしている。この取引は2020年10月末までに完了する予定。

バンガロールを拠点とする食品宅配プラットフォーム「Flipkart」への投資は、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンにより、オンライン食料品宅配サービスの需要が急増していることを受けてのものだ。これは、Bigbasket、Amazon Pantry、Grofers などの業界の既存のリーダーに挑戦している JioMart などの新規参入につながっている。

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Flipkart は、Ninjacart が顧客に新鮮な農産物を提供したり、ラストマイルネットワークを提供したりすることで、Flipmart の食料品事業「Supermarket」とハイパーローカル事業「Flipkart Quick」の成長に大きな役割を果たすことを期待している。

Flipkart Group CEO の Kalyan Krishnamurthy 氏は、次のように述べている。

我々がテクノロジーを活用して全国の消費者行動の変化に対応していく中で、Ninjacart とのパイロット事業と現在の事業提携は励みになっている。

Ninjacart CEO で創業者の Thirukumaran Nagarajan 氏は、「Walmart と Flipkart のグループからの新たな資金により、何十億人もの人々が食品を安全で利用しやすいものにするというビジョンに一歩近づくことができる」と述べた。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

【EC化するコンビニ】30分配達「goPuff」は次のセブンイレブンになれるか(3/3)

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。 (前回からのつづき) データ軸:goPuffは独自予測アルゴリズムを開発しており、各拠点の在庫レベルを常に把握しているため、在庫切れや代替品の必要性のリスクを軽減しています。配達員の移動速度や地域性、悪天候などの変数に基づいて配送システムを調整しているそうです。 加えて、例えば学生の顧客がどこから…

Image Credit:goPuff

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。

(前回からのつづき)

データ軸:goPuffは独自予測アルゴリズムを開発しており、各拠点の在庫レベルを常に把握しているため、在庫切れや代替品の必要性のリスクを軽減しています。配達員の移動速度や地域性、悪天候などの変数に基づいて配送システムを調整しているそうです。

加えて、例えば学生の顧客がどこから注文しているか(寮の部屋、図書館、パーティーなど)、何時に注文しているか、どのような種類の製品を注文しているかまで把握し、それに応じてマーケティングプランを調整できるようにしています。同社は今のところデータを販売する予定はないと言いますが、Amazonなども手を出せていない膨大な独自の価値を持っており、物流とマーケティング、両方に寄与するデータを保有することで垂直統合型の配達サービスを確立しています。

簡単に5つの戦略を紹介しましたが、今回の大型調達の後押しになったのは新規ユーザー層へアプローチできたことにありそうです。同社のパンデミック関連のレポートによると、「週に1回以上注文する顧客数は90%近くの増加、注文金額は55%増加(2019年3月比)」したとあります。

成長要因となったのが、これまであまり需要のなかった料理および美容商品の販売売上増加にあります。在宅時間が増え、DIYの機会が増えると同時に新しいカテゴリー需要が発生。こうしたトレンドを見逃さずに先述した予測アルゴリズムに組み込み、的確な量の在庫を揃えることで対応できたのがgoPuffです。

さらに、若者世代だけでなく高齢ユーザーの流入も確認されたといいます。「新規顧客の注文額は、週7日のうち5日で既存のgoPuff顧客の注文額を上回った」とあることから、可処分所得の多い年齢層の高いユーザーがお金を多く落としていると言います。パンデミックの影響でgoPuffのCACが下がり、自然流入で顧客数を増やせています。こうした新需要に迅速に応える体制がgoPuffの魅力となっていると考えられます。

今後、膨大なデータを基に自社ブランド商品を販売することでさらなる利益率向上も狙えるかもしれません。特に消費財はブランド力が差別化要因にならないため、goPuffブランドでも十分に購入されるチャンスがあります。伸び代の高い事業モデルは次なるセブンイレブンの座を射止める可能性も踏めているでしょう。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

【EC化するコンビニ】30分配達「goPuff」の戦略とは(2/3)

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(前回からのつづき)goPuffのパフォーマンスは高く、新店舗領域を立ち上げると平均5.5カ月で損益分岐点を超えるそうです。これはコンビニ利用者の50%超を占めるミレニアルおよびZ世代の需要を汲み取ってることが要因となっています。それでは具体的にどのような戦略を打っているのでしょうか。5つ簡単にご紹介します。 製品軸:まず最初に挙げられるのが、衝動買い需要を抑えた製品ラインナップです。例えば深夜の…

Image Credit:goPuff

(前回からのつづき)goPuffのパフォーマンスは高く、新店舗領域を立ち上げると平均5.5カ月で損益分岐点を超えるそうです。これはコンビニ利用者の50%超を占めるミレニアルおよびZ世代の需要を汲み取ってることが要因となっています。それでは具体的にどのような戦略を打っているのでしょうか。5つ簡単にご紹介します。

製品軸:まず最初に挙げられるのが、衝動買い需要を抑えた製品ラインナップです。例えば深夜の間食や、大事な物資を切らしてしまった時など、すぐに満たしたいニーズがあります。また、生理品やピルを含む対面でもらうには恥ずかしい一方、緊急性を要する商品需要も挙げられます。Amazonプライムの配達では2日もかかるので待てないといった消費者心理を突くべく、商品ラインナップも必要性に駆られる物を中心に揃えています。

価格軸:競合他社がダイナミック・プライシングに基づき、時間帯によって配達料金を変えています。これは収益を配達料金に頼っているため、固定価格でのサービス提供ができないデメリットを抱えているからです。一方のgoPuffは配達料で稼ぐことはせず、商品販売マージンを収益源に据えることで低価格の配達料金設定を実現できています。

goPuff はサービス提供する都市において、在庫保管するために地元の倉庫施設を所有しています。注文は倉庫から直接顧客に届くため、物流の手間が省けます。パートナー企業から商品をピックアップして配達するプロセスは経ていません。物理的な流通センターを所有しているため、サプライヤーから卸売価格で製品在庫を一括購入できます。これにより、価格が低く抑えられ、利益を得るために配送料に頼る必要がなくなる仕組みです。顧客にとっては毎回配達コストを考える手間が省け、UXとしても洗練されたものとなります。

非競合軸6,478億ドルが米国のコンビニ販売高と紹介しましたが、その内3,959億ドルが燃料販売なのだそうです。ただ、利益率は比較的低く、コンビニ全体の利益額の38%しか占めません。一方の食品販売は利益率が高いのですが、フード配達となるとUberEatsを筆頭とする大手プレイヤーを敵に回す必要が出てきます。そこでgoPuffは生鮮食料品やレストランの出来立て料理の配達にウェイトを置いていません。販売するとしても長期保存可能な冷凍食品やスナック菓子がメインです。利益率の高いカテゴリーの中でも、競合を持たない戦略が功を奏しています。(次につづく)

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

【EC化するコンビニ】生活品を30分配達「goPuff」が39億ドル評価へ(1/3)

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。 消費財(FMCG:Fast Moving Consumer Goods)のEC販売は、世界的に見ても成長市場となっています。2018年、オンラインFMCG販売高成長率は世界平均で20%、米国では35%となっており、飛び抜けた高さを見せています。代表例がコンビニです。コンビニの店舗数は15万店超。パ…

Image Credit:goPuff

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。

消費財(FMCG:Fast Moving Consumer Goods)のEC販売は、世界的に見ても成長市場となっています。2018年、オンラインFMCG販売高成長率は世界平均で20%、米国では35%となっており、飛び抜けた高さを見せています。代表例がコンビニです。コンビニの店舗数は15万店超。パンデミック以前には毎日1.65億人が利用していました。米国では2019年のGDP21.4兆ドルの内、約3%に相当する6,478億ドルがコンビニ市場規模となっています。2020年度のコンビニ市場規模自体はコロナの影響で減少していると推測されますが、以前から成長していたEC化は著しく進んでいると考えられます。

コンビニ・消費財EC市場には、Amazon・Instacart・Uber・Postmastes・DoorDash・SevenEleven(米国)に至るまで多数のプレイヤーが参入するレッドオーシャンとなっています。そしてこの中で頭角を現しているのが30分以内にコンビニで並ぶような生活品を配達する24時間営業のオンライン・コンビニ「goPuff」です。10月8日には3億8,000万ドルの調達を発表し、企業評価額は39億ドルとされています。

goPuffの提供価値は、競合他社より早く多くの商品の中から好きな物を届けることにあります。同社は大学生向けの生活品配達事業として開始し、夜中のふとした瞬間にアイスやスナック菓子が欲しくなった際、すぐに商品を配達する衝動買い需要を満たすサービスとして立ち上がりました。今でもこうした需要を獲得しており、配達料金一律1.95ドルと安めの設定で人気を得ています。現在、500以上の拠点を運営し、2,500以上の商品を扱っているそうです。Crunchbaseによる予想収益は年間1億ドルほどとなっていました。(次につづく)

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

預金で「宝くじ」が貰えるYotta、新たなチャレンジャーバンクの座を狙う

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ピックアップ:Yotta Savings Banks On $3.3M Seed Round To Propel Prize-linked Savings Accounts – Crunchbase News ニュースサマリー:新たなチャレンジャーバンクの座を狙う「Yotta」は9月30日、シードラウンドにて330万ドルの資金調達を発表した。同ラウンドに参加したのは、Slow Ventures、F…

ピックアップ:Yotta Savings Banks On $3.3M Seed Round To Propel Prize-linked Savings Accounts – Crunchbase News

ニュースサマリー:新たなチャレンジャーバンクの座を狙う「Yotta」は9月30日、シードラウンドにて330万ドルの資金調達を発表した。同ラウンドに参加したのは、Slow Ventures、Funders Club、TwentyTwo VC、Chapter One、CapitalX、Y Combinator。同社は毎週一定額以上の金額を該当口座に貯金することで、「宝くじ」を引けるサービスを展開している。行動経済学に基づき、長期的に見れば預貯金額が最大化できる新しい銀行の形を目指す。

話題のポイント:同社は2020年春季のY Combinatorアクセラレータープログラムの卒業生です。最高で1千万ドルの賞金を掲げており、かなり業界の中でも挑戦的かつ若者世代の心を掴みにきました。Yottaの「掛け金」には預かりの貯金額に余裕を持たせてあると想像しますが、ユニットエコノミクス確立が実際にできるのかどうかは不明です。フィンテックに行動経済学を足し合わせた分野では、QapitalLemonadeが参入していることから、Yottaも巧みにユーザー心理をついた新興銀行のポジションを狙っていることが窺い知れます。

仕組みはシンプルで、まずユーザーは25ドル単位で利用している金融機関からYottaに対し振り込みをします。25ドルごとに「チケット(宝くじ)」を受け取ることが可能で、実際の宝くじのように7つの番号を選択します。数字の抽選は毎日7日間行われ、最終的に日曜日に該当週の当選番号が決定するという流れです。

選んだ数字とマッチすればするほど当選金額は上昇し、最大で1,000万ドルの賞金を獲得することが可能です。さらには、同社の預金金利は0.2%をベースとしています。そのため、Yottaに預金していれば金利での利回り+賞金獲得のチャンスを同時に獲得することができるのです。

Image Credit : GoBankingRates

2019年にGoBankingRatesが公開したデータによれば、回答した米国の69%の人の預金総額が1,000ドル以下という状況もあるようで、さらに貯金額5,000ドルまでレンジを上げると全体の80%以上というから驚きです。Yottaは宝くじで高額当選という、いかにも若者世代に特化した機能にも思えますが、こうした社会問題を考えると案外、効果的な施策であるのかもしれません。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏

 

「日記」で心の健康維持に注目、Silk + Sonderの方法

ピックアップ:Silk and Sonder Lands $3.6M Seed For Monthly Women’s Mental Health Program ニュースサマリ:女性向けメンタルヘルス向上に特化したサブスク型の日記サービスSilk + Sonderは9月8日、シードラウンドで360万ドルの資金調達を公表した。リード投資家にはRedpoint Venturesが参加し、複数のエンジ…

画像出典:Silk + Sonder 公式ホームページ

ピックアップ:Silk and Sonder Lands $3.6M Seed For Monthly Women’s Mental Health Program

ニュースサマリ:女性向けメンタルヘルス向上に特化したサブスク型の日記サービスSilk + Sonderは9月8日、シードラウンドで360万ドルの資金調達を公表した。リード投資家にはRedpoint Venturesが参加し、複数のエンジェル投資家も同ラウンドに参加している。同社は2019年にRed Giraffe Advisors、122West Ventures、500 Startupsのプレシードラウンドを経て、今回のラウンドに至る。

詳細情報:同社はゴールドマン・サックスなどでソフトウェアエンジニアとプロダクトマネージャーを務めていた Meha Agrawal氏が2017年にサンフランシスコにて創業したスタートアップ。2019年には、ライフコーチのエクササイズや一日の気分や習慣をトラックできるページが入った日記が毎月届く、月額19.95ドルのサブスクリプションサービスの提供を開始した。

画像出典:Silk + Sonder 公式ホームページ
  • いわゆる日記による内省を通じて心のもやもやを解消するアプローチ。毎月に1回日記が定期的に郵送されることで習慣化しやすくしたのが特徴。また、サブスク購入者は、P2P型でのサポートや独自のバーチャルコンテンツを提供するFacebook上のプライベートコミュニティーにもアクセスすることが可能となる。
  • 女性のセルフケアとメンタルウェルネス領域で起業に至った理由として、Agrawal氏は2019年9月の取材で自身が「本当のセルフケアは心から始まるということを実感したから」と述べている。また同インタビューで「自己の振り返りとコミュニティでのつながり」がヘルスケアに重要であると指摘している。

背景:Crunchbaseの取材によると、米国ではすでに全50州の数万人以上が Silk + Sonder を利用しており、顧客は「世代、民族、社会経済レベルにかかわらない」ことが明らかとなっている。また、CB Insightsが明らかにしたデータによれば同分野におけるスタートアップの資金調達額は2020年第1四半期で5億7600万ドルを突破していとしている。これは、昨年の同時期と比較しても400%増となっており、アフターコロナ文脈でも特に注目される市場だと言える。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志・岩切絹代

スポーツエンタメアプリ「Player!」運営、新型コロナ追い風にスポーツ界のDX推進——3社から資金調達も

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スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を開発する ookami は12日、直近のラウンドで山口キャピタル、三菱 UFJ キャピタル、アカツキ(Heart Driven Fund、東証:3932)から資金調達したことを明らかにした。調達金額は明らかにされていないが、関係者らの情報を総合すると数億円程度と見られる。このラウンドは同社にとって、2018年6月に実施したシリーズ B ラウンドに…

Ookami のチームメンバー。左から3人目が、代表の尾形太陽氏。
Image credit: Ookami

スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を開発する ookami は12日、直近のラウンドで山口キャピタル、三菱 UFJ キャピタル、アカツキ(Heart Driven Fund、東証:3932)から資金調達したことを明らかにした。調達金額は明らかにされていないが、関係者らの情報を総合すると数億円程度と見られる。このラウンドは同社にとって、2018年6月に実施したシリーズ B ラウンドに続くものだ。

ookami は2014年4月の設立。2015年4月にモバイルアプリ「Player!」を iOS 向けにリリースし、スポーツニュースの配信プラットフォームから、スポーツゲームをライブで伝え、ゲームの途中経過や結果とともに、同じゲームを実況観戦する他ユーザと思いをリアルタイム共有できるスポーツ SNS へとピボットした。

「Player!」
Image credit: Ookami

コロナ禍で多くのスポーツイベントが規模縮小や無観客への転換を余儀なくされる中、この流れは Player! にとっては追い風となっている。Player! の月間利用者数はのべ400万人超で、年間約2万試合のスポーツイベントの情報を収集・共有。Player! 上での広告掲載を通じた収益化に取り組んできた同社だが、今回調達した資金を使い、収入減に悩むスポーツチームの収益化支援に乗り出す。

新常態では現地に出向くのが難しくなるので、オンライン上に楽しめる場所を作らないといけない。直接ユーザとコミュニケーションが取れる Player! の特徴を生かして、スポーツのスポンサリングをデジタル化する動きも支援できると思う。(ookami 代表 尾形太陽氏)

新型コロナはお金の流れを変えつつある。リアルのスポーツイベントの露出が減った分、そこに流れていたスポンサーフィーが新たな行き場を探している。一方で、スポーツチームは観客からの入場料収入や協賛金収入の道が閉ざされ、存亡の危機に追い込まれた団体も少なからずあると聞く。Player! はデジタル体験を介して、新たなお金のフローを作ることを目指す。

スポーツチーム向けリアルタイムデータ管理ツール「PLAYER! Admin」
Image credit: Ookami

スポーツチームにファンをエンゲージメントする企画を Player! で展開してもらい、投げ銭やギフティングのような形でファンからチームにお金を入れてもらう活動が、浦和レッズ鹿島アントラーズとの間で始まっている。ookami はパーセンテージで手数料収入を得るのではなく、チームに対し月額定額料で SaaS 利用してもらうことで、チームが収益を得やすくしているという。この SaaS には、チームのウェブサイトやソーシャルメディアへのアクセスを一元的に管理・最適化できる機能も追加される予定だ。

今回のラウンドに参加した投資家のうち山口キャピタルとは業務提携を伴っており、親会社の山口フィナンシャルグループ(東証:8418)との関係をもとに ookami は Player! を通じたスポーツによる地方活性化施策の開発に取り組む考え。また、投資家の一つであるアカツキは2018年末から東京ヴェルディの経営に参画しており、Player! を通じて何らかの取り組みが繰り広げられることが期待される。