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オンライン採用・研修プラットフォーム「playse.」展開のmanebi、グローバル・ブレインとSBIなどから4.8億円調達

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派遣事業者にeラーニングソリューションを提供する manebi(マネビ) は8月31日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはグローバル・ブレイン、SBIインベストメントの2社。これに複数金融機関からの融資を含め、調達した資金は合計で4億8,000万円。昨年10月に実施した個人投資家を中心とする増資に続くもの。 参考記事:eラーニング「派遣のミカタ」運営のmanebi(マネビ)が小…

playse. web面接ウェブサイト

派遣事業者にeラーニングソリューションを提供する manebi(マネビ) は8月31日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのはグローバル・ブレイン、SBIインベストメントの2社。これに複数金融機関からの融資を含め、調達した資金は合計で4億8,000万円。昨年10月に実施した個人投資家を中心とする増資に続くもの。

参考記事:eラーニング「派遣のミカタ」運営のmanebi(マネビ)が小泉文明氏らエンジェルからシード資金調達、導入社数はすでに1000社に

同社は派遣事業者向けに2015年から義務化された、キャリア形成支援制度に対応した派遣スタッフ向けの研修コンテンツを手がける。定められている業務報告書などの自動生成に対応しており、対応を迫られる事業者の効率化を支援している。

また、これに合わせて、オンライン採用・研修プラットフォーム「playse.」も展開。3,000レッスンの研修コンテンツに加え、採用支援として昨年11月にはウェブ面接ツールを公開し、公開後8カ月で1,100社が導入した。調達した資金はオンライン採用・研修プラットフォーム、派遣業界特化型のeラーニング事業へ投資する予定。

via PR TIMES

新時代の組織、ヒントはGoogle流「自律協業」ーーシードで3億円集めたBeaTrust (ビートラスト)のワケ

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コロナ禍は私たちの働き方に大きな影響をもたらすことになった。 これまで「常識」だからと蓋をしていた通勤やヒエラルキー、毎日の仕事の在り方や評価など。成人した大人であれば、個々人の「成長」や「人生」に関わる大問題でもあるにも関わらず、ずっと変えられなかった社会の仕組みが大きく動き出しつつあるのだ。 そして今、この課題により明確なフレームワークを持ち込もうというスタートアップが現れた。具体的なプロダク…

コロナ禍は私たちの働き方に大きな影響をもたらすことになった。

これまで「常識」だからと蓋をしていた通勤やヒエラルキー、毎日の仕事の在り方や評価など。成人した大人であれば、個々人の「成長」や「人生」に関わる大問題でもあるにも関わらず、ずっと変えられなかった社会の仕組みが大きく動き出しつつあるのだ。

そして今、この課題により明確なフレームワークを持ち込もうというスタートアップが現れた。具体的なプロダクトのお披露目はもう少し先だが、今、明らかになっている彼らの思想をお伝えしたい。

ベテラン・スタートアップ

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写真左より: 共同創業者の久米雅人氏と代表取締役の原邦雄氏、VP of Engineeringの長岡諒氏

BeaTrust (ビートラスト)は代表取締役の原邦雄氏と久米雅人氏らが今年3月に共同創業したスタートアップだ。

同社はこのほど、シードラウンドで3億円という資金調達を成功させた。増資に応じたのはリードインベスターとしてサイバーエージェント・キャピタル(CAC)、ラウンドに参加したのはDNX Ventures、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、STRIVE、One Capital,、Delight Ventures、PKSHA/SPARX、みずほキャピタル及び複数の個人投資家。出資はJ-KISS型新株予約権を発行する形で実施されている。

シードのタイミングで3億円も破格だが、これらトップクラスのVCが顔を並べるのも珍しい。なぜか。CACの近藤裕文氏はリードした評価ポイントを次のようにまとめる。

「コロナショックの発生によって、デジタル化(DX)は多くの産業、日本企業とって大きな課題となった一方、それを支援する組織構築から人材活用まで提供できるプロダクトは満たされていません。Google時代に課題感(深刻度)や問題点(進まない理由)を相当把握されていて打ち手も分かってらっしゃる点、原さん・久米さんのGoogle・シリコンバレーネットワークに加え、CACのグローバルネットワークで東南アジア市場の立ち上げをサポートできる点に可能性を感じています」(近藤氏)。

共同創業した原氏、久米氏は共に前職Googleで、最後の仕事をスタートアップ支援に捧げた人物だ。現在、Coral Capitalにて活躍する西村賢氏も在籍していた部門で、アクセラレーションプログラム「Google Launchpad Accelerator Tokyo」や、国内では珍しいGoogleによる出資案件(Abeja、PLAIDなど)などを手掛けていた。

もちろんこれだけでも実績としては十分だが、特に原氏はまさにインターネット・ビジネス創世記とも言えるシリコンバレーにて過ごした経験を持っている。同氏は国内でキャリアをスタートした後、渡米して米SGI(シリコングラフィクス)に在籍していたのだが、ちょうどこの1990年前後の米国インターネット世界は様々なスタートアップの「ビック・バン」とも言えるストーリーを巻き起こしている。

例えば原氏が在籍していたSGIには伝説的創業者、ジム・クラーク氏がいる。

彼がマーク・アンドリーセン氏らと作ったウェブブラウザ「Mosic(モザイク)」は「Netscape Navigator(ネットスケープ・ナビゲーター)」を生み出し、Microsoftと激しい戦いを繰り広げることになった。IEとの戦いに敗れたアンドリーセン氏がベン・ホロウィッツ氏と創業したベンチャーキャピタル「Andreessen Horowitz(a16z)」が支援したSkypeはかつての宿敵、Microsoftに買収されることになり、その後のa16z発展の基礎となる。

離合集散を繰り返しエコシステムを巨大化してきた米国らしいエピソードだ。

原氏はSGIを離れた後もシリコンバレーに残り、スタートアップ支援のコンサルティング・ファームを自分で立ち上げ、このスタートアップ・エコシステムの聖地がどのような原理で事業を生み出していくのか体で感じてきたのだそうだ。帰国後は主に広告畑で日本のマイクロソフト、Googleと渡り歩いた。

BeaTrustを共同創業した久米氏もまた、2回目のインキュベイトキャンプに参加するなど、2010年代の国内スタートアップ・シーンを自分ゴトとして経験してきた人物だ。イノベーションの理屈を知り尽くしている二人だからこそ、これだけ多くの投資サイドが集まったのはよく理解できる。

必要とされる「自律的な」働き方

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BeaTrustウェブサイト・プロダクトの公開は秋に予定されている

本題に入ろう。彼らは何を解決しようとしているのか。

BeaTrustのテーマは大きな視点で言えば「イノベーション」だ。日本企業がイノベーションを起こすために必要な組織、人、文化を作り出すためのHowを提供する。彼らはこれまでの経験から、イノベーティブな企業の本質は「多様な人材による自律的な協業を促すカルチャー」と、それを実現に移すことができる「整備されたデジタルインフラ」にあるとしている。

解決のためのキーワードは「自律的協業」だ。彼らが在籍していたGoogleはチームワークのポリシーとして「re:Work」というコンセプトを公表している。久米氏は今後の企業イノベーションを考える上で重要なポイントにチームの「心理的安全性」と「相互信頼」を挙げる。

「企業が『オープンであること』も重要なファクターです。最近のスタートアップでは割とデファクトになりつつありますが、大きな企業ではまだまだ社員に色々な情報を開示し切れていないところも多いかと思います。人の情報から開示することでコミュニケーションの円滑化や協業機会を増やすカルチャーを醸成することを意識しています」(久米氏)。

一方、こういった話題は抽象論に陥りがちでもある。ルールで自律的に動けと縛っては意味不明だし、かと言って精神論で経営者のように振る舞えと指示をしてはチームワークとして成立するはずもない。そこで役立つのが思考フレームワークの存在だ。特にGoogleはOKRなどの導入でもよく話題になる。BeaTrustはどのような土台を用意しているのか。原氏の考え方はこうだ。

「自律的な協業を促すには、トップがビジョンを明確に示し、開示できるものはすべて開示し、心理的な安全性を担保しつつ、従業員の自主性にあとは任せるというのが道筋です。OKRは個人やチームの目標管理には重要ですが、同時に持続的に学習する文化を組織として根付かせることも競争優位性を保つためには大切だと思います(このあたりもre:Workにうまくまとめられています)。

そのような環境下では自然と社員同士が知識を共有しあったり教え合ったりする行為が活性化します。また、その根っこにあるのはGiver的な精神となります。日本企業の方々とお話をしていて一番感じるのは特に心理的安全性とコア業務を離れて他の社員をサポートすることに対する評価が確立されていないです。その場合、どうしても横断的な協業は中々現場からは生まれにくいと考えます。我々の製品はこのような文化を醸成していく後押しになるようなテクノロジーの基盤を提供していくことにあります」(原氏)。

両氏との会話で、特に印象に残ったのが教えあう文化だ。

コロナ禍に遭遇し、私たちは強制的に自律的な行動を求められる環境に遭遇した。従来型のトップダウンでは声が届かず、監視・管理というマネジメントの仕組みが崩壊した瞬間、組織は新しい方法を示さなければならなくなった。しかし、自律的行動は個々人のラーニングによるところが大きい。しかしもし、組織そのものに「学ぶ仕組み」がインストールされていればどうだろう。教え合う文化というのはこの組織の自己修復力を高めるために必要だというのだ。

冒頭に書いた通り、プロダクトの詳細はまだ披露されていない。秋ごろに公開される予定のプロダクトは次のようなHowの提供から開始するとしている。

  • 従業員の業務内容やスキル・経験の可視化
  • チーム構成・組織体制の把握
  • 横断的かつスピーディで強力な検索機能
  • コラボレーションを生み出すためのコンタクト情報などの表示

会社はあなたのことを考えてくれているのか

取材でもう一つ心に残った言葉がこれだ。昭和の高度経済成長期、仕事というのは言葉通り「人生をかけたもの」が多かったように思う。車を作り、テレビを売り、道路を伸ばして山にトンネルを掘る。情報が乏しい時代、組織は一丸となってダイナミックに動くことが必要だった。「日本的サラリーマン」が輝いていた時代だ。

しかしそこから半世紀近くが過ぎ、私たちの世界は情報化で一変した。スマホで今いる場所にオンデマンドに配車できるし、不用品はどこか遠くに離れた見ず知らずの人に譲ることができる。それも数分で、だ。

企業に求められるイノベーションの頻度はどんどん回数を増し、そこで働く人たちの人生もせわしなく変化が求められるようになる。急流下りのような企業経営が求められる中、経営陣には大きく二つの選択肢を突きつけられるようになってきた。

使えない人を切って採用を続けるか、それとも変化に対応できる人を育てるか、だ。

原氏や久米氏が体験した「多様な人材が自律的に協業しあう世界」、それこそがこの新しい時代に求められているスタンダードなのではないだろうか。

GitHub解析でエンジニアを採用支援する「Findy」運営、シリーズBラウンドで7億7,000万円を調達——グローバル・ブレインなどから

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GitHub 解析によるエンジニアスキルの見える化をコア技術に、エンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するファインディは3日、シリーズ B ラウンドで7億7,000万円を調達したと発表した。このラウンドにリードインベスターはグローバル・ブレインで、ユナイテッド、SMBC ベンチャーキャピタル、KOIF(KDDI Open Innovation Fund)、JA 三井リース、博報堂 DY …

Image credit: Findy

GitHub 解析によるエンジニアスキルの見える化をコア技術に、エンジニア転職とエンジニア組織の生産性向上を支援するファインディは3日、シリーズ B ラウンドで7億7,000万円を調達したと発表した。このラウンドにリードインベスターはグローバル・ブレインで、ユナイテッド、SMBC ベンチャーキャピタル、KOIF(KDDI Open Innovation Fund)、JA 三井リース、博報堂 DY ベンチャーズ、みずほキャピタルが参加した。なお、調達金額には金融機関からのデットファイナンスが含まれる。

これはファインディにとって、2019年6月に実施したシリーズ A ラウンドでのグローバル・ブレインからの約2億円の調達に続くものだ。それより前、同社は PKSHA Technology 代表取締役の上野山勝也氏、レアジョブ代表取締役社長の中村岳氏、クロス・マーケティング代表取締役社長の五十嵐幹氏など複数の個人投資家から資金調達している。創業来の累積調達金額は10億円前後に達したと見られる。

ファインディは、エンジニアと企業の高精度マッチングにより、企業にとってはエンジニアの効率的な採用、エンジニアにとっては効率的な転職支援するスタートアップだ。2017年5月から「Findy転職」、2018年2月から「Findy Freelance」、2020年4月からエンジニア組織の生産性自動診断・生産性向上サービス「Findy Teams」β版を提供している。エンジニアが GitHub の公開レポジトリ上に公開したコードを AI 解析、開発言語別の偏差値を算定し、エンジニアのスキルや他者から支持などを見える化するのが特徴。

「Findy Teams」
Image credit: Findy

ファインディ CEO の山田裕一朗氏によれば、エンジニアの転職業界も新型コロナウイルスの影響は少なからず受けているものの、一部企業の採用鈍化により、逆に採用を積極化している企業にとっては良いエンジニアを採用できる好機に転じているようだ。

2月から3月にかけては、採用の速度はあまりよくなかったことも事実。ファインディでは内部体制が十分でなかったこともあり、この数ヶ月間、マネジメント層の採用を厚くして、4月から5月にかけてキャッチアップしてきた。4月にリリースした Teams の開発に注力すべく、エンジニアも一気に増やした。

以前はスタートアップ同士の(エンジニア採用面での)競合が多く、エンジニアも5つ6つと内定を持っている人が多くて、内定を出しても断られることが多かった。しかし当社の認知度が高まったことや、競合他社が採用を抑制したことから、優秀なエンジニアを採用しやすくなっている。

(情勢の不安定さから)スタートアップは手元にキャッシュを残しておきたいところが増える中、エンジニア採用の厳選化が始まったという印象を受ける。一方で需要は増えていて、例えば、日経のような大企業のエンジニア採用が増えてきた。三菱重工も以前は実施していなかった中途採用を始めた。このような動きを追い風にしていきたい。

データサイエンティストへの需要も高まっているようだ。データ基盤やフロントエンド開発を外注から内製に切り替える企業が増えていることも影響している。このような企業では、サービスを運営する上で社内にデータを多く保有しているのにもかかわらず、サイエンティストの不足からデータ解析を十分に行えていないことが大きな課題となっている。

同社では今後、Findy Teams の開発を強化する。これは、GitHub 上のエンジニアの行動データを分析し、チームの好不調、開発プロセスの課題、プロジェクト貢献度を見える化しフィードバックするというもの。日経の報道によれば、このサービスは2021年初めに正式化される見込みで、同年中の導入企業数を300社程度としている。

Slackから従業員の状態解析「Well」が1億円調達

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従業員の状態をコミュニケーションツールから分析する「Well」を運営するBoulderは7月28日、プレシリーズAラウンドでの資金調達を公表している。出資したのは既存投資家のジェネシア・ベンチャーズとワン・キャピタルの2社。増資額は1億円で出資比率などの詳細は非公開。同時にクローズドで提供していたサービスのβ版提供の開始も伝えている。 Wellは従業員の課題や状況をコミュニケーション分析により可視…

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Wellウェブサイト

従業員の状態をコミュニケーションツールから分析する「Well」を運営するBoulderは7月28日、プレシリーズAラウンドでの資金調達を公表している。出資したのは既存投資家のジェネシア・ベンチャーズとワン・キャピタルの2社。増資額は1億円で出資比率などの詳細は非公開。同時にクローズドで提供していたサービスのβ版提供の開始も伝えている。

Wellは従業員の課題や状況をコミュニケーション分析により可視化するツール。SlackとMicrosoftのTeamsに対応しており、これらと連携させるだけで、独自のアルゴリズムで従業員コミュニケーションを解析し、業務負荷や人間関係、モチベーションといった状況が把握できる情報をリアルタイムに提供してくれる。また、発見した課題に対して解決策の情報もレコメンドしてくれる。増資した資金で外部サービスとの連携強化などを進める。

via PR TIMES

スポーツビジネスのPR・採用プラットフォーム「HALF TIME」に北島康介氏ら出資

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スポーツビジネスのPR・採用プラットフォーム「HALF TIME」は7月9日、北島康介氏、野村忠宏氏、井上康生氏、太田雄貴氏らをはじめとする23名の個人投資家、並びに、2社の事業会社を引受先とした第三者割当増資の実施を公表している。これに金融機関からの融資を合わせ、調達した資金は総額1億円。 個人で出資しているのは上記以外に大畑大介氏、秋田豊氏、鈴木啓太氏、西大伍氏、中村武彦氏、嵜本晋輔氏。出資し…

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スポーツビジネスのPR・採用プラットフォーム「HALF TIME」は7月9日、北島康介氏、野村忠宏氏、井上康生氏、太田雄貴氏らをはじめとする23名の個人投資家、並びに、2社の事業会社を引受先とした第三者割当増資の実施を公表している。これに金融機関からの融資を合わせ、調達した資金は総額1億円。

個人で出資しているのは上記以外に大畑大介氏、秋田豊氏、鈴木啓太氏、西大伍氏、中村武彦氏、嵜本晋輔氏。出資した事業会社およびその他個人の氏名は非公開。出資と融資の比率や株価などの詳細も開示していない。

同社は昨年7月にウェブサービス「HALF TIME」を公開し、ビジネスパーソン向けのスポーツビジネス専門メディアと、法人向けの採用及びPR・ブランディングサービスを開始している。今年8月からはグローバルなスポーツビジネス人材を輩出することを目的としたオンラインアカデミー事業を開始する。

今回の資金調達により、オンライン事業の拡大と海外事業の立ち上げによる事業拡大を目指すと共にウェブサービスの追加開発、顧客・ユーザー獲得のマーケティングに注力する。

via PR TIMES

働き方に地域という概念をなくすーーGMOペパボに「出戻った」ある社員さんのお話

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Twitterを見ていたらある投稿に目が止まった。投稿主はGMOペパボ(以下、ペパボ)の代表取締役、佐藤健太郎さんだ。なにやら地元に戻った元社員の方の再雇用が決まったようなお話で、さらに言えば、今のコロナ禍でGMOインターネットグループはいち早く働き方の改革を進めている。 どういうことが起こっているのだろうか? 新しい採用基準になったことで卒業した仲間が再びジョインしてくれました。一緒に最高のサー…

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リモート前提の働き方になったGMOペパボのオフィス(写真提供:GMOペパボ)

Twitterを見ていたらある投稿に目が止まった。投稿主はGMOペパボ(以下、ペパボ)の代表取締役、佐藤健太郎さんだ。なにやら地元に戻った元社員の方の再雇用が決まったようなお話で、さらに言えば、今のコロナ禍でGMOインターネットグループはいち早く働き方の改革を進めている。

どういうことが起こっているのだろうか?

ということで、早速健太郎さんにチャットで経緯を聞いてみた。

ーーTwitter拝見しました。現在、GMOインターネットグループは全体としても働き方の変革を実施されようとしていますが、その一環で何かよいことが起こったのでしょうか?

健太郎さん:昨年、鹿児島にオフィス作ったのですがそこはエンジニアの採用しかしてなくて、それとは別の動きとしてペパボがリモート前提になり採用基準から地域を撤廃しました。今回再入社された方は、5年ほど前にご家族の都合で鹿児島に帰られて離職されたのですが、リモートワークで働けるということで再度応募してくれたというのが経緯です。

ーー地域という概念をなくす、いいですね。GMOインターネットグループとして新しい働き方の指針が出ていますが、ペパボとしての取り組み概要ってどのようなものなのですか

健太郎さん:GMOペパボでは6月1日より、パートナー(社員)が自身のライフスタイルに合わせてQOL(生活の質)を高めながら自律的かつ生産性高く働くことを目的として、自宅などでの勤務が可能なリモートワークを基本とした体制に変更しました。業務内容など、必要に応じて各拠点のオフィスに出社することも可能としています。

また、従来のオフィス(東京、福岡、鹿児島)は、業務を行う場としてだけでなく、社内イベント開催などによるパートナー同士のコミュニケーションや、他企業・地域とのコラボレーションなど、同じ空間で時間を共有することで生まれる体験価値をこれまで以上に提供できる「場」として活用していきたいと考えています。

ーーなるほど、じゃあ今回の件もそもそも鹿児島には支社はあるが、そこに再就職したいわゆる「I・Uターン」の話題とはやはり違っていたのですね。

健太郎さん:はい、リモートワークを原則としたことで、採用における居住地の条件がなくなりました。また、これまではご家庭の事情などで居住地が変わってしまうために退職を選択せざるを得なかったパートナーも、リモートワーク体制になったことによって勤務を継続することが可能となりました。

(今回のTwitterでやりとりしていた件は)先日、ご家族のご事情で実家に帰省するため、5年前に卒業(退職)したパートナーが再入社しました。これは、今回の体制変更により毎日の「通勤」が勤務条件から撤廃されたことで実現したことで、私たちも非常に嬉しく思っています。今後は、スキルや専門性はもちろん、GMOペパボの企業理念への共感や文化とのマッチングをより重視した基準で採用活動をしていきたいと考えています。

ーーすごくいい話。一方、リモートやオフィスのそれぞれの機能や働き方が急速に検討されることによって、一般的にリモートワークは成果主義的な傾向が強くなり、特定の職種に限定されがち、という指摘が出るようになりました。こういった課題にはどのように対応をされるのでしょうか?

健太郎さん:実は私たちは数年前からいずれ訪れるであろう「新しい働き方に備える」というテーマのもと、様々な人事施策を行ってきた経緯があります。その中の一つに評価制度の刷新があるんです。会社とパートナーが持続的に成長していくことを目的に育成方針を定め、評価制度全体を1月に改定しました。

具体的には、全職種共通の等級要件を新設し、これまでの目標達成評価から等級要件をベースにした評価に変更しました。自己評価時には「なぜこの点数にふさわしいのか」について言語化することを求めており、資料は全社公開としています。

評価資料に限らず、弊社では情報のオープン化や業務の非属人化を重視しており、リモートワーク体制ではよりその重要性を感じています。社内ツールを活用し、オンラインでもしっかりとコミュニケーションをとり、情報をオープンにすることで直接的にオフィスで同じ場所と時間を共有せずとも、協働していくことができると考えています。

ーーなるほど、与える影響(離職率の低下やQOLの向上等)はどのようなものでしたか

健太郎さん:6月に実施した社内アンケートでは、リモートワーク体制について満足しているとの回答が89%、また、QOLについては85%以上のパートナーが満足しているとの回答でした。中でも、通勤時間がなくなったことにより、家族との時間や自由に使える時間が増えたという声が多く見られました。

現状は概ね満足度の高い状況ではありますが、今後も、チーム内でのコミュニケーション量が十分か、わずかな変化にも気づける体制となっているかなどマネジメント側の見直しを行っていくほか、人事でも気軽に相談などを受け付ける窓口など、引き続き取り組んでいきます。

ーーありがとうございます。参考になりました。

いかがだっただろうか。

ペパボでの取り組みで特筆すべきはやはり地域や移動の縛りがなくなったこと、そしてそれに見合った評価制度をかねてから準備してきたことがこういった結果に繋がったのだろう。件の社員の方はご家庭の事情でやむなく地元に帰ったケースだったが、地域と通勤の問題がなくなることで復職することができた。

一連の働き方の変化に対する記事でも書いたが、大切なのは働く人々の人生と仕事のバランスだ。これまではやや仕事の側の理屈で移動や場所が制限されてきた。結果、プライベートと仕事の二者択一という苦しい選択を強いる場面が多く発生していたのではないだろうか。インターネットはこの問題を解決できたはずなのだが、社会構造までは変えることができなかった。

感染症拡大がその最後の一押しになったことは悲しいきっかけかもしれないが、それでもこうやって笑顔になって仕事と人生をバランスさせる例が出てきたことは、やはり素直によいことなのだと思う。

マネーフォワードが人材紹介サービスの開始を発表、会計SaaSの会社が「働き方の最適化」に進出するワケ

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マネーフォワード(東証:3994)は先頃、キャリア支援サービス事業「マネーフォワードキャリア」を開始すると発表した。同社の主軸事業は言うまでもなく会計 SaaS だが、先日の資本政策解剖の記事にも書いたように、かねてからプロダクトの拡充や売上の多角化を狙い、スタートアップを買収したり、子会社を設立したりしてきた。 今回のマネーフォワードキャリアは子会社ではなく、マネーフォワード本体の社内プロジェク…

マネーフォワード(東証:3994)は先頃、キャリア支援サービス事業「マネーフォワードキャリア」を開始すると発表した。同社の主軸事業は言うまでもなく会計 SaaS だが、先日の資本政策解剖の記事にも書いたように、かねてからプロダクトの拡充や売上の多角化を狙い、スタートアップを買収したり、子会社を設立したりしてきた。

今回のマネーフォワードキャリアは子会社ではなく、マネーフォワード本体の社内プロジェクトとして半ばリーン的に立ち上げるという。同社がこれまで進出してきた事業は、企業間ファクタリング(MF KESSAI)にせよ、フィナンシャルアドバイザリー(マネーフォワードシンカ)にせよ、会計 SaaS 事業とのシナジーを想像しやすかったが、なぜ人材事業に進出するのか?

新サービスの責任者を務める、マネフォワードの小川昌之氏に話を聞いた。


小川昌之氏

小川氏はグリーを経て、マネーフォワードには2015年2月に入社。以来、社長室人事部や組織改編後の人事本部人材採用部部長を務めるなど、マネーフォワードの人事や採用の陣頭指揮に当たってきた人物だ。

ミッションである「お金を前へ。人生をもっと前へ。」のうち、「企業経営を前に進める」ための仕組みづくりに注力してきたが、「個人の働き方の最適化」にも焦点を充てていきたいと小川氏は言う。

ここで敢えて「最適化」と言う言葉を使っているのは、転職にありがちな「目先の収入を上げる」ことだけが課題解決の手段ではないと強調したいから。収入を上げることも大事だが、自分らしく働き、活躍できる環境を手に入れられることが大事。

スキルや経験だけでなく、人間関係のマッチングも重要だと考えている。そこでマネーフォワードキャリアでは、一般的な人材紹介の仕組みに加えて、FFS という科学的なアプローチも採用することにした。

小川氏の言う FFS とはモントリオール大学国際ストレス研究所で「ストレスと性格」を研究していた小林恵智博士が提唱した理論で、個人の特性、人間関係で発生する問題やシナジーを客観的に把握し具体的な対策を提示できるというもの。マネーフォワードキャリアでは、FFS 理論の排他的使用権を持つヒューマンロジック研究所と業務提携、サービスで FFS 理論を活用する。

これもまた、先日の資本政策解剖の記事にも書いたように、マネーフォワード CFO の金坂直哉氏もまた、買収先や新たに迎える IPO 支援人材についても、表面的なスキルよりもカルチャーフィットや信頼関係の確立が重要であると説明していた。どんな仕事をするかよりも、誰と仕事するか、どんな環境で仕事できるかは、転職の成否を大きく左右する。

一方、あまたある人材紹介サービスの中で、新規参入のマネーフォワードキャリアを利用することは、優秀な人材を渇望する企業にとってどのようなメリットがあるのだろう? マネフォワードキャリアは「DX 人材に特化する」というキーワードを打ち出している。これにはマネーフォワード自体が企業の DX を促進するサービスであるため、これまでにも多くの顧客から相談を受けてきたことが背景にあるという。

マネーフォワードのクライアントからは以前から課題を聞いてきた。そこから得た答の一つが、企業が DX を成功させる上で人材が大きな課題であるということ。こういった課題を聞いてきたので(人材紹介は)新規参入の市場ではあるが、大きなハードルになるとは考えていない。

マネーフォワードでも人材採用は行っているが、そこから得られたノウハウを存分に使って企業が欲しがる人材を紹介していきたい。求職者にとって良い選択になることが一番いいと思っている。(小川氏)

一言で DX を進めると言っても、一定の予算を取って専門部署を立ち上げ CDO(Chief Digital Officer)のようなポジションを設ける大企業もあれば、SaaS の現場浸透がままならない中小企業もある。小川氏によれば、マネーフォワードキャリアでは今のところ、紹介する人材のレイヤーや対象とする事業者規模などは絞り込んでおらず、今後、PMF(プロダクトマーケットフィット)を図っていきたい考えだ。

人材関連に限らず、企業の DX をさまざまな形で支援しようとする動きが各社で活発化しつつある。イグニション・ポイントは先月、経営人材の供給を通じた企業のオープンイノベーションを加速する事業の開始を発表。また、人材大手のエン・ジャパン(東証:4849)は今週、スタートアップへの投資を通じて、顧客15万社への DX を加速する事業を開始すると発表した

副業マッチングのシューマツワーカーが4億円調達、登録者は2.3万人に

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副業マッチング「シューマツワーカー」は7月14日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのは東京理科大学イノベーション・キャピタルと環境エネルギー投資。調達した資金は4億円で投資ラウンドをプレシリーズBとしている。 調達した資金は現在のサービス開発やマーケティングに充てられるほか、新規事業にも投資される予定。出資した東京理科大学とは副業の稼働状況や評価等のデータを活用した共同研究の検討…

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シューマツワーカーウェブサイト

副業マッチング「シューマツワーカー」は7月14日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先となったのは東京理科大学イノベーション・キャピタルと環境エネルギー投資。調達した資金は4億円で投資ラウンドをプレシリーズBとしている。

調達した資金は現在のサービス開発やマーケティングに充てられるほか、新規事業にも投資される予定。出資した東京理科大学とは副業の稼働状況や評価等のデータを活用した共同研究の検討も進める。

シューマツワーカーの創業は2016年9月。2017年7月に副業をしたい人と企業のマッチングサービスを公開しており、登録者数は2万3000人、案件依頼をした企業数は800社になっている。また、同サービス以外にもフリーランスエンジニアの紹介サービスや転職エージェントサービスなど、新しい働き方に対応した人材サービスも展開している。

via PR TIMES

サイバーエージェント・キャピタルが支援体制強化ーー開発や組織、PRなどグループノウハウを提供

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ニュースサマリ:サイバーエージェント(東証一部:4751)のベンチャーキャピタル子会社、サイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は7月10日、出資先の成長支援を目的とした支援策の拡充を公表している。開発技術と広報・PRのサポートを目的としたもので、技術支援には、元サイバーエージェントビットコインの取締役CTO、速水陸生氏が担当する。 速水氏は2016年にサイバーエージェントに入社し、翌年か…

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サイバーエージェント・キャピタルメンバー

ニュースサマリ:サイバーエージェント(東証一部:4751)のベンチャーキャピタル子会社、サイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は7月10日、出資先の成長支援を目的とした支援策の拡充を公表している。開発技術と広報・PRのサポートを目的としたもので、技術支援には、元サイバーエージェントビットコインの取締役CTO、速水陸生氏が担当する。

速水氏は2016年にサイバーエージェントに入社し、翌年からサイバーエージェントビットコインのCTOとして、仮想通貨取引所や暗号通貨の開発を手掛けた人物。その後、RPAプラットフォームの開発などに従事していた。

具体的な技術支援については、エンジニア採用から実際のコードレビューなどの相談を受け付けているほか、広報・PR支援についても、専任者の不在やノウハウ不足などの課題を解決する独自の支援プログラムを提供するとしている。

また、この支援室とは別に社内外のノウハウを提供するエキスパートの就任も伝えており、R&D、グロースハック、エンジニアリング、技術法務、組織戦略の5テーマについてそれぞれの知見を持った人材が支援にあたる。例えば組織戦略についてはサイバーエージェントの取締役として採用や育成、企業文化など人事全般を統括する曽山哲人氏が担当する。

CACは2006年の開始(当時の社名はサイバーエージェント・インベストメント)からアジア中心に8カ国10拠点でスタートアップ投資を手掛けるベンチャーキャピタル。累計投資社数は350社にのぼり、主な投資先にはSansanやスペースマーケット、ビザスクといった近年の国内上場組や、SEAで大きな影響力を持つコマースのTokopediaなどがある。また、同社はこれに合わせてサイトをリニューアルしたことも伝えている。

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リニューアルしたサイト

話題のポイント:ここ1、2年はテクノロジー系のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルのファンドレイズラッシュでした。

実は市況の変化については「狼がくるぞ!バブルが弾けるぞ!」という声と共に随分前から囁かれていまして「2020問題は織り込み済み」として、逆にここを新ファンド設立のタイミングに指定している方もいらっしゃったぐらいでした。もちろん感染症拡大は(ビル・ゲイツ氏以外)誰も予想していなかったと思いますが。

なので、国内のスタートアップ投資における主要なファンドは堅調に出資を集めることに成功しており、あまりここでのドタバタ(メジャーなファンドが活動停止するなど)はなかったように思います。

一方、やや声が聞こえるようになってきたのが「ファンドの差別化」についてです。2010年前半はファンドサイズだけでも「50億円規模!すごい!」みたいなのがありましたが(もちろん今もすごいことなんですよ)、それをブランドとして全面に押し出す方は少なくなりました。

その辺りの状況についてはこちらの記事でもまとめています。

そこで出てくるのが支援体制の拡充です。従来ハンズオンと表現されていたものですが、ベンチャーキャピタルのパートナーや出資担当者が属人的にノウハウを提供するのではなく、組織だったらそれに特化した人材を採用(もしくは協力企業と連携)して支援にあたる、というチーム戦に変わってきています。

採用やマーケティング、広報・PR関連はよく聞くのですが、CACの開発支援というのは珍しいかもしれません。具体的にどういう支援をするのか、担当する速水さんにお聞きしたところ、次のように答えてくれました。

「ラウンドや規模によって支援の形は様々ですが、枕詞に”開発”や”技術”、”エンジニア”のつくことは、サイバーエージェントでの知見を活かし、サポートしたいと考えています。例えば社外取の技術顧問のようなサービスを、出資先の企業様は無料で受けられるようなものをイメージしていただけると、わかりやすいかもしれません。また、出資時に開発チームがないパターンもあります。その場合はどのように開発エンジニアを巻き込んでいくか、採用していくかなど、体制構築を企業様と併走しサポートしていく形になります」。

スタートアップ時に共同創業するエンジニアの方が創業経験豊富というパターンはそこまで多くありません。もちろんそれがベストですが多くの場合は元同僚などのケースでしょう。初めて会社経営する、というのもあるあるです。だからこそ、特に直接的な技術支援というよりはケーススタディを伝えてくれる存在は安心感につながりそうです。

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CACの支援領域

また、広報・PRについても特徴があります。サイバーエージェントと言えば2000年代に始まった祖業のネット広告代理事業からブログメディア、ゲーム、そしてインターネット放送と今もなお拡大・成長し続けるお化けみたいな会社です。

ややもするとこの振れ幅の大きさは「何やってるかよく分からない」ということにも繋がるわけですが、ここのコミュニケーションをしっかりと設計し、ブレないブランドに貢献してきたのが広報室の存在です。(詳しい内容は割愛しますが、興味ある方は「サイバーエージェント広報の仕事術」を参照ください)

「まだ創業間もない、ビジネスの社会的影響力が大きくないシード、アーリー期のスタートアップにとって、会社の信頼度や認知を向上させるための広報活動ができたかどうかが、その後の会社の姿を大きく変化させる鍵になることは少なくありません」(広報室を担当する下平江莉さん)。

私もこの広報・PRノウハウは今後、スタートアップにとって大変重要なピースになると考えています。サイバーエージェントが積み上げてきた知見を得られるというのはこれもまたひとつ、差別化に繋がるのではないでしょうか。

変化するエンジニア採用、グローバル化で広がる「チーム開発」の可能性

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。 他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスター…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

企業が海外人材を雇用するには面倒なプロセスをクリアしなければなりません。

他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成する必要がありました。こういった現地雇用法や規制への準拠は、ほとんどのスタートアップおよび中小企業にとって対応コストが高すぎて、海外人材へのアクセスは容易にできません。

一方、米国ではクラウドソーシングおよびフリーランス人材採用プラットフォームとして「Upwork」や「Fiverr」があります。しかしながら、プラットフォーム側の人材精査が甘いために企業が一人一人細かく面接する必要があったり、本格採用をするには別途手続きを自社で手配する必要があります。プラットフォーム事業として成長していながらも未熟な印象です。

こうした問題を解決し、どの国からでも・どの国に住む人でも雇用できるようにしたのが、4月22日に1,100万ドルの調達を果たした「Remote」です。

Remoteは世界中のどこにいても、誰でも数分で採用活動を開始できるHRプラットフォームを運営しています。さらに採用だけでなく、先述したような給与計算・福利厚生・コンプライアンス・税金など、海外人材を“正しく”雇用する際に必要なリーガル/アドミン業務を、1つのプラットフォームで処理してくれます。ヘルプが必要な場合には、Remoteの専属弁護士が対応に当たり、適切な処理を支援します。

パンデミック禍、リモートワークの成長傾向が高まる中で、他国での契約社員や正社員の雇用を簡素化できるニーズは刺さるはずでしょう。なにより、海外へ直接赴けない環境下、手軽にバーチャルな意味で現地法人を立ち上げられるプラットフォーム開発は非常に価値を発揮するはずだと感じています。

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Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

Remoteの提供価値はその名の通り「海外リモート人材採用」にあります。SmartHRが提供しているような労務管理の機能をグローバルに拡大させ、さらに人材採用プラットフォームとしての機能も持ち合わせ持ち、一気通貫でチームを作るサービスを提供しています。

現在は個人開発者を採用するプラットフォームですが、注目すべきは“Hire your own team in any country”とあるように、グローバルチーム組成を行えるメッセージ性に重きを置いている点です。

昨今、従来のスポット開発依頼の仕事とは違い、チームプロジェクト単位の開発仕事に対応するプラットフォームに対するニーズが上がっています。個人ではなく「開発チームおよびプロジェクト」を丸ごと外注するクラウドソーシングプラットフォームに注目が集まりつつあります。

例えばウェブサイトやアプリ開発の外注サービス「Engineer.ai」は「アプリ開発のコンビニ」を作っています。

UberやInstacart、Snapchatと言った代表的なプラットフォームとそっくりのテンプレートをマーケットプレイスで選ぶと、そのままの機能を備えたサービス開発を外注できます。諸機能を取捨選択してオリジナルアプリの開発も可能です。

一方のEngineer.aiは事前に用意したテンプから「選んで買ってもらう」流れを採用しているため、自社でユニークな機能を毎回構築する必要がありません。工数のかかる機能開発注文がくる可能性を潰しており、自分たちの開発しやすい・利益率の高いサービス開発に誘導しているのです。

Enginner.aiは自社で世界中のエンジニアを囲い、依頼のあったテンプレートから即座にチーム組成を実施し、過去の記録からコンポーネントを渡して開発効率化を図っているわけですが、こうしたグローバルチーム組成を誰もができる可能性を秘めるのがRemote、というわけです。

彼らが仮に企業と個人を結びつける採用プラットフォームから、企業と開発チーム(組成)を支援するサービスへと成長すれば、より多額の取引を発生させるはずです。国内ではランサーズがチーム単位で発注できるサービスを提供していますが、これのより発展的な拡大・グローバル版です。

採用市場は「チーム採用」へと変わりつつあり、これからは「グローバル・チームプラットフォーム」が台頭してくる時代になると感じます。こうした背景を踏まえ、「アジア版Remote」のような企業が日本から登場しないか、期待をしながら市場を見ています。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した