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アンマッチだった求職者を他社に推薦できる「HRport」開発のtabeco、East VenturesとF Venturesからプレシード資金を調達

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東京を拠点とするスタートアップ tabeco は15日、プレシードラウンドで East Ventures と F Ventures からプレシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は非開示。 tabeco は、求職者の他社向け推薦プラットフォーム「HRport」を開発している。一定のスキルセットは持っていながらも、業態との適性や社内の人材配置の観点から、企業が求職者に採用を断念…

左から:tabeco の創業者兼 CEO 森海渡氏、CTO 多田隆太郎氏
Image credit: tabeco

東京を拠点とするスタートアップ tabeco は15日、プレシードラウンドで East Ventures と F Ventures からプレシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は非開示。

tabeco は、求職者の他社向け推薦プラットフォーム「HRport」を開発している。一定のスキルセットは持っていながらも、業態との適性や社内の人材配置の観点から、企業が求職者に採用を断念せざるを得ないケースは少なくない。このような際に、面談した企業の人事担当者が求職者本人に同意を得た上で、他の企業に求職者を推薦できるのが HRport だ。

人を見るプロである人事担当者の推薦文が付されるため、推薦を受ける企業にとっては一定のスクリーニングを終えた情報が得られることになる。求職者が推薦された先の企業で内定すれば、推薦した側の企業には HRport から謝礼金が支払われる。推薦した側の企業にとって、採用を断ったとしても求職者と良い関係を維持できるかもしれないメリットがある。

「HRport」の仕組み
Image credit: tabeco

人材紹介の分野においては、転職者を対象として、紹介先の企業から紹介手数料を徴収するビジネスモデルは数多く存在している。tabeco は主に新卒求職者(就活生)を対象とするようで、一般的に、採用支援しか市場が無かった新卒求職者の分野で人材紹介のビジネスを成立させようとするのは興味深い。

tabeco は昨年11月に設立。今年8月には、東京で開催された F Ventures 主催のピッチイベント「TORYUMON TOKYO」で最優秀賞を獲得した。創業者で CEO の森海渡氏は、自らの友人が幼少期からファンだったゲーム会社から「サイレントお祈り」を受けひどく落ち込んでいたのをきっかけに、HRport を企画したと語っている。

tabeco では、HRport のサービス開始について、来年1月頃を目指すとしている。

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優秀な高度外国人材を日本企業が獲得する方法、あるいはその理解について

出生数90万人割れのニュースが話題になっています。 少子高齢化が加速する日本において、企業経営する私たちが注目すべきポイントはやはり労働人口の変化でしょう。実際、2030年には大きな労働人口の減少が予想されており、その対策は急務になっています。 このレポートにもある通り、解決策のひとつが「日本で働く外国人材を増やす」ことです。総務省の2019年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人は19…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

出生数90万人割れのニュースが話題になっています。

少子高齢化が加速する日本において、企業経営する私たちが注目すべきポイントはやはり労働人口の変化でしょう。実際、2030年には大きな労働人口の減少が予想されており、その対策は急務になっています。

このレポートにもある通り、解決策のひとつが「日本で働く外国人材を増やす」ことです。総務省の2019年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人は1968年に調査を始めて以来最大の減少幅を記録し、対照的に在日外国人過去最多の266.7万人まで増えています。

そして、日本総合研究所によると2018年時点で146万人だった外国人労働者は2030年までに最大で400万人弱まで増える可能性があるという調査結果も公表されています。外国人材の受け入れはもはや特別な選択ではなくなりつつあるのです。

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(出所:図:日経ビジネス、人口は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」、外国人労働者は厚生労働省、2030年の外国人労働者の予測は日本総研による)

では、労働力として優秀な外国人材を受け入れる企業側にはどのような視点が必要になるのでしょうか。

今の日本にとって必要な外国人材とは

私自身これまで留学生として日本の大学で学び、働き、その生活の過程で外国人材にとって日本の素晴らしい部分と「負」の部分の両方を身をもって体験しました。

日本は今、国策として単純労働者を2025年までに介護、外食、建設といった14の業種において最大で35万人の外国人単純労働者を受け入れる「特定技能」という新しい在留資格を新設しています。

しかし正直、イチ外国人として私は日本の単純労働環境及び労働条件には魅力を感じません。同じく出稼ぎに行くのであれば経済成長著しい中国やシンガポールといった国の方が断然コスパがよいと思います。

そんな私から見て、少子化による人手不足が深刻化する昨今の日本に必要となってくるのは一人当たりの生産性が高く、社会のコア人材として今後、長期にわたって活躍できる高度外国人材やその候補者なのです。私たちはそんな人材を「インバウンド・タレント」と呼んでいます。

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左:最高技術責任者(CTO)胡 華、中:代表取締役社長(CEO)仲 思遥、右:最高戦略責任者(CSO)娄 飛。Lincでもメタップスやメルカリで活躍してきた高度外国人材を採用して経営体制を強化中

働き先として日本が魅力的になるためには

企業経営者として彼らを受け入れることができれば、組織の可能性は飛躍的に広がります。留意すべきポイントは大きく分けて二つです。まず、働き手のリテンション(働きやすさ)を大事にすること、そして彼らに日本における「信用」を提供することです。

インバウンド・タレントが日本で働く上で直面する最大の問題の一つに、企業文化に対する順応や企業の期待値と個人の成長のギャップといった働き手との「ミスマッチ」があります。異なる社会で生まれ育った背景がそれをより大きな問題にしてしまうのです。

結果、私は今までたくさんの優秀なインバウンド・タレントがミスマッチにより一年未満で退職するケースを目の当たりにしてきました。

今のHR市場では「如何に採用まで結びつけるか」というリクルーティングの部分ばかりに焦点が当たっている印象が強いですが、より優秀なインバウンドタレントに来てもらうためには、採用した後「如何に定着し、長期的に良好な関係性を築き、気持ち良く働いてもらえるか」というリテンションの部分の方が圧倒的に大切になります。

また、高めないといけないのは企業におけるリテンションだけではありません。日本社会全体でも同じことが言えます。

どんなに優秀なインバウンド・タレントでも来日直後は社会的な「信用」がありません。そして「信用」がないため家を借りることすら困難で、生活がとても不便になるのです。

つまり、今後の日本に必要なのはインバウンド・タレントの「信用」をスコアリングできる仕組みなのだと思います。日本での「信用」が定量的に可視化されれば、彼らは日常生活がスムーズになり、結果、長期的な戦力として活躍してくれることになる、というわけです。

一方、社会としてこれに取り組むにはもう少し時間が必要でしょうから、こういったインバウンド・タレントを迎えたい企業は、積極的に彼らの「信用」を担保する仕組みを提供すべきです。

これら「リテンション」と「信用」をスコアリングする仕組み、これこそ外国人材にとって30年後も日本を魅力的にするために一番必要なことではないでしょうか。

なお、私たちは来るべく「大労働力不足時代」を見据え、圧倒的に増えるであろう外国人材の日本における留学、就職、生活を支えるライフイベント支援プラットフォームになることを目指しています。

<参考情報>

本稿は高度外国人材向け日本留学サポートプラットフォームLincStudyを提供するLinc代表取締役、仲思遥氏によるもの。Twitterアカウントは@shiyo_naka。Lincの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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スタートアップスタジオのXTechが新会社XTalent設立、ハイスキル・キャリアワーママのための転職サービス「withwork」を開始

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スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)は7日、子育て世帯の働き方改革と新しいキャリアのあり方を実現することで企業の競争力を高めることを目的とした子会社 XTalent(クロスタレント)を設立したことを明らかにした。また、同日、ハイスキルやビジネスキャリアを持ちながらも、子育てなどの理由から通常の就労形態につけない女性をターゲットにした、時短ポジションへの人材紹介事業「withwo…

左から:南保香菜子氏、上原達也氏(代表取締役)、松栄友希氏(マネージャー)、西條晋一氏(取締役)
Image credit: XTalent

スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)は7日、子育て世帯の働き方改革と新しいキャリアのあり方を実現することで企業の競争力を高めることを目的とした子会社 XTalent(クロスタレント)を設立したことを明らかにした。また、同日、ハイスキルやビジネスキャリアを持ちながらも、子育てなどの理由から通常の就労形態につけない女性をターゲットにした、時短ポジションへの人材紹介事業「withwork(ウィズ・ワーク)」をローンチした。

withwork では、時短制度の詳細、時短勤務時の給与体系、在籍ママの勤務状況といった求人票には書かれていない企業情報を独自に把握。育児と仕事で忙しい女性がスキマ時間で転職活動を進められるよう、来社の不要な電話面談や LINE での転職アドバイス、経歴書の作成代行などを行うことで、一般的な人材紹介会社では手の届かないサポートを実現し、女性の転職活動を支援する。同社では、労働時間ではなく成果で評価される環境で、優秀な時短ママが企業成⻑に貢献する機会を創出したいとしている。

Image credit: XTalent

XTalent の代表取締役には Web マーケティング会社の Speee 出身で、JapanTaxi で「JapanTaxi BUSINESS」の立ち上げに従事した上原達也氏が就任。また、XTech Ventures 共同創業者兼ジェネラルパートナーの西條晋一氏が取締役を務める。同社では、転職支援を提供することから着手し、就業規則コンサルティングや自治体と連携した保活支援サービスなど、子育て世帯のキャリア支援に向けた事業展開を検討するとしている。

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行動原理は「尊敬、突撃、優勝」。いつ死んでも後悔のない成果を出すために、ペイミーがやってるカルチャーづくりについて

サービスが市場に受け入れられたスタートアップに待ち構えるハードルのひとつに「組織づくり」があります。世の中にはいろいろなメソッドがあるようですが、実際、どのようにしてクリアしているのでしょうか? こんにちは。給与を即日に支払える「Payme」を開発・運営しているペイミー代表の後藤道輝です。ペイミーは現在20名ほどの体制でまさにその壁を楽しみながら乗り越えようとしている最中です。 少しだけ私たちのこ…

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20名ほどのスタートアップが拡大に向けて取り組むカルチャーづくり(Paymeメンバー)

サービスが市場に受け入れられたスタートアップに待ち構えるハードルのひとつに「組織づくり」があります。世の中にはいろいろなメソッドがあるようですが、実際、どのようにしてクリアしているのでしょうか?

こんにちは。給与を即日に支払える「Payme」を開発・運営しているペイミー代表の後藤道輝です。ペイミーは現在20名ほどの体制でまさにその壁を楽しみながら乗り越えようとしている最中です。

少しだけ私たちのことをお話すると、人手不足などで困っているレストランなどの事業者の方が、多種多様な人たちに働いてもらえるよう「給与日払い」という選択肢を提供できるお手伝いをしております。現在、300以上の企業に導入していただき、流通している金額もこの半年で倍増しています。

私たちがサービスを開始した2017年の夏頃に比べると、ニュースなどで「給与即日払い」という文字を見かけることも多くなりました。こういった世の中のモメンタムを感じられる状態になると、参入してくる事業者も増えてきます。例えば1990年代〜2000年代初頭には消費者金融が全盛になった時期がありまして、グレーゾーン金利などの問題から激しいブームアンドバーストを起こしたことはご存知の通りです。

こういった激しいアップダウンがある場所には野心的な人が集まりますし、採用や組織づくりは経営陣にとっての腕の見せ所でもあります。私たちがこの課題に対して取り組んだのは次のようなことです。

  • 目指す世界の言語化
  • 迷った時のルール「行動規範(バリュー)」づくり
  • カルチャーを定着させるための「仕組み化」

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まず、そもそも私たちが強く願っている理想があります。それは想いや才能ある若者たちが公平に夢をつかみ取れる、そんな世界のことです。もちろんビジネスなので継続的な仕組みにするためのビジネスモデルは必要ですが、それ以上に作りたい世界の方が大切です。これを言語化し、チームの日々の行動やプロダクトにそのエッセンスが反映されていないとその他多数のサービスと根本的な差別化は不可能です。

例えばAmazonには「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」というカルチャー・メッセージがあり、これがすぐに届くプライム、いつでも読めるkindle、すぐに使えるAWSといったサービス群を生み出す自律的な組織づくりに貢献したのは有名な話です。結果、どのコマースとも違う独自の世界を作り出しました。

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カルチャーの明文化ができたら次はルールです。人は迷います。判断に迷った時、誰かに聞くのではなく、自分自身で判断できる基準があれば組織は自律的に活動することができます。私たちはこの行動のためのバリューを一つの行動規範、三つの行動原理として表現しました。それが「いつ死んでも後悔のない成果を出す」の一文と、「尊敬、突撃、優勝」という三つの行動原理です。チームはみな、迷った時にこのバリューに照らし合わせて意思決定をします。

最後に。いくら解像度高く言語化しても、それぞれの体内にこの考え方がインストールされていなければ自律的な組織にはなりません。そこで様々なシチュエーションでこれらに触れる機会を作るのですが、大切なポイントに「仕組み化」の考え方があります。

例えば私たちは毎週全員で集まって定例をするのですが、ここで週次のMVPを選出します。パフォーマンスももちろんですが、同様にバリューを体現できているかも重要なポイントになります。こういったアワーディングをシステムとして組み込むことで自然とカルチャーが定着するような工夫を取り入れています。

いかがだったでしょうか。このカルチャーの取り組みは各社多種多様で、個人のファッションスタイル同様、どれも正解はありません。同じぐらいのステージにいる組織の方の参考になれば幸いです。

本稿は給与日払いシステム「Payme」を提供するペイミー代表取締役、後藤道輝氏によるもの。Twitterアカウントは@MichiteruGoto。チームに興味がある方や、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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転職支援プラットフォームのgrooves、人材調達支援のみらいワークスと合弁会社を設立——地方企業と都市部出身者を繋ぐ事業をスピンオフ

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転職支援プラットフォーム「Crowd Agent(クラウドエージェント)」などを展開する grooves は1日、人材調達支援のみらいワークス(東証:6563)と合弁で新会社スキルシフトを設立したと発表した。grooves は2017年11月に地方企業と都市部の出身者を繋ぐプラットフォーム「Skill Shift」を発表しており、これを事業として独立させスピンオフを図ったものとみられる。 東証の適…

左から:みらいワークス創業者 代表取締役 岡本祥治氏、grooves 共同創業者 取締役 大畑貴文氏
Image credit: Skill Shift

転職支援プラットフォーム「Crowd Agent(クラウドエージェント)」などを展開する grooves は1日、人材調達支援のみらいワークス(東証:6563)と合弁で新会社スキルシフトを設立したと発表した。grooves は2017年11月に地方企業と都市部の出身者を繋ぐプラットフォーム「Skill Shift」を発表しており、これを事業として独立させスピンオフを図ったものとみられる。

東証の適宜開示情報によれば、みらいワークスと grooves との出資比率は80.1%対19.9%。新会社スキルシフトの代表には、みらいワークス代表の岡本祥治氏が就任する。grooves はスキルシフトの株式を保持しながらも、事実上、grooves からみらいワークスへの Skill Shift 事業の譲渡となる。みらいワークスの事業譲受価格は1,100万円で、みらいワークスからスキルシフトへの出資額は1,600万円。

<関連記事>

今年3月、大阪で開催された第2回 grooves glocal meetup の様子
Image credit: grooves

grooves は2017年、岩手銀行や八幡平市と実施した実証実験を皮切りに、全国29の市町村で副業人材の募集を実施してきた。掲載求人への応募率は100%に達しているという。現在は信用金庫と協力した代理店モデル、大企業での副業促進支援モデルを開発している。

grooves はこれまで、地方銀行や地方銀行の関連会社と提携・連携し、地方創生や事業承継をテーマに人材を供給する事業を展開してきた。最近では、地方の金融機関と地方のスタートアップのネットワーク醸成を意図して、「grooves glocal meetup」を開催している。

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via PR TIMES, PR TIMES

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CxOクラスが次々集まるミラティブーー前SHIFT取締役の鈴木氏がCHROに、元DeNAゲーム部長の大野氏がCPOに就任

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ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは10月1日、経営体制の強化を公表している。新たに経営陣に加わったのは直近でSHIFT取締役を務めた鈴木修氏と、メルペイでプロダクトマネージャーを務めた大野知之氏の2名。鈴木氏はCHRO(最高人事責任者)、大野氏はCPO(最高プロダクト責任者)に就任する。 ミラティブは今年2月に35億円の大型調達を成功させており、同月にCFO(最高財務責任…

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写真左から大野知之氏、赤川隼一氏、鈴木修氏

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは10月1日、経営体制の強化を公表している。新たに経営陣に加わったのは直近でSHIFT取締役を務めた鈴木修氏と、メルペイでプロダクトマネージャーを務めた大野知之氏の2名。鈴木氏はCHRO(最高人事責任者)、大野氏はCPO(最高プロダクト責任者)に就任する。

ミラティブは今年2月に35億円の大型調達を成功させており、同月にCFO(最高財務責任者)としてGunosyの取締役を務めた伊藤光茂氏、4月には最高戦略責任者(CSO)として元セガの岩城農氏を迎えるなどトップマネジメント層の強化を続けている。

MBOによる創業から約2年、サービス開始から数えると4年が経過したミラティブは順調に事業を拡大させており、登録ユーザー数(IDベース)は8月時点で900万人に到達している。ちなみに同社に確認したが、現時点でまだ1000万人の大台には乗っていないという回答だった。

<参考記事>

今回CHROに就任した鈴木氏は学生起業を経験したのちにインテリジェンスやサイバーエージェント、グリーにて組織や人事のキャリアを積んだ人物。2013年に独立してスタートアップのIPO支援事業を手がけたのち、2014年からは品質保証サービスのSHIFTで取締役として、国内外のグループ会社を統括していた。

一方、CPOの役割を担うことになった大野氏は、2010年から赤川氏の出身でもあるディー・エヌ・エーでエンジニアとしてのキャリアをスタートさせ、2018年まで同社のゲーム事業部を率いた人物。2018年7月にはメルペイに移籍し、決済基盤のプロダクトマネージャーとして活躍していた。

ミラティブでは引き続き人材の強化を続ける予定で、今年2月時点での計画では年内にフルタイムで100名規模の組織に拡大させると答えている。

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加速するGoogleの”Next Billion Users構想”ーーインドで新卒向け職探しアプリ「Kormo」を公開

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ピックアップ:Google’s bringing its Kormo app for entry-level job searches to India ニュースサマリー:Googleがインドで9月20日に、新卒向けジョブサーチエンジン・アプリ「Kormo」をリリースする。Kormoは非常にシンプルなHRマッチング・アプリ。求職者は自分のレジュメを登録し、希望企業へ応募、企業側が採用すればマッチン…

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ピックアップGoogle’s bringing its Kormo app for entry-level job searches to India

ニュースサマリー:Googleがインドで9月20日に、新卒向けジョブサーチエンジン・アプリ「Kormo」をリリースする。Kormoは非常にシンプルなHRマッチング・アプリ。求職者は自分のレジュメを登録し、希望企業へ応募、企業側が採用すればマッチング成功となる。

同アプリはGoogleの社内インキュベーター「Area120」から誕生したサービス。チームメンバーにはArea120で選出された12名のGoogle社員に加え、20%ルール(日々の勤務時間の20%を好きなプロジェクト・研究開発への参画に使って良い制度)を利用したGoogle社員から構成されている。

昨年からバングラデシュで、今年に入ってからはインドネシアにてサービスが運用されており、累計5万人以上の求職者(特に新卒世代)と企業をマッチングしている。

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話題のポイント:Kormoがインド参入を決意した理由が、市場規模の大きさであることは自明でしょう。ここ数年、Googleは“Next Billion Users”というスローガンを掲げ、イニシアティブ化しています。

上記スローガンは、Googleによる新興市場でのプロダクト創出・サービス拡大を意味しています。Kormoが同イニシアティブの一貫である位置付けられていると考えて間違いないでしょう。GoogleのNext Billion Usersイニシアティブ代表のBickey Russell氏は、TNWの記事のなかで以下のようにコメントしています。

“職探し”というニーズはどこの国でも共通であるため、我々は同様のサービスをインドでも展開します。

インドは世界最後の巨大市場と呼ばれ、人口は現在約13億人、数年後には中国を抜き世界一の人口大国となります。バングラデシュとインドネシアはそれぞれ億を超える人口をもつ国ですが、インドは桁が1つ違います。そして驚くことに、毎年約1300万人が新しく生産労働人口のプールに追加されます。

つまり、Next Billion Users構想を踏まえると、Kormoにとってインドは確実に参入しなくてはならない市場の一つだと言うことが分かります。また、今後の展開として上記3カ国の他にアフリカ市場などへの参入が考えられるのではないでしょうか。

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サイブラリーを生み出した「AND(アンド)の思考」とはーーサイバーエージェントに学ぶ組織論【対談・3/3】小澤政生×諸戸友

組織論対談最終回。初回と前回はこちらから 諸戸:小澤さんの中で他に自分が採用責任者としてやってみてハマったな、というか効果的だったなっていうのありますか? 小澤:説明会辞めたのと同時に、サイブラリーというのも始めました。 諸戸:サイブラリー? 小澤:サイバーエージェントのライブラリーでサイブラリーです。サイバーでよく使われる「AND(アンド)の思考」なんですけど、説明会を辞めて、でもより良い採用し…

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組織論対談最終回。初回前回はこちらから

諸戸:小澤さんの中で他に自分が採用責任者としてやってみてハマったな、というか効果的だったなっていうのありますか?

小澤:説明会辞めたのと同時に、サイブラリーというのも始めました。

諸戸:サイブラリー?

小澤:サイバーエージェントのライブラリーでサイブラリーです。サイバーでよく使われる「AND(アンド)の思考」なんですけど、説明会を辞めて、でもより良い採用していくにはどうしたらいいのか、という一見対極にあるものをANDで両方とも美味しいとこ取りしてやろうみたいな考え方です。

そこで『サイブラリー』が生まれました。これは社員1人ひとりに自分の思うサイバーを5分くらい動画で説明してもらうんです。

当時40本くらい撮影して、それを学生に公開しました。移動中にみてもらって、説明会にきた体にする、いわば動画説明会みたいなものですね。通常であれば人事が話すだけですけど、「数十人(多分今なら数百人)の社員が自分の言葉で話す自社のリアル」、という切り口で、多種多様なサイバーエージェントを伝えていくっていうのはヒットしましたね。

取材もたくさんいただいたのでまるで自分が作ったかのように言われますが、ネーミングも企画運営も当時のメンバーのおかげで実現しました。

諸戸:これってANDの思考がないと出てこないですよね。

小澤:僕の中では「説明会を一旦全部やめてみて、ダメなら戻そう」くらいにしか考えてなかったのですが、実際やってみるといろんな反応が見れて面白かったですね。

例えば、夜行バスって今も昔も8時間くらいかかるじゃないですか。そこで色々見てきてくれるので、直接会った時や面談するときの質問の精度がめちゃくちゃ上がったんです。サイバーってなんの会社ですか?という質問はなくなって、サイブラリーで◯◯さんの見たんですけど、あれって実際どうなんですか?とか。

学生の質問力が上がったから、現場の社員も話せる引き出しが増えて、結果採用のスピードが上がったなんてこともありますね。あと、内定者が入社前にサイブラリーを見て事業、人、文化を映像で知ることができるようになったので、配属の参考になったり、入社後の加速につながりました。結果論ですが。

諸戸:いっぱい具体的な手法を教えて頂いたのであれなんですけど、何かこう総じて一番初めに僕が投げかけていた、「なんでサイバーには優秀なひとが集まってくるのか」っていう問いでいうと何が正しいんだろう。

僕が今聞いて思ったのは、さっきの「コスト意識」とか「ANDの思考」とか、そういう思考の人が人事にいるっていうところが1つポイントなのかな?と思ったんですよ。

小澤:多分、スタンスだけシンプルな言葉で決まっていて、後は自由にやってっていうカルチャーだからだと思います。「良い人を自分たちでちゃんと採用しよう。玉入れみたいにやって」「いい採用と強い組織を目指そう」みたいな。
最初は白目向きそうだし獣道を歩いている感覚になります。けどなんかワクワクするし、1回やってみるか!と決めて集まってくるカルチャーが作り出す強い組織だと思います。自分で決めて進めないといけないことしかないので、決断経験値は相当つきました。

諸戸:それが人事だけじゃなくて色んなところで、共通してあるのかもしれないですね。
そうすると当然、優秀な人が活躍しやすい環境になるんですよね。

小澤:あとは、渡邊大介さんもおっしゃっていたメッセージヴィークルじゃないですけど、経営陣からのメッセージを目にする機会がめちゃめちゃ多いです。ミクロじゃなくてマクロなメッセージ。「あ、やってもいいんだ、やっても死なねーな。全部やろ。やってから考えよう」みたいな(笑)

諸戸:そんなサイバーを辞めるきっかけというか独立しようと思った背景ってどんなところですか?

小澤:「採る側」から「育てて増やす側」になりたかったからです。

いろんな人になんで辞めたの?と聞かれますが、僕は今でもサイバーが本当に好きだし、自分を拾ってくれて、これでもかというくらいチャレンジをさせてくれた会社なので藤田社長や曽山さんには感謝しかありません。採用の仕事が面白くて、今だに天職だと思えているのもサイバーのおかげです。

採用責任者として自社に貢献できる人の採用を7年もやっていると、一瞬でっていったらあれですけど、(サイバーに)合うか合わないか瞬時にわかるようになってきて。その時その瞬間に会った学生を、その場でジャッジすることしかできなくなっていました。

一方で、採用したい人をいかに競合に勝って採用するかというのを考える時に、この会社に勝つためにはこのタイミングでこう言って、そうするときっと向こうはこう返してくるから、そのタイミングでこの社員を当てれば多分いけるなとか、悪い意味での「占い師」みたいになってきたんですよね。

自分が占い師化していくのがすごく嫌になってきて、採用がすごく好きで始めて他の人よりちょっと得意かなと誇りを持てる仕事だったのに、だんだん占いと判断しかしない自分が嫌いになってきたというのが正直ありました。

諸戸:なるほど

小澤:それと重なるかのように、ライフワークとして小学校とか大学の授業とかでキャリアについて話す場を有難いことに頂くことが増えてきて、もっとそっち側できっかけや気づきを与える仕組みを作れないかなと。

当然サイバーにはものすごくお世話になったし、何度も言いますがものすごく好きな会社でなのでめちゃくちゃ悩みました。ここは僕の穿った見方なんですけど、教育授業は既にやっていたし、サイバーってどっちかというとエンタメ性の強い会社なので、僕の中ではサイバー内で2つ目の教育事業みたいなものはないと思っていました。

なので、たまたま藤田社長とご飯を食べに行って、そこで起業を考えていると伝えたら「いいじゃん。起業はやりたいときにやったほうがいいよ」って。

諸戸:それは藤田さんが仰ったんですか??

小澤:はい。「やりたいときにやったほうがいいよ、ただ30超えてからの起業は気を付けた方がいいよ」と。それが僕の中ではやっぱすごいなって。普通だったらなんでって聞くじゃないですか。理由も聞かずにそう言ってくれて、逆にそれを聞いてもうちょっと頑張ろうかと悩んだくらいです。

藤田社長のおっしゃる通り、僕も当時31歳だったんですけど、チャレンジするなら今しかない。だったら思いっきりやってみてもいいかなという思いもあって。

諸戸:すごいね。本来だったら、何で?って聞くだろうし、うちでやればいいじゃん、とか、止めたりすることが多いと思うけど、瞬間的に「いいじゃん」っていうのは凄いね。

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写真左:TechBowlの小澤政生さん、クルーズの諸戸友さん

小澤:そうなんですよね、別に起業を煽っているわけではなく、でも覚悟決めて伝えたので応援してくださったんだと思ってます。

諸戸:それが起業のきっかけだったんですね。今って起業してからどれくらいですか?

小澤:10か月くらいです。

諸戸:10か月の間で、自分でやってみて気づく、あ、これサイバーで知ってて良かったなとかサイバーで教えてもらって良かったなってことって何かあります?

小澤:たくさんありますね。やっぱり「チームサイバーエージェント」の凄さは一番感じます。組織の一員として働いていた時って、自分の得意な部分だけやってても、後は周りの人がうまく連携して支えてくれてるので成功してたんだなと思います。一人でやっていると当たり前ですけどコピーも振込も請求書作成も全部やらなきゃいけない訳じゃないですか。今まで当たり前だったものが全部当たり前じゃなくなる。

苦手なお金回りとかバックオフィスとか、資本政策とかやったことないことしかないし、分からないことだらけです。1歩進んで10歩下がるみたいな感覚です。でもとりあえずやる。全部やる。やらないと死ぬ。そういうのを毎日繰り返しながらやっぱりサイバーってすごい会社だったなーと外に出てから思います。ちょっと飽きたからとか、なんか最近ブームだから、と浮き足立ったくらいで起業はしない方がいいです。本当に。

あと「小さく試す」も学びです。教育って特にそう感じるんですが、永遠に答えがない。とりあえずこんな感じでやってみたらどうなるんだろうみたいな、そういう実験を怖がらず小さく試しながら改善していく習慣は今もすごく活きています。

諸戸:実際に採用するっていう仕事から自分で育ててそういう人を増やすっていう仕事に変わるわけじゃないですか。凄く意義のあることだと思うんですけど、どういう人にどうなってほしいみたいなのってご自身の中であるんですか?

小澤:「イキイキ働くエンジニアを世の中に増やす」っていうのが僕のやりたいことです。そのイキイキの定義やどういうエンジニアになるかは人によって様々だと思うんです。

誰もが使うデカいサービスを創りたい!でもいいし、得意な分野だけで食べていきたいでもいいし、身近な人と幸せに生きたいでもいい。働き方もとにかく色々あっていいと思うんですけど、その選択肢を自分で決めて、責任をもって楽しくやれるエンジニアを増やしたいと思っています。

結果的にTechBowlにプロ意識を持った若手エンジニアが集まってきて、「世界一の技術集団」になり、そこから面白いコミュニティや面白いものが次々と生まれるような仕組みを創りたいと思っています。

諸戸:それってどういうところからそういう課題意識を持ったんですか?

小澤:エンジニアとの就活の面談イベントとかマッチングイベントとかで、少し前だったら、わけ分からないことを好き勝手やっているエンジニアが結構いたんですよね。周りから見るとそれ何?クソアプリじゃん!(笑)みたいなものでも本人が好きで熱中してやっているのが一番いいんです。

でも最近は世の中のエンジニアニーズやテクノロジーが進んでいるみたいな文脈があって、「エンジニアとはこうあるべき」「とりあえず就活までにこれを作れるようになっておくべき」みたいな「べき論」に翻弄されている人も多く、結果的にエンジニアになりたいけど具体的に何が作りたいかというと分からないとか、とりあえず就活のために昨日徹夜してアプリつくりました、みたいな人が増えています。

与えられたものを作る努力は認めるんですけど、これ本当につくりたかったの?って聞くと顔が曇っちゃう人がほとんどで、純粋にモノづくりが好きなエンジニアではなく、エンジニアになることが目的になっている人が増えているなという印象がありました。手段の目的化っていうやつですね。

エンジニア目指す人が増えているのはいいことですが向かう先がずれていると感じるので、そこに一石投じてイキイキ働くプロのエンジニアを世の中に増やしたいと思っています。

諸戸:そういう小澤さんの言うプロのエンジニアというのはどうやって育てていくんですか?

小澤:お勉強ではなく「実務の疑似体験」を早くさせることだと思っています。今やっている「TechTrain」というサービスは、30歳以下を対象としたプロエンジニア養成サービスです。メンターが全員現役のプロエンジニアで、彼らが副業でコードレビューや開発の相談に無料で乗ってくれます。

諸戸:教える側はどういうところがモチベーションになっているんだろう。

小澤:自分たちがそうしてもらってきたからそうしてあげたい、還元したいという気持ちが一番ですね。あと定期的にメンターだけのオフ会をやっているんですけど、そういうコミュニティにも好んで参加してくれています。同業他社の同世代のコミュニティって意外とないので、TechBowlのメンターオフ会の情報交換が働くモチベーションや自分のキャリアを考えるきっかけに繋がったり。

あとはメルカリのCTOの名村(卓)さんが弊社の技術顧問を引き受けてくださっているんですけど、そういう時代を作ってきた人たちがメンターのメンターとしてお酒を交わしながらアットホームな雰囲気で色々話せるのが嬉しいと言ってくれています。みんな本当にいい方で、メンターは弊社の1番の強みなので感謝しています。

諸戸:今後はTechBowlとしては、どういう展開を描いているのですか?

小澤:TechBowlって名前の通りなのですが、Tech(技術の)Bowl(サラダボウル)みたいなのを作りたいと思っています。

トマトはトマト、キュウリはキュウリで、それぞれ色があり、存在感があります。でも混ぜると化学反応が起きて、色とりどりの鮮やかなサラダになる。エンジニアもそれぞれ自分の『色』はあると思うんですが、いろんなエンジニアがタッグを組むことで今までにない『色鮮やかな』サービスや技術が生まれる。集え、混ざれ、”鮮”エンジニア。という世界を創りたいですね。

諸戸:なるほど、そういう社名の由来でもあったんですね。今日はいろいろとありがとうございました!9月25日のイベントでもさらなるぶっちゃけ期待しています!

お知らせ:諸戸さん・小澤さんは9月25日のイベント「サイバーエージェント大解剖スペシャル」に登壇予定です。すでに定員に達しているので、参加したい方は主催者やパネラーにSNS等で直接お尋ねください

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今年やった採用手法は「1回全部捨てる」の真実ーーサイバーエージェントに学ぶ組織論【対談・2/3】小澤政生×諸戸友

組織論対談、前回からの続き。 諸戸:元々採用が重要という考えが根底にあって、全社総会でベストリクルーター賞は〇〇さんです、わー!みたいな皆が羨ましがるような文化を仕組みや制度で醸成してきてたんでしょうね。YJCを取り入れて、改めて採用大事なんだぞっていう、これもメッセージヴィークルですよね。前回の渡邊さんの言葉を借りると。ところで、小澤さんは採用やる前は何をやっていたんだっけ? 小澤:僕、実は出戻…

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写真左:TechBowlの小澤政生さん、クルーズの諸戸友さん

組織論対談、前回からの続き。

諸戸:元々採用が重要という考えが根底にあって、全社総会でベストリクルーター賞は〇〇さんです、わー!みたいな皆が羨ましがるような文化を仕組みや制度で醸成してきてたんでしょうね。YJCを取り入れて、改めて採用大事なんだぞっていう、これもメッセージヴィークルですよね。前回の渡邊さんの言葉を借りると。ところで、小澤さんは採用やる前は何をやっていたんだっけ?

小澤:僕、実は出戻りなんですよ。サイバーで営業として配属して半年で辞めて、自営業を手伝いながら家庭教師と飲食のバイトして、証券マン1年やってサイバーに戻りました。

諸戸:サイバーに戻って最初から人事でしたっけ?

小澤:そうです。出戻ってからずっとエンジニア採用です。

諸戸:それ自体はやっぱりやりたかったことなの?

小澤:採用の仕事はやってみたかったし、興味があったので、嬉しかったですね。でも、エンジニア採用って言われて、はて?みたいな。エンジニアって何ですか?みたいなところから始まりました(笑)

諸戸:じゃあエンジニアを採用するための知識やどういうやり方があるのかみたいなのは自分で調べて作っていったってこと?

小澤:そうですね、本を読むのはあまり得意じゃないので、とりあえず小さく試してみようと思って、エンジニアってググってエンジニアの方がよく持ってるマウスとかシャツとか完全食とかデスク用品を買いまくったり、流行ってるゲームとかツールをとりあえず使って会話に入るとか。とりあえず歩み寄ろうと必死でした。

あと、大阪にも開発メンバーや内定者アルバイトがいたので、その人たちを毎日ランチ誘って、とにかく技術用語を覚えたり、サービス開発をレストランに例えてホワイトボードで説明してもらったりして、点の情報をかき集めてました。それをもう1回自分で白紙にバーっと書いていって、点と点を数珠繋ぎにしていってサイバーのエンジニアの特徴をつかむ、みたいなことは最初の頃はよくやっていました。

諸戸:とはいえ、経験ない中で大変でしたでしょうね。

小澤:基本的にエンジニア採用に限っていうと僕ら人事はサッカーでいうと「ボランチ」の役割だと思っています。学生に会った時に「この学生はAndroidに興味があるのか、iOSに興味があるのか、サービスに興味あるのか、研究開発に興味あるのか」そのあたりの温度感や解像度を先に人事で察知して、いち早くエンジニアにつなぐ。

粒度が粗くてパスがまだ出せない人は、人事側で初期情報を繰り返し与え、精度を上げてからエンジニアにパスしていく。とにかく「早くパスを送る」ってことを徹底的にやっていました。

この「高速パス回し」は採用に限らず組織としてサイバーが強いところだと思います。ただ、事業が多い分、とにかくパスの出しどころが多いんですよ。例えば漠然とゲームを作りたいっていう候補者がいたとします。小さい時からゲームが好きだったから、という人もいれば、当たればデカいビジネスをやりたいという人もいます。

候補者の疑問やリクエストを出来るだけ細かくヒアリングしながら分解して、一番刺さるポイントを突き刺していく感じです。

諸戸:そうすると当然、色んな事業があるわけだから、色んな文化があって、色んな人材を採用していくわけですよね。その中で共通して言える言葉、敢えて言語化するとしたら?

小澤:それがまさに「素直でいいヤツ」ですね。過去に、部署別採用、事業別採用みたいなのを提案したことがありました。

ゲームと、メディアと広告で使う技術も全く違うし、組織文化も違うので、どっちが正解というわけじゃないですけど、事業部別で半分採用し、残りの半分をジェネラリストとして本体で採用するという提案をしました。

その方が会社としても事業の立ち上がりとかクローズも多い会社なのでわりと柔軟に動ける組織になるんじゃないかと考えたんです。ただ、結局実行まではいかないんです。

何故かというと「インターネットサービス事業を展開しているサイバーエージェント」で働きたい人を採用したいからです。これは藤田社長がよく話しているうどん屋の話。「明日うどん屋をやるよと言ってもやれる人です。仮にサイバーがまったく違う事業をすることになったとして、たとえそれがうどん屋であっても何であっても、我々の組織を持ってすればきっと成功すると思う」っていうのは採用にもすごく浸透した考え方だと思います。

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諸戸:なるほど、カルチャーフィットなのか!やっぱりそこは。

小澤:事業部別採用にしてしまうと、他の事業や会社に興味を持たないし、自分の部署以外知りません、みたいな感じになる可能性がある。各社各事業で自由に裁量持ってやりつつも、「ベンチャーの集合体」としてのサイバーを大事にしたい、そこがなくなるとサイバーっぽくないというか。

諸戸:サイバーっぽい、ぽくないってどういうこと?

小澤:なんだろう、何なんですかね(笑)

諸戸:なんとなく分かるけどね、僕も。サイバーぽいなこの人とか。

小澤:「21世紀を代表する会社を創る」という会社のビジョンがあるんですが、新卒の頃ってよく分からないんですよね。

これって何のこと?みたいな感じですけど、働けば働くほど、そのビジョンの意味がじわじわフィットしてくるというか使いやすくなってくる感じがあります。

あくまで僕の印象ですけど「21世紀を代表する会社を創る」っていう大きい上向きのベクトルがあって、よく見ると小さいベクトルが向きは違えどみんな上を向いている感じというか。魚群が同じ方向に進むことで大きな1匹の魚に見える感じのイメージです。で、その魚群がどんどん増え、少しずつ向きを変えながら突き進み続けていき、全体としてのサイズがまたグッと大きくなるというか。

そのビジョンに向かっていればやり方とか過程はどうでもよくて、暴れるだけ暴れてくれ〜みたいな。そこに共感する人でないと採用しない。サイバーっぽいってそんな感じなのかなぁと思います。

ちょっと採用の話っぽくなるんですが、キャリアって個人と組織と社会の3つの円でよく例えられますよね。

例えば、エンジニア志望の学生でたまにいたのは、「機械学習をやりたいので入社したいです!」とか。これだけだと別にサイバーじゃなく他の会社でもいいじゃないですか。ベクトルが自分にしか向いてないので採用しない。

「機械学習を使ってサイバーの中でこういうもの作りたいです。これができたら世の中こんなにハッピーになるんですよ!ちょっとやってみたのでみてください」、みたいな鼻息の荒い子はやっぱり一緒に働きたいですよね。

諸戸:キーワードとか言語化してこういう人っていうのがある訳じゃないけど、とはいえサイバーっぽい、ぽくないとか個人、組織、社会の3つのベクトルが同じ方を向いているかとかなんとなく共通認識はやっぱりあるんですね。

小澤:そうですね。活躍社員の名前を具体的に出して、あの社員を超える人を採用しないとダメだと言って、その社員を構成する要素を細かく分析して、その上で「あの人超える(むしろ超えさせたい)な、よし採用しよう!」みたいな議論はわりとしていました。

協調性とか行動力とか地頭みたいなのをポイント化してもよくわからないし、評価者によってバラつきが出たり、覚えられないのであまりそういう堅い採用はしてこなかったですね。多分今もそうだと思います。サイバーっぽくないですね。

諸戸:ついつい決めたくなっちゃうんですよね。スタートアップでもちゃんとやろうとしている会社ほど、自頭がいいとか負けず嫌いとか、5個6個せっかく何時間もかけて決めたけどそれってどこも言ってることじゃん、みたいな。過程は大事かもしれないですけどね。

もう1 つ僕が思うのが、サイバーの採用って毎年毎年やり方が変わるじゃないですか。規模が大きくなるにつれて、だんだん変化させるのって大変だと思うんですが。

小澤:そうですね。やっぱりサイバーの好きなところは「思いっきり振る」ところです。今年やった採用手法は1回全部捨てる、来年やるときには今年やったものは二度と使えないものだと思ってやる、そういう意識で採用に取り組むのは結構痺れましたが、個人的にはすごくいい経験をさせてもらったと思います。

「もしも〜がなくなったら」とか「もしも〜が10倍100倍だったら」をよく妄想していました。例えば、今までめっちゃ使っていた媒体を、もし来年全く使わなくなったとしたら数百万円の費用が浮くことになる。

もし浮いたらその予算をどう使うのがいいだろう、という具合により効果的なものを自然と考え始める。他にももしも通年採用が当たり前になったら?1,000人採用するとしたら?人事が今の10倍になったら?研修を無くして速攻配属させたら?とか。勝手に妄想してニヤニヤしてましたね。

語弊があるかもしれませんが、人事って事業部に比べて割とお金をじゃぶじゃぶ使おうと思えば使えると思うんです。でもそこに対するコスト意識とか自分でお金を稼ぐみたいな、直接生み出すわけじゃないですけど、予算のアロケーションを考え、張るところを張る、捨てるときは全部捨ててみる、みたいな選択と集中、そして「妄想」をセットでやるのはとてもいい経験だったなぁと思います。

事業サイドではこういうのって当たり前にやっていると思うんですが、採用とか人事ってとにかくコスト削減が第一にきて、レバレッジ効かせるとか、採用で業績貢献するみたいな視点が意外と抜けてたりするんですよね。

その辺りはゼロベース思考というか、「来年やるときは今年やったことは全部やらない」と決めて、やりながら揺れ戻していくことが、去年より良い採用を生むことに繋がっていたと思います。

諸戸:バージョンアップとかマイナーチェンジとかじゃなくて、毎年がらっとリセットしてやり方を変えていくってことですね。僕も採用やっていたから分かるんですけど、毎年変えるのって、それこそ上手くいってたら提案しづらいし、勇気いりませんか?

特に人事とかノウハウ化しづらいものって一回なんかうまい感じの流れができると、それをもう1回リセットして考えるって結構・・・、言うは易し行うは難しって気がするんですよね。

小澤:そうですね、なので、会社説明会を全部捨てた時とかは、だいぶ怖かったですね。集まらなかったらどうしよう、と不安で寝れないこともありました(笑)

元々説明会を年に100回くらいやっていたんですけど、準備とかを含めると凄まじい時間がかかるので「さばく」採用になりがちじゃないですか。

なので、これって意味あるっけ?サイバーっぽくないよね、ってなって。タイミング良く全社的に業務の棚卸を推進していた期間も重なったので、じゃあ一回全部捨てようということになったんです。

中には全部捨てなくてよくないですか?みたいな意見もありましたが、当時スマホのアプリ作ったときも広告事業部1,600人いたのを800人一気に動かすとか、とにかくサイバーって、2人3人をちょろちょろ動かしても経営としても組織としても強くならないし、新しい課題もイノベーションも生まれない、という考え方が過去の経営的にもあったので、採用としても100回やっていたものを50、30にするのではなく、思い切ってゼロにしよう、という感じになりました。

それに、サイバーには撤退ルールというのもあって、始める前にあらかじめ撤退する基準や期日も決めるんです。だからやってみて本当にやばかったら〜月に戻そうみたいな。

諸戸:実際どうだったんですか?

小澤:最初はやはりひやひやしましたよ。募集も微減しましたが、いい学生に会う確率と、そういう学生にじっくり時間を充てる機会が増えたので、結果的に例年の3か月前倒しくらいで満足のいく採用を終えることができました。(つづく)

お知らせ:諸戸さん・小澤さんは9月25日のイベント「サイバーエージェント大解剖スペシャル」に登壇予定です。すでに定員に達しているので、参加したい方は主催者やパネラーにSNS等で直接お尋ねください

 

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Y(良い人を)J(自分たちで)C(ちゃんと採用する)ーーサイバーエージェントに学ぶ組織論【対談・1/3】小澤政生×諸戸友

企業の命運を握る「事業成長」。過去に大きくなってきた企業はどのようなストーリーを経て巨大組織を作ったのでしょうか? 前回に引き続き、組織や採用の中心にいたキーマンへのインタビューにて巨大組織に作り方に迫る対談シリーズ、2回目はTechBowl代表取締役の小澤政生さんに登場いただきます。 対談者プロフィール 小澤政生さん:1986年生まれ。2010年にサイバーエージェントに入社し、出戻りで2012年…

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写真左:TechBowlの小澤政生さん、クルーズの諸戸友さん

企業の命運を握る「事業成長」。過去に大きくなってきた企業はどのようなストーリーを経て巨大組織を作ったのでしょうか?

前回に引き続き、組織や採用の中心にいたキーマンへのインタビューにて巨大組織に作り方に迫る対談シリーズ、2回目はTechBowl代表取締役の小澤政生さんに登場いただきます。

対談者プロフィール

小澤政生さん:1986年生まれ。2010年にサイバーエージェントに入社し、出戻りで2012年から同社の技術職採用を担当。7年間で述べ1.5万人の採用候補者と面談。それまでの会社説明会を廃止し、オンライン動画でチェックできる「サイブラリー」を企画するなど、一味違う採用のあり方を提案した。2018年にエンジニア採用のTechBowlを創業。代表取締役に就任。

聞き手・諸戸友さん:1980年生まれ。2003年に新卒でリクルートの代理店に入社、2007年にベンチャー企業に特化した採用コンサルティングを行うアイ・パッションの立ち上げに創業メンバーとして参画、1,000人以上の起業家との出会いを経て、2012年クルーズ株式会社に入社後、執行役員に就任し、社長室、広報、ブランディング、新卒採用などを担当。現在は最高広報責任者CBOとしてグループのPR/IRを担当する。

諸戸:早速ですが、今度お願いしているイベント(詳細は最下部)の目的もそうなんですが、大枠のコンセプトとしては「スタートアップが明日からでも真似できること」っていうのをシェアしていきたいです。

サイバーエージェントとかソフトバンクとかDeNAとかベンチャーを代表する有名な会社がたくさんあって、でもどうやってベンチャーを代表するような会社になっていったのかを紐解いていき、その中で「これは自分たちも明日から使えるな」というものを提供できたら最高です。

例えば前回インタビューさせていただいた渡邊大介氏のメッセージヴィークルのお話とか。今回僕が一番小澤さんに聞きたいのは「なぜサイバーには優秀な人材が集まってくるのか」です。

特に優秀なエンジニアは非常に採用しづらい市況なのにサイバーには優秀なエンジニアが集まってくる。もちろんエンジニアに限らずなんですけど。その辺のポイントを紐解いていきたいなと

そもそも優秀な人が集まっているって僕は思っているんですけど、小澤さんが実際に採用しているときはどう感じてました?

小澤:そうですね、優秀な人がどんな人か、採用活動の中で正直僕は分からなかったですね。優秀かどうかより、“会社に合う人”を採用したっていう感じですね。

諸戸:会社に合う人ですか。

小澤:はい。サイバーで新卒採用を7年間やらせていただいたのですが、藤田社長からは、「能力が高い人じゃなくて一緒に働きたい人を採用して」「去年よりいい採用してね。よろしく」という2つだけしか言われなかったです。

そして、直属の上司だった曽山(哲人)さんからは「素直でいいヤツを採用しよう!いい採用と強い組織!滑ってもいいから全部やってね!」と言われました。

採用の仕事を始めた頃は、藤田社長と曽山さんの言葉が自分の中でよく理解できなくて、優秀な人材やそういう人に求められる能力をあれこれ言語化してみたり、いろんな人事採用系の本に書いてあるフレームワークを読み漁りましたが、なんか芯を食っていないというか、サイバーっぽい採用ではなかったんですよね。

その後、現場社員や事業のキーマン、経営陣から声を拾って分けて聞く、これを徹底的にやり込んでやっていくうちにだんだんサイバーっぽい採用になってきました。数年前からはYJCが始まり、さらに採用が強くなってきたと思います。

諸戸:YJCは小澤さんが考えたの?どんな狙いではじめたんですか?

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小澤:Y(良い人を)J(自分たちで)C(ちゃんと採用する)で、YJCです。そのネーミングや大枠の方向性はあした会議で決まりました。あした会議が終わった直後に「YJCをやることが決まったから考えてみて!」みたいな感じでお話をいただきました。

決まっていたのは「良い人を自分たちでちゃんと取る」「玉入れみたいな感じでやって」
という2つだけ。

諸戸:玉入れ、みんなで?

小澤:玉入れみたいな感じって最初は意味が分からなくて、画像検索しまくって、「あ、なるほど、きっとチームに分かれて競争はするけど、全体としては楽しくやれってことだな」という感じでした。

とりあえずいろんな社員にヒアリングしながら、チームを複数作り、各々が「良い人を自分たちでちゃんと採用する」ことができるような体制、ゲームルール、達成後のイメージ、進める中で起こりうる障害や不満の洗い出しをするなど、ガシガシ前に進めました。

諸戸:玉入れという1キーワードからのその汲み取り方はさすがですね(笑)そうなると、サイバーって具体的にあんまりあれしてこれしてと言われることとかないんですか?基本的には採用責任者が大方針やそのメッセージを汲み取って、自分たちで作っていくという感じですか?

小澤:そうですね。採用を始めた頃、関西エリアのエンジニア新卒採用の立ち上げを1人でやらせてもらたんですけど、当時も「2年で100個アプリを作る。エンジニアが足りない。なので採用強化します。オザマサ関西のエンジニア採用よろしくね!」みたいな感じでした。

諸戸:でも藤田さんはそういう意味で言うと採用まで下りてくるってこと?要は、この2つだけ頼むねとか、採用には割と絡むというか、採用の会議とかにも出てくるの?

小澤:いや、藤田社長と採用のためだけに会議をすることはほぼ無いです。ただ、役員会でやっぱり採用が大事だっていう話題が頻繁に上がるんですよね。「採用は一丁目一番地」とか「全ての事業の仕入れが採用」とか、そういうパワーワードは何度も出てくるので採用に関する経営メッセージは明確に伝わってきました。

まるでじっくり話したかのように経営メッセージが降りてくるし、アップデートもされる。755とか社内向けのサイトでも頻繁に目にするので、採用担当だけではなく、社員も会社の方向性を知る機会が多いし、採用に興味を持ってくれることが多かったのはとてもありがたかったです。そこを具現化していくのが採用人事の仕事なので、その辺りは曽山さんと相談しながら一緒にやらせていただきました。

諸戸:総じてスタンスとしては、採用が凄く大事で、採用から始まるんだみたいな文化はサイバー全体であるんですか?

小澤:「採用リクルーターに選ばれることが誉れ」みたいなカルチャーがあります。採用リクルーターに選ばれるためには当たり前ですが、まず本業で結果を出して活躍していることが条件。その上で未来の人材を一緒に探してくれる社員の力は絶大でした。会社の規模も大きくなって、社格も変わってきた今だからこそ、改めて「全ての事業の仕入れが採用」という強いメッセージで襟を正し、YJCを通じてさらに採用を強くしていこう、みたいな大きなパワーを感じました。(つづく)

お知らせ:諸戸さん・小澤さんは9月25日のイベント「サイバーエージェント大解剖スペシャル」に登壇予定です。すでに定員オーバーなので、どうしても参加したい方は主催者やパネラーに直接お尋ねください

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