【企画】フォトレポート:ユーザ視点をもってUXを考える−−経営者が語るべきUXを考えるワークショップ

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【企画:経営者が語るべきUX】は経営者がユーザー体験(UX)をどの視点から見るべきか、複数の切り口でお届けするシリーズです。ビジネス・ブレークスルー大学の提供でお送りします。

デバイスの進化やクラウドインフラの出現、開発環境のオープン化といった変化に伴い、ウェブを始めとするサービスが「リーン」に公開可能な時代になっている。そしてこの環境変化によって語られる機会が増えたのがUX(ユーザー体験)だ。

ユーザーとふれあうインターフェース(UI)の改善を中心に、価格や反応速度、問い合わせ対応など、あらゆる箇所に「ユーザーを満足させるべき体験」は存在し、その総合的な価値がサービスの差別化につながると考えなければならないだろう。

では経営者はUXをどう理解すべきだろうか。

3月17日にBBT大学にて開催されたワークショップではUXについてのトークセッション、実際にチームとなって仮想の事業やサービスをもとにUXについてのワークショップを実施した。

ここでは、ワークショップの様子のフォトレポートをお届けする。

まず初めに、イベント開会の挨拶を兼ねつつ、ゲストとして登壇したユニティ・テクノロジーズ・ジャパン 日本担当部長の大前広樹氏と、イベントのオーガナイザーを務めるUXデザインエンジニアの山本郁也氏のトークセッションがおこなわれた。

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大前氏からは、Uを考える場合は根本的なことから戻ることが大事だ、と語った。どういう体験か、ユーザに何を提供したいのかをゼロから考え直すことから入るべきだと語った。リリース前かリリース後である程度ユーザがいるのかどうかで考えは変わる、と述べた。今使っているユーザがどういった体験をしているのか、例えばサービスの中で時間を短縮したりクリックを1つ減らすことでユーザの満足度が高まるのかを考えるべきだ、と語った。どうすればユーザ体験が向上するか、何かしらの指標をもとに考察することがよい、と語った。

山本氏は、立ち上げ時ならば「ペルソナ手法」を用い、想定されるユーザ像を明確にしていくことが大事だと語る。精度の高いペルソナであることがあればあるほど、それがチーム内で共有されることでよりユーザ体験の精度が高まる、と語った。
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続いて、UXを考える上で重要なことは何か、そのためにはどういったチームが必要かとトークテーマが移った。

大前氏は、そのサービスを使う一般的なユーザに近い人がチームに一人は必要だとし、サービスにおける軸となるユーザ像や一番の責任者として据え置き、ユーザとサービス運営者における関係性を長く構築することが大事だとした。

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山本氏はPRや広報活動、プランからローンチまでを分野を横断してみれる人が必要であると語る。また、前半でペルソナについて語ったが、ペルソナを作るだけの予算を投入できないならば、ユーザ像にもっとも近い身近な人と密ややりとりをし、その人に一番刺さるサービスへと磨き上げることから、サービスの広がりがもつのでは、とも語った。

最後は、予算についても言及された。大前氏は、そもそもとしてお金を使うことは事業を推進するための投資でなければいけないと語り、チーム内でサービスにとってどこに費やせば有効性があるかが共有されていれば、改めて議論する必要性はない、と語った。

山本氏は、サービスを使う人が人間である限り、そのユーザにとって最も心地の良いものを提供することがサービスの本質である限り、予算などを考えてはいけないと語った。もちろん、チーム内の状況や予算全体の枠組みがあるのは前提であることを踏まえ、現状で最も手を打てる施策を投じ、費用対効果の高いサービス設計や制作をおこなってほしい、と語った。

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トークセッション終了後は、実際にチーム内でのワークショップをおこなった。

ワークショップの前に、山本氏よりUXを考える上でのフレームワークを用いて、実際にワークをしてもらった。

フレームワークでは、予期的UX、一時的UX、エピソード的UX、累積的UXという4つのタームをもとに、良い印象と悪い印象によるInner Experienceを考えてもらい、ネガティブからポジティブへとユーザの体験を移すためのストラテジーを考えてもらう、というものだ。

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各チームは引越し業者、美容室、旅行代理店などのチームに別れ、それぞれのモデルケースをもとにサービスや事業を考えてもらった。それぞれのチーム毎に、独自のサービスと、それをもとにどういったユーザへのバリュー・プロポジションがあるかを2時間かけて導きだした。

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最後は、各ワークショップで出た内容を全体でシェアしながら、どういった考えをもとにUXを考えたかについてプレゼンをおこなった。

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このワークショップを通じて、ユーザに対してどうった価値を提供するか、ユーザ視点にたち、どういった感情をいただき、その感情に対してどういったアプローチをおこなうか、といった思考訓練を実施した。こうしたワークをおこないながら、しっかりとしたユーザ視点の上でUXを考えることが重要だ、と最後に山本氏は語った。

UXについて、どこまでユーザ視点で考え、サービス設計をおこなうか。そして、ユーザにどういった体験を届けたいか。今一度原点に立ち戻り、サービスの核となる哲学について考える時間だった。これからのサービス全般こそ、UXをどれだけ深く考え込められるかが大事になってくるであろう。