【企画】スマホアプリ収益化のメタップスが、アジアの拠点としてシンガポールを選んだ理由とは?

by PR TIMES編集部 PR TIMES編集部 on 2012.10.2

本稿は、インフォコム・インベストメンツ(Infocomm Investments)の提供でお送りします。インフォコム・インベストメンツは、シンガポールの政府IT機関のベンチャーキャピタルです。アジア地域での成長やビジネス拡大を目指すスタートアップのよきパートナーとして、世界的に有名なベンチャーキャピタル各社とともに、グロース・ステージのITスタートアップに投資を行っています。

また、シンガポールに開発拠点の設置を検討するスタートアップには、エンジニア人材や市場へのアクセスを支援し、シンガポールの政府援助プログラムのアドバイスも行っています。詳しくは本稿最後のフォームからお問い合わせください。


株式会社メタップスは2007年、CEO 佐藤航陽(さとう・かつあき)氏によって設立された企業で、Androidアプリデベロッパー向けにマネタイズを支援している。同社は2011年7月、シンガポールに子会社 Metaps Pte Ltd. を設立し、シンガポールを中心にアジア、北米、ヨーロッパのスマートフォン・モバイルアプリ市場へのビジネス拡大に力を入れている。最近の発表によれば、同社のマネタイゼーション・プラットフォームは年間1000万件以上のアプリに導入されるまでに成長した。

メタップスのディレクターで COO を務める Choy Wai Cheong(蔡偉祥)氏は、同社が新しく、より費用効果の高いサービスモデルでモバイルアプリ・デベロッパーの売上向上を支援することで、アジア各国でスマートフォンの普及およびビジネスチャンス拡大がさらに高まることを期待していると述べた。

以下は、Choy 氏とのインタビューの内容だ。


メタップスは、どのような方法でデベロッパーの売上向上を支援するのですか?

COO Choy Wai Cheong 氏

どんな Android アプリのデベロッパーも、どうやって売上を立てるべきかは理解しておくべきでしょう。ユーザから得るのか、広告から得るのか。最近は、フリーミアム・モデルを採用し、広告から売上を立てることが一般的です。我々は CPI(cost-per-install:成果報酬型)モデル、すなわち、広告がインストールされユーザが実行したときのみ課金されるしくみで、デベロッパーがアプリをマネタイズしやすくしています。開発のアプリに組み込まれたメタップスのソフトウェアは、提供スポンサーのリストを表示する offer wall という機能を持っており、ユーザはどの広告アプリをインストールするかどうかを選ぶことができます。我々はアプリをインストール、実行したユーザを獲得し、それをデベロッパーに通知します。インストールがされる度、ユーザにはポイントを、デベロッパーには売上をもたらし、その費用は広告主に課金されます。メタップスは、広告からもたらされる売上の半分をデベロッパーとシェアします。

他社との違いは何でしょうか? 広告主がメタップスと組みたいと思うのはなぜですか?

広告主は、大企業やデベロッパー自身であったりします。彼らが広告を打つ一番の理由は、インストールの都度、アプリマーケットのランキングを向上させ、アプリのダウンロードやインストールを増やすことです。ランキングが上がりトップ10に入れば、露出が増え自然流入によるダウンロードを増やすことができるからです。今現在、我々のユーザ3人が offer wall を表示すると、そのうちの1人は広告をインストールしてくれています。日本でその割合はユーザの35%、トップ10〜20のアプリであれば70%に達します。

従来からのモデルとしてCPC(cost per clicks)がありますが、この場合、offer wall に広告がは多く表示されるものの、広告主はユーザが広告バナーをクリックしただけで料金を支払うことになります。対して、我々の CPI モデルは全体を通じた結果ベースで課金されるしくみなので、CPC と比べ低リスクとなっています。

シンガポールに来てどれくらいになりますか? シンガポールではどのような業務を担当されているのですか?

メタップスは、日本に株式会社メタップスという親会社があります。シンガポールでは2011年6月、子会社として Metaps Pte Ltd を登記しましたが、実際にオフィスを構えて業務を開始したのは2012年3月からです。香港やシンガポールにはオフィスがありますが、これらは支店であって、100%子会社は、ここシンガポールの Metaps Pte Ltd. のみです。シンガポールでは現在、営業活動に注力しており、プログラマを含め、開発チームの増員も計画しているところです。

世界中で従業員は何名いますか? そのうち、シンガポールには何%いますか?

世界に50名弱の従業員が居て、うち5名はシンガポール勤務です。現在、従業員を募集しており、来年末まで募集を続ける予定です。

今まで、世界、そしてシンガポールの市場の反応はどうですか?

シンガポールで事業を開始して6ヶ月になりますが、いい感じです。広告主や媒体主も迎えることができています。シンガポールのデベロッパーにはアプリを作る素質とスキルが備わっていますが、彼らはどうやって売上を立ててよいか、わかっていないようです。

世界的に見ると、我々は120カ国にわたって、約2億人のユーザを抱えています。我々がユーザというのは、ユーザと媒体主を合わせた数字です。協業しているデベロッパーも多くいます。メタップスのプラットフォームのビジネスは昨年スタートし、急激に成長しています。1年立たないうちに、1000万ダウンロード以上に達しました。現在日本は、モバイルやスマートフォンアプリでは成熟しており、世界でも稀に見る高収益な市場となっています。

メタップスにとって、シンガポールは重要な存在ですか?

シンガポールは、メタップスのグローバル展開における要です。今後、北米、南米、アジア、ヨーロッパにも本格的にビジネスを拡大しようと考えています。今のところ、シンガポールは日本を除く、グローバル・チームの本拠地として位置づけています。当初会社が設立した頃、まだ開発も拡大も十分ではなく、シンガポールに進出する計画はありませんでした。しかし、以前から我々のアジアの拠点として、シンガポール以外の選択肢は考えられませんでした。

メタップスが、シンガポールをアジアの拠点に選んだのはなぜですか?

まずはじめに、シンガポールは世界随一の魅力ある地域ハブとして注目されています。戦略的に好都合な地理的条件が揃い、様々な国々へもアクセスがしやすい。インフラが整っており治安もよいため、住むにも心地よい場所です。政治も安定しているし経済力もあります。シンガポールは小さな国ですが、多くの企業が本社を構えており、たいていの国へは簡単に飛んで行くことができます。アジア各国の格安航空会社の飛行機も飛んでいますし、世界のあらゆる場所へ直行便が飛んでいます。ビジネスを立ち上げやすい場所であり、シンガポールにいながらにして、世界中のあらゆる人と話をすることができます。

シンガポールでオフィスを構えるのに、どれくらい時間がかかりましたか?

私は、メタップスがシンガポールで事業を開始するため、今年初めに入社しました。IDAや Infocomm からサポートを得られたので、オフィスの開設に要したのは数週間程度でした。

メタップスが欲しい人材は、うまく採用できていますか?

なんとかよいチームを採用することができました。シンガポール人2名と、マレーシア人1名、中国人1名です。 シンガポール人はよく働いてくれますね。イニシアティヴを持って、自ら考えて行動してくれます。彼らはビジネスをよく知っていて、インターネット業界とモバイル業界がどうなっているかもよく知っています。 私は彼らがとても生産性が高く、仕事が速いと評価しています。外国人や現地人と仕事をすると、会社に対する忠誠心が問題になりますが、すべては社風によると思います。人は多くの理由で会社を去ります。金銭、政治、興味の喪失など。すべての企業は従業員に対してコミュニケーションをオープンにし、その努力を怠ってはならないと思います。

メタップスはシンガポールでオフィスを構える前から、当地に顧客がいましたか?

シンガポール進出前から顧客が1社いましたが、シンガポールに進出している日本企業でした。その後私たちはオフィスを構え、新規顧客を獲得するところから始めました。

近い将来、予定されているビジネスの拡大によって、メタップスは何を期待されていますか?

2013年には、グローバルでのダウンロード数を現在の10倍にしたいと考えています。

CC BY-NC-SA 2.0: via Flickr by stupz

メタップスがアジア市場に進出したとき、どんな至難に直面しましたか?

メタップスのビジネスモデルは、アジアのほとんどの人にとって新しいものです。日本では、既に多くのデベロッパーが理解してくれるようになりましたが、東南アジアでは、まだ cost per click 広告の方がなじみがあるため、デベロッパーに私たちの CPI モデルのことを知ってもらう必要があります。その努力を繰り返し行うことで、彼らは喜んで私たちと仕事をしてくれるようになります。今後もセミナーや商談会への出展を通じて、CPIモデルへの認知を高め、彼らへの啓蒙活動をしていかなければならないと考えています。

シンガポールは生活費が高いです。これは、シンガポールでの業務の妨げになったり、海外の人材を調達する上で懸念材料にはなりませんか?

今は多くの人材を雇用しているのではないので、問題にはなっていません。今後、ビジネスを拡大して行く中で、アジアにいくつかのオフィスを構えるかもしれません。複数の国に、それぞれローカルオフィスを構えるような形で。しかし、これは我々の成長スピードと必要によって変わってきます。シンガポールでの生活費が問題になるとは思っていません。

アジアの市場は多様です。それぞれの国を攻める上で、国ごとに違った戦略を用意されているのですか?

そうですね、アジアは実に多様です。ベトナムやインドネシアのような国は、チャレンジが求められます。現地オフィスを構えるか、現地パートナーとタグを組む必要があるでしょう。シンガポールは外資系にもオープンな国で英語も通じるため、非常に仕事がやりやすい。それ以外のアジア諸国の場合、現地従業員の雇用や彼らとのコミュニケーション、あるいは、現地の取引先との関係構築が非常に難しいです。東南アジアのほとんどの国に、メタップスのパートナー企業が存在しており、パートナーとなる開発企業との連携がカギとなっています。

アジアでターゲットとしている市場はどこですか?

日本、香港、台湾、シンガポール、中国に注力しています。アジアの他の国を挙げない理由は、まだモバイルやインフラ普及率が低いからです。スマートフォンの普及が高まれば、昨今のインドネシアやタイの成長を見ればわかるように、大きなビジネスチャンスとなるでしょう。そこで市場のパイオニア企業として優位なポジションに立つために、我々は早期からアジアに進出し、種を巻き、メタップスのビジネスモデルの啓蒙に努めているのです。

シンガポールでの業務は、メタップスのグローバル展開にどう関わっていますか?

シンガポールに居る私のチームは、私にレポートを上げ、私はメタップスのグローバル・チームと仕事をしています。グローバル・チームとは、常に綿密に連絡を取り合いながら、会社全体の戦略を踏まえつつ、地域独自の戦略で活動しています。

シンガポールのスタートアップ・コミュニティとは連絡をもたれたことはありますか?

スタートアップ・コミュニティ主催のいくつかのイベントに参加したことがあります。私が知るシンガポールのスタートアップの多くは、世界進出せず、東南アジアを攻めています。彼らは東南アジアのニーズに対するサービスを提供していて、リーチが限定されています。つまり、アメリカや日本のスタートアップがグローバルを目指すのに対し、シンガポールはアジアにフォーカスしているということです。

アジアのハブ拠点として、シンガポールを検討している企業にコメントをいただけますか?

シンガポールに会社を設立する場合、シンガポールだけで見ると、マーケットとしては小さいので、必然的にアジア地域をターゲットにすることになるでしょう。つまり、シンガポールは、アジア全域にビジネスを拡大する上でのハブ拠点とするべきです。スタートアップ・コミュニティや政府からの支援も得ることができます。コストは高いですが、大きなオフィスを探す必要もありません。さらに、シンガポールで事業を展開しながら、近隣諸国へも簡単にアクセスすることができます。いい場所だと思います。

(企画/構成:Infocomm Investments Pte Ltd.

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