【企画】ウェブ会議サービスのブイキューブが、シンガポールにコラボオフィスを開設—アジアを目指すスタートアップとの協業に期待すること

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本稿は、インフォコム・インベストメンツ(Infocomm Investments)の提供でお送りします。インフォコム・インベストメンツは、シンガポールの政府IT機関のベンチャーキャピタルです。アジア地域での成長やビジネス拡大を目指すスタートアップのよきパートナーとして、世界的に有名なベンチャーキャピタル各社とともに、グロース・ステージのITスタートアップに投資を行っています。

また、シンガポールに開発拠点の設置を検討するスタートアップには、エンジニア人材や市場へのアクセスを支援し、シンガポールの政府援助プログラムのアドバイスも行っています。詳しくは本稿最後のフォームからお問い合わせください。


株式会社ブイキューブは、企業向けにウェブベースの会議サービスを開発・提供する新興企業だ。1998年創業の同社は、今年に入ってシンガポールへの進出に勢いを増しており、1月にはR&Dセンター、11月にはスタートアップ各社との協業空間となるコラボレーションオフィスをオープンした。

ブイキューブがシンガポールに期待するものは何か。代表取締役社長・間下直晃(ました・なおあき)氏、シンガポール現地法人のディレクター・塗師宏規(ぬりし・ひろのり)氏に話を伺った。なお、インタビューに際し筆者はパリに居たため、東京の間下氏、シンガポールの塗師氏、パリの筆者を、ブイキューブの会議サービスで3点中継して実施した。

V-CUBE を使ってインタビュー。間下氏(画面下中央、東京)、塗師氏(画面下右、シンガポール)、筆者(画面下左、パリ)。

ブイキューブのこれまでの足跡と、現在注力されているビジネス分野について教えてください。

ブイキューブは1998年に創業しました。当時はウェブアプリの開発を主な業務としており、2003年にはロサンゼルスにオフィスを開設しました。場所を隔ててビジネスを進める上で、日米間でコミュニケーションをとるのが困難でしたが、かと言って、市販のテレビ会議システムは、高くて我々にはとても買えませんでした。市販のモノには手が出なかったので、必要に迫られて、自らウェブベースで会議サービスを作りました。これが現在、当社の主力プロダクトとなっている、会議システムの始まりです。

もともとは社内用に作ったサービスでしたが、社外にも評判が良かったので、2004年から本格的にマーケティングを開始。その後、お客様のニーズにあわせてプロダクトのバリエーションを広げ、現在に至ります。

現在は、どのような規模でビジネスを展開されていますか。ウェブ会議システムの業界需要は大きいものでしょうか。

現在、弊社は200名体制で運営していますが、うち8割の社員は日本国内の勤務で、残りは中国、シンガポール、マレーシアのオフィスに常駐する社員です。特に、2008年のリーマンショック以降、企業が出張コストをセーブしようとする動きに走ったため、ウェブ会議サービスの需要は著しい成長を見せ、これは当社にとっても追い風となりました。

アメリカのウェブ会議サービスの市場は1,000億円をはるかに超える規模と言われており、これは、現在のアジア太平洋地域の同市場のおよそ20倍に相当します。今後大きな市場に成長する可能性を持つアジア太平洋地域にも、シンガポールを拠点として、積極的にセールス展開していきたいと考えています。

シンガポールにオフィスを開設する上で、Infocomm Investments はどのように支援してくれましたか。

ブイキューブのシンガポール進出してくれたのは、Infocomm Investments と、その親会社にあたる IDA (Infocomm Development Authority of Singapore) でした。現地シンガポール人を始めエンジニアの採用や、シンガポール政府の支援プログラムを受けビジネス展開するため、いろいろなサポートをしていただきました。

シンガポールにオフィスを開設する前と後では、会社全体に何かしらの変化がありましたか。

ブイキューブにとって、シンガポールのオフィスは重要拠点の一つとして位置づけており、特に、アジア太平洋地域での事業展開においては、最も重要な存在です。シンガポールにオフィスができて以降、日本語を話さない人、言い換えれば、英語を話すエンジニアが増えたこともあり、全社的に「英語が話せないとマズい」という気運が高まっていることは、当社のビジネスをグローバル化していく上で良い兆候だと考えています。日本の本社とシンガポールのオフィスの間で、システム開発の打合せが発生する場合は、日本側からモックアップや画面設計書を英語で出すなど、言語障壁を無くすように努力しています。

Skype や各種インターネット・メッセンジャーなど、インターネットを使ってテレビ会議する方法は、数多く存在します。ブイキューブのアドバンテージは何でしょうか。

一般的なメッセンジャー・アプリでは、法人での利用にあたっては、機能が不足していたり、ユーザサポートが不十分だったりします。ブイキューブでは、話をしながら、資料やアプリケーションを共有できるのに加え、ユーザのセキュリティの確保やユーザのコントロールが可能です。

さらに、現時点ではアジア太平洋地域が中心になりますが、各国にサーバを配置していることにより、当社のウェブ会議サービスを使った際の遅延を最小化しており、より自然な双方向会話を実現しています。

ユーザサポートは、どのような言語で提供されていますか。

日本語、中国語、英語で対応しています。日本語によるサポートは国内で、中国語と英語については、マレーシアのオフィスでサポート対応しています。

ブイキューブ・コラボレーションオフィス、開所セレモニーの様子。(11月5日、シンガポール)

11月には、コラボレーションオフィスをオープンされました。コラボレーションオフィスでは、どのような事業展開を考えておられますか。

シンガポールでは、今年1月にクロスコープ社提供の「CROSSCORP SINGAPORE」にR&Dセンターを設置したことに始まりますが、日本の熱意あふれるスタートアップをシンガポールに招き、当社とコラボレーションしたり、共同開発したりする可能性を求めて、20名まで入居可能なコラボレーションオフィスを新たに開設しました。

当社のコラボレーションオフィスに入居するスタートアップからは賃料をいただきますが、便のいい立地にもかかわらず賃料は低水準に設定しているため、当社がこのオフィスの運営から金銭的な利益を得ることは期待していません。日本のスタートアップにシンガポールに進出する機会を提供し、共に何かを創り出せる場になればよいと考えています。

最後に、これからシンガポールに進出しようと考えている、日本のスタートアップにメッセージをお願いします。

今日、サービスをグローバル展開するのは、当たり前のことになっています。海外にまだ出ていないスタートアップは、グローバル展開とまで言わなくとも、せめて、アジア地域だけでもやってみてはどうかと思います。ただ、アジア展開をすると言っても、現地の拠点オフィスに担当者を配置するだけではダメです。我々がそうしてきたように、トップ自らが現地に乗り込んでほしいと思います。そうすることで、得られる結果は全然違ってきます。

シンガポールから日本を見たとき、日本のサービスはまだまだ〝スゴイ〟と感じることがよくあります。コラボレーションオフィス等も活用させていただき、ぜひ、シンガポールにやってくる日本のスタートアップと、一緒にいろいろやってみたいと思っています。

ブイキューブ コラボレーションオフィス(シンガポール)
所在地 10 Collyer Quay #03-06 Ocean Financial Centre Singapore(Google Map
メール:singapore[at]vcube.com 電話:+65-6636-5862

(取材協力/株式会社ブイキューブ、企画/インフォコム・インベストメンツ、構成/池田 将)

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