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Googleがついに銀行業参入ーー激化するGAFA勢の争い、勝ち筋はどこに

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ピックアップ: Google Pay to offer checking accounts through Citi, Stanford Federal ニュースサマリー:Googleの親会社「Alphabet」が銀行業に参入する。 米国の大手銀行系列「Citigroup」とスタンフォード大学が有する小規模信用組合と提携して、Google Payを通じて利用できる個人向け当座預金口座を提供するもの…

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ピックアップ: Google Pay to offer checking accounts through Citi, Stanford Federal

ニュースサマリー:Googleの親会社「Alphabet」が銀行業に参入する。

米国の大手銀行系列「Citigroup」とスタンフォード大学が有する小規模信用組合と提携して、Google Payを通じて利用できる個人向け当座預金口座を提供するもので、Reutersが11月13日に報じた。同プロジェクト名は「Cache」と称される。サービス立ち上げ時期は伝えられていないが、詳報は数カ月以内にリリースされるという。

今回の動きはGAFA内の競合であるFacebook決済サービス「Facebook Pay」立ち上げや、Appleがゴールドマンサックスと提携して発行するクレジットカード「Apple Card」に対抗したものと思われる。オンライン決済から銀行口座開設、金融ローンに至る幅広いフィンテック領域に参入し、ユーザーとの新たな関係を構築したい意向だ。

一方、米国の規制当局は非常に厳しい視線でCacheを見ているとのこと。膨大なユーザーデータが正しく扱われているのかという点を中心に、プライバシーに対して大きな影響を持つGoogleに懸念を表明している。

事実、こうした当局の監視があることも一因として、Facebookが主導する仮想通貨プロジェクト「Libra」のパートナーは次々と計画から撤退。また、Appleも性別によってApple Cardの与信限度額を設定していると批判されている。

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話題のポイント: この数カ月、GAFA勢が立て続けにフィンテック市場に殴り込みをかけています。しかし、プライバシー問題を発端に市場の向かい風にあっているのが現状。なかでも欧米市場ではなかなかサービス展開ができずにいます。

こうした厳しい市場情勢の中、Googleが銀行業参入の果てに狙うのは何か?答えはインド市場にあると感じられます。

こちらの記事によると、Google Payの最大の成功はインド市場にあるとのこと。食料品やUberを筆頭とする輸送サービス、その他取引のデジタル決済にGoogle Payが積極的に利用され、月間ユーザー数が6,700万を超えているそうです。

インド市場にも競合は多数いますが、Google Payの人気は米国や日本市場を凌ぐといいます。ちなみに「eMarketer」のデータによれば米国全土のモバイル決済ユーザー数は6,100万超。Google Payのインドユーザー数はすでに米国全土の利用ユーザー数より多いと推測されます。

先進国から急成長を続ける発展途上国に目を向けるメリットは大きく2つ挙げられます。1つは当局の監視が緩くなる点。国ごとに審査基準が変わるため、新興企業に寛容な国であればサービス立ち上げスピードを上げられます。

もう1点はデータ活用ができる点です。ここで説明の一環として、いくつか発展途上国でデータ解析技術を活用したフィンテックスタートアップ事例を過去記事から紹介します。

<参考記事>

パキスタン発のAIマイクロファイナンス企業「TEZ FINANCIAL SERVICES」は、スマホを通じたインターネット活動を分析して貸し倒れリスクを予測。スコリング化して一定額のお金を貸し出します。また、アフリカ発の金融スコアリングサービス「Jumo」は通信キャリアが保有する膨大な決済記録を解析して与信を取り、各種金融サービスを展開。携帯電話の支払状況、SNS及びショッピング活動履歴に代表される実生活のデータを元にスコアリングを行う「Colendi」はブロックチェーン上でデータを安全に管理し、世界中の提携金融機関へ情報提供します。

このように、銀行口座を開けない人が大勢いる一方、スマホの普及が急速に進んでいる市場環境のギャップに目をつけたスタートアップが登場。ユーザーのインターネット利用状況にAI解析を組み込んで与信を取るサービス展開をして急成長を遂げています。

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Googleが狙うのはまさにこうしたAIスコアリングを駆使したレンディング市場かと感じます。もちろん新興国でサービス展開をするには新たなパートナー先を探す必要がありますが、米国でのローンチは単なる試験的な位置付けと捉え、早々に参入市場国を変更した方が長期的なベネフィットを大きく上げられるでしょう。

すでにGoogle Payの普及が進んだインド市場であれば消費者の利用データは膨大に蓄積されています。ビックデータ分析をかませることで、利用者の貸し倒れ率や口座利用状況の予測に繋がります。よりクレジットの高い人をターゲットに、より良い口座およびGoogle Pay利用特典を与えたり、提携銀行のサービスを紹介。そして最終的に行き着くのは信用データからレンディングビジネスへの拡大、というシナリオが浮かび上がってきます。

高いキャッシュバックや高金利などを用いてユーザー数を増やす戦術に打って出ることは直近で予想できます。一方、総Google決済額が増えれば新たな収益源になりますが、Googleにとって大口収益源にはならないと感じます。そこで真に狙うのはレンディング事業だと考えます。

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Googleが握るユーザー信用データをテコ入れして利益を最大限する仕組みの答えはレンディング。提携銀行の融資事業に絡み、利子をシェアするようなモデルになると想像しています。長期的に見て、1顧客あたりの生涯収益額を上げるには少額のショッピング利用頻度数を向上させて手数料を徴収するより、既存銀行の主軸事業である融資を使わせる点にあるでしょう。ここにGoogleが新たに仕掛ける銀行業の着地点があると考えます。

さて、ここまでGoogleの銀行業の行方を手短に予想してみました。昨今のGAFAに対する社会的な風向きなどを考慮した上で、市場の警戒心が強くなった欧米市場に積極的に入れ込むのはあまり得策でないと思います。この点、ポテンシャル獲得ユーザー数や市場規模、経済成長率のどれを取ってもGAFAが次に向かう先はインドやアフリカ、南米などの新興市場でしょう。

なかでもアジアで注目されるインド市場は、中国のBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)が仕掛ける先でもあります。いずれはGAFA内だけではなく、BATも絡めたフィンテック市場の対立が熱を帯びてくると睨みます。

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米国の配車サービス業界は、どんな新種のスタートアップを後押ししているのか?(前編)

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配車サービス業界が低賃金という懸念を抱える中で、ベンチャーキャピタル(VC)が支援するスタートアップが多数生まれ、商品を販売したり、広告を表示したり、ビッグデータを処理してルートを最適化させたりすることで、ドライバーの収入を増やす手助けをしている。 だが配車サービス業界の中にある不満は、ドライバーの収入を増やすための企業という新しいカテゴリー誕生の一因ではあるかもしれないが、それはほんの一部分に過…

Octopus の車内広告
Image credit: Octopus

配車サービス業界が低賃金という懸念を抱える中で、ベンチャーキャピタル(VC)が支援するスタートアップが多数生まれ、商品を販売したり、広告を表示したり、ビッグデータを処理してルートを最適化させたりすることで、ドライバーの収入を増やす手助けをしている。

だが配車サービス業界の中にある不満は、ドライバーの収入を増やすための企業という新しいカテゴリー誕生の一因ではあるかもしれないが、それはほんの一部分に過ぎない。

成長産業

Uber や Lyft、その他無数の配車サービス企業は2018年に340億米ドルの市場を形成していると報じられており、この数字は5年以内に1,200億米ドルにまで達するとも言われている。この急成長を後押ししているのは、これらの大手プレイヤーに登録している数百万人の個人である。Uber だけでも、アメリカに90万人、全世界で300万人のドライバーがいるとしている。

だが配車サービス業界は深刻な問題に直面している。多くのドライバーは、手数料や経費、税金を考慮すると、あまり稼いではいないのだ。JPMorgan Chase Institute の昨年の報告書は、Uber と Lyft のドライバーの収入が4年前の53%に減少したと指摘している。特に業界の代表格である Uber はドライバーの手取り賃金に関して、そしてサージプライシングの割り増し分を配車サービス企業がドライバーに渡していないと示唆している多くの報告書に関して、厳しい批判にさらされている。

ちょうど今週(11月第2週)、ニューヨーク市のドライバーのグループが、受け取るべき税の返還を受けていないとして Uber を訴える計画であるというニュースが流れた。そして全米のドライバーは今年、手取りが減少していることに関して、ストライキを行った。状況はさらに悪くなることもあり得る。

Uber はコスト削減と、(まだずっと先のことかもしれない)黒字化の達成のために奮闘しており、そのためにはドライバーの収入をさらに減らす必要があるかもしれないとも以前から示唆している。しかし今年アメリカ証券取引委員会への IPO 前の申請で、同社はドライバーの不満が高まっていることを認めた。同社はこう述べている。

弊社は小売や卸売、レストランやその他の似た業種と同等の収入の機会を提供したいと考えていますが、相当数のドライバーが弊社のプラットフォームに不満を抱えていることを感じています。弊社の財務状況改善のためにドライバーのインセンティブを減らそうとしているため、ドライバーの不満は全体的に増大していくものと予測しています。

この状況は、ドライバーの利益を向上させると約束するサードパーティにとっての、肥沃な土壌を作り出している。そのうちの1つがメリーランド州ベセスダのスタートアップ Octopus Interactive であり、インタラクティブで位置情報を基にした広告テクノロジーを車両の乗客席側に設置することで、配車サービスのドライバーが副収入を得られるようにしている。

働いているのが Uber でも Lyft でも Via でも Gett でも、あらゆるドライバーは Octopus に無料のタブレットと取付器具、そして LTE データを申し込むことができる。タブレットには後方に向けた画面があり、乗客はゲームをプレイしたり賞金を勝ち取ったりすることもでき、そこに差し込まれる短い広告で、ドライバーは最大で月に100米ドルを稼ぐことができる。

動作中の Octopus Interactive
Image credit: Octopus

すべてのクイズやゲームは Octopus 社内で設計および製造されており、広告に関しては、Octopus は Disney、Red Bull、Sprint、National Geographic、Bloomberg を含む多数の有名なクライアントと提携している。

Octopus の共同設立者兼 CEO の Cherian Thomas 氏は VentureBeat にこう語った。

Uber や Lyft の相場やインセンティブが下落したため、ドライバーの収入は過去数年間で50%近く下がり、ドライバー間の競争は激しくなっています。彼らは自分たちの車で実質的に小さなビジネスを営んでおり、補完的なマネタイズのチャネルを賢く活用しているのです。

先週、Octopus は新たな1,030万米ドルの資金調達ラウンドをクローズしたと発表したが、このニュースは元々、証券取引委員会への申請を通じて9月にリークされていたものである。アメリカで最大のテレビ局運営業者である Sinclair の関連会社、Sinclair Digital Group がこのラウンドをリードし、マーケティングとメディアに注力する VC 企業である MathCapital もこのラウンドに参加した。

2つめのスクリーン

Thomas 氏と COO の Bradford Sayler 氏が2018年に設立した Octopus は、以前は VC の支援を受けていた Spotluck であり、ゲーミフィケーションを用いて人々が食事をする地元の店を見つけられるようにしていた。Spotluckでは、アプリのダウンロード数を獲得するための追加的なマーケティングのチャネルとして、彼らは Octopus の初期バージョンを作っていた。Octopus の人気が出ると、彼らは Spotluck を閉じて Octopus に注力し直すことに決めた。

Octopus がドライバーや広告コミュニティの間で好評を博した後は、私たちはチームの時間をすべてそれに使うことに決めました。Spotluck は消費者やレストランにとって楽しいアプリでしたが、Octopus にはより優れたビジネスモデルとユニットレベルのエコノミクスがありました。チームとして私たちはピボットし1つのことを上手くやることが最善であると考え、幸いなことに取締役会もビジネスの転換に賛成しました。(Thomas 氏)

ゲームを楽しむ Octopus の乗客
Image credit: Octopus

ドライバーにしてみると、月に100米ドルを追加で稼ぐことができるという約束は魅力的だが、それだけ稼ぐことができる可能性はどの程度だろうか。Thomas 氏によれば、「ひっきりなしに働く」ドライバーの多くは100米ドルに達するが、週に約40時間働くフルタイムのドライバーは、正確な額は乗客の数や利用状況によるであろうが、平均して75米ドルが期待されるとしている。しかしながら、仲間のドライバー1人に Octopus を勧めるたびにもらえる25米ドルを含む、追加収入をドライバーは得ることができ、また同社は一般的に良好な乗車体験がより多くのチップにつながるだろうとも述べている。

最大のペイアウトはより多くのチップという形でもたらされます。チップの平均上昇率は30%であると弊社のドライバーは報告しており、これは上手くいけば月に100米ドルを超えます。これまで弊社はドライバーに200万米ドル以上を振り込んでおり、Octopus のタブレットは700万米ドル以上のチップに貢献してきたと見積もっています。(Thomas 氏)

表面上は、このシステムは悪用されやすいように見える。例えば、どのようにして後部座席に乗客が乗っていると分かるのだろうか。また、ドライバーやその友人が後部座席でゲームをプレイするのを止める手立てはあるのだろうか。実はこれを防ぐメカニズムが組み込まれており、それぞれのデバイスが GPS の位置情報や車両の速度、加速度計、エンゲージメントレベルといった75個のデータポイントを2分毎に発しているのだ。そして Octopus は定期的にそのデータとドライバーの乗客ログを突き合わせている。

広告主を満足させるために、Octopus は乗客検知を通じて Google Tensorflow の機械学習プラットフォームを用い検証済みのインプレッションを届けることで、後部座席に乗客が乗っていることを確認することもできる。これによって、広告主は広告が表示されている間に画面の前に座っている乗客についてのみ支払うことができるようにしている。

Octopus では、TensorFlow を使って乗客の感情を読み取っている。
Image credit: Octopus

一般的に消費者がスマートフォンにかじりついている時代において、Octopus はより高いエンゲージメントを約束しており、これは特に複数の乗客が一緒に移動する際には魅力的と言える。しかし Octopus はこの体験により個人の乗客でもスマートフォンでのいつものブラウジングから別の世界へと移行させることができるとしている。

弊社のタブレットは時に1日100万回近くタッチされています。弊社が提供するゲーム体験は(ゲームセンターやバーなどの)他の場所ではお金を払って遊ぶような引き込まれるもので、乗客は無料で触れることができてわくわくしています。また毎日、その場で当落が分かる賞金を提供しています。これまで弊社は乗客をその気にさせるために5万米ドル以上を支払ってきました。弊社は乗客の半数近く、特にグループで乗車する乗客は、乗車中にタブレットにタッチしていると見積もっています。(Thomas 氏)

ドライバーがお金を稼ぐことができるよう広告ベースのアプローチを採用した企業としては、Octopus は決して最初というわけではない。ミネソタ州を拠点とする Vugo は似たサービスを提供している。またサンフランシスコとニューヨークを拠点とする Firefly は、車の屋根に電子的なジオターゲティング広告を乗せることでドライバーに毎月最大300米ドルの副収入を約束する。最近、Alphabet の VC 部門である GV は同社への3,000万米ドルの投資をリードした

Firefly の屋根上広告
Image credit: Firefly

ニューヨークを拠点とする Halo は Firefly と似たサービスを提供しており、一方で Wrapify はあらゆるドライバーに対して、通学に使われるものであっても、車に広告を乗せることで道のりをマネタイズできるようにしている。

シカゴを拠点とする Ivee は、ブランドと提携して「経験価値マーケティング」を届けるという少し変わったアプローチを採用しており、これには車の装飾や雰囲気を変えることや、乗客用のカラオケ体験を用意するということまで含まれている。Ivee によれば、Ivee のキットを使用しているドライバーではチップを払う乗客が2倍になり、チップの平均額が15%アップした。

カラオケができる Ivee の車内
Image credit: Ivee

後編に続く

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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空き家問題、知ってますか?買取予約「2000億円規模」市場の秘密

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今、全国的に問題になっている「空き家」の増加、ご存知でしょうか。 内閣府が進める次世代社会の方針「Society5.0」でも指摘されている課題で、現在国内には846万戸の空き家が存在しています。このまま放置すると15年後には倍以上の2000万戸にまで拡大する予想です。日本の世帯数は5340万世帯(平成28年)ですから、なかなかの数字であることが理解できると思います。 空き家が増えると何が起こるのか…

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今、全国的に問題になっている「空き家」の増加、ご存知でしょうか。

内閣府が進める次世代社会の方針「Society5.0」でも指摘されている課題で、現在国内には846万戸の空き家が存在しています。このまま放置すると15年後には倍以上の2000万戸にまで拡大する予想です。日本の世帯数は5340万世帯(平成28年)ですから、なかなかの数字であることが理解できると思います。

空き家が増えると何が起こるのか。シャッター通り商店街を思い浮かべてください。人通りが少ない街には活気がなく犯罪や更なる人口減少という負のスパイラルが発生します。

ではどうしたらこれが解決できるのか。そのキーになるのが新しい経済の仕組みです。分かりやすい例で言えばインバウンドを見込んだリノベーション市場があります。海外からの観光客は2020年に4000万人という政府目標の通り増加しており、これを見込んだ民泊用のリノベーションが各地で進んでいるのはご承知の通りです。

それ以外にもシェアスペースとしての活用や、リモートワークの拠点など「住居」という概念を超えることで「空き家」問題は様々なビジネスチャンスになる、という目論見があります。そこで政府としてもこういったビジョンを推進すべく、Society5.0の提言の中で、中古住宅の流通市場を2025年までに8兆円規模に押し上げる、という目標を立てているわけです。

当然、このチャンスに気づいている事業者も多数います。実際、私たちは今、中古住宅の買取マッチングサービス「インスペ買取」を運営しているのですが、ここに集まっている500社を超える不動産買取会社さんの買取予算額は2000億円を突破しています。

空き家を買いたい「2000億円規模」の買取予約市場

このビジネスチャンスにいくつかのプレーヤーが出現しています。

一つは大手不動産買取会社さんです。当たり前ですが住みやすい物件は売れるので仲介事業者が扱います。住んでいる人も高く売りたいのでやや時間がかかってもそちらを選択するでしょう。しかし空き家に代表される「売りづらい」物件は多少安くなっても買取会社が扱うのが一般的です。大手の買取会社は豊富な予算でこれらの物件を買い取り、新たな価値を付加した上で再販するわけです。

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次に私たちのような不動産の売買プラットフォーム事業者です。中古住宅の場合、車の車検と同じくその住宅が「住めるものなのか」を検査する仕組みが曖昧でした。しかし2018年の宅建業法改正でインスペクション(建物状況調査)の調査方法基準が設定されたことにより、車と同じような感覚でより効率的に売買できる仕組みが整ったのです。

これで手離れしづらい空き家などの物件を、新たな経済活動を目指して手軽に流通させる仕組みは整いました。

これを加速させる存在が実は中小の不動産買取会社さんの存在です。彼らは大手と異なり、小規模ならではのアイデアに溢れています。一方、豊富な予算があるわけではないので、自身での集客が難しくこれまでは大手の仲介会社さんの売れ残りを買い取るという現実もありました。直接売買できる環境があれば「空き家」を新たな経済に変える可能性はぐんと広がるのです。こういった事業者も多数私たちのプラットフォームに参加してくれています。

フリマアプリの登場で個人経済が活性化したように、流通総額が大きくなればそこにチャンスを見出す人たちが多数生まれます。空き家でも同じようなパラダイムを生み出そう、というわけです。

空き家が流通すれば新しい経済がうまれる

何気なく見ている空き家に隠れたビジネスとその市場の可能性について少し共有させていただきました。人口動態の影響もあって、戸建て住宅は売却期間の長期化が進むことは避けられません。放置しているとまた新たな空き家問題を拡大させてしまいます。

それを解決する方法は新しい経済を生み出すことです。シェアリングエコノミーは捨てられる「ゴミ」の存在を、新たな経済活動の源泉に変えました。住宅も同じです。

住宅の売買はまだまだ途上の市場です。制約も多く、専門的な知識も必要ですが、これについてはまたの機会に共有できれば幸いです。

<参考情報>

本稿は「インスペ買取」を開発・提供するNonBrokers株式会社 代表取締役/CEO、東峯氏によるもの。Facebook/Twitterアカウントは共にminex2222。彼らの事業や採用に興味がある方は、こちらからコンタクトされたい。

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スタートアップ・ストーリーが世界を変える

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PR TIMESがBRIDGEの運営会社になって1年半、ようやく次のステップに進むご報告ができることになりました。今日、BRIDGEはリニューアルし、新たな編集体制と新事業「POST」についてお知らせをプレスリリースさせていただきました。 <参考情報> スタートアップメディア「BRIDGE」刷新と新体制、スタートアップ・ストーリー投稿サービス「POST(β版)」始動のお知らせ まずは本件に関わる全…

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PR TIMESがBRIDGEの運営会社になって1年半、ようやく次のステップに進むご報告ができることになりました。今日、BRIDGEはリニューアルし、新たな編集体制と新事業「POST」についてお知らせをプレスリリースさせていただきました。

<参考情報>

まずは本件に関わる全ての方々に感謝します。読者のみなさま、取材先のベンチャーキャピタル、スタートアップ各社のみなさま、死の淵にあったBRIDGEがようやく息を吹き返しました。これからリハビリに入り、チーム一同、もっとよい情報をお伝えいたします。

さて、本稿では1年半前に書いたこの記事の振り返りを兼ねて、これから取り組むことについて少し共有させていただければと思います。

ストーリーを語れるスタートアップは強い

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先月、今月と私も思い入れの強いスタートアップたちが次のステージに進みました。

<参考記事>

スタートアップには創業から資金調達、競合との熾烈な戦い、売上、利益、拡大…と心震わせるターニングポイントがいくつもあります。私たちもこの熾烈な戦いの中で共に喜び、傷つき、共感し、彼らの姿を書き続けています。

そこで得た学びがあります。それはスタートアップのメッセージは強い、ということです。

言葉が人を動かす。もちろん上滑りの記号ではなく、彼らの行動が人を突き動かすのです。人は究極の環境に置かれると凄まじい力を発揮します。言葉で言い表せない、その感情のマグマみたいなものを言語化する。

そうすると人は自然と動き出すのです。多くのスタートアップがそれを証明してくれました。

どうやったら仕組みにできるのか

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この感情のマグマを言語化して人々に伝える。それが私たちの仕事です。時に激しく叫び、時に優しく語りかける。しかし、事業譲渡した時にもお伝えした通り、私はそれを仕組み化することができませんでした。私やメンバーがどれだけ頑張っても、属人すれば伝えられる情報には限りがあります。

今、スタートアップシーンは多くの人たちの尽力で、拡大の一途を辿っています。スタートアップするということが人生の選択肢に加わった若者たちは、異常なまでの集中力で自分の、そして共に闘う仲間の人生を切り開いています。

全部伝えたい。

そのためにはどうしても仕組みが必要になる。PR TIMESに入ってからの1年半はまさにその課題との戦いでした。今回開始した「POST」はそのひとつの答えです。プレスリリースでもない、第三者視点の取材記事でもない、まさに自身の言葉で動きをつくるための「ストーリー」という新たな試みです。

幅広い方々に提供するのはもう少し先のことですが、既に取り組みは始まっています。特に今回、最初のパートナーとしてご協力いただいたジェネシア・ベンチャーズさん、サイバーエージェント・キャピタルさん、そしてその支援先のスタートアップ各社には感謝しています。そして、まだ公表できませんがご協力いただいている各社にも御礼申し上げます。

もちろん事業なので、モデルについても検証をさせていただいています。今、十数社の方々と一緒にストーリーを紡いでいますが、この取り組みが成功すれば、世に出る良質なスタートアップの情報量は格段に増えるはずです。私自身、その世界がやってくることを楽しみに待っています。

スタートアップは世界を変えられる

TechCrunch Japanのメンバーだった時に好きだった、Sarah Lacyさんの記事があります。

スタートアップに贈る言葉:世界を変えるはずだったことを忘れたのか?

世界を変えるーー言葉にすると途方もない6文字です。しかし、この10年で私たちはスマホでお店を作ることができるようになったし、お仕事はインターネットで探せるようになりました。何かをやりたければ人は集まるし、エクセルや紙に奪われた時間は家族で使えるようになったのです。

世界は確実に変わりました。スタートアップにはそれを実現する力があるのです。そして彼らの言語化はそのスピードを確実に早めると信じています。

最後に。

改めてこの1年半の取り組みを支えてくれた池田将さん、チームのみんな本当にありがとう。世界に散らばってスタートアップを目指すみんなの情報は、確実に新しいBRIDGEを作ってくれてます。これからも引き続き、一緒にこのエコシステムで語り部として役割を果たし、そして次は自身が何かに向かってスタートアップしていって欲しい。巣立っていったメンバーたち同様に活躍を期待しています。

そしてPR TIMESのみなさん、1年半前に突如参加したBRIDGEを温かく見守ってくれて本当にありがとうございます。みなさんの協力がなければ今はないし、多分、多くのスタートアップの情報を届けることができなかったと思います。この市場に新たなパブリック・リレーションズのあり方を一緒に作っていきましょう。

そして改めて読者と取材先のみなさま、私たちは今後もPR TIMESとBRIDGEで協力し、スタートアップ・エコシステムにおける役割をこれからも果たしていきます。

引き続きご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社PR TIMES BRIDGE編集部

共同シニアエディタ、平野武士

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英国発オンライン銀行「Revolut」の日本展開はいつ?ーー世界拡大に向け5億ドル調達へ

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ピックアップ:Crypto-friendly investing app Revolut in talks to raise $500M for global expansion ニュースサマリー:ロイター誌は11月13日、英国発のオンライン銀行「Revolut」が世界展開を目指し、新たに5億ドル規模の資金調達を見込んでいると報じた。 Revolutはチャレンジャー・バンクと呼ばれる銀行免許を有し…

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Image Credit: Revolut

ピックアップCrypto-friendly investing app Revolut in talks to raise $500M for global expansion

ニュースサマリー:ロイター誌は11月13日、英国発のオンライン銀行「Revolut」が世界展開を目指し、新たに5億ドル規模の資金調達を見込んでいると報じた。

Revolutはチャレンジャー・バンクと呼ばれる銀行免許を有したオンライン・バンキング・サービス。スマホ・アプリから手軽に口座開設・入出金・送金・両替(海外通過・仮想通貨対応)ができる。VisaやMasterと連携し実店舗決済カードも提供している。

以下は同社創業者兼CEOのNikolay Storonsky氏が、ロイターのあるインタビューに対して回答した内容である。

私たちは最低でも株式にて5億ドル程度の資金を調達したいと考えています。また後々のステージで、デットで10億ドル程度の調達を実施するかもしれません。

額面の規模もそうだが、驚くべきはそのスピードかもしれない。同社の創業は2015年にも関わらず、現段階で800万人の顧客を抱え、既に3億3,700万ドル以上の調達を行なっている。

同氏のコメントは以下のように続く。

私たちは既に投資家へのアプローチを実施済みであり、引き続き継続していく予定です。そのため、数ヶ月後には資金調達を実行できると考えています。

既に投資家サイドとの交渉を進めていることから、本調達の実現可能性の高さが伺える。

業績ベースで見ると2018年の純損失は積極的な開発投資により3,300万ポンド(約46億円)。一方、今年度の収益は5,800万ポンド(約81億円)と、昨年の1,300万ポンド(約18億円)から4倍以上増加している。

本調達資金の別の目的として、Storonskys氏は従業員数を現在の1,800人から来年末までに5,000人にまで増加させるとコメントしている。実際、同氏のここ最近の仕事の60%は採用業務であるという。

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Image Credit : Apple Store

話題のポイント:現在のRevolutのターゲット市場は米国と日本だとされています。ですが日本に関して言えば、昨年末のTechCrunchによる日本市場参入に関する報道以降、実際にまだサービスがローンチされたという情報はなく、準備中であることに変わりはありません。

また、日本興亜や楽天とのパートナーシップは発表されているものの、今後どのように実現されるかについても情報更新はされていないというのが現状です。

ただ、今回のような大型の資金調達は一層日本市場でのローンチを期待させます。また、オリンピックを機に訪日する海外のRevolutユーザーの中にはシームレスに同アプリを日本で利用したいというニーズもあるでしょう。

そのため、年内にも何かしらのサービスを提供し始める可能性があるのではないでしょうか。報道当初の2019年第1四半期内のローンチが達成できていないことはさておき、今後数ヶ月の同社の日本市場での動きには注視が必要でしょう。

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イベントも月額固定のサブスク「Sonoligo」がシード資金獲得

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サブスクリプション型イベント予約プラットフォーム「Sonoligo」は11月13日、第三者割当増資の実施を公表している。シードラウンドで引受先はBeyond Next Ventures。調達した資金は5,000万円で払込日などの詳細は公表していない。 Sonoligoは⾳楽・スポーツ・アートなどの⽂化イベントに⽉額定額制で参加できるイベント予約プラットフォームを提供。同プラットフォームを使うことに…

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Image Credit: Sonoligo

サブスクリプション型イベント予約プラットフォーム「Sonoligo」は11月13日、第三者割当増資の実施を公表している。シードラウンドで引受先はBeyond Next Ventures。調達した資金は5,000万円で払込日などの詳細は公表していない。

Sonoligoは⾳楽・スポーツ・アートなどの⽂化イベントに⽉額定額制で参加できるイベント予約プラットフォームを提供。同プラットフォームを使うことにより、ユーザーは⽉額料⾦内で多彩なイベントに参加することができるようになった。また、イベント主催者側も新規顧客獲得に繋がる。既に名古屋グランパス、名古屋市文化振興事業団、中京テレビなど80団体以上の参画を決定している。

現在は名古屋を中心に展開をしているが、今回の資金調達により開発・人員体制を強化を行い、2020年早々に全国展開を目指すとしている。加えて映画などの新しい文化市場なども開拓をしていくという。

via PR TIMES

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産直品購入でふるさと納税、ukkaとふるさと本舗が連携

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厳選食材の産直プラットフォームを提供するukkaは11月13日、納税サイトを展開するふるさと本舗と連携し「作り手とつながるふるさと納税」を開始したことを発表した。 ukkaは日本全国の農業・水産・加工品の生産者による厳選食材を、ストーリーとともに提供する産直プラットフォームを展開。予約購入や定期便に加え、生産者の年間会員になることができる「Farm Membership(オーナー制度)」といった多…

Image Credit: ukka

厳選食材の産直プラットフォームを提供するukkaは11月13日、納税サイトを展開するふるさと本舗と連携し「作り手とつながるふるさと納税」を開始したことを発表した。

ukkaは日本全国の農業・水産・加工品の生産者による厳選食材を、ストーリーとともに提供する産直プラットフォームを展開。予約購入や定期便に加え、生産者の年間会員になることができる「Farm Membership(オーナー制度)」といった多様な購買機能を提供する。

今回の連携により、ukkaサイト上でふるさと納税返礼品の生産背景を知りながら寄付先を決められるようになった。また、ふるさと本舗で寄付を行い、お気に入りの返礼品を見つけた後、継続的にukka上で該当商品を生産者から直接購入することができるようになる。

Image Credit: ukka

ukkaとふるさと本舗は今回の連携を通じ、地域経済の活性化及び、関係人口創出の支援に取り組むという。

via PR TIMES

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台北で年次スタートアップカンファレンス「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」が開幕、アジア各国からスタートアップ1,700チーム以上が参加

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本稿は、「Meet Taipei(創新創業嘉年華)2019」の取材の一部。 台湾の起業専門誌「BusinessNext(数位時代)」らが主催するスタートアップイベント「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」が台北市内の花博公園で開幕した。14〜16日の3日間にわたって開催され、アジアを中心に世界各国からスタートアップ1,700チームあまり、起業家・投資家・エコシステム関係者などのべ7万人が一堂…

Meet Taipei 2019 のゲストスピーカーの皆さん

本稿は、「Meet Taipei(創新創業嘉年華)2019の取材の一部。

台湾の起業専門誌「BusinessNext(数位時代)」らが主催するスタートアップイベント「Meet Taipei(創新創業嘉年華)」が台北市内の花博公園で開幕した。14〜16日の3日間にわたって開催され、アジアを中心に世界各国からスタートアップ1,700チームあまり、起業家・投資家・エコシステム関係者などのべ7万人が一堂に会する予定。通算で6回目を迎えるこのイベントは、過去最大規模となる見通しだ。

Cubo AI

オープニングの基調講演には、Indiegogo の CEO Andy Yang 氏が登壇した。Yang 氏は Reddit のプロダクト担当ディレクターを経て、今年5月に Indiegogo の新 CEO に就任した人物だ。自身はアメリカ生まれのアメリカ育ちだが、両親が共に台湾出身ということで台湾にゆかりが深い。台湾発の赤ちゃん遠隔モニタリングソリューション「Cubo AI」は6月、クラウドファンディング開始から15時間で約3,500万円を調達するなど、Indiegogo 上では台湾の AI/IoT スタートアップの躍進も目立つ。

Indiegogo の CEO Andy Yang 氏

Yang 氏は、Kickstarter など他のクラウドファンディングプラットフォームとの大きな違いとして、Indiegogo のオーディエンスの違いを挙げ、また、通常60日や90日までに限定されることの多いクラウドファンディングの期間を、さらに延長できる機能を備えていることを強調した。また、世界中のハードウェア・アクセラレータや VC なども提携関係にあり、最近では、Xiaomi(小米)の折り畳み可能ランニングマシン「WalkingPad R1 Pro」のように、企業が事前の市場需要や価格策定に使うケースも出てきていると話した。

Qualcomm ビジネス開発シニアディレクターの Terry Yen 氏

5G の旗手である Qualcomm からはビジネス開発シニアディレクターの Terry Yen 氏が登壇。Qualcomm がスタートアップを支援する Qualcomm Innovation in Taiwan Challenge(QITC)というプログラムを紹介した。QITC に先立ち、Qualcomm は同プログラムでもインドでも(Qualcomm Innovation in India Challenge)展開しており、Yen 氏は THE BRIDGE の取材に対し、今後、スタートアップハブであるアジアの他の地域でも同プログラムを展開する可能性を示唆した。

アワードのプレゼンターを務めた筆者(最左)と真ん中が Flow、最右が Cotery の創業者。

この日の午後開かれた Global Media Pitch のセッションでは、AI とデータインテリジェンス、モバイルアプリ、コネクティッドデバイスと IoT の領域から21チームが登壇。デートの約束をする前にビデオチャットすることで出会いを効率化できるアプリ「Cotery(視訊快速約會、台湾)」、ホテルやコワーキングスペースを1時間単位で利用可能にする「Flow(香港)」が優勝、また、商品の QR コードをかざすだけで食材を注文したり、家政婦サービスを注文できたりするキッチン端末「Nasket(タイ)」が SOSV のモバイル特化アクセラレータ「MOX」による特別賞を受賞した。

Cotery
Flow
Nasket

Meet Taipei では明日以降、日本を含む各国のスタートアップエコシステム事情や、国境を越えたオープンイノベーションの事例などが披露・議論される予定だ。

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自家用車を自動(運転)車にするGhost、商用化のハードルを下げるためにとった“ある戦略”

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ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020 ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike …

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Image Credit: Ghost Locomotions

ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020

ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike Speiser氏 (Sutter Hill Ventures)、Vinod Khosla氏(Khosla Ventures)が参加している。

Ghost Locomotionsは既存の普通自動車を自動運転車にアップグレードできるハードウェアとソフトウェアを開発している。同社によれば、製品ローンチ初期段階では高速道路における自動運転実現にフォーカスするという。

話題のポイント:自動運転関連企業といえばTeslaに始まり、自動運転タクシーを目指すGoogleスピンオフWaymo、Zoox、AutoXなどが有名ではないでしょうか。

今回シリーズDを迎えたGhost Locomotionsは自家用車を「自動運転化」させる、まさにあらゆる車を対象に「Add-on」的な位置付けで自動運転機能を手軽に追加できる世界観を目指しています。そのため、同社の取り組みは上記にあげた先行企業らとは一線を画している印象です。

light trails on road at night
Photo by Pixabay on Pexels.com

Ghost Locomotionsの競合差別要素として特徴的だと感じたのは「Freeway(高速道路)」を走行利用シーンに挙げている点です。

同社ブログで語られていますが、他社は商用化のため、都心部の歩行者がたくさんいるシチュエーションで高度な実証実験を迫られており、法的面や安全面においてどうしても時間がかかりやすいと指摘しています。たとえばWaymoなどは「タクシー」としてサービス提供しなければならず、歩行者のいる環境でなければ実験の意味を持ちません。そのため都市部での実証実験は当たり前に必要です。

一方、Ghost Locomotionsは高速道路での実証実験に特化してなるべくそのハードルを下げようとしています。これは市場参入のスピードを圧倒的に早めることを目的にしています。

同社は「あらゆるケースで自動運転技術を成立させるのは現時点で不可能だと考えています」と述べています。彼らの定義する「ケース」とは、自動運転車が走行する際、地理的条件・環境・歩行者・天気などの変数に全て対応することを指します。

そのため、Ghost Locomotionsはスピード走行を第一目的に設計されており、変数要因が少ない高速道路にユースケースを特化させているのです。都心部における商用目的の実証実験よりも、米国において2/3の走行距離・利用を占めることがフリーウェイを最優先事項にしている理由がここにあります。

一見、高速道路といえば、街中より走行速度が上がるためより安全性が求められるというイメージです。しかし、ひたすら真っすぐに進む道として単純化させて捉えればGhost Locomotinsの戦略にも納得がいきます。

 

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Uber Crash Report

とはいえ、たとえばカリフォルニア州とワイオミング州の高速道路では舗装環境も法律も変わってくるため、その都度対応策が講じられることが望まれるでしょう。

また、最近アリゾナ州フェニックスにて、Uberの自動運転車が死亡事故を引き起こしたことが明らかになりました。この事件の被害者は交通違反をしていたことも明らかになっています。実際の映像では夜間で見通しが悪い道のため、仮に人が運転していたとしても避けられていたのかどうか議論を呼んだことから大きなニュースとなりました。

この点、「高速道路には人がいない」という通説が、米国の場合には当てはまりません。稀に歩行者(ホームレスなど)が当たり前のように高速道路のわき道を歩いているといったことも目にします。つまり高速道路とはいえ、あらゆる変数が生じる可能性があるという点は気にしておくべきでしょう。

TechCrunchの記事によれば、Ghost Locomotions開発のキット(ハードウェアとソフトウェア)の出荷は2020年を予定しているとしています。来年以降、米国の高速道路で自動運転車が出揃っている光景が一般的になるかもしれません。

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豚の臓器を人に移植する「eGenesis」とは

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ピックアップ:A Biotech Company Gets $100M For The Future of Pig-To-Human Transplants ニュースサマリー:ボストン、レバークーゼン、ベルリンを拠点とするバイオテクノロジー・スタートアップ「eGenesis」は11月7日、シリーズBラウンドにて7つの投資ファンド・投資家から合計1億ドルを調達した。同社の累計調達額は1億3,800万…

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Image Credit : pexels

ピックアップA Biotech Company Gets $100M For The Future of Pig-To-Human Transplants

ニュースサマリー:ボストン、レバークーゼン、ベルリンを拠点とするバイオテクノロジー・スタートアップ「eGenesis」は11月7日、シリーズBラウンドにて7つの投資ファンド・投資家から合計1億ドルを調達した。同社の累計調達額は1億3,800万ドルに到達している。

同社が取り組むのは、ゲノム編集技術「CRISPR」を用いて心臓や肝臓、肺などの動物の臓器を人間に移植可能にすること。この移植方法は異種移植(xenotransplants)と呼ばれている。

世界には200万人もの臓器移植を待つ人々がいる。しかし人間からの供給だけでは足りていないのが現状。そのためゲノム編集を活用し、動物の臓器を人間の身体と互換性を持たせることで、多くの患者を救う取り組みをしている。同社は次世代型の医療の実現を目指す一つの研究機関・企業という位置付けだ。

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Image Credit : eGenesis

話題のポイント:今回の調達資金はeGenesisがこれまで取り組んできた、豚の心臓を人間に移植する異種移植の開発をさらに推し進めると同時に、人間と互換性を持ち得る動物の臓器を新たに発見する実験に用いられるといいます。

実は豚の臓器移植に関しては以前からそのサイズや生理学的な互換性の高さから、将来的に人間を救う医療として期待され続けてきました。事実、豚の心臓弁(心臓に血液を送るポンプ)は既に損傷・病気になった人間の心臓弁を代替した例を持つそうです。

しかし、eGenesisの共同創業者であるDr. Luhan Yang氏は、豚・人間間の臓器移植はここ1世紀、科学者の間では希望であり続けたものの、ほとんど進歩していないとも言及しています。

TEDトークにて同氏は、技術実現の障壁として移植後の拒否反応とウィルス侵入を挙げています。具体的には、ブタ内因性レトロウイルス(PERV)と呼ばれるウイルスの完全な除去が達成できていないことを指摘しています。移植手術を受ける患者は免疫抑制剤を投与されて抵抗力が低下するため、感染リスクも大きいのです。

これらのウイルスを除去する方法は、遺伝子編集技術の発達に完全に依存しています。共同創業者のYang氏とGeorge Church氏(ハーバード・メディカル・スクールの遺伝子分野の教授)は、CRISPRやゲノミクスのパイオニアとして有名。2015年には、実験室の皿で成長しているブタ腎臓細胞のPERV遺伝子の62コピーすべてを切り取ることに成功。そして2017年8月には、eGenesisのChurch氏が人間への移植を不可能にする特定のウイルスを排除した形で、数十頭以上の豚を生み出すことに成功するなど、数々の実績を残しています。

“豚の臓器を人間に移植する”というSF的な医療の未来が実現するのには、未だいくつかの大きな難題が立ちはだかっていることが分かります。しかしながら、同社の実績や今回の調達からこれまで以上に希望を見いだすことができるでしょう。将来的にeGenesisの技術が数百万の人の命を救うことはできるのでしょうか。調達後の研究成果に注目が集まります。

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