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SpaceX、民間企業初の有人宇宙船打ち上げに成功

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ピックアップ:NASA LIVE Coverage 30th May : SpaceX Crew Dragon Launch ニュースサマリー:日本時間5月31日午前4時23分(米国時間5月30日午後3時23分)、NASAの宇宙飛行士2名を乗せたSpaceX社の「Crew Dragon」が国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。 Liftoff! pic.twitter.com/DRBfdUM…

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打ち上げLIVEストリームのスクリーンショット、Image Credit : SpaceX Official Youtube

ピックアップ:NASA LIVE Coverage 30th May : SpaceX Crew Dragon Launch

ニュースサマリー:日本時間5月31日午前4時23分(米国時間5月30日午後3時23分)、NASAの宇宙飛行士2名を乗せたSpaceX社の「Crew Dragon」が国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。

米国内の有人宇宙飛行は前回の2011年から約9年ぶりとなり、民間企業による有人宇宙飛行は人類の歴史上初の快挙である。同ロケットに搭乗したのは、NASAのボブ・ベンケン宇宙飛行士、ダグ・ハーリー宇宙飛行士の2名。

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Image Credit : SpaceX

Crew DragonはSpaceXの再利用可能ロケット「Falcon9」に搭載され離陸。その後Falcon9は無事着陸にも成功した。なお、Crew Dragonは日本時間5月31日の午後深夜頃に国際宇宙ステーションとドッキングする見込みだ。

話題のポイント:一昨日の5月27日には天候不良により延期が発表されていたCrew Dragonでしたが、無事発射に成功しました。同プロジェクトは間違いなく、人類の宇宙開発にその名が刻まれたことでしょう。

2002年にイーロン・マスク氏によって創業されたSpaceX社も、今年で設立18年目を迎えています。創業当初は3回連続でロケットの打ち上げに失敗し、資金が底を突きかけた過酷な時期もありました。しかし2008年のFalcon1の打ち上げ成功以降、NASAという強力な顧客を獲得し、凄まじい勢いで様々な革新的ロケットの開発を達成してきました。

最近では、宇宙に1万以上の小型衛星を浮遊させ、地球全体にブロードバンド 通信を提供する宇宙インターネット構想「Starlink」なども始動しています。今後のSpaceX社の躍進には、益々目が離せません。

<参考記事>

 

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新型コロナ感染防止で、プライバシー保護と追跡アプリがせめぎ合い——自由の国フランスの葛藤を考える

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多くの国が新型コロナウイルスの感染を追跡するアプリの開発を進めている中、フランスは公衆衛生と大規模な監視の両立を図ろうとする取り組みで広がりをみせている技術的、倫理的な議論の矢面に立たされている。 フランス政府は、国民から収集したデータを集中させるアプリ「StopCovid」のフレームワークを採用した。プライバシー擁護団体はこの手法を激しく非難し、プライバシーを熱心に擁護しているという政治家たちを…

CC BY 2.0: Photo by Nik Anderson

多くの国が新型コロナウイルスの感染を追跡するアプリの開発を進めている中、フランスは公衆衛生と大規模な監視の両立を図ろうとする取り組みで広がりをみせている技術的、倫理的な議論の矢面に立たされている。

フランス政府は、国民から収集したデータを集中させるアプリ「StopCovid」のフレームワークを採用した。プライバシー擁護団体はこの手法を激しく非難し、プライバシーを熱心に擁護しているという政治家たちを偽善者と断じた。StopCovid の問題は Apple に対する非難にも飛び火した。Apple はこれまでのところ、自社端末にこの種の機能を導入することには反対してきた。

政府も諦めていない。データを匿名化することで集中型のアプローチでもプライバシーを保護できるのと同時にウイルスの感染拡大に対して全体的な安全性が向上し、知見も得られると主張している。さらに根本的な話として、データの公共利用に関する決定を行うのは民間企業ではなく、有権者によって選ばれた主体であるべきだとフランス政府は強調している。

感染拡大への対処にデータは重要な不可欠のツールとみられている中、フランスで熱を帯びる論争は、公衆衛生とプライバシーの保護の両立をいかに図るかという世界的な議論の縮図となっている。このアプリが信頼を獲得するには、有効性を確保できる程度まで利用者が増加しなくてはならないという点では、関係者の見方は一致している。

国民の理解と技術的な設計という観点で言えば、今回の新型コロナウイルスだけでなく将来のウイルス感染拡大に対処するのに相反する要素(公衆衛生とプライバシー)の両立を図ろうとしている政府にとって、このアプリは一つの試金石となるだろう。

フランスのデジタル大臣 Cédric O 氏は政府によるアプリ開発を擁護する記事の中で、「どのような技術であれ、リスクがゼロの技術は存在しません」と述べている

絶対確実なソリューションなどありえません。何らかの欠陥はあるものです。
(中略)

StopCovid は平時のアプリではないのです。このようなプロジェクトは、新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こした今の状況ならではのものです。

<関連記事>

データの集中

これまでに、複数の国で同様のウイルス感染追跡アプリが導入されてきた。データを集中させるべきか、ユーザの位置を追跡するべきかといった諸々の問題に対しては、幅広い手法が採用されている。ごく最近では Apple と Google の提携が発表され、Android と iOS の利用端末を問わないアプリを第三者が製作することを可能にする接触者追跡 API を開発することになった。

ヨーロッパでは、将来におけるこのアプリの運用に際して2つの相反する見方が示された。一つは、データを中央サーバに保存し、そこで感染のマッチングを行う方法。もう一つは、データをユーザのスマートフォンにとどめ、そこでマッチングを行う方法だ。いずれも、GPS や他の位置追跡手法を使用することはない。

フランスでは最近、この技術に関する詳細、プライバシーとの相反、セキュリティ上のリスクなどが新聞で報じられ、テレビのニュースでも話題となっており、この問題が国民にとっていかに重要な問題であるかを物語っている。

政府は、汎欧州プライバシー保護近接追跡(PEPP-PT)という団体が開発した集中型のフレームワークを採用することとした。当初はドイツの研究者たちによって始められたこの取り組みは、最終的に ROBERTROBust and privacy-presERving proximity Tracing protocol)とよばれる追跡フレームワークに結実した。

フランスの研究所 Inria の CEO Bruno Sportisse 氏は4月中旬に ROBERT について語っており、データ追跡に関するフレームワークは例外なく、プライバシーとセキュリティで何らかの相反を抱えているという。

また、一方のアプローチを「集中型」、他方を「分散型」と名付けるのは誤りだと話している。どのようなシステムであれ、ある程度の情報は端末で処理されるほか、ある程度は共通サーバを経由するからだ。ROBERTについて言えば、全てのユーザはオプトインしなくてはならない。そして中央サーバに送られる情報は、実名や個人情報ではなく暗号化された識別子を使って保存される。

このアプリケーションは「追跡アプリ」ではありません。使用しているのは Bluetooth だけで、通信規格 GSM やジオロケーションデータは使っていません。

ましてや監視アプリでもありません。自明なことですが、政府は言うまでもなく誰であっても、ウイルス検査で陽性と判定された人のリストや、交流した人のリストにアクセスできるようには作られていません。(Sportisse 氏)

フランスの StopCovid アプリは、研究所のほか大学、民間企業から成る組織の知恵を活用した ROBERT のフレームワークで設計されている。関係する組織は Inria、ANSSI、Capgemini、Dassault Systèmes、Inserm、Lunabee Studio、Orange、Withings、フランスの公衆衛生当局である。StopCovid アプリの試験版の公開は5月下旬が予定されているため、それまでにフランス議会での審議と承認が行われる。承認がなされ、試験が成功したという前提の下では、アプリの配布は6月上旬になるだろう。

このアプリを特効薬としてプロモートする者はいないが、今月に入って都市封鎖が徐々に解除されつつある中、ツールの一つとして重視されるようになっている。

Cédric O 氏も、StopCovid が国民の監視を意図するものではなく、アプリのダウンロードと起動は強制ではないことを強調している。内容を問わず情報の共有はオプトインを基に厳格になされる。

オプトインした人は新型コロナウイルスに感染した場合にその情報を伝えることができる。するとアプリは感染者の近くにいる全てのユーザに通知を行う仕組みだ。その場合、通知を受けた人が医療機関を受診するかはアプリのユーザ次第である。誰が感染者であるかの情報は提供されない。またアプリには、感染者が特定できるような情報は含まれない。

今回のフランスモデルに関しては、独立系のプライバシー保護機関である国家情報自由委員会(CNIL)より、EU の一般データ保護規則(GDPR)の規定に沿ったプライバシー対策が十分取られているとして暫定的な承認を取得している。フランス国家電子会議の諮問機関も当座の承認を与えているが、実際にアプリを検証できるようになるまでは最終的な意見の提出を保留するとしている。

Cédric O 氏は全体的なプライバシーの懸念について、次のように記している。

StopCovid プロジェクトは何かをするための足掛かりではありません。全てが一時的な措置です。データは数日経つと消去されます。感染拡大期以外にアプリを使用する意図はありません。

データの分散化

ROBERT に対抗するフレームワークとして、DP-PPT(Decentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing)という分散型の接触者追跡プロトコルがある。このフレームワークを開発したのはヨーロッパにある研究機関出身の研究者連合で、Apple や Google が開発を進めているAPIと同期させることができる。

Apple と Google が提携する以前、新型コロナウイルス追跡アプリは iPhone の動作でさまざまな問題を抱えていた。例えば、Apple では一般的に、他の電話との接続を確認するのに Bluetooth が連続して信号を送らないようにしている。最新版 Android 端末も Bluetooth に一定の制限はかけているものの、接触者追跡アプリで最大の障壁となっていたのは iPhone だった。

スイス連邦工科大学ローザンヌ工科大学(EPFL)のコンピュータ・コミュニケーションサイエンス学部長で、DP-PPT チームの一員でもある James Larus 氏は、次のように話している。

Android のスマートフォンならどちらのアプリも問題なく実行できます。問題は Apple のスマートフォンです。

シンガポール政府は、アプリをフォアグラウンドで動作させるようにして、電話をロックのかからない状態にすることで Apple 問題に対処する次善策を開発した。だが、バッテリーの消耗が激しいほかプライバシー上の懸念もあって利用は低調、効果を上げるに至っていない。

接触者に関連するデータがユーザの電話に残っている間、Appleはこの問題に対処していくことにして、基本的には政府に対し分散型ソリューションを採用させるようにした。集中型アプリの場合、ウイルス感染者の接触者情報が中央サーバにアップロードされる。それが分散型 Apple-Google 版アプリの場合、感染したことをアプリに報告すると、サーバは暗号処理された接触者情報をデータベースにアップロードすることになる。

他方、アプリは同時にこのデータベースをユーザのスマートフォンにダウンロードする。データベース内の感染レポートの記録とユーザの最近の接触者がマッチしたことをアプリが検知すると、ユーザに対して通知がなされる。このアプローチと ROBERT のフレームワークとの主な違いは、匿名化された ID が中央サーバに常時保存されることがないことである。

現実的な違いは、データの保存場所とマッチングの行われる場所に関する問題です。これこそが本当の違いでしょう。ただ結局のところ、アプリの機能は同じです。(Larus 氏)

いずれのフレームワークについてもある種の暗号化に依存しているため、潜在的なセキュリティリスクは残る。フランスの場合、システムを統制している政府機関がアプリとネットワークに十分なセキュリティを施していることに対する信頼を得なくてはならない。

しかし分散化アプローチでも、ユーザがウイルスに感染した場合、他人の携帯電話に自分の暗号化情報が保存されてしまうリスクがある。システムが全ユーザの携帯電話で同じくらい安全になるにはこの方法しかない。

これこそ、フランス政府が分散型アプローチを採用しなかった理由の一つである。フランスのセキュリティ機関である国家情報システムセキュリティ庁(ANSSI)は、暗号化された識別子が他人の携帯電話に広まるという理由で分散型モデルはリスクが高いという決定を下した。

ANSSI は書簡の中で次のように記している。

プライバシーと人権を保護する観点で、あらゆる分散型アプリには重大なリスクがある。

各個人の相互作用グラフ(ソーシャルグラフ)を収集することによって、大規模な監視が可能となる。それが携帯電話の OS レベルで実現され得る。OS メーカーだけでなく国家機関でさえも、選択するアプローチによっては程度の差こそあれ、いとも簡単にソーシャルグラフが作成できてしまう。

フランス対 Apple

今月はフランスの集団がアプリの完成に向けた作業を急ぐ中、Apple とフランス政府の間で一つの大きな問題が行き詰まりをみせていた。イギリスではフランスと同じ考え方に基づいたウイルス感染追跡アプリを採用したのに対し、ドイツでは方向転換をして分散型アプリを志向した。

フランスのアプリ製作にも協力している Orange の CEO Stéphane Richard 氏は、StopCovid アプリのコンソーシアムと Apple の交渉の行方について楽観的な見通しを示した。彼はロイターに次のように語っている

毎日のように会合が行われています。まだ合意に達していませんが(中略)Appleとは精力的に議論しており、状況は悪くありません。

しかしフランス政府は長引く苛立ちを隠せない。Cédric O 氏は5月5日、ビジネステレビ BFM でのインタビューで次のように述べた

Apple は iPhone でのアプリ動作の向上で協力できることがあったはずです。ところが Apple は協力を望まなかったのです。

Cédric O 氏は他にも、Appleとの論争が意味しているのは「OSの寡占的な市場特性」という厳しい見方を示した。国が大企業の犠牲になっているというのだ。

フランス政府の観点で言えば、健全な政策とは国の責任すなわち主権です。資質をもって、そして欠陥はありながらもフランスの国民を守るのに最善だと考える方法を選ぶのは行政なのです。提案している2社がアメリカの企業という理由で両社の API を受け入れないわけではありません。(中略)

現在の仕様では、技術的な選択が制約となっているから受け入れないのです。つまり iOS 搭載の携帯電話が完全に動作するのは、分散型ソリューションだけです。(Cédric O 氏)

Cédric O 氏はさらに、「大企業の選択による制約を受けることなく、現状と同じくらい革新的かつ効率的に」、フランスは主権を守れるようにしなくてはならないと述べた。

こうした技術的、政治的な論争で見落とされているのは、どのアプリが本当に効果的であるかを把握している人が誰もいないという現実だ。その背景には、技術がまだ証明されていないことが一部関係している。また、十分な数のダウンロードが確保されるかも明らかでない。疫学者の大まかな見通しによると、有効な追跡システムになるには人口の6割がアプリを利用する必要がある。

それでも、一定の影響を及ぼすためには、アプリと国の医療インフラを接続する必要があるとスイスのLarus氏は話している。ユーザが通知を受け取った際、追加情報がほしいとき誰に連絡すればよいか、検査を予約するにはどうすればよいかなどその時点で取るべき行動を知っておく必要がある。

同じく医師、病院、StopCovid アプリのコールセンター、検査機関も、感染者の近くにいるとの通知を受けた人から連絡を受けた際に定められた指針に従う準備ができていなくてはならない。対象者がすぐに検査を受けたり、症状を診察してもらえたりする体制になっているか、政策当局者は決定をしなくてはならない。

この問題には多くの人々が関わるほか、政治的な意思決定が求められています。それは非常に難しい決定であるほか、内政、その国に特有の問題です。ある国で採用された単一アプリのバックエンドを別の国に単純に落とし込むことにはならないでしょう。(Larus 氏)

とはいえ、Larus 氏からすると、アプリを取り巻く問題はきわめて技術的であるとはいえ、この問題がフランスや欧州各国で真剣に受け止められているのは喜ばしいことであるという。現在の感染流行を抑制するためには、現世代の接触者追跡アプリに関するプライバシー、セキュリティ、設計、指針の間にある相反を正していくことが重要になるだろう。

だが、今なされる決定が将来の接触者追跡アプリの基盤になるとみられる。来るべきウイルス感染アプリが広く受け入れられ、その価値を証明できるのなら、次のウイルス感染拡大が発生したときに手間暇のかかる指針の策定や技術的な論争を避けることができるだろう。

次の機会は必ずあると Larus 氏は述べている。

同じことを繰り返すとしたら、次は素早くできるでしょうか? 再び迅速な行動ができるようにするためのアプリシッティング用コードはあるでしょうか? 次は一から始めなくても済むように、健全なシステムへの統合は維持されているでしょうか? 今回の危機を乗り越えた後も、今蓄積しつつある専門知識、ナレッジは重要なものになるでしよう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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8億人の老眼を救う、モジュール式眼内レンズ「Atia Vision」の可能性

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Video Credit:Atia Vision ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが…

RPReplay_Final1590531176 2Video Credit:Atia Vision

ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing

ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが主導し、Capital Partnership(TCP)、AMED Ventures、Shangbay Capitalが参加した。

同社は2012年にカリフォルニア州キャンベルで創業。眼科市場の最大セグメントである白内障および老眼の視野回復を目的とした眼内レンズを開発する。

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Image Credit:Atia Vision

話題のポイント:人間であれば避けて通れない道、それが老眼と白内障です。老化と共に水晶体に支障が生じることで視界が霞んだり、近くが見えなくなるこの2つの病気は、世界中で白内障が6,520万人、老眼が8億2,600万人の未治療患者がいると言われています(WHO調べ)。

一度発症すると自己治癒、薬の投与での回復は叶わず、手術による治療以外に治す方法はありません。ただし、白内障の手術は日本で年間140万件、世界中で2,000万回件行われる比較的ポピュラーなものであり、麻酔も目だけの局所麻酔、日帰りの手術が可能であることからも手術件数が多い病気です。

白内障手術では濁った水晶体を取り除いて代わりの眼内レンズ(IOL)を挿入します。眼内レンズは主に単焦点レンズ、多焦点レンズ、非点収差補正レンズの3種類。それぞれ一長一短があって絶対的に良いものがないため生活様式に合わせてレンズを選択する必要があります。言い換えると、術後は多少のデメリットを抱えて元の状態に戻ることはないということです。

40歳の6人に1人、70歳を超えると2人に1人の割合で水晶体に障害を持つ現状を踏まえると、自分が罹らないと考える方が不自然です。人生100年と言われる時代、手術をしても元の状態に戻れずに副作用(ハロー、グレアなど)を抱えて数十年生きていくのは不便すぎますが、これが現在の妥協点です。

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Image Credit:YourSightMatters

今回取り上げたAtia Visionは眼内レンズに新しい選択肢を生み出すスタートアップです。遠くから近くまで、完全な視野の回復を目的としたモジュラー老眼矯正眼内レンズを開発しています。

そもそも水晶体と眼内レンズの決定的な違いは屈折率を柔軟に調整できる点です。物体との距離に応じて厚みを変えることができる水晶体は、近ければ厚くして屈折率を上げ、遠ければ薄くすることで屈折率を下げて焦点を合わせています。

つまり、目が物を見る時に水晶体を操作する筋肉の動きを利用して屈折率を変えられる、そんな便利な眼内レンズがあれば水晶体を代替できるわけです。Atia Visionはこんな机上の空論のようなコンセプトを実現しようとしています。

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Image Credit:Atia Vision

モジュラー老眼矯正眼内レンズはBase LensとFront Opticの2つで構成されています。Base Lensが目の自然な動的調節メカニズムを模倣しているため屈折率調整の役割を持ち、Front Opticは患者ニーズに沿う機能を持たせることが可能な設計です。実際、公表されている実験値からは焦点をシームレスに合わせられる様子が観測されています。

とりわけ、Base Lensの完成はAtia Visionを未解決者が9億人もいる市場で不動のポジションを確立するのに最も重要な成功となるでしょう。いわばBase Lensは「眼のプラットフォーム」です。

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Image Credit:Atia Vision

Base Lensは基本的には一度臨床試験をパスすれば開発する必要はなくなり、患者の数だけ作り続ければよくなります。変数を持つFront Opticの技術開発に集中しつつ、Base LensとFront Opticの標準規格を設けることでサードパーティの参加を促し、トータル販売価格が低い製品を生み出すことが可能です。

実は視力障害の有病率は所得地域で格差があり、低中所得地域の有病率は高所得地域の4倍と推定されています。特にアフリカの近見障害率は80%を超えます。機能面の充実だけでなくAndroidと同様にサードパーティを巻き込むことで廉価版を安く販売する戦略を取れれば、多くの人の課題を解決しつつ、薄利多売を避けて収益構造が強固としていけます。

もちろん、医療品であり保険適用の有無も絡むため従来のデバイスと全く同じやり方が適用できるわけではありませんが、Base Lensはビジネス戦略を強気に攻めれる大きな武器となるでしょう。

現在はヒト初回投与試験(FIH)の生体適合性および前臨床試験に臨んでいる段階だそうです。製品として市場に登場するのはまだ先になる見込みで、今回の資金調達はこの初期試験に使用される予定です。

日本では2007年に多焦点眼内レンズは承認され、2020年4月から眼鏡装用率軽減を目的とした多焦点眼内レンズの使用は厚生労働省が定める選定療養となりました。レンズ代が自己負担で変わりはないのですが、大きな進歩だと言えます。

超高齢化社会を迎え、経済発展が乏しくなった日本はこれ以上の医療費増加は避けなければいけないものの、国民の生産性にも関わる眼の問題をどこまでフォローできるのか。眼内レンズマーケットが2022年までに55億ドルに到達すると言われる中、Atia Visionが両方を一気に解決してくれることを期待して今後も注目していきたいと思います。

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まるでポケモンがそこにいるみたい、NianticがポケモンGOの新機能公開

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ピックアップ:Niantic’s latest AR features add realism to Pokémon Go ニュースサマリ:ポケモンGOを運営するNianticは5月26日、「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つのAR機能を追加することを発表した。Samsung Galaxy S9、Samsung Galaxy S10、Google Pixel 3、Pixel 4で利…

Video Credit:Niantic

ピックアップ:Niantic’s latest AR features add realism to Pokémon Go

ニュースサマリ:ポケモンGOを運営するNianticは5月26日、「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つのAR機能を追加することを発表した。Samsung Galaxy S9、Samsung Galaxy S10、Google Pixel 3、Pixel 4で利用を開始し、今後利用可能デバイスを増やしていく。

「ARブレンディング」はポケモンの手前にオブジェクトが来た時に姿を消す機能で、ポケモンの存在をよりリアルに見えるように演出される機能。

「ポケストップスキャン」は3Dマップ作成用にポケストップやジム周辺を10秒程度のパノラマのような写真を撮影してNianticに投稿できる機能。6月上旬からレベルが40以上のプレイヤーが利用可能となり、徐々に全てのプレイヤーに公開される。

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Image Credit:PokémonGo

話題のポイント:「ポケモンが見える」で始まったポケモンGOは、GOスナップショットで「ポケモンといる」という体験に変わりました。そして実装がすでに発表されている「Buddy Advebture」、今回の「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」でポケモンがパーソナルを象徴するものとして認識され、ポケモンがいる拡張現実と現実の境界線が曖昧で意識させない未来に近づいています。

ARのユースケースとして商業的にリードしてきたポケモンGOですが、ARを主機能とすることを意図的に避けてきました。歩きスマホやプライバシーの観点から指摘もありますが、むしろゲームにとってARがベストプラクティスとなるシチュエーションを見極め続けている印象です。

Niantic CEOのJohn Hanke氏によると、ポケモンGOユーザーのARプレイ時間はおよそ2〜 3分。この時間にプレイヤーは何しているのか調べてみると、ゲットしたポケモンと一緒に写真を撮ることに使われていることが発覚しました。ユーザーが自発的に行っていた行動をゲーム内機能として正式にフォローしたのがGOスナップショットです。

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BuddyChallenge の大賞2作品・Image Credit:PokémonGo

GOスナップショットでは好きな場所にモンスターボールを投げてポケモンを出し、近づいたり、一歩引いたり、回りこんだりしながら数タップでAR写真を撮ることできます。ポケモンが彩る日常の魅力は実際見てもらった方が良いと思うので、是非Twitter、Instagramで #GOsnapshot または #BuddyChallenge と検索して投稿された写真を見てみてください。

写真という形でARのユーザー体験をこじ開けたNianticは、次なる一手として協調的な拡張を狙って「Buddy Adventure」を実装中です。これは一匹のポケモンをバディとして扱える機能をマルチプレイヤー化したもので、最大3人でバディを交えた写真を撮影することが可能になります。機能はとてもシンプルですが、人と場所をこれまで繋いできたポケモンGOが人と人とを繋ぐ大きな役割を持ちます。

TwitterとMastodonの中間のようなオープンとクローズを柔軟に変化させられるソーシャルネットーワークの側面が増すつつあるのが今のゲームです。自分の内面を可視化するようなバディ機能が共有できるとなると、対人関係の中で納得する見られ方をすることに物凄い労力を払う現代人にとって強烈な引力となるでしょう。

現実世界の満足がデジタル空間と現実の間で起こる、このようなUXを組めるところがNianticの最大の強みです。

そして今回、新たに「ARブレンディング」「ポケストップスキャン」の2つの機能が追加されることが発表されました。コンセプト自体は2018年、技術基盤のオクルージョンの理解と奥行き概念の追加は昨年末から今年の5月までに立て続けに報告されていたものがポケモンIP適用された形です。(6月14日〜19日で開催されるCVPR2020で研究論文発表予定)

 

Video Credit:Niantic

どちらも技術的には機械学習を駆使して如何に2D画像から空間そのものを把握できるのかを追求しているわけですが、AR用途となるとリアルタイム性、座標精度で求められるレベルは非常に高くなります。Facebookもこの分野を盛んに研究していますが、SNS投稿写真やeコマース用途であるため動画適用は示唆する程度に留まっています。

PCで計算されて作り出された2018年のコンセプト動画から早2年。Nianticが運営するテクノロジープラットオーム「Real World Platform」から出てきたこの2つの技術は、スマホでどの程度の精度を実現できているのかは今から楽しみです。

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フードデリバリの「最適ルート」を探せ!ーー需要高まる“物流A/Bテスト”に商機あり

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 withコロナの現在、EC市場が急成長しています。それに伴い、配達サービス強化が急務になりました。人員を最小限にしてオンライン上だけで店舗展開、在庫スペースと配達拠点だけを持つ「バーチャル店舗」の機運が高まっていると感じます。 多くの事業者が、仕入れ・在庫管理・配達だけを担い、オンラインで広告する「…

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Photo by Norma Mortenson on Pexels.com

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

withコロナの現在、EC市場が急成長しています。それに伴い、配達サービス強化が急務になりました。人員を最小限にしてオンライン上だけで店舗展開、在庫スペースと配達拠点だけを持つ「バーチャル店舗」の機運が高まっていると感じます。

多くの事業者が、仕入れ・在庫管理・配達だけを担い、オンラインで広告する「スマート店舗経営」スタイルの良さに気が付くでしょう。この流れは実店舗を持つ大変さを知っている人にとって、不可逆的なトレンドとしてポストコロナでも加速していくかもしれません。

バーチャル店舗と相性が良いのは飲食業界です。たとえばUberEats上で商品を販売し、実店舗を持たず、配達拠点を兼ねたキッチンだけを所有・もしくは賃貸する業態が普及しようとしています。店員の人件費を削ることで効率的な事業運営が可能となりました。こうした業態は「バーチャルレストラン」「ゴーストレストラン」と呼ばれています。

グローバルフードデリバリー市場は2019年時点で1,074億ドル規模です。2020年には1,113億ドルにまで成長すると試算されています。「UberEats」「DoorDash」「GrubHub」「Postmates」の台頭と共に、世界中で配達ボリュームが増えている証左とも言えます。多くの飲食事業者がこうしたプラットフォームに加わり、店舗のバーチャル化を図ることは間違いありません。

参加事業者数が増えることは喜ばしいですが、プラットフォーム側は配達網の最適化に対する課題を新たに抱えています。

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Image Credit:nextmv

配達プラットフォーム企業が物流事業を運営する場合、その事業がどのように機能するかについて、細かくルールを決める意思決定アルゴリズムを構築する必要が出てきます。

TechCrunchで紹介された例ですが、たとえば業務を最適化するために、注文レストランに最も近いドライバーが食品を配達すべきだというルールを敷くとします。そうすると、近くにある別のレストランが一定の時間内に注文を受ける可能性が高いので、ドライバーは5分待ってから配達に向かうべきだという規定を追加することもするかもしれません。

これらのルールは、時間帯、場所、または何百もの他の要因に基づいて変更されることがあります。最終的にこの意思決定モデルは、規模が大きくなるとかなり複雑になります。コントロールできなくなる可能性が出てくるのです。

そこで登場したのが「nextmv」です。同社は「オペレーションズリサーチ」「Decision Science」の分野で活躍するスタートアップで、この分野はビジネス上の問題(多くの場合、複雑なオペレーション)に数学的モデルを適用します。

nextmvはオペレーションリサーチを活用して、主にフードデリバリー市場に参入しています。利用企業が自社独自の物流アルゴリズムを構築できるサービスを提供しているのです。膨大な量のデータを用いながらA/Bテストの要領でシミュレーションをおこない、先述したような意思決定のルールを作り出すことができます。

同社が参入するグローバルサプライチェーン分析市場は2018年で34.6億ドル規模です。2025年には98.75億ドルにまで成長する見込みです。年平均成長率は16.4%と試算されています。

もともと、オペレーションリサーチは、食材が届くまでの最適な配送ルート選択の自動化、医療スタッフのための最適なシフトスケジュール管理、サプライチェーンにおける価格設定などあらゆる分野に応用が効きます。しかし、現実では軍・防衛産業に人材を採られており、他の市場にあまりノウハウや知見、サービスが降りてきていませんでした。そこで高いシミュレーション技術をフード配達へと応用したのがnextmvとなります。

あらゆるモノがビッグデータとして分析・活用されていく現代。天候や交通情報、スタッフシフト構成、注文状況および事前予測から最適な配達ルートを常に導き出す、「フード配達版ナビゲーションシステム」に注目が集まるでしょう。単なるルート選択ではなく、個々の事情においてベストなルート選択を提案する、新たなGoogle Mapが求められているとも言えます。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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アフターコロナの不動産テック【ゲスト寄稿】

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本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿) This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The …

mark-bivens_portrait本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The original English article is available here on The Bridge English edition.


私が以前記した通り、不動産テックの分野でイノベーションに取り組んでいるスタートアップにとって、日本市場の魅力が増していると考えます。プロパティ管理ツール、建設テック、ブロックチェーンを利用した不動産のソリューション、オフィス・住宅のマーケットプレイスなど、さまざまな分野で需要があります。

そうした中、今回の新型コロナウイルスの影響で、不動産開発業者のイノベーション創出への意欲がますます向上しているように思えます。このトピックについて、アーリーステージのプロップテック企業への投資に特化した、ベンチャーキャピタルの Agya Ventures が見解をまとめました(私も Agya にベンチャーパートナーとして参加しています)。

下記は、当件に関する Agya の「新型コロナウイルス後の世界の不動産テック」という分析レポートの抜粋になります。当分析レポート(有料版)へのアクセスを望まれる方は、私に直接ご連絡ください

序章

コロナウイルスのパンデミックは、不動産業界に根本的な変化をもたらしました。小売店の多くは一時閉店となり、モールやオフィスも閑散としています。公共施設なども人影がまばらで、多くの人は自宅で過ごす時間が増えています。コミュニケーションも対面からオンラインへと移行するようになり、コミュニティの定義が変化しています。

当レポートでは、コロナウイルス後の世界で生活がどのようなものとなるのか、またテクノロジーがどのような役割を果たすのかを、不動産の観点からまとめました。具体的には、(1)衛生管理の向上、(2)ソーシャルディスタンス、(3)建物の健全化、(4)モビリティの変革、(5)バーチャル化、(6)家での外食、(7)空間をより幅広い用途に使用、の7つを重要なトレンドとして特定しています。

Image credit: Picalls.com – Aerial view of New York City

衛生管理の向上

衛生管理の水準が向上し、不動産業界全体に影響を及ぼすと予測されます。建物内の各種設備を「非接触化」するテクノロジーを導入することで、テナントがオフィスを安全に利用可能になります。そうした中、今後以下のようなテクノロジーの需要が高まると考えます。

  1. 非接触コントロールシステム:モバイルデータ通信、Bluetooth、Wi-Fi などを利用して、スマートフォンでビルやオフィスへのアクセスが可能になります。また、モバイルで入館パスを送ることによって、フロントデスクや紙による出入管理の必要がなくなります。
  2. 後付け可能な自動開閉ドアシステム: 既存のドアに後付けが可能な自動開閉システムは、オフィス内の接触を避ける対策の一つとして、重要になると予想されます。
  3. エレベーターホログラム:エレベーターのボタンは接触頻度が高く、弊社の考えではホログラムが、直接タッチするボタンの代替となる可能性が高いと見ています。テクノロジーとしてはまだ新しいものとなるため、既存のエレベーターシステムへの統合性が重要となります。
  4. エレベーター音声認識システム:エレベーターのホログラムの他にも、音声認識によるエレベーターの管理システムも存在しており、接触を避けて希望する階を指定することができます。
  5. ロボット清掃機:頻繁に清掃をすることは建物の衛生管理に不可欠ですが、そうした中で、ロボットの重要性が益々増しています。ロボットは既に倉庫や大規模なリテール店では使用されており、赤外線、ジャイロスコープ、超音波、カメラセンサー等、多数の機能を備えています。今後住宅やオフィス向けに小型のロボット清掃機がさらに増えていくものと見込まれます。

ソーシャルディスタンス

今後、従業員がオフィスでの仕事に戻るためには、ソーシャルディスタンスを確保するための対策が取れているということが必須条件となります。それに向けて、オフィスまた建物の管理者にはテクノロジーとデザインの両面において、以下のような変革の取り込みを検討する必要があります。

  1. 建物トラッキングスキャナ:リアルタイムにスペース占有率を測定するセンサーをインストールすることによって、不動産管理者や小売店の経営者は、建物内の人の混雑状況をより適切に把握できるようになります。この占有データとソーシャルディスタンスで推奨されている基準とを比較することで、オフィスや店舗が過密状態になるのを防ぐことができます。
  2. 仕切り: 一般的なオフィススペースや、また近年トレンドとなっていたオープンオフィスなどが、今後6フィート(約2メートル)のスペースを確保するオフィスへと変革する可能性があります。
  3. ウェアラブルデバイス:他の人と一定距離まで接近したときに個人へと警告するデバイスは、人口密度の高い環境で特に注目を集めています。通常、接触追跡アプリはラグ(遅延)が発生することも多く、プライバシーの懸念も伴いますが、そのような懸念に対応した商品も出てきています。

建物の健全化

ハーバード公衆衛生大学院が以前から行っていた「健康的な建物 (healthy building)」についての研究が、新型コロナウイルスの世界でますます重要となっています。今後 LEED(建築物環境性能総合評価システム)に相当する、建物の段階評価システムが一般化すると思われますが、現時点では、例として以下のようなテクノロジーを利用することで健康的な建物の一環になり得ると考えます。

  1. 体温測定カメラシステム:建物を健康に保つ有効な方法の一つとして、新型コロナウイルスの症状がある人を追跡するシステムが存在します。体温追跡カメラの設置は、プライバシーの問題につながる可能性がありますが、不可欠であるとも考えられています。
  2. スマートウィンドウ:自然光を強化し、目の疲れ、頭痛、眠気を軽減、まぶしさや熱を軽減する効果があるスマートウィンドウは、不動産開発業者などから大きな関心を集めています。
  3. 換気システム:換気システムは、「新型コロナウイルス対策において最も効果的なツール」とも見なされており、建物の外から新鮮な空気を取り込むクリーンな換気と、病原菌の拡散を防ぐために気圧を下げるシステムなどが注目されています。
  4. 衛生的な表面:細菌の拡散に抵抗する銅合金の表面や抗菌ポリマーは、今まで主に病院で使用されてきましたが、今後ドアハンドルや手すり用の銅合金の導入といった形で、オフィススペースへの導入が見込まれます。
  5. 瞑想・運動のための空間:心を落ち着かせ、健康の維持をサポートする施設は、健康なビルに必要不可欠です。例として、建物の未使用スペースを利用して、フィットネス空間を作ること等が挙げられます。

モビリティの変革

都市モビリティの選択肢において、短・中期的に大きな変革があると考えます。公共交通機関、地下鉄、配車サービスの代わりとして、歩行や自転車を利用することがより頻繁となると考えます。

  1. 道路の縮小: 特にヨーロッパを中心として、政府機関は空気の汚染が新型コロナウイルスに悪影響を及ぼすということで、私有車の使用を制限しています。イタリアのミラノ市長は特に自動車の使用に反対しています。
  2. 自転車・歩行スペース拡張:ヨーロッパを中心に世界中の都市・政府は、ソーシャルディスタンスの規制のもと、より多くの市民が歩行、もしくは自転車で移動ができるように、歩道や自転車優先レーンを拡張しています。
    • ベルリンでは、コロナ危機に対応するために、ポップアップ自転車レーンを一晩で拡張整備しました。ブリュッセルでは市内中心部全体を自転車や歩行者の優先ゾーンへ、パリでは長距離自転車レーンを9つ設備する計画を迅速に進めています。
  1. 公共交通機関の使用減少:電車に大きく依存している東京やニューヨークなどの都市は、特にラッシュアワーの時間帯に、ソーシャルディスタンスの規制を適用する必要性があります。
    • ミラノでは、1日あたりの電車乗客数を新型コロナウイルス以前の140万人から40万人に制限する予定です。当目標を達成するために、ソーシャルディスタンスの規制に従い地下鉄の駅の床に円を描き、定員に達したときに駅を一時的に閉鎖するなどの処置を取っています。
  1. マイクロモビリティ(e スクーターなど):公共交通機関のオプションが減少し、自転車レーンなどのインフラが拡大している現況において、マイクロモビリティ(e スクーターなど)の需要が増加することが予想されます。特に、都市ごとのニーズに対応し、地方公共団体と協力して取り組むことができる企業が成功していくと考えます。

バーチャル化

不動産のリースとプロパティ管理のバリューチェーンにおいて、様々な点にてテクノロジーの採用が加速することが予想されます。以前は直接訪問や、頻繁に人とのやり取りが必要だった分野でテクノロジーの導入が加速化すると考えられます。

  1. バーチャル内見:今後アパートや家の内見は、ますますオンライン(バーチャル)で行われるようになると予想されます。新型コロナウイルス以前、アメリカではバーチャルからアパート・家を見学する割合は1%程度でしたが、現在は約30%以上の人がバーチャルから見学していることが公表されています。フロアプラン、インタラクティブマップ、VR、ナレーション、ライブパノラマなど、バーチャル見学において機能を充実させている会社ほど、契約成立につなげることができると考えます。
  2. バーチャル賃貸完結サービス:複数の関係者が存在し、書類や交渉が複雑な商業用リース契約に関しても、ワークフロープロセスを自動化するソフトウェアによって、効率化されていきます。
  3. インテリアデザイン:ソフトウェアを使用して、アパートやオフィスのインテリアを設計するといったことが一般化するにつれ、今まで専門家の領域であったインテリア・デザインが一般人の領域に移行しています。
  4. テナントとのコミュニケーション:ビルの管理者は、テナントと丁重にコミュニケーションを取り、安心してオフィスへと戻ることができるように準備をする必要があります。

家での外食

在宅勤務が一般化し、家で過ごす時間が増えるにつれて、宅配サービスの需要が増加しています。当トレンドは、レストラン業界にも当然影響を及ぼし、その他にゴーストキッチンやドローンによる宅配などが重要となってくると考えます。

  1. ゴーストキッチン:「飲食業界のコワーキング」と呼ばれることもあるゴーストキッチンは、ここ数か月間特に注目されています。ゴーストキッチンの会社は、テイクアウトと配達に純粋に焦点を当てた経営のためのキッチンスペースを提供、固定費の削減をサポートしています。
  2. ドローン宅配:宅配の需要の増加に伴い、Uber Eats のような会社の宅配注文がここ数カ月で急激に増加しています。このような需要の増加に伴い、将来的にドローンによる宅配といったオプションが、既存もしくは新たなテクノロジー企業から提供開始されることが予測されます。

空間をより幅広い用途に使用

新型コロナウイルスの問題が明確化した不動産業界にとっての重要な学びの一つとして、日常の空間を、より扱いやすく、柔軟性が高く、社会のニーズに対し迅速に対応可能なものとすべき、ということです。そのような観点で見ると、例として、中・長期的に以下のようなことが重要になると考えます。

  1. ハイブリッド・多目的化:既存のリースの仕組みでは、次世代のニーズにかなっておらず、施設のハイブリッド化・多目的化が重要となると見込まれます。
    • 将来的に、1万平方フィート(約280坪)の飲食施設では、レストランだけでなく、ゴーストキッチン、食品配送会社の倉庫、ポップアップストア、ドローン配送ステーションなどにもスペースを割り当てる必要が生じると考えます。
    • 同様に、既存のテナントには、スペースをさまざまな目的に使用する柔軟性(例:午後はゴーストキッチン、夜間はレストラン等)を与え、特定のユースケースに限定されないトレンドが進むと考えます。
    • そのようなハイブリッド化の需要は強いですが、デザイン、安全性、およびゾーニングなども当然考慮して行う必要があります。
  1. 迅速な建築:技術が進化するにつれて、デベロッパーは、開発にかかる時間を短縮するように要求されています。その際に、技術を自社内で構築するか、もしくはスタートアップと戦略的パートナーシップを結んで技術を取り入れるかの検討が重要となります。
  2. 適応型リユース:このような危機においては、適応性の高い建物が重要となります。例えば、既存の建物を緊急医療施設として再利用(リユース)したりすることが可能となります。
    • ニューヨークのジャビッツセンターがベッド2,900床の病院に改造され、ロンドンの ExCeL 展覧会センターが4,000人の患者を収容する医療施設に変わったのと同様に、適応性のある不動産を考えることで、危機の時の対応はもちろんのこと、社会情勢・テクノロジーのトレンドが変化したとき、柔軟に対応することが可能となります。

まとめ

本稿では、コロナウイルス後の不動産業界のトレンドについての見解をまとめました。要約すると、従業員が徐々にオフィスに戻るにつれて、短期的には衛生状態の向上、ソーシャルディスタンス、建物の健全化などが重要になると考えます。

また、新型コロナウイルスの影響は不動産業界に対し、中・長期的にも及ぶと考えられ、モビリティの変革(車・公共移動手段への影響、そのための町づくり)、リースのハイブリッド化、柔軟性の高い建物などが中・長期的に重要となります。

今現在行き先が不透明な状況ですが、不透明であるからこそ、次世代の成長のためのビジネスを見つけ出し、テクノロジーを活用して成長へとつなげる良い機会となり得ると考えています。

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Facebookの金融戦略:CalibraからNoviへブランド刷新、狙いにはLibraの独立性

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ピックアップ:Welcome to Novi ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。 Noviの具体的なリリース日は明…

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ピックアップ:Welcome to Novi

ニュースサマリー:Facebookは27日、同社のブロックチェーン事業Libraのウォレット開発子会社「Calibra」のリブランドを発表した。新名称は「Novi」とし、ラテン語「”novus”(new)”via”(way)」を由来とする。また、企業ロゴも刷新されている。

Noviの具体的なリリース日は明記されておらず、Libraネットワークのリリースに準ずると示されている。

話題のポイント:Calibraは昨年6月に、グローバル通貨・金融インフラの創造を目指すブロックチェーンプラットフォーム「Libra」におけるデジタルウォレットの役割を目指しプロジェクトが始動していました。

Libra自体は非営利組織の企業連合「Libra Association」として、FacebookやCalibra(現Novi)を含むa16z、TEMASEK、Uberなどが共同運営をしています。反してNoviは、Facebook直属でブロックチェーン事業リードのDavid Marcus氏によってプロジェクトが遂行されています。

 

Noviへのリブランディング背景について同氏は、「confusion」を解消させる目的にあるとしています。まず、上述のようにLibraとCalibraは極端に近似する名前となっていたため、どちらもFacebookによる運営だという誤解が広まっていました。また、CalibraのロゴがモバイルバンクCurrent社の色違いであることなどが指摘されていました。こうした「誤解」を取り除くことき、Libraの独立性を強調していきたい狙いがあるのだと思います。

さて、Libraは4月末にホワイトペーパーをアップデート(Whitepaper v 2.0)し、金融当局からの懸念を回避する方向性を示していました。アップデートされたWhitepaperでは、単一ローカル法廷通貨を担保としたステーブルコインLibra○○(○○ = 各国の法定通貨)の形の採用修正を加えています。これは金融当局に指摘された、複数通貨が入り混じった≋LBRのトランザクション量がスケールした際に、各国金融政策や金融自主権に大きな影響を及ぼすことを考慮した形と言えます(当初の≋LBRも一つの通貨として残り続けます)。

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Libra Whitepaper 2.0

Libraは上述した各国ごとの通貨とペッグしたステーブルコインの例に、米ドル・イギリスポンド・ユーロ( ≋USD, ≋GBP and ≋EUR)を現段階で挙げています。そのため、Noviでは少なくともこれら3通貨は初期リリース時に採用されることになるでしょう。しかし、Noviサイトのアプリインビテーションには、3通貨のみでなく日本円を含む数多くの通貨選択画面があるため、リリース時にはさらに多くの通貨に対応することが見込まれます。

先日リリースした「Facebook Shops」のように、同社はプラットフォーム内におけるペイメントの流動性が活性化される仕組みを着々と作り上げています。Noviは独立アプリとしてリリースされるものの、WhatsAppやMessengerでの利用を想定したインテグレーションが実装される予定です。

加えてNoviは、政府発行IDによるKYC(Know Your Customer)の義務化を徹底することで、AML/CFT対策(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)を講ずることを明示化しています。

Libraが目指すのはセンシティブな金融領域なことに加え、親会社Facebookが社会的に問われるプライバシー問題など、解決しなければならない課題は山積みです。また、KYCフローを導入することによるプライバシー情報の一極集中化など、対策への対策が必要な状況が続いています。ただ着実に、法の整備に沿いつつLibra構想が前進していることは間違いありません。

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短期集中プログラミングスクール「テックキャンプ」運営のdiv、シリーズCラウンドで18.3億円を調達—Eight Roadsや森トラストなどから

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<29日11時更新> 2020年3月の名称変更のため、「TECH::CAMP」を「テックキャンプ」に訂正。 <29日17時更新> 「ウィーンの森-VLI ベンチャー育成(ファンド名)」を、「ベンチャーラボインベストメント(GP 名)」に訂正。 エンジニア養成スクール「テックキャンプ」を運営する div(ディヴ)は29日、シリーズ C ラウンドで18.3億円を調達したと発表した。このラウンドは Ei…

「テックキャンプ」丸の内校
Image credit: div

<29日11時更新> 2020年3月の名称変更のため、「TECH::CAMP」を「テックキャンプ」に訂正。

<29日17時更新> 「ウィーンの森-VLI ベンチャー育成(ファンド名)」を、「ベンチャーラボインベストメント(GP 名)」に訂正。

エンジニア養成スクール「テックキャンプ」を運営する div(ディヴ)は29日、シリーズ C ラウンドで18.3億円を調達したと発表した。このラウンドは Eight Roads Ventures Japan がリードインベスターを務め、森トラスト、NEC キャピタルソリューション、SMBC ベンチャーキャピタル、ドリームインキュベータ、ナント CVC(南都銀行とベンチャーラボインベストメントが運営)、ベンチャーラボインベストメント、森正文氏が参加した。

今回の金額には、商工中金ときらぼし銀行からの借り入れが含まれる。div にとっては、2億円を調達した2017年のシリーズ A ラウンド、10.8億円を調達した昨年のシリーズ B ラウンドに続くものだ。累積調達額は明らかになっているものだけで30.1億円。

div は今回調達した資金を使って、テックキャンプの教室拠点や講師を増やす。同社は現在、東京・大阪・名古屋・福岡でテックキャンプを展開しているが、営業地域を拡大するというよりは、むしろ各拠点の増床を図るようだ。その先駆けとして、今月には、400席を擁する丸の内校を新たにオープンしている。

「テックキャンプ」丸の内校
Image credit: div

エンジニア人材の供給不足が叫ばれる中で、他の職業からエンジニアへの転身を目指してテックキャンプの門を叩く人の数は増えていて、現在までの受講者数は累積2万人以上。その人気の背景には、転職コースを選んだ人のうち、受講後に99.5%(2020年現在)は転職先が決まるという圧倒的な就職率の高さがある。この1年間は特に高い年齢層やパソコンを触ったことが無い人の受講が増えたそうだ。

教室で実践学習するというスタイルをとる以上、新型コロナウイルスの影響は少なからず出ているが、事業内容へのインパクトは限定的のようだ。

オンラインでの講義も実施しているが、オンラインではやりきれない人も多いため、教室に集まり、同じ目標を持った人たちで切磋琢磨してやっていこうというスタイルを維持している。

感染拡大のピーク時は、少し時間を置いてから受講を再開しようとする人も多かったが、少しずつ戻ってきている。テックキャンプは学べる場の提供という価値で成長してきているので、増床ペースが変わることがあっても、完全にオンラインにシフトすることは無いだろう。(取締役 新保麻粋氏)

この分野では、BRIDGE でも取り上げた「TechBowl」や「Graspy」などのほか、DMM が買収した「WEBCAMP」やユナイテッドが買収した「TechAcademy」らがしのぎを削っている。

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トイエイトHD、クオンタムリープVとアルコパートナーズからプレシード調達——東南アジアで子供の才能の見える化サービスを展開

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<29日17時更新> Mahender Singh 氏の MIT における経歴を訂正。 トイエイトホールディングス(以下、トイエイトと略す)は29日、プレシードラウンドでクオンタムリープベンチャーズとアルコパートナーズから資金調達したと発表した。調達金額は非開示だが、数千万円程度と見られる。なお、これは先週組成が発表されたクオンタムリープベンチャーズにとって初号案件となる。 トイエイトは、東南アジ…

左から:CEO 石橋正樹氏、CTO Mahender Singh 氏、CCO 松坂俊氏
Image credit: Toyeight Holdings

<29日17時更新> Mahender Singh 氏の MIT における経歴を訂正。

トイエイトホールディングス(以下、トイエイトと略す)は29日、プレシードラウンドでクオンタムリープベンチャーズとアルコパートナーズから資金調達したと発表した。調達金額は非開示だが、数千万円程度と見られる。なお、これは先週組成が発表されたクオンタムリープベンチャーズにとって初号案件となる。

トイエイトは、東南アジアでビューティービジネスの立ち上げや JETRO の現地コーディネーターを歴任した石橋正樹氏(現在 CEO)、マサチューセッツ工科大学元教授の元プロジェクトディレクターで MISI(Malaysia Institute for Supply Chain Innovation)創立学長の Mahender Singh 氏(現在 CTO)、McCann Erickson 出身の松坂俊氏(現在 CCO)により設立。

東南アジアでは子供に金をかけ良い教育を受けさせようという風潮はあるが、教育環境はそれに追いついていないのが現状。教員の給与がメイドよりも安かったり、教育施設への資金が汚職の温床となっていたりする。学校教育への不満の受け皿として、日本から進出した私塾チェーンなども人気を集めている。

Multiple Intelligences 理論(多重知能理論)
Image credit: Toyeight Holdings

そのような中、どのような教育を施していいかわからない親に向けて、トイエイトは Multiple Intelligences 理論(多重知能理論)に基づいたプロダクトの開発を行っている。人間の能力のうち IQ で測れるものは限定的で、人それぞれにおいて発達度合いが異なり、8つの異なる知性を理解して育てることが必要、というものだ。子供の教育においては、その子の持つ知的能力を親が的確に理解し教育につなげようというアプローチである。

この構想の実現のために、トイエイトでは「TOY8 BOX」と「TOY8」という2つの事業に着手している。TOY8 BOX は独自センシングや AI を用いて子供の才能を分析し、各人に最適化された知育セットが毎月届くサブスクリプションサービス。TOY8 は、ショッピングモール内に開設した遊び場(playground)で、子供を遊ばせながら子供が持つ才能がわかるサービスの提供。

さらに日本では、親が研究員となって子供の才能発見のための遊びを開発するオンラインサロン「こどもの才能発見 LAB」を運営している。

開発中のサービスイメージ
Image credit: Toyeight Holdings

トイエイトでは、これまでに TOY8 の PoC をマレーシアや中国のショッピングモールで複数回にわたり展開。新型コロナウイルス収束を見計らって、年間300万人が訪れるマレーシア・クアラルンプール市内のハイエンド・ショッピングモール「THE GARDEN MALL」内に TOY8 の正式ローンチを予定している。TOY8 BOX は最終的なプロダクトマーケットフィット中で、次なる資金調達を経て、来年初頭の正式リリースを目指す。

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和歌山のglafit(グラフィット)、立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」の国内クラウドファンディングを開始

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和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)が Makuake に登場したのは3年前のこと。同社初となる電動ハイブリッドバイク「GFRー01」は、クラウドファンディングで当初目標の15倍に相当する約4,700万円を集めるほどの人気だった。今年年初の CES(Consumer Electronics Show)では、同社2つ目となる立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」を公開し、…

「X-Scooter LOM」
Image credit: Glafit

和歌山発のバイクメーカー glafit(グラフィット)が Makuake に登場したのは3年前のこと。同社初となる電動ハイブリッドバイク「GFRー01」は、クラウドファンディングで当初目標の15倍に相当する約4,700万円を集めるほどの人気だった。今年年初の CES(Consumer Electronics Show)では、同社2つ目となる立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」を公開し、アメリカ市場展開を念頭に Kickstarter でクラウドファンディングを始めたが、その後新型コロナウイルスの影響で断念した。

一方、日本は緊急事態宣言も解除され、油断は大敵ながら一時期の感染拡大のピークは乗り越えたように見える。感染予防の観点から満員電車での通勤を避けることが求められるようになる中、今週には LUUP が小型電動アシスト自転車のシェアサイクルを当初予定より前倒しでサービスを始めるなど、モビリティスタートアップの動きが活発化しつつある。そのような状況下で、glafit からも新たなニュースだ。X-SCOOTER LOM を日本先行でクラウドファンディング・販売開始するというのだ。

世界的に見て、ラストワンマイル分野には多くの電動キックボードが参入しているが、環境面、交通安全面、商業採算面から言って課題は少なくない。特に日本国内では「原動機付き自転車」の扱いになるも関わらず、国内で乗られている多くの電動キックボードが保安基準を満たしておらず、原付登録をしていない状態の違法なものが多いという。glafit では X-SCOOTER LOM について、「電動キックボードのように気軽に乗れるモビリティで、環境と安全性への配慮を十分に考慮した」と開発の経緯を説明する。

X-SCOOTER LOM は第一種原動機付自転車(排気量50cc以下)で、ステップに跨り立ち乗りで運転するスクーター。安定性と操作性を追求していて、段差や石畳みなどのデコボコ道にも対応できるという。一回の充電で約40km、最大時速25km以上で走行できる。専用アプリでバッテリ残量や航続可能距離が確認できるほか、キーシェア機能により、家族や友人とのシェア利用も可能だ。制動機能には、誤操作しにくいブレーキレバーとディスクブレーキを採用している。

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