BRIDGE

Search GMIC

Alibaba(阿里巴巴)がイスラエルのQRコード作成スタートアップVisualeadへ出資

SHARE:

Alibaba(阿里巴巴)はクールなQRコードをユーザが作成できるサービスを提供するイスラエルのスタートアップVisualead(視覚碼)に対し、シリーズBラウンドの出資を行うと発表した。Alibabaによる出資の規模は明らかにされていないが、CrunchBaseによれば、Visualeadが以前調達した金額は240万米ドルだったという。 <関連記事> GMIC Day1: グロースステージで披露…

visualead-720x405

Alibaba(阿里巴巴)はクールなQRコードをユーザが作成できるサービスを提供するイスラエルのスタートアップVisualead(視覚碼)に対し、シリーズBラウンドの出資を行うと発表した。Alibabaによる出資の規模は明らかにされていないが、CrunchBaseによれば、Visualeadが以前調達した金額は240万米ドルだったという。

<関連記事>

Visualead のサービスを使うと従来の白黒のものでなく、背景に馴染みやすいQRコードを作成することができる。同社のウェブサービスを利用してユーザが画像をアップロードし、URLを入力することでその画像に組み込まれた形でQRコードが生成される。作成するQRコードの数に応じて複数の料金プランから選択することができる。

Visualead の中国参入は今回が初めてではない。2014年5月には、同社は中国のFacebookとも言われ一時ブームとなったRenren(人人)とも提携しており、また上海に事務所を構え数名の中国人スタッフが在籍している。さらに同社ウェブサイトには会社ロゴが英語と中国語で表示されていることからみても、ターゲットとしているマーケットがどこなのか一目瞭然だろう。

Visualead のリリースによれば、Alibabaは同社が提供するTaobao(淘宝)やTmall(天猫)の出店者のマーケティング戦略にVisualeadを組み込めるようサポートするという。この中国のeコマース最大手であるAlibabaでは、荷物の追跡やマーケティング活動などあらゆる目的のために事業者がQRコードを生成できるMashangtao(碼上淘) という独自のQRコード事業も行っている。

AlibabaグループのMashangtao技術サービス部長 Zhang Kuo(張闊)氏は声明で次のように述べた。

Visualeadの主要サービスであるビジュアルQRコードの技術は、私たちのモバイルマーケティング戦略に貢献するとともに、私たちが中国においてO2Oブームを活用する力を高めてくれるでしょう。

Alibaba はこれまで2年間にわたり、多くの海外スタートアップに出資をしてきた。出資したいくつかの案件には、一般の人たちが気付くような成果が全く出ていないものがある。他の案件はもっと規模の大きなコラボレーションのようだ。AlibabaがQuixeyに出資すると、Mountain View に拠点を置く同スタートアップの初期のアプリ内検索技術は、Alibabaのモバイル用OS、Yun OS(阿里雲OS)に搭載された。AlibabaはQuixeyが上手く製品の調整ができるよう、実際には、傘下のUCWebやYouku(優酷)など多くの企業のテストベッドを大量に提供している。

この出資はまだ発表されたばかりだが、この時点で同様の道をたどりそうだ。中国のインターネット大手は、モバイル機器を利用したマーケティングや決済行動を店頭でショッピングする行動につなげるO2O技術に対し、積極的に出資している。Alibabaは中国ではeコマースやオンライン決済分野で主導的な役割を果たしている。Alibabaの最近の発表によると、同社のサードパーティーが運営する決済サービスAlipayの取引の54%はモバイル機器を利用したものだった。同社はAlipayのモバイルアプリAlipay Wallet(支付宝銭包)を利用しての店頭決済を促進するため、定期的にインセンティブを提供している。

しかし、Alibabaは中国のeコマース分野で優位に立ちながらも、手強いTencent(騰訊)、Baidu(百度)やWanda(万達)などの脅威に直面している。前者のインターネット大手2社は、小売店舗とオンラインショップを1つにすることに拘った合弁事業を不動産系コングロマリットと立ち上げている。3社がどのように事業を行うか詳細はまだ不明だが、Tencentのソーシャルネットワークでの優位性やeコマースに対する熱い思いは、AlibabaのAlipay Walletに対する熱い思いとも重なりそうだ。AlibabaはVisualeadのような企業に出資することでベンダーとのつながりを維持することができ、またそれが顧客離れを食い止めることにもつながっている。

ちなみに、AlibabaによるVisualeadとの取引は、同社にとってはイスラエル企業に対する初めての資本参加となる(参考までに、QuixeyやTangoの設立者はイスラエルとつながりをもっている)。しかし中国の出資者たちは、現在、周りに同調してイスラエルに対して強気にふるまっているだけである。Wall Street Journal9月号の記事によると、Lenovo(連想)、Ping An Ventures(平安創新)およびYongjin group(涌金集団)はそれぞれイスラエル企業に限定してベンチャーファンドを設立した。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

IVP LP Summit(後編)〜中関村で成長を続けるテックメディア36Kr、中国版UberのYongche(易到)、インキュベーション・スペースtheNode(極地)を訪ねて

SHARE:

夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。前編に引き続き、今回はその後編である。 36kr(36気) 3…

innoway

夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。前編に引き続き、今回はその後編である。

36kr(36気)

36kr-models

36Kr(36気)はかつて TechTemple をベースに活動していたが、スタッフが増えて TechTemple には収まりきらなくなり、北京の秋葉原の異名を持つ、Zhongguancun(中関村)」近くにインキュベーション・スペースを「Kr Space(気空間)」開設し、自らもその中に入居した。

Kr Space が面する通り(本稿トップの写真)には、北京の起業家の溜まり場としては老舗の Garage Cafe(車庫珈琲)があり、筆者もこれまでに何度となく訪れているエリアだ。数ヶ月前、この通りには中国政府の肝入りで名前が付けられ、その名も起業のハブを意味する Z-Innoway(中関村創業大街)と呼ばれるようになった。以前、ロンドンの TechCity についても触れたが、新しい名前を冠することでスタートアップ・ハブ形成のきっかけになるのは、よくあることである。

36Kr が中国内外のニュースを配信し続けていることは以前と変わらないが、今年の5月に気加という名の起業家向け資金調達サイトをオープンさせた。言わば、AngelList(関連記事)の中国版だ。気加を通して、年内には120のスタートアップが合計140億円相当を調達できるだろうと、36気 CEO CC Liu(劉成城)氏は語ってくれた。

36kr-ccliu-briefing

36Kr には、「THE BRIDGE Data」のような、スタートアップのデータベースが存在しており、ここには会社やチーム単位ではないが、プロジェクトの数によるカウントで毎月5,000件が登録されている。シリコンバレーを除けば、中国は世界で2番目にスタートアップが多い国なので当然の成り行きだが(関連記事)、日本のスタートアップ・シーンの10倍以上の勢いには圧倒される。Xiaomi(小米)の隆盛に象徴されるように、Google や Facebook の次を担う会社が中国から出てくるかもしれないという展望は、このような数値にも裏打ちされているのだ。

36kr-entrance

Yongche(易到)

yongche-entrance-1

IVP の LP Summit では、投資先のみならず、その時々の旬な中国企業の訪問を織り込んでくれるのも、筆者が参加を楽しみにしている理由の一つである。1年前は Baidu(百度)と Xiaomi(小米)、半年前は Tencent(騰訊)Haxlr8r、そして、今回は中国版 Uber の異名をとる Yongche (易到)だ。

<関連記事>

Yongche は73都市5カ国で展開しており、Yongche を利用するパートナー企業(≒タクシー会社)は1,200社。パートナー企業を通じて擁する車両は5,000台に上り、中国国内であれば、ほぼどの街でも利用することができる。

yongche-briefing-2

中国では人口の多さに比べると、車の台数はまだまだ少ない。そこには大きな市場可能性があるが、レンタカー会社は中小が多く、単独では大体的にサービスを提供できないため、そこの Yongche のようなサービスがプラットフォームとして存在する意義が生まれる。

中国には Didi Dache(嘀嘀打車)のような類似サービスも存在するが、Didi はハイヤーのブッキングサービスであり(…という点では、Didi の方が Uber のモデルに近い)、Yongche はより一般消費者の日常的な需要を狙っているようだ。例えば、タクシーが重宝する天気の悪い日の場合、他のタクシーサービスでは予約を試みても4〜5割くらいの確率でしか配車されないが、Yongche では9割くらいの確率で車が呼べる。

とはいえ、同社では数の論理のみならず、運転手の質の維持にも注力しており、Yongche を経由して配車を受け取るには、運転手が事前に Yongche のテストを受けに来て合格する必要がある。アプリでは、自分のお気に入りの運転手を登録できるのに加え、ユーザの嗜好にあった運転手がリコメンドされる機能も存在する。また、アプリ上で運転手と直接チャットできるようになっているのも、Uber など既存サービスとの大きな違いだ。

yongche-briefing-1

Yongche はサードパーティーとの連携も積極的で、例えば、ホテルアプリや空港アプリなどからもブッキングできる。先ごろ、Uber ではサンフランシスコ空港のアプリと連携できるようになったようだが、Yongche の方が先んじていることになる。「人が車を待つのではなく、車が人を待つ」ようにするというのが、Yongche のコンセプトだ。

<関連記事>

Uber などは、世界の各所で市場参入に際し、地元のタクシー会社や運転手の労働組合などとの調整に手間取っている。他方、中国では、需要が供給を圧倒的に上回っているという情勢がプラスに働き、この種のサービスの成長の勢いは留まるところを知らない。サービスの利便性という点からも、今後、欧米の類似サービスよりも使いやすいものになるかもしれない。

yongche-entrance-2

theNode(極地)

IVP LP Summit のアジェンダが一通り終わり、東京に戻るフライトまで少し時間があったので、筆者はメディアパートナーの Technode(動点科技)の運営するインキュベーション・スペース theNode(極地)を訪れてみることにした。中国最大のテックイベント GMIC でコミュニティ・マネージャーを務める Vallabh Rao から、theNode を訪れてみるように強く勧められていたからだ(ちなみに、このとき Vallabh は GMIC Bangalore の開催のためインドに出張していて、北京では会えなかった)。

<関連記事>

751-overview-1

751-overview-2

北京の東の玄関口 Dongzhimen(東直門)駅、東京で言えばさながら上野駅みたいなところであるが、そこからバスに乗って30分位かかるので、お世辞にも交通の便が良いとはいえないが、もとは工場群だった跡地に751芸術区というゾーンが広がっていて、その中に theNode は存在する。751芸術区の中には、ミニシアターや夜遅くまで営業しているおしゃれなレストランやカフェが多数存在しているので、都会の喧騒を離れてサービスの開発に励みたいスタートアップにとっては、好立地なのかもしれない。

thenode-exterior

taihuoniao-entrance

theNode に入ると、Technode のライターで Blair Zuo(左鶴)女史が theNode の中を案内してくれた。実は、Technode の北京のオフィスもここに存在するのだ。

theNode の中には多くのスタートアップが拠点を置いていたが、残念ながら彼らと話をする時間はなかった。しかし、その中でも特に興味深いビジネスを営むスタートアップとして紹介されたのが「Taihuoniao(太火鳥)」だ。Taihuoniao は IoT のクラウドファンディングサイトで、theNode の中では今、一番乗りに乗っているスタートアップなのだそうだ。Zuo 女史の話では、どうやら、アイデアの投稿だけすれば、資金調達のみならず生産も Taihuoniao が代行してくれるメニューもあるらしい。いくつかの点で、中国における既存のクラウドファンディングサイト「Demohour(点名時間)」などとは差別化を図っていると思われるが、次回訪問の折に詳しい話を聞いてみることにしよう。

thenode-entrance


IVP では日本のスタートアップ・シーンの風物詩となった Infinity Venture Summit 2014 Fall Kyoto を12月3日〜4日に開催するが、スタートアップが新サービスを発表できるセッション LaunchPad への登壇する起業家を募集している。締切は今日10月31日なので、興味のある人は急いでほしい。

Dolphin BrowserがAndroid/iOS向けに新版をリリース——日本法人代表・須賀正明氏に聞いた将来戦略

SHARE:

Dolphin Browser(ドルフィンブラウザ)については、ここしばらくニュースを聞いていなかった。開発元の MoboTap が、中国のインターネット大手 Sohu(捜狐)系のゲーム・デベロッパ ChangYou(暢遊、NASDAQ:CYOU)に買収されたことは記憶に新しいが、ここしばらくは、肝心のアプリについてメジャーアップデートの話はなかった。 <関連記事> 日本のPhroniが、Dolp…

dolphin-browser_featuredimage2

Dolphin Browser(ドルフィンブラウザ)については、ここしばらくニュースを聞いていなかった。開発元の MoboTap が、中国のインターネット大手 Sohu(捜狐)系のゲーム・デベロッパ ChangYou(暢遊、NASDAQ:CYOU)買収されたことは記憶に新しいが、ここしばらくは、肝心のアプリについてメジャーアップデートの話はなかった。

<関連記事>

今月に入って、Dolphin Browser は Android 向けに v11.2.6JPiOS 向けに v7.7 をリリースした。実はこれに先立ち、Android 向けについては、Google Play における段階的公開機能 staged rollout を使って9月に v11 がリリースされている。v11.2.6JP は v11 のユーザフィードバックを受けてマイナーアップデートされたAndroid 版で、その UX が iOS 8 / iPhone 6 / iPhone 6 Plus 対応環境に反映されたのが v.7.7 と言える。

今回のバージョンで実施されたのは、ユーザからのフィードバックによる UI/UX の改善。この一言に尽きるだろう。

Dolphin Browser はモバイル先進国、発展途上国、いずれの地域でも利用されているが、総じてユーザの声からは、画面に表示される文字をできるだけ少なくした方が見やすい、というものだった。

また、以前のバージョンでは、ブラウザタブは普段は隠れていて、スクロールアップしてサイト上部にのみ表示されていたが、直前のバージョンでは常時表示されるようになり、ユーザからは邪魔だという意見が多数寄せられた。これを受けて、ブラウザタブの表示状態を任意に設定できる「タブオフ機能」を追加、画面スワイプでブックマークできる機能も、ユーザの期待に応える形で新版で復活となった。

dolphin-browser_android_screenshot dolphin-browser_ios6_screenshot
左:Android 版 v11.2.6JP、右:iOS 版 v7.7
 

往々にして一度廃止した機能を復活させるのは、プロダクトの開発責任者からすれば勇気の求められる行為だろうが、今回の機能追加や復活を見る限り、Dolphin Browser がどこまでもユーザの声に真摯である姿勢が見て取れる。

加えて、これまではアドオンとして提供されていた「ナイトモード機能」も、アプリ側でネイティブ実装された。暗い場所などで、液晶の青色の発色を見たりすると目に負担をかけると言われるが、UI/UX のみならず、ユーザに対する健康面でも、デフォルトで配慮がなされたことになる。

ChangYou(暢遊)の買収が持つ意味

changyou_dophin_logos

Dolphin Browser を開発する MoboTap は、北京の Startup Weekend から生まれたスタートアップで、現在はサンフランシスコに本社を置いている。日本で Dolphin Browser をマーケティングするドルフィン・ブラウザ株式会社(以下、日本法人)は、Mobotap とベンチャーキャピタル Infinity Venture Partners によるジョイントベンチャーだ。

先ごろ、中国のゲーム・デベロッパ ChangYou が MoboTap を買収したが、日本法人にとって ChangYou は Grand Parent Company(日本語で何と表現するのか不明)なので、直接的な資本関係は存在しない。そのような背景を考えれば、ChangYou の買収話を日本法人代表である須賀正明氏に尋ねるのは酷なのだが、彼は私の質問に快く答えてくれた。

masaaki-suga_portrait
代表取締役 須賀正明氏

中国のゲーム・デベロッパ市場は、リソースの著しい消耗が強いられる激戦区だ(関連記事)。

そんな中で、Sohu(捜狐)/ChangYou(暢遊)陣営がユーザの獲得にあたって、ブラウザをフックにしたいと考えたのだろう。

Dolphin Browser のユーザは、国別に多い順で、アメリカ、中国、日本、ロシア、韓国…と続く。具体的なユーザ数は非公表だが、中国には、アメリカとほぼ同数の Dolphin Browser ユーザが居るため、ユーザに効率的にリーチしたい ChangYou の目には魅力的に映ったのだろう。

UX に重きを置いたローカリゼーション

前出したユーザの多い5カ国を見る限り、スマートフォン人口の多いモバイル先進国をターゲットに置いている感が否めない Dolphin Browser だが、新興国向けのローカリゼーションにも力を入れ始めている。

そのような努力の一つが Dolphin Browser Express で、通信回線の遅い地域でロースペックな端末でも、比較的コンテンツを軽く速く読み込めるように、機能が最適化された Android Browser の派生版だ。対応地域は、ロシア、トルコ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、エジプト、タイ、インドネシア、マレーシア、香港、台湾、ベトナム、フィリピンの15カ国/地域となっている。

Dolphin Browser にとって、日本でのターゲット・ユーザは、これまではどちらかというとアーリーアダプターが主だった。加勢しているグノシーやスマートニュースなどのニュース・キュレーション・アプリも、考えてみれば、一つのモバイル対応ウェブブラウザであり、ユーザの可処分時間をどれだけ占有するかという観点でみれば競合という見方もできる。

日本での今後の展開については、ナビゲーションの機能に力を入れ、キャリアやコンテンツプロバイダとの連携を積極的に進めていくことになるだろうと、須賀氏は語ってくれた。

コンテンツを消費するということに対して、アプリはひもづきやすい。ユーザにとっても利便性が高い。一方、何かから何かへ、接続して他へつながっていくときには、(特定のアプリとかより)ウェブブラウザの方が強いと考えている。

一つの画面で、あらゆる情報にアクセスしてしまおうというアプローチは、必要な機能分だけアイコンをホーム画面に並べるモバイルアプリのコンセプトとは対極的だが、先ごろの KDDI の Syn. の発表にも見られるように、これからのトレンドなのかもしれない。

日本法人では、引き続き、マーケティング担当者、グロースハッカー、エバンジェリストなどを募集しているとのことだ。モバイルの UI/UX を追求したい人にとっては、打ってつけの職場だと言えるだろう。

#GMIC Tokyo 2014: ネット巨人Tencentゲーム部門のトップが語る、中国のモバイルゲーム業界の課題と今後

SHARE:

これは7月11日、東京で開催された GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。 Tencent(騰訊、HK:0700)のゲーム市場に対する取り組みは、4月に Tencent 本社を訪問したときの話でも触れたことがある。GMIC Tokyo には、Tencent のゲーム部門、Tencent Games(騰訊遊戯)副社長の王波(Bo Wang)氏が招かれ、現在直面している課題や今後の展望に…

gmic-tokyo-2014-wangbo-onstage
Tencent Games(騰訊遊戯)副社長 王波(Bo Wang)氏

これは7月11日、東京で開催された GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。

Tencent(騰訊、HK:0700)のゲーム市場に対する取り組みは、4月に Tencent 本社を訪問したときの話でも触れたことがある。GMIC Tokyo には、Tencent のゲーム部門、Tencent Games(騰訊遊戯)副社長の王波(Bo Wang)氏が招かれ、現在直面している課題や今後の展望について、同社の考えを明らかにした。

中国のオフィスや家庭では、速くても 50Mbps くらいのスピードでインターネットに接続していることが一般的だ。日本のゲームタイトルも数多くローカライズされている中国市場だが、4G LTE や高品質のブロードバンド環境を前提とした日本のモバイルゲームをそのまま中国に持ち込んだのでは、ダウンロードの遅さなどから中国のユーザはストレスを感じてしまう。したがって、ゲームの処理機能の一部をサーバサイドから端末サイドに移すなど、ユーザ・エクスペリエンスを損なわないようにするための努力が求められる。

中国のゲームユーザの約8割は30歳以下で、日本では、ゲームユーザの分布が30歳以上にも広がっているとの対照的だ。彼らは一つのゲームに執着することを好まず、テレビ番組をザッピングする感覚で、次から次へと新しいゲームへと移って行く。したがって、中国ではアプリストアにあるゲームの約4割が有料アプリであるにもかかわらず、料金を支払ってくれるユーザは日本の約4分の1と、マネタイズへの道のりは険しい。

gmic-tokyo-2014-wangbo-slide1
中国のゲームユーザのうち、どれくらいが料金を支払っているか。

かつてコンソールゲームやパソコンゲームの時代には存在しなかったが、現在のモバイルゲームの時代に成立している市場のトレンドとして、日本のゲームタイトルの積極的な中国市場への参入が挙げられる。日本で成功したゲームに対する評価は中国でも高いからだ。しかし、彼らとて市場でのパフォーマンスがよいとはまだ言えない。それはおそらく、中国特有のゲームに求められる特徴を捉えきれていないからで、王氏は日本のゲーム・デベロッパが、中国のよいパートナーと協業することを勧めた。

中国ではゲームのプロモーションにテレビCMを使うことができないので(おそらく法律上の制約)、バイラルマーケティングへの注力が求められる。そのためには、あるゲームにおいて、ユーザの友人も同じゲームを楽しんでいることが重要であり、そこでユーザ・コミュニティを形成することがリテンション・レートの改善につながるのだという。

gmic-tokyo-2014-wangbo-slide2
バイラルマーケティングに有効な、ゲームユーザにリーチするためのさまざまなチャネル。

良質なコンテンツを創り出す日本のゲームデベロッパと、ユーザのリテンションやマーケティング戦術に長けた中国のデベロッパが手を組むことで、中国のゲーム市場には大きな花が咲くだろうと語り、王氏はスピーチを締め括った。

gmic-tokyo-2014-wangbo-slide3
中国における、ゲームタイトルとユーザの成長動向。
gmic-tokyo-2014-wangbo-slide4
Tencent が提供する、ゲームでの料金支払を可能にするワンストップ決済ソリューション。

#GMIC Tokyo 2014: セガネットワークス、gumi、Candy Crushの3リーダーが語る、ゲーム・デベロッパのグローバル展開に必要なもの

SHARE:

これは7月11日、東京で開催されている GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。 GMIC Tokyo 2014 の午後のセッションでは、「グローバル化するソーシャルゲームビジネス」と題したパネル・ディスカッションが展開された。パネリストは、 セガネットワークス代表取締役社長CEO 里見明紀氏 株式会社gumi CEO 國光宏尚氏 King Japan CEO 枝廣憲氏 モデレータは …

gmic-tokyo-2014-game-panel_featuredimage
左から:Infinity Venture Partners 田中章雄氏、King Japan 枝廣憲氏、gumi 國光宏尚氏、セガネットワークス 里見治紀氏

これは7月11日、東京で開催されている GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。

GMIC Tokyo 2014 の午後のセッションでは、「グローバル化するソーシャルゲームビジネス」と題したパネル・ディスカッションが展開された。パネリストは、

  • セガネットワークス代表取締役社長CEO 里見明紀氏
  • 株式会社gumi CEO 國光宏尚氏
  • King Japan CEO 枝廣憲氏

モデレータは Infinity Ventures Partners の田中章雄氏が務めた。

このセッションで口火を切ったのは、セガネットワークスの里見氏だ。gumi が先頃、セガネットワークスと提携、WiLから50億円を資金調達したことは、読者の記憶にも新しいだろう。

当社の人気タイトル Chain Chronicle を、中国は Shanda(盛大)、それ以外の海外は gumi に託すことにした。ゲームの世界では、会社が有名だからユーザにダウンロードしてもらえるということはない。一番の理由は、社内に(人的)リソースが足りなかったからだ。当初は欧米のパブリッシャと提携する予定だったが、gumi のシンガポールのチーム(gumi Asia)が魅力的だったので、gumi と提携することにした。(里見氏)

これを受けて、今後の展望を語り始めたのが gumi の國光氏だ。

基本的に JRPG(日本のロールプレイング・ゲーム)好きをターゲットにしてビジネスをしている。フランスにも拠点を設けて開発しているが、ヨーロッパの中でも親日派が多い市場だから。Brave Frontier は世界的にもユーザを獲得できているが、中国市場だけはなかなか手強いと感じている。海外と戦っていくには、100億円程度の資金は無いと攻められない。このクラスの資金調達をできたのが、今後のスタートアップにとっては、よい先行事例になればよいと考えている。(國光氏)

ところで、モデレータを務めた田中氏は普段マカオを拠点に活動しているが、普段、日本に居ない田中氏の目には、テレビのスイッチを入れると、モバイルゲームのCMばかりが流れている日本の状態が希有に映ったようだ。

モバイルゲームの浸透にテレビCMは果たして有効か。(田中氏)

田中氏のこの質問には、パネリストの三人が総じて肯定的な反応を示した。なかでも、興味深いタッチのCMで世間を賑わせている、Candy Crush の開発元 King の枝廣氏はテレビCMの有用性を次のように強調した。

日本はテレビ依存文化。世界の中でも、消費者がテレビに接触している時間が突出して長い国。この接触機会を逃す理由は無い。Candy Crush のCMは日本サイドで考えた。もちろん、(スウェーデンの)本社の人間にも事前に見せているが、こういう細かいところは、ローカルの人間にしかできない部分だと考えている。海外のプレーヤーが日本市場に進出する上では、キメの細かいユーザサポートがカギになるだろう。(枝廣氏)

gumi でも現在、シンガポールの gumi Asia を中心に、セガネットワークスの Chain Chronicle を英語化するローカリゼーションを開発を行っているとのことだが、微妙なコンテキストを伝えなければならない RPG のセリフの翻訳などには、かなり苦労しているようだ。世界を席巻するという野望の裏には、涙ぐましい努力が求められるのである。

gmic-tokyo-2014-game-panel-3persons

#GMIC Tokyo 2014: Cheetah Mobile CEOが語る、世界を席巻し始めた中国のモバイルトレンド

SHARE:

これは7月11日、東京で開催されている GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。グローバルという言葉の定義について、最近、面白い話を耳にした。ITのグローバルセンターはどこかと尋ねられたら、多くの人はシリコンバレーをイメージするだろう。しかし、ここでいう、グローバルの定義は何なのか? もし、最も多くの人がITを使う市場をグローバルセンターと定義するならば、それは中国に他ならない。この考…

sheng-fu-onstage-gmictokyo2014
Cheetah Mobile(猟豹移動)CEO Sheng Fu(伝盛)氏

これは7月11日、東京で開催されている GMIC Tokyo 2014 の取材の一部である。
グローバルという言葉の定義について、最近、面白い話を耳にした。ITのグローバルセンターはどこかと尋ねられたら、多くの人はシリコンバレーをイメージするだろう。しかし、ここでいう、グローバルの定義は何なのか? もし、最も多くの人がITを使う市場をグローバルセンターと定義するならば、それは中国に他ならない。この考え方に沿えば、中国で起きていることこそが、ITのグローバルトレンドなのだと。

中国のテックカンファレンス GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球互連網大会)の東京版として、初めての開催となった11日の GMIC Tokyo 2014 では、Cheetah Mobile(猟豹移動)の CEO Sheng Fu(伝盛)氏が基調講演を行った。

Cheetah Mobile(NYSE:CMCM)が5月8日、ニューヨーク証券取引所に上場したことは記憶に新しい。同社のルーツは、Xiaomi(小米)の創業者 Lei Jun(雷軍) 氏が立ち上げた Kingsoft(金山軟件)に遡る。Kingsoft から分社した Kingsoft Internet Security Software Holdings(金山網路)の流れを汲む会社で、4年間にわたって、セキュリティ分野の事業を展開している。

「中国式の逆襲」と銘打ったこのセッションの中で、伝氏は中国のインターネット企業の優位性を次のように強調した。

我々の会社では、昨年の従業員数は500人でしたが、この1年間で1,500人にまで増えました。増えた1,000人の約8割がR&D部門に就いていますが、アメリカでもこれだけ急激に人材を増やすのは難しいでしょう。中国では大学が多くの優秀な人材を輩出しており、彼らの存在が中国のインターネット企業の成長を支えています。

cheetah-mobile-on-the-3rd

不要なアプリやファイルを削除し、スマートフォンを健全な状態に保ってくれる、Cheetah Mobile のソフトウェア CleanMaster は、全体アクセスの63%が中国国外からもたらされ、世界に1.6億人のユーザを獲得している。アプリ・デベロッパとして、Android と iOS の両方のアプリストアでのダウンロード数の積算では、Facebook と Google に続く3位の座を誇っている。

これまで、中国では Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の三大巨頭(三社の頭文字を取って BAT と呼ぶ)が市場を寡占してきた。伝氏は彼らを〝PC時代のインターネット企業〟と位置づけ、Cheetah Mobile をはじめ、Boyaa Mobile(博雅互動)、3G門戸などモバイルに強い企業が、中国のみならず、世界のインターネットを牽引していくだろうと述べた。

internet-era-vs-mobile-era

中国最大のテックカンファレンスGMICが東京に上陸、渋谷ヒカリエで今週金曜日開催

SHARE:

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから THE BRIDGE は過去数年にわたって、GMIC(Global Internet Mobile Conference/全球移動互連網)の模様を取り上げてきた。GMIC は、中国の有数インターネット企業が立ち上げた団体 GWC(長城会)によって組織される年次イベントで、北京のみならず、シリコンバレーでもサブイベントが…

gmic-tokyo-featuredimage

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

THE BRIDGE は過去数年にわたって、GMIC(Global Internet Mobile Conference/全球移動互連網)の模様を取り上げてきた。GMIC は、中国の有数インターネット企業が立ち上げた団体 GWC(長城会)によって組織される年次イベントで、北京のみならず、シリコンバレーでもサブイベントが開催されている。 今年は初めて GMIC が東京に進出、中国のみならず世界中の起業家やイノベーターが一堂に会し、世界のモバイルの最新動向を参加者と共有する。予定されているスピーカーは次の通りだ(一部)。

  • GMO インターネットグループ CEO 熊谷正寿氏
  • Weibo(微博) CEO 王高飛(Gaofei Wang)氏
  • DeNA CEO 守安功氏
  • LINE COO 出澤剛氏
  • Dianping(大衆点評)共同創業者 龍偉(Edward Long)氏 → 関連記事
  • 慶応大学教授 夏野剛氏
  • ソフトバンクモバイル シニアアドバイザー 松本徹三氏
  • InMobi 共同創業者 Adhay Singhal氏
  • Cheetah Mobile CEO Sheng Fu氏
  • Yelp 新市場担当副社長 Miriam Warren氏

スピーカーやアジェンダの詳細は、GMIC Tokyo のウェブサイトからチェックできる。THE BRIDGE では GMIC Tokyo のメディアパートナーを務め、イベント当日は現地からレポートをお届けする予定だ。 THE BRIDGE の読者には、GMIC Tokyo 入場料金の20%割引が適用される、ディスカウントコードが用意されているので利用してほしい(ディスカウントコードは「OVERSEAkkAlQaq2」。但し、VIPパスに割引は適用されない)。チケットの購入はこちらから

Startup Asia Singapore 2014で披露された、今年有望なスタートアップ10社を一挙ご紹介

SHARE:

さて、先週お伝えした GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)の G-Startup 登壇のスタートアップに引き続き、今週は5月7日〜8日に開催された Startup Asia Singapore のピッチ・セッション Startup Arena に登壇したスタートアップ10社を取り上げる(授賞式の模様は、この記事に書いた)。 なお、Sta…

sua-2014-featuredimage1

さて、先週お伝えした GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)の G-Startup 登壇のスタートアップに引き続き、今週は5月7日〜8日に開催された Startup Asia Singapore のピッチ・セッション Startup Arena に登壇したスタートアップ10社を取り上げる(授賞式の模様は、この記事に書いた)。

なお、Startup Asia は今年初となる Startup Asia Tokyo を9月3日〜4日に開催予定だ。ピッチ・セッションへのエントリ、一般参加へのエントリはこちらから受け付けている

【優勝】Bindo(香港/NY)

Bindo はクラウド・ベースのPOSシステムで、小売店が実店舗のみならず、Eコマースでも商品が販売できるようにするプラットフォームだ。商品管理、商品検索ほか、在庫管理も含めて、オンラインの店舗と、オフラインの店舗を一元管理できることが特徴だ。今回の Startup Arena でのピッチをきっかけに、East Ventures から180万ドルを調達したことでも話題になった。

シボレー賞、Jungle Ventures 賞】Astroscale(シンガポール)

Astroscale は神戸出身のシリアルアントレプレナー岡田光信氏がローンチしたスタートアップだ。会社はシンガポールに登記されている。宇宙空間には、ロケットや人工衛星などの破片がスペース・デブリ(宇宙ゴミ)として多く漂っている。映画「ゼロ・グラビティ」でもテーマとなったように、スペース・デブリは、既にある国際宇宙ステーションや人工衛星の脅威になりかねない。小さな宇宙船(1.5メートルとのこと)を打ち上げ、これを用いて比較的大きなスペース・デブリ300個を大気圏に突入させて燃やしてしまおうというプロジェクトだ。

Global Brain 賞】FaceRecog(シンガポール)

FaceRecog は屋外広告などに付けられる小型のデバイスで、広告の前を通過した人の眼を認識し、年齢、性別、人数等を認識することができる。デバイスで得られた情報はウェブAPIで転送されるので、リアルタイムで Google Analytics で閲覧することができる。


AsliGoli(パキスタン)

AsliGoli は医薬品のトレーサビリティを提供する。以前、パキスタンのインキュベータ Invest2Innovate(別名i2i Accelerator)から輩出されたスタートアップの一つとしても取り上げた

パキスタン国内で実に50%もの医薬品は未認可か基準不足の品質であり、Asli Goli はSMSを通して本格的に医薬品のチェックができる体制を提供している。特定のシリアルナンバーが付いたスクラッチラベルが提携薬局に提供される。店舗にラベル代金の請求をするため消費者の負担はなく、カラチ、ラホール、ファイサラバードの大手ドラッグストアでのテストプロジェクトが予定されている。

MergePay(タイ)

MergePay は消費者向けは、クレジットカードやスマートフォンがあまり普及していないアジア地域向けに独自に決済アプリを提供しており、銀行や電話会社のアカウントを連動させ、超音波を使ってモバイルウォレットに送金することができる。既に世界1.2万社の銀行と接続しているとのことだ。

今回は、店舗向けのツール MergePay Pulse の紹介。POSシステムや各種ハードウェアと連動、帳簿管理が簡単にクラウドで処理できるようにシステムだ。電子マネーと店舗の入出金管理のしくみを一つのプラットフォームに統合する試みは、今後の小売業界のトレンドを標榜しているのかもしれない。

HayStakt(シンガポール)


クラウドファンディング・マーケットプレイスの HayStakt では、購入希望者からのエントリにより価格が決定する。掲げられたプロジェクト=プロダクトに対して、オーダー数が最低生産ロットを超えれば、作品の制作者が生産を始め販売するしくみだ。制作者は最低価格を設定できるが、価格が注文数にあわせて変動するため、従来のクラウドファンディング・サイトに比べ、より柔軟な市場原理を取り入れたプラットフォームと言えるだろう。

Kickstarter や Indiegogo のような、相応の最低生産ロット数が求められるプロダクトに比べ、小ロット受注にならざるを得ないハンドクラフト製品のクラウドファンディングには適しているのかもしれない。

Proxperty(シンガポール)

シンガポールに本拠を置くスタートアップの多くが、市場機会を東南アジア全域に見つけている。シンガポール国内の市場ボリュームはさほど大きくないからだ。しかし、例外があるとすれば、不動産業界と小売店向けの顧客リワードプログラムかもしれない。これらの分野のスタートアップの多くは、シンガポールに根ざし、シンガポールの人々に向けてサービスを提供している。その背景には、この分野特有の地域性の高さがあるのだろう。

Proxperty は不動産屋が不動産を簡単にマーケティングできるようにするサービス。複数の不動産ポータルに横断投稿ができる。特にこのサービスが目指しているのは、不動産屋の内部でのチームのコラボレーションだ。不動産屋のエージェントはその業務の性質上、それぞれの担当者が独立的に動くことが多い。情報を共有しルーティンワークを省力化することで、より効率的な業務運営ができるのではないか、というアプローチ。

日本には、複数のEコマースプラットフォームに出店している事業者向けに、在庫を横断管理できるソリューションがあるが、不動産やホテル業界向けにも、プラットフォーム横断で情報を統合管理し、在庫を横断管理できるしくみが出てくれば面白いかもしれない。

Kairos(韓国)

Kairos は先週の GMIC の登壇スタートアップとしても紹介した。自動巻き腕時計のディスプレイにスマートフォンの着信やフィットネス情報を表示するハイブリッドなスマートウォッチ。スマートウォッチは概して単価の安いものが多い。一方、時計市場全体を見てみると、売上の多くはアナログでラグジュアリーなブランドものが占めている。そこでこれら両方の要素を兼ね備えた、ラグジュアリーなスマートウォッチを作ることで、これまでになかった市場需要を開拓しようとする試み。

StudyPact(日本)

StudyPact は、Open Network Lab から第8期から輩出されたスタートアップで、2月の HackOsaka に登壇したほか、Innovation Weekend のシンガポール予選でも優勝している

同社のサービスでは、ユーザに学習機会の達成を促し、ユーザは掲げた目標を達成できればお金がもらえ、達成できなかったらお金を支払う。例えば、1週間で2時間、英会話の勉強をすることを目標に掲げ、達成できたら5ドルもらえるように設定したとする。達成したら5ドルもらえるが、達成できなかったら5ドルを支払い、この5ドルのうち半分の2.5ドルは応援してくれた他ユーザに分配され、残りの2.5ドルは StudyPact が受け取るしくみだ。

AppVirality(インド)

AppVirality は SDKを入れるだけで、簡単にモバイルアプリのグロースハックが実現できるプラットフォーム。モバイルアプリの A/B テスティングができるほか、アプリ上でユーザに調査を実施してアプリの改善に役立てることもできる。planBCD などとも競合になり得るスタートアップが、東南アジアからも生まれたことになる。

一部筆者の推測を含むが、このアプリの想定ユーザは、モバイルデベロッパのエンジニアというよりはマーケッターであり、マーケティング部門は開発部門の日常業務に影響を与えずに、A/B テスティング、ひいては、ユーザインターフェース(UI)の変更が可能になると考えられる。つまり、この SDK を組み込んだ iOS アプリは事実上、iTunes Store の承認を経ずに UI 変更が可能になるわけで、このあたりのポリシーをどうクリアしているのかは気になる。


いかがだっただろうか。これらのチームが東南アジア各国の市場で成功することを期待したい。

次回は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催された beLAUNCH 2014 のピッチ・セッションに登壇したスタートアップ20チームを紹介する予定だ。

sua-2014-featuredimage2

北京・GMIC 2014で披露された、今年有望なスタートアップ10社を一挙ご紹介

SHARE:

5月〜6月の2ヶ月間は、アジア各国でスタートアップ・カンファレンスが立て続けに開催される。スタートアップを追っかける身としては、息をつく間も無くイベントからイベントへと飛び回る日々だ。少し落ち着いたので、このあたりでひとまず、今年のアジアのスタートアップ・シーンを飾りそうな彼らをレビューしておきたい。 まずは5月5日〜6日に北京で開催された、中国最大のインターネット・カンファレンス GMIC(Gl…

gmic-featuredimage

5月〜6月の2ヶ月間は、アジア各国でスタートアップ・カンファレンスが立て続けに開催される。スタートアップを追っかける身としては、息をつく間も無くイベントからイベントへと飛び回る日々だ。少し落ち着いたので、このあたりでひとまず、今年のアジアのスタートアップ・シーンを飾りそうな彼らをレビューしておきたい。

まずは5月5日〜6日に北京で開催された、中国最大のインターネット・カンファレンス GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)からだ。世界的な IoT(Internet of Things)のトレンドはここにも現れており、会場ではあの Leap Motion の CEO Michael Buckwald も THE BRIDGE のインタビューに答えてくれた。来月には、初となる東京での GMIC も開催されるので、これまで北京のメインイベントに参加できなかった人にとっても、より身近な存在になるだろう。

GMIC には、スタートアップによるピッチ・セッション「G-Startup」が併設されており、世界各国から来中したスタートアップ10チームが凌ぎを削った。彼らの健闘ぶりを見てみることにしよう。

【優勝】FoodLoop(ドイツ)

ウェブサイト

g-startup-winner-foodloop

FoodLoop は、いかにも環境意識が高いドイツを象徴するサービスだ。消費期限が近づいた食品の安売り情報を提供するアプリで、社会全体として食品のムダを無くすことを目的としている。街を歩いていると GPS と連動し、近くのスーパーの安売り情報がプッシュ通知で届けられる。牛乳など、定期的に購入している商品があれば、そのバーコードをスキャンすることで、安売り情報を検索することも可能だ。

Imzhitu/织图 (中国)

ウェブサイト ビデオ

imzhitu-onstage

2012年12月ローンチした、中国版写真共有アプリ。Instagram をさらに発展させたようなアプリで、写真の中に、さらにテーマ別の写真(例えば、ポートレイトの中に撮影場所の説明写真、アクセサリーの写真など)を関連づけて埋込むことができ、インタレスト別に横断でシェアすることができる。Samsung、中国のスマートフォンメーカー「Meizu(魅族)」、China Mobile(中国移動)のビジネスパートナー(おそらく、これらのメーカーやキャリアのスマートフォンにプリインストールされることを目論んでいる)で、50万元(約820万円)のエンジェル投資を受けている。

Viscovery (台湾)

ウェブサイト ビデオ

viscovery-onstage

2008年台湾で設立。画像検索エンジンで、Eコマース、小売等に応用可。画像や文字の認識が早いのが特徴。シンガポールにもオフィスを開設。ここ数回の複数のスタートアップ・カンファレンスで姿を見ているので、今年最も元気のよいスタートアップの一つと言ってよいだろう。日本にも市場参入を計画しており、大手オンライン・ショッピング・モールやEコマース・プラットフォームとの連携が期待されている。この分野では、用途は異なるが、同じく画像検索を使ってコマースを活性化させようとするサービスとして、日本の Brand Pit なども注目を集め始めている。

Monster Castle/怪物城堡(中国)

ウェブサイト ビデオ

monstercastle-onstage

中国・成都の拠点を置くゲーム・デベロッパ Good Team Studio(成都優衆軟件)が開発した、新しいゲームタイトル「Monster Castle」。これまでに iOS / Android 向けに30種近いゲームをリリースしているが、タワーディフェンス型/Sim City 型の両要素を取り込んだ Monster Castle(怪物城堡)というゲームアプリを開発中とのことだ。なお、未確認ではあるが、数年前に既に同名のゲームがデスクトップ向けに公開されており、これのモバイル向けの〝焼き直し〟である可能性もある。

Arrownock/箭扣 (中国)

ビデオ

arrownock-onstage

SMaaS(Social Messaging as a Service)を開発、さまざまなサードパーティーアプリが連携できる、バーティカルなソーシャル・メッセージング・プラットフォームを開発。これにより、アプリ・デベロッパが開発サイクルを効率化し、開発コストを削減することを可能にする。筆者の理解では、Tencent (騰訊)に代表されるインターネット巨人が、中国のソーシャルメディアのみならず、アプリ・デベロッパの市場も寡占しはじめている一方で、これに対抗する勢力として、アプリを開発するスタートアップが、独自にソーシャルメディアの力を最大限に活用して存在感を高めようとする動きの一つにも思える。

Fusawo (デンマーク)

ウェブサイト ビデオ

fusawo-onstage

デンマーク出身のスタートアップと言えば Zendesk が真っ先に頭に浮かぶが、Fusawo はそんなコペンハーゲンのコミュニティで生まれた、子供向けのゲーム・デベロッパだ。子供を外で遊ばせたい親と、アプリを使って遊びたい子供のニーズを引き合わせ、GPS 連動のゲームを開発した。Come Run With Me は Windows Phone 用しか開発されておらず、ユーザのリーチは十分ではない。まだブートストラップ中のフェーズという感じだ。

Kadou/卡都 (中国)

ウェブサイト ビデオ

kaado-onstage

中国で最初のモバイル・ソーシャル・ギフトアプリ。中国版の Giftee と考えてよいだろう。詳細については、以前 THE BRIDGE でもこの記事で取り上げている。現在、iOSとAndroid で利用でき、中国には競合として、類似アプリの Eliquan(e礼券)Wowgift(悦礼)などがある。

Kairos (韓国)

ウェブサイト ビデオ

kairos-onstage

自動巻き腕時計のディスプレイにスマートフォンの着信やフィットネス情報を表示するハイブリッドなスマートウォッチ。スマートウォッチは概して単価の安いものが多い。一方、時計市場全体を見てみると、売上の多くはアナログでラグジュアリーなブランドものが占めている。そこでこれら両方の要素を兼ね備えた、ラグジュアリーなスマートウォッチを作ることで、これまでになかった市場需要を開拓しようとする試み。Kairos も前出の Viscovery 同様、アジア各地で開催されるカンファレンスの随所で目にしており、今年注目されるスタートアップの一つだ。

Puteko (日本)

ウェブサイト ビデオ

puteko-onstage

決して絶対数が多いわけではないが、最近ニュージーランドから日本へ拠点を移して活動を続けるスタートアップが増えているように思える。ニュージーランド人にとっては気候や国民性が似ている上に、世界市場へのアクセスがしやすいというメリットもあるのだろう。Puteko は塗り絵ARのアプリを開発するスタートアップで、昨年の秋に開催された B Dash Camp in Osaka 2013 にも登壇していた。日本に拠点を移したのは功を奏しており、筆者のまわりの小さな子供を持つ友人らに聞いてみても、子供達の間で Puteko のアプリが人気を博し始めているようだ。

Splitforce(中国)

ウェブサイト ビデオ

splitforce-onstage

iOS、Android、Unity アプリ向けの A/B テスティング環境である。中国・大連のインキュベータChinaccelerator(中国加速)出身で、最近複数の投資ファンドやエンジェル投資家から15万ドルを資金調達した。これを機に Splitforce は拠点を北京からニューヨークに移したようだ。この分野では、5Rocks、KAIZEN PlatformUniconシロクなど日韓を中心に多くのプレーヤーがしのぎを削っている。アジア市場は飽和状態にあるため、早々にアメリカ市場に活路を見出すのは賢明なアプローチかもしれない。シリコンバレーではなく、ニューヨークに進出した理由は定かではないが、機会を見つけて、そうした決断の背景について確かめてみたい。


読者におかれては、注目に値するスタートアップは見つけられただろうか。

今回取り上げた10チーム以外にも、Startup Asia Singapore 2014beLAUNCH 2014ECHELON 2014 など、アジア各地で開催されたスタートアップで、合計数十チームにおよび興味深いスタートアップが紹介された。THE BRIDGE では、近日中にそれら全チームを誌上で取り上げる予定だ。ご期待いただきたい。

gmic-everyone-onstage

gmic_bottomimage

韓国最大のスタートアップ・イベント「beLAUNCH 2014」、スタートアップ・バトルの入賞4チームが発表

SHARE:

5月14〜15日の2日間、韓国・ソウルの東大門デザインプラザで、THE BRIDGE のメディアパートナーでもある、韓国のスタートアップメディア beSUCCESS が開催するカンファレンス・イベント「beLAUNCH 2014」が開催された。このうち、スタートアップがピッチで競う「スタートアップ・バトル」のセッションには、韓国はもとより日本や台湾などから20チームが参加した。 彼らが提供するサー…

5月14〜15日の2日間、韓国・ソウルの東大門デザインプラザで、THE BRIDGE のメディアパートナーでもある、韓国のスタートアップメディア beSUCCESS が開催するカンファレンス・イベント「beLAUNCH 2014」が開催された。このうち、スタートアップがピッチで競う「スタートアップ・バトル」のセッションには、韓国はもとより日本や台湾などから20チームが参加した。

彼らが提供するサービスやビジネスモデルについては改めて詳述するが、見事に受賞に輝いたスタートアップは次の通り。

アサンナヌム財団賞

(アサンナヌム財団は、韓国・現代グループの財団である。beLAUNCH の初回開催以降、スポンサーを務めている。賞金2,000万ウォン≒200万円。)

Chin Chin

asan-nanum-award-winner

モバイル・デート・アプリ。独身者同士が知り合うことができる。アプリで紹介された人が好きかどうかを選んび、双方が好きだと相手を選択した場合のみチャットができる。この種類のアプリの中には、一日に一人ずつ相手を紹介する種類のものと、ロケーション・ベースのものが存在するが、それぞれのよい部分をうまく組み合わせており、ユーザの心理的な安心とカップルマッチングまでのスピードと信頼性で差別化しているとのこと。

グローバル・ブレイン賞

(2014年、日本で開催されるグローバル・ブレイン・アライアンス・フォーラムへの招待。)

MangoPlate

global-brain-award-winner

パーソナライズされたグルメ・レコメンデーションをするサービス。ユーザ・リテンションを図りやすいという点で、聴衆からの共感を得た。友人を通じてレストランを発見できるレコメンデーション・アプリ。現在は、ソウル市内のレストランのレコメンドに特化。

B Dash Ventures 賞

(2014年、日本で開催される B Dash Camp への招待)

Keukey

bdash-ventures-award-winner

スマートデバイスで文字入力をしていて、タイプミスに気付いたときに、バックスペースキーを使って修正が必要な箇所まで戻らなくても、文字綴りが修正できるソリューション。単語分析アルゴリズムとあわせ、ユーザが気付いた段階で、正しい単語や文字を入力し画面をドラッグすれば、遡って該当箇所の綴りが修正ができる。現在、海外展開の可能性を模索中。

beGLOBAL シリコンバレー 2014年冬への招待

Notivo

beglobal-award-winner

フラッシュセール、飛行機の遅延、チケットの販売開始など、これから起きることで見逃したくない出来事を事前に登録しておくと、その出来事が起きたときに知らせてくれるアプリ。Notivo エンジンが Yahoo や ESPN など複数のニュースソースを定期的にウェブスクレイピングまたは API 経由でモニタしており、ユーザが知りたい出来事が発生するといち早く知らせてくれる。


受賞した4チームは以上の通りだ。

THE BRIDGE では今後、先週から今週にかけて開催された、GMIC Beijing 2014、Startup Asia Singapore 2014、beLAUNCH 2014 のそれぞれでピッチしたスタートアップの全チームを、2014年のアジアを勢いづけるスタートアップとして、ピッチのビデオ付きで詳しく紹介していく予定だ。乞うご期待。