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第四のスマートスピーカ「Josh.ai」、狙うはハイエンド住宅特化のホームIoT市場

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 GAFAが参入するスマート・ホームスピーカー領域、まだまだ先があるようです。 スマートホーム市場は2018年時点で766億ドル規模。2024年には1,514億ドルにまで、ほぼ倍増する成長市場です。年間平均成長率は12.02%。なかでもスマート・ホームスピーカーで言えば、2018年には52%がAmaz…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

GAFAが参入するスマート・ホームスピーカー領域、まだまだ先があるようです。

スマートホーム市場は2018年時点で766億ドル規模。2024年には1,514億ドルにまで、ほぼ倍増する成長市場です。年間平均成長率は12.02%。なかでもスマート・ホームスピーカーで言えば、2018年には52%がAmazon Alexa、Google Homeが32%、Apple HomePodが12%、その他が4%を占めます

9割以上がGAFAが市場シェアを占めるスマート・ホームスピーカー市場。一般的に、Google Homeに搭載されているGoogle Assistant、Amazon EchoのAlexa、HomePodのSiriを直接相手にするのは、スタートアップにとっては賢明ではない戦略のように思われます。ただ、今回紹介するJosh.aiは競争激しい市場へ参入を果たしています。

デンバーに拠点を置く、家庭向け音声ハードウェアおよびプライバシー重視のAIシステムを開発する「Josh.ai」は4月30日、1100万ドルをシリーズAラウンドで調達したと発表しました。累計調達額は2,200万ドル。出資元の情報は非公開。

Josh.aiは広い敷地を持つ家庭に特化して、独自の音声アシスタントを搭載してある、スマート・ホームスピーカーを含む、IoTシステムを提供しています。照明、音楽、エアコンや暖房、オーディオ/ビジュアル、セキュリティ、家電製品など、家の周りの操作を統合するサービスです。ホームオートメーションシステムは一般的に2.5万ドルから50万ドルのコストがかかりますが、Josh.aiに関しては1万ドルからの価格帯を提示しています。

同社が狙うのは、5,000平方フィート以上の家庭でスマートホームシステムを設置したいニーズです。最近ではホテルやコンドミニアムの建物に導入するなど、商業部門でも事業拡大を狙っているそうですが、卸先の約80~85%は一戸建て住宅。

ハイエンドのスマートホームスピーカー市場プレイヤーは、プロダクトが時代遅れなプロダクトラインナップが並びます。「Crestron」や「Savant」などの大規模なインストールを行う企業は、Nest、Google、Amazon、Appleの製品と競合しており、市場では押され気味。

そこでJosh.aiはシンプルなセットアップかつ広範囲に導入できるスマートホームを提供してます。GAFAにデータを抜かれたくない消費者ニーズも少しずつ高まり、プライバシー対策の高さも評価されているようです。

高所得者層向けに大規模なシステムを設置することで、大口顧客と長期的な関係を築けるようになります。システム運用管理費などの名目で、大きな予算を2Cから引っ張ってくることが可能になります。ニッチな領域でありながら、GAFAに勝つ独自の戦略を採用しています。

日本は中流階級が多く、敷地面積も広い家庭は欧米と比べて限られる印象です。他方、アジア市場全体を見渡すと、中国や東南アジアが所有する広大な住宅が点在しています。こうしたアジアの富裕層をターゲットに、「アジア版Josh.ai」が登場したら面白いかもしれません。不動産企業と組み、スマートホーム化を進められるのであれば、未だ小資本のスタートアップ参入する余地はあるのではないでしょうか。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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ストーリーを語る力

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本稿はPR TIMES STORYからの転載(原文はこちら) スタートアップが物語を語る理由、それは彼らに空気を変える不思議な力があるからです。 参考記事:旅が復活しても、もう違うものになるーーAirbnb「共同創業者からの手紙」が大切にしたもの 例えば新型コロナウィルスで大打撃を被ったAirbnbの共同創業者、Brian Chesky氏の手紙は一読の価値があります。シェアリング・エコノミーの申し…

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Airbnb共同創業者、Brian Chesky氏が従業員にあてた公開メッセージ「A Message from Co-Founder and CEO Brian Chesky」

本稿はPR TIMES STORYからの転載(原文はこちら)

スタートアップが物語を語る理由、それは彼らに空気を変える不思議な力があるからです。

例えば新型コロナウィルスで大打撃を被ったAirbnbの共同創業者、Brian Chesky氏の手紙は一読の価値があります。シェアリング・エコノミーの申し子として常にトップを走り続けた彼らにとって、レイオフはこの企業が積み上げてきたカルチャーの毀損に他なりません。株式の公開というマイルストーンから一転、彼らは大変難しいコミュニケーションを迫られたわけです。

しかし、少なくとも私は現時点でAirbnbの未来を悲観するような気持ちにはなれません。逆にこれだけの逆境でしっかりと資金を確保し、事業としての再起を約束した上で、まだ前向きな気持ちにさせることができたのは、やはりChesky氏の言葉に力があったからだろうなと思うわけです。

起業家の言葉には、人の心を動かす力がある。これをどう活かすべきか。ーー今日、その答えとしてサービスをひとつリリースいたします。

スタートアップを伝え続ける方法

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今日公開となったPR TIMES STORY

PR TIMES STORYの仕組みや経緯については公式発表のプレスリリースや、プロジェクトメンバーが書いたそれぞれストーリーをぜひご覧いただくとして、私はこれからのスタートアップを伝えるために必要な「物語の力」、特にそれを起業家がナラティブに語ることの重要性について共有させていただければと思っております。

思えばBRIDGEは前身のStartupDatingから数えると、もう10年近く運営しています。ご存知の方々にとっては、スタートアップ村の広報誌ぐらいには知っていただけるようにはなった一方、編集部が独立した形で持続できているのは、一昨年に事業運営を譲渡させていただいたPR TIMES社のバックアップがあったからです。そこからの2年間は「どうやってこの仕組みを継続的なものにするか」、それを考える日々でした。

中でも注目したのが起業家自身が持つ「語る力」です。私たちはここ数年、BRIDGEを通じてこの起業家の語る力に関連して、様々な取り組みを実施させていただきました。

前述したChesky氏のような言葉には、絶対に第三者では伝えられない「力」があるのです。

創業者には「ナラティブ」という武器がある

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Visional(ビジョナル)が物流業界に新規参入する理由より

ではナラティブに伝える力はどういうものか。BRIDGEにも数多くの「起業家自身が語る物語」がありました。ここ最近で力強い一本がこちらです。

南壮一郎さんはご存知の通り、ダイレクトリクルーティングの代名詞になったビズリーチの創業者です。実は同社は昨年末あたりから大きな組織変更、そしてこちらのPOSTにもある通り、事業拡大に向けての買収と活動の幅を大きく広げているところでした。

第三者としてこの話題を取り上げる時、通常であればニュースやインタビューなどがよくある方法です。場合によって彼らの過去を遡って、考察をすることもできたかもしれません。

しかし私がこの件で最も大事だと考えたのは南さん自身の言葉でした。

僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するキードライバーであると思っています。事業を通じて起こしたムーブメントにより、社会の変革に貢献できることこそが、自分の仕事の本分なのです。

世の中には時価総額ランキングのようなものが溢れています。ユニコーンという言葉そのものを否定するつもりはありません。しかしそのゲームに埋もれて見えにくくなっている本当に必要なもの、それはやはり言葉に力を持っている人しか語れないものです。

言葉には責任が伴います。だからこそ、この言葉の見極めこそが起業家を探し出す、重要な鍵になるのだと私は信じています。

POSTからSTORYへ

スタートアップ・ストーリーの重要性については、これまでにも随分と活動し、またお伝えしてきました。昨年11月にはリニューアルと同時にスタートアップ自らが物語を掲載できる「POST」という仕組みや、それに関するワークショップ、パートナーシップなどについて公表させていただいています。

現在、POSTには150本ほどのストーリーが掲載されていて、それぞれ私たちの第三者視点では語れない、裏側のお話やノウハウなどが綴られています。今後はPR TIMES STORYに掲載されたストーリーがこちらのPOSTに掲載(※)されるようになります。

新しい10年は、誰もが思いもよらない感染症という災害で幕を開けました。向こう数年は有象無象のスタートアップたちが、自分こそが世界を変えることのできる存在だと声を上げることになると思います。

その真贋はどこにあるのか。

ぜひ、起業家のみなさまにはその揺るぎない信念を言葉にし、その物語で人々に感動を与え、社会を動かしていただきたいと思います。BRIDGEやSTORYもまた、そのお手伝いができるよう、精一杯頑張りたいと思います。

※自動転載ではなく編集部によるピックアップによって掲載を予定しております

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小売店+ライブコマースーーwithコロナの生き残り戦略は“ほぼ24時間営業”の越境EC店舗

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 小売業界が厳しい状況に追い込まれています。 Retail Driveによると、閉店した店舗舗の多くが再オープンしない動きを活発化させており、今年だけで1万5,000店もの米国小売店が閉店する可能性があるとの予測を公表しています。それ以外にもUSA TODAYは2025年までに米国で10万店もの店舗が…

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Photo by Chris Panas on Pexels.com

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

小売業界が厳しい状況に追い込まれています。

Retail Driveによると、閉店した店舗舗の多くが再オープンしない動きを活発化させており、今年だけで1万5,000店もの米国小売店が閉店する可能性があるとの予測を公表しています。それ以外にもUSA TODAYは2025年までに米国で10万店もの店舗が閉鎖される可能性を伝えてますし、Reutersが伝えるところではLord & Taylorは、在庫を清算するためだけに38店舗の百貨店を再開することを計画しているそうです。

厳しい経営状況の中、実店舗を持つ大手ブランドはどのように考えているのでしょうか。The Seattle Timesによれば、Amazonにブランドが取り込まれているという動きがあるようです。

同記事では、オンライン小売業者向けソフトウェア「Feedvisor」が実施した調査を紹介。新型コロナ大流行前は約45%のブランドがAmazonで商品を全く販売しておらず、3分の1以上のブランドは、顧客にリーチする上でAmazonを必要としていないと答えています。多くのブランドや卸売業者は、Amazonが自社のマージンを圧迫し、貴重な顧客データを収集し、最も人気のある商品をコピーするのではないかと懸念していたためAmazonの手の届かないところに身を置いていました。

ところが、パンデミックでこれらの状況は一変します。

Amazonの力は、以前まで売上の大半を実店舗に頼っていた大手ブランドにまで拡大し、数少ない実店舗に代わる販売店の一つとして浮上することになったのです。パンデミックの影響でAmazonは急速に成長するという、ユニークな立場に置かれています。

店舗からライブ配信する越境EC

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Photo by Artem Beliaikin on Pexels.com

渋々Amazonへの参入を果たしている小売ブランド。これを機に、実店舗および自社ECの運用改善を行い、オンライン売上強化を図る動きが出てくるかもしれません。ただし、自社ECを前面に押し出したところで、Amazonへの勝算はほとんどないのが現実です。

それではAmazonが未だに進出しきれていない業態はどこでしょうか。

GAFAにだって弱点はあります。答えの1つがライブコマースです。あと1〜2ヶ月生き残れるのかわからない小売店舗が多数登場してきており、新たな販売チャネルニーズが高まりつつある中、ライブ配信プラットフォームの活用は期待される一手と考えます。

具体的には閉店中の店舗からライブ配信を行い、商品紹介・販売をする事業モデルが挙げられます。自粛要請が解除されたとしても向こう1〜2年は客の入りが減るリスクヘッジを考えつつ、全く使われない不動産資産および在庫を活用する考え方です。

事例として米国拠点のライブストリーミング越境ECサービスの「ShopShops」を挙げます。同社はニューヨークの店舗から中国市場向けに洋服を売るライブ配信コマースサービスを展開していました。プラットフォームはTaobao(淘寶網)です。テレビショッピング感覚でナビゲーター/キュレーターが提携店舗から商品を紹介し、店舗内の商品をお客が自国から購入していく越境ECの仕組みになっています。

平均2万弱のユーザーがリアルタイムに動画を視聴し、キュレーターが100点ほどの洋服・アクセサリーをリアルタイムに販売。北京のShopShopsチームがTaobaoのECサイトで購入を促し、米国のフォワーダーから輸出されます。LA・NYC・SF・MIAMI各都市で、毎日1回は販売イベントを開催。1店舗のイベント売り上げ平均は6,000ドルであったそうです。

ShopShopsは今はクローズしてしまっていますが、原因はタイミングの問題だったと今では感じます。withコロナの現代ではその提供価値が再認識されるのではないでしょうか。

“ほぼ24時間営業”の店舗業態

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Photo by Artem Beliaikin on Pexels.com

また今後は、店舗の価値を最大限活用する機運が高まってくるはずです。そこでShopShopsのように越境ECを事業軸に、時差を利用して店舗からほぼ24時間運用の形でライブ配信を行い、日本にいながらにして世界中に商品を販売する「店舗の販路拡張」の考えに注目が集まると感じています。時間帯によって配信先国を変える「24時間の」オペレーションです。

いわば各国ライブ配信プラットフォームにコンテンツ展開する「越境EC + ライブ配信時代の分散型メディア」のモデルで、人件費をなるべく削った形で実質24時間営業できる、無人店舗化にも繋がる事業概念です。

Airbnbが住宅の、Uberが自動車に眠る遊休資産をフル活用して成長したように、コロナで顕在化した閉店店舗および在庫資産を急成長を遂げつつあるEC市場に流す、時代に沿った越境ECのモデルに商機を感じています。

事実、閉店を余儀なくされた小売事業者が中国では、ライブ配信サービスを通じて消費者に直接商品を販売するECチャンネル化を指す「リテール・ストリーミング」の分野が成長しているそうです。

iiMedia Researchのレポートによると、中国でのライブストリームECは2019年に年間610億ドル相当の取引を達成しています。 さらに最近では、コロナウイルスのロックダウン中に人々が自宅にいるため、チャネルはさらに劇的な後押しを受けています。同じレポートでは、2020年にはリテールストリーミングの取引額が合計で1290億ドルに達すると予測。2月だけで、中国最大の小売ストリーミングプラットフォームのTaobaoは、ベンダー数719%の増加を見ているとのことです。

実店舗に人が集まらないのであれば、人が集まる場所に積極的に展開する必要があります。さらに、コスト垂れ流しの状態になっている新たな店舗運用を考える時期に、既存事業者が手軽に導入できる事業モデルを考える必要が出てきました。今回紹介した越境EC向け店舗サービスは、日本の店舗を1日でグローバル展開ブランドに変えるアイデアになるかもしれません。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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ライブ配信で失敗する2大ケース

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 2020年2月より猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、イベントやセミナーの自粛が相次いでいます。ぴあ総研の発表によると、3月23日時点で文化・スポーツ業界で中止・延期となったイベントの数は少なくとも8万1000件。5月末まで現状が続けば、9000億円の市場においておよそ4割が消失するという試算も出ています。このよう…

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高まるライブ配信の必要性(Image Credit : bravesoft

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

2020年2月より猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、イベントやセミナーの自粛が相次いでいます。ぴあ総研の発表によると、3月23日時点で文化・スポーツ業界で中止・延期となったイベントの数は少なくとも8万1000件。5月末まで現状が続けば、9000億円の市場においておよそ4割が消失するという試算も出ています。このような状況を受け、拡大しているのがライブ配信を使用したオンラインイベントです。

ライブ配信は「どこからでも配信・視聴できる」「何人でも参加できる」などのメリットがあります。しかし、いざライブ配信をしてみようとすると次の大きな2つの落とし穴にハマるかもしれません。

  • 配信トラブルで失敗するケース
  • 進行・運営で失敗するケース

私たちはeventosというサービスを通じ、大手企業含め様々なイベントをアレンジして来た実績があります。そこで本稿ではその躓きを防ぐ方法をお伝えしたいと思います。

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スムーズな視聴体験がオンライン配信の鍵を握る(Image Credit : bravesoft

ケース1:配信トラブルでの失敗

ライブ配信を見る上で「快適な動作」というのは極めて重要なポイントです。しかし、初めてのライブ配信では配信側の設定がうまくいかないなどの環境構築に戸惑うケースが多く、見る側が不快または見ることすらできない事態に陥ります。これを防ぐための留意点を項目毎にご紹介します。

通信速度が重くなってしまう
解決方法:有線LANがある場所を使う

実はライブ配信において有線LANの確保は最優先事項です。有線LANでは(1)高速通信ができる、(2)電波の干渉が起こらないので安定性が高い、(3)外部から勝手に接続される心配がないというメリットがあり、配信環境を快適にしてくれます。目安として、アップロード速度が最低でも20Mbpsの回線は確保したいところです。

配信が落ちてしまう
解決方法:スペックの良いPCを使う

ライブ配信では映像をリアルタイムに変換して配信ソフトで流すことになるのですが、これはPCにとって非常に負荷のかかる作業となります。よってPCのスペックは必然的に高いものが推奨されるのですが特にメモリとCPUが重要です。具体的にはメモリ16GB以上、CPU Core i7以上、可能であればグラフィックボードは NVIDIA GeFOrce 1660Ti(メモリ6GB以上)を推奨しています。さらにこれからPCを購入する方へはMacよりもWindowsをおすすめします。

動画がカクつく
解決方法:配信ビットレートとキーフレーム間隔を適切にする

配信が開始できたと思っても、いざ配信された動画を見るとカクついてしまっている場合があります。それは配信ソフトの「ビットレート」設定に問題がある場合が多いです。ビットレートは高くすれば高画質になりますが、むやみに高くすると視聴する側のダウンロード速度が必要となってスムーズに視聴できる人が限られるほか、配信サイトの上限ビットレートに引っかかり逆にカクついてしまいます。

これには配信サイトの上限ビットレートを調べ、かつ自分の上り速度を調べ、低い方のビットレートに合わせて設定すると回避できるのですが、基本的には「512Kbps」をおすすめしています。また、その際キーフレーム間隔も「0(自動)」ではなく「1」に設定するとよいでしょう。

音質が悪い
解決方法:マイクをつける

意外と見落とすポイントに「音質」があります。ライブ配信ではリアル以上に「音」の印象が重要で、音質の良し悪しにより視聴し続けてもらえるかが決まったりします。PCのスピーカー機能ではなく、ノイズキャンセリング付きのヘッドセットや、USBコンデンサーマイクを使うと音質の改善が見込め、またPCに直接挿入できるため手軽にはじめることができます。

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参加者との質問コミュニケーションは必須(Image Credit : bravesoft

ケース2:進行・運営での失敗

ライブ配信をする場合、リアルと違って「参加者の反応が見えない」ということを念頭にいれる必要があります。このポイントを忘れてしまうと、セミナーを通して主催者側の一方通行となってしまうケースに陥るのです。参加者の満足度を最大化するため、押さえるべき留意点をみていきましょう。

反応をリアルタイムに確認できない
解決方法:チャット機能など双方向コミュニケーションを取り入れる

リアルのセミナーでは、発表者は参加者の表情や反応を見つつ、発表を進めていくことができます。しかしライブ配信の場合、発表者は参加者の反応を確認できないまま進むため、時に参加者が飽きてしまったり、一方通行の発表になってしまうケースがあります。

この対処方法としては、発表中に何らかの方法でリアルタイムに参加者とコミュニケーションを取ることです。例えば、私たちが提供しているサービスでは、ライブ配信中に「Live!アンケート」という機能を使って参加者からリアルタイムにコメントやアンケートを受け付けることができます。実際にこの機能を活用したライブ配信を実施しているのですが、参加者の満足度が非常に高く、いかにセミナー中の双方向のコミュニケーションが大切かが伺えます。

参加者同士のネットワークができない
解決方法:オンラインでネットワーキングができるツールや取り組みを促す

リアルのセミナーにおける参加目的の一つに「終了後のネットワーキング」が挙げられます。登壇者や参加者同士で名刺交換や会話をすることで繋がりを作る、というのもセミナーに参加する大きな目的の一つです。そこで最近のオンラインセミナーでは、例えばRemo等のサービスを利用してWeb懇親会を実施することも注目されていたりします。

また、第2部と称し、セミナー終了後ZoomやGoogle Hangouts Meetなどのツールに切り替えて懇談会を行っているケースもあります。私たちが行ったセミナーでは「オンライン名刺交換」として、参加者がTwitter内で相互フォローをしあったり、共通のハッシュタグ内でコミュニケーションが取れるよう、主催者側から積極的にネットワーキングが作れるように促していく取り組みを実施したりもしています。

最後に

オンラインセミナーをいざ開催しようと試みた時、リアルのセミナーでは想像もできなかったハプニングや失敗が起こります。そのような時に対処ができるよう、日頃から練習を行い様々なノウハウを貯蓄しておくことが重要です。

アフターコロナの世界では、セミナーのあり方はオンライン+リアルのハイブリッド化がなされ、今までリアルでの開催が主流だったセミナーは、改めてデジタル化の流れを取り入れることになるでしょう。これには実際にセミナーに訪れる参加者だけでなく、オンラインからの参加者によって指数関数的な集客・拡散に繋げられる可能性を秘めていると考えています。

自分達で開催するセミナーの未来を成功へと導くため、是非今から準備と実践に挑戦していただければと思います。

本稿は誰でも簡単にイベント・ライブ配信向けアプリを作れる「eventos」を提供するbravesoft株式会社 代表取締役CEO/CTO、 菅澤英司氏によるもの。Twitterアカウントは@braving。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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いま高まる「リモートカルチャー」の重要性 ーーオンライン前提社会における新たな企業ニーズ

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 ポストコロナの時代、いままでの生活が戻った時にふと、「ほんとうに出社する必要があるのか?」と感じる人が増えるかもしれません。 在宅ワークやオンライン出社の価値が認められ、従来より非出社比率が高まることも予想されます。するとリモートワーカー向けの企業文化「リモートカルチャー」を構築する必要性が登場して…

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Photo by bongkarn thanyakij on Pexels.com

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

ポストコロナの時代、いままでの生活が戻った時にふと、「ほんとうに出社する必要があるのか?」と感じる人が増えるかもしれません。

在宅ワークやオンライン出社の価値が認められ、従来より非出社比率が高まることも予想されます。するとリモートワーカー向けの企業文化「リモートカルチャー」を構築する必要性が登場してくるでしょう。本記事では2つのトピックを説明しつつ、関連スタートアップを紹介します。

「引っ越し(リローケション)」ニーズの高まり

ポストコロナ時代では、たとえば都市部に住むことを見直す人が出てくることも考えられます。東京は比較的安心ですが、たとえば米国の都市部は必ずホームレスが集まる場所があり、危険と隣り合わせ。なおかつ高い生活費を支払う必要があり、郊外へと引っ越すニーズが増えてくるかもしれません。

郊外へと人の移動が増えるとなると都市部地価の下落が始まります。地価高騰が止まり、住みやすい場所へと徐々に変わっていく。これまで世界人口は都市部一極集中になると予測されていましたが、しばらくの間は都市流入トレンドが止まるかもしれません。

いわゆる「人口均一化」「脱都市化」の流れです。Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏はブログで都市部の変化についてまさしく同様の予測をしています。ザッカーバーグ氏はテクノロジーによって起きると予測していますが、図らずもコロナによってトレンドが加速されました。

こうした背景の元、従業員が必ずしも出社する必要性を感じなくなり、住み心地の良い地方へ引っ越しすることを考え始めるでしょう。すると企業が従業員の引っ越し手配をするニーズが高まると予想されます。一種の福利厚生として手配する具合です。そこでベンチマークとなるのが企業向け引っ越しサービスを提供する「Localyze」です。

Localyzeは、従業員の海外移転サポートサービスを提供しています。従業員の移転は企業にとって高額な費用がかかります。一方、TechCrunchによると、毎年200万人もの人々が仕事のためにアメリカやヨーロッパに移住しているのが実情なのだそうです。

そこで同社はこのプロセスを合理化するために、移民手続き、引越し、住居に関するタスクを50%高速する自動化ソフトウェアを開発しました。また、外国人従業員に銀行、保険、交通機関などのサービスを紹介します。2019年8月時点で27社のB2B顧客と提携しており、8月は1万6000ドルの収益を上げたそうです。

Localyzeは移民市場に目を向けていますが、コロナの影響で国外移動は当分控えられるでしょう。他方、国内移動の方が持ち直すのが早いと考えられます。そこで、たとえば東京拠点の企業が満足度向上やリテンション率向上を目的に、地方移住ニーズのある従業員に住居を手配するような動きが出てくるかもしれません。クラウドワークスやランサーズ、OffersのようなプラットフォームがLocalyzeのようなサービス提供をしたら面白いのではないでしょうか。

メンタル崩壊を防ぐ「リモートケア」

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Photo by Polina Zimmerman on Pexels.com

リモート従業員の中には、孤独を感じることでメンタルに不安を持つ人が出てくることが予想されます。

例えば現在の状況では、直接会って上司の顔色を伺ってから案件を通すようなプロセスは難しくなっています。なぜなら、Zoomの入室ボタンをオンにしたら目の前に機嫌の悪そうな上司がいて、その場で説得するシビアな環境になっているからです。これは極端な例かもしれませんが、オンラインへと仕事がシフトすることによる、これまで見えなかったワークフローの危険性の一つです。

そこで参考になるのが「MentalHappy」です。同社はケアパッケージ「Cheerboxes」を提供し、社員が会社とのつながりを維持できるサービスを作りました。Cheerboxには、Amazonでは手に入らないようなスナックや本などが詰め合わせてあります。こうしたオリジナル性の高いグッズセットを定期的に送ることで、雇用主が従業員のメンタルヘルスを気にかけていることを示すのに役立ちます。

瞑想やフィットネスサービスの割引券をあげたとしても、必ずしも企業が従業員を「ケア」していることは感じられない課題を解決します。「企業ギフト」という新たな業態を開拓したのがMentalHappyです。

同じ文脈で人気を集めているのが有名人の動画メッセージを変えるマーケットプレイス「Cameo」です。VICEによれば、コロナの影響でハリウッドを中心とした有名人の広告予算は急に止まり、撮影も中止。家で時間を持て余している俳優やインフルエンサーが多発しているそうです。

そのためCameoを通じて自宅で撮影した動画を販売している人が増えています。Cameo自体は2C向けですが、従業員向け福利厚生サービスとしての提供価値を持たせれば、MentalHappyが狙う同じ層に刺さる可能性も十分考えられます。

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Photo by Riccardo Bresciani on Pexels.com

オンラインハラスメントという社会問題も深刻化しています。

こちらの記事によると、2017年の調査では「アメリカ人の5人に1人近く(18%)が、身体的な脅迫、持続的な嫌がらせ、セクハラ、ストーカー行為など、オンライン上で特に深刻な形態のハラスメントを受けたことがある 」とのことです。コロナ前のデータではありますが、直接誰かに触れる機会がなくなったことで、嫌がらせはインターネットへと場を移すことも考えられます。

Tall Poppy」はオンラインハラスメントに特化した従業員ケアサービスを提供している企業です。各ケースを審査した上で、正しい対処方法や法的処置の知識、セーフティスコアの計測など、あらゆるシチュエーションに対処してくれます。このようなオンライン化が進んだ社会における新たな犯罪から従業員を守るサービスにも注目が集まるでしょう。

ここまで「引っ越し」と「リモートケア」の2つを軸に、企業が考えるべきこれからのバーチャルカルチャーの姿の一端に触れてきました。ひとえにカルチャーと言っても、さまざまなアプローチやコンテンツがあるので解はいくつも挙げられます。今後は従来のようにマッサージ券や宿泊券、フィットネスサービスなどの福利厚生だけではなく、オンラインワーカーならではの需要に応える必要が出てきそうです。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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未来を創るCVCーーエコシステムの拡大、仮想化に挑戦したKDDI∞Laboの「今」

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\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回・2回目・3回目・4回目・5回目・6回目) ソラコムの買収 3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年…

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ソラコム代表取締役の玉川憲氏(2017年・筆写撮影)

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回2回目3回目4回目5回目6回目

ソラコムの買収

3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年以降のインターネット系企業の買収案件としてはポケラボ(グリー、2012年・138億円)とチケットキャンプを運営するフンザ(ミクシィ、2015年3月・115億円)を大きく超える評価となった。

まさに、2010年以降の国内スタートアップシーンで最大規模となる買収劇は当時、多くの関係者を驚かせた。

KDDIのオープンイノベーション戦略でこれまで紐解いてきたKDDI∞LaboやKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)はいずれも主なターゲットを「非通信事業」、つまりKDDI本体の主力事業とは異なる分野をターゲットにしていた。当たり前だが年間数千億円規模の利益を稼ぎ出す「本業」は鉄板であり、そこを補完するベンチャーなどそう簡単には出てこない。

しかしソラコムは全く違うアプローチで新たな市場にチャレンジしていた。それがInternet of Things(通称:IoT・モノのインターネット)分野だったからだ。彼らは通信キャリアから回線を借受けるMVNOの方式で独自のSIMカードを発行し、さらにモバイル通信をまるでクラウドサーバーのように必要なだけ利用できる「SORACOMプラットフォーム」を構築した。

KDDIとの協業は買収の約1年前、2016年10月に遡る。KDDIにソラコムの保有するコア部分を開放し、「KDDI IoT コネクトAir」の提供を開始したのが始まりだ。元々Amazon Web Serviceの日本開発担当だったチームが手掛けたサービスなだけに技術的な信頼度も高い。結果、法人向けの利用を中心に7000件もの利用社(2017年8月の買収時点)を獲得するまでに成長し、グループ入りを果たすことになる。その後も利用社はさらに拡大し(2020年3月時点で1.5万社)紛れもない国内IoTのトッププラットフォームとなった。

買収「後」から始まるオープンイノベーションとエコシステムの拡大

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KOIF3号のスキーム

そしてKDDIとソラコムはもうひとつの注目すべき仕掛けを用意していた。それが「ソラコムファンド」の存在だ。

2018年4月に発表された「KDDI Open Innovation Fund 3号」には特徴的なテーマが設定されていた。それが5G時代に向けた共創戦略である。これまでの1号・2号の4倍となる200億円の組成となった3号ファンドにはAI(ARISE analytics AI Fund Program)、IoT(SORACOM IoT Fund Program)、マーケティング(Supership DataMarketing Fund Program)が明確なテーマとして組み込まれた。

買収したソラコムは事業拡大だけでなく、IoT分野で5Gプラットフォームを活用したアイデアを共創する、新たなパートナーを探し出すための「顔役」にもなったのだ。同社は早速6月にIoTデバイスソフトウェアマネジメントプラットフォーム「Resin.io」や、8月にはシンガポールや台湾でsigfox通信ネットワークを提供するUnaBizへの出資を決め、ソラコムとの戦略的業務提携を実現させている。

KOIFの始まりは初代ラボ長、塚田俊文氏(現・KDDI理事)のある提案からだったそうだ。ファンド組成のきっかけをグローバル・ブレイン(以下、GB)の熊倉次郎氏はこう振り返る。

「2005年あたりですかね、当時、私たちはニフティさんと一緒にファンドの運営をしていて、その支援先の協業提案でKDDIさんにも出入りをしていたんです。そこで出会ったのが塚田さんでした。ちょうど、KDDIでコーポレートベンチャーキャピタルの新たな組成が話題として上がっていた頃です」。

それから10年。インキュベーションの企画として始まったKDDI∞Laboは、年数を重ねてKDDIがスタートアップのみならず、他業種の企業と協業・共創するプラットフォームに成長した。50億円で始まったKOIFは運用総額を300億円にまで拡大し、AI、IoT、マーケティングまでもテーマとした戦略敵投資ファンドとして存在感を発揮している。

KDDI∞LaboとKOIFが狙う協業とファイナンシャル・リターンのバランス、そしてそこから生まれる新たな事業チャンスとの出会い。その可能性はグループ全体の戦略にも影響を与えつつある。

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バーチャルイベント「MUGENLABO DAY 2020」に登壇する高橋誠社長

ウィルスとの戦いで幕を開けた2020年

今、この原稿を執筆している2020年3月というタイミングは、あらゆる常識を疑う日々に包まれているように思う。突如として現れた「COVID-19」というウィルスが、人々を社会から完全に隔離してしまったからだ。

一方、こういった社会の否応のない変化は、新たな価値・体験のきっかけにもなる。先の不況を引き起こしたリーマンショックは、シェアやオンデマンド、クラウドのような「持たざる」新しい経済インフラ、テクノロジーを促進させることに繋がった。

KDDI∞Laboも例外ではない。3月24日、例年であれば大型のカンファレンス・ホールで1000名規模を集めて開催されるはずだったイベント「MUGENLABO DAY 2020」は、人との接触を防ぐため異例のオンライン開催を余儀なくされる。しかし転んでもタダでは起きないのがこのプログラム。単なる無観客イベントをストリーミング放送するのではなく、空間自体を仮想化するという道を選んだのだ。

バーチャル・リアリティ空間での大型カンファレンス

クラスターがスタートアップしたのは2015年7月。α版などの提供を経て、約2年後にバーチャル・リアリティ(VR)空間を自由に生み出せるソーシャルネットワーク「Cluster」を正式公開した。Cluster上には現実とは異なるオルタナティブ世界が広がり、ユーザーはそこでもう一人の自分としてアバターをまとい、様々な活動を楽しむ。

当然ながらこの世界にはウィルスは無関係だ。KDDIはリアル世界での開催が難しいと判断するや否や、Clusterを新たな会場に指定した。クラスターにKDDIが投資したのは2018年9月。シリーズBラウンド(総額4億円)で出資をした後、今年1月のシリーズCラウンド(総額8.3億円)にも続いて参加している。現在、KDDI∞Laboのラボ長を務める中馬和彦氏も社外取締役として経営に参加している。

VRならではの体験といえば一人称視点と没入感だ。OculusなどのVRヘッドセットを装着すれば、まるでそこにいるかのような体験も可能になる。ライブストリーミングだけでは不可能と言われる、リアルイベントならではのネットワーキングについても可能性が見えてくる。ただ今回は残念ながら取材という仕事があるため断念した。どうしてもヘッドマウントディスプレイを付けながら現実世界のキーボードを叩くのは難しい。

私の都合でリアルカンファレンスの体験を完全に再現するまでには至らなかったが、十分未来を感じることのできる取り組みだった。

披露された4つの事業共創プログラム

では、2011年の開始から10年目を迎えることとなった共創のプログラムはどのようなものになっているのだろうか。大枠として走るのは、5GをテーマにKDDI ∞ Laboがネットワークするパートナー連合46社とスタートアップが協業を目指す「5G for Startups」と、より具体的なテーマを盛り込んだ共創プログラムの「∞の翼」の二つだ。

共にPoC(実証実験)ではなく、企業に予算がついた事業にスタートアップの技術・アイデアが加わることで、具体的な事業化を目指すものになっている。「5G for Startups」は通年での応募が可能で、「∞の翼」については第一弾となる取り組み内容と参加スタートアップを含むチームが公開された。

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KDDI ∞ Labo パートナー連合46社:リリースより引用

例えばスタジアムと5Gをテーマにした共創プロジェクトには、KDDIとサッカーチーム、名古屋グランパスエイトがタッグを組んだ。利用可能なアセットとして名古屋グランパスのホーム「豊田スタジアム」が利用可能で、5G時代における新たなスポーツ観戦の体験を生み出すのが狙いだ。ここに採択されたのが2017年創業の「ENDROLL」。昨年には東京急行電鉄と協力し、渋谷の街を謎解きゲームの舞台にした「渋谷パラレルパラドックス」を発表するなど、現実世界をテクノロジーで拡張する新進気鋭のAR(拡張現実)スタートアップだ。

KDDIの持つ5Gインフラと技術、グランパスの持つファンベースとスタジアム、ENDROLLが仕掛けるARエンターテインメント・テクノロジー。これらを掛け合わせることで、来場するサッカーファンたちにゲームだけでない、新たなテーマパーク的体験を提供するのが狙いだそうだ。3社はこれから年末の本格導入に向けて開発・テストを開始する。その他にもコミュニケーションや商業施設、テレビの合計4つの共創テーマが発表され、それぞれ取り組みを開始している。

企業のオープンイノベーションに必要とされるもの

これまで6回に渡ってKDDIのオープンイノベーション戦略を紐解いてきた。戦後復興の昭和に始まった成長神話は絶頂バブルを生み、ゆるやかに下り坂に入った平成を経て令和の今、企業には自前主義ではなし得ない新たな成長戦略が求められるようになった。その焦燥感にも似たうねりが、2010年から始まった企業によるスタートアップ投資や協業・オープンイノベーションという文脈なのだろうと思う。

各社は先行する企業を見様見真似でファンドを立ち上げ、筆者も数多くの取り組みを取材してきた。しかしそこには残ったものと消えたものという、明確な差が生まれたのも事実だ。何が異なっていたのか。

ひとつ明確に言えることはリーダーシップと覚悟だ。

成長戦略におけるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)やアクセラレーション・プログラムは、手段であって目的にはなり得ない。さらにその変数の多い道のりには不確定な協業シナジーと、必要に迫られるファイナンシャル・リターンが待ち受ける。実施をすれば矛盾も起こる。企業トップが明確に「変わらねば」という意思表示しなければ、現場はこの矛盾と葛藤に飲み込まれてしまう。

KDDI∞LaboやKOIFのようなエコシステムは他の企業にも生まれるのか。先行き不透明感が増す中、次の10年が終わったあとの振り返りを楽しみにしたい。(了)

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筆者:平野武士・・ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現・BRIDGE)を共同創業し、2018年4月に株式会社PR TIMESに事業譲渡。現在はBRIDGEにてシニアエディターとして取材・執筆を続ける傍ら、編集からPRを支援するOUTLINE(株)代表取締役も務める。

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売上ゼロからの挑戦ーースナックミーが老舗メーカーとの協業で大切にした「あること」

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です スナックミーでは全国の50社以上のおやつの生産者様とお取引をしています。 店舗向けやお土産用のおやつの生産を主とされている生産者様の中には、新型コロナウイルスに関する外出自粛の影響を受けている方も多く、観光客の減少による店舗販売の大幅な売上減、百貨店への売上減など、様々なお困りの声が寄せられるようになりました。先日発表した京都の老…

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おやつ体験BOX「snaq.me」

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

スナックミーでは全国の50社以上のおやつの生産者様とお取引をしています。

店舗向けやお土産用のおやつの生産を主とされている生産者様の中には、新型コロナウイルスに関する外出自粛の影響を受けている方も多く、観光客の減少による店舗販売の大幅な売上減、百貨店への売上減など、様々なお困りの声が寄せられるようになりました。先日発表した京都の老舗和菓子問屋「美濃与食品」さんもその一社です。

私たちとしても何かできないか。

私たちには自社が持つデータやテクノロジーを活用したノウハウがあります。これと生産者様の培ってきた製菓の技術を組み合わせることで、新たな取り組みができるのではないか。

本稿では、新型コロナウイルスの影響を受けた美濃与食品さんとスナックミーが、約3週間という短い期間で、オリジナル商品を共同開発・オンライン販売を行った裏側をお伝えします。

店舗も卸先も壊滅的な状況に

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美濃与食品株式会社様

スナックミーには、日本全国の生産者様と連携し新商品開発を行うバイヤーがおり、そのバイヤーのもとにはこのような声が届いています。

「行楽シーズンの催事用に用意していたおやつの売り場がない」「店舗で販売できないのでオンライン販売に乗り出したいがノウハウがなく困っている」

美濃与食品さんも同様です。

京都に店舗があるため観光客の激減により、店舗での土産菓子販売は壊滅的な状況で、さらに百貨店の営業時間等の自粛が追い打ちをかけます。残念なことに主要販売先の百貨店での売上はほぼゼロになったそうです。

美濃与さんは、以前よりスナックミーの和菓子カテゴリー(羊羹、おしるこ等)を支えてくださっているお取引先様で、和菓子以外にも老舗の技術を活かしながら、新しいチャレンジを一緒に続けてくださる大切なパートナーです。弊社の目指している素材本来の味わいを活かしたおやつを作ることや、一見するとわがままな要望もスピード感を持って実現していただきました。

当初、美濃与様や他の生産者様の店舗等で売れなくなってしまった商品を、スナックミーのオンラインショップを通じて一時的に販売することも検討しましたが、私たちだからできることを今一度見つめ直し、次のようなもう一歩進んだ協業を提案してみたのです。

  • 老舗菓子メーカー様とプラットフォーマーでもあるスナックミー、双方の価値を活かした新しい事業モデルを作る
  • 一時的な支援ではなく、再現可能かつ持続可能で双方にメリットのあるものにする

最大の困難:「通常の6倍のスピードで新商品を開発」すること

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製餡の達人が作る「新食感!生スイートポテト」販売開始(プレスリリースより)

商品作成が決まってからは先方に次のような難易度の高い依頼をしました。

  • 初夏から夏にかけて、気温が上がるからこそ美味しくなる洋菓子を(和菓子メーカーが洋菓子を作るという挑戦の意味も込めています)
  • 最低限の原料で、焼き時間などの技術の工夫で、特徴のある食感を出して欲しい

技術面では原料が芋と砂糖だけの2つで「スイーツ感」を出すことに苦戦し、1回目の試作では要ブラッシュアップとなり、「甘すぎてしまい、素材の旨味が出しきれていない」ことを伝え、砂糖の種類と量・芋の調整を何度か行い、発売の状態へこぎつけました。

上記だけでもとても大変なのですが、何より困難を極めたことは「早く商品を世に出さなければならない」ということです。

通常、製菓業界では新商品に対して、数カ月~半年などの時間をかけることが一般的です。しかし、今回は「経済復興」という意味合いが強く、1日も早くおやつを完成させて早く商品を世の中に出し、それによって双方に売上を立てて持続可能な取り組みの第一歩にしたいという想いがあったため、猛スピードで開発をしていただきました。

同時に、スナックミー側もオペレーションの構築(梱包・配送などの体制作り)、各種クリエイティブ作成などを行い、発売直前まで文字通りバタバタの状態でしたが、無事に「新食感!生スイートポテト」を発売し、想定を上回る売上を実現することができました。

大切なことは「継続すること」

「今自分達にできることで、お取引先様やお客様に喜んでいただける可能性があるのであれば、やれることはやろう」。

今回の共同開発は確かに緊急事態における避難措置的な部分もあります。その一方で、大切なものも見失いたくありません。困難な中、これだけのスピード感で協業が実施できたのは、こういったベストを尽くそうという考えが双方にあったからだと思います。

実は新型コロナウイルスが世の中に影響を及ぼし始めた頃、スナックミーとしてもできることを模索していました。しかし、この影響で自社のオペレーションが止まってしまう可能性もあり、また、明るくないニュースが続く中で新商品の発表が本当に求められているのか、という迷いもありました。

そういった障害や迷いもありましたが、やはり大切なのはユーザーであり、多くのステークホルダーのみなさまです。これからも、スナックミーのユーザー様はもちろん、全国のおやつの生産者様にとってのプラットフォームとしての役割を果たし、それによって「おやつの時間をもっと価値のあるものにする」というミッションを実現していきたいと考えています。

本稿はおやつ体験BOX「snaq.me」を運営する株式会社スナックミー代表取締役、 服部慎太郎氏によるもの。Twitterアカウントは@haztr。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。

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始まるチームのSaaS化、世界のフリーランス採用3業態から見えた「チーム拡張」の手法

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載 リモートワーク社会になって1〜2か月ほど経ちました。「直接会わないと仕事しづらい」といったオフラインワークを尊重する人も、昨今の影響からZoomやSkypeを通じたオンラインワークを主体に仕事をする必要が出てきました。 物理的な距離の制約を受けなくなったことから、リモートワーカーを雇う心理的な障…

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Photo by Verschoren Maurits on Pexels.com

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載

リモートワーク社会になって1〜2か月ほど経ちました。「直接会わないと仕事しづらい」といったオフラインワークを尊重する人も、昨今の影響からZoomやSkypeを通じたオンラインワークを主体に仕事をする必要が出てきました。

物理的な距離の制約を受けなくなったことから、リモートワーカーを雇う心理的な障壁が下がった印象もあります。これを機に開発を外部のエンジニアに外注してみようと試みている企業さんも少なくないでしょう。

フリーランス採用プラットフォームとして利用される企業に、日本の「ランサーズ」や「クラウドワークス」、米国の「Upwork」や「Fiverr」が代表的なものとして挙げられます。彼らはいずれも企業と個人を繋ぐサービスです。

ただ、従来のフリーランス採用市場は徐々に変わりつつあります。現在までに登場した業態は大きく3つあります。

リモートで現地法人立ち上げ

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Remote」は世界中の優秀な開発者を正社員や契約社員として採用できるグローバルプラットフォームを提供。同社は2019年にサンフランシスコで創業し、4月22日には1,100万ドルを調達しています。

従来、企業が海外人材を雇用するプロセスは面倒なものでした。給与計算、福利厚生の提供、現地の雇用法や規制への準拠は、ほとんどの新興企業や組織にとってリスクが高すぎたり、負担が大きすぎたりします。この問題をグローバルに解決し、どの国でも誰でも雇用できるようにしたのがRemoteです。同社は給与計算、福利厚生、コンプライアンス、税金などの業務を1つのパッケージソリューションとして提供しています。

他国で合法的に人を雇用するためには、現地法人を設立し、現地の労働法を学び、現地の給与計算を行い、現地の弁護士を探して、各国法に準拠した雇用契約書を作成しなければなりません。こうしたプロセスは、リソースのある大企業しか出来ませんでしたが、リモートワークが当たり前になった今、スタートアップも手軽に仮想的な意味で現地法人を立ち上げられるプラットフォーム開発を目指しています。

グローバル人材採用市場をベースに「チーム拡張」を行えるメリットは非常に大きい印象です。Remoteは海外法人立ち上げのSaaS化に取り組んでいるとも言えるでしょう。

代理店ネットワーク

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2018年にY Combinatorのアクセラレータプログラムを卒業した「YouTeam」は、オフショア人材のマーケットプレイスを提供。同社プラットフォームは、代理店に登録している個人の開発者(および開発者に余力のある大企業)と、アウトソーシングによって自社の開発チームを追加したい企業をマッチングさせます。

YouTeamマーケットプレイスでは、代理店の開発者のプロフィールを掲載。単に代理店を通して、誰が外注チームの一員になるかという点で勝負に出るのではなく、代理店の名前のある個人と契約し、一定の期間、またはより長期のプロジェクトを契約する流れです。

代理店に登録する開発者にとっては、わざわざ次の仕事を探しながら毎回価格設定をする手間をかけずに、信頼性の高い、より面白い仕事の流れを手に入れることができます。開発業務をアウトソースしようとしている企業にとっては、評判の良いエージェンシーが提供する審査や支払い、揉め事仲介処理サービスを受けられ、極力採用リスクを減らせるようになります。

競合他社は広く2に分類されます。Upworkのようなフリーランスプラットフォームは、主に短期のプロジェクトを対象。サプライヤー推薦のプラットフォームは、エージェンシーとのマッチングを支援してくれますが、適切なチームを見つける必要がある場合には効果がありません。この点、YouTeamは長期プロジェクトを志向する開発者を見つけ、リファレンスがしっかりあるオフショアチームを素早く組める点に提供価値を置いています。

サービス開発丸投げ

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2013年にサンフランシスコで創業し、累計3260万ドルの資金調達に成功している「Gigster」。同社は世界中からフリーランスのエンジニアを雇い、プロジェクトマネージャーを付けて開発チームを自社で複数所有。顧客企業はGigsterが組成した開発チームにアプリ・ウェブサイト開発を丸投げでき、進捗管理をPMから随時報告を受けるだけの外注開発サービスを提供。世界トップクラスのオフショア開発資源に、最小コミュニケーションおよび採用コストでリーチできるのがメリットとなっています。

顧客企業の期待値に添えるように品質管理を徹底。AIがプロジェクト進捗スピードおよびマイルストーン作成をサポートし、無理・無駄のない開発進行スケジュールを引きます。従来、プロジェクト開始時に決めていた工数見積もりを、顧客からの注文情報に応じて即座にFixできるのが強みです。

従来、企業の担当者は面接をする手間や、納品物を細かくチェックするプロセスする必要があり、問題があれば発注元の責任でした。あくまで監督責任者は発注元であったからです。一方、Gigsterのモデルはこうした課題を含めて全て外注することができます。利用企業はクリエイティブな意思決定に時間を投入することができるようになりました。

話をまとめます。

Remoteは採用プロセスの簡易化と法律準拠を徹底させた新たなプラットフォームとして誕生し、YouTeamは代理店を挟むことで信頼性と評判の高いチーム組成を促進させるマッチングプラットフォームを展開しています。代理店ネットワークを構築するモデルであるため、一社代理店が加入すれば多くの開発者を同時に釣り上げることができます。Gigsterは完全開発外注プラットフォームとして機能。一切の採用ストレスをかけることなく、グローバル対応したサービス開発が可能となりました。

いずれのケースにおいて、ソフトウェアを通じて限りなくグローバル採用プロセスのハードルを下げようとしているのがポイントです。タイトルにもある通り、SaaSを通じたチーム組成に注目が集まっている印象です。

これからの時代は個人ではなく、いかに手軽に世界中の開発人材を集め、“チーム”を作れるのかが提供価値になります。冒頭でご紹介した「ランサーズ」「クラウドワークス」「Upwork」「Fiverr」のような大手プラットフォームは個人と企業とのマッチングに特化しています。が、本記事で紹介したような「チームと企業のマッチング」にサービス形態を振ったスタートアップに、おそらく数年以内にディスラプトされる可能性が高いと感じています。

今回は開発エンジニアサービスに焦点を合わせてご紹介してきましたが、マーケティングやファイナンスチームにも同様のことが言えます。近い将来、会社の組織作り・チーム構成を丸ごと完全外注するサービスも登場するかもしれません。誰もがグローバル人材の集まったスタートアップやプロジェクト部門を持てる時代もやってくるはずです。未来の働き方は「仕事探し」というよりは「チーム探し」になるかもしれません。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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スタートアップがブランドを変えた理由とその方法、BitStarが歩んだ6年間

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です YouTubeを中心にインフルエンサー関連事業などを展開するBitStarが4月24日、コーポレートアイデンティティ(CI)のリブランディングを実施しました。それに伴い、ロゴや一部のサービス名などと共に、ミッションを「新たな産業・文化を創り人々に幸せや感動を提供する」から「100年後に名前が残る産業・文化をつくる」に変更しています…

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リブランドしたロゴとタグライン

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

YouTubeを中心にインフルエンサー関連事業などを展開するBitStarが4月24日、コーポレートアイデンティティ(CI)のリブランディングを実施しました。それに伴い、ロゴや一部のサービス名などと共に、ミッションを「新たな産業・文化を創り人々に幸せや感動を提供する」から「100年後に名前が残る産業・文化をつくる」に変更しています。

East VenturesはBitStar社のファーストインベスターとして創業期より同社を見守ってきたのですが、今回のリブランディングの経緯とこれまでの同社の歩みについて、改めてBItStar代表取締役社長CEOの渡邉拓氏に話を聞いてきました(太字の質問は全て筆者)。

コーポレートロゴなどの刷新、サービス名の変更などのリブランディングを行いましたが、その経緯や背景などをお聞かせください。

元々はYouTuberとクライアントを繋ぐサービスとして当社はスタートしました。そのため、クライアントやインフルエンサー、視聴者からは「BitStar=広告代理店」のような認識を持たれていると思います。確かに、当初は事業内容的にもそれで正しく、そこでの実績の積み重ねで信頼を積み上げてきました。

しかし現在は広告領域の他にもプロダクション領域やコンテンツ領域など多岐に渡ってきました。そこで現在のBitStarに合わせる意味でもリブランディングした方がより会社の実態を知ってもらえるのではないだろうか?と思い、プロジェクトがスタートしました。

広告事業からその他の事業に範囲を広げていったのはどういう理由ですか?

YouTube関連事業を始めた5年前はまだ専業のインフルエンサーの方があまりいなかったので、「職業:インフルエンサー」を成立させたいと強く思っていました。そのためにはインフルエンサーに経済的な価値を提供する必要があったので、まずは広告事業を立ち上げました。時代の追い風もあり、多くのインフルエンサーがそれを「職業」にすることができたんじゃないかと思います。

次に必要なのは、単純に仕事の提供だけではなく彼らの自己実現を手助けすること。インフルエンサーの「やりたいこと」を叶えるためにプロダクション機能を強化していきました。そして、いずれコンテンツ制作の価値やクオリティが求められる時代が来るのではないかと考え3年前からコンテンツ領域へと広がりました。

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名称を変更し、社名と同じになったプロダクション事業「BitStar」

コンテンツ領域はどのようなものですか?

コンテンツ領域は2つありまして、1つは自社のYouTubeチャンネルやクライアントさんと共同で運営するYouTubeチャンネルの運営です。最近では実写番組だけではなく、アニメやマンガコンテンツも開始しました。2つ目はVTuberの運営や「わくわく!VTuberひろば」というイベントの運営をしています。

コンテンツ制作においては「サイエンス」を重視して運営しています。広告クリエイティブは「アート」の要素に依存してしまうケースも多いのですが、私たちは自社で開発した分析・編集におけるテクノロジーや運営ノウハウを用いて再現性あるコンテンツ作り、継続して視聴者に楽しんでもらえるコンテンツ作りができることが当社の強みだと思っています。

今回のリブランディングで、多くの方々に「BitStarはプロダクションもコンテンツもやってる会社なんだよ!」って伝えたいですね。

当初の広告事業からプロダクション、コンテンツ制作と拡大していき、今回リブランディングに至ったということですが、新規領域における具体的な成長度合いを教えていただけますか?

プロダクションやコンテンツ制作領域といった新規領域においては、昨対比売上が約100%成長(2倍)となっていて、新規領域のみで月商約1億円を達成しています。伸び率は増加しているので、今後は200%、300%となっていくように頑張っています。

今回のリブランディングですが、今お話されたようなことをふまえてロゴやミッションなどを改めてリブランディングしました。

そうですね。そもそもBitStarのBitは渋谷がビットバレーとも呼ばれるように「インターネット」という意味があるのでインターネット発のスターを生み出すという意味合いで名付けています。今回のロゴはクリエイターやコンテンツに光を照らし、その輝きを加速させ、我々がスターやスターコンテンツを創出できるような存在になりたい、という想いでタグライン込みで作っております。

ミッションは「100年後に名前が残る産業、文化をつくる」と決めました。会社を設立する以前からずっと想っていることを改めて言葉として落とし込みました。会社をはじめた当初はクリエイターが専業としてやっていくのがなかなか難しかったのが、今では活躍の場が広がり、子供のなりたい職業ランキングにランクインするまでになりました。

まさに世の中のスタンダードになってきたわけですが、私自身、生まれてから死ぬまでに、後に残るようなことを手掛けていきたいという想いがあるので、100年後にも残るような新しい産業や文化に寄与し、根付いていくようなことに今後もチャレンジしていきたいと思っています。まだまだやりたいことは尽きないので、これからもこの想いの実現に向けて加速していきたいと思います。

BitStarが歩んだ6年間

リブランディングの話はよくわかりました。ところで現在従業員は何名くらいいらっしゃるのですか?

120人になりました。創業から知ってる大柴さんとしては驚きかもしれませんね(笑。

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創業6年のBitStarは120名体制に(新年の抱負「転」~コンテンツに向き合う2020年~)

確かにそうですね(笑。せっかくなので、創業から今日までの歴史も聞いてみようかと思います。創業は2014年7月ですね。

そうです。2013年夏に起業を志して前職を辞めたのですが、何の事業をやるかは決めてなかったので、まずは食うためにいろいろとやりました。ワインの輸入の通訳だったり、学生時代にプログラミングは少し習っていたのでコーディングの仕事をしたり、治験をやったり(笑。あと、この時期に事故に合ったりしました。お金もなくてほんと大変な時期でしたね…。1日300円で過ごしていました笑

事業アイデアを模索しながらいろんな事をしたのですが、あれもこれも面白そうではあるが前職の専門性を考えると「自分がやる理由がない」ってことに直面したんです。専門性がないことはもう仕方なくて、やるからには好きなことをやりたい。自分がやりたいことを模索し続けた結果、動画領域にたどり着きました。

最初は動画メディアでしたね、ビジネス向けの。社名も「Bizcast」でしたもんね。

はい。動画は見るのも作るのも好きで、そもそも学生時代は画像や動画の研究をしてたんですね。それで動画領域でやっていこうと考え、メディアを立ち上げました。そのメディア自体は上手くいかなかったのですが、その代わりスタートアップ界隈の人脈もできましたし、VCさんの知り合いもできたので、結果としては良かったなと思ってます。

でも最近のスタートアップと少し違って、起業してすぐに資金調達はしませんでしたよね?

その頃に読んだGoogleなどにエンジェル出資したロン・コンウェイさんの記事に「まずは自己資金でやるべきだ」と、投資家なのに矛盾したことが書かれていて。投資家の方にご相談するのは最後で、まずは自分自身でどうにかしてその後、信頼関係が強いところから優先順位高く借り入れや出資を受けることなのかなと理解して。

その言葉に納得感があったので、自分自身の信頼が最も強い親族から借金をし、ある程度事業の確信が持ててから外部資本を入れようと思いました。最初のメディア事業では確信が持てなかったのですが、その後の「BitStar構想」の着想をえて「これはいける!」と感じ、資金調達をすることにしました。

YouTuberとクライアントを繋ぐプラットホーム「BitStar」を実現するために資金調達をしましたが、最初の頃は資金も乏しく、また会社のメンバーも少なかったですよね。

渋谷にあるEast Venturesさんのシェアオフィスに入居させてもらってました。最初にいたフロアにはBASE、dely、トランスリミット、Beer and Tech(現在は「hitohana」運営)などと一緒にいました。BASEは人も多くて華やかで、なんだかとても暗い気持ちになったのを覚えてます(笑。

その後に移った部屋にはCandle(後にCROOZが買収)やGoroo(後にユナイテッドが買収)、Pic up(後にDMMが買収)がいて、他にはBeer and Tech(現在は「hitohana」運営)がいました。後に谷郷さん(カバー 代表取締役社長CEO)も入居してきましたね。皆と、「早くここを抜け出そう!」とよく話していた記憶があります(笑。

ちなみに当時は自分と大学生インターンの二人だけでした。シェアオフィスなので二人でコソコソと電話アポしてました(笑。その時に一緒にやってた彼は、今は起業家として頑張ってます。

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リニューアルされたサイトトップ

やがてシェアオフィスを抜け出して、桜丘の「出世ビル」シャレー渋谷に移転します。

シャレーではまたしてもdelyやBeer and Techと一緒でした。Branding Engineerやコインチェックもいました。まだコインチェックは取引所を始める前でした。

2015年に「BitStar」構想が浮かび、その年の7月にはα版をリリース。その後の成長は目をみはるばかりです。

ありがとうございます。創業から色々なことがありましたが、困難を乗り越える度に会社は着実に成長していると思います。2017年には社名も「BitStar」に変更しましたが、基本的な思想は最初から全く変わってなくて、やはりインフルエンサーさん達がただ稼げるようになるのではなく、よりやりたいことを実現し、活躍できるようなサポートをしたいと思ってます。

新しいスターの創出やIPとなるコンテンツを生み出していきたい。さらには、今回ミッションとしても改めて制定しましたが、新しい産業や文化に寄与できるように頑張っています。インフルエンサーさんや視聴者の皆さま、クライアントのニーズに応えられるよう、私たちの領域も広げていっていますし、もっともっと個人がチャレンジできる世界を作っていけたらと思います。

いまBitStarは当初の広告事業からプロダクション、コンテンツと領域を拡大中ですが、それらを支えるテクノロジーも同等に重要だと考えていて、そこへの研究開発も積極的に行っています。テクノロジーの下支えがあって、その上に個人が活躍できるステージを作る。そういうイメージです。

リブランディングの経緯やBitStarのこれまで、これからについてよくわかりました。さて、昨今世界的に新型コロナウィルスの影響が出ていますが、それについての考えをお聞かせください。

当社はイベント等のリアルビジネスも一部やっておりますのでダメージもありますが、一方でコロナウィルスによる巣篭もり需要があり、動画視聴が伸びているためマイナスを上回るぐらいプロダクションとしては大きく成長していますし、オンライン動画広告の需要が増えてきていると感じます。

このような未曾有の状況でもライブ配信の制作をからめたイベントのオンライン化を推進するなどして、逆にBitStarとしてできることを増やしてしっかりと克服していきたいと思います。VTuberではオンラインで体験できるアトラクション&ファンクラブのようなものも作ります。

経営者としては、あらゆる事態を想定して、資金調達やコスト削減も含めた利益の創出をして、今後に備えたいと思っています。リーマンショック以上の危機だと言われるように経済的にも健康リスクとしても厳しい環境だとは思いますが、フルリモート化など一緒に働いてくれているメンバーの健康を第一にしながらも、僕らを頼りにしてくれているインフルエンサーさん、クライアントさんの期待に最大限応えられるような体制をつくり気合いをいれて取り組んでいきたいと思います。

こういう逆境のときこそ新しいイノベーションが生まれ、会社としての体制が強化されるタイミングでもありますのでポジティブに会社運営していきたいと思います。

大変な時期ですが頑張ってください。今日はありがとうございました!

本稿はEast Venturesフェローの大柴貴紀氏によるもの。同氏は国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載「隠れたキーマンを調べるお」で本誌にも定期的に寄稿してくれている。

完全リモートで120名チーム設立、リモートワークと組織変革への向き合い方

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です COVID-19の流行が本格化し、リモートワーク導入する企業が増えています。多くの企業がこの世界的な危機に素早く対応し、これ以上流行を広めないように行動しているという事実に心から感動を覚えています。 しかし、実際にリモートワークに取り組んだ結果、様々な問題が発生してしまい、リモートワークに対してうんざりしている方も多いのではないで…

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

COVID-19の流行が本格化し、リモートワーク導入する企業が増えています。多くの企業がこの世界的な危機に素早く対応し、これ以上流行を広めないように行動しているという事実に心から感動を覚えています。

しかし、実際にリモートワークに取り組んだ結果、様々な問題が発生してしまい、リモートワークに対してうんざりしている方も多いのではないでしょうか。コミュニケーションやセキュリティの問題、リアルの場でしかできない業務の多さなど、立ち向かう壁があまりにも多く、大変な思いをされているかと思います。

Goodpatch Anywhereのリモートワーク

Goodpatch Anywhereは2018年から、メンバー全員がフルリモートでデザインチームを形成して事業を進めてきました。国内外のデザイナー100名超が所属し、フルリモートという制約の中でより良いチームをどのように作るのか、試行錯誤を繰り返しています。

さらに、私たちは全てのプロジェクトで、クライアントとワンチームになることを目指しています。こうしたクライアントの中には、セキュリティに対して非常に厳格な金融機関や、リモートワークが全くの初めてと言う大企業も含まれています。一部のリテラシーの高い人たちだけが対応できるリモートワークでは意味がないのです。

そんな試行錯誤の結果、多くのクライアントがリモートプロジェクトに適応することができ、コミュニケーション量が圧倒的に増大、ときには「アウトプットの量と質が、今までの制作会社よりも圧倒的に良かった」などの好意的な評価をいただくこともできました。リモートワークへの変革は確かに難しいのですが、リモートワークに必要な環境や手段、マインドセットを適切に運用することで、多くの企業でリモートワークを導入できる手応えを私たちは掴んでいます。

「自分の仕事は高度な仕事だから」「アナログな領域だから」「人間同士の本気のコミュニケーションが大切だから」リモートにできない様々な理由が思い浮かぶと思います。しかし私たちは模造紙やホワイトボード、付箋を駆使し、四六時中チームが密着して議論を行い、アイディアをぶつけ合いながら同じ窯の飯を食い、時に泣き、時に笑いながら、プロダクトやサービスのデザインを進めていく。そんな仕事であってもフルリモートで実行することができるという事実を知って欲しいのです。

リモートワークであらわになる組織の不都合

リモートワークの導入により、コミュニケーション不足によって意思疎通が難しくなったり、顔の見えない社員が時間通り働いているかといったマネジメント上の不安感、その状況で部下や上司をどう評価するかなど、さまざまな問題が起こります。リモートワークをだからうまくいかないと捉えるか、根本となる原因を見つめ、これを機に解決を図るか、リモートワークに戸惑う多くの企業はこの分岐点に立っているのかもしれません。

リモートワークに限らず、今、企業が問われているのは「変化への受容性」に他なりません。「リモートワークを導入しよう」となったとき、一発で完璧な適応ができる企業は存在しないでしょう。完璧な答えが存在しないことを認め、その現実から学び、進化を続けることが重要です。いつだって時代の変化にを敏感に捉え、トライアンドエラーを繰り返しながら変化していく企業が生き残ってきました。この姿勢が、今ますます重要になってくると考えられます。

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フルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」

テクノロジーの力も大いに利用する

幸いなことに、上に挙げた課題の多くは、テクノロジーの力を効果的に使うことで解決できる可能性があります。オンライン会議システム、テキストチャット、リアルタイムホワイトボードなど、オンラインでも様々なチャネルでコミュニケーションをとることができる環境が整いつつあります。特別なツールを開発したわけではなく、既存のツールの組み合わせで十分に対応することができたのです。

私たちGoodpatch Anywhereは、そのテクノロジーを使い、クライアントがリモートワークを初めて導入にするにあたっての様々なサポートをしてきました。テクノロジーはただ使うだけではその効果を最大限に発揮できません。私たちがクライアントにツールを導入する際は、ツールをどうやってチームや組織に浸透させるかを、アプリやWebサービスの初回体験を設計するように慎重にファシリテーションをします。

適切なレクチャーを行い、楽しみやすい雰囲気を作り、意義を効果の出やすい利用法を考え、使いやすい場所に配置します。誰もが無理なくツールを使えるようにするために何をすれば良いのかを本気で考えましょう。その過程できっと、今までの仕事を新たな目線で捉えて改善でき、時にはリモートワークならではの成果や効用を見つけることもできると思います。

組織を構成するメンバーの感情にアプローチする

しかしこのような新しい取り組みをする際、変化に晒されるメンバーには当然、大きな不安やストレスがかかります。組織を構成するメンバーの一人ひとりの不安が集った結果として、変化を拒絶し、組織の変革を阻んでしまいます。100人を変化させようとしたときに、100人分のブレーキが発動するのではなく、100人を推進役にするためにはどうしたら良いかを考える必要があります。

しかし、この状況は熱意ある個人のスキルやモチベーションで解決できるものではありません。組織として、変化や挑戦を歓迎する姿勢を示すことが必要です。例えばリモートワークを導入しようとした時に、勇気を持って環境構築に参加したメンバーが何かしらの失敗と出会ったとします。するとつい「ほらみろ、リモートワークなんて…」と言ってしまうことがあります。

これは「必ず起こる」現象なので、組織として意図的に抑制しなければいけない行動です。リーダーはこうした発言を認めないと宣言しましょう。変化への挑戦が歓迎され、失敗ではなく「このやり方ではうまくいかないという経験を得た」ということであり歓迎されるものだと宣言しましょう。こうして、一人ひとりが少しづつ安心して協力できるようにすることで、新しい変化は坂道を転がるように組織を巻き込んでいくことでしょう。

組織に何か変革をもたらそうという時にはこちらの情報が参考になると思います。人々の意見やムーブメントの伝搬の仕方を理解することで成功確率は大きく変わってくることでしょう。

(参考リンク)

リモートワークを口実に組織変革をするしたたかさを

幸いにも、ここ数ヶ月はリモートワークに関する知見が大量に流れています。これまでリモートでは無理と言われていた業務にリモートでチャレンジする先駆者も、その知見を惜しみなくオープンにしています。ぜひ多くの企業でこの知見を取り込み、この変化を受容する一歩目を踏み出していただけることを期待しています。その中で、私たちの取り組みが、皆様がその変化の一歩目を踏み出す勇気に少しでも寄与できるなら幸いです。

ただでさえ厳しい戦いであることは間違い無いのですが、リモートワークによって表出した企業や組織の課題に蓋をするのではなく、正面から見つめて根本解決ができないかと考えましょう。今、後ろ向きな対応をして変化を嫌い、挑戦を阻害し、メンバーが萎縮して挑戦できなくなった「変化に対するアレルギーを抱えた企業」になるのか、リモートワークをきっかけに変化の動きを押し進めて「変化慣れした企業」になるのかが問われているのです。

さて、いかがだったでしょうか?

私たちの経験が何かのヒントになれば幸いです。

本稿はUI/UXデザインを強みとした新規事業の立ち上げや、デザイン組織構築支援などを行う株式会社グッドパッチが運営するフルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」によるもの。Twitterアカウントは@GoodpatchAW。彼らの事業に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。また、一緒に事業を推進するメンバーも募集している。