コロナショックが可視化したクラウドキッチンの可能性

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Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

飲食はたとえそれがどのような時代であっても、経営し続けることが非常に難しいビジネスです。 その為、新規開業飲食店の60%が最初の1年以内に、80%が最初の5年以内に失敗してしまいます。

飲食ビジネスの失敗率が高い理由は次のようなケースがあります。

  • 消費者の嗜好の変化
  • 低い利益率
  • 離職率の高さと慢性的な人材不足
  • マーケティングの不在(間違った立地/ターゲットやコンセプト)
  • 消費者のためのデジタル体験の低さ・ITリテラシーの低さ

2020年のブラックスワンである新型コロナウイルス(COVID-19)は、依然世界中で猛威を振るっており、これを受け全世界でレストランの訪問者数は減少し続け、消費者需要は急激に落ち込みました。

これはデータからも明らかです。PYMNTSのCOVID-19 Briefシリーズの最新版によると、

流行が始まってからレストランで食事をする消費者のシェアは85.2%減少し、11日間で52.3%減少しました。これは今までのデータで観測された行動の変化として最大と言われています。

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〈Navigating-COVID-19-Pandemic-Life-On-Lockdown-Edition-March-2020より抜粋〉

またこのデータセットのトラフィックは単にテイクアウトにシフトしていないことにも注意が必要です。 外食の代わりに注文することが増えたと答えたのはわずか16%なのです。

これはレストランにとって非常に厳しい現実です。消費者が「withコロナ〜Afterコロナ」でどのように行動変容するのか、今その答えを知ることは誰もできないし、結果に影響を与えることもできません。

そもそも、コロナショックはいつ終わるのでしょうか?

ワクチンが開発されている間にもまた新たな波があるのでしょうか?

外界との接触に飢えた消費者は、開店と同時にレストランに殺到するのでしょうか?それともこれからは閉鎖的な人混みの中にいることに少し警戒心を持つのでしょうか?

ビジネスマンはすぐに仕事に戻るのか、それとも経営者はオフィスのオープンに極端に慎重になるのでしょうか?

このように外食産業を取り巻く多くの事象は流動的になり、大半のレストラン経営者は自分たちのコントロールの及ばないことを心配する時間も余裕もなく、日に日に体力気力を削られてしまっているように感じます。

新時代への適応に必要なもの

そんな中でも、私の知り合いのあるレストラン経営者は、決意と革新で危機を乗り切る方法を見つけています。そのレストランは、実店舗でのビジネスをデリバリー販売のみに切り替えることで飲食事業を継続・維持しています。

これは全く難しい話ではありません。

COVID-19により、レストランは、食事に来たお客に対しお店を閉めることを余儀なくされ、デリバリーがお客にサービスを提供するための唯一実行可能な手段となりました。

このレストランはその事実を正しく理解し、すぐに店舗オペレーションをデリバリー店舗として最適化することで危機を乗り切っています。(我田引水で恐縮ですが)彼らは、ククピークラウドキッチンの導入を選んでくれました。

このサービスを通し、デリバリーに特化したフードメニューとデリバリーサービスを活用することで、今では以前のレストラン業態以上の利益を上げています。これはレストランが自らピンチをチャンスに変え見事に結果を出した事例です。

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〈ククピークラウドキッチンの仕組み〉

コロナショックは、レストランにとって間違いなく大きなパラダイムシフトとなります。

それは、COVID-19がレストランを襲った危機が「稼働しているレストランを、望むと望まざるとにかかわらず、本質的にゴーストキッチン(クラウドキッチン)へと変えてしまった」ことで明らかです。

そしてこの流れは不可逆的です。なぜなら、このクラウドキッチンシステムが「withコロナ〜Afterコロナ」において、既存レストランシステムよりもはるかに多くの利益を上げることが証明されるからです。

では、この前例のない時代に事業を存続させる為にレストランや飲食事業者に必要なことは一体何でしょうか?私はそれはただひとつ〈適応〉できる事と考えます。〈適応〉することが、今日の飲食店に開かれた唯一の生き残る選択肢です。

ここでは3つのポイントを紹介します。

在庫を最大化する
需要が不透明な中、手元に何があるのか、どの食材が腐る可能性があるのかを確認することが重要です。レストラン経営者はリーンな状態を維持しキャッシュフローを最大化するために、少なくとも優先順位の高い食材の在庫数を毎日確認することをお勧めします。そして、手元にあるものを把握したら、それをどのようにして収益性の高いメニューアイテムにパッケージするかを知ることが非常に重要です。

ベンダー(仕入先)と連携する
ベンダーは、今手元に在庫が多く取引が少ないという不安定な状況にあります。ベンダーと協力して、必要とされる主要な食材の価格や支払い条件を交渉してみましょう。

デリバリーサービスを導入する&メニューをデリバリーに最適化する
UberEats等のデリバリーサービスを導入しましょう。その際は提供メニューをシンプルにして且つ十分なマージンを確保しているかどうかを確認してください(デリバリープラットフォームへの支払いとして35〜40%を計上してください)

そして、ここで特に大事なのは、「デリバリーで売れるメニューとレストランで売れるメニューは違う」という認識を持つことです。

新時代のレストランビジネス

USでは、Afterコロナの世界では、我々が知っているようなレストラン業界はおそらく以前の「普通」に戻ることはないだろうと言われておりすでにその見解は一般的なものとなっています。

また、フードデリバリーはかつては収益性への道のりが疑問視されていたものでしたが、現在では既に業界の一部となっており、レストランプレイヤーとUberEatsのようなプラットフォーマーはそれぞれの関係をより明確にする必要があるでしょう(つまり、レストラン側の視点で見ると、フードデリバリーが成長するにつれ、レストランはプラットフォーマーと協力するか、独自のデリバリープラットフォームの構築に注力するかという問題に直面することになります)

少し話が逸れてしまいましたが、とにかく、withコロナ〜Afterコロナにおいては特にフードデリバリーやクラウドキッチンは私達にとって全く新しい体験をもたらす大きな可能性を秘めています。

それはもう消費者にとっての利便性だけで定義された市場の話ではありません。将来は配達がマストであり、安全性が担保され、デリバリーを中心にマルチチャネルでメニューを提供できることがレストランプレイヤーとしてデリバリー市場の一部になるためのベースラインとなる時代がやってきます。そして、それは今回のコロナショックにより皆が思うよりも早いスピードでやってくるはずです。

コロナショックに〈適応〉して一緒にこの時代を乗り切りましょう。

本稿は、飲食店がデリバリーを通じて得られる収益を最大化できるサービス「ククピークラウドキッチン」を運営する株式会社cookpy代表取締役、 安井一男氏によるもの。Twitterアカウントは@kzcookpy。彼らの事業に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。